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NEW ARRIVALS 0309   2003/09/27
BOMの遅い夏休み
9月29日から10月7日までルイビルのIBMA World Of Bluegrass参加のため休みます。より新しい情報などを集めてきます。ご期待ください。
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INDEX

[BLUEGRASS DVD/VHS NEW RELEASE]
BLUEGRASS NEW RECORDINGS]
{BLUEGRASS REISSUES & DISCOVERY}
[FOLK & OLDTIME NEW RECORDINGS]
[COUNTRY NEW RECORDINGS]
[COUNTRY REISSUES AND DISCOVERIES]


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[BLUEGRASS DVD/VHS NEW RELEASE]
●V.A.『The Legend Lives On:A Tribute To Bill Monroe』KOCH-6156D 2DVD158分 \3,950/KOCH-6156V 2VHS \3,950
Introduction/Uncle Pen(Ricky Skaggs & Kentucky Thunder)/Little Cabin On The Hill(John Hartford)/John Henry(The Del McCoury Band)/Walkin' In Jerusalem(Connie Smith & The Whites)/Rawhide(Marty Stuart with The Del McCoury Band)/Can't You Hear Me Callin'(Ralph Stanley & The Clinch Mountain Boys)/Rose Of Old Kentucky(Larry Sparks with The BGB)/Highway Of Sorrow(Tim O'Brien)/Wicked Path Of Sin(Jerry & Tammy Sullivan)/Orange Blossom Special(Charlie Daniels)/Rocky Road Blues(Jim & Jesse & The Virginia Boys)/Blue Eyed Darlin'(The Blue Grass Boys)/Blue Moon Kentucky(James Monroe)/Will The Circle Be Unbroken-Watermelon Hangin' on the Vine(All Artists)/Rabbit In The Log(Marty Stuart)/True Life Blues(The Del McCoury Band)/What Would You Give In Exchange(Larry Sparks with The BGB)/Get Up John(Ricky Skaggs & Kentucky Thunder)/Used To Be(The Whites)/Swing Low Sweet Chariot(Bill Carlisle)/Rollin' In My Sweet Baby's Arms(Charlie Daniels)/I Got A Letter(Ralph Stanley & The Clinch Mountain Boys)/In The Pines(The Blue Grass Boys)/Workin' On A Building(Tim O'Brien)/I'll Meet You In Church(Jerry & Tammy Sullivan)/Cross Eyed Child(John Hartford)/Bean Blossom Memories(James Monroe)/I'll Fly Away-I Saw The Light(All Artists) 全28曲
ビル・モンローが亡くなった翌年、1997年4月17日にライマン公会堂で開催されたトリビュート・コンサートのライヴ、さきに2枚組CDで発売されていたものの映像版で、PBSで放送されたもののDVD、VHSでのりリース。主を失ったブルー・グラス・ボーイズ、モンローゆかりのブルーグラッサーはもちろんのこと、オープリの僚友だったカントリー・スターやカントリー・ロック界からの参加もまじえたオール・スター・キャストが、モンローの思い出がいっぱいつまった曲、モンローに捧げた曲を、それぞれのモンローへの想いを込めて次々と唄い、演奏していく。同内容のCDでは詳細なクレジットがなかったため確認できなかった、各曲ごとの顔ぶれもきちんとみてとれるという、映像ならではの利点が楽しめる。ロリー・モーガンの司会進行、そして出演者へのインタヴューもまじえての熱気溢れる2時間半。
[BLUEGRASS NEW RECORDINGS]
●SAM BUSH & DAVID GRISMAN『Hold on, We're Strummin'』ACD-54 CD \2,750
