|
●JMD-001 TARO & JORDAN『Did I Laugh in Your Dream?』CD\2,000-(本体\1,905-)
Whatever Tanuki Says Goes/Thin Lizard/Dollar Bill Blues/Colors/Stephen's Bento Box/Wilkins Street/Oh! Little Lady/Pour in Rain/Did I Laugh in Your Dream?
「マンドリンを生業にして10年、やっとコレだ!ってのができました」と、井上太郎が初めての自身名義のアルバムを発表しました。すばらしいマンドリン&ギター・デュオ・アルバムです。コピーに曰く、「カナダから来た最強のグルーヴ製造機、DUHKSのギタリスト、ジョーダン・マコンネルと、縦横無尽のマンドリン井上太郎、エンジニアのKABAMIXが、Taroの自宅のリビングルームに集まって半日で一気に録り上げたオリジナル曲の数々、アイリッシュ、オールドタイム、ブルーグラス、結局何だって一緒……」。ライナーで、ゴンチチのチチ松村氏曰く、「マンドリンとギターだけで、このグルーヴと高揚感を醸し出すとは恐れ入った。アクースティックミュージックの究極の形に、身も心もスカッとする。二人の若きツボ師に乾杯!」。タウンズ・バン・ザントとチャズ・ジャスティスのカバー以外、すばらしいオリジナル。ぜひ聴いてみてください。
|
|
●UICV-1020 斎藤ジョニー CD\3,000-(本体\2,857-)
夏の正体/D.P.T./お世話になります/Helpless/ぼくの友だち/One More Time/絶品ガール 他全12曲
昨秋のメジャーデビューミニCD『アイ・アム・ジョニー』(\2,000-)から、早々と2枚目は自身の名を冠した初のフルアルバム。前作同様、プロデュース&アレンジャーに高野勲を配し、奥田民夫や岸谷香(プリンセス・プリンセス)らが参加という話題づくりとともに、ジョニーの瑞々しいオリジナルがバリバリのJ-Popに仕上がっている。……が、ジョニー自身のバンジョーやフラットピッキンに井上太郎のマンドリンと少路健介/Rayのフィドルなどの存在感もほどほどに出しつつ、ブルーグラス出身である斎藤ジョニーをメジャーでブレークさせようという試み。J-Popの良し悪しは別にして、バンジョーを抱えたジョニーがあちこちで見られる、そのことだけにでも応援のし甲斐があるというものだ。今年の宝塚でも爆発した若者ブルーグラス・パワー!バンジョー/マンドリン/ドブロ/フィドルなどを一生懸命に弾く彼ら、そんな若者たちをわれわれがサポートしなくて、どーする!!
|
|
●UICV-1017 齊藤ジョニー『アイ・アム・ジョニー』CD\2,000-(本体\1,905-)
ハックルベリー・フィン/Goin' Home/アルマジロ/線路際のワイルド/Eureka/さらば美しき女よ/グランファ/東京の女の子/Video Killed the Radio Star.
東北大学ブルーグラス所属の「雑貨屋フレーバー」時代に箱根ブルーグラス・フェスの人気投票で1位を獲得、若いブルーグラッサーに圧倒的な人気を誇ったすばらしいブルーグラスバンドから飛び出した齊藤ジョニー。そののちNHKのコンテスト「伊達物音楽闘技場」で1位を獲得、今年1月にはデビュー前にもかかわらずNHK全国放送「Music Japan」に出演、また2月に来日したテイラー・スウィフトのオープニングアクトに抜擢、大阪城ホール、日本武道館を2日間、香港のアジア・ワールド・アリーナ公演でアコギ1本で会場を沸かせたというジョニー。フラットピッキンはもちろん、バンジョーもバリバリとこなすブルーグラス・マルチプレイヤーで、ムーンシャイナー誌にもIBMAのWOB体験記などを寄稿してくれている。マンドリンにTARO、フィドルに雑貨屋時代以来のテクノ松本、ベースにパンクなミドリにいたイワミ・ケイゴのバンド、シューストリングスを核にした音作りで、マンドリンが全体をリードする初のJ-ポップグラスだ。
|
|
●RCSI-1062 PIRATES CANOE CD\1,050-(本体\1,000-)
●RCSI-1063 PIRATES CANOE『too』 CD\1,050-(本体\1,000-)
大谷大学ブルーグラスで4人組女性ブルーグラス「フォーリップス」、そののち女性デュオ「ふたり乗り」などで活躍してきたマンドリンの河野沙羅と、このバンドでミュージシャンのキャリアをはじめたというハント鈴加(g)のふたりの英語詞のオリジナルを欅 夏那子のフィドルと岩城一彦のドブロ、そして吉岡孝のドラムスと谷口潤のベースがリズムを固めるパイレーツ・カヌー。2011年の第1作(RCSI-1062)と最新第2作(RCSI-1063)、ともに河野とハントの創るシュールな世界をバンドが巧く捉えているが、1枚目と2枚目の1年の時間差が完成度に表われている。フォノジェニックなハントのボーカルと向こう見ずな河野のマンドリン/音楽感性がうまくバンドに化学変化を促している様子が聴き取れる。第2作に収められた隠れトラックのインストなど、ストレングス・イン・ナンバーズ以来のアパラチア源流の世界観も感じられ、日本にも21世紀を体現するあたらしいユニットが生まれつつあるようだ。ムーンシャイナー8月号で彼女たちの特集がある。
|
|
●PATUX-231 大塚 章『First Tear』CD\2,573-(本体\2,450-)
サム・ブッシュがアルバムライナーに、「1971年夏、米国ブルーグラス界を驚かせたブルーグラス45は、"我々の”音楽だったブルーグラスを真にインターナショナルにした音楽をクリエイトしていた。45がトラディショナル・ブルーグラスを熟知していたのは明らかだけれど、彼らがデイブ・ブルーベックの"Take
