B.O.M.Newsletter #313web版 　　　2006年11月13日

◆月刊ブルーグラス・ジャーナル「ムーンシャイナー」誌 が11月号で24年目に突入です。60年代のカントリー＆ウェスタン誌、70年代のジューン・アップル誌の功績を 受け継ぎつつ、日本で生活する自分にとってブルーグラスとは何かを考えながら毎月、ひとり楽しく編集してい ます。読者の皆さん、ライターの皆さん、広告主の皆さん、ありがとう!!　24年目もひたすらブルーグラスと オールドタイム、われわれの文化を紹介していきたいと思います。定期購読を、なにとぞよろしくお願いします。

　ムーンシャイナー11月号はIBMAリポート大特集（ア ワード・ショウ含む）のほか、ジョン・ハーマン＆メリディス・マッキントッシュ来日、マーベラス桜井＆ヒズ・ ホット・フィドル・バンド「ウェスタン・スウィング・バンドの作り方」、ハーガー・ファミリー・バンドin山 梨などの特集、ニュース、レビュー、コラムなど日米ブルーグラス情報満載。

　定期購読は１年間（12冊）\6,000- 半年間（６冊）\3,300-。購読開始希望月をお知らせいただければ、振 り込み票とともに早速お送りします。…定期購読を、なにとぞよろしく!!

SZCD-6026 CLARENCE WHITE『Flatpick - Collector's Extended Edition』CD２枚組\3,098-(本体\2,950-)

　クラレンス・ホワイトのギター教則テープなど、新し く発見された未発表を含む特別1000部限定配布という。

HT-8194 LAURIE LEWIS & the RIGHT HANDS『The Golden West』CD \2,888-（本体\2,750-）

　ローリー・ルイス、久々のブルーグラスはすばらしい 大人のブルーグラス。BG新入荷参照。

ROU-0575 RHONDA VINCENT『Beautiful Star:A Christmas Collection』CD\2,573-（本体\2,450-）

　今年のクリスマス、一押し!!ロンダ・ビンセント。ク リスマス特集新入荷参照。

ROU-0512 J.D.CROWE & the NEW SOUTH『Lefty's Old Guitar』CD\2,573-（本体\2,450-、歌詞付）

　これまた、７年ぶりのニューサウス。ブルーグラス 新入荷参照。

SH-4022 NICKEL CREEK『Reasons Why:The Very Best of Nickel Creek』CD+DVD\2,888-（本体\2,750-）

　21世紀の若者ブルーグラスをリードするニッケル・ クリーク、活動休止宣言に合わせたベスト集＋プロモ映像DVD。ブルーグラス発掘新入荷参照。

HORN-3001 ANDY STATMAN『East Flatbush Blues』CD\3,255-（本体\3,100-）

　やっぱ天才!!アンディ・スタットマン、久々のブルーグラス・マンド集。インスト新入荷参照。

APCD-2014 青木 研『Banjo On Stage』CD\2,835-（本体\2,700-）

　まさに驚異のフラットピッキン！すばらしい４弦バ ンジョー・ソロ。インスト新入荷参照。

D-0566 BASCOM LAMAR LUNSFORD『Bluegrass Roots; Music Makers of Blue Ridge』DVD\1,837-(本体\1,750-)（60分、白黒）

　バスコム・ラマー・ランスフォードが、ブルー・リッ ジを案内してくれる凄いドキュメント映像が発掘された。映像新入荷参照。すばらしい!!

SHOUT-10041 V.A.『The Harry Smith Project:The Anthology of American Folk Music Rivisited』2CD+2DVD+BOOK \7,980-(本体\7,600-)

　フォーク・リバイバルの源泉となった『Anthology of American Folk Music』のハリー・スミスに敬意を表し、ロック、ポップ、オルタナ・フォーク、カント リーなど、さまざまなジャンルのミュージシャンたちによって1999年から2001年にかけて開催されたトリ ビュート・コンサートがCD２枚全33曲、DVD２枚(１枚が23曲収録のライヴ、１枚はドキュメンタリー・フィ ルム。但し、リジョン・コード１のため、通常のDVDプレイヤーでは再生できません)、そして大部の解説書を 付してLPサイズのボックス・セットとしてリリース。[詳細]

ROU-0575 RHONDA VINCENT『Beautiful Star:A Christmas Collection』CD\2,573-（本体\2,450-）

Christmas Time at Home/Beautiful Star of Bethlehem/Christmas Time's A Comin'/Let It Snow/Silent Night/Winter Wonderland/Jingle Bells 他全12曲

　自称「アメリカン・ブルーグラス・ガール」のロンダ・ ビンセント、初のクリスマス・アルバムは彼女が考えるブルーグラスへのこだわりを１曲目で吐露した後、 ちょっと脇に置いて創り上げた見事なアコースティック・クリスマス集。ブライアン・サットン(g)、アダム・ ステッフィ(m)、ステュアート・ダンカン(f)の黄金トリオを中心に、曲調に合わせてバンジョーはロン・ス チュワート、スコット・ベスタル、アーロン・マクダリス、そしてノーム・ピケルニー、フィドルにルーク・ブ ラとハンター・ベリーを基本に、ゲストとしてデビッド・グリアのリード・ギター、ジェフ・テイラーのアコー ディオンやベニー・ホイッスル、アンバー・バークスのハープなどの楽器群に、シャロンとシェリルのホワイ ト姉妹やジェフとシェリ・イースター夫妻、カール・ジャクソンやダーリン・ビンセントらのハーモニー・ ボーカルが適材適所に配され、美しいオリジナル・ブルーグラスの１曲目にはじまり、ジャズ・トリオからス ウィング、ケルト風味まで、あくまでもブルーグラスであることを中心にエンターテイメント性に溢れたクリ スマス作品に仕上げている。最後の曲で聴かせるノーム・ピケルニーの頭脳バンジョープレイにかぶさる賑 やかで楽しげなコーラス陣がこのアルバムを良く表している。…クリスマスだよ!!

ARI-00533 BRAD PAISLEY『A Brad Paisley Christmas』CD\2,783-(本体\2,650-)

Jingle Bells/I'll Be Home for Christmas/Away in a Manger/364 Days to Go/SIlver Bells 他全11曲

　絶好調ブラッド・ペイズリ―が初めて制作したクリ スマス・コレクション。定番中の定番"Winter Wonderland"や"Silent Night"などスタンダード６曲に、"Penguin, James Penguin"などブラッドのオリジナル４曲、そして故バック・オウエンズ60年代のヒット 曲"Santa Looked a Lot Like Daddy"のカヴァー、ギタリストとしての腕前は"Jingle Bells"のインストでたっぷりと、そしてレギュラー・メンバー(？)、ク ン・パオ・バッカルーズ(ジョージ・ジョーンズ、ビル・ アンダーソン、リトル・ジミー・ディッケンズとのコミック・ユニット)も、いつもどおりの活躍をみせてい る。（宇野誠之）

COMP-4412 NEW GRANGE『a Christmas Heritage』CD\2,573- （本体\2,450-）

Greensleeves/Go Tell It on the Mountain/It Came Upon a Midnight Clear/Christmas Eve 他全13曲

ダロル・アンガー(f)が主宰したヘリテイジのクリスマス・アルバムが、ニュー・グレインジ名義で再発売。 ティム・オブライエン(v,m)、マイク・マーシャル(g,m)、 アリソン・ブラウン(bj,g)、トッド・フィリップス(bs)、 フィリップ・アーバーグ(piano)とダロルが贈る研ぎ澄まされたスピリチュアルなアコースティック・アンサン ブル。このメンバーで創る音は繊細にして緻密、あくまでも美しい。

ROU-0190 DAVID GRISMAN『Acoustic Christmas』CD\2,573-（本体\2,450-）

　クリスマス・インストの超ベストセラー決定盤。ジャ ンルを超えて楽しめるアコースティック楽器の響きとなじみ深いメロディーの数々。デビッド・グリスマン を中心に、マイク・マーシャル、ダロル・アンガー、ロブ・ワッサーマンのカルテット・メンバーに、マーティ ン・テイラーやベラ・フレックをゲストにした1983年の大名作。

R2-76110 EMMYLOU HARRIS『Light of the Stable』CD\2,079-（本体\1,980-）

　アコースティック・クリスマスの名作が３曲の新録 音を加えて1979年の再発モノ。ブルーグラスのノウハウでトラッドフォークに回帰しはじめたエミルー、30 才前後の絶頂期にリッキー・スキャッグスやザ・ホワイツを核にして、独特の透明感を持ったアコースティッ ク音楽の新時代を提案した名作。

HHH-1373 V.A.『Christmas with Hay Holler』CD\2,573-（本体\2,450-）

　ヘイ・ホラー・レコード所属アーティスト、シダー・ ヒル、ブルーグラス・ブラザーズ、ロスト・ハイウェイ、 ビッグ・カントリー・ブルーグラス、ファイヴ・フォー・ ゴスペル、ザ・ブルーグラス・バンドによるトラッドグラス・クリスマス全15曲。ほとんどが新録音で、ロー カル・バンドも多く（個性的でとてもいい）、新しい発見が楽しい作品だ。

SH-3855 V.A.『Tinsel Tunes』CD\2,079-（本体\1,980-）

　サム・ ブッシュの"Sleigh Ride"でもうキマリ!!…その他、LRBのカントリーや、クリス・シーリやサイ コグラスのインスト、、チェサピークのスウィング、ブラザー・ボーイズのお洒落なデュオ等々、ジャンルを越 えて楽しめる1996年アメリカン・クリスマス集。

RW-XTAB ROLAND WHITE『Mandolin Christmas』Book+CD\3,045-（本体\2,900-）

We Wish You a Merry Christmas/Jingle Bells/Joy to the World/Away in a Manger/Silent Night 他全10曲

　ローランド・ホワイトが丁寧に有名クリスマス10曲 を教えてくれるCD付きマンドリン教則本。前半はローランドらしい心に響くタッチでのマンドリン・ソロの 弾き方とお手本、後半はギターとマンドリンのコード譜つきで伴奏のみ。実戦向きに作られたクリスマス曲 マンドリン教則集。ブルーグラス・マンドリン教則決定版『Approach to Bluegrass Mandolin』(RW-TAB Book+CD\6,090-)もすばらしい!!

　ブルーグラス月刊誌のムーンシャイナー最新11月号 (MS-2401 \525-)はIBMAアワード特集、ということで受賞者の関連作品を紹介しよう。

　なんとムーンシャイナー、今月から24年目です。こ の機会にぜひ定期購読をお願いします!!

ROU-0549 THE GRASCALS CD\2,573-（本体\2,450-）

　アワード最高の名誉であるエンターテイナーに輝い たのはデビューわずか２年のザ・グラスカルズ。10月の熊本カントリーゴールドにも来日した彼ら、ナッ シュビル市内バス停のベンチに彼らの写真がペイントされているって、本当なんですよ!!　本作は昨年発表 のデビュー盤。今秋発表したばかりの最新第２弾『Long List of Heartaches』(ROU-0583 \2,573-)もすばらしい。21世紀のオズボーンとフラット＆スクラッグス を目指すネオ・トラッドグラス!!

