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NEW ARRIVALS 0308   2003/08/29
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[BLUEGRASS NEW RECORDINGS]

[BLUEGRASS REISSUES AND DISCOVERIES]
[FOLK & OLDTIME NEW RECORDINGS]
[COUNTRY NEW RECORDINGS]
[COUNTRY REISSUES AND DISCOVERIES]

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[BLUEGRASS NEW RECORDINGS]
●THE TIPTON HILL BOYS『Lucky』RC-120 CD \2,750
Intro/Steam Boat Whistle Blues/Lucky/Rosey Bokay/How Come Your Dog Don't Bite Nobody But Me/Lonesome Road Blues/E. Thadious Foot/Searching For Yesterday/Hot Corn Cold Corn/Barnyard Shuffle/We All Smell Good on Sunday/Crawdad Song/What a Friend We Have in Jesus/The Bridge Washed Out/Danny Boy/Outro 全14曲
ハートフォード・ストリング・バンドのキー・メンバーとして活躍、映画『オー・ブラザー!』のサントラでもリズム・セクションの要として貢献したクリス・シャープ、昨年は日本に長期滞在してあちこちでお騒がせのクリスが、故郷ノース・キャロライナ州アッシュヴィルで96年以来活動しているバンド、ティプトン・ヒル・ボーイズのデビュー作。クリス、ケヴィン・スルーダー(bs)、ジョージ・バックナー(bj)のトリオに、ゲストとしてアンクル・ジョッシュ・グレイヴス、ボビー・ヒックス、ふたりの大ヴェテランをはじめ、フィドルにはシャド・コッブとマット・コームズ、コーラスにキャシー・キアヴォラなどを迎えている。師匠である故ジョン・ハートフォードをして「フラット・バイ・シャープ」といわしめたクリスのヴォーカルとレスター・リズムは、ジョッシュとボビーの一本筋のとおったバックアップを得て今回も冴えわたり、加えて今作ではケヴィンのハイ・リードをフィーチュアしたトリオ・コーラスという新たな武器をもって、オズボーンズ調の美しいハーモニー(ダラス・フレイジアーやメル・ティリスなどオズボーンズ好みの曲を見つけている)で聴かせるという、嬉しい驚きが待っている。シャドが全編に大活躍、シャドとボビー、シャドとマットのツイン・フィドルとあわせて、ジョージの抜群のスクラッグス・スタイルとともに絶妙の味わいを演出している。また、ザ・スティール・ゴーストとクレジットされた、オズボーンズ・スタイルには欠かせないペダル・スティールはナッシュヴィルのヴェテラン・セッション・プレイヤー、トミー・ホワイト。最初と最後にあのペット・ミルク・ショウをカヴァーしたテーマ曲を短く入れるあたりは、クラシック・スタイルに傾倒するクリスならではのアイディア。
●DEL McCOURY BAND『It's Just the Night』MCM-0001 CD \2,750
Dry My Tears And Move On/Asheville Turnaround/Let An Old Racehorse Run/Hillcrest Drive/It's Just The Night/My Love Will Not Change/Fire And The Flame/Zero To Love/I'm Afraid I Forgot The Feeling/Man Can't Live On Bread Alone/I Can Hear The Angels Singing/Same Kind Of Crazy/Mill Towns/Two-Faced Love 全14曲
 余人の追随を赦さない、その圧倒的なエネルギーとテンションでストレート・ブルーグラスの王座に君臨するデル・マカーリー・バンドの最新作。トップの座に甘んずることなく、常に新しいレパートリーを開拓し、それを完璧なソリッド・ブルーグラスに料理するという姿勢を今回も貫いている。かつてはカントリー・ソングにその材料を求めることも多かったが、近年は、前作『Del and the Boys』(CM-2006 \2,750)に収録され、昨年度のIBMAアウォードでソング・オヴ・ジ・イヤーに選ばれた"1952 Vincent Black Lightning"など、シンガー/ソングライター系の曲を探してくるという手法が目立っている。このあたりはロニーの力が大きいのだろうが、今回も、"Black Lightning"のリチャード・トンプソンのほか、ショーン・キャンプ、ヴァーロン・トンプソンなど、アメリカーナ系のソングライターの作品を中心に、またしてもパーフェクトなブルーグラスに仕立て上げている。こうした姿勢が、ジャム・バンド系の若いバンドからの尊敬をも一身に集めるカリスマ的存としている所以だろう。ロニーとロブ、ジェイソン・カーター、マイク・バブからなる、10年以上にわたって不動のメンバーで創りつづけるモンロー直系の「これがブルーグラスじゃ」サウンドは年を追うごとにそのパワーを増し、タイトなアンサンブルがまさにワン・アンド・オンリーの世界を生み出している。