5"を演奏したとき、その音楽は永遠に変わった。とくに印象的だったのは大塚 章、インディアナ州ビーンブロッサムにそのときいた我々マンドリン弾きたちは、彼がいかに早くクリーンに、しかも味わい深く弾くことに強い印象を持った……」と書いてくれたように、たしかに「45」はブルーグラス史に大きな足跡を残した(……と、もう還暦を越した僕らは、遠慮なくそんな評価をいただく)。そしてアキラは、アメリカにとどまり、数々のバンドに参加、地元銀行に勤めながらワシントンDC地区のブルーグラスに大きな功績を残している。そんなアキラが、デビッド・グリア(g)やマイク・マンフォード(bj)、リッキー・シンプキンズ(f)らを基本に、日本から兄のジョッシュ大塚を含むさまざまなゲストを迎えて演じるブルーグラス、ニューグラス、スウィングなど。恩人でもある故ジョン・ダッフィに捧げたラスト、ライブ録音"Heartaches"のエディ・アドコックとトニー・ライスが凄い!! 40年前に米国移住したアキラ、念願のソロデビュー作は、すばらしい作品になった。
|
|
●RC-123 HARVEST MOON『In the Wind』CD\2,573-(本体\2,450-)
Grandpa's Black Pot/Cabin in the Valley/Brand New Bluegrass Boy in Heaven/Together 他全14曲
20年前にLPアルバム『I Belong to That Music』(RC-110 \2,257-)を発表したハーベスト・ムーンが最新アルバムを引っ提げて復活である。京都の学生ブ
ルーグラスが持つモダニズムを昇華したようなサウンドで、「ナンシーとピーター」のアイドル路線!?と「和 製ブルーグラス」というキャッチで人気を博した当時から20年……、この最新作ではところどころに相変わ
らずのお茶目な仕掛けを残しつつ、ちょっと大人になった全曲英詩のオリジナル作品集。古田直樹(f)と木 下健太郎(m,f)による作詩作曲によるオリジナルを中心に、折り目正しい小野田浩二(bj)、そしてクールな毛
利武志(g)と植田雅也(bs、2曲で作曲)のベースに支えられて、今井佐由子(1曲で作詞)のリード・ボーカル がやさしく歌いかけてくれる。各人に似合わない英名のニックネームが付けられているが、彼らの創った英
詩とその歌は、そのニックネーム以上に馴染みやすいだろう。われわれ日本人がブルーグラスを唄うという ことに、英語も日本語も関係ない、あるのは、そして重要なのは音楽に対する真摯な態度だけである。彼ら、
ハーベスト・ムーンは自分たちの言葉で、自分たちの音楽を創り上げている。ぜひ、聴いてみて欲しい。 |
|
●RC-116 ROSINE CD\2,573-(本体\2,450-)価格改定
A Bad Old Lonesome Night/I Can't Go On Loving You/Please Don't Wake Me/Uncle Pen/Willie Roy The Crippled Boy/You're Gonna Miss Me/The L&N Don't Stop Here Any More/Take Me In Chains/Rosine Blues/Hang Your Head In Shame/Cold Cold Loving/Crazy Heart
素晴らしい国産ストレート・ブルーグラスの最新作です。ブルーグラスの最も基本的なスタイル(様式)がアメリカで生まれて50年、そしてそのノウハウがほぼ正しく日本に伝わってから30年、純国産トラッド・グラスをお楽しみ下さい。フラット&スクラッグスのバウンシーなビッグ・サウンドをメイン・テーマに、ビル・モンローからジョン・ダッフィ、そしてビル・ハレルからデル・マッカーリーまで、オリジナル・インストも含めた新旧の名曲を見事に演じ切っている。そんな表面的な仕上がり以上に、トラッド・グラスの「心」を自分達なりに捉えようと18年間、様々な試行錯誤を経て来た京都のトラッド・グラス・バンド、『ロジーン』待望のデビューCDアルバムです。山本雅幸(bj)、植田“キング”雅也(g)、毛利武志(f)、今井達也(bs)、そして山田善久(m)。2年がかりで遂に発売に漕ぎ着けました!より良いブルーグラスを目指した経緯はムーンシャイナー誌12月号( MS-1702 book\500-)をご覧ください。彼らに限らずですが、もっと日本のブルーグラス・バンドをサポートしましょう!ホンマ、これは真摯なトラディショナル・ブルーグラスに仕上がってマス!!(歌詞付き) |
|
●ISG-2002 きたむらいづみ『Izumi, Sweet Grass』CD\2,800-(本体\2,667-)
Sing a Song for You/ハイロンサムな彼/今日は楽しいフェスティバル/フェスの夜/Sweet Heart Breakdown/夕日のハイウェイ/夢路 他全12曲
60年代、中学生でバンジョーのに魅入られ、第1回の宝塚フェスに出演、70年代、追手門大学時代はブルーグラス「ブーフーウー」などを通じて広田みのりらを導き、その後、ロックやブルースにも傾倒し「ポプコン」関西地区準優勝他、メジャーアーティストとの録音や舞台を経験。再びアコースティックが恋しくなって、神大OBのユキちゃんやノブちゃんらとオールドタイムっぽい「ブルーグラス・スキャンダルズ」、結婚と子育てを経て、1997年以降「いづみ、スウィート・グラス」を始動、遂にCDアルバム発表にこぎつけた北村伊住。北村のボーカルとバンジョーに、宮崎勝之(m)と五十川清(drums,pedal