SH-4005 TIM O'BRIEN『Cornbread Nation』CD\2,573-（本体\2,450-）

SH-4006 TIM O'BRIEN『Fiddler's Green』CD\2,573-（本体\2,450-）

　最優秀男性ボーカルには12月に来日するティム・オ ブライエン!!　保守傾向にあるIBMAアワードの番狂わせか!?　上記は昨秋に同時発売された２枚。

　SH-4005はIBMA最優秀アルバムにノミネートされた楽しいアメリカ南部音楽集。SH-4006は今年のグラ ミー最優秀フォーク受賞作であり、また、この中から"Look Down That Lonesome Road"がIBMA最優秀ブルーグラス・ソングのダブル受賞!!

ROU-0580 RHONDA VINCENT『All American Bluegrass Girl』CD\2,573-（本体\2,450-）

　最優秀女性ボーカルは現在44才、母にして、ブルー グラス・ガールのトップランナーである頑張りやさん、ロンダ・ビンセントだった。彼女の最新作。昨年発売の ライブDVD映像『Ragin' Live』(ROU-0553D \3,308-)も秀逸だ。ただ…、アワード・ショウでの彼女の選曲と 演出、それに続く米海軍のカントリー・カレントが愛国的であり過ぎ、IBMAの"I"の意義との関連で大問題と なり、IBMA理事長の辞任に及び、現在も大紛糾中だ。ムーンシャイナー誌で逐次その様子は紹介する。

SKFR-1007 RICKY SKAGGS & KENTUCKY THUNDER『Instrumentals』CD\2,573-（本体\2,450-）

　リッキー・スキャッグスとケンタッキー・サンダーが 最優秀インスト・バンドを受賞。その彼らによる初インスト集は、繊細なメロディーをテーマにアイルランド からヨーロッパの薫りを湛えたデリケートなインスト・アルバム、ビル・モンロー晩年の充実感にも通じる陰影 を湛えた作品に仕上げている。アワード・ショウではオーケストラをバックに悠々のビッグ・サウンドを聴 かせた。

ROU-0557 DOYLE LAWSON & QUICKSILVER『You Gotta Dig a Little Deeper』CD\2,573-（本体\2,450-）

　最優秀ボーカル・グループは現在、もっとも完璧なブ ルーグラス・アンサンブルを聴かせるドイル・ローソンとクイックシルバー。彼らのラウンダー移籍第１弾。圧 倒的なハーモニーとソリッドグラス・アンサンブル。25周年記念コンサートの２時間に及ぶライブDVD 『Through the Years』(MH-10639 \3,990-)も好評発売中。

SKFR-9001 V.A.『Celebration of Life:Musicians Against Childhood Cancer』』CD２枚組\3,360-（本体\3,200-）(Web版のみの掲載)

　やっぱ、最優秀アルバムを受賞したオールスター・キャストの子供癌基金のためのチャリティー・アルバム。今のブルーグラスを一覧することが出来るライブ。セルダムシーン、ニューサウスからグラスカルズ、ロンダ・ビンセント、チェリーホームズからトニー・ライスまで総勢136人、受賞に100人以上がステージに並んだ様は壮観だった。

BCR-003 DAUGHTERS of BLUEGRASS『Back to the Well』CD\2,888-（本体\2,750-）

　最優秀レコード企画受賞作品。さまざまなバンドや 地方で活躍するブルーグラスの娘たちが18人集まったプロジェクト。1970年代からのパイオニアのひとり、ル イーザ・ブランスコム（"Steel Rails"の作者）をはじめ、デイル・アン・ブラッドリー(g)、ジーネット・ ウィリアムズ(bs)、ジーナ・ブリット(bj)、バレリー・スミス、そして最年少のヒザー・ベリーら、女性ばかり で創り上げたブルーグラス。

SH-4004 JIM MILLS『Hide Head Blues』CD\2,573-（本体\2,450-）

　今年も最優秀バンジョー奏者、究極の「トーンとタイ ミング」、ジム・ミルズのプリ・ウォー・フラットヘッド・マスタートーン・バンジョー・アルバム。ムーン シャイナー誌2005年９月号(MS-2211 \525-)で薀蓄に富むライナーノーツ訳あり。

RHY-1029 JIM VAN CLEVE『No Apologies』CD\2,573-（本体\2,450-）（歌詞付）

　最優秀マンドリンはマウンテン・ハートのアダム・ス テッフィ。本作は現在もっともアグレッシヴなフィドラーのひとり、ジム・バンクリーヴのデビュー・ソロ作 品にアダムが加入。インスト６曲とボーカル物５曲でマウンテン・ハートにロン・スチュワート(bj)、ロブ・ア イクス(d)の６人を基本に、ブライアン・サットン(g)を５曲で起用、といったバックの凄いこと凄いこと…!!　 同様の企画でクレイ・ジョーンズのギター・アルバム『Mountain Tradition』(RHY-1025 CD\2,573-)でもアダムが凄い。

PC-1130 JIM HURST & MISSY RAINES『Synergy』CD\2,573-（本体\2,450-）(Web版のみの掲載)

　かつてアリソン・ブラウンがバンジョーで受賞して いるが、IBMAの最優秀奏者で女性としてベーシストの受賞を重ねるミッシー・レインズとジム・ハーストの ベース＆ギター・デュオ作品。最優秀ギターの受賞経験もあるジムの驚異的なギター・テクと暖かいバリトン・ ボイス、ミッシーの女性とは思えない力強いベースとキュートなボーカルで、男性・女性ボーカルが楽しめ る。

SH-4001 BRYAN SUTTON『Not Too Far from the Tree』CD\2,573-（本体\2,450-）

　最優秀ギター受賞のブライアン・サットン最新作。自 身のギター・ヒーロー12人（お察しの皆さんとスクラッグスやジョージ・シャフラー）とのギター・デュエット 14曲集。トニー・ライスとデビッド・グリアのみ２曲ずつ。

ROU-0565 UNCLE EARL『She Waits for Night』CD\2,573-（本体\2,450-）(Web版のみの掲載)

　今、大きく変貌しつつあるオールドタイム、その中心 にいる揺れる女の子たち、アンクル・アール（MS誌2005年８月特集参照）。IBMA最優秀ジャケット・デザイン受 賞だよ…。

OH-90216 DELIA BELL AND BILL GRANT『Good Woman Blues』CD-R\2,888-(Web版のみの掲載)

　長年のブルーグラスへの功績が顕彰されるIBMA生涯 功労賞に選ばれたビル・グラント、この作品のようにデリア・ベルとのコンビによるトラッドグラスもすばら しいが、ビーン・ブロッサムに次ぐ世界第二位の最長フェス「Hugo Fest」の主宰者としてオクラホマ方面でのブルーグラス貢献は絶大だ。ちなみに宝塚フェス は世界第３位だヨーン。

SP-1007 RONNIE RENO & RENO TRADITION『In Concert』CD\2,888-(本体CD\2,750-)

　同じくIBMA生涯功労賞に選ばれたドン・レノの長男、 ロニー・レノ。本作は彼の新バンド、レノ・トラディションのライブ集。モンロー名曲のインスト集が好評 のマイク・スコット(bj)、話題のザ・グラスカルズのダニー・ロバーツ(m)を擁し、レノ＆スマイリー名曲 "Driftin' with the Tide"や"Love Please Come Home"など全12曲。ほんとにいい人なんだ。

HT-8194 LAURIE LEWIS & the RIGHT HANDS『The Golden West』CD\2,888-（本体\2,750-）

Your Eyes/99 Years/Before the Sun Goes Down/Bury Me in Bluegrass/Goodbye Waltz 他全13曲

　１曲目からクレイグ・スミス(bj)のセンスのいいス リーフィンガーで「ブルーグラス」を主張するローリー・ルイスとライト・ハンズ、ビル・モンロー曲をタ イトルにした最新作。トッド・フィリップスのベースにスコット・ハフマン(g)とトム・ロザム(m)のボーカル もフィーチャーしながらジミー・ロジャーズ、スタンレイ、ジミー・マーティンからオリジナル、そして最後の 故ジョン・ハートフォード曲まで、ゲストにリンダ・ロンシュタット（"Rank Stranger"でさすがのテナー）を迎え大人のバンドサウンドを聴かせる。ブルーグラ ス・スタンダードの五つの楽器から出てくるひとつずつの音を丁寧に、決してスーパーでもない、そして無理 をしない細心のアンサンブルがメチャ心地良い。ローリー・ルイスが最良のメンバーたちと新しく組んだユ ニット、今夏に逝ったバーン・ウィリアムズに捧げられた久々にストレート・ブルーグラスを演じる期待通り の秀作である。

ROU-0512 J.D.CROWE & the NEW SOUTH『Lefty's Old Guitar』CD\2,573-（本体\2,450-、歌詞付）

Mississippi River Raft/Just Loving You/Rovin' Gambler/I'm a Hobo/Blue Bonnet Lane 他全12曲

　J.D.クロウとニュー・サウス、７年ぶりの新譜であ る。ニューサウス一流のややバウンシーなソリッド・サウンドに乗っかる見事なJ.D.クロウのスリーフィン ガーとバックアップを生むバンジョーのトーンとタイミング、そしてロン・スチュワートのアグレッシブなが らツボを心得たフィドルが快感だ。一方でタイトル曲などに聴かれるカントリー志向、そのいずれもでリッ キー・ワッソン(g)がすばらしいボーカルを聴かせ、ドワイト・マッコール(m)がテナーをとる。２曲でダグ・ ジャーニガンがペダル・スティール（内１曲でシア・チェリーホームズのハーモニー）がゲストながら、基本 はハロルド・ニクソンがベースを刻むバンド・サウンドに徹している。…あれは31年前の夏、トニー・ライス とリッキー・スキャッグスにジェリー・ダグラスを擁したニューサウスが来日（ムーンシャイナー2005年８月 号に特集）、その日から日本のブルーグラスは一気に加熱しはじめたんだ。ライブでは現在も当時のレパート リーを中心に演じる彼ら、ニューサウスのバランス感覚は今も基本的には変わらない。

COMP-4445 DALE ANN BRADLEY『Catch Tomorrow』CD\2,573-（本体\2,450-）

Rita Mae/Live Forever/Ru Rufus Run/Julia Belle/Grandma's Gift/Me and Bobby McGee 他全12曲