●BELA FLECK & THE FLECKTONES『Little Worlds』COL-86353 3CD \4,800
Bill Mon/The Ballad Of Jed Clampett(with Bobby McFerrin/Sam Bush)/Puffy/New Math/Longitude/Latitude/Centrifuge(with Derek Trucks)/Off The Top:A Gravity Wheel(with Nickel Creek)/Off The Top B:Line Dance(with Nickel Creek)/The Fjords Of Oslo/Sherpa/What It Is/The Leaning Tower(with Bobby McFerrin/The Chieftains)/Mudslingers Of The Milky Way/Captive Delusions(with Branford Marsalis)/Costa Brava/Poindexter(with Jerry Douglas)/Prequel/Return Of The Mudslingers(with Branford Marsalis)/The Cave/Next/Pineapple Heart(with Derek Trucks/Sam Bush)/Snatchin'/Reminiscence/Sleeper(with Bobby McFerrin)/Flunky/The Last Jam(with Derek Trucks/Jerry Douglas/Bernie Williams) 全27曲
ベラ・フレック&フレックトーンズ、スタジオ録音としては『Outbound』(COL-62178 \2,650)以来3年ぶりの新作。ツアーの合間を縫って、ベラの自宅のガレージとベッドルームをスタジオに仕立て上げ、多彩なゲストを迎えてのレコーディング。ベラ自身は8枚組!!にしたかったけれどコロムビアのOKが出ず、3枚組に落ち着いたという超大作。"Jerusalem Ridge"をモチーフにファンタスティックに展開する1曲目から、ラスト、ニュー・ヨーク・ヤンキースのバーニー・ウィリアムズのフュージョン・ギターをフィーチュアしたジャムまで、全27曲2時間半以上に及ぶ壮大な音楽世界。ベラのバンジョー(アコースティック、エレクトリックにシンセ・バンジョーまで)とジェフ・コフィンのサックスを軸にしたフュージョンをベースに、アコースティック楽器から近頃なにかと話題の元祖電子楽器テルミンまで、さまざまな楽器を駆使してベラとフレックトーンズの思い描く音楽が、ベラがいうとおり、1曲ごとにそれぞれにひろがっていく世界を創り出している。サム・ブッシュ、ジェリー・ダグラス、ニッケル・クリークからチーフタンズ、ブランフォード・マルサリス、デレク・トラックス(オールマン・ブラザーズ)などなど、多彩なゲストを見事に生かしきった構成、アレンジ、インプロヴィゼーション。ブルーグラス・ファンには、"The Ballad Of Jed Clampett"のラップ・ヴァージョン、クリス・シーリーとベラの壮絶なバトルが凄まじい"Off The Top"の2ヴァージョンなどが聴きどころ。
●TIM O'BRIEN『Traveler』SH-3978 CD \2,750
Kelly Joe's Shoes/I've Endured/Turn The Page Again/Let Love Take You Back Again/Restless Spirit Wandering/Another Day/On The Outside Looking In/Forty-Nine Keep On Talkin'/Family History/Fell Into Her Deep Blue Eyes/Travelers/Less & Less 全12曲
 ブルーグラスの枠を超えたシンガー、ミュージシャンとしての活躍が続くティム・オブライエンの最新作。このところ、前作『Two Journeys』(HS-1004 \2,750)までしばらく、自身のルーツ、アパラチアそしてアイルランドへの想いを掘り下げていった、ルーツ・ミュージックに深く根ざしたアルバムが続いていたが、今回は、そのルーツ探求の旅も包含した、より幅広い内容をもった「旅」を唄ったオリジナル・ソングを集めた、久々のシンガー/ソングライター・アルバム。マルチ・プレイヤー、ダーク・パウエルやケイシー・ドリーセン(f)、ジョン・ドイル(g)などこのところの自身のバンドに、ジェリー・ダグラス、ベラ・フレック、エドガー・マイヤーらを加えた絶妙のアコースティック・アンサンブルをバックに、ブルーグラスやアイリッシュ音楽、ケイジャンにブルースなどなど、ルーツ・ミュージックをベースに展開してきたアメリカン・ミュージックのエッセンスを自在に操った、自由闊達なストーリー・ソングの数々を楽しませてくれる。
●WHITEHOUSE『WhiteHouse』PC-1131 CD \2,750
Blue Eyed Darlin'/Cedar Grove/Drifting And Dreaming Of You/Cotton Eyed Joe/Mother Is Gone/Country Side Of Heaven/Don't Hold Your Breath/Rock Bottom/Searching For Yesterday/Who Done It/Uptown Blues/Going To The Races 全12曲