steel g)がプロデュース兼任、そして坂庭省悟(g)、吉田悟士(bj)、川辺ぺっぺい(bs)を基本セットに、ゲストとして北村自身がファンだというクラスター・プラッカーズのリチャード・ベイリー(bj)、IBMA最優秀ドブロ奏者ロブ・アイクス(d)、注目の若手ケーシー・ドリーセン(f)、キャシー・キアボラ(v)らが手堅い音を創っている。「ブルーグラスを知らないフツーの人に、聴きやすいサウンドで、こんなに素晴らしい音楽と仲間」の存在を「知ってもらいたい」と言う彼女。ムーンシャイナー4月号(MS-1906
\525-)で本作に至る「気持ち」を寄稿している。暖かく優しいサウンドとは裏腹に、厳しいハイロンサムを直感的に知っている女性ブルーグラスのパイオニアの一人、「きたむらいづみ」。全曲オリジナルのデビュー・アルバムだ。 |
|
●ISG-2011 きたむらいづみ『Izumi』CD\2,800-(本体\2,666-)
All of Me/Are You Lonesome Tonight/I Wonder Where You Are Tonight/Hobo's Meditation 他全12曲
2002年のデビュー作『Sweet Grass』(CD\2,800-)につづく、きたむらいづみの最新第2作。そのフォノジェニック(マイク/スピーカー乗りが抜群)なボーカルを、奥沢明雄がアレンジと共同プロデュースを担当、東京のカントリー/ブルーグラスのスーパーピッカーたちがバックアップ。ジミー・ロジャーズからプレスリー、ジャズやブルーグラスのスタンダードなどの5曲を散りばめつつ、フォスターの"Hard Times Come Again No More"に日本語詞をつけたもの、そして完全オリジナルが6曲、バランスよく配したポップな作品に仕上げている。バンジョーを弾きはじめた中学生の頃から知る彼女、70年代後半には確かマリア・マルダーに私淑し、関西のリズム&ブルース界でも活躍していた。そんな彼女が、家庭が落ち着いたのち、ブルーグラス・フェスに戻ってきてふたたび歌いはじめてから創りはじめたろうオリジナルの数々は、自分の音楽のルーツである自然や山をロマンチックに表現している。カントリーには尾崎孝のスティールやドブロ、徳武弘文のギター、宇戸俊秀のキーボードなど。ブルーグラスでは有田純弘(bj)、岸本一遥(f)、竹内信次(m)らに、渡辺茂(bs)、高橋結子(drums)らがリズムを支える。日本のあたらしいアコースティック音楽の形を創っている。 |
|
●BBR-001 LEMON SLICE『Remember Me』CD\2,000-(本体\1,905-)
Remember Me/Hobo's Meditation/Texas & Oklahoma/Lonesome Pine/Rain Please Go Away/Arkansas/Love Letters in the Sand/Kentucky Waltz 他全12曲
大分の男女=ギター/ベース・デュオのレモン・スライスのデビュー作。大分のブルーグラス・バンド、レモン・パフィからフットワークの軽い上尾光邦(g)と渡辺優(bs)がデュオとして2005年に結成、以来各地のフェスやライブハウスで着実に実力と人気を得て、今年は箱根フェスの人気投票で、若者優位の中で3位に輝いている。渡辺のフォノジェニックなボーカルと上尾のフラットピッキン・ギターを軸にデュオで3曲、そのほかはハーベストムーンの植田雅也のプロデュースで京都風の味付けがなされたさわやかブルーグラスになっている。ふたりのほか、ゲストにはハーベストムーンの木下健太郎(m,f)、小野田浩士(bj)、宮守佳奈(f,v)、今井佐由子(v)、植田雅也(bs)、ロジーンの星川太志(d)、デイジービルの久永洋子(v)、カインド・オブ・ブルーの今村日利(bj)。
|
|
●BWCD-001 BACKWOODS MOUNTAINEERS『Home Sweet Home』CD\2,000-(本体\1,905-、歌詞対訳付)
Blue Bonnet Lane/When It's Lamp Lightin' Time in the Valley/Aunt Dinah's Quilting Party/When You Kneel at Mother's Grave/Rawhide 他全14曲
1964年に結成というから46年前、その後にロストシティを経営することになる野崎謙治と渡米する田渕章二が、本作に参加している芝田光雄と西条佳峰とともに結成した当時の関西スーパーバンド、バックウッズ・マウンテニアーズ。そのリーダーだった野崎からバンド名を受け継いだ芝田が、立命館大学OBの三橋秀樹(g)と桃山学院大学OBの大西一由(m)とスネーク水谷(f)とともに編成した新生バックウッズ・マウンテニアーズのデビューCD。ちなみに芝田と西条は1965年、TBS主催の大学対抗バンド合戦で優勝した桃山学院大学ブルーグラス・ランブラーズのオリジナル・メンバーである。ここに収められた14曲はいずれも、彼らが大学生としてブルーグラスに打ち込んでいた時代の名曲ばかり。……技術よりも勘と雰囲気で初期の日本ブルーグラスを切り開いていったパイオニアたち、気負いなく、自然体で演じている。アルバム制作記はムーンシャイナー9月号。
|
|
●HC-2011 ハニークッキーズ『Honey Cookies』CD-R\1,000-(本体\952-)
Freight Train/Scottsboro/In Tall Buildings/Gonna Lay Down My Old Guitar/あったかい歌。