　知る人ぞ知る、すばらしい女性ボーカリストとして 長いキャリアを誇るデイル・アン・ブラッドリー、ソロとして６枚目となる最新作はアリソン・ブラウンのコ ンパス・レコードからアリソン自身のプロデュース。アリソンはもちろん、ステュアート・ダンカンやティム・ オブライエン、トッド・フィリップスやジェフ・ホワイトらアリソン人脈を要所に配しつつ、マイケル・クリー ブランド（すごいリード・ギターも聴かせる）やニュー・ クーン・クリーク・ガールズ以来の相棒ベッキー・シモンズ(bs)、ジェシー・ブロック(m)やピート・ケリー (bj)らの仲間たちをフィーチャー。ゲストにはマーティ・レイボンや、"Pass Me Not"ではラリー・スパークスが堪能できるし、スティーブ・ガリーやアンドレ ア・ゾン、ジム・ロウダーデール等々、アイリッシュのルナサも新鮮だ。キツーイ・ど・ブルーグラスから フォークタッチのかるいニューグラス、そしてカントリータッチの男女デュエット、かと思えばジャジーな ブルース、そしてアイリッシュとつづく、現在のブルーグラスの多様性を象徴するような作品に仕上げている。

AR-180 CHRIS HENRY『Monroe Approved』CD\2,888-（本体\2,750-）(Web版のみの掲載)

Indians Are Coming/Paddy on the Turnpike/Farewell to Long Hollow/Bed on the Floor 他全12曲

　すばらしい！高校時代にパンク・バンドでドラムを たたいていたクリス・ヘンリーが、父や母の影響でモンロー・スタイル・マンドリンに目覚め数年にして「これ」 だ。特にオリジナル曲がすばらしく、モンローのエッセンスを引き継ぎつつも若者らしい感覚を加えたインス トや、ローランド・ホワイトを迎えた「自作のトラッド・ ソング」など、伝統の価値と同時に、目の覚めるようなパワープレイでエネルギーの爆発等々、若い感性がモ ンロー精神を捉える。チャーリー・クッシュマン／姉ケーシー・ヘンリー(bj)、ジェイソン・カーター(f)、 ロニー・マッカーリー／ロバート・ボウリン(g)、マイク・バブ(bs)らの基本セットのほか、アラン・オブラ イアンやデビッド・マクローリンらモンロー・スタイルにゆかりある人たちとともに、父レッド・ヘンリーも 登場する。なお母はバンジョー教則で知られるマーフィー・ヘンリー。ビル・モンローの精神が見事に受 け継がれ新世代に新しい命を得る…、モンローって凄いッ!!クリスはエライっ!!

YEP-2137 JIM LAUDERDALE『Bluegrass』CD\2,573-（本体\2,450-）

Mighty Lonesome/Time's a Looking Glass/I Shouldn't Want You So Bad/Love in the Ruines 他全13曲

　1990年代以降のアメリカーナ現象をリードしたシン ガー／ソングライター、ジム・ロウダーデイルがタイトル通り『ブルーグラス』に正面から挑んだ意欲作。す でに、ラルフ・スタンレーとの共演アルバムを２枚発表（うち１枚はグラミー受賞）、ブルーグラスしている が、今回は共同プロデュースのランディ・コーアズ(d)とブライアン・サットン(g)を全曲に、デビッド・タル ボット(bj)、ジョッシュ・ウィリアムズとジェシ・コッブ(m)、そしてルーク・ブラ(f)といった若手を軸に、コ ンテンポラリーなブルーグラスを聴かせる。ノース・カロライナのブルー・リッジを望むステーツビル出身とい うアイデンティティーを曲想に生かしたソングライティングでジョージ・ジョーンズやジョージ・ストレイトほ か、多くのヒット曲を生み出した彼一流のオリジナルをブルーグラスで聴かせてくれる。

ROU-0576 NEW FOUND ROAD『Life in a Song』CD\2,573-（本体\2,450-）

Cold Blue Day/Handsome Molly/A Picture of Your Mother/Before the Next Teardrop Falls 他全13曲

　ラウンダーからオハイオの新しいバンド、ニューファウンド・ロードのデビュー作だ。2001年から翌年 にかけて結成されたという彼ら、すでにゴスペルを中心にした３枚のアルバムを出しているが今回、ブルー・ ハイウェイのロブ・アイクスがプロデュースでの全米デビューとなった。今風のすばらしいマンドリンのロ ブ・ベイカーを中心にティム・シェルトン(g)、ジュニア・ウィリアムズ(bj)のフロントマン３人ともにリー ド・ボーカルを取れる、ランディ・バーンズ(bs)との４人組。ロブのドブロとジム・バンクリーブのフィド ルが曲によって加わり、２曲でソニヤ・アイザックスがハーモニーを付けるが、あくまでもバンドサウンド と誠実なボーカルを売り物にした現在の南部系ブルーグラス・バンド。

BCR-003 DAUGHTERS of BLUEGRASS『Back to the Well』CD\2,888-（本体\2,750-）

Homesick for the Hills/Hickory Wind/Come on Down the Mountain/Prisoner Song/Grass Angels 他全13曲

　この20年間で女性ブルーグラスの地位は限りなく向 上した。かつて「女にブルーグラスは無理」と言われていた日米で今や逆転状態にある…!?　モンローが創り 上げたパワー・ブルーグラスは女性の参加でデリカシーを加え、その繊細なアンサンブルに磨きを掛けて いる。そんなブルーグラスの娘たちが18人、カロライナ・ロードのリーダーでもあるマンドリンのローレー ン・ジョーダンの呼びかけで集まったプロジェクトの最新第２作。1970年代にブート・ヒルで活躍、女性ら しいタッチのブルーグラス・ソングを創りはじめたパイオニアのひとり、ルイーザ・ブランスコム（アリソ ン・クラウスやジョン・デンバーで知られる"Steel Rails"の作者）をはじめ、リード・ボーカルにデイル・アン・ブラッドリー(g)、ジーネット・ウィリアムズ (bs)、ジーナ・ブリット(bj)、ミシェル・ニクソン、バレリー・スミス、そして最年少の10代ヒザー・ベリー ら、そしてETSU出身のベッキー・ビューラー(f)やメガン・マコーミック(g)などの才女が加わり、女性ばか りで創り上げたブルーグラス・アルバム。

SH-4022 NICKEL CREEK『Reasons Why:The Very Best of Nickel Creek』CD+DVD\2,888-（本体\2,750-）

Lighthouse's Tale/Out of the Wood/When in Rome/Reason Why/This Side/Smoothie Song 他全21曲

　ニッケル・クリークの究極ベスト集＋プロモ映像集。 21世紀の若者ブルーグラスをあらゆる意味で牽引してきたクリス・シーリ、彼の音楽的才能がまったく新しい ブルーグラス・フォロワーを生んでいき、ブルーグラスに新しい希望をもたらした。彼とショーン＆サラのワ トキンス兄妹とのニッケル・クリークは、ティーンアイドルとしてその３枚のアルバム合計200万枚という売り 上げを誇る（内１枚はグラミー受賞）。彼らがブルーグラスなのかどうか、それは聴き手各人次第でどうでも いいことだ、が、少なくとも３人は小学校低学年の頃からブルーグラス一筋で大きくなったことは紛れもない 事実だ。そんな彼らが2007年一杯でバンド活動を休止すると発表したのは９月、折りからクリスは最新ソロ・ アルバム『How to Grow a Woman from the Ground』(SH-4017 \2,573-)でブルーグラス復帰宣言をしている（詳細はムーンシャイナー９月号特集参照）。本作は そんな彼らの軌跡を一望するすばらしいベスト集。オーディオCDには７年前の強烈な２曲のライブ、キー ス・ウィットリー作"You Don't Have to Move That Mountain"と、トラッド"The Fox"（９分に及び、ディラン／モンロー／バッハを含む）が収められている。若 い彼らがいかに「一音にシビア」であるか、その一音に多くの若者があこがれてブルーグラスにやってくるの だ。極めるべし…!!　凄いです。

SH-4008 DOLLY PARTON『Acoustic Collection 1999-2002』CD３枚＋DVD\5,250-(本体\5,000-)

　世界的なスーパースター、ドリー・パートンがブルー グラスに取り組むというのは米国のブルーグラス界にとって大事件だった。1999年、サム・ブッシュやジェ リー・ダグラス、ステュアート・ダンカンらを従えて創った『Grass Is Blue』は、翌年に登場する「オー・ブラザー」や「ディキシー・チックス」の各700万枚の 大ヒットの、結果的には前触れとなるものだった。2000年のIBMA最優秀アルバムを獲得したとき、もちろん、 ブルーグラス界にはドリーが果実をもぎ取っていったというような批判的な声が聞かれたものの、このアル バムを機会にブルーグラスがメディアの片隅から中心に躍り出たことは間違いない。つづく2001年の 『Little Sparrow』と2002年の『Halos and Horns』を含めた３部作は、東テネシー出身のドリー・パートン がそのスモーキー・マウンテンの山懐に戻るというコンセプトで、シンガー／ソングライターとしてのド リーの真髄を垣間見せるものとして、今後高く評価されるだろう。本作はその３枚のアルバムに、ボーナスと して３曲のプロモ・ビデオ"Shine"、"I'm Gone"、"Dagger Through the Heart"と、2003年のCMAアワードでのノーラ・ジョーンズとの競演で"Grass Is Blue"のライブ、そして３枚のアルバムからボーカルだけと楽器だけを取り出したミックス・バージョンが計 ５曲などが収められたDVDがセットになったボックスもの。

RCSI-1004 DAVID PETERSON & 1946『In the Mountaintops to Roam』CD\2,573-（本体\2,450-）（歌詞付）

　チャーリー・クッシュマン、オウブリー・ヘイニー、 マイク・コンプトンら、申し分ないメンバーを基本セットに「これが正しいブルーグラス」をアピールするデ ビッド・ピーターソン最新作。１曲目のバディ・スパイカー／ステュアート・ダンカン／マイケル・クリーブラ ンドによるトリル・フィドルからどっぷりと、今年９月に還暦を迎えた1946年のブルーグラスへの愛に満ちて いる。聴くべし!!

