◆新緑の全国でブルーグラス・フェスが満開…!!

『宝塚春フェス』は５月20日と21日、三田アスレチッ ク(0795-69-0024、〒669-1300 兵庫県三田市波豆川281)で開催します。今年は、35年ぶりにビーン・ブ ロッサムに招待される「ブルーグラス45」を中心に、20日（土）３時から深夜まで、さまざまなジャムを 含めて、ステージ出演は自由登録方式（現地で６時から受け付けますが、事前にお電話やメールでの登 録もOK）で開催します。（なお、雨天や極寒の場合は屋内の開催となります）　民宿やバンガローなど は上記三田アスレチックへ、フェス参加費用は\2,500-、観覧用椅子のご持参をお勧めします。飲 食などの屋台もありますので、手ぶらで来られても大丈夫、ただし、山中ですので暖かくしてお越しく ださい。……ブルーグラス解放区、楽しみましょう!!　夏フェスは８月３日〜６日。

◆今年は1946年９月にビル・モンローとブルー・グラス・ボーイズが、いわゆるブルーグラス・スタイ ルの演奏を録音してから60年、還暦を迎えます。

　宝塚のブルーグラス・フェス（８月３日〜６日）は 今年35年目…。近年、かつてブルーグラスをやっていた昔の若者たちが数多くブルーグラスに戻ってき ています。また、日米ともに最近、若いブルーグラッサーがとても元気です。 　現在、ブルーグラスはオールドタイムやトラッド・フォークから、ジャズやク ラシックまでに進出するほどとても大きな広がりを見せています。世の中の動きには逆行するかもしれ ませんが、アーティストが創るアルバムにトータルなメッセージとしてその世界に浸り、また、指を動 かしてアコースティック楽器に挑戦する…といった基本的なルーツ音楽精神を大切にしながら、もっと 楽しみましょう。

　B.O.M.はそのお手伝いが仕事だと思っています。どんなことでも、お気軽にご相談ください。

◆ムーンシャイナー最新５月号は、デビッド・グリスマン・クインテット来日から30年をカバース トーリーに、レイモンド・マクレイン＆マイク・スティーヴンス来日、一周忌ボビー・トンプソン 追悼前編、ヒアーズ・フォア・ゼアーズ20周年、若者列伝「きなこもち」、エイプリル・ヴァーチ・ インタビュー後編（アメリカン・フィドル番外編）、高石ともやコンサート・リポート他、日米情 報満載。　定期購読は１年間（12冊）\6,000-半年間（６冊）\3,300-。購読開始月をお知らせいた だければ、ムーンシャイナーとともに振り込み票をお送りします。お友達にも、ぜひお勧め下さい。 …定期購読を、なにとぞよろしく!!

ROU-0580 RHONDA VINCENT『All American Bluegrass Girl』CD\2,573-（本体\2,450-）

　早くも昨年話題のライブDVD/CDにつづく最新作。ブルーグラス新入荷参照。

RCSI-1004 DAVID PETERSON & 1946『In the Mountaintops to Roam』CD\2,573-（本体\2,450-）

　これぞブルーグラスといった上質のトラッドグラス。ブルーグラス新入荷参照。

BMG-81116D V.A.『Grand Ole Opry at Carnegie Hall』DVD\2,888-（本体\2,750-）

　80周年を迎えたグランド・オール・オープリのカーネギーホール特別公演ライブ。映像新入荷参 照。

SH-4016 CASEY DRIESSEN『3D』 CD\2,573-（本体\2,450-）

　飛び出しました若干27才、今後のブルーグラス世代の核になるだろうと目されるケーシー・ドリーセ ンのすごいデビュー作。インスト新入荷参照。

CMH-9090 V.A.『Strummin' with the Devil; Southern Side of Van Halen, featuring David Lee Roth』CD\2,888-（本体\2,750-）

　あのヴァン・へーレンのデビッド・リー・ロスまでがブルーグラス! ブルーグラス新入荷参照。

BCD-162 RAYMOND McLAIN & MIKE STEVENS『Old Time Mojo』CD\2,573-（本体\2,450-）

　今月25日から米原、名古屋、朝霧フェス、東京、栃木、大阪、福岡、今治、徳島、高知、広島をツアー するふたりの最新作。ブルーグラス新入荷参照。

ROU-0559 MARK SCHATZ & FRIENDS『Steppin' in the Boiler House』CD\2,573-（本体\2,450-）

　マーク・シャッツのクロウハンマーが見事なアンサンブルとグルーヴを生む。インスト新入荷参照。

SH-4015 V.A.『Sail Away; Songs of Randy Newman』CD\2,573-（本体\2,450-）

　ブルーグラスやアメリカーナ系トップ・ミュージシャンによるランディ・ニューマン曲集。フォー ク／オールドタイム新入荷参照。

MB-20383D MURIEL ANDERSON『All Star Night: 10th Anniversary Concert』DVD\4,095-（本体\3,900-）

　ナッシュビルで開かれたオールスター・ギター・ナイトの第10回記念コンサート。40分のオマケ・ ワークショップ付き!!　映像新入荷参照。

NW-8018 MERLE HAGGARD『Live from Austin, Tx』DVD\3,308-（本体\3,150-）

　1985年のマール・ハガード!! 映像新入荷参照。

RCSI-1004 DAVID PETERSON & 1946『In the Mountaintops to Roam』CD\2,573-（本体\2,450-）（歌詞付）

I'll Still Write Your Name in the Sand/Careless Love/Good Woman's Love/In Despair/Blue Birds Are Singing for Me/Red Rockin' Chair 他全14曲

　「ホンモノのブルーグラスはこうあるべき！」という気概に満ちたデビッド・ピーターソン＆1946 の最新作。１曲目のトリプル・フィドルの旋律、バンジョー・ロール、マンドリン・ストラミング、そ してギターとベースのビート…、そのいずれもが、トラッドグラスの真髄を見事に表現する。それも そのはず、トリプル・フィドル群はバディ・スパイカー、ステュアート・ダンカン、マイケル・クリー ブランド（この組み合わせは１曲目のみで、他のトリプルにはケーシー・ドリーセンとアーロン・ ティルやソロ・フィドルにはオウブリー・ヘイニー）、バンジョーにはスクラッグスも真っ青のス クラッギスト＝チャーリー・クッシュマン（そのロール・コントロールはあまりに絶品、すごい!!）、 そしてマイク・コンプトン…、彼らが上記スタンダードを中心に、本気で演奏するんだから、誠に もって、凄い、すばらしい作品に仕上がっています。これぞ、モンロー／フラット／スクラッグス が目指したサウンド、ブルーグラスの21世紀解釈版といってもいいかな？　デビッドは米国北部ボ ストン出身のブルーグラス・ボーカリストだ。何よりもこのアルバムを貫くサウンド、還暦を迎え る1946年のブルーグラスへの愛に満ちている。聴くべし!!

　デビッド・ピーターソンのデビュー作『David Peterson & 1946』(DP-1946 \2,888-)、第２作『The Howling Blue Winds』(Zion-1454 \2,888-)もすばらしいトラッドグラスで、共に在庫している。

ROU-0580 RHONDA VINCENT『All American Bluegrass Girl』CD\2,573-（本体\2,450-）

Heartbreaker's Alibi/Rhythmn of the Wheels/Till They Came Home/Don't Act/Precious Jewel 他全12曲

　凄いです、昨年のDVD/CD『Ragin' Live』につづいて息をもつかせぬこの攻勢、ほぼ毎年夏のフェ ス・シーズン前に新作を発表、年間300日にもおよぼうというツアー・デート、現在44才、母にして、 ブルーグラス・ガールのトップランナーである、まさしく、アルバム・タイトルとおり「オール・アメ リカン・ブルーグラス・ガール」を地でいくロンダ・ビンセントの最新作。ロンダのアイドル、ボ ビー・オズボーンやドリー・パートンらをゲストに迎えた本作、ジョッシュ・ウィリアムズのギター・ ビートとミッキー・ハリスのベースに乗ったケニー・イングラムの気合いのソリッド・ロールとハ ンター・ベリーのブルージー・フィドルに固められたソリッドグラスでのタイトル曲の１曲目から、 カントリー市場でのヒットも視野に入れたメッセージやサウンドを持ったレパートリー、そして ロンダのマンドリン・インストまで。かつてのオズボーンズのように、おそらく次のステップはブ ルーグラス編成バンドでの、狙うはチャートヒットだろうか？　頑張り屋さんのロンダ、５才で ショービズの世界に顔を出して（ブルーグラス発掘新入荷参照）から、両親とのブルーグラス・バン ドで育ってきた彼女、一度はカントリーのメジャーデビューも経験した彼女が、ブルーグラス でこれほどの成功を収めるとは…。最後の"Precious Jewel"では男性陣をボーカルに、これぞヒルビリー感覚の典型コーラスをキメル!!

CMH-9090 V.A.『Strummin' with the Devil; Southern Side of Van Halen, featuring David Lee Roth』CD\2,888-（本体\2,750-）

Jump/I'll Wait/Hot for Teacher/Feel Your Love Tonight/Could This Be Magic?/Eruption 他全14曲

　ヴァン・へーレンといえばロック史に残る凄いバンド、そのリード・ボーカリスト、デビッド・ リー・ロスが、ジョン・ジョーゲンソン・バンド（ステュアート・ダンカン、スコット・ベスタル、ロ ブ・アイクス、ブラッド・デイビス）をバックに唄う"Jump"と"Jamie's Cryin'"（テナーにジョン・コーワン）を１曲目と２曲目に配した、CMHレコー ドのカバー集「ピッキン・オン」シリーズ特別企画。 本作は前述のジョーゲンソン・ハンドのほか、ブルー・ハイウェイ、ジョン・コーワン・バンド、マ ウンテン・ハート、ラリー・コードル＆ロンサム・スタンダード・タイム、ナッシュビル・ブルーグラ ス・バンドら、超一級バンドがヴァン・へーレンのブルーグラス・アレンジに挑むほか、ジョンソン・ マウンテン・ボーイズにトニー・トリシュカが加わったようなセッションやデニス・キャップリン ガーのバンジョー・ソロ、デビッド・グリスマンがふたりの息子、モンロー(g)とサム(bs)と出演な ど、これは話題に事欠かない作品だ。それにしても、こんな企画にホンモノが乗ってくるし…、クラ プトンがブルーグラスに虎視眈々というリポートも紹介されているし…、ブルーグラスがここまで 認知されるとは、ねぇ。ちなみに、デビッドは、50年代からビル・モンローが拠点にしたインディア ナ州ビーン・ブロッサム近くの学生町ブルーミントンで1955年産だと…。