ムーンシャイナー誌10月号で紹介した関東の若手ブルーグラッサーたち、名古屋大学でサニービレッジというブルーグラスバンドを結成、滋賀フェスのチャンピオンにもなった手塚洋輔のフラットピッキン・ギターと手塚里美のベースに、東京でブルーグラス両親のもとに育った手島宏夢のフィドルのトリオ、現在東京を中心に活躍する若手、ハニークッキーズの5曲入りデビューミニCDアルバム。
|
|
●RCSI-1009 マロ・カワバタ『Rippling Water』CD \2,572-(本体\2,450-)
米国ブルーグラス界で活躍をつづけるマロ・カワバ タの最新第2作である。前作『Carolina Blue』(CCCD-0186 \2,573-)から7年、3度におよぶ大手術を乗り越えてなお、ブルーグラスに夢をかけるマロの気持ち が見事に反映されたすばらしいトラッドグラス作品に仕上がっている。マイク・コンプトン(m)、ロン・スチュ ワート(f)、ロブ・アイクス(d)、ロバート・ゲートリー(bs)という申し分ないバックと、プロデューサーでも ありハーモニー・ボーカルも担当したキース・リトル…、さすがキース、見事に趣味の良いトラッドグラスに まとめ上げている。ローズ・マドックスの名曲や、クリフ・ウォルドロンの懐かしい"By the River"、日本人には馴染みの「寂しい草原に埋めないで」等に、 カーター・ファミリーやレスター・フラット名曲など、聴きやすい作品に仕上げている。
|
|
●RMA-0704 マエドリン・カフェ『cafe "bluegrass』CD\1,500-(本体\1,429-)
広島〜関西にかけて活躍する前田宏樹と秋山龍哉の 若手ブルーグラス・デュオ「maEdolin Cafe」。若者らしい覇気と指離れの良さから生まれるクリアーなマン ドリンとフラットピッキン・ギターで、ふたりのオリジナル・インスト2曲とジミー・ロジャーズやレスター・ フラット、そして吉津正司の18番などのボーカルもの、ジェリー・リビングストーンのジャズ小品、そしてスタ ンダードのスロー・ゴスペル・インストからビル・モンローでしめる全8曲、若者らしい向こう見ずな突込み がすばらしい!! 同時に若さに似合わぬ渋さも聴かせ、ブルーグラスにのめり込んださまが感じられる。日本のブルーグラスも大丈夫だぞ!! 若者たちを激励しよう!
|
|
●HAPPY-0616 ふたり乗り『パッチラバー』CD\2,000-(本体\1,905-)
Dear My Sir/放課後/吾輩は猫なのか/林檎の森 他10曲
サラとツバサ、マンドリンとベースというユニーク な女性デュオの第2作は、はっぴぃえんどの鈴木茂プロデュース。ブッシュ・チョップを響かせながら、ソ ウルやドゥーワップが好きだという若い女の子ふたりが瑞々しい感覚で聴かせるワン&オンリーな世界。京 都の大谷大学アメ民で結成されたフォーリップス(ムーンシャイナー誌2004年7月号特集=MS-2109 \525-)から誕生したふたり乗りの特集はムーンシャイナー誌2006年1月号(MS-2303 \525-)。日本でも元気な若者ブルーグラス…!!
|
|
●MW-001 G-ON!『Club Cat』CD\2,940-(本体\2,800-)
Brown County Breakdown/Tall Pines/Pain in My Heart/It's Mighty Dirk to Travel/Rain Please Go Away/Panhandle Country/Can't You Hear Me Callin' 他全13曲
東京周辺の、いわゆる関東ブルーグラスを見事に集約した秀作『ジー・オン!』が遂に発表である。関西出身で横浜在住のフィドラー、祇園隆司が中心となり、岸本一遥(=勇人)と茂泉次郎とのトリプル・フィドルを軸に、ビル・モンローと彼のフィドラー達が完成させたブルーグラスの様式美のあるパターンを徹底的に追求した結果が、見事なサウンドに結実している。トリプル・フィドル(バイオリン3台によるハーモニー)は1950年代に完成されたものの、ここに表現されているのは1970年代、モンロー・サウンドが究極の完成を見た頃の手法だ。恐らく祇園のアイドルでもあろうケニー・ベイカーとバディー・スパイカーらの発想法やセンスを下敷きに、イントロや間奏はもちろん、フィドラーならではのバックアップ等々、あるスタイルにおけるブルーグラス・フィドルの美学が凝縮されている。バンジョーの増田 浩(2曲で有田純弘)とマンドリンの竹内信次(2曲でサンディー・ロスマン)らの意表を突くアイデアや、小島慎司のドブロとジョン藤村のベース、そしてベテラン・ボーカリスト達、笹部益生、柳沢光昭、奥沢明雄の3人3様の味わい深いボーカル。制作に10年がかかったという本作、かかわったミュージシャン達には様々な思いがあろうが、聴く者にとっては誠に見事な、関東ブルーグラスの90年代を的確に捉えた傑作である。
|
|
●LDM-0201 TEQUILA CIRCUIT CD\2,625- (本体\2,500-)
Long Way You Run/Jamaica Say You Will/Streets of Laredo/Deep River Blues/Vamp in the Middle/Wild Horses/Norwegian Wood/Every Woman/Reason To Believe/Warasiti/San Diego Serenade/Streets of London/Ophelia/We Just Disagree/Rosie.