 ホワイトハウス、なんともインパクトのある名前をもったバンドのデビュー。その実体は、デヴィッド・パームリー(g)、ラリー・スティーヴンソン(m)、チャーリー・クッシュマン(bj、マイク・スナイダー・ストリング・バンド)、ジェイソン・カーター(f)そしてミッシー・レインズ(bs)、それぞれにレギュラー・バンドでのあまりある実績をもったトップ・ミュージシャンの集合体で、全員がナッシュヴィル郊外のホワイトハウスという町の住民ということから名付けた名前がホワイトハウス。知る人ぞ知る正統スクラッグス・スタイル、クッシュマンの折り目正しいバンジョー、若手フィドラーからの尊敬の念を一身に集めるベニー・マーティン、その直系ともいうべきカーターのホット・フィドルに、パームリーとスティーヴンソン、あのブルーグラス・カーディナルス絶頂期を再現する絶妙のハーモニー。ジム&ジェシー、オズボーンズ、スタンレーズ、ジミー・マーティン、レノ&スマイリー、先達の残した佳曲を中心に、往時を偲ばせるクラシック・ブルーグラスのエッセンスを目いっぱい盛り込んだ素晴らしいサウンドを再構築している。脇役にまわったときのラリー・スティーヴンソンのセンスの良さが光る作品。
●ROCK COUNTY『Rock Solid』REB-1796 CD \2,750
Mary Jane, Won't You Be Mine/Greener Pastures/The Old Home Place/Mountain Parkway/For Years/Roustabout/All The Love I Had Is Gone/My Best Pal/Girl At The Crossroads Bar/They Called It A Church/Williamsburg/He Died A Rounder At 21 全12曲
 ドン・リグスビー(m)のテナーとレイ・クラフト(g)のバリトン、際立った個性をもったふたりのリード・シンガーを前面に押し立てたロック・カウンティのセカンド・アルバム。昨年のデビュー作『Rock County』(REB-1776 \2,750)では、そのスタンスに若干のふらつきがみられたが、今回は狙いをひとつに、ソリッド・ブルーグラスに焦点を絞って気持ちのいいアルバムに仕上げてきた。キーラン・ケインやハーリー・アレンの作品でコンポラ・フィールをきっちりとおさえながら、このところアール・スクラッグスのサポートで活躍中、グレン・ダンカンのイケイケ・フィドル(3人目のリード・シンガーの役回りも鮮やかにこなしている)と、デイル・ヴァンダープールから代わったスコット・ヴェスタルの珍しく正面切ったまっすぐなバンジョーを軸に据えたトラッド・ブルーグラス、モンロー、フラット&スクラッグスの馴染み深い曲から、ロイ・リー・センターズやジミー・スキナーの知られざる佳曲まで、旬のミュージシャンたちの集合体ならではの勢いを感じさせる、快調なソリッド・ブルーグラスが楽しめる。"The Old Home Place"は、あの超有名曲とは同名異曲。
●WILDWOOD VALLEY BOYS『Songs From Wildwood Valley』REB-1799 CD \2,750
Jeremiah Callahan's Medicine Show/The Spirit Of America/The Big Man From Rosine/I'm Not The Drifter/Forever True/Big Time Johnny/Sweet Loretta/Making Memories/If I Could Just Hear Daddy/Talkin' In My Sleep/The Way I Am/When You Are Lonely 全12曲
 70年代から80年代に活躍したローカル・トラッドの雄ボーイズ・フロム・インディアナの中心メンバーだったオーブリー・ホルトの息子、トニーを柱として売り出し中の若手ワイルドウッド・ヴァレー・ボーイズの、はやくも4枚目となる最新作。2作目あたりまではまだまだしっかりしたスタンスが確立されていなかったが、マイク・コンプトンの直弟子でソロ・アルバム『Midnight from Memphis』(DL-2002\2,750)が素晴らしいモンロー・スタイルの使い手、デヴィッド・ロングと、ストレート・フォワードなバンジョーが快感のウェス・ヴァンダープール、ふたりを軸に、現代版トラッド・ブルーグラスを貫きとおした、鮮やかなアルバムに仕上げてきた。オーブリーの作品を中心に、抜群の上手さをみせるトニーのリード・ヴォーカルと、アーロン・ティルのスムーズなフィドル、ハーラン・ガバード(ボーイズ・フロム・インディアナのドブロ奏者だったハーレイの息子)の雰囲気あるドブロを加えたアンサンブルで、オリジナル・ソングをクラシック・ブルーグラスの香りをたたえた、端正なブルーグラスに仕立て上げている。
●JIM HURST & MISSY RAINES『Synergy』PC-1130 CD \2,750
I Ain't Got The Blues/Cold Hard Business/Guidology/God Is Working In The Dark/The Longest Part/Reverend Brimstone/Automotive Breakdown/Buzzed/The Hero/Old Blind Dog/Mist Of Memory/Cincinnati At Night 全12曲