CF-0003 ACOUSTIC ENDEVORS『On a Farm』CD\2,888-（本体\2,750-）（歌詞付）

Hills of Home/Thanks Again/Let's Meet at His House/Tennessee Iris/Hoe This Row Alone 他全16曲

　バージニア州ロアノークを中心に活躍するアコースティック・エンディバーズの最新作。アキュ タブ主宰で知られるジョン・ロウレス(bj)をメンバーに、ベーシストでありマルチプレイヤーでも あるウォーレン・アンバーソンのオリジナルが13曲、紅一点ケリー・グリーン(g)のオリジナルが３ 曲の全16曲、バージニア／ブルー・リッジ系のはじけるような明るいブルーグラスをたっぷりと聴 かせてくれる。タイトルとおり、明るい農場でノビノビと楽しめるブルーグラスに仕上げ、アパラチ アの持つサニーサイドな部分をその軽快なリズムとメロディーに乗せたバンド・サウンド、ブルーグ ラスからホンキートンク・フォービートやフォーキーなバラッドなどなどが気持ちよい。また、スト レートなブルーグラス・フラットピッキン・ギター・インストからモンロー・マイナー調マンドリ ン・インストなど、標準５人編成の楽器も安定している。ローカルながら自分たちのサウンドを主張 をもって創る、日本も含めた世界のブルーグラスの健全性を表わす好例だ。

SR-55 KAREN LYNNE『Changes』CD\2,888-（本体\2,750-）（歌詞付）

We Should Only Have Time for Love/Roses in the Snow/There Is a Reason/Jealous/Once More 他全13曲

　前回紹介したアルバムで、その可憐なボーカルと聴きやすいアレンジやカバー曲などで人気に なったカレン・リンの最新作。今回もエミルーやオズボーンズらの有名スタンダード・カバーのほか、 フィル・オクスのタイトル曲やゴードン・ライトフットから、ロニー・ボウマンやロン・ブロックら の作品、ロンダ・ビンセントやドイル・ローソンで知られる曲など、親しみやすい現在ブルーグラス を聞かせてくれる。カレンなボーカルはもちろん、バックのオーストラリア・ミュージシャンがすばら しい。米国のトップにひけを取らないギター、マンドリン、バンジョー、ドブロ、フィドルにベース…、 実にすばらしい!!　かつて、米国に次ぐブルーグラス大国といわれた日本、長い間ブルーグラス未開地 だと思っていたオーストラリアのミュージシャンたちの、あまりのレベルの高さに驚くばかりだ。政治 ／経済と同様、日本音楽界の失われた年月は（ブルーグラスのみならず）とても大きいぞ。諸君、最 後の頑張りで、もう一度、自分のためにも次代のためにも、本気で音楽をし、サポートしないかい …!?!?

VAN-79801 YONDER MOUNTAIN STRING BAND CD\2,573-（本体\2,450-）

Sidewalk Stars/I Ain't Been Myself in Years/East Nashville Easter/Troubled Mind 他全12曲

　昨夏、日本最大のロックフェス、フジロックに出演、いわゆる「ジャムグラス」と呼ばれるヤンダー・ マウンテン・ストリング・バンド（ムーンシャイナー05年７月号特集）のバンガード・デビュー作。 グレイトフル・デッドにルーツを持つといわれるロックの新しいジャンル「ジャムバンド」という大 きなマーケットでブレイクした彼ら、コロラドのブルーグラス・コミュニティーから1998年にデ ビューしてすでに８枚目（内ライブ４作）になる最新作だ。ローカル・ブルーグラスの素朴さと若い感 性に訴えるメッセージを武器に、ブルーグラス楽器のドライブを効果的に使ったジャムバンド的発想で ヒッピーに憧れる若者たちをクルクルと舞わせている。ダロル・アンガーがぶっ飛ばしフィドルでゲス ト参加している。モンロー／フラット＆スクラッグス／スタンレーズらの真髄を極めたわけではないだ ろう彼らが、ニューグラス以降の、それでもブルーグラス精神を継承しながら日米のロックファンに受 け入れられている、すばらしいことだと思う。

■レイモンド・マクレイン＆マイク・スティーヴンス来日

BCD-162 RAYMOND McLAIN & MIKE STEVENS『Old Time Mojo』CD\2,573-（本体\2,450-）

I am a Pilgrim/Cash on the Barrelhead/Wabash Cannonball/Don Let Your Deal Go Down/Bile Them Cabbage Down/Duelling Banjos/Johnny B Goode 他全14曲

　レイモンドとマイクのデュオ最新作。マール・トラビスのフィンガーピッキンからボブ・ウィルス のウェスタン・スウィング、ブルーグラスやアーリー・カントリーのスタンダードを、レイモンドの ギター、バンジョー、フィドルの持ち替えとボーカル、そしてマイクのハーモニカのふたりだけで楽 しく聴かせるエンターテイメント。ふたりともに、さまざまな国をツアーしてきた経歴から、リス ナーを楽しませる術をよく心得ています。各地のコンサートもお見逃しなく!!

FF-70597 RAYMOND McLAIN『A Place of my Own』CD\2,573-（本体\2,450-）

Cotton Eyed Joe/Wild Fiddler's Rag/Bells of St.Marys/Cannonball Blues/Ain't Gonna Work Tomorrow/Shuckin' the Corn/Maiden's Prayer 他全13曲

　レイモンドとマイクが揃ってジム＆ジェシーと来日した1992年に発表されたレイモンドのソロ・ アルバム。1989年に活動を中止したマクレイン・ファミリー・バンド（1975年に来日）からジム＆ ジェシーに移った彼の自在なバンジョーが、妹ルース(bs)、弟マイケル(g)を軸に、ジム＆ジェ シー（ブレイン・スプラウスのフィドルとマイク・スティーヴンスのハーモニカ含む）やグレン・ダン カン(f)らのバックで独特のバンジョー美学が美しく響く。スローな曲での美しさは特筆モノ。"Kitten on the Keys"などのラグタイムやフィドル曲アレンジの見事さはさすが、州立大学でブルーグラス を教える助教授の面目躍如だ。

ブルーグラス発掘＆編集モノ新入荷

LIGHT-1331 RHONDA VINCENT『Yesterday & Today』CD\2,888-（本体\2,750-）

Muleskinner Blues/Joshua/Rocky Top/Bluegrass Melodies/Roses in the Snow/I Sand Dixie 他全21曲

　現在、女性ブルーグラスのトップランナーとして八面六臂の活躍をつづける頑張り屋さん、ロン ダ・ビンセントの初期録音などを集めた1998年作品が再プレスされた。1993年と96年に２枚のメ ジャーカントリー作品を残した後、ブルーグラス復帰を決意したとき、５才で初録音した曲"How Far Is Heaven"も含む、30年間を振り返った記念すべきアルバムで、彼女の人生と音楽が一望でき るという趣向である。1962年生まれのロンダ、ブルーグラスとカントリーが、ヒルビリーという雰 囲気の中で共存していた初期から、オズボーン・ブラザーズに憧れたアーリー・ティーン時代、そして エミルー・ハリスを経て、20才の頃にはファミリー・バンドのサリー・マウンテン・ショウの大黒 柱となっていた時代、カントリーのメジャーヒットを目指した90年代後半など、スターを夢見て歌 いつづけてきた田舎の女の子も頑張り屋さんロンダの30年におよぶ貴重な録音集である。

VAR-66716 THE DILLARDS『Early Recordings 1959』CD\2,573-（本体\2,450-）

Banjo in the Hollow/Old Blue/Rainbow/Katy Cline/East Virginia Blues/Old Man at the Mill 他全10曲

　ダグが21才、ロドニーが16才だったある日、ディーン・ウェッブを招いて家庭録音した貴重な10 曲が陽の目を見た。1962年にロサンゼルスに移ってからブルーグラスやカントリーロックに多大な貢献 をすることになる後のザ・ディラーズの原点である。が、はっきり言って、すでに基礎は出来上がっ ており、ふたりが尋常な才能でないことは一聴すれば納得だ。全10曲20分ほどだが、ザ・ディラーズ・ ファンにはもちろん、アーリー・ブルーグラスのスピリットに充分触れることができる。

　ムーンシャイナー誌最新５月号はデビッド・グリスマン・クインテット来日から30年の特集です。

　前年の1975年８月、トニー・ライス、リッキー・スキャッグス、ジェリー・ダグラスを擁したJ.D. クロウ＆ニューサウスが来日（ムーンシャイナー05年８月号特集）、その日から翌76年のDGQ、そし て同年末のニュー・グラス・リバイバル初来日と、日本のブルーグラスはすさまじい勢いで動いた。 そんな時代を、アルバムを通して聴いてみよう。

ROU-0044 J.D.CROWE & NEW SOUTH CD\2,573-(本体\2,450-)

Old Home Place/Some Old Day/Rock Salt and Nails/Nashville Blues/Summer Wages/I'm Walkin' 他全11曲

　その後のブルーグラス道標アルバムとされる1975年のJ.D.クロウとニュー・サウスの大名盤。 若きトニー・ライス、リッキー・スキャッグス、ジェリー・ダグラスらがJ.D.の完璧なタイミングのも と、フラット＆スクラッグスからファッツ・ウォーラー、そして時代を映したシンガー・ソングライ ターまで、「ハッピー・ミディアム」なブルーグラスを聴かせる。

ROU-0084 BILL KEITH 『Something Auld, Bluegrass, Newgrass, Borrowed』CD\2,573-(本体\2,450-)

No Expectaions/Green Mountain Hop/I'll Stay Around/Farewell Blues/Caravan/Auld Lang Syne 他全12曲

　メロディック・スタイルを完成させたビル・キースの大名盤。この録音でデビッド・グリスマンとト ニー・ライスが運命の出会いをする。そのふたりにバッサー・クレメンツ、トム・グレイ、ケニー・コ セックを基本セットにフラット＆スクラッグスから蛍の光まで、ブルーグラス・バンジョーの歴史的 名盤のひとつ。

ROU-0069 DAVID GRISMAN『Rounder Album』CD\2,573-(本体\2,450-)

Hello/Sawing on the Strings/Waiting on Vassar/Op. 38/Cheyenne/On and On/So Long 他全13曲

　ブルーグラスとジャズを組み合わせたグリスマンの音楽「ドーグ」誕生前夜、バッサー・クレメン ツ、トニー・ライス、ジェリー・ダグラス、リッキー・スキャッグス、ビル・キース、バック・ホワイトら と創り上げた1976年発表の大名盤。ブルーグラスの真髄を、ちょっとひねって組み直すと、ホーラ、 とてもお洒落で新鮮なアンサンブルの出来上がり。

ROU-0085 TONY RICE CD\2,573-(本体\2,450-)

Banks of the Ohio/Mr.Engineer/Don't Give Your Heart to a Rambler/Farewell Blues/Big Mon 他全12曲

　1976年５月、DGQとしての初ツアーに参加、日本から帰国したばかりのトニー・ライスが７月にス タジオに入って録音したトニーにとって３枚目となるアルバム。兄ラリーのほか、J.D.クロウ、グ リスマン、リチャード・グリーン、ジェリー・ダグラスらをゲストに、ニュー・サウスとDGQの中間に バランスをとった名作である。

FF-70032 NEW GRASS REVIVAL『Fly Thru the Country/ When the Storm Is Over』CD\2,573-(本体\2,450-)

Skippin' in the Mississippi Dew/Good Woman's Love/Doin' My Time/These Days/White Freight Liner Blues/Vamp in the Middle/Crooked Smile 他全20曲

　そして激動の1976年を締めくくったのはニュー・グラス・リバイバルの初来日だった。彼ら の初期代表作LP２枚が収まったこのCD、彼らが混沌とした若者の時代の中で、何を追い求めていた のか…？

　今年末のムーンシャイナー特集に向かって考えていきたい。皆さんからの投稿もお待ちしていますの で、よろしく!!