Hartford's Real/Swamp Thing/Intimo/Jamgrass 741/Sea Breeze/Old Time Medley/Weeping Mandolin Waltz/Arachnid Stomp/Crusher And Hoss/The Old South/Mando Space/Ralph's Banjo Special/'Cept Old Bill/Rhythm Twins/Dan'l Boone/Hold On, I'm Comin' 全16曲
 70年代から今日まで、ブルーグラス・マンドリンの世界に革新の嵐を呼び起こしつづけてきたカリスマふたり、サム・ブッシュとデヴィッド・グリスマンがはじめて真っ向から四つに組んだ究極のマンドリン・アルバム。なかほどに挿入された、サムのフィドルとデヴィッドのクロウハンマー・バンジョーでの"Old Time Medley"をはさんで、ブルーグラスは云うに及ばず、ラテン、ファンク、カリプソなどなど、オール・ジャンルの音楽をふたりのマンドリンで聴かせる。ふたりそれぞれのトーン、タッチ、タイミング、フレージング、お互いを十二分に理解した上に組みたてられたふたりの入魂の演奏に、ただただ呆れながらも圧倒されるしかない70分。
●FRANK WAKEFIELD『Don't Lie to Me』PATUX-075 CD \2,750
El Nino/Don't Lie to Me/Early Morning Train/I Thought I Heard You Calling My Name/Miss Marsha/My Aching Heart/Banks of the Ohio/Two Lonely Hearts/Bluegrass Mandolin/White Silver Sands/Daughter of Midnight/Danny Boy 全12曲
 ブルーグラス・マンドリンの鬼才フランク・ウェイクフィールドの2003年最新作。ウェイクフィールドといえば、なんといってもその余人には真似のできない発想から生まれるエキセントリックなフレーズがまず思い浮かぶが、ここでもオリジナル・インストにその異彩を放つ演奏をたっぷりと楽しませてくれる。ビル・キース(bj)、ジョン・グリック(f)、ジャック・リーダーマン(g)という気心の知れたメンバーに、マイク・オールドリッジ(d)などをゲストに迎え、実に伸び伸びとしたパフォーマンス、若干リズムの怪しいあたりはご愛嬌ということで、久しぶりのウェイクフィールド節を堪能できる。ヴォーカルも自身のちょっと頼りなげな唄が懐かしい"White Silver Sands"や、ディディ・ワイランド、トム・ミンテなどのクラシックな雰囲気いっぱいのトラッド・スタイルなど、実にいい味を出している。ラストの"Danny Boy"、ウェイクフィールドならではのソロ・マスターピースに仕上げているあたり、まさに面目躍如といったところ。
●DOYLE LAWSON & QUICKSILVER『Thank God』SSK-003 CD \2,750
Calling from Heaven/That's All He's All Asking of Me/Wait a Little Longer please Jesus/In God's Eyes/Savior's Love/I Drink from the Fountain/The Lord's Last Supper/Thank God/Will the Angels Play Their Harps for Me/I'll Be Going to Heaven Sometime/God Moved in/Some Beautiful Day 全12曲
 コンスタントにアルバムを発表しつづけているドイル・ローソン&クイックシルヴァーの2003年最新作は、シュガー・ヒルを離れて(?)、かつてクリスマス・アルバムなどを発表していた自身のレーベルからのリリース。前作『Hard Game of Love』(SH-3949\2,750)では久々のセキュラー・アルバムということで、全力投球のソリッド・ブルーグラスが快感だったが、今回は再び得意のゴスペルに戻って、いつもながらの完璧のコーラスでしっかりと聴かせてくれる。メンバー・チェンジを繰り返しながらも常にハイ・クオリティをキープしつづけるクイックシルヴァー、ここでもデイル・ペリー(bj)とドイルの安定したプレイに加え、今作ではツイン・フィドル(J.W.ストックマンとジェス・バリーという若手ふたり)という、これまでのクイックシルヴァーにはなかったサウンドをとりいれて、フラット&スクラッグス、スタンレーズ、レノ&スマイリーなどのクラシックを軸に、ヴァリエーション豊かなコーラス・パターンを駆使して、さらなる進化を遂げたブルーグラス・ゴスペルの最高峰を堪能させてくれる。
●DON RIGSBY『The Midnight Call』SH-3958 CD \2,750
Those Gambler's Blues/The Midnight Call/Carved Our Names In Stone/Blood On My Hands/Dying To Hold Her Again/Muddy Water/What Lays Down The Road/Green Briar River/Green Ivy Vine/Look Out Below/Come In Out Of The Rain/Little White Cross Out On The Highway/I've Already Turned That Page 全13曲