 『Two』(PC-1102 \2,750)に続く、ジム・ハーストとミッシー・レインズのコンビによる第2作。IBMAアウォードにおいて、最優秀ギター・プレイヤーそしてベース・プレイヤーに選ばれているふたりの、驚異的かつ力強いテクニックに裏付けられた演奏、そのふたりだけのシンプルなバックで、ジムの暖かいバリトン・ヴォイスとミッシーのキュートなヴォーカルが、独特の優しい音楽を創り出している。オリジナルのインスト3曲をはさんで、前作同様、クレア・リンチやロジャー・ラスネイクのほか、気鋭のコンテンポラリー・ソングライターの作品を、ギターとベースという最小のユニットで限りなく研ぎ澄まされた演奏にのせて、飾り気のない素朴な、抑え気味のヴォーカルで唄い綴っている。インストゥルメンタリストとしてだけでなく、ヴォーカリストとしても不思議な魅力をもったふたりだ。
●THE LARKINS『The Larkins』AUD-8165 CD \2,450
Lay Your Memory Down/One Without The Other/Above It All/Steady As The Rain/Head Over Heels/I Still Believed You Loved Me/Gone/Jesus, Daddy And You/Go/Kiss And Tell 全10曲
 昨年発売されたクリスマス・アルバム『Christmas Grass』(AUD-8162 \2,750)で、その美しいハーモニーを聴かせてくれたラーキンズ、ショウナ(f、21歳)とティナ(m、19歳)姉妹のメジャー・デビュー・アルバム。姉妹とその両親、ローウェル(g)とバーバラ(bj)からなるファミリー・バンド、ラーキン・ファミリーとしてドリー・パートンの庇護のもと、既に8年にも及んでドリウッドなどでライヴ・バンドとしてのキャリアをかさねており、自主制作での10枚近い作品を認められてのメジャー進出。元ケンタッキー・サンダー、ブルース・バウトン(スティール)のプロデュースで、アリソン・クラウス以降、女性シンガーの主流となった感のある姉妹のエンジェリック・ヴォイスを、控えめなエレキなども加えたアコースティック・カントリーに仕上げている。ファースト・シングル"Steady As The Rain"では作者でもあるドリーがゲスト出演、姉妹との絶妙のハーモニーを聴かせている。オーブリー・ヘイニーも参加。
[BLUEGRASS REISSUES AND DISCOVERIES]
●BILL MONROE『July 1963:Two Days at Newport』ACD-25001 CD \3,100
July 26, 1963:Intro/Mule Skinner Blues/Uncle Pen/Devil's Dream/Molly and Tenbrooks/I am a Pilgrim/Rawhide/July 27, 1963:Intro/Paddy on the Turnpike/Pike County Breakdown/Rawhide/Get up John/Will You Be Loving Another Man/Conversation with Ralph Rinzler/Pretty Fair Maiden in the Garden/Salt Creek/Lonesome Road Blues 全14曲
 ビル・モンローが初めてニューポート・フォーク・フェスティヴァルに出演した1963年の音源が遂に発掘された。フォーク・リヴァイヴァル真っ只中とはいえ、ブルーグラスがどのように受け止められるのかなお懐疑的だったモンローが、新たにマネージャーとなったラルフ・リンズラーの勧めもあって、デル・マカーリー、ビル・キース、ビリー・ベイカー、ベッシー・リー・モールディンという布陣で臨んだニューポートでの2ステージ。7月27日のメイン・ステージと、28日のワークショップを収録している。初めてのフォーク・フェスということもあってか、モンローの気合いの入りようには只ならぬものがあり、緊張感漲るマカーリーとのコーラス("Will You Be Loving Another Man"の凄まじいこと)に圧倒される。因みにこの年春にブルー・グラス・ボーイズに加わったマカーリーにとっては、このライヴがBGBでの録音として公表される最初のものとなる。そしてもうひとつ、モンローが惚れ込んだビル・キースをこれほどまでにフィーチュアしたステージというのも、極めて異例のことである。公式録音でもキースの代表作となった多くのインストを残している63年、"Devil's Dream"や"Salt Creek"にモンロー・ミュージックのこの時期だけの突出した姿が見事に映し出されている。加えて、キースの紹介やグランド・オール・オープリへの繰り返しの言及に、フォーク・ファンへのメッセージを強く意識したモンローの胸のうちがよく表われているとみていいだろう。ブルー・グラス・カルテットにはラルフ・リンズラーが参加している。ベア・ファミリー・レコードのオーナー、リチャード・ワイツェが新たに立ち上げた、...And More Bears レーベルからのリリース。ジョン・クック(チャールズ・リヴァー・ヴァレー・ボーイズ)が撮った貴重なステージ・フォト満載のブックレットも素晴らしい。
[FOLK & OLDTIME NEW RECORDINGS]
●JUNE CARTER CASH『Wildwood Flower』DUAT-1142 CD \2,750