　…1968年のフラット＆スクラッグスにはじまり、ラルフ・スタンレー、そしてビル・モンロー、カン トリー・ジェントルメンと続き、1975年に一大ブルーグラス来日ラッシュを迎えた日本のブルーグラ ス界、30年前にあたらしい時代がやってきたんだ。

ACD-20 DAVID GRISMAN『DGQ-20』CD３枚組\5,198-（本体\4,950-）

　今年５月でデビッド・グリスマン・クインテットが来日して30年を迎えている。日本で公式にデ ビューした彼らDGQは、その後の若いブルーグラス・ミュージシャンの頭脳構造を変えた衝撃だっ た。本作はそのDGQの20年の歩みを記録した究めつけのドーグ音楽集である。もちろん、本作発売 から10年が経っているが、その10年にDGQの大きな変化はない。つまり、DGQが世界に衝撃を与えた 最初の20年の軌跡をここに正確に記録しているわけだ。トニー・ライス、トッド・フィリップス、ダ ロル・アンガー、ジョー・キャロルのオリジナル・メンバーから、マイク・マーシャル(79)、つづいて トニーとトッドが去ってマーク・オコナーとロブ・ワッサーマン(79)…、そして80年代にさまざまな ミュージシャンがDGQの門を叩き、そのノウハウを得ていく。ドーグ音楽はブルーグラスのドライヴに ジャズのコード感覚を組み合わせて発展したもの。

REB-1128 RED ALLEN『Lonesome And Blue:The Complete County Recordings』CD\2,573-（本体\2,450-）

　ドーグ以前、デビッド・グリスマンのブルーグラスへの傾倒ぶりがよく分かるレッド・アレンのカ ウンティー大名盤２枚を収めたトラッドグラス・ファン必聴の作品。ムーンシャイナー誌のレッド・ アレン特集は2005年11月号(MS-2301 \525-)参照。

R2-71468 DAVID GRISMAN QUINTET CD\2,888-（本体\2,750-）

　記念すべきデビッド・グリスマン・クインテットのデビュー作。録音は日本公演の半年後の76年秋、 発表は翌77年。オリジナルのLPに、"Minor Swing"と"16-16"の２曲がボーナスとして収められている。

　ステファン・グラッペリをゲストに迎え、ジャズ界でヒット、センセーションを巻き起こしたした DGQの２枚目『Hot Dawg』(CD-3292 \2,573-)も在庫している。

BCD-162 RAYMOND McLAIN & MIKE STEVENS『Old Time Mojo』CD\2,573-（本体\2,450-）

　５月下旬から日本全国をツアーするふたり、ブルーグラス新入荷の「レイモンド・マクレイン＆マ イク・スティーヴンス来日」の項を参照ください。

ROU-7062 APRIL VERCH『Take Me Back』CD\2,573-（本体\2,450-）

　４月号につづいてインタビュー後編、フィドラーのために語るエイプリル・バーチの最新作。カ ナダ・オンタリオ州に伝わるオタワ・バレー・スタイルのフィドルや、クレア・リンチやバディ＆ジュ リー・ミラーらの作品を透明な声で歌う米国のブルーグラス／フォーク界で注目の女性フィド ラー。

ADR-1707 グリーン・マウンテン・ボーイズ『春来れば』CD\1,999-（本体 \1,904-）

　兵庫県の生野町を本拠に35年間、ナターシャセブンの伝統を継承している彼ら、３月に行われた 高石ともやコンサートをリポートしてくれた。彼ら自身の特集は2005年11月号(MS-2301 \525-)。

BJK-2071 BOBBY THOMPSON『Thompson Picks』CD\2,888-（本体\2,750-）

　何を隠そう…、わたしはバンジョー弾きとして、アール・スクラッグスの次に尊敬し続けてきたの がボビー・トンプソンなんです。その彼が昨年５月に亡くなって一年、ようやく今月、追悼特集が組め ました。あの亡くなる一ヶ月ほど前に撮ったという写真、すばらしい顔をしていましたね。やっぱ り、この人の音楽は特別なんだと、その写真を見て思いました。本作は、亡くなる一年前、仲間たちが 協力して発売されたボビー、唯一のリーダー・アルバムです。シビアに聴けば聴くほど、彼の偉大さに おののかずにはられない、はずだ…。

SRCD-1003 AREA CODE 615『Area Code 615/ Trip in the Country』CD\3,000-（本体\2,858-）

　決して大げさではなく、世界の（おもにキリスト教的）価値観が激変する1970年前後に発表された 大名盤２枚が収められたCD。すなわち、ナッシュビルが営々として築いてきたカントリー音楽とい うサウンドが、一夜にして変化した歴史的名盤である。南部の優れたミュージシャンらが、自身らの ルーツであるブルーグラスとリズム＆ブルースをポップなスタジオ・ノウハウで料理したミュージ シャンズ・ミュージックの究極である。ボビー・トンプソンのバンジョー、バディ・スパイカーのフィ ドル、チャーリー・マッコイのハーモニカといった、ポップ・カントリーの添え物が自己主張し、 ウェイン・モスやウェルドン・マイリックらのギターやスティールがフォローする。ボビー・トンプ ソンの"John Henry"と"Tennessee Green"の２曲がボーナス。

SH-2203 OSBORNE BROTHERS『Once More Vol. 1 & 2』CD\2,573-（本体\2,450-）

Cuckoo Bird/Each Season Changes You/Listening to the Rain/Kentucky/One Tear/Making Plan 他全24曲

　1960年代にみんなの心をつかんだオズボーン・ブラザーズの極上ハーモニーとアンサンブルを 1980年代、ポール・ブルースター（現ケンタッキー・サンダー）を得て再演した秀作。彼らのヒット曲に 加え、"Blue Moon of Kentucky"やボビーの作った"Pain in My Heart"などもすばらしい。ソニーのバンジョーが唄ってるよ!!

SH-2209 V.A.『True Life Blues; the Songs of Bill Monroe』CD\2,573-（本体\2,450-）

　1996年９月、ビル・モンローが他界してから10年になる。彼が死の床にあるときにこのアルバム が完成、早速届けられ、彼はとても喜んだと伝えられる。その翌年２月、このすばらしいビル・モン ロー曲集はグラミー賞を獲得、世界に向けられたグラミーの生中継でビル・モンロー追悼演奏が行 われた。本作には生前のモンローと同時代を生き、彼の遺志をあたらしい形で伝えるブルーグラス界 最高のミュージシャンたちが、おそらく病床のモンローに聴いてもらうことも意識して創ったすば らしいビル・モンロー曲集である。

　モンロー亡き後の10年、ブルーグラスは大きく変わりつつあります。モンローとブルーグラス、そ の過去、現在、未来をムーンシャイナーで特集したいと思います。アイデアをお寄せください!!

GC-8108 GREENCARDS『Movin' On』CD\2,888-（本体\2,750-）

　サム・ブッシュのニューグラス・スピリットを継承し、イギリスとオーストラリア出身というケル トの香りをふりかけ、ポップな女性ボーカルでブレイクを狙うザ・グリーンカーズの自費制作デ ビュー作。昨年はメジャー・デビュー、ボブ・ディラン・ツアーのオープニング・アクトなどで大活 躍、ギリアン・ウェルチからジョン・ダッフィの曲まで、パット・フリンをギターにマンドリンのスー パーピッキンが快感!!

ROU-0550 V.A.『Moody Bluegrass, a Nashville Tribute to the Moody Blues』CD\2,573-（本体\2,450-）

　ハーリー・アレン、ティム・オブライエン、ジョン・コーワン、ラリー・コードルらをリード・ボー カルに、アリソン・ブラウン、チャーリー・クッシュマン、バリー・クラブトゥリー、キース・リトル (bj)、ステュアート・ダンカン、フレッド・カーペンター(f)、またハーモニーにはアリソン・クラウ スやサム・ブッシュも名を連ねた豪華版（ジョンのリードにアリソンのテナーとサムのバリトンは一 聴の価値あり…!）。デビッド・ハービー(m)がティム・メイ(g)らと創ったオールスター・キャストに よる、60年代から活躍するイギリスのロック・バンド、ムーディー・ブルースのカバー集。

RCSI-1001 DOMINICK LESLIE『Signs of Courage』CD\2,888-（本体\2,750-）

Ducks on the Millpond/Lonesome Moonlight Waltz/Old Ebenezer Scrooge/Swing 42/Boston Boy 他全13曲

　クリス・シーリ以降のマンドリン奏者ドミニック・レスリー、15才。ケニー・ベイカーとビル・モ ンロー、そしてジャンゴ・ラインハルトの５曲に、２曲のトラッド、６曲のオリジナルの全13曲を、ス テュアート・ダンカン(f)、ロス・マーティンまたはジョン・スティックリー(g)、ノーム・ピクルニー (bj)、ジーン・リベア(bs)の基本セットに、全編で楽しめる、美しく聴きやすいブルーグラス・インス ト作品に仕上がっている。ムーンシャイナー誌２月号(MS-2304 \525-)参照。