当代最高のシンガーのひとりとして定評あるドン・リグスビー、レギュラー・バンド、ロック・カウンティの新作『Rock Solid』(REB-1796\2,750)がリリースされたばかりだが、今度は3年ぶりのソロ第3作。ダン・ティミンスキと並び称されるその類稀なるヴォーカルを、前作『Empty Old Mail Box』(SH-3915\2,750)の路線を踏襲したさまざまなスタイルに見事に生かした、現在のブルーグラス・シーンを端的に表わした作品。スチュアート・ダンカンのツイン・フィドル、ヴァッサー・クレメンツの凄まじいパフォーマンスが印象的なクラシック・テイストから、カントリー・ソングのブルーグラス・アレンジという色を打ち出した曲、そして彼独特のニュアンスを込めたコンテンポラリー・ソングまで、ブルーグラスの「いま」を演じきっている。サポート陣には、ジェフ・ホワイトとジム・ハースト(g)、ロブ・マカーリーとカール・ジャクソン(bj)、ランディ・コーアズ(d)など、脂の乗り切った連中が参加、ロニー・ボウマンが完璧なハーモニーをつけている。
●CHRIS BRASHEAR & PETER McLAUGHLIN『Canyoneers』CCCD-0222 CD \2,750
Sad Parting, Sad Goodbye/The Canyoneers/Lost Canyons/Little Gibson March/Open Pit Mine/These Old Prison Bars/McMichen's Reel/Remember, I Feel Lonesome, Too/Sad Woman From The Country/Brittlebush/Someday You'll Pay/Round Up Time In Heaven 全12曲
さきごろリリースされたパーフェクト・ストレンジャーズのアルバム『Perfect Strangers』(REB-1793\2,750)で、トラディショナル・ブルーグラスに立脚し、モンロー・ブルーグラスのソウルをしっかりと継承しながらも、ひとひねりした独特のサウンドを創り出す核となったマルチ・プレイヤーのクリス・ブラッシャーとギタリスト、ピーター・マクラフリンがふたりだけで創り出した、やはりこれもトラッドに根ざした趣味のよさが偲ばれる作品。ふたりのギター(クリスのフィドルも)によるシンプルなバックにのせて、デルモア・ブラザーズやジミー・デイヴィスなどのクラシックと、ふたりのオリジナルをしっとりと聴かせる現代版ブラザー・デュオ。
[BLUEGRASS REISSUES & DISCOVERY]
●THE STANLEY BROYHERS『The Complete Mercury Recordings』B000053402 2CD \3,500
(Say)Won't You Be Mine/(Wake Up, Sweetheart)This Weary Heart You Stole Away/I'm Lonesome Without You/Our Last Goodbye/Poison Lies/Dickson County Breakdown/I Long To See The Old Folks/A Voice From On High/Memories Of Mother/Could You Love Me(One More Time)/Nobody's Love Is Like Mine/I Just Got Wise/Harbor Of Love/Blue Moon Of Kentucky/Calling From Heaven/Close By/Hard Times/Baby Girl/Say You'll Take Me Back/I Worship You/You're Still On My Mind/I Hear My Savior Calling/Just A Little Talk With Jesus/So Blue/You'd Better Get Right/Tragic Love/Lonesome And Blue/Orange Blossom Special/Clinch Mountain Blues/Will He Wait A Little Longer/Big Tilda/Angel Band/Who Will Call You Sweetheart/The Cry From The Cross/I'm Lost, I'll Never Find The Way/Let Me Walk, Lord, By Your Side/A Lonesome Night/Fling Ding/I'll Never Grow Tired Of You/Loving You Too Well/Daybreak In Dixie/If That's The Way You Feel/A Life Of Sorrow/I'd Rather Be Forgotten/The Flood/No School Bus In Heaven/Maple On The Hill/Little Maggie 全48曲