SH-4017 CHRIS THILE『How to Grow a Woman from the Ground』CD\2,573-（本体\2,450-、歌詞付）

　ちょうど60年前の1946年９月、そのときの５人と同じスピリットを感じさせる20代の若者たちが、 ニューヨークのスタジオで、マイク２本を立てて録音したすさまじいライブ。クリス・シーリのソロ５作目 は、おそらく、70年代のオールド＆イン・ザ・ウェイやミュールスキナーと同様、次世代のブルーグラッ サーたちへの道標となる作品だろう。

FMR-001 VASSAR CLEMENTS & TONY RICE『the Low Country All-Star Band』CD\2,888-（本体\2,750-）

　ジャンルを超え、20世紀のアメリカが生んだもっと も偉大なミュージシャンのひとり、昨夏他界したバッサー・クレメンツがトニー・ライスを伴って2004年12 月、スコット・ベスタル(bj)、トニー・ウィリアムソン(m)らと、マンドリン作りで有名なランディ・ウッド の持つ100席あまりの小さなライブハウスで演じたトラッド・ブルーグラス・ライブ。

COL-93629 RALPH STANLEY『Distant Land to Roam: Songs of the Carter Family』CD\2,783-（本体\2,650-）

　ラルフ・スタンレー、メジャーのコロムビアからの最 新第２作はギタリストのジェイムズ・アラン・シェルトンが用意したシビアな選曲のカーター・ファミリー曲 集である。サントラ盤『オー・ブラザー』のT.ボーン・ハーネットをプロデューサーに、まさしく人間国宝級 のラルフの渋いボーカルでカーター・ファミリーが堪能できる秀作である。

PC-1152 JOHN COWAN BAND『New Tattoo』CD\2,573-（本体\2,450-、歌詞付）

　９月に来日したジョン・コーワン・バンドの最新作 は、バリバリのニューグラスでぶっ飛ばす１曲目のタイトル曲から、「自分の居所」を見つけて吹っ切れたと いうジョン、ニュー・グラス・リバイバルの手法を踏襲しながらバンド・サウンドの中でその稀有なボーカル を最大限に活かしている。ノーム・ピケルニー(bj)とシャド・コッブ(f)が凄い。ムーンシャイナー10月号 はJCBツアー密着リポート。

REB-1818 DON RIGSBY『Hillbilly Heartache』CD\2,573-（本体\2,450-）

　ラルフ・スタンレーを子守唄代わりに聴いて育った リッキー・スキャッグスの従兄弟、ドン・リグスビー。ブルーグラス・カーディナルズからJ.D.クロウ＆ ニュー・サウス、そしてロンサム・リバー・バンドで頭角を現し、ロングビューでその強力なテナー・ボイスで 大きな注目を浴びたドン、自身のミッドナイト・コールを率いての最新作は、「ケンタッキー・ワルツ」の熱唱 ほか、新旧をバランス良くミックスした軽快なブルーグラスを聴かせる。

ARH-9030 DEL McCOURY『I Wonder Where You Are Tonight』CD\2,079-（本体\1,980-）

　いまやブルーグラス界の最高峰にいるデル・マッカーリーが1967年、ビル・エマーソン(bj)、ビリー・ ベイカー(f)、ウエイン・イエーツ(m)らとともに残した歴史的デビュー作『Sings Bluegrass』のCD化。68年発表のステレオLPよりもオリジナの音質に近づけて いるという大名盤のCD再発である。なお、今年発表した最新作『The Promised Land』(MCM-0003 \2,573-)はDMB初のゴスペル作品。

ARH-524 VERN & RAY with HERB PEDERSEN『San Francisco 1968』CD\2,573-（本体\2,450-）

　今年６月に他界、サンフランシスコのブルーグラス に多大な貢献を残したバーン・ウィリアムス(m)と故レイ・パーク(f)が若きバンジョー奏者、ハーブ・ピーダー センとともに残したバリバリ・トラッドグラス・ライブ。超一級の魂がこもったアーリー・ブルーグラスが堪 能できる貴重な発掘ライブ。ムーンシャイナー７月号と８月号でバーン追悼特集。

GOTT-021 EARL SCRUGGS『Anniversary Special, Vol. 1-2』CD\2,888-(本体CD\2,750-)

　1975年と76年に発表されたアール・スクラッグス・ レビュー２枚のLPをCD１枚に。ゲストにビリー・ジョエル、レナード・コーエン、ポインター・シスターズ、 ジャック・エリオット、ジョーン・バエズ、ダン・フォー ゲルバーグ、ロジャー・マッギン、ロギンス＆メッシー ナ、ジョーン・バエズ他。

PC-4007 V.A.『Bluegrass Legends』\2,079-（本体\1,980-）(Web版のみの掲載)

　パインキャッスル・レコード作品の中から、デル・マッ カーリー親子とテリー・エルドレッジやラリー・パーキン スの共演を皮切りに、ボビー・オズボーンとアリソン・ク ラウスのデュオ"Storms Are on the Ocea"から、最後はスクラッグス、オズボーン、ハートフォードの超重量級 共演の"Foggy Mountain Top"まで、大物ゲストを迎えた廉価企画10曲集。

KONCDR-006 ストーヴ『The Bluegrass Band of Hokkaido, Japan』CD-R\1,000-(本体\952-)(Web版のみの掲載)

　ムーンシャイナー７月号で特集された北海道のブルーグラス・バンドのデビュー作。ブルーグラスのベ テラン・ピッカーたちが、中原直彦(g)の書いた日本語のオリジナル（ハンク・ウィリアムズ「We Live in Two Different Worlds」、喜納昌吉「花」、トム・パクストン「Ramblin' Boy」を除く）をストレート・ブルーグラス。ブルーグラス・スタイルをマスターしたミュー ジシャンが日本語詩をいかに料理するか、そんな難題に自然体で向かっている。

ROU-0581 BRADLEY WALKER『Highway of Dreams』CD\2,573-(本体\2,450-)

　IBMAで話題の大型新人、いわゆる「ハード・カント リー」ボイスの持ち主、筋ジストロフィーで車椅子生活を送る29才のブラッドリー・ウォーカーのデビュー・ ソロ。そのバリトン・ボイスは深い説得力でカントリー（田舎）の本質を伝える。カール・ジャクソンの制作で、 クレイ・ヘス(g)、アダム・ステッフィ(m)、オウブリー・ ヘイニー(f)、ランディ・コーアズ／ロブ・アイクス(d)、ロン・ブロックとロン・スチュワート(bj)が２曲 ずつ。

ROU-0552 BOBBY OSBORNE & ROCKY TOP X-PRESS『Try a Little Kindness』CD\2,573-（本体\2,450-）

　オズボーン・ブラザーズ解散後心機一転、自身のバ ンドでのデビュー作。グレン・ダンカンをフィドルとプロデューサーに迎えて、ダナ・カップ(bj)、ティム・ グレイブス(d)、ダリル・モズリー(bs)、そして息子のボビー・オズボーン・ジュニア(g)に支えられて、76才 にしてなお挑戦を続ける悠々自適。随所にボビーらしいアグレッシブさが聴き取れる。

LDR-006 DARRELL WEBB『Behind the Scene』CD\2,888-（本体\2,750-）

　ロンサム・リバー・バンドからJ.D.クロウのニュー・ サウス、そして現在はワイルドファイアーで活躍する才人マンドリン奏者ダレル・ウェッブの最新第２作。ド リー・ハートンをゲストに、多くの人に取り上げられる自身のオリジナルや、スタンダードの"Lover's Lane"、マール・ハガードの"Lonesome Fugitive"、エリック・アンダーソンの"Close the Door Lightly"など、その軽やかなテナーボイスとすばらしいマンドリンを聴か せてくれる。

REB-1817 DAVID DAVIS & WARRIOR RIVER BOYS『Troubled Times』CD \2,573-(本体\2,450-)

　斜め右から見るとビル・モンローそっくり!?のデビッ ド・デイビス、ブルー・グラス・ボーイズ最初のギタリスト、クリオ・デイビスを叔父に持つ彼が率いるトラッ ドグラス名門、ウォリアー・リバー・ボーイズの最新作。 モンロー・スタイル・マンドリンの名手でもあるデビッドのストーリー性のあるボーカル物を軸に、モンロー・ レパートリーにハンク・ウィリアムズの２曲など、トラッドグラスの王道を守りながらも意欲的なオリジナ ル。

THERE-008 PETER ROWAN『Crucial Country』CD\2,573-（本体\2,450-）

　1994年のテルライド・フェス、51才、絶頂期のピー ター・ローワンが、問答無用のジェリー・ダグラス(d)とサム・ブッシュ(m,f)、ビクター・クラウス(bs)、ラ リー・アタマヌィック(drums)、ケスター・スミス(perc) を率いて、ものすごいテンションでブルーグラス／ニューグラス・グルーヴ全開ライブ。ビル・モンロー・ スタンダードからプレスリー、ボブ・マーレイ、そしてピートのあの曲この曲、10曲で68分、全員のエネルギー が伝わる熱いライブ。

LDR-007 BLUE MOON RISING『On the Rise』CD\2,888-(本体\2,750-)(Web版のみの掲載)

　今年IBMA新人賞にノミネートされた真っ直ぐな気持 ちいいブルーグラス。ジャスティン・ジェンキンス(bj)はロン・ブロック的なビートを巧く取り入れたロールが 心地よいし、キース・ギャレット(m)も抑揚のはっきりした軽快さが身上だ。よく響くクリス・ウェストのギ ターも、ティム・ティプトン(bs)とともにアンサンブルをタイトにしている。東テネシーの安定した新しいブ ルーグラス・バンドだ。

VAN-79801 YONDER MOUNTAIN STRING BAND CD\2,573-（本体\2,450-）

　昨夏、フジロックに出演したヤンダー・マウンテン・ ストリング・バンドのバンガード・デビュー、コロラドのブルーグラス・コミュニティーから1998年にデ ビューしてすでに８枚目になる最新作。ブルーグラスの素朴さとドライブ、若い感性に訴えるメッセージを 武器に、米国の若者たちに大人気だ。

VAND-2005 BLUE GRASS BOOGIEMEN『Who's Afraid of the Boogiemen?』CD\2,888-（本体\2,750-）

　ブルーグラスとアーリー・カントリーがクロスオー バーするブルー・グラス・ブギー・メン。曰く、「ブルー グラスに膝までドップリ浸かりつつ、心にホンキートンク・ブルース、魂にロカビリーの火を宿す」彼ら、ハ ンク・ウィリアムズやジミー・マーティンからフランク・ウェイクフィールド、その選曲から50年代サウン ドまで、小ざかしい理屈抜きに、純粋なアーリー・ブルーグラスやヒルビリー音楽への愛情が直に伝わる作 品に仕上げている。

NFB-003 中島ファミリーバンド『20 Years with Bluegrass』CD\3,000-（本体\2,857-）(Web版のみの掲載)

　九州福岡と日本ブルーグラスが生んだ奇跡の４姉妹、 中島ファミリーバンドの最新第３作。ブルーグラスに青春をかけて20年という彼女たちが、サム・ブッシュ、 アリソン・ブラウン、デビッド・グリア、ステュアート・ダンカン、ミッシー・レインズ、パム・ガッド、バ イロン・ハウス他、豪華ゲストを迎え（ムーンシャイナー６月号特集）両親に感謝のブルーグラスを聴かせ る。

PC-1153 NOTHIN' FANCY『#7』CD\2,573-（本体\2,450-)

　1994年に結成されたナッシング・ファンシー、セル ダム・シーンやカントリー・ジェントルメンら、いわゆるDCグラス伝統を受け継ぎ、ここでも"Two Little Boys"他、その選曲／アレンジに反映している。その屈託のない明るさで、年間140日の演奏をこなすとい う、ローカル・バンドの勝ち組である。