PC-6508 JUSTIN CARBONE『Take Some Time』CD\2,573-（本体\2,450-）

　すばらしいフラットピッカーであり、シンガー／ソングライターであるジャスティン・カーボー ン。コリングスD1-Aを手に、トニー・ライス以降ケニー・スミス系フラットピッキンの流れ（メロ ディック・スタイルの多用に印象的な音とリズムを加える手法）を汲む若者、シカゴを本拠に活躍する スペシャル・コンセンサスのギタリストだ。20代半ばの仲間たち…、アシュビー・フランク(m)、ジェ レミー・ギャレット(f)、アラン・バートラム(bs)、マイク・ブルベイカー(bj)らの基本セットに、やは り同世代のベッキー・ビューラーとの共作などを含むオリジナルで、若者らしいハツラツとした気分爽 快なソリッド・ブルーグラスを聴かせてくれる。

PATUX-134 NATE LEATH『I've Always Been A Rambler』CD\2,888-（本体\2,750-）

Tater Mash/Cherokee Shuffle/Long Time Gone/Sally Ann/I'm On My Way Back to the Old Home/Leather Britches/Kentucky Waltz/One Woman Man 他全11曲

　現在はバークリー音楽院に在籍しながら、オールド・スクール・フレイト・トレインに参加、DGQ のステージ・ギグで共演しているDCエリアの21才、ネイト・リース。若手フィドラーである。達人レッ クス・マッギー(bj)とダニエル・ナイスリー(m)、ベンの息子クリス・エルドリッジらに、久々のディ ディ・ワイランドやトム・ミンテらのボーカルがゲスト。11才でゲイラックスのブルーグラス・フィ ドル・チャンプ以来、賞の数知れず、IBMAジャムでは若者たちと、たとえば"Big Mon"を一時間以上弾き続けるといった、「ぶっ飛び」フィドルなの だが、ここでは、トラディショナリストの一面を聴かせる。…同時に、トラッドの精神をキープし ながら、タイトロープを進むスリルとネイト独特の呼吸が楽しめる。

ROU-0561 MICHAEL CLEVELAND『Let'er Go, Boys!』CD\2,573-（本体\2,450-）

　12才のときに同年のクリス・シーリ、コディ・キルビー、ジョッシュ・ウィリアムズらと組んでセ ンセーションを巻き起こしてから12年、ハンディキャップを持ちながらも３度のIBMA最優秀フィド ルに輝く24才、マイケル・クリーブランドの最新作。ベニー・マーティンを基調としたアグレッシ ブな正統派ブルーグラス・フィドルで、これでもかとドライブする。ビンス・ギル、デル・マッカー リー、ラリー・スパークス、ティム・オブライエン、ダン・ティミンスキ、ジェフ・ホワイト。オウ ディ・ブレイロックらボーカル陣、チャーリー・クッシュマン（スクラッグスが1949年に"Foggy Mountain Breakdown"を録音したあのRB-3を使用しているという!?）、ジェフ・ガーンジー、イェン・ クルーガー、ロブ・アイクスほか楽器陣ら、豪華ゲストを迎えてボーカル物とインスト物をバランス よく配した全17曲。これがブルーグラスじゃ!! 基本セットのジェシ・ブロック(m)とジェイソン・ムーア(bs)もすばらしいぞ!!

SH-4002 GIBSON BROTHERS『Red Letter Day』CD\2,573-（本体\2,450-）（歌詞付）

　ブルーグラスにカムバックしたギブソン・ブラザーズの最新第３弾。ドン・ギブソンからレイ・ チャールズをはじめ、ロックン・ロール・ヒットのカバーやブルーグラス・スタンダードに、５曲のオ リジナル。タイトでキャッチーなブラザー・デュオで快調に飛ばす、新旧のブルーグラスらしさが絶妙 に交じり合い、ルービンやエバリーを思い起こさせる超お勧めブラザー・ハーモニー。

CAP-25337 CLUSTER PLUCKERS『Gospel Favorites』CD\2,888-（本体\2,750-）

What a Friend We Have in Jesus/Pass Me Not/Angel Band/In the Sweet Bye and Bye/Where We'll Never Grow Old/Keep on the Sunny Side 他全13曲

　マーガレットとクリスの仲良し女性デュオを中心に、ジョン・ハートフォード晩年の美しい音を創っ てきたマーク・ハワードが、有名ゴスペルをとても聴きやすく料理してくれたクラスター・プラッカー ズのゴスペル・アルバム。癒されます!!

ROU-0563 CLAIR LYNCH『New Day』CD\2,573-（本体\2,450-）

　1970年代、そのキュートなボーカルで女性ブルーグラス／ニューグラスのセンセーションを巻き起こ したフロントポーチ・ストリング・バンドのクレア・リンチ、６年間の沈黙を破っての素晴らしいカ ムバック。ナンシ・グリフィスのようなエモーショナルでありながらキュートなボーカルは50才を越 えたとはとても思えない、というか、ますます磨きがかかった美しさだ。ジム・ハースト(g)とミッ シー・レインズ(bs)のデュオとデビッド・ハービー(m)とのカルテットを軸に、ステュアート・ダンカ ン、アンドレア・ゾン(f)、アリソン・ブラウン、チャーリー・クッシュマン(bj)、ロブ・アイクス(d) らを適材適所に配し、ハードドライビング・ブルーグラスからスウィング、オズボーンズのカバーから 得意のスロー・バラードやブルージーなロッキングラス等々、すべての音が彼女のエモーショナルな声 とマッチする。女性らしい優しさや感性に包まれた癒し系ブルーグラスの秀作だ。メチャいい。

PC-4007 V.A.『Bluegrass Legends』CD\2,079-（本体\1,980-）

　フロリダに本拠を置くパインキャッスル・レコードがこれまでに発表した作品の中から、デル ＆ロニー・マッカーリー親子とテリー・エルドレッジやラリー・パーキンスの共演を皮切りに、ボ ビー・オズボーンとアリソン・クラウスのデュオ"Storms Are on the Ocea"から、最後はアール・スクラッグス、ソニー・オズボーン、ジョン・ハー トフォードの超重量級共演の"Foggy Mountain Top"まで、ブルーグラス・レジェンドの名にふさわしい大物をゲストに迎えたトラックばかり10曲を集 めた廉価企画物。

SH-3749 PETER ROWAN『The First Whippoorwill』CD\2,079-（本体\1,980-）

　"I'm On My Way Back to the Old Home"から全12曲、ピーター・ローワンがサム・ブッシュ、ビ ル・キース、リチャード・グリーン＋バディ・スパイカー、ロイ・ハスキーJr、アラン・オブライ アンと1985年に創ったビル・モンロー曲集。お手本です。

SH-3726 MARTY STUART『Busy Bee Cafe』CD\2,079-（本体\1,980-）

　最新ブルーグラス・ライブ『Live at the Ryman』(B000496102 \2,450-)で、フラット＆スクラッグス直系の重量サウンドを聞かせてくれたマー ティ・ステュアートの1982年作品。故ジョニー・キャッシュをはじめ、アール・スクラッグス、ドッ ク・ワトソンをゲストにローランドとクラレンス・ホワイトに大きく影響されたギターとマンドリン を聴かせる秀作である。ブルーグラスを核に、ブルース／カントリー／ロカビリーが一体になった すばらしいアルバムだ。マーティーの凄さを見直そう…!!

SH-4016 CASEY DRIESSEN CD\2,573-（本体\2,450-）

Sally in the Garden/Gaptooth/Sugarfoot Rag=Freedom Jazz Dance/Jerysalem Ridge/Snowflake Reel=Done Gone=Cheyenne/Country Blues 他全11曲

　１曲目からジェリー・ダグラス、２曲目にはベラ・フレック、３曲目はティム・オブライエン、４ 曲目にダレル・スコット、ベースにはビクター・クラウス、ドラムスにポール・サイモン・バンドの ジェミー・ハッダッド…、この顔ぶれを見ただけで、ケーシー・ドリーセンという若者の才能が尋 常ではないことが分かるだろう。しかも、デビュー作だよ。ブルーグラスとオールドタイム・フィド ルを知り尽くした弱冠27才、バンジョーとペダル・スティールを弾く父親に連れられ、子供の頃から キャンプサイト・ジャムで鍛えられ、バークリー音楽院に入学、在学中20才にしてスティーブ・アー ルのブルーグラス・デュークスに加入、その後、ティム・オブライエン・バンドで活動、卒業後ナッ シュビルに移住。クリス・ジョーンズらとのブルーグラス・バンドなどのかたわら、アビゲイル・ ウォッシュバーンと中国ツアー、そして昨年はブライアン・サットンとともにベラ・フレック・ア コースティック・トリオで活躍。ケーシーの斬新なデビュー作はブルーグラス・ドライブとオール ドタイム・グルーヴをもとにしたインプロバイズ音楽は、モンローの"Jerusalem Ridge"が不思議なリズム世界をへて中東にまでたどり着いたり、 フィドル・チューン・メドレーはドラムスとのデュオだったり、ホット・ライズのブルーグラスをフィ ドル・リズムだけで唄ってみたり、ドック・ボッグスが突如現れたり、ついには愛犬とジャムして しまう…、ワクワクするような展開を見せる。今後のあたらしいブルーグラス世代の核になるだろ うと目されるケーシーの、今年１月に録音されたデビュー作である。凄いアルバムだよ!!