 スタンレー・ブラザーズが50年代、マーキュリーに残した全曲集。ロックンロールの波に呑み込まれ、遠くフロリダをホームに苦しいときを過ごした時期、しかし、音楽的にはもっとも充実していたと目されるマーキュリーでの全48曲。モンローのコピーの域を脱しきれなかったコロムビア時代とはあきらかな一線を画した、スタンレー・トラディションの出発点となったオリジナリティ溢れるブルーグラスがぎっしりつまっている。ベア・ファミリーからもリリースされていたが、今回は本家からのリマスター・ヴァージョン。あの映画『オー・ブラザー!』のエンド・ロールに使われた"Angel Band"に感動した人も多かっただろう。
●LESTER FLATT & EARL SCRUGGS『Foggy Mountain Special』CCRS-7006 CD \1,980
Randy Lynn Rag/Shuckin' the Corn/Fireball/Earl's Breakdown/Ground Speed/Foggy Mountain Chimes/Georgia/Buck/Flint Hill Special/Dear Old Dixie/Foggy Mountain Special/Shuckin' the Corn/Foggy Mountain Rock 全12曲
 何をいまさら、の感もあるとはいえ、やっぱりこうしてまとまったかたちになると気にかかるもの。フラット&スクラッグスが残したインストは、聖典『Foggy Mountain Banjo』(CCS-100\2,750)をはじめとして、すべてが「マスト・アイテム」となっているが、あちこちのアルバムに散りばめられたインストがこうしてまとまるのは意外となかったということで、貴重なコレクションとなった。ドブロの導入によるサウンドの変化など、ビル・エヴァンスの簡にして要を得た解説がついている。
[FOLK & OLDTIME NEW RECORDINGS]
●EMMYLOU HARRIS『Stumble Into Grace』WB-79805 CD \2,650
Here I Am/I Will Dream/Little Bird/Time In Babylon/Can You Hear Me Now/Strong Hand(Just One Miracle)/Jupiter Rising/O Evangeline/Plaisir D'Amour/Lost Unto This World/Cup Of Kindness 全11曲
『Red Dirt Girl』(WB-79616\2,650)以来3年ぶりとなるエミルー・ハリスの最新作。前作に続いて、マルコム・バーンのプロデュース、フランス語で唄う名曲"愛の喜び"のほかはすべて、共演者達との合作を含むエミルーの新作オリジナル、そして名作『Wrecking Ball』のダニエル・ラノワとのリユニオン、『Spyboy』以降のパートナー、バディ・ミラーとのコラボレーションと、さまざまな話題性を盛り込みながら、『Red Dirt Girl』の路線をさらに強調した、伝承と現代感覚の見事な融合を聴かせてくれる。エミルーが根っこに持ち続け、より深く追い求めようとしている南部伝承音楽の様式美と、バディ・ミラーに代表されるコンテンポラリー感覚との均衡のうえに立った新たな方向性が示されている。リンダ・ロンシュタット、ケイト&アンナ・マギャリグル、ジュリー・ミラー、ジェーン・シベリーなどのハーモニーを伴って、エミルーの優しく、どこか懐かしさを感じさせるトラッド系のメロディと、控えめではあるが先端を感じさせるバックの演奏が調和した、落ち着き、安らぎが耳に馴染んでくる。
●THE CHIEFTAINS『Further Down The Old Plank Road』BVCF-31119 CD \2,427
Raggle Taggle Gypsy(featuring Nickel Creek)/Jordan Is Hard Road To Travel(featuring John Hiatt)/Hick's Farewell(featuring Allison Moorer)/Shady Grove(featurng Tim O'Brien)/The Girl I Left Behind(featuring John Prine)/Rosc Catha Na Mumhan-Arkansas Traveler-The Wild Irishman(featuring Jerry Douglas)/Lambs In The Greenfield(featuring Emmylou Harris)/Moonshiner-I'm A Rambler(featuring Joe Ely)/Wild Mountain Thyme(featuring Don Williams)/Chief O'Neill's Hornpipe(featuring Chet Atkins)/Bandit Of Love-The Cheating Waltz(featuring Carlene Carter)/Squid Jiggin' Ground-Larry O'Gaff(featuring Nitty Gritt Dirt Band)/Three Little Babes(featuring Patty Loveless)/The Fisherman's Hornpipe-The Devil's Dream(featuring Doc Watson)/Talk About Suffering-Man Of The House(featuring Ricky Skaggs)/The Lily Of The West(featuring Rosanne Cash) 全16曲