SH-4013 SAM BUSH『laps in seven』CD\2,573-（本体\2,450-）

　サム・ブッシュ最新ソロ第６作。ワン＆オンリーの ブッシュ・ワールドと元気エネルギー。チャーリー・モンローの"Bringin' in the Georgia Mail"でブルーグラスしたかと思えば、ゲストに長年のアイドル、ジャ ン・リュック・ポンティを迎えての"New Country"に感涙したという純情ブッシュ、エミルー・ハリスとの デュエットや、ジョン・ハートフォード曲など、70年代回帰を思わせる色調を持つ作品に仕上げている。

SH-3999 V.A.『Sugar Hill Records:A Retrospective』4CD+1DVD+Book\5,985-(本体\5,700-)(Web版のみの掲載)

　1978年の設立以来、ブルーグラス他、インディー音 楽に大きな貢献をなしたシュガー・ヒル・レコードの25年を回顧、オーナーのバリー・ポス自身が選曲解説する 66頁カラー冊子付きの同社代表81曲全集。アメリカ・ルーツ系音楽の今を一望できる秀作。

■インスト

SH-4016 CASEY DRIESSEN『3D』 CD\2,573-（本体\2,450-）

　ムーンシャイナー６月号カバーストーリーのケイシー・ドリーセン。27才の若者のデビュー作にベラ・ フレックやジェリー・ダグラス、ティム・オブライエンらが参加、それだけでこの内容の濃さがお分かりだ ろう。全曲がオールドタイムやブルーグラス素材ながら、まったく斬新なアイデアでジャンルや国境をかる がると越える…。今後のあたらしいブルーグラス世代の核になるだろうと目される新世代フィドラー、ケイ シーの衝撃的なデビュー作。

COL-96417 BELA FLECK & THE FLCKTONES『Hidden Land』CD\2,783-（本体\2,650-）

　現在、アビゲイル・ウォッシュバーンやケーシー・ド リーセンらとチベットから中国を旅しているベラ・フレック、昨年１年間の活動休止時期の後に創ったフ レックトーンズの最新作。ブルーグラス・バンジョー奏者がジャズやクラシック界でも名声を確立、ベース、 パーカッション／ドラム、サックスとのカルテットでノンジャンルの凄い新世界を創りつづけていく。

PC-6509 CHRIS SEXTON『Coffee at Midnight』CD\2,573-（本体\2,450-）

　ワシントンDCエリアのフィドラー、クリス・セクス トンのデビュー作。バッハからラバーズ・コンチェルトへのメドレー、ケニー・ベイカー有名曲からビート ルズ、そしてラテンまで、その多才なアレンジとボーカル３曲も含んだ楽しいフィドル作品。

CMH-9092 V.A.『Pickin' on Nickel Creek』CD\2,888-(本体CD\2,750-)(Web版のみの掲載)

　人気アーティストのカバー・シリーズ、ニッケル・ク リーク版。メンバーは、偽名ながらマイク・コンプトン(m)、天才シャド・コッブ(f)、ギターは不明、バンジョー はネッド・ルベレッキ、そしてベースは本物のニッケル・クリークのマーク・シャッツではないだろうか…、 と思っているのだが。それだけレベルの高いカバーなのだ。

CMH-9086 V.A.『Pickin' on Jeff Bates; a Bluegrass Tribute』CD\2,888-(本体CD\2,750-)(Web版のみの掲載)

　上記と同じシリーズ、ジェフ・ベイツのヒット曲カ バー集。メンバーはステュアート・ダンカン、マイク・コンプトン、キース・ソウェル（サム・ブッシュ・バン ドのギター）、ネッド・ルベレッキ（ポール・アドキンス他のバンジョー）、デビッド・ジャックス（エイドリ アン・ヤングのベース）。設定されたメロディーをどう採るか、そんな見方で面白さ値打ち倍増だ。

FGM-120 TYLER GRANT『In the Light』CD\2,888-（本体\2,750-）(Web版のみの掲載)

　センスのいいトーンとタッチのフラットピッキン・ギ ターを披露するタイラー・グラントはカリフォルニア州サン・ディエゴ出身。このデビュー作は、ケーシー・ド リーセン(f)、クリス・ヘンリー(m)、アンディ・ホール(d)とクリス・パンドルフィ(bj)というナッシュビル の若手たちと、ボーカルとインストがほぼ半々、デビッド・グリアの自由精神を尊敬するという繊細なフラット ピッキン。

PH-1032 LEW LONDON『Swingtime in Springtime』CD\2,573-（本体\2,450-）

　1976年に発表されたルゥ・ロンドンの優雅なアコー スティック・スウィング名盤がラウンダー・アーカイブとして、1977年のフィラデルフィア・フォーク・フェ スでのライブ"Glory of Love"を含む９曲のボーナス・トラックを加えてCD化である。（限定ラウンダー・アー カイブ・シリーズにつき、ライナーノーツ入要の方はお申し出ください）

INCD-20062 O.S.T.『Kenny』CD\2,888-（本体\2,750-）(Web版のみの掲載)

　ラリー・パーキンスの"My Gal's a Highborn Lady"と"Glad Reunion Day"の２曲と、ブラザー・オズワルドの"Columbus Stockade Blues"、そしてナッシュビルで踏んばるバンジョー奏者、渡辺英之のオリジナル "Yeah Buddy"が含まれている今夏公開のオーストラリア映画『Kenny』のサントラ盤。４曲以外は書き下ろし ポップ／ロックBGM。渡辺英之君のはスクラッギストな名演、ナッシュビルのヒデ君にエールを送ってほし い!!

CMH-8604 V.A.『Gypsy Swing; the Nashville Tribute to Django Reinhardt』CD\2,888-（本体\2,750-）(Web版のみの掲載)

　すばらしい!リチャード・スミスのギターを核に、マーセル・ゲラー、パット・バージソン（元アリソン・ クラウスの夫）のギターが吼え、トラッドグラス出身のアーロン・ティルと偽名の凄腕バイオリンほか、ナッ シュビルのジャンゴ・トリビュート。

REB-7513 JIMMY ARNOLD『Riding with Ol' Mosby』CD\2,079-（本体\1,980-）

　伝説のバンジョー奏者、ジミー・アーノルド。1992 年、40歳の若さで他界してしまった天才バンジョー、フィドル＆ギターの達人ジミーのレベル録音、大塚章 と廖学誠、マイク・オルドリッジらが大活躍の1974年作『Strictly Arnold』から７曲、76年の未発表ギター・インスト２曲、82年の『Rainbow Ride』から５曲（内１曲未発表）、83年のボーカル作品『Southern Soul』から３曲のベスト17曲集、フォスターをはじめ有名曲満載で選曲も秀逸だ。あなたは何故スリーフィ ンガーするのか？…そのスリルとドラマをもう一度ビビッドに思い起こさせてくれる、すごいアルバムだ。バ ンジョー奏者必携!!

SH-4014 THE DUHKS『Migration』CD\2,573-（本体\2,450-、歌詞付）

　昨春のベラ・フレック制作のシュガー・ヒル・デビュー『Duhks』(SH-3997 \2,573-)につづいて、早々とティム・オブライエンとゲイリー・パチョーザの共同 制作で最新第２弾。現在アメリカーナ・チャートで１位のボブ・ディランにつけて２位や３位と健闘中!!　ア パラチアン・オールドタイムとカナダのトラッド・フィドル音楽を基本にしつつも、メイン女性ボーカルの ジェシ・ハービーのブルージーなインパクトとパーカッションが絶妙な、無国籍のストリングバンド音楽 が凄いです。よりオールドタイムなマーク・シャッツ制作のデビュー盤『Your Daughters & Your Sons』(SH-3991 \2,573-)もすばらしいのだよ!!

NW-30423 ABIGAIL WASHBURN『Song of the Traveling Daughter』CD\2,888-（本体\2,750-）

　アビゲイル・ウォッシュバーン、クロウハンマー・バ ンジョーを手にアパラチアの陰影を山水画で描いたような音楽を創る逸材。トラッドとオリジナル（中国語 を含む）で構成されたアビーのソロ・デビュー作はベラ・フレックがプロデュースとギター＆バンジョーに 参加、ケーシー・ドリーセン(f)、ザ・ダックスのジョー ダン・オコンネル(g)ほか、若手ミュージシャンを中心に見事なアンサンブルを創り上げている。ムーンシャ イナー１月号特集(MS-2303 \525-)参照。現在、ベラやケーシーを伴ってチベット（米国人バンド初のツ アーという）から中国をツアー中。超お勧め!!

SH-4019 RILEY BAUGUS『Long Steel Rail』CD\2,513-（本体\2,450-）

　ライリー・ボーガス、シュガーヒル作品らしく選曲 やアレンジに工夫を加えて、あくまで本物のオールドタイムを逸脱することなく聴かせる、この機会にぜひ、 アパラチア伝統の本物に触れていただきたいピュアなオールドタイム作品。チョーお勧め!!

SH-4015 V.A.『Sail Away; Songs of Randy Newman』CD\2,573-（本体\2,450-）(Web版のみの掲載)

　シンガー・ソングライター、ランディ・ニューマン 作品をティム・オブライエンの１曲目から、デル・マッカーリー・バンド、サム・ブッシュ、ベラ・フレック （バンジョーソロ）、ザ・ダックスらのブルーグラス系、 ソニー・ランドレス、アリソン・モーラー、スティーブ・アール、キム・リッチーらのアメリカーナ系ミュー ジシャンらが演じる秀作。

SLCD-1015 HAPPY & ARTIE TRAUM『Live Recordings 1970's-80's』CD\2,625-（本体\2,500-）

　11月はじめに来日したハッピー＆アーティ・トラウ ム、ブルースのミシシッピ・ジョン・ハートとオールドタイム／トラッドフォークのドック・ワトソンに集 約されたふたりの堅牢なルーツから、繊細なツイン・ギター・デュオのホッコリとした暖かみを感じさせてく れた。本作はそんなふたりの70年代から80年代のアコースティック・ライブ（ピアノやハーモニカにエリッ ク・カズ）。ムーンシャイナー10月号で彼らの特集がある。

BCD-164 THE BILLS『Let Em Run』CD\2,888-（本体\2,750-）

　ザ・ビルズ、マンドリンの才人マーク・アトキンス を中心にフィドル、ギター、ベース、アコーディオンという５人の基本編成で、ノスタルジックなストリン グバンド・サウンドからロッキン・ケイジャン、伝統的なカナディアン・フィドルから頭脳的なオリジナル・ フィドル・チューン、そしてホギー・カーマイケルまで、ゆったりと楽しませてくれる。ストリングバンド やブルーグラスのノウハウを自分のオリジナリティーに昇華する、トラッドなスピリットと十分なテクニッ ク／音楽性が揃った21世紀のジャグバンドといった趣だ。とても良い!!