ROU-0559 MARK SCHATZ & FRIENDS『Steppin' in the Boiler House』CD\2,573-（本体\2,450-）

Rig Root/Cajun Stomp/Eileen's Waltz/Season of Joy/Stay All Night/Black Mountain Aire 他全14曲

　ブルーグラスとオールドタイムの境目がなくなる今日この頃、マーク・シャッツのクロウハン マー・バンジョーが見事なアンサンブルとグルーヴを生む、実にうつくしいアパラチア音楽。マー ク自身とベラ・フレックのプロデュースのもと、マークのバンジョーを軸に、ケーシー・ドリーセ ン(f)、ジム・ハースト(g)、ミッシー・レインズ(bs)を基本に、ティム・オブライエンとジェリー・ ダグラス、ステュアート・ダンカンを２曲ずつでゲストに迎え、マークのオリジナル（"Last Old Dollar"と"Stay All Night"以外）が、つぎつぎと美しいメロディーで奏でられていく。アパラチア の持つ独特のリズム・グルーヴが聴くものを癒してくれる秀作である。1995年のデビュー作『Brand New Old Tyme Way』(ROU-0342 \2,573-)と同様、アパラチアン・オールドタイムをベースにしながら、ジャ ズやブルーグラスの素養を見事に隠し味にして極上のアンサンブルに仕上げる、さすが、ニューグラス・ ムーブメントの屋台骨を支えてきたベーシストならではのバランス感覚だ。クロウハンマー・バン ジョーの魅力を再認識するにもお勧めの一枚である。

IDR-4088 BILL CARDINE『Organically Grown #94060』CD\2,573-（本体\2,450-）

Hawnk/Mississippi Tom Sawyer/Monky Do, Billy See/EMD/Porch Song/Chance 22/The Dream 他全11曲

　近年、つぎつぎと登場する若い才能、ビル・カーダインは、あの雰囲気たっぷりの女性ボーカルを擁 したビスケット・バーナーズで活躍するドブロ奏者だ。もちろん、十分なブルーグラス・テクニックを ベースにしながら、ドーグからジャズ、オリジナルまで、果敢にあたらしい音の世界に挑戦する。バー ジニア州の北部、学生の街でもあるシャーロッツビルには若いアコースティック・ミュージシャンらが 手薬煉ひいてチャンスを待っている。キング・ウィルキーやオールド・スクール・フレイト・トレイン、 そしてバーナーズら…。こんな前衛的なドブロを弾く若者がジミー・ニューマンの"Blue Darlin'"を熱唱するなんてイケてるんじゃない？　ジョッシュ ／オルドリッジ／ダグラス系列をドブロの王道とするなら、ニューヨークのステイシー・フィリップス 以来の線のキレ方が快感だ。

JAM-JZ004　カフェマヌーシュ『カフェマヌーシュ』CD\2,000-(本体\1,904-)

Latcho Drom/Summertime/Moonlight in Vermont/La Gitane/Indifference/Cest Magnifique 他全９曲

　曰く「1930年から1940年代後半まで活躍していた伝説のギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトのス タイル（ジプシー・スウィング・ジャズ）をベースに、スタンダード・ジャズやミュゼット、シャンソ ン、映画音楽、ボサノバ、ラテン、ポピュラー等を独自の解釈で演奏する日本では数少ないユニット。 ２本のマカフェリ・ギターが時には激しく、時には情熱的に織り成すリズムと旋律が、各方面から支持 を頂いています」(プロフィールより)と。関西を代表するジプシー・ジャズ・ギタリストで時山フェス のギター・コンテスト優勝の経験を持つ川瀬眞司、同じく超絶技巧の山本佳史(g)、中村尚美(bs)とい うマカフェリ・スタイルのトリオにブルーグラス出身の足立安隆のスウィングするバイオリンが加 わりホットなアンサンブルを聴かせる。

SH-4001 BRYAN SUTTON『Not Too Far from the Tree』CD\2,573-（本体\2,450-）

Forked Deer/9 Pound Hammer/Lonesome Fiddle Blues/Whiskey Before Breakfast/Ragtime Annie 他全14曲

　ブライアン・サットンの最新作は、自身のギター・ヒーロー12人とのギター・デュエット14曲 集。２曲ずつ収めているトニー・ライスとデビッド・グリアのほか、ラス・バレンバーグ、ダン・ク レアリー、ノーマン・ブレイク、ジェリー・ダグラス、ジャック・ローレンス、アール・スクラッグス、 ジョージ・シャフラー、リッキー・スキャッグス、ドック・ワトソン、そして父親のジェリー・サット ンと各１曲。デビッド・グリアがやっぱり凄い、これぞブルーグラス・インプロバイズの醍醐味…。企 画は安易だが、想像通りに楽しめるブルーグラス・フラットピッキン・ギター作品に仕上がっている。

ROU-3016 JOHN MILLER『Safe Sweet Home』CD-R\2,573-（本体\2,450-）

　６月はじめ来日ツアーするフィンガーピッキン・ギタリスト、ジョン・ミラーの1977年秀作が限定 頒布。お洒落なコードでのカーター・ファミリー"Hello Stranger"を１曲目に「カサブランカ」の"As Time Goes By"が続く…。かつて、本作から"Blue Moon"がCMに起用されて日本でヒット、癒し系アコースティック・スウィングの元祖だろう。 （限定ラウンダー・アーカイブにつき、ライナーノーツ入要の方はお申し出ください）

SH-4004 JIM MILLS『Hide Head Blues』CD\2,573-（本体\2,450-）

　バンジョー奏者には「たまらん!!」、究極の「トー ンとタイミング」アルバム。ジム・ミルスがプリ・ウォー・フラットヘッド・マスタートーン・コレ クションから選りすぐった４本のバンジョーを弾く。ムーンシャイナー誌９月号(MS-2211 \525-)で本ライナーノーツ訳含む、ジム・ミルス特集あり。

COL-77301 BELA FLECK & FLECKTONES『The Hidden Land』DualDisc=CD+DVD\3,360-（本体\3,200-）

　ベラ・フレック最新作はCDとDVD（31分）が表裏になったデュアル・ディスク。もー、はっきり 言って凄いだけです。DVDはコメディー!?です。それでも凄いです。

KG-0543 RAYMOND FAIRCHILD『At Home in Maggie Valley』CD\2.363-（本体\2,250-）

　スクラッグス／レノを基本にアレン・シェルトン系のメロディーをきれいにスリーフィンガー ロールに乗せる名人、レイモンド・フェアチャイルドのバンジョー・アルバム。ブルーグラス・ス タンダードのほか、「若き日のマギー」、「スペインの姫君」、「蛍の光」、「ダニーボーイ」などのスタ ンダードで楽しく聴ける。ロールはメロディーをきれいに出すことがとても大切なのですね。

SH-3713 DAVID GRISMAN『Early Dawg』CD\2,573-（本体\2,450-）

Fanny Hill/Blue Grass Twist/Rawhide/Dear Old Dixie/I Wonder Where You Are Tonight 他全16曲

　今月のニュースレターはグリスマンだらけ…。でも、ムーンシャイナー５月号にも書いたけど、彼 のマンドリン、ブルーグラスとビル・モンローの真髄を的確に捉えていて、どうしようもないほど 凄い。本作はそんな彼の1966年、若干21才、モンローとフランク・ウェイクフィールドから学んだ すべてをぶつけたライブ録音集。デルとジェリー・マッカーリー、アーティ・ローズ(g)、故ウィニー・ ウィンストン(bj)とビル・キース(bj４曲)らに囲まれて、グリスマンのほとばしるブルーグラス魂 が凄い!!

ROU-0195 SAM BUSH『Late As Usual』CD\2,573-（本体\2,450-）

　６月にソロ７枚目の最新作が発表されるサム・ブッシュ、1985年に「遅まきながら」発表したデ ビュー作。自身のオールドタイム・ルーツからシンガーとしての側面、そしてホットなニューグラ ス・マンドリンのリーダーとしてのエネルギー、それらすべてがバランスよく収められた秀作。

■フィドル

VSR-001 FRED CARPENTER『Cut Loose』CD\2,888-（本体\2,750-）

Sally Goodin/Blackberry Blossom/Cotton Patch Rag/Huckleberry Hornpipe/Jesse Polka 他全12曲

　ナッシュビルのフィドラーが頼りにするバイオリン工房『バイオリン・ショップ』を経営するフ レッド・カーペンター、80年代にはトニー・ライス・ユニット で活躍したスーパーフィドラーでもある。その彼が、マーク・オコナーのギターとロイ・ ハスキーのベースのトリオで1980年に録音したテキサス・フィドル＆マンドリン集。フレッドとマー クはともにマンドリンに持ち替えたり、もちろんマークのリード・ギターもところどころにフィー チャーされている。70年代以降のフィドルの必須となったテキサス・コンテスト・フィドルの基本集で ある。

KOCH-9847 JERRY DOUGLAS『The Best Kept Secret』CD\2,888-(本体\2,750-)

　今年グラミー・ノミネートされたブッシュ／フレックらとの強烈ブルーグラスのほか、アリソン・ クラウスのソウル、CCRのジョン・フォガティー、ジャズ・ギターのビル・フリーゼルらとのロック ／ジャズほか、ジャンルを越えた先端音楽集。ラップスティールでのソロ"You Are My Flower"も聴きモノ。トップ・ブルーグラッサーの創るすごい 音世界である。MS誌2005年11月号(MS-2301 \525-)特集。

RC-121 JOSH GRAVES『Just Joshin'』CD\2,888-（本体\2,750-）

　1963年に発表されたジョッシュ・グレイブスとジェイク・ターロック(1922-1988)、フラット＆ス クラッグスを支えた２人のアルバムがレッド・クレイから３曲の未発表インスト録音を含めて初CD 化。バックにはカーティス・マクピーク(bj)やチャビー・ワイズ(f)、セドリック・レインウォーター (bs)ら、ジョッシュのリードにジェイクのテナー、そして６曲のドブロ・インストで構成された貴重 な全15曲。

FF-70007 BUDDY EMMONS『Steel Guitar』CD\2,573-(本体\2,450-)

　ペダル・スティール・ギターの神様、バディ・エモンズが1975年にブルーグラス系のプロデュー サー、マイケル・メルフォードのもと、ジョニー・ギンブルやレオン・ローズ、デイル・セラーズ、ケ ニー・マローンらと創った作品。"Orange Blossom Special"や"Steel Guitar Rag"ほかの定番と、フィドル・チューンやクラシックなど、天才38歳 当時の録音。

SH-4015 V.A.『Sail Away; Songs of Randy Newman』CD\2,573-（本体\2,450-）

Louisiana/Birmingham/Rednecks/Memo to My Son/Burn on/Mr.President/Political Science 他全12曲

　1970年代以降、ベトナム戦争の評価が決まりかけるあたらしいアメリカ南部の情景をリリカルに 描いたシンガー・ソングライター、ランディ・ニューマンの作品を、ティム・オブライエンの１曲 目から、デル・マッカーリー・バンド、サム・ブッシュ、ベラ・フレック（バンジョーソロ）、ザ・ダッ クスらのブルーグラス人脈、ソニー・ランドレス、アリソン・モーラー、スティーブ・アール、キム・ リッチーほかのアメリカーナ系ミュージシャンらが演じる、スティーブ・フィッシェルのプロデュー スによる秀作。1970〜80年代を生き抜いてきた世代の人たちに、ニューミュージックに堕したどこ かの国の「歌」とは違う、ほんとうの「歌」のもつ意味の深さや大きさを教えてくれるだろう。