Keep On The Sunny Side/Road To Kaintuck/(Carter Girls Intro)Kneeling Drunkards Plea/Storms Are On The Ocean/(Little June Intro)Temptation/Big Yellow Peaches/Alcatraz/Sinking In The Lonesome Sea/Church In The Wildwood-Lonesome Valley/Cannonball Blues/Will You Miss Me?/Anchored In Love/Wildwood Flower 全13曲
 今年5月15日、73歳で亡くなったジューン・カーター・キャッシュの遺作となってしまった3枚目のソロ・アルバム。死の直前に完成したこの作品、息子ジョン・カーター・キャッシュがプロデュースにあたり、夫ジョニーはもちろん、娘カーリーンと孫娘ティファニー・アナスタシア・ロウ(カーリーンとニック・ロウのあいだに生まれた娘)、ジョンの妻ローラなどキャッシュ・ファミリーが全面的にサポート、さらにマーティ・スチュアート、ノーマン・ブレイクなどキャッシュ・ショウゆかりのミュージシャンが真摯なバックアップをみせている。聴くものの心をうってやまないアパラチアン・トラッドのエッセンスをすべて体現したカーター・ファミリー・トラディションを継承した名曲の数々に、マザー・メイベルと姉妹たちとのオリジナルや自作曲を配して、カーター・ファミリーの遺産を今そして次世代に伝えるということだけにとどまらず、ジューン自身の人生そのものともいえる音楽を、グラミー受賞の前作99年作品『Press On』(DUAT-1130 \2,750)にもまさる存在感溢れるヴォーカルで、静謐のなかに深い想いを込めて伝えている。ローザンヌ・キャッシュの心情溢れるライナー・ノーツがジューンの想いをよく表わしている。昨年秋のカーター・フォールドでのレコーディングの模様や、ジューンが語る家族の思い出などの映像を収録したエンハンスト仕様。
[COUNTRY NEW RECORDINGS]
●ALAN JACKSON『Greatest Hits Volume 2』ARI-53097 2CD \3,300
Little Bitty/Everything I Love/Who's Cheatin' Who/There Goes/I'll Go On Loving You/Right On The Money/Gone Crazy/Little Man/Pop A Top/The Blues Man/It Must Be Love/www.memory/When Somebody Loves You/Where I Come From/Where Were You(When The World Stopped Turning)/Drive(For Daddy Gene)/It's Five O'Clock Somewhere(with Jimmy Buffett)/Remember When/Job Description/Tropical Depression/Let's Get Back To Me And You/You Can't Give Up On Love/Hole In The Wall/Buicks To The Moon/When Love Comes Around/The Sounds 全26曲
 ジョージ・ストレイトと並んでメインストリーム・カントリーの王座に君臨するアラン・ジャクソン、95年の『Greatest Hits Collection』(ARI-18801 \2,650)に続くグレイテスト・ヒッツ第2集。96年の"Little Bitty""Everything I Love"から、2001年のあの悲劇を唄って聴くものを感動の渦に巻き込んだ"Where Were You(When The World Stopped Turning)"そして2002年、父への"Drive(For Daddy Gene)"までの、ナンバー・ワン多数を含む全ヒットに、ジミー・バフェットとの異色の共演で目下トップ独走中の"It's Five O'Clock Somewhere"など新曲2曲を加えた全18曲。さらに、Disc2に最近のアルバムからジャクソン自身が選んだフェィヴァリット・ソング8曲を収録した限定盤2枚組。ビートの効いたロッキン・カントリーから、説得力に満ちたヴォーカルが素晴らしいバラードまで、トップ・スターの貫禄が滲み出る窮極のベスト・アルバム。
●ERIN HAY『Somebody's Angel』WIR-0301 CD \2,750
Big City/Fool #1/Take Me Home Country Roads/Somebody's Angel/Walkin' The Floor Over You/Faded Love/Givin' Old Memories Away/Cry Like Memphis/Among My Souvenirs/Ode To Billy Joe/The Tree/Poor Folks(with Ernie Ashworth)/Oklahoma Hills/Seed Catalog/Don't Worry/Farther Along 全16曲