LL-805 LAURA BOOSINGER『Let Me Linger』CD\2,888-（本体\2,750-）

　クロウハンマー・バンジョーを抱えてアパラチアから やってきたフォノジェニックな癒し系女性シンガー、ローラ・ブージンガーの最新作。相変わらずの美学バ ディ・スパイカー(f)、美技ブライアン・サットン(g)、ケニー・マローン(perc.)といったスーパーピッカーら に囲まれて、アパラチアン・トラッドからスウィング・スタンダード、バック・オウエンズやテキサス・スウィ ングからハワイアン、ブルースまで、…気持ちが「ホッコリ」とする、ジャンル不詳の美しいアコースティック 作品である。

JSP-7751 V.A.『Sounds Like Jimmie Rodgers』CD４枚組\5,775-

　イギリスの廉価全集シリーズ最新作はジミー・ロジャーズをカバーした人たち100曲集、もっとも初期 のリー・オダニエルからビル・ボイド、ライリー・パケット、ボブ・ウィルス、ジーン・オウトリー、クリ フ・カーライル、ステュアート・ハンブリン、アーネスト・タブ、モンタナ・スミス、ハンク・スノウほか。 1927年のブリストル・セッションでデビューしたジミー・ロジャーズ、彼の歌がいかにその後のカントリー 音楽に影響してきたかを一望する企画ものだ。なお、本家本元ジミー・ロジャーズ全曲集『Jimmie Rodgers; All the Classic Sides 1927-1933』（JSP-7704 CD５枚組\5,775-）がある。

GLP-1568 WANDA JACKSON『I Remember Elvis』CD\2,888(本体\2,750)(Web版のみの掲載)

　「クイーン・オヴ・ロカビリー」ワンダ・ジャクソンが、 「キング・オヴ・ロックンロール」エルビス・プレスリー に捧げたトリビュート・アルバム。"Blue Moon of Kentucky"をはじめ、エルビス初期のヒット曲を、サン・レ コード・サウンドを残したスタイルにカントリー・テイストを加えたグッド・オールド・デイズのロックンロー ルが何故か新鮮。

BGOCD-705 MERLE HAGGARD『A Tribute to the Best Damn Fiddle Player in the World/It's All in the Movies』CD\2,888-

　マール・ハガードがその絶頂期1970年に発表したウェスタン・スウィングの王様ボブ・ウィルスへのトリ ビュート・アルバムが、75年作品との２on１で初のCD化。40〜50年代にピークを極めたウェスタン・スウィ ング、今日のジョージ・ストレイトらに至る現代カントリーを語るうえで必須の要素となった音楽の再発見の さきがけをなした貴重な作品であり、歴史の転換点となった大名盤である。

RCSI-1006 SUZE SPENCER MARSHALL『Tall Boots』CD\3,255-（本体\3,100-）

　カウボーイ・ソングとかウェスタンと呼ばれるノス タルジックでロマンチックな西部音楽は映画で作られたイメージだが、職業音楽家の手になる音楽レベルは 高かった。本作はそんなミュージシャンだったジョン・スペンサーの孫娘が埋もれた曲を発掘、創り上げたメ チャ美しい作品。ケルト系フィドル・チューンからゴキゲンなスウィング、そしてカウボーイの哀愁を見事に まとめ、懐かしくて、それでいて新鮮な音が一杯詰まった楽しい作品。全編70分の秀作、いざ馬に乗って西部 へ…!!

　1975年８月のJ.D.クロウ＆ニューサウス、1976年５月のデビッド・グリスマン・クインテット、そして 1976年12月のニュー・グラス・リバイバルの来日は、日本のブルーグラスを大きく変えた。その30年後にそ れぞれムーンシャイナーで回顧特集をしている。皆さんの30年はいかがでしたか？

　先月のニュー・グラス・リバイバル前期の特集につづ いて今月は後期の２枚を紹介します。

SH-3745 NEW GRASS REVIVAL『On the Boulevard』CD\2,573-(本体\2,450-)

Earth, Water, Wind and Fire/Just Is/County Clare/One More Love Song/One Love--- 他全13曲

　ベラ・フレック(bj)とパット・フリン(g)を加え、ヒッ ピーバンドから脱皮、清潔感と空前の馬鹿テクでヒット街道を目指し始めたNGRの第一作。未発表の２曲、 "Where Do I Go from Here"と"Walkin' in Jerusalem"が収められた全13曲。

SH-3771 NEW GRASS REVIVAL『Live』CD\2,573-(本体\2,450-)

White Freight Liner Blues/Good Woman's Love/One More Love Song/Reach/Sapporo 他全７曲

　フランスのトゥールーズで1983年に収録、19分に及 ぶ「札幌」を含むホットなライブ。そして翌年、新生ニュー・グラス・リバイバルは来日、ふたたび日本ブ ルーグラッサーの度肝を抜くことになる…。

HORN-3001 ANDY STATMAN『East Flatbush Blues』\3,255-(本体\3,100-)

Rawhide/BlueGrass Stomp/Arkansas Traveller/Golden Slippers/Old Joe Clark/Sensitive Waltz 他全12曲

　やっぱ、ものすごい才能です。アンディ・スタットマ ン、久々のマンドリン・アルバムである。クレズマー（東欧系ユダヤ）音楽の大家としてクラリネット奏者と しても知られているアンディ、「エモーションに満ち溢れた強烈なインストルメンタル・スタイルを創りだし たビル・モンロー」に限りない尊敬を払いつつ、若いときにボビー・オズボーン、ジェシー・マクレイノルズ、 チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンらに多大な影響を受け、ここでもジム・ウィットニーのベースと ラリー・イーグルのドラムスとパーカッションだけをバックに、自由に弾きまくる前衛ブルーグラス作品で ある。新しいグルーヴと音の刺激を、存分に楽しんでいただける究極のアンディ・スタットマン・マンドリン集 である。

COMP-4427 DAROL ANGER's Republic of Strings『Generation Nation』CD\2,573-（本体\2,450-）

When You Go/Ramblin'/Yellow Barbar/Father Adieu/Bluebird/Lady Hamilton/Rain Dance 他全12曲

　「フィドルの虫」のようなダロル・アンガー、ちょう ど30年前の５月、デビッド・グリスマン・クインテットの一員として来日したあの頃とまったく同じ態度と 気持ちのまま、現在も「フィドル小僧」をつづける偉大なる求道者（というか、今や仙人の境に入り込んでいる かも…）ダロルの弦共和国の最新作は、ブルーグラス、オールドタイム、ブルースなどアメリカ的なものを ベースに世界中の音楽を見事に料理、随所に女性ボーカルを配しながら、フィドル群で創る見事なリズム・グ ルーヴに乗せて気持ちのいいメロディー旅行が楽しめる。ダロルのフィドルやマンドリン、ブリタニー・ハー スのオールドタイム・フィドル、ラシャッド・イグルストンのブルーグラス・チェロ、スコット・ナイガード(g) の４人を核にすごく広がりのある世界、アパラチアからスコットランド／アイルランド、ジャズ／ブルースから 東欧、北欧スカンジナビアからバッファロー・スプリングフィールドのロックまで…。個性的な女性ボーカル・ ゲストたちとともに、ダロルのフィドル世界でフワフワと遊びませんか？…すばらしい!!

FF-042 JETHRO BURNS CD\2,573-（本体\2,450-）

Stumbling/Jitterbug Waltz/C Jam Blues/Back It Up and Push/Don't Let Your Deal Go Down 他全12曲

　1977年、ジェスロ・バーンズがソロ・マンドリニス トとして初めて発表したインスト作品。バッサー・クレメンツ(f)、マイク・ドウリン(g)、ボブ・ホーバン (piano)、ジョニー・バーンズ(eg)らをバックに、スタ ンダード、ジャズ・スウィング、フィドル・チューンなど、ちょっと走り気味ながら、ジェスロらしいフレージ ングが随所に収められた記念碑的作品である。（ラウンダー・アーカイブ・シリーズにつき、ライナーノーツを ご希望の方はお申し付けください）

APCD-2014 青木 研『Banjo On Stage』CD\2,835-（本体\2,700-）

Southern Medley/Flight of the Bumble Bee/Foggy Mountain Breakdown/Home on the Range/スーパーマリオ'85/すべての人の心に花を/Spain 他全19曲

　まさに驚異のフラットピッキン４弦バンジョー奏者、 青木 研のデビュー・ソロ・アルバム。チチ松村氏の『大阪バンジョー祭り』で初めて見たときの驚き、想像を絶 するフラットピッキン・テクニックに仰天…、ここでも、いやはや凄いです。古今東西のスタンダード曲から 「フォギマン」、チャーリー・クリスチャンからチック・ コリアまで、バンジョーが花形楽器だった20世紀初頭のノスタルジーも漂わせながら、楽器エンターテイメン トに徹して楽しませてくれます。プレクトラム・バンジョー（ブルーグラスのCチューニングと同じ）を中心 に、テナー（マンドラやビオラと同じ調弦）も使用しながら、ソロやデキシーランドやスウィング風のバックで のアンサンブルなど、「普段のステージのように」録音したと言う。今年28才という若者、恐らく４弦バン ジョー・ピッカーとして世界最高水準だろう。

SFJP-2002 maiko『Trust Your Heart, まっすぐ』CD\2,100-（本体\2,000-）(Web版のみの掲載)

月夜/Motion Blue/Bernie's Tune/春風/True Blue/Isn't She Lovely/Grass Fairy Ring/Trust 他全11曲

　タイトル通りなのだろうか、とても素直な音色のジャズ・バイオリニスト、まいこのデビュー作品。ブ ルーグラス／ドーグ・マンドリン奏者の久保田芳一がグリスマン・クインテットのようなバンドを作ろうと のメンバー募集に応じて応募、1999年から活動をはじめて８年目にしての初アルバムという。残念なことに マンドリンが入っていないが、ピアノ、ギター、ベース、ドラムとのクインテットでリリカルなメロディー を聴かせる。公式資料に、「99年の箱根フェス・コンベンションでサブさんに酷評されたのがバネとなって…」 とある。…ドキッ!!　ゴメンね、ひどい事言ったのかな？でも以来、ずっと活動を続けていることを聞いて いてこの日を待っていました。８年間、いろいろと苦労したんだろうなぁ。そんな情感がオリジナル６曲、カ バー５曲の中に、ピアノの進藤陽悟のプロデュースでメロディアスな癒し系の作りとなって結実している。 いつかアコースティック弦楽器との作品を聴いてみたい。

ROU-11620 DOC & MERLE WATSON『Black Mountain Rag』CD\2,573-（本体\2,450-）

Smoke, Smoke Smoke/Red Rockin' Chair/Down Yonder/Sadie/Take Me Out to the Ballgame 他全20曲

　1980年代前半のフライング・フィッシュ作品３枚か ら選ばれた20曲集。60年代のバンガードから、70年代のユナイテッド・アーティスツといったメジャーを 離れ、レコードセールスの呪縛から解き離れたときに創られたドック・ワトソンのすばらしい音楽がてんこ 盛りの好企画。「野球に連れて行って」でのマーク・オコナーの凄いこと!!　ドックが最初に有名になったフ ラットピッキン名曲をタイトル１曲目に、エスタブリッシュされたトラディショナリストとしてのドック の貫禄がすばらしい。