CO-3501 CHARLIE POOLE『1925-30』CD\2,573-（本体\2,450-）

　昨年、コロムビアからボックスセットが発売され、ロバート・ジョンソンに匹敵する影響をその後 の白人音楽（フォーク／カントリー／ブルーグラス）に与えたと話題になったチャーリー・プール、 本作はカウンティ・レコードのCD３部作の１枚目。彼ら最初のヒット曲"Don't Let Your Deal Go Down"をはじめ"White House Blues"や"Take a Drink(whiff) on Me"など全16曲。Vol2とVol.3の在庫もあり。アメリカ音楽の大本に興味のある人は聴 くべし。

ROU-7064 COTTARS『ForeRunner』CD\2,573-（本体\2,450-）

　女性ボーカルとカナダのケープ・ブレトン・スタイルのフィドル・チューンを聴きやすく配したザ・ コターズの最新作。２組の10代の兄妹で構成された４人組、16才のフィオナの天使のようなリード・ ボーカルとハープ、ホイッスル、ボーラン、15才のケープ・ブレトン・フィドル界のホープ、ローザン ヌの２人の女の子に、それぞれ一つと二つ年上の兄たち…、トラッド・フィドルやフォークソングを ベースにして、70年代以降の音楽を軽々と超える北米の若者たちが21世紀の新しいアコースティック 伝統を創っている。スコットランドの伝統的なフィドル・チューンが奇跡的に残っているといわれるカ ナダのケープ・ブレトン島が生んだ凄い若者たち。

COLL-7668 JIM KWESKIN JUG BAND『Garden of Joy (featuring Geoff & Maria Muldaur) / Jim Kweskin's America』CD２枚組3,098-（本体\2,950-）

If You're a Viper/Sheik Of Araby/When I Was A Cowboy/Sugar Babe/Amelia Earhart's Last Flight/Stealin'/Dark As a Dungeon/Old Black Joe 他全22曲

　４月はじめに来日、各地でジャグバンドをベースにしたノスタルジックなアメリカン・メロ ディーで観客を癒してくれたジム・クエスキン、リチャード・グリーンとビル・キースを擁した1967 年の名作が、1971年作品との2on1で発売。とにかく、ビル・モンローを辞めたばかりのリチャードが 凄い67年作、選曲もすばらしい71年作とともに、ブルーグラスやカントリー／フォーク・ファンに、 そのルーツでもあるジャグバンドのすばらしさを是非味わっていただきたい、お勧めの２枚組!!

SH-4011 ALBERT LEE『Road Runner』CD\2,573-（本体\2,450-）

　エミルー・ハリスのホットバンドで頭角を現したギタリスト、アルバート・リーの最新ソロ。バディ・ エモンズのスティール・ギターを起用し、ジョン・ハイアットやレオ・コッケ、リチャード・トンプソ ン、ジミー・ウェッブ、キース・ソウェルらのカバーをスティーブ・フィッシェルとの共同プロデュース のもと、７分におよぶインスト"Payola Blues"を含み、ウェストコースト的そう快なカントリーロッ クで演じる。

UNI9877385 MARK KNOPFLER & EMMYLOU HARRIS『All the Roadrunning』CD\2,573-（本体\2,450-）

　イギリスを代表するロック・バンド、ダイアー・ストレイツ解散後、ソロ・アーティストとして多く の名作を送り出してきたマーク・ノップラーが、数年間の周到な準備期間をおいて制作したエミルー・ ハリスとのデュエット・アルバム。マーク自身とリチャード・ベネットの、ニュアンスを湛えたリー ド・ギターを軸に、グレン・ダンカンのマンドリンとフィドル、ジム・コックスのピアノ、キーボード、 そして曲によってダン・ダグモア、ポール・フランクリンのスティールやホーン・セクションなども加 えて、カントリーをベースにした絶妙のアコースティック・アンサンブルが「これぞおとなのヴォー カル」といったふたりそれぞれのソロ、優雅さに満ちたデュエットを彩っている。ダイアー・ストレイ ツやノッティング・ヒルビリーズ、そしてソロでも、並々ならぬカントリーへの傾倒ぶりをみせてい たマークが、憧れでもあったのだろう、エミルーと組んでその真骨頂をみせた意欲作。エミルーのオリ ジナルが２曲、他はすべてマーク作。（宇野誠之）

CURB-78869 HANK WILLIAMS III『Straight to Hell』CD２枚組\3,360-(本体\3,200-)

　ハンク�V、４年ぶりの新作は、ディスク２に大長編曲を収めた２枚組の大作。マール・ハガードや ウェイロン・ジェニングスにも連なる、「アウトロー・カントリー」のイメージを想起させる歌詞 を、躍動的なフィドルとシンプルなスティールを軸としたクラシック・テイスト横溢のサウンドに のせた、祖父ハンク・シニアそのままといってもいいような、あの独特のヴォーカルでじっくりと聴 かせる意欲作。過激な歌詞故に、カントリーでは初めて、ともいわれる"Parental Advisory"、子供に聴かせるのは要注意という制約を受け、そのパン キッシュな内容からラップスター、エミネムにも例えられたということだが、それはそれとして、正 統カントリー・スタイル、ファミリー・トラディションの担い手として、大きく成長した姿を示し ている。（宇野誠之）

LYR-165058 RASCAL FLATTS『Me and My Gang』CD\2,888-(本体\2,750-)

　ラスカル・フラッツ、４作目となるこのアルバムで遂に、カントリー・チャートはもちろん、トップ 200でも初登場１位を記録、リード・シングル"What Hurts the Most"もチャート１位となり、同じ週に３冠制覇という偉業を達成。カントリー・グルー プとしての出自をしっかりと保ちながら、ポップな感覚を十二分に生かしたコンテンポラリー・サ ウンドが万人に受け入れられた証し、ナッシュヴィルの「いま」を象徴する新勢力として確固たる 地位を築いたラスカル・フラッツの会心の作。（宇野誠之）

CURB-78891 TIM McGRAW『Greatest Hits Vol.2』CD\2,888-(本体\2,750-)

　いまやカントリーのみならず、ポップ・シーンでも押しも押されもせぬ存在となったティム・マグ ロウのグレイテスト・ヒッツ第２集。2001年から2004年までの３作に収められたナンバー・ワン・ ヒットなど12曲に、新曲３曲とボーナス・トラック１曲という構成。奥方フェイス・ヒルやポップ・ スター、ネリーとのデュエットを含め、コンテンポラリー・カントリーの最高峰としての人気、実力を 遺憾なく示した貫禄のヒット曲集。

JASMD-3537 SPEEDY WEST featuring JIMMY BRYANT『Travellin' from Geprgia to West Samoa』CD\2,079-(本体\1,980-)

　50年代に一世を風靡したスティール・ギターの達人、スピーディー・ウエストと、ハムと卵にも例 えられた名コンビ、早弾きエレキの神様ジミー・ブライアントとの共演で繰り広げられる音の饗宴。 かつて日本でもラジオのテーマに使われたりして記憶に残っている"Georgia Steel Guitar"や"Speedin' West"など見事に息の合った二人の絶妙のプレイ、ピート・ドレイク、バディ・エモンズ以 下のペダル・スティール全盛となる60年代以前の、シンプルかつスウィンギーなスティールの代名詞 的存在だったスピーディ・ウェストと、のちのバック・オウエンズあたりに絶大な影響を及ぼしたジ ミー・ブライアントの細かいパッセージをつないでいく華麗なギターは、見事のひとこと。50年代 をとおして、150人ものアーティストとのセッションで6000曲以上のレコーディングを残したという 伝説のスティールマンの全盛期、キャピトルに残した名演集。

JASMD-3570 FARON YOUNG『Young At Heart:The Hillbilly Heart-Throb』CD\2,079-(本体\1,980-)

　50年代から60年代、正統派シンガーとして人気を博したファロン・ヤングの初期傑作集。ルイジア ナ・ヘイライドのメンバーからキャピトルのレコーディング・アーティストとしてデビュー、53年 の"Goin' Steady"で一気にスターダムにのしあがり、ハンク・ウィリアムズの影響を強く受けたホン キー・トンク・スタイルにはじまって、のちにはバラード・シンギンからロカビリー色まで、幅広いス タイルで多くのヒット曲を出しているが、本領はやはりここで聴かれる正統スタイルにある。とり わけ彼のトレードマークともなったツイン・フィドル(トミー・ジャクソンなど)とシンプルなス ティーリン・サウンドが、カントリー黄金時代を映し出して懐かしい。

JASMD-3569 LEFTY FRIZZELL『Texas Tornado』CD\2,079-(本体\1,980-)

　1950年のデビュー・シングル"If You've Got the Money, I've Got the Time"c/w"I Love You a Thousand Ways"が両面共にナンバー・ワン・ヒットを記録するという、センセーショナルな話題を ふりまいたレフティ・フリゼル、同時代に人気を二分したハンク・ウィリアムズと共にカントリー・ ミュージックの歴史を書き換え、そのヴォーカル・スタイルは、ジミー・ロジャーズからハンクとレフ ティ、そしてマール・ハガードからキース・ウィットリーやランディ・トラヴィスをとおして現在に至 る正統カントリーの本流として、多くのフォロワーを生んでいる。コロムビアに残した多くの録音か ら、デビュー曲を初めとする多くのヒット曲と、彼が敬愛してやまなかったジミー・ロジャーズに捧げ た、名盤の誉れ高いトリビュート・アルバムからのロジャーズ・ソングを中心に編集されたナイス・コ ンピレーション。

JASMD-3565 ELTON BRITT『Country Music's Yodelling Cowboy Crooner Vol. 1』CD\2,079-(本体\1,980-)

　1930年代から40年代、スウィート＆マイルドなクルーナー・タイプのヴォーカルと、それとは対照 的な、張り詰めたハイ・ファルセットが印象的なヨーデルで人気を集めたエルトン・ブリットの代表 作を集めたコンピレーション。当初はウェスト・コースト、のちにニュー・ヨークを舞台に活躍した ということもあって、カントリー・シンガーというよりはポップ・スターとしての評価がなされていた 感が強いが、ジミー・ロジャーズのブルー・ヨーデルと並び称せられたヨーデラーとして、また、初期 ウェスタン・スタイルとカントリーとの橋渡し的役割を果たしたシンガーとして記憶されるべきシン ガーである。第２次大戦中の大ヒットで、カントリー史上最高のペイトリオット・ソング"There's a Star Spangled Banner Waving Somewhere"や、名コンビ、ロザリー・アレンとの"Quicksilver"、 ウェスタン・ヨーデルの定番"She Taught Me to Yodel""Chime Bells"など有名曲多数が収められている。