 ナッシュヴィルのインディー・シーンで注目を集めている女性ホンキー・トンク・シンガー、エリン・ヘイの最新第3作。カリフォルニア生まれでUCLAで学んだのち91年、ベルモント・カレッジ入学のためにナッシュヴィルに移り、カントリー・シンガーへの道を歩んだ。2000年にインディー・レーベルからデビューしている。過去2作と同様の構成で、マール・ハガード、アーネスト・タブ、マーティ・ロビンスなどのカヴァーと、オリジナルを半分ずつ収めている。ピアノやアコースティック・ギターを巧みに活かした正統派のバラードを中心に、レイ・プライス・スタイルのカントリー・シャッフルを想い起こさせる快調なサウンドやウェスタン・スウィングまで、メジャー・レーベルの女性シンガーたちからはまったく聴かれなくなった、ペダル・スティール、フィドルが主役のトラディショナル・カントリー・サウンドに、ロレッタ・リンやタミー・ワイネットをアイドルとして育ったというエリンの伸びのあるヴォーカルが気持ちよく唄っている。
●WANDA JACKSON『Live and Still Kickin'』DCN-1013 CD \2,750
Rock-A-Billy Fever/Old Time Rock & Roll/Mean, Mean Man/I Gotta Know/Blue Yodel #6/Wild Side of Life-Honley Tonk Angels/Lovesick Blues/Fujiyama Mama/Hot Dog! That Made Him Mad/Right Or Wrong/Riot In Cell Block #9/One Night With You/I Saw The Light/Let's Have A Party/Whole Lotta Shakin'-Rip It Up 全15曲
 「クイーン・オヴ・ロカビリー」「ファースト・レディ・オヴ・ロックンロール」ワンダ・ジャクソンの実に20年ぶりのライヴ・アルバム。ハンク・トンプソンに見出され10代でデビュー以来50年近くにわたってロカビリーとカントリー、双方で数多くのヒット曲を記録してきたワンダのキャリアの集大成ライヴ。"Fujiyama Mama""Mean, Mean Man"などロカビリー時代のヒット曲と、"Wild Side of Life-Honley Tonk Angels""Lovesick Blues"などカントリー・シンガーとしてのワンダ、常にふたつの顔をもっていた彼女ならではの構成が、オールド・ファンにはなつかしい。年齢からくる衰えはさすがに隠せないが、全編貫禄で押しきった迫力はやはりワンダならではか。バックもツボを押さえた演奏でサポートしている。2002年12月、ニュー・ヨークでのライヴ。
●RAY BENSON『Beyond Time』AUD-8168 CD \2,750
Sorry/Annabelle/Mary Anne(featuring Jimmie Vaughn)/Hands Of Time(featuring Stanley Jordan)/Isn't It Strange/Let's Get Lost/Haven't Gotten To You Yet/Leave That Cowboy Alone(featuring Dolly Parton)/Small Town/El Paso(featuring Flaco Jimenez)/Ain't Chet Yet/Clearing Up To Be Cloudy(featuring Delbert McClinton/Jimmie Vaughn) 全12曲
 ウェスタン・スウィングの最高峰アスリープ・アット・ザ・ウィールのリーダー、レイ・ベンソンのソロ・アルバム。AATWでのレイとはまったく趣きを異にした、ポップ/ジャズに傾斜したゴージャスなアルバムに仕上げている。ブルース・ギターのジミー・ヴォーンやジャズ・ギターのスタンレー・ジョーダンをフィーチュアしたソウル/ジャズ・タッチの曲から、ドリー・パートンとのウェスタン・スウィング、フラコ・ヒメネスをフィーチュアしたマーティ・ロビンスのヒット曲のテックス・メックス・ヴァージョンまで、ヴァラエティ豊かなサウンド、スタイルでレイのヴォーカルをショウアップしている。
●V.A.『I've Always Been Crazy:A Tribute To Waylon Jennings』RCA-67064 CD\2,650
Don't You Think This Outlaw Bit's Done Got Out Of Hand(James Hetfield)/Are You Sure Hank Done It This Way(John Mellencamp)/Waymore's Blues(Ben Harper)/Luckenbach, Texas(Kenny Chesney/Kid Rock)/Mammas Don't Let Your Babies Grow Up To Be Cowboys(Sara Evans/Deana Carter)/I Ain't Living Long Like This(Brooks & Dunn)/You Asked Me To(Alison Krauss)/Lonesome, On'ry And Mean(Travis Tritt)/The Only Daddy That'll Walk The Line(Hank Williams Jr.)/This Time(Andy Griggs)/Stop The World(And Let Me Off)(Dwight Yoakam)/Are You Ready For The Country?(Pinmonkey)/I've Always Been Crazy(Stargunn)/Storms Never Last(Jessi Colter)/The Dream(Waylon Jennings, bonus track) 全15曲