東京のブルーグラス界から生まれた3人のギタリスト、シメ、西海、奥沢が自分達のルーツにある上記、70年代のアメリカン・ミュージックの有名曲をカバーする。トラッド、ジョン・ハートフォード、トム・ウエイツ、デイブ・メイソン、ミック・ジャガーからビートルズ等々、ブルーグラス、フォーク、カントリー、ロックの壁を越えた名曲の数々を見事な原語で聴かせる。シメのボーカルを中心に、奥沢のギターとマンドリンとハーモニー、そしてプロデューサーでもある西海がギター、マンドリン、バンジョー、ドブロとハーモニーを担当するきわめてシンプルでアコースティックな作品に仕上げている。彼等と同じ音楽体験をしてきた人達も今や40代。しかし、そんな人達が日本の音楽文化を担ってきて、現在も創り続けている。そんな人達の気分を代弁するような、肩の力を抜いて、「好きなものは好き」と言える、スタンスが気持ちいい。3人とも、現在も日本のポップ音楽界の最先端で活躍を続けている、その確かな技術に裏打ちされたとても暖かなアコースティック音楽だ。
|
|
●BIT-0101 TEQUILA CIRCUIT『Hello, Old Friend』CD \2,500-(本体\2,381-)
Love the One You're With/Mansion on the Hill/Catfish John/In Tall Buildings/Ob La Di Ob La Da/はこぶねの唄/Small Town Talk/Water Is Wide 他全15曲
シメ、西海孝、奥沢明雄のアコースティック・トリ オ、テキーラ・サーキットの最新第3作。ブルーグラス出身ながら、フォーク、カントリー、ロックなど、さ まざまな分野でプロとして活躍する3人、BMGからソロ・アルバムもリリースしたシメ(中嶋栄男)のすば らしいボーカルを中心に、70年代のウェストコースト・サウンドを思わせる美しいハーモニーと、西海と奥沢 のすばらしいギター(バンジョーとマンドリンも数曲)で聴かせる名曲のカバー集。シメと奥沢のオリジナル とインストが各1曲も含んで、70年代にアメリカン・ミュージックに親しんだ世代には懐かしく、心癒され るアルバムだろう。
|
|
●LBCO-01006 想ワレ『想われ』CD\1,500-(本体\1,429-)
I'm Yours/願い/ぴんく/憧れ/時代を乗せて/あなたと私/神様からの贈り物/ケロケロソング. 全8曲
関西を中心に活躍するフォーク・デュオ、上田えみこ(g)と吉本ちえ実(autoharp,perc)の「想ワレ」の3枚目に当たる最新作。22歳というふたりの若い女の子の感性で素直に書かれた詞と曲、それぞれに、吉崎ひろしや北村謙のバンジョー、宮崎勝之のマンドリン、水谷 裕のフィドル、今井達也のベース他ブルーグラス人脈や、古橋一晃のエレキギター、松井正樹や中尾 唱のキーボード、そして田中良太のパーカッションに井上哲也のエレベを従えた作品。
なお、本作『想われ』と同時発売でふたりだけで録音した『想い』(LBCO-01005 CD\1,500-)も在庫している。
|
|
●STCD-003 サザン・トレイン『ファースト・アルバム』CD\1,800-(本体\1,714-)
Goin' Down This Road Feelin' Bad(Lonesome Road Blues)/Walk Right In/Freight Train/Can't Help Myself/I Am a Pilgrim/Down by the Riverside 他全12曲
大阪のブルースグラス・バンド、サザントレインの1987年発 表のデビュー作がCD化された。ブルーグラスという共通のノウハウを持った、村上透(m)、中井均(g)、渥 美博也(bs)、長谷川光(bj)が、ブルーズの名曲カバーに挑んだ意欲作。アグレッシブなマンドリン、バン ジョー(スライドも含む)、ギターの間奏に囲まれて村上と中井のブルース・ボーカル、ハーモニーが 生き生きとしている。マンドリンのクロスピッキンを効果的に使った"Sloopy Drunk"や、ハードコア・ブルーグラスを意識しながらジャズグラスになってしま う"C'mon if You're Comin`"他、スライド・バンジョーやゲストのハーモニカを効果的に配した作品な ど、「ブルーズグラス」と呼ぶにふさわしいアグレッシヴな出来だ。
|
|
●STCD-004 島村俊樹&村上 透『部屋のあかり; Fiddle Tunes and Songs』CD\1,575-(本体\1,500-)
Goin' Down This Road Feelin' Bad/Durang's Hornpipe/部屋のあかり/Forked Deer/夜行特急 他全8曲
大阪の南部でブルーグラスからはじまり、ブルース やオールドタイムへと世界を広げていったふたり、マンドリン/ギターで独自のブルースグラスを標榜する 村上と、ケニー・ベイカーからオールドタイム・フィドルの魅力に取りつかれた島村がコンビを組んだフィド ル・チューンとオリジナル曲を収めたミニ・アルバム。有名トラッドのボーカルものから入り、クロウハン マー・バンジョーの福田淳一郎と島村のフィドル&バンジョー、フレッド・コッカラムやエド・ヘイリーらの フィドル・チューンではギターとバンジョを聴かせ、そしてカーター・ファミリー調とブルース/ラグタイム 調の村上のオリジナル2曲、そして最後にゲスト福田のソロ・バンジョーで〆る。アパラチアのルーツ音楽が 日本にも確実に根を下ろしていることが分かる、すばらしい作品だ。