JASMD-3564 SLIM WHITMAN『The Man with the Singing Guitar Vol.2』CD\2,079-(本体\1,980-)

　1949年にチェット・アトキンズやジェスロ・バーンズなどカントリー・オール・スターズを従えてレ コーディングした"Casting My Lasso Toward the Sky"で、ウェスタン・ヨーデルの第一人者としての座を確立し、50年代前半にそのピークを極めたス リム・ホイットマンの初期傑作集第２集。得意のヨーデルはもちろんのこと、その金属的なまでに冴 え渡る高音を武器に、ポピュラー・シンガーとしても一時代を築いた彼の本領が発揮された作品集。 彼のテーマ・ソングとなった"Casting My Lasso Toward the Sky"(53年のリメイク・ヴァージョン)をはじめとして、ポップ・ヒットともなった"Rose Marie"や"Indian Love Call"など、40年代末から50年代前半、RCAヴィクターとインペリアル・レ コード時代の彼の代表作が網羅されている。

TFC-1461 V.A.『日本のカントリー＆ウエスターン：The History of Japanese Country & Western』CD６枚組\15,750-（本体\15,000-）

　ジミー時田とマウンテン・プレイボーイズの１枚目、小坂一也の２枚目のほか、寺本圭一、トミ藤 山から宮前ユキ、ウィリー沖山、黒田美冶、大野義夫から斉藤任弘、ウェスターン・ランブラーズか ら原田実とワゴンエース、堀威夫とスウィングウェストなど、各25曲６枚組全150曲、日本の初 期カントリー音楽の全容を聴くボックスセット。

BMG-81116D V.A.『Grand Ole Opry at Carnegie Hall』DVD\2,888-（本体\2,750-）（88分）

Songs About Me(Trace Adkins)/If You Ever Had Forever in Mind(Vince Gill)/May the Bird of Paradise Fly up Your Nose(Little Jimmy Dickens & Vince Gill)/She's in Love with the Boy(Trisha Yearwood)/Tryin' to Love You(Trisha Yearwood)/Kiss an Angel Good Morning(Charley Pride)/She's Got You(Alison Krauss & Union Station)/Walls of Time(Ricky Skaggs)/Black-Eyed Suzie(Ricky Skaggs)/Go Rest High on That Mountain(Vince Gill, Alison Krauss & Ricky Skaggs)/Alcohol(Brad Paisley)/Too Country(Bill Anderson & Brad Paisley)/Whiskey Lullaby(Brad Paisley & Alison Krauss)/Independence Day(Martina McBride)/'Til I Can Make It on My Own(Martina McBride)/Remember When(Alan Jackson)/Chattahoochee(Alan Jackson)/Medley:I'll Fly Away-I Saw the Light-Will the Circle Be Unbroken(entire cast) 全18曲

　昨年秋、80周年を迎えたグランド・オール・オープリ(GOO)、よくも悪しくもカントリー音楽を象徴 する音楽ショーとして現在まで放送されつづけている世界最長寿ライブ音楽番組である。そのGOOが ニューヨークのカーネギーホールで特別公演をした映像記録である。ビンス・ギルを司会に、上記出 演者と曲目で分かるように、現在と過去のカントリー最良の部分と、GOOの舞台で60年前に生まれた ブルーグラスからはリッキー・スキャッグスとアリソン・クラウス＆ユニオン・ステーションが代表 して聴かせてくれる。いずれも、トップ・アーティストの面子にかけて最高のライブを聴かせる。カ ントリー音楽の真骨頂である「歌」の力、そしてそれを唄うべき「人」の力が直截の感動を呼ぶ。そし てブルーグラスは、洗練されたバンド・アンサンブルでそのデリケートなエネルギーを発揮する（ア ンディ・スタットマンがクラリネットで登場するのには驚いた!!）。とにかく、現在ナッシュビル・ カントリーの粋を聴かせ魅せてくれるすばらしい映像作品だ。

MB-20383D MURIEL ANDERSON『All Star Night: 10th Anniversary Concert』DVD\4,095-（本体\3,900-）（70分+45分レッスン）

Mr. Bojangles/Sir Duke/Mister Sandman/Honeysucle Rose/Baby's Coming Home/Wazamataz 他全18曲

　女性ギタリスト、ミュリエル・アンダーソンが主宰するナッシュビル・オールスター・ギター・ナイ ト、2002年に開かれた第10回記念コンサート、「第１回チェット・アトキンス感謝」と銘打たれたライ ブからの映像。ミュリエルの"Mr. Bojangles" をオープニングに、全米から集まったさまざまなスタイルのギタリストたちがライマン公会堂で一堂 に会す。フィル・ケーギー、ベン・レーシー、リチャード・ギルウィッツにつづいてマール・トラビ スの息子トム・ブレッシュらのフィンガーピッキンのあと、リチャード・スミスを中心にしたナッ シュビルのギター・フリークらがスーザのマーチとジャンゴ・ラインハルト、そしてスージー・ボー ガスを中心に"Mister Sandman"で女性トリオコーラス（リチャード・スミスのチェット・ギターが美 しい!!）、アリソン・ブラウンがミュリエルと故バッサー・クレメンツをフラットピッキンで "Deep Gap"とフィンガーで"My Favorite Marsha"、ジョニー・ハイランドがテレキャスターでプレスリー "That's All Right Mama"、セイモア・ダンカン、ナッシュビルのスタジオエース、ブレント・メイソ ン、そしてあのノーキー・エドワーズ（ベンチャーズ）"Alabama Jubilee"、圧倒的なベースを聴かせるフレックトーンズのビクター・ウートン、そして 最後はチェットに認められニューヨークからナッシュビルに移ってきたパット・バージソン（元アリ ソン・クラウスの夫）の"Mountains of Illinois"を全員がジャムするなど、ナッシュビルという地 の利を活かしたギター・エンタテイメントとしてスーパーな演奏を楽しませてくれる。

　また、オマケとして各出演者の得意技のおいしい部分の紹介や解説が46分、ギター弾きにとって とっても興味深く示唆に満ちたワークショップが付いているのも嬉しい。別に26分のアーティスト・ インタビュー、そしてスージー・ボーガスの１曲。

NW-8018 MERLE HAGGARD『Live from Austin, Tx』DVD \3,308-（本体\3,150-）（46分、5.1 Surround）

Mama Tried/Silver Wings/Take Me Back to Tulsa/I Think I'll Just Stay Here and Drink 他全15曲

　バック・オウエンズが亡き今、カリフォルニアのベイカーズフィールド・サウンドを体現する唯一 無二の巨人であるマール・ハガード、今から20年前の『オースティン・シティ・リミッツ』でのライ ブだ。青少年期にサンクエンティン刑務所で受刑、23才で出所後、歌手を目指したというマール、そ の人生から真正面に語られるシンプルなメッセージがものすごい迫力だ。1985年10月の収録という から48才、人生最高のときに、ロイ・ニコルス(g)やノーマン・ハムレット(dobro,steel g)らベテランたちとのライブ、私淑していたボブ・ウィルスへ のトリビュートや、自身のヒット曲など、これぞマール・ハガード＆ストレンジャーズである。

MB-98307D STEVE KAUFMAN『In Concert』DVD \2,363-（本体\2,250-）（51分）

Flannery's Dream/Shi Beg Shi Mhor/Ragtime Annie/Under the double Eagle/Blackberry Blossom/Star of County Down/Home Sweet Home/Greensleeves 他全12曲

　ウィンフィールドのフラットピッキン・ギター・チャンプに３度選ばれたスティーブ・カウフマン のリビングルーム・コンサート。元カントリー・ガゼットのジョー・カーをリズムに、７弦ギターを駆 使してフィドル・チューンやアイリッシュをシュアーなフラットピッキンで見せてくれるアット ホーム・ギター・コンサート。

VES-13071D V.A.『Shady Grove; Old Time Music from North Carolina, Kentucky & Virginia』DVD\4,148-（本体\3,950-）（60分、白黒＆カラー）

　アパラチア山脈さまざまな地方に古くから受け継がれてきた、いわゆるオールドタイム音楽の歴 史的な４人の演奏が収められた貴重映像集。1966年に収録されたドック・ボッグス、1970年のキル ビー・スノウ、1972年のロスコウ・ホルコム、そして1976年のトミー・ジャレル、これがブルーグ ラス、そしてアメリカン・フォーク／カントリーのルーツだ。

FGM-1011D CODY KILBY, BRAD DAVIS & TIM MAY『Live in Kansas City』DVD\3,990-（本体\3,800-）（83分＋）

Angeline the Baker/Gold Rush Rock/Lonesome Fiddle Blues/Song for Sophie/Big Timber 他全18曲

　現在のフラットピッキン界のトップランナーたち、コディ・キルビー（リッキー・スキャッグスの ケンタッキー・サンダー）、ブラッド・デイビス（元サム・ブッシュ・バンド）、ティム・メイ（ムー ディー・ブルーグラスで知られる）の2004年12月18日のライブ。３人のジャムの後、それぞれのオ リジナルをソロを含めたさまざまな組み合わせで見せる。ブルーグラス・ギターの魅力であるインプ ロバイズを堪能しつつ、ドレッドノウトが目一杯に響く。ただただ、呆れながら、彼ら３人の超絶テ クを見つめて欲しい。時代はどんどんと進んでいく…。

MH-1063D DOYLE LAWSON『Through the Years』DVD\3,990-（本体\3,800-）

　2004年春、ドイル・ローソン＆クイックシルバーが結成25周年を祝った（ムーンシャイナー誌2004 年９月号に詳細）。「School of Bluegrass」と呼ばれるクイックシルバー、本作は歴代のメンバーが 一堂に会した豪華な記念コンサートから、全32曲２時間に及ぶ素晴らしいライブ映像。1980年代以 降をリードしたスマートなソリッドグラスが、つぎつぎと迎えるゲストとともに堪能できる。恐る べしドイル!!