COMP-4432 BRUCE MOLSKY『Soon Be Time』CD\2,573-（本体\2,450-）

Lazy John/Wandering Boy/Buckdancer's Choice/Bury Me Not on the Lone Prairie/Forked Deer/Fare Thee Well Blues/Cider/Cotton Eyed Joe/ 他全15曲

　現在のオールドタイム界で最高峰にいるマルチ・プ レイヤー、ブルース・モルスキーの最新作。フィドル／クロウハンマー・バンジョー／フラットピッキン・ギ ターを自在に操りながら、1920年代から記録されている録音や、ブルースが会ったオールドタイマーから学 んだ曲を丁寧に、かつ、彼の持つグルーヴを自在に注入しながら各楽器のインストを軸にボーカルを交え、 まったくのソロで現在に伝わるオールドタイム音楽の真髄を紹介してくれる。旧大陸から渡り、多くはアパ ラチアの山中で守られてきた曲の数々が、どんな経緯でブルースの手にあるのか…、各曲の解説を見ながら、 すでに現在では国境を越えた普遍的な伝承音楽としての息吹を感じる。近年のライリー・ボウガスやダーク・ パウェルらと同様、アメリカ音楽の、否、そこから派生したわれわれ自身の音楽のルーツを教えてくれる貴重 な音楽なのだ。ブルースについては来日を記念して、ムーンシャイナー2005年３月号（MS-2205 \525-）にてカバーストーリーとして紹介されている。

CO-2741 RAFE STEFANINI『Ladies Fancy』CD\2,573-（本体\2,450-）

Little Star/Trouble in Mind/Sittin' on Top of the World/Dry Gin Rag/Breakin' Up Xmas 他全19曲

　イタリアからアパラチアの山中に移り住み、オール ドタイム・フィドル＆バンジョーを極めたレイフ・ステファニーニ、とても聴きやすく創られた見事なアパ ラチアン・トラッド作品である。数多くの有名フィドル・チューンのさまざまなソース（アパラチアからテ キサスまで）からのバージョン、ロスコー・ホルコムのバンジョー＆ボーカルの見事な再現から自身のバン ジョー・スタイル、そして娘クレリアのオリジナルも含んで、あたらしいオールドタイム・トラディション を次世代に伝えるすばらしいアルバムだ。レイフ(f,bj,g,v)に、ジム・コリアー(g,m,v)、クレリア・ ステファニーニ(f,g)、ニッキ・リー(g)がさまざまな状況のバックアップを務める。オールドタイムをブ ルーグラスの原型や荒削りなものと捉えるのではなく、濃い親戚関係にある芸術フォームとしてその響きから さまざまな感性を引き出せる宝庫として聴き込みたい作品である。

SF-40160 V.A.『Friends of Old Time Music』CD３枚組\5,670-(本体\5,400-)

　1961年から65年のフォーク・リバイバルの真っ只中、ニューヨークの若者たちが「ホンモノ」の南部音楽 に接するチャンスを提供した同好会、「オールドタイム音楽の友…!?」が主宰したコンサートの貴重なライブ全 55曲（内未発表53曲）と60頁の冊子がついた超すばらしいボックスセット。ビル・モンロー、メイベル・カー ター、スタンレーズらのエスタブリッシュされたアーティスト、ドック・ボッグス、ロスコ・ホルコム、クラ レンス・アッシュレーらの発掘されたオールドタイマー、ミシシッピ・ジョン・ハート、ジョセフ・スペン ス、ジェシー・フラーらの貴重なブルース／ギタリスト、ドック・ワトソン、ニュー・ロスト・シティ・ラン ブラーズ、グリーンブライアー・ボーイズらの若手新人たち等々、このときのニューヨークが、現在に至るまで のルーツ系音楽のすべての基礎となっている。

LBCY-317 STANLEY SMITH『Since I Met You Baby』CD\2,500-（本体\2,381-）

　いわゆるアコースティック・スウィングの、一番気持 ちいいところを聴かせるテキサス男、いい年の取り方をしたんだろうと思わせるスタンリー・スミス。その嗄れ 声と軽妙なバックアップ、悠々自適にブルースとアーリー・ジャズをお洒落に聴かせる「ベスト・オブ・スタ ンリー・スミス」と銘打った日本編集ベスト。大人のアコースティック音楽。

SEAL-034 中川五郎『そしてぼくはひとりになる』CD\3,000-（本体\2,858-）

　「ラブ・ソングといっても若い人たちのロマンチックな 恋の歌ではなく、（中略）リアリスティックな愛や恋の歌 を歌ってみたかった…」という、２年半ぶりの中川五郎の最新作。中川イサトと今井忍のプロデュース、バック アップはそのふたりのほかに、竹田裕美子、村上律、松永孝義、金子まり、沢知恵、ANNSAN、佐藤良成、ジャケッ ト写真は高田渡。

B000602102 VINCE GILL『These Days』CD４枚組\5,250-(本体\5,000-)

　カントリー界でもっとも尊敬されるミュージシャン、 ビンス・ギルが自身の半生すべての音楽を注ぎ込んだ最新作は、全曲オリジナルでロック、ジャズ・スタンダー ド、カントリー、ブルーグラスの４ジャンルをそれぞれのCDに収めた４枚組全43曲という力作。どれもこれも ムーンシャイナー最新11月号にてビンスのブルーグラスを軸にした歴史が紹介されている。幼馴染のボビー・ クラークとブルーグラスをはじめ、1975年に高校を卒業してすぐにダン・クレアリーやトニー・ライスのい た名門ブルーグラス・アライアンスに加入、その後、カントリーロックを経て80年代にソロとしてブレーク、 ブルーグラスの洗練されたハイロンサムとウェストコーストの明るい乗りを持ったスーパースターとして カントリー界に君臨したビンス、チェット・アトキンスを凌ぐ17個のグラミー賞がその偉大さを証明してい る。いわゆるカントリーというステレオタイプな枠に収まらない才能はこれら43曲の隅々で納得できるだろ う…。ジャズ・ボーカルのダイアナ・クラールほか、シェ リル・クロウ、エミルー・ハリス、アリソン・クラウス、デル・マッカーリー・バンドほか豪華適材適所ゲ ストもさすが。

WMG-79816 GEORGE JONES & MERLE HAGGARD『Jones Sings Haggard, Haggard Sings Jones:Kickin' out the Footlights...Again』CD \2,888-(本体\2,750-)

Footlights/The Way I Am/She Thinks I Still Care/Born with the Blues/Sing Me Back Home 他全14曲

　２大カントリー・レジェンド、ジョージ・ジョーン ズとマール・ハガードが共演した話題のニュー・アルバム。タイトルどおり、ジョーンズが"All My Friends Are Strangers"などハガードのヒット５曲を、ハガードが"The Racs Is on"などジョーンズのヒット５曲を、互いに敬意を表した真摯なヴォーカル でカヴァー、そして、レフティ・フリゼルの"Sick, Sober & Sorry"や洒脱なジャズ小唄"Don't Get Around Much Anymore"など４曲を小粋でスウィングにのせてデュエットするという、なんとも贅沢な企画 作品。互いに自らのヴォーカルが生きる曲を選んで、正統カントリーの極みともいうべきストレート＆シンプ ルなサウンドにのせた、相手のスタイルを十二分に意識しつつも肩の力の抜けた、余裕綽々の仕上がりは流 石というほかない、遊び心いっぱいの楽しいアルバム。（宇野誠之）

D-0566 BASCOM LAMAR LUNSFORD『Bluegrass Roots; Music Makers of Blue Ridge』DVD\1,838-(本体\1,750-)（60分、白黒）

　1882年生まれのバスコム・ラマー・ランスフォード が、ブルーグラスやフォーク、カントリーなど、われわれの音楽の源であるノース・カロライナのブルー・リッ ジを案内してくれるすばらしいドキュメント映像だ。1965年のある夏の１日、撮影クルーがランスフォード 夫妻を車に乗せて彼の友人であるミュージシャンやダンサーを訪ねる。"Mountain Dew"の作者としても知られる当時83才のバスコム、大学を卒業し弁護士や政治 家も経験、同時にアパラチアの音楽やダンスのコレクションをはじめ、1928年には世界初のフォーク・フェ スを主宰するほか、コロンビア大学と米国会図書館などに膨大の記録を残し、「ヒルビリー音楽」というステ レオタイプなイメージを高尚な芸術としても紹介した。彼が訪ねる、今となっては国宝級のミュージシャンた ち、その音楽には現在に至るリズムや奏法の基本が読み取れる。不思議なほど、現在と変わらないブルー・ リッジの風景と家々だが、まだ、19世紀の閉ざされたアパラチアの文化を直接伝える世代が残っていたとき、 そこに生活している人たちの魂が見えるような凄い映像だ。貧しくとも音楽やダンスとともにつつましく生 活する人たちの自然な音楽、その情景とともに感動である。ホンモノは凄い!!　必見!!!

HHH-1376D THE BLUEGRASS BROTHERS『Live in Myrtle Beach』DVD\3,308-(本体\3,150)

Train 45/Wait a Minute/Duelling Banjos/Rawhide/Tennessee/Doin' My Time/He Will Set Your Fields on Fire/Grandfather's Clock/Hickory Wind 他全20曲

　あるとき、関東を代表する某ボーカリストが車から電話してきて、「これ唄ってるの誰？」。フツーは近年、山ほどあるバンドのボーカ リストなど、すぐには分からないのだが、ケータイから流れてくる声、これはすぐに分かった。なぜか心に引っ かかるテナー・ボイスの持ち主ビクター・ダウディ(bs)、「ブルーグラス・ブラザーズだよ」と、ちょっと 鼻高々に答えてやった。トラッドな発想でセルダム・シーンしたいバンドだ。そんな彼らのDVDが発表され た。ビクターの弟ロバート(bj)とスティーブン(g)、息子ドナルド(g)に、新加入の若手ブランドン・ファー リー(m)、見るからにローカル＝田舎のあんちゃんたちといった風体、受ける＝お客さんを喜ばせるために一 生懸命の演奏、決して個々のテクニック的にもアンサンブルとしても巧くないのだが、ステージに出るとい うことの意味をきっちりと意識して（プロ／アマ、有名／無名、上手／下手、ギャラの有無や多少とは関係な く）、お客さんに向かって自分の持てる何かを伝えようとする、それがライブの究極なのだ…よね。ムーンシャ イナーで連載中のIBMAのショウケースで見るさまざまなバンドたち、そして宝塚フェスに毎年登場する100バ ンド、どのバンドにも何かある。それをどう伝えるか、ステージ上での意識の問題なのだ。映像作品として、プ ロダクション自体もローカルな作品だが、ブルーグラス・ブラザーズの一生懸命を見てそんなことを思った。