|
|
●DMD-1015 森繁 昇『陽が昇るまでに』CD\2,573-(本体\2,450-)
神戸の元ロストシティ・キャッツのフィドラー「森繁昇物語」の連載が2012年3月号からはじまり、8月号で「ナッシュビル」到着。1973年にキャッツの一員として渡米、そのまま残留しスコッティ・ストーンマン亡き後のストーンマン・ファミリーをはじめ、1975年にはブルー・フィールドというニューグラスバンドを結成、メジャーデビューも経験している森繁、クリスチャンとなって以来1984年から伝道アルバムを発表している。15作目となるこの最新作は、ドブロに「アンドレ」佐藤博之、マンドリンに宮崎勝之、バンジョーに吉崎ひろし、ベースに田中久之らを迎え、自身も久々にフィドルを手にしてブルーグラスを意識した作品に創り上げた日本語ブルーグラス・ゴスペル。歌の上手さ、オリジナルの出来栄え、そしてアレンジなど、どれをとっても見事なメッセージを持ったすばらしい音楽作品。
|
|
●CH-001 チーフ井上とフォークゲリラボーイズ『100万回愛してる!!』\CD\2,499-(本体\2,380-)
心の宇宙/Can't You Hear Me Callin'?/セイクレット・ソング/High Lonesome Talking Beat/Blue Moon of Kentucky/White House Blues/Yeah!マスター/みんな地下鉄みたいだ 他全10曲
昨夏の箱根フェスでチーフ井上が唄った「どこへ行くブルーグラス」(本作には未収録)は多くのベテラン・ブルーグラッサーを唸らせた。それは日本語ながら、彼の歌唱力はもちろん、ブルーグラスへの愛情と同時にそのスタンスを見事に語り切ったその構成力に、「マイッタ」のであろう。ムーンシャイナー誌1月号(\500-)で彼が語っている様に、ブルーグラスとは無縁でフォーク、しかも日本のフォークを標榜していた彼が、バイト先の銀座ロッキートップで出会ったブルーグラス。その解釈と融合の過程が語られていたインタビューで明らかな様に、チーフ井上はナターシャ・セブンを通らずに「日本語のブルーグラス」を平気で創りはじめている。日本のブルーグラスにとって長年に渡る課題でもある「日本語とブルーグラス」は、単に音楽的な課題である。誰がいい曲を創り、うまく演じるのかが問題であり、もちろん、それがいいブルーグラスか否かは、彼らにとっても、我々にとっても重要ではない。ここにはモンロー曲の新解釈と同時にオリジナルが、チーフ井上の解釈によるハイロンサム・フィーリングで収められている。実際はライブでこそ本領が発揮できるのであろう「イキのいい若手」ピッカー達、越田久崇(bj)、南 三朗(g)、石埜裕幸(bs)、そして山崎規夫(f)がチーフをサポートする。ちなみに2月、関西ツアーを予定している。関東方面で話題の新しいタイプの日本語ブルーグラス・バンドの登場である。
|
|
●PET-001プッチ・MON『Many Happy Returns』CD\2,000-(本体CD\1,905-)
岡山を本拠に活躍を続けるプッチ・モンのデビューCDである。大学時代に知り合った磯山隆史(bj,d,g)&好美(g)夫婦に娘さん、ヒロミを中心に、関ともみのハーモニー・ボーカルと城幸輔のベースという5人組。録音を含めて技術的には、まだまだ不満な点もあるだろうが、ア・カペラの"Angel Band"から、娘さんのノビノビとしたボーカルにリードされるように、自分たちの好きな曲を英語ながら丁寧に、心を込めて演奏している様子が伝わり、全国でブルーグラスを生活の一部にしている人たちに、勇気を与えてくれる作品だ。1枚目から音楽的にも完璧なものを作ることの難しさは、やってみた者でないと分からない。ぜひ、2枚目、3枚目…と継続して活動してもらいたい。ファミリーでブルーグラスをやる…、なんて素晴らしいことだろう。
|
|
●GVAB-001 GREEN VALLEY ACOUSTIC BAND『Ripe in Bluegrass』CD\2,000-(本体\1,905-、歌詞付)
Little Mountain Church House/I'm Using My Bible for a Roadmap/Old Home Place/Little Cabin Home on the Hill/Bury Me Beneath the Willow 他全10曲
1960年代の中頃に関西で活躍した、ボーカル&ギターの浜田昇(元大阪市大グリーン・マウンテン・トッ プス)と、フィドルの平地澄彦(元ロッコー・マウンテン・ボーイズ)を中心に、1970年代以降にそれぞれ学 生ブルーグラスで活躍した3人、ハーモニーとマンドリンに平地千鶴子、バンジョーの西村和志(追手門学院 大ブルーグラス)、ハーモニーとベースに日高真吾(元大阪市大)で結成されたグリーン・バレイ・アコース ティック・バンドのデビュー作。帯コピーに曰く、「これが大人のブルーグラスだ」とあるように、選曲、アレ ンジともに丁寧に作られており、各人の安定した力量がバランスよく聴ける。60年代から活躍するベテラン らしい落ち着いた癒し系ブルーグラスである。…1960年代、日本ブルーグラスの第一世代からの、嬉しいブ ルーグラス・アルバムだ。