 昨年発表されたチーフタンズのナッシュヴィル・セッション『Down The Old Plank Road』(BVCF-31119\2,427)と、そのメンバーによるライマン公会堂でのコンサートのDVD(RCA-64022D\3,950)が、ジェフ・ホワイトを核とするハウスバンドをフィーチュアしたブルーグラス・セッションということで大きな話題となったが、その続編が発売された。ライマンのライヴでもフィーチュアされたエミルー・ハリスやティム・オブライエンなど、前編では未収録だった曲も含め、今作ではジョン・ハイアット、ジョン・プライン、ローザンヌ・キャッシュなどシンガー/ソングライター系の人たちを集めて、バラッドに力点を置いた、よりアイリッシュ・ルーツにシフトしたアルバムに仕立てている。アイリッシュ・オリジンのトラディショナル・バラッドはもちろん、アパラチアン・トラッドを先祖返りさせた絶妙のアレンジや、ストリング・バンドとアイリッシュ・ダンス・チューンの融合など、チーフタンズならではの見事な作品に仕上げている。なお、ドン・ウィリアムズの"Wild Mountain Thyme"からNGDBのメドレーまでの4曲は、92年の『Another Country』セッションでの録音、ドク・ワトソンのメドレーは80年頃の録音となっている。
●CAROL ELIZABETH JONES & LAUREL BLISS『Girl From Jericho』CCCD-0213 CD \2,750
Trying To Get To You/Bring Back My Blue-Eyed Boy/Why You/Dance Of Love/Meet Me By The Moonlight/If You Go Away/You Don't Tell Me That You Love Me Anymore/Father Adieu/Rose Of My Heart/Girl From Jericho/Halfway To Nowhere/One Morning In May 全12曲
 ジェイムズ・リーヴァとのコンビやヘイゼル・ディッケンズとのコラボレーションで知られるキャロル・エリザベス・ジョーンズと、西海岸で活動しているドブロ・プレイヤーでもあるローレル・ブリスのふたりに、ジョン・ライシュマンなどが加わり、ジョン・ミラーがプロデュースするという、ウェストコースト人脈を主役につくられたオールドタイムの逸品。西海岸に息づくトラッドの流れを見事に映し出した、女性版ブラザー・デュオ(?)。カーター・ファミリーからエルヴィス・プレスリーまで、さまざまなソースからのマテリアルに、キャロルのオリジナルを加えて、ドブロとマンドリンが織り成す優しいトーンをバックに、なんとも美しいハーモニーを聴かせてくれる。
●GEORGE SHUFFLER & LAURA BOOSINGER『Mountain Treasures』CCCD-0217 CD \2,750
Lonesome Road Blues/Little Annie/Cluck Old Hen/Will The Circle Be Unbroken/Grave In The Pines/Down In The Valley/Rabbit In The Log/Little Georgia Rose/Sail Away Ladies/Down On The Willow Garden/Pass Me Not/Red Rocking Chair/Hop High Ladies 全13曲
 クロス・ピッキング・ギターのオリジネイターとして名を残す大ヴェテラン、ジョージ・シャフラーと、クロウハンマー・バンジョーを弾きながらトラッド・ソングに新しい生命を吹き込みつづけるローラ・ブージンガーという、なんとも珍しいコンビによるアルバム。ローラのスムーズなヴォーカルと、ジョージの年輪を感じさせる渋い声そしていつもながらのギター。さすがに年齢からくる衰えのようなものは隠せはしないが、積み重ねた年輪が風格となって伝わってくる。
[COUNTRY NEW RECORDINGS]
●PATTY LOVELESS『On Your Way Home』COL-86620 CD \2,650
Draggin' My Heart Around/Nothin' Like The Lonely/I Wanna Believe/On Your Way Home/I Don't Wanna Be That Strong/Born-Again Fool/Looking For A Heartache Like You/Higher Than The Wall/Lovin' All Night/Last In A Long Lonesome Line/The Grandpa That I Know 全11曲