MF-6893D V.A.『Merlefest Live! The 15th Anniversary Jam』DVD\4,148-（本体\3,950-）

2002年春の第15回マールフェスの記念フェスの様子を収めた２時間の映像集。ホストのドック・ワ トソンを中心に、アール・スクラッグスからサム・ブッシュ、アリソン・クラウスからクリス・シーリ、 トニー・ライスからアリソン・ブラウン、ピーター・ローワンやティム・オブライエン、パティ・ラブレ スからアルバート・リー…、ジェリー・ダグラス監督の下、次から次へとあの人、この人によるジャム を中心に全28曲、ブルーリッジ山中のアコースティック天国にいる２時間を保障いたします…。

SHA-605D PETE SEEGER with Stanley Bros./Doc Watson『Rainbow Quest』DVD\3,308-（本体\3,150-）（白黒120分）

　この後、１年以内に他界してしまうカーター・スタンレーを擁した貴重なスタンレー・ブラザーズ の映像です。1960年代中頃、ピート・シーガーがホストとなって収録されたTVシリーズ『レインボ ウ・クエスト』から２本分、スタンレーズとドック・ワトソンがゲスト。ジョージ・シャフラーのリー ド・ギターを伴ったスタンレーの"Worried Man Blues"、 "Clinch Mountain Backstep"、"I'm Thinking Tonight Of My True Love"ほか、「カーターが動いてる!!」だけでも超値打ちものだ。そして、 ドック・ワトソンはオールドタイマー、クリント・ハワードのギターとフレッド・プライスのフィド ルを伴って、"Lee Highway Blues"、"Daniel Prayed"、"Rude and Ramblin' Man"ほか。ともに、現在では望むべくもない雰囲気が漂った、とても 貴重なアパラチア音楽のお宝映像である。

FGM-1010D BRYAN SUTTON, JIM HURST and TIM STAFFORD『Live in Nashville』DVD\4,725-（本体\4,500-）

　IBMA最優秀ギタリストでトップ・セッションマン、ブライアン・サットン、同じく２年連続受賞の ジム・ハーストはフラットピッキンとフィンガーピッキンの奏法の達人、そして無冠ながら、抜群の アレンジ能力でAKUSサウンドを確立したといわれ、現在はブルー・ハイウェイで活躍するティム・ス タッフォード。ブルーグラス・ギターの現在を代表するトップ・ギタリスト３人のギター・ライブ共 演。Temperance Reel/Deep River Blues/Forked Deer/Texas Gales/St.Anne's Reelなどの他、全18曲。

B000331909 SHANIA TWAIN & ALISON KRAUSS + UNION STATION『Up Close and Personal』DVD\3,098-（本体\2,950-）

　女性ポップ／カントリーのスーパースター、シャナイア・トゥエインの全米テレビ特番はアリ ソン・クラウス＆ユニオン・ステーションをバックにしたアコースティック・ライブ。驚くべしAKUS、 ラリー・アタマヌィックのドラムがあるとはいえ、アリソン(f)、ジェリー・ダグラス(d)、そしてダ ン・ティミンスキをマンドリンに、ロン・ブロックをギターに配したバンジョーレスのブルーグラス 編成でこんな音を創り、アルバム『Come on Over』が２年間で3600万枚という驚異的な世界セールスを記録したスーパースターのバックを全米３大 ネットのテレビ特番でこなしてしまうのだから。もちろん、アコースティックをバックにしての歌 唱力と、美人にもかかわらず…!?デビュー10年目にしてこんな冒険をしてみようとするシャナイア もたいしたものだ。いずれにせよ、ブルーグラスがフツーのメジャー音楽として機能する様子を見る だけでも心地よい、見事なアコースティック・ポップ・ミュージックだ。 　ブルーグラス・ライブDVD『Live』(ROU-0515D DVD２枚組\3,675-）も凄いです!!

FGM-1004D BRAD DAVIS『Flat Pick Jam, Vo.1』DVD\3,308-(本体\3,150-)

Forked Deer/Temperance Reel/Sally Goodin'/Soldier's Joy/Blackberry Blossom/Salt Creek/Wildwood Flower/Billy in the Laoground/St.Ann's Reel/John Hardy/Paddy on the Turnpike.

　アール・スクラッグス＆フレンズやサム・ブッシュ・バンドなどで知られるスーパーピッカー、ブ ラッド・デイビスとのジャム・シリーズ映像第１弾。スロー／ミディアム／ファーストと３段階の スピードで超有名スタンダード・チューンでジャムの相手をしてくれます。ブラッドがそれぞれの スピードでリードとリズムにまわり、ベースとマンドリン・チョップが正確なリズムを刻みます（ス ローでは画面にコードが出ます）。初心者から上級者まで、リズムとリードの双方が訓練でき、充分楽 しめます。以下、Vol.2とVol.3がある。

FGM-1005D BRAD DAVIS『Flat Pick Jam, Vo.2』DVD \3,308-(本体 \3,150-)

Turkey in the Straw/Sailor's Hornpipe?Whiskey Before Breakfast/Black Mountain Rag/Red Haired Boy/Arkansas Traveler/Old Joe Clark/Nine Pound Hammer/Bill Cheathum/Angeline the Baker/Rueben.

FGM-1009D BRAD DAVIS『Flat Pick Jam, Vo.3』DVD \3,308-(本体 \3,150-)

Ragtime Annie/Redwing/Lonesome Road Blues/Liberty/Katy Hill/Over the Waterfall/Coo Coo's Nest/Cherokee Shuffle/Cattle in the Cane/Fisher's Hornpipe.

ACU-JMD JIM MILLS『A Winning Banjo Style』DVD\6,615-（本体\6,300-）（110分、タブ譜付）

Ground Hog/Pig in a Pen/Black Eyed Susie/Shady Grove/Rebecca/John Henry Blues/How Great Thou Art/Cotton Eyed Joe/Sledd Ridin'/Reuben/Take the D Train/Bear Tracks. 全12曲

　ジム・ミルズのバンジョー・スタイルをつぎつぎと曲をこなしていくことで実践していく、という 教則DVDビデオ。あの力強いソリッド・ピッキンやスピードの秘密を垣間見る中級者向き作品。決し て論理的（スクラッグス的）ではない奏法も多用するが、それも含めて、IBMA最優秀バンジョー奏者 を４回受賞したジム・ミルズの面目躍如である。教則モノの真髄は、ミュージシャンの呼吸や鼓動を 感じること、そうすればテクニック以上のものを得られる…。

I-V048『OLD VIOLIN HOMMA HVR-5 #6546』\262,500(本体\250,000)

　ブルーグラス・フィドル用として最も人気が高く使い勝手の良いジャーマン・ストラド・コピーの 19世紀末期の作品。ボディが幾分、フラットな分、音量も豊かです。ノー・ラベル。

I-V049『OLD VIOLIN OGSV/V-1#1447 NO LABEL』\299,250(本体\285,000) SOLD

　一部で根強いファンのいる、ヘッドに魔除獅子の装飾の付いたバイオリン。

ルックス同様、個性的な音色です。作りもしっかりしてます。この価格帯ではあまり出ませんので、こ の機会をお見逃し無きよう。ノ−・ラベル。

I-V050『OLD VIOLIN OATT/RV-2 NEUNE 1810』\399,000(本体\380,000) SOLD

　ドイツ、ミッテンバルトの19世紀初頭の作品。久々の掘り出し物。ネックのヒールの部分の修復 跡等、上手な仕事ぶりです。派手さは無いですが豊かな低音から甘い音色のハイポジションまで、 ダークでスゥイートというブルーグラス・フイドルの必須条件を満たしています。

PICKY MANDOLIN F-STYLE BY HOT LICKS \262,500 (本体\250,000)ライトケース付

　神戸の楽器工房ホットリックスのFスタイル・マンド リンのハイ・コスト・パフォーマンス・モデル、ピッキー・ マンドリン入荷。DAN SIBSAN氏によるデザインなシンプルでコスト削減に成功。上 級モデルと同様に ハンドメイドによる単板削出し、クラフトマンシップに則った 丁寧な仕事は変わりません。アディロンダッ ク・メイプルとタイムレス・テインバーのハード・メイプルとい う理想的な組合せ。ラッカー・フィニッシュ。 じっくりと弾き込むほどに鳴りが良くなると期待できます。 今回 のみ本来オプションのピックガード、アー ム・レスト、ライトケース込みでこの価格。

STELLING/STAGHORN BANJO FOR SALE　

1980年初めのものです。詳細、写真、価格等は電話、メールなどでお問い合わせください。

■バンジョー・ニューズレター誌 各\525-

　世界唯一のバンジョー専門月刊誌。毎号タブ譜満載（ウェブサイトから『MP3』で音の入手可!!）、 バックナンバー（探しておられるタブ譜の曲名や演奏スタイル、またお気に入り奏者の特集も探し ます）もお問い合せ下さい。

BNL-06/02 最新２月号 \525-

　1964年、ビル・モンローのブルー・グラス・ボーイズに参加、現在はトラブルサム・クリーク・スト リング・バンド（CO-2738 CD\2,573-、在庫あり）でクロウハンマーを弾くスティーブ・アーキンの カバーストーリーとタブのほか、アール・スクラッグスの1950年代ラジオ・ライブより"Pretty Polly"、トム・アダムスの「ピンク・パンサー」、今年のクリスマスのために「Joy to the World」、アラン・マンデとデニス・キャプリンガーの"Eighth of February"の違い比べ!?、メロディック・クロウハンマーでの"Home Sweet Home"などのタブ譜ほか、バンジョーに関する情報満載の52頁。

■ブルーグラス・アンリミテッド誌 各\525-

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OTH-1003 06年２／３月号 \945-

　隔月刊になった最新第10巻第３号はラン・オブ・ザ・ミル・ストリング・バンドをカバーストーリー に、2006年フェス・ガイド、ウィット・サイズモア＆シェイディ・マウンテン・ランブラーズほか、 超充実のレコード・レビューやニュースなど、アメリカ白人系ルーツ音楽研究に欠かせない58頁。

　1983年11月の創刊以来、毎月発行を続ける日本唯一のブルーグラス月刊専門誌、23年目です。

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ムーンシャイナーの一年分12冊を傷をつけずにファイルできるロゴ入り特製フォルダー。

■バックナンバー：各￥525-。

　下記以外にも、アーティストや知りたい事をお知らせ下さい。掲載号を探してお送りします。

MS-2307 最新５月号（通巻271号）\525-

　デビッド・グリスマン・クインテット来日から30年をカバーストーリーに、レイモンド・マクレイン ＆マイク・スティーヴンス来日、一周忌ボビー・トンプソン追悼前編、ヒアーズ・フォア・ゼアーズ20 周年、若者列伝「きなこもち」、エイプリル・ヴァーチ・インタビュー後編（アメリカン・フィドル番外 編）、高石ともやコンサート・リポート他、日米ブルーグラス情報満載の44頁。

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