|
|
●KONCDR-006 ストーヴ『The Bluegrass Band of Hokkaido, Japan』CD-R\1,000-(本体\952-)
俺はくわがた虫だ/山川草木/通り過ぎる街/花/森のワルツ/ウィスキー・ソング/墓に盆花 他全13曲
ムーンシャイナー7月号で特集された北海道のブルーグラス・バンド、デビュー作。全員がブルーグラ ス・ノウハウをマスターしたベテラン・ピッカーたちが、ギター&ボーカルの中原直彦の書いた日本語のオ リジナル(ハンク・ウィリアムズ「We Live in Two Different Worlds」、喜納昌吉「花」、トム・パクストン「Ramblin' Boy」を除く)をストレート・ブルーグラスする。ハード・トゥ・ファインドのハンマーダルシ マ奏者としても知られる小松崎健(bj,bv)、金一 健(m,tv)、広吉直樹(f)、大沼 元(bs)。ふるさとの自 然や日々の思いがストレートに伝わる自然な詩作とカーター・ファミリー(アパラチア)伝統をベースにし たメロディーにときおりブルーヨーデルを加えるなど、ブルーグラスへの知識と愛情にベテランらしい工夫を 加えた中原のアイデアは見事だ。ブルーグラス・ワルツ曲などは特にいい。
|
|
●ADR-1707 グリーン・マウンテン・ボーイズ『春来れば』CD\1,999-(本体\1,904-)
君を待っている/帰ろう、ふるさとへ/小さな教会堂/バラの花の下で/悲しい別れ/愛しい人 他全10曲
兵庫県の真ん中あたり、かつては鉱山で知られた生野町を本拠に35年間、高石ともやとナターシャセブンの伝統を継承し、活躍をつづけているブルーグラス・バ
ンド、グリーン・マウンテン・ボーイズ初のCDアルバム。タイトル曲は"Little Annie"ほか、"Life's
Like a Mountain Railroad"、"Little Mountain Church"、"Will
the Roses Bloom"、"Little Darling Pal of Mine"など、カーター・ファミリーやブルーグラス曲、またジョッシュ大塚の"Bring
Me Back to My Home"などの日本語訳詞、そしてオリジナルの「悲しい別れ」、全曲を橋本隆司(g,autoharp)の詩(1
曲のみ高石ともや補作詞)で、松本博(m,g)、小島公明(bs)、奥野康弘(bj,g)、橋本ひとみ(v)のメンバーに、 足立安弘(harmonica)、橋本久男(autoharp)、高石とし子(v)らがゲスト参加。ブルーグラス編成ながら日本
語詩のメッセージに力点を置いた丁寧な音作りで、35年にわたる生活を歌い込んでいる。ムーンシャイナー 誌11月号で特集。
|
|
●RC-119 宮崎勝之『Mandoscape』CD\2,573-(本体\2,450-)
HIDIN’ IN THE BUSH . STRAY KAT.DANCE OF THE CRICKET . FIRST DAY OF JUNE.NEW WORLD . GO HITHER TO GO YONDER.BE GOOD FOR PAIN . BUTTERBUR SPROUT . FORKED DEER . PECAN GROVE
マンドリニスト、宮崎の第2作はデビッド・グリア 制作のナッシュビル録音。デビッド(g)の他、オウブリー・ヘイニー(f)、スコット・ベスタル(bj)、そして ビクター・クラウス(bs)といったナッシュビルのトップ・ミュージシャンをバックに、1曲目のホットな早 弾きから、日本的な情感を漂わせるメロディーや、トラッドなフィドル・チューンを思わせる曲など、2曲 のカバー(モンロー曲とトラッド)を除いて8曲のオリジナルを、宮崎ならではのシュアーなピッキングで 聴かせる。高田渡がライナーで書いているように、「宮崎さんの音にはやさしさ」があるとは、いい得て妙だ。 アタックの強いブルーグラス奏法なのに、どこか日本的情緒に通じる繊細さが宮崎の持ち味だと思う。縦横 無尽のグリアー・ギターに、超売れっ子フィドラー・ヘイニー、ベラ・フレックに迫るスコット・ベスタル、そ してアリソンの弟でビル・フリーゼルとの前衛ジャズからライル・ラベットのビッグバンドまでをこなすビ クター・クラウス、申し分ないバック・バンドが宮崎の情感にどう応えるか、そんな興味も一杯だ。
|
|
●RC-118 THE MITSUYA CLAN 三津谷組『Y'all come an' see us, y'hear! まいど、おおきに』CD\2,573-(本体\2,450-)
Cotton Eyed Joe/Bicycle Built for Two/Cluck Old Hen/Julie's Waltz/When the Train Comes Along/Keep My Skillet Good'n Greasy/The Big Scioty/Stories the Crow Told Me/Kitten on the Keys/Little Rabbit Where's Your Mammy?/Midnight on the Water/Go Long Mule.