VSR-7375 V.A.『Andy Leftwich/ Bruce Molsky/ Aubrey Haynie/ Jim VanCleve; The Violin Shop Concert Series Vol.1』DVD\3,990-(本体\3,800-)（77分）

　ナッシュビルの『バイオリン・ショップ』、そのホー ルで開かれる凄いフィドル・コンサート・ライブ!!　今もっとも旬なフィドラーたちが最高のバックアップ・ メンバーとともに繰り広げる壮絶インスト・ライブ全20曲。

M-19264 V.A.『Bluegrass, Country Soul』DVD\3,990-（本体\3,800-、86分）(Web版のみの掲載)

　遂に陽の目を見た!!ブルーグラス史上初の映像作品 として劇場公開された1971年のキャンプ・スプリングス・フェス、が、リージョン （地域）コード１のため通常のDVDプレイヤーでは見られません。 でも…、アール・スクラッグスからトニー・ライスとサム・ブッ シュのブルーグラス・アライアンス、若いブルーグラス45他、あまりにも凄い内容なんだよ！

ROU-3243D V.A.『Telluride Bluegrass Festival: 30 Years』DVD\3,308-（本体\3,150-）（107分、5.1surround, 2.0stereo）

　問答無用、1970年代以降のニューグラスをリードし てきたテルライド・ブルーグラス・フェス30周年の模様を収めた素晴らしいフェス・ライブ・ビデオ。サム・ ブッシュのニューグラスを主役に、オールドタイムのホースフライズ、アコースティック・カントリーのエミ ルー・ハリス、ジャムグラスのSCIやレフトオーバー、そしてホット・ライズからニッケル・クリーク、ベラ・ フレックの"Imagine"まで、大満腹。ブルーグラスをキーワードに、ここまで大きく広がった周辺音楽、思い 切り楽しめばいい…。ニューグラス・フェスの決定版。

NW-8021D WILLIE NELSON『Live from Austin, TX』DVD\3,308-（本体\3,150-、59分、5.1 Surround）(Web版のみの掲載)

　全米公共TVネット番組『オースティン・シティ・リミッ ツ』の映像シリーズ最新作は1990年９月、57才のウィリー・ネルソン、まさに本拠地で悠々のライブだ。なん と、グラディ・マーティンが入っているぞ…。他、ミッキー・ラファエルのハーモニカ、ジョディ・ペイン(g)、 ボビー・ネルソン(piano)、ポール・イングリッシュ(drums)、ビー・スピアーズ(bs)、ゲストにシェルビー・ リンが２曲。

ROU-0515D ALISON KRAUSS『Live』DVD２枚組\3,308-（本体\3,150-）

　アリソン・クラウスとユニオン・ステーション初の映 像作品。日本では想像もできない盛り上がりを見せる米国ブルーグラス・シーン、そのトップランナーの「今」が 見ることができる。同時発売の２枚組CD『Live』(ROU-0515 \3,308-)のDVD映像版で、ケンタッキー州ルイビルで2002年収録された、現在もっとも完璧なアコース ティック・アンサンブルの一つである。その強烈な集中力が生む緊張に包まれたステージをお楽しみください。

FNA-5120D TOMMY EMMANUEL『Live at Her Majesty's Theatre; Ballarat, Australia』DVD\3,098-（本体\2,950-、80分）(Web版のみの掲載)

　チェット・アトキンスの後継者とまでいわれるトミー・ エマニュエル、2005年に故郷オーストラリア・ツアーのライブ。チェットに見初められて米国でビュー、一躍トッ プ・アーティストとなった彼、フィンガーピッキン・ギターの最良の部分と同時にエンターテイメントも充実した すばらしい作品。

RC-01V BLUEGRASS 45『That's the Time』VHS\2,079-(35周年記念ライブ特価本体\1,980-)

　今年第40回を迎えたビル・モンロー・メモリアル・ビー ン・ブロッサム・フェスに今年６月、1971年以来の出演、 35年経ってもみんな元気でブルーグラスしています。本作はジョッシュ大塚、渡辺敏雄、李健華、廖学誠、大塚 章、渡辺三郎の６人が1996年の25周年を機にリユニオンしたライブ・ビデオ。DVD化はまずないよ…。いつま で続く!?残部些少!!　なお曲目、演奏日などが違うCDアルバム『Once Again from Kobe』(M-017196 CD\2,888-)もあります。

DVDWERJM22 PETER WERNICK『Intermediate Bluegrass Jamming』DVD\5,040-（本体\4,800-、１時間50分）

Lonesome Road Blues/Bury Me Beneath the WillowMan of Constant Sorrow/Uncle Pen/Gold Watch and Chain/Dark Hollow/Paradise/A Beautiful Life 他全22曲

　先月号で紹介した超初心者向けのジャムDVDにつづいて、今月は中級者向けのジャム映像集である。上記 の有名スタンダードを、ミディアム・テンポで演じていき、ボーカル・リフレイン後の間奏の次の間奏（２ 回分）を視聴者に用意してくれている。ギターのコードが画面に現れるので、リズムとコードの位置を見失 うことなくフォローできる。お相手はドクター・バンジョーことピート・ワーニック(bj)と妻ジョアン(g) を中心に、ニック・フォスター(g)やサリー・バン・ミーター(d)、ドゥルー・エミット(m)、ベン・カウフ マン(bs)、ナンシー・スタインバーガー(f)。ジャム・リーダーのピートの指示に従えばいい。コツ、と言う か、ジャム＝アンサンブル＝バンドの極意は、自分のソロ以外のときに、他人の楽器の音やボーカルをよく 聴くこと、である。そうすれば自分のソロが、より美しくなる…!?

HL-320498 JULIE LYONN LIEBERMAN『Techniques for the Contemporary String Player』DVD \5,040-(本体\4,800-)（100分）

　音楽をクラシック・スタイルと楽譜で学んできたバ イオリニスト（いわゆるスウィングやドライブの出来 ない人）に、耳で聴き取り感情を表現するフィドラーになる基本的なノウハウを細かく丁寧に教えてくれる 教則ビデオ。「弦楽器の大革命を迎えている21世紀」とジュリー・リバーマンが、さまざまなジャンルの ジャムやインプロバイズに適応できるバイオリンの右手（＝ボーイングではリズムの創り方、音のはね方、 装飾の仕方、チョップなどの基本テクから、フレキシブルな筋肉を作るための運動まで）と左手（＝フィン ガリングでは中途半端な音程から各種ビブラートやトリル、スライド等々）の基本テクニックを実に分かり やすく説明してくれる。ただし、細かいコツの紹介なので英語での説明が中心だが、毎度ながら、言葉が分 からなくても真似ていればその内に身についてくる…はずだ。

FGM-10.6 Flatpicking Guitar Magazine『Sept./Oct. 2006』CD+Book\2,625-（本体\2,500-）

　CD付きの隔月刊フラットピッキン・ギター誌の最新 号は初めて女性フラットピッカー、レベッカ・フレージャーがカバーストーリーで全編女性ピッカー特集。 グレンダ・フェイ"Down Yonder"、アリソン・ブラウン"The Inspector"、ワンダ・ビック"Lonesome Fiddle Blues"、マーシー・マークサー"Fair Morning Hornpipe"、ニナ・ガーバー"Late Into the Nite"らベテランから、カバーのレベッカ"Why Does This Ol' Town Look Better Now"やメガン・マコーミック"Coming Home"等々、すばらしい女性たちのフラットピッキン・タブや記事が満載の80頁とCD。

　先月号、タイラー・グラント特集(FGM-10.5 \2,625-)も在庫がある。

RB-ESS GIBSON EARL ScRUGGS STANDERD(Used) \441,000-(本体\420,000-)

Resonator and Neck=Figured maple, Fingerboard Inlay=Ebony/Hearts & Flowers, Binding=Multiple White/Black/White,Hardware=Nickel Plate, Tuners Keith Tuners, Finish Exact Replica, Amber Brown, Case Shaped Hardshell

　ニュー・ギブソンのユーズド物です。1998年製、調整済み。コンディションは良好です。

■バンジョー・ニューズレター誌 各\525-

　世界唯一のバンジョー専門月刊誌。毎号タブ譜満載 （ウェブサイトから『MP3』で音の入手可!!）、バックナ ンバー（探しておられるタブ譜の曲名や演奏スタイル、またお気に入り奏者の特集も探します）もお問い合せ 下さい。

BNL-06/08 最新８月号 \525-

　知る人ぞ知る元ロスト＆ファウンドのジーン・パー カー"Harvest Time"のほか、ケンタッキー・カーネルズのビリー・レイによる"Clinch Mountain Backstep"のバックアップ、ベラ・フレック"The Whistle Tune"、ジミー・マーティン"There Ain't Nobidy Gonna Miss Me"、トム・アダムス"Last Date"ほか、クロウハンマーやネック材質についての研究な ど、タブ譜とバンジョーに関する情報満載の48頁。

■ブルーグラス・アンリミテッド誌 各\525-

　米国の最大のブルーグラス月刊専門誌。探しておら れる記事などバックナンバーもお問い合わせください。…ヨロシク。

BU-06/09 最新９月号 \525-

　新しいキャリアに挑戦するボビー・オズボーンのカ バーストーリーほか、IBMA新人賞獲得のスティープ・キャニオン・ランブラーズ、DC地区のフィドラー＝ク リス・セクストン、小児ガンチャリティー・プロジェクト『Celebration Of Life』、中東オマーンでのブルーグラスなどの特集と、さまざまなコラムに情報満載で、 米国ブルーグラス事情を知る90頁の月刊誌。

■オールドタイム・ヘラルド誌 各\945-

　内容の濃いオールドタイム音楽専門誌。アメリカン・ トラッド音楽研究に必読の良書!!バックナンバーが揃っています。お問い合わせください。

■定期購読：１年￥6,000-半年￥3,300-

　お申込はお葉書やお電話、ファックスやメールでご 希望の購読開始月をお知らせ下さい。バックナンバーも含めて、いつからでもご自由です。

■ムーンシャイナー・ファイル：\525-

ムーンシャイナーの一年分12冊を傷をつけずにファイルできるロゴ入り特製フォルダー。

■バックナンバー：各￥525-。

　下記以外にも、アーティストや知りたい事をお知ら せ下さい。掲載号を探してお送りします。

MS-2401 最新11月号（通巻277号）\525-

　ロゴ・デザインを一新、24年目の新しい巻に入りま す。今月はIBMAワールド・オブ・ブルーグラス大特集で、IBMAブルーグラス週間完全リポートの第１回や、第 17回IBMAアワード・ショウ・リポートのほか、ジョン・ハーマン＆メリディス・マッキントッシュ来日、マーベ ラス桜井＆ヒズ・ホット・フィドル・バンド「ウェスタン・スウィング・バンドの作り方」、ハーガー・ファミ リー・バンドin山梨などの特集、ニュース、レビュー、コラムなど日米ブルーグラス情報満載。

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