 自らのケンタッキー・ルーツへの回帰を音楽に表現した2枚、『Mountain Soul』(COL-85651\2,750)そして『Bluegrass and White Snow』(COL-85967\2,450)で、見事なブルーグラス/アコースティック・アルバムを送り出したパティ・ラヴレスが、久々に本来のメインストリーム・カントリー・スタイルに立ちかえっての新作。得意とするエモーショナルなバラードからスウィンギーなナンバー、ビートの効いたコンテンポラリー・サウンドなど、随所にバンジョー、マンドリンなどアコースティック楽器を巧みに配しながら、スティールとフィドルが主役のオーソドックスなスタイルに、正統派カントリー・シンガーとしての自信と貫禄充分に鮮やかにうたいあげている。ファースト・シングル"Lovin' All Night"がトップ20にランクされる久しぶりのチャート・ヒットを記録中。
●V.A.『Remembering Patsy Cline』UNI-170297 CD \2,650
I Fall To Pieces(Natalie Cole)/Why Can't He Be You(Norah Jones)/Back In Baby's Arms(Amy Grant)/Crazy(Diana Krall)/Strange(Michelle Branch)/She's Got You(Lee Ann Womack)/Leavin' On Your Mind(K.D. Lang)/Walkin' After Midnight(Terri Clark)/You're Stronger Than Me(Rebecca Lynn Howard)/Faded Love(Patty Griffin)/So Wrong(Jessi Alexander)/Sweet Dreams(Of You)(Martina McBride/Take 6) 全12曲
 1963年3月5日、飛行機事故のため30歳という若さで世を去ったパッツイ・クライン、54年の4スター・セッションからたった8年余りの短い時間に遺した名唱のかずかずで、カントリーはもちろん、ポップスやジャズ、あらゆるジャンルのアメリカン・ミュージックの女性シンガーに今なお絶大な影響を及ぼしつづけている彼女の、没後40年を期してのトリビュート・アルバム。女性ヴォーカルの新たな規範を作った"I Fall To Pieces"や"Crazy"など、900万枚のセールスを記録したパッツイのアルバム『12 Greatest Hits』に収められた名曲12曲を、ノーラ・ジョーンズやダイアナ・クラールなど今をときめくジャズ・シンガーやパッツイの再来と謳われたk.d.ラング、若手ロック・シンガー、ミッシェル・ブランチなど旬のヴォーカリストが切々と唄いあげる。カントリー畑からはリー・アン・ウォーマック、レベッカ・リン・ハワード、マルティナ・マクブライドが参加、それぞれがパッツイから受けた影響の大きさを語るコメントと共に、パッツイの偉大さをかみしめながら各人の個性を発揮したヴォーカル・スタイルで、真摯なトリビュートを捧げている。
●DIERKS BENTLEY『Dierks Bentley』CAP-39814 CD \2,750
What Was I Thinkin'/Wish It Would Break/Forget About You/I Can Only Think Of One/My Last Name/Bartenders, Etc.../Is Anybody Loving You These Days/My Love Will Follow You/How Am I Doin'/Distant Shore/I Bought The Shoes/Whiskey Tears/Train Travelin'(with The Del McCoury Band) 全13曲
アリゾナ出身、ジョージ・ジョーンズとルーヴィン・ブラザーズをアイドルとして育ったという新人、ダークス・ベントリーのデビュー作。自主制作アルバムでシンガー/ソングライターとして認められてのメジャー・デビュー。キース・ウィットリー/ランディ・トラヴィスの流れを汲むバラード・シンギンが印象的な正統派ホンキー・トンク・シンガーとして、まだまだその域には達してはいないとはいえ、大いに期待を集めている。ビートの効いたコンテンポラリー・サウンドにドブロ、バンジョーを上手く活かした"What Was I Thinkin'"がシングル・チャートのトップを記録。ナッシュヴィルにきた当初、ステーション・インのジャムにはまっていたという彼、その頃のヒーローだったデル・マカーリー・バンドとの共演"Train Travelin'"がラストに収録されている。
●BOBBY FLORES『Just For The Record』YRP-0001 CD \2,750
One More Time/I'd Fight the World/Just for the Record/Bubbles in My Beer/I'll Find a Way(To Free Myself)/The Same Two Lips/Spicher Waltz/I Don't Know Why(I Keep Loving You)/I Lie a Lot/Be a Good Girl/Soft Rain/Your Old Loveletters/I'm Still Not Over You/Oh Lonesome Me 全14曲