 昨年2月、64歳の若さで世を去ったテキサス・アウトロー・カントリーの雄ウェイロン・ジェニングス、全盛期74年9月のライヴ『Waylon Live:The Expanded Edition』(RCA-51855 \3,300)が絶賛されているが、今作は、そのウェイロンへのトリビュート。レッド・ネック・ロックとも称されたテキサス・カントリーの大立者にふさわしく、ドワイト・ヨーカムやブルックス&ダン、ケニー・チェズニーなどメインストリーム・カントリーはもちろん、ハンク・ウィリアムズJrやトラヴィス・トリットなどロッキン・カントリー勢に、ジョン・メレンキャンプやキッド・ロックなどのロック・スターも加わっての真摯なトリビュート。遺された妻ジェシー・コールターそしてウェイロン自身の遺作も1曲フィーチュアされている。
●SARA EVANS『Restless』RCA-67074 CD \2,650
Rockin' Horse/Backseat Of A Greyhound Bus/Restless/Niagra Falls/Perfect/Need To Be Next To You/To Be Happy/Tonight/Otis Redding/Feel It Comin' On/I Give In/Big Cry/Suds In The Bucket 全13曲
 ミズーリ出身の若手シンガー、サラ・エヴァンスの3年ぶり4枚目の新作。コンテンポラリー・カントリーを主体に、ジャジーなサウンドやケルト調、アコースティックな響きも採り入れたポップでスタイリッシュなアルバムに仕上げている。ソングライターとしての成長ぶりをも示す自作曲多数に、ダイアン・ウォーレンなど、ナッシュヴィルを代表するソングライターの作品を配して、エモーショナルに唄いあげている。ヴィンス・ギルがハーモニー・ヴォーカルで参加。
[COUNTRY REISSUES AND DISCOVERIES]
●JIM REEVES『The Jim Reeves Radio Show:Monday, February 24, 1958』ACD-25002 CD \3,100
JIM REEVES:Everywhere You Go/DOLORES WATSON:The Last Song and Dance/OWEN BRADLEY ORCHESTRA:Tower Trot/BUDDY HALL:All the Way/THE ANITA KERR SINGERS:I'm Available/DOLORES WATSON:I'll Never Say Never Again/BUDDY HALL:Chances Are/OWEN BRADLEY ORCHESTRA:The Way You Look Tonight/THE ANITA KERR SINGERS:Promises/JIM REEVES:Need Me/BUDDY HALL:Angel Smile/THE ANITA KERR SINGERS:No More Tears to Cry/OWEN BRADLEY ORCHESTRA:Stompin' at the Savoy/JIM REEVES:Overnight/DOLORES WATSON:I Got the World on a String/THE ANITA KERR SINGERS:Somebody Stole My Gal/OWEN BRADLEY ORCHESTRA:Moonlight Bay/JIM REEVES:My Happiness 全18曲
 ジム・リーヴスがカントリー・スターの座を確立しようとしていた時期、57年秋から58年春に、ABCネットワークでウィークデイの正午から1時間、ナッシュヴィルのスタジオから放送した『ザ・ジム・リーヴス・ラジオ・ショウ』の1本、58年2月24日放送分をまるごとCD化した貴重な音源。この時点で既にその類まれな美声と巧みなヴォーカルで輝きをみせていたジムを軸に、ポップ・シンガーのドロレス・ワトソンとバディ・ホールをフィーチュアし、さらにナッシュヴィル・セッションでは欠かすことのできないコーラス・ティームとなったアニタ・カー・シンガーズに、ジャズの香りをふりまくオウエン・ブラッドレー・オーケストラというメンバーで、淀みなく流れるような構成も見事な、ラジオ黄金時代の、完璧にショウアップされたパッケージ。カントリーにとどまらない、アメリカン・ポップスの最高のかたちが表現された、究極のエンタテインメント。ベア・ファミリー・レコードのオーナーが立ち上げた新レーベル、...And More Bears レコードからのリリース。
●CHARLEY PRIDE『Anthology』RCA-53227 2CD \3,960
Before I Met You/Just Between You And Me/I Know One/The Day The World Stood Still/The Easy Part's Over/Let The Chips Fall/Kaw-Liga/All I Have To Offer You(Is Me)/(I'm So)Afraid Of Losing You Again/Is Anybody Goin' To San Antone/Wonder Could I Live There Anymore/Did You Think To Pray/I Can't Believe That/You've Stopped Loving Me/I'm Just Me/Kiss An Angel Good Mornin'/All His Children(with Henry Mancini)/It's Gonna Take