1970年代前半に関西地区を中心に大活躍した名バンド、ロッコー・マウンテン・ボーイズのバンジョー 奏者として知られる三津谷昌嘉(ドン・レノに影響され、洗練されたジャズやポップも熟すスリーフィン ガー・バンジョー奏者として高い評価を持つ)。彼の ミュージシャンとしての幅広い感性が見事に結実したこの作品は、彼(マサ)の家族=チーコ夫人、タッキー、 リノ=を中心に、子供たちの友人である渡辺ヒサシと親たちの友人の細谷ヒロシを加えた6人組によるオー ルドタイム・ストリングバンド。もちろんイキなバンド名は、三津谷家のある全国的に知られる大阪ミナミを 意識したものだ。夫婦2人共にブルーグラス・バンジョー奏者でもある、マサの見事なクロウハンマー・バ ンジョー(中に彼らしいラグタイムを編曲したフィンガースタイルも聞き物!)と、チーコの元気ボーカルを 軸に、リノ(12才)の見事なオールドタイム・フィドル・グルーヴに乗って、タッキー(16才)のギターとヒサシ (16才)のマンドリンが的確なビートを刻んでいく。オールドタイム音楽の有名曲を中心に、この音楽の最 も重要な意義でもある、あくまでも「家族」の「手作り」 の「親から子へ」と伝えられる音楽を「楽しく」、そして「明るく」演じてくれる。
|
|
●YS-001 山本さとし『From Dawn Till Dark』CD-R \1,575-(本体\1,500-)
Boobaby's Lullaby/Down by the Sally Gardens/Apples in Winter-O'Mahony's-Kesh Jig 他8曲
神戸大学ブルーグラスでパイパマンなどでフィドラーとして活躍した山本智史君、卒 業の記念で発表したケルティック・フィドル集。大学でブルーグラスを弾きはじめ、もっとも難易度
の高いフィドルと格闘しながらここまでやってきた山本クン、エライッ!! 大坪ヨウスケのギター に、自身のマンドリンとMIDIプログラムで、アイリッシュの定番から、ボブ・ウィルスの"Faded
Love"、そしてオリジナルのタイトル曲まで、フィドラーらしく、なかなかのロマンチストな!?選曲 である。こうして人生の区切りにCDアルバムを発表するのは、素晴らしいことだ。願わくば今後の
長い人生にもフィドルを友にしてもらいたいものだ…。応援しよう!!
|
|
●MR-1290 LEONA『A New Peace Within』CD\2,573-(本体\2,450-)
Little Cabin Home on the Hill/Close By/Cherokee Shuffle/Roly Poly/Soldier's Joy 他全12曲
2009年にETSU(東テネシー州立大学)を卒業した徳武レオナのデビューCDアルバム。テネシーに住んで6年、「ようやく念願のアルバムを完成させることができました。『ありのままの私』の音楽をお届けいたします」と、レオナがライナーに書いているように、自分の周囲の仲間たちとのさまざまな思いを形にしたもので、フィドルのオリジナル・インストが3曲、夫でもあるバンジョー奏者、J.P.マシスとのオリジナル・ボーカル曲が3曲、そしてモンロー/フラット/スタンレーのスタンダードにトラッドフィドルチューンが2曲に、レオナの18番"Roly Poly"の全12曲。J.P.のパワー・バンジョーと、ジョン・スーツまたはアーロン・ジャクソンのギターとマンドリン、ボビー・オズボーンJr.のベースに、さすが大人の音を聴かせるレオナのお父さん、ドクターKこと徳武弘文が3曲でゲスト。デビューアルバムらしい、ちょっと硬さはあるけれど、生まれも育ちも東京のお嬢さんがアパラチアで6年間、頑張った「ありのまま」が収められている。
|
|
●PF-071 PADDY FIELD CD\2,000(本体\1,905-)
中原清隆のマンドリンを中心に来田千佐登のフルー ト、げんさんのギター、今村将のベース、高賀忍のパーカッションの5人組による大阪のドーグ系アコース ティック・スウィング、バディー・フィールドを特集。 彼らのデビュー作は、中原とげんさんのオリジナルが各7曲と5曲、ドーグ手法をベースにジャズ/ブルー グラス/カリプソ/ボサノバ/ニューエイジからカートゥーンっぽいクスグリ物等々、…実に自由に好きな ものを組み合わせて自分たちの音楽を創っている。その闊達さが成功しているのだろう、完成度の高い楽し いドーグ/アコースティック作品に仕上がっている。
|
|
●RCSI-1057 THE OZAKI BROTHERS『Till We Meet Again』CD\2,573-(本体\2,450-)
You Left Me to Cry/What a Friend We Have in Jesus/It May Be Silly/When I Stop Dreamin'/Tennessee Border/My Old Ky Home/Remember Me 他全13曲
日本ブルーグラスのパイオニア、尾崎恭(80)のギターと尾崎恒(78)のマンドリンによる見事な、そして初デビューのブラザーデュオ作品だ。失礼ながら、とてもお年とは思えない、かくしゃくとしたボーカルとハーモニー(この丁寧な歌い方は学ぶべし!)、そしてあまりにもすばらしいマンドリンとおふたりのリズム感。バックアップ陣にはクリス・シャープ(g)とジョージ・バックナー(bj)にケビン・カーバーグ(bs)という2008年来日組に、マット・コム(f)と小島慎司(d)が、いまどきのドライブとは違うヒルビリーなビートを刻む中、趣味のいい演奏を聴かせ、笹部益夫と坂本愛江がハーモニーサポートする。
|
|
●SYOBI-0001 RALPHLS『First』CD\1,260(本体\1,200-)
Choo Choo Comin'/Big Tilda/Bound To Ride/Hard Times/Cluck Old Hen.
宝塚フェスでのアンコール・バンドの一つ、そして箱根フェス恒例の人気投票第1位獲得バンド『ラルフルズ』のデビューCDである。バンド名と収録曲からお気付きのように、ラルフ・スタンレーのバンジョーに惚れ込んだ2人、小杉春海と木村達弥に、ベースの三上保というトリオ。この「無謀」なツイン・バンジョーとベースだけというコンセプトが新鮮な驚きをもたらしてくれる。そう、ブルーグラスとは、かくも「抑え難い衝動」なのだ。全曲が2分以内という短さだが、彼らの衝動がストレートに伝わる力強い、そして「コスギ」らしく完全燃焼した作品だ。ブルーグラスとその仲間を愛するバンジョー・ピッカー2人が到達した素晴らしい境地を覗いてみませんか?
|