 テキサス・ホンキー・トンク・シーンで活躍するセッション・フィドラー/マルチ・プレイヤー、ボビー・フローレスのシンガーとしてのデビュー。97年から4年間、レイ・プライスのチェロキー・カウボーイズにフィドラーとして参加しており、今回のデビュー作でテキサス・カントリーの大先達へのトリビュートを捧げている。正統ホンキー・トンク・バラード、カントリー・シャッフル、ウェスタン・スウィングと、師匠の得意とするスタイルを、地元テキサスのミュージシャンを起用して真摯に再現している。もちろん師匠のもつ深みには及ばないとはいえ、ストレートなバリトン・ヴォイスが最近のメインストリーム・カントリー、ナッシュヴィルのメジャー・アーティストとはひとあじ違うクラシカルな雰囲気でいい味を出している。フィドラーとしては、バディ・スパイカー(彼もチェロキー・カウボーイズの大先輩だ)に学んだ"Spicher Waltz"が美しい。
●CLAY WALKER『A Few Questions』RCA-67068 CD \2,650
A Few Questions/Everybody Needs Love/Sweet Sun Angel/Jesus Was A Country Boy/I Can't Sleep/Coming Back Again/Heaven Leave The Light On/I'm In The Mood For You/When She's Good She's Good/This Is What Matters/Countrified/I Don't Want To Know/I Can't Forget Her 全13曲
 93年のセルフ・タイトル・アルバムでのデビューから10年、ジャイアント・レーベルの倒産というアクシデントもあったが、11曲のナンバー・ワン・ヒットを記録してメインストリーム・カントリーのトップ・スターの座に近づいてきたクレイ・ウォーカーのRCA移籍第1作。ホンキー・トンク、ウェスタン・スウィングなどテキサス・カントリーの流れを継承してきたこれまでの10枚近い作品の路線をさらにパワーアップして、シングル・チャートにランクされたバラード"A Few Questions"など、テキサス・ホンキー・トンクの王道を行く正統派シンガー。
●DWIGHT YOAKAM『Population Me』AUD-8176 CD \2,750
The Late Great Golden State/No Such Thing/Fair To Midland/An Exception To The Rule/Population Me/Stayin' Up Late With Sonny/Trains And Boats And Planes/If Teardrops Were Diamonds(with Willie Nelson)/I'd Avoid Me Too/The Back Of Your Hand 全10曲
 最近はハリウッド・スターとしての顔も知られてきたドワイト・ヨーカム、デビュー以来籍をおいてきたワーナー/リプリーズを離れ、自らのレーベル、エレクトロ・サウンドを立ち上げての2003年最新作。元祖カントリー・パンクにしてベイカーズフィールド・サウンド再興の立役者、レーベルは変われどそのスタンスは揺るぐことなく、パートナー、ピート・アンダーソンとのコンビネーションが相変わらず冴え渡る、先鋭的なサウンドを創りつづけている。バート・バカラックのカヴァー"Trains And Boats And Planes"や、ウィリー・ネルソンとのデュエットという変化球もまじえてはいるが、その拠って立つところはひとつ、尖がり続けるドワイトの面目躍如たる作品に仕上がっている。
●WILLIE NELSON & RAY PRICE『Run That By Me One More Time』B000061602 CD \2,450
Deep Water/This Cold War With You/I'm So Ashamed/I've Just Destroyed The World I'm Living In/It Wouldn't Be The Same/Home In San Antone/Something To Think About/Run That By Me One More Time/Soft Rain/I'll Keep On Loving You/I'm Still Not Over You 全11曲
 テキサス・カントリーの大御所ふたり、ウィリー・ネルソンとレイ・プライスが、1980年の『San Antonio Rose』以来ひさびさ、がっぷり四つに組んだデュエット・アルバム。レイのバンド、チェロキー・カウボーイズのベーシストでデビューしたウィリー、その後ソングライターとして売り出し、さらにアウトローと称されるテキサス・カントリーの旗頭として君臨するウィリー、彼が師匠レイを迎え、かつてのチェロキー・カウボーイズ時代を思い起こさせるカントリー・シャッフル、ホンキー・トンク、ウェスタン・スウィングを、実に気持ちよさそうに、愉しみながら唄っている。ボブ・ウィルスやフロイド・ティルマンのクラシックからふたりのオリジナルまで、テキサス・スウィング・バンドの快調な演奏にのせた、大ヴェテランふたりの悠揚迫らざるヴォーカルに圧倒される。