A Little Bit Longer/She's Too Good To Be True/A Shoulder To Cry On/Don't Fight The Feelings Of Love/Amazing Love/We Could/Mississippi Cotton Picking Delta Town/Then Who Am I/I Ain't All Bad/Hope You're Feelin' Me(Like I'm Feelin' You)/She's Just An Old Love Turned Memory/I'll Be Leaving Alone/More To Me/Someone Loves You Honey/When I Stop Leaving(I'll Be Gone)/Where Do I Put Her Memory/You Win Again/You Almost Slipped My Mind/Roll On Mississippi/You're So Good When You're Bad/Why Baby Why/Night Games/The Power Of Love/Down On The Farm 全41曲
 1966年、チェット・アトキンズに認められ、"カントリー"・チャーリー・プライドという名前でデビュー、排他的白人社会であったメインストリーム・カントリー・ミュージックの世界で、初めての黒人スターとなったチャーリー・プライドの決定盤ベスト41曲集。デビュー曲はここには収められていないが、マイナー・ヒットしたセカンド・シングル"Before I Met You"と続くトップ10ヒット"Just Between You And Me"から一気にブレイク、全部で23曲ものナンバー・ワンを含む数多くのヒット曲を放って、80年代半ばまでカントリー界のトップにあった大スター、2000年にカントリー名誉の殿堂入りを果たしている。正調カントリー・サウンドをバックに、スマートかつ深みのあるバリトン・ヴォイスで真摯に唄うバラードは絶品。
●RAY PRICE『Touch My Heart/Burning Memories』AUD-8180 CD \2,750
Touch My Heart/There Goes My Everything/It's Only Love/I Lie A Lot/You Took My Happy Away/Swinging Doors/A Way To Survive/The Same Two Lips/Enough To Lie/Am I That Easy To Forget/Just For The Record/Burning Memories/Here Comes My Baby Back Again/Make The World Go Away/Are You Sure/Soft Rain/Release Me/Together Again/You Took Her Off My Hands/A Thing Called Sadness/Walk Me To The Door/That's All That Matters/Let Me Talk To You 全23曲
 カントリー・シャッフルと称される独自のスタイルで50年代から60年代、ロックンロールの嵐の中、メインストリーム・カントリーの灯を守りつづけたレイ・プライス、そのホンキー・トンク時代の最後の輝きを見せた2枚のアルバム『Burning Memories』(64年)と『Touch My Heart』(66年)の、2on1CD化。バディ・エモンズやピッグ・ロビンスなどおなじみチェロキー・カウボーイズのサウンドに、ストリングスをとりいれるなど新しい試みも加えてポップ・マーケットを意識したサウンドにもトライしてはいるが、レイのいつもどおり伸びのあるヴォーカルが全盛期の艶やかな味を失うことなく、しっとりと聴かせるさすがの作品となっている。
●RICKY SKAGGS『Live in London』SNP-708 CD \2,250
Uncle Pen/I've Got A New Heartache/Heartbroke/She Didn't Say Why/Cajun Moon/You Make Me Feel Like A Man/Rendezvous(bonus track)/Rockin' The Boat/Honey(Open The Door)/Talk About Suffering(bonus track)/Country Boy/Highway 40 Blues(bonus track)/Waitin' For The Sun To Shine(bonus track)/Don't Get Above Your Raising 全14曲
 80年代、ブルーグラスからカントリーへの転進をはかり、いわゆるネオ・トラディショナル・カントリーの先駆者としてトップ・スターの座についたリッキー・スキャッグスの絶頂期、85年のロンドンでのライヴ(かつてはビデオも発売されていた)が、"Highway 40 Blues"など4曲のボーナス・トラックを加えての再発売。ブルース・バウトン(ペダル・スティール)以下、エレクトリック・ヴァージョンのケンタッキー・サンダーも絶好調、メインストリーム・カントリーの王道を行くストレートなサウンドが炸裂している。ロック・スター、エルヴィス・コステロがゲストとして参加している。
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