[COUNTRY REISSUES AND DISCOVERIES]
●THE BYRDS『Sweetheart of the Rodeo:Legacy Edition』COL-87189 2CD \4,500
[DISC 1]You Ain't Goin' Nowhere/I Am A Pilgrim/The Christian Life/You Don't Miss Your Water/You're Still On My Mind/Pretty Boy Floyd/Hickory Wind/One Hundred Years From Now/Blue Canadian Rockies/Life In Prison/Nothing Was Delivered/All I Have Are Memories(* Kevin Kelley vocal)/Reputation/Pretty Polly/Lazy Days/The Christian Life(Gram Parsons vocal)/You Don't Miss Your Water(Gram Parsons vocal)/One Hundred Years From Now(Gram Parsons vocal)/Radio Spot
[DISC 2]Sum Up Broke(International Submarine Band)/One Day Week(ISB)/Truck Drivin' Man(ISB)/Blue Eyes(ISB)/Luxury Liner(ISB)/Strong Boy(ISB)/Lazy Days(* alternate take)/Pretty Polly(* alternate take)/Hickory Wind(first time on CD)/The Christian Life(* Gram Parsons vocal)/The Christian Life(* Gram Parson vocals)/Life In Prison(* Gram Parsons vocal)/Life In Prison(* Gram Parson vocals)/One Hundred Years From Now(* Gram Parsons vocal)/One Hundred Years From Now(* alternate take, Gram Parsons vocal)/You're Still On My Mind(* Gram Parsons vocal)/You're Still On My Mind(* Gram Parson vocals)/All I Have Are Memories(* instrumental)/All I Have Are Memories(* alternate take, instrumental)/Blue Canadian Rockies(* alternate take) 全38曲
アメリカン・ロック・シーンにおいて、フォーク・ロック、アシッド・ロックそしてカントリー・ロックと、三たびにわたってまったく新しい音楽を創り出したザ・バーズ、その歴史的名盤が『Legacy Edition』としてより完全なかたちで再発売された。1968年に発売された『Sweetheart of the Rodeo』、グラム・パーソンズが持ちこみ、ジョン・ハートフォードやクラレンス・ホワイトの参加を得て、カントリー・ロックという新しい次元へと進化したサウンドが、その後のアメリカン・ロック全般に及ぼした影響は計り知れないものがある。発売35周年、そしてその中心にいたカリスマ、グラム・パーソンズの没後30年のいま、新たに発見されたグラムのヴォーカルをフィーチュアした数多くの未発表オルタネイト・テイクやリハーサル・テイク、バーズに先立つグラムのバンド、インターナショナル・サブマリン・バンドのレア・シングルなどを収録、24頁ブックレットのレア・フォト、詳細な解説とともによみがえるこの名盤、カントリーやブルーグラスのノウハウがロックのイディオムに生かされた最初にして最高の作品であり、改めてその凄さを体験してほしい。
●PATSY CLINE『Patsy Cline's Greatest Hits』MCAD-12R CD \1,980
Walkin' After Midnight/Sweet Dreams(Of You)/Crazy/I Fall To Pieces/So Wrong/Strange/Back In Baby's Arms/She's Got You/Faded Love/Why Can't He Be You/You're Stronger Than Me/Leavin' On Your Mind 全12曲
 上記トリビュート・アルバムにあわせて再発売されたパッツイ・クラインのベスト12曲集。女性シンガーのヴォーカル・スタイルを規定したパッツイの名唱集。67年に発売されたLPと同じ内容で、900万枚のセールスを記録したCDをリマスターしての再発売、アートワークもオリジナルLPのものを使用。
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