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B.O.M.Newsletter #400web
 2014年2月11日
 
☆☆ ドック・ワトソンの未発表音源+豪華ブックレット予約受付中]
                                    2月末締め切り

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 INDEX
 
今月の特選作品 
新入荷ダイジェスト 
  ■ブルーグラス新入荷
■カントリー新入荷
■映像モノ新入荷
 
最近作/お勧め作、再入荷ダイジェスト 
  ■月刊ムーンシャイナー特集/関連作品
■特集:知っておきたい#7
■ムーンシャイナー1月号レビュー紹介作品
■ブルーグラス最近作/お勧め作
■女性ボーカル最近作/お勧め作
■インスト系最近作/お勧め作
■オールドタイム/フォーク最近作/お勧め作
■カントリー最近作/お勧め作
■発掘/編集、名盤/名演など……
■映像もの最近作/お勧め作
■日本人モノ最近作/お勧め作
■そのほか……
楽器関連作品 
  ■ギター
■バンジョー
■マンドリン
■フィドル
■ドブロ 
輸入雑誌 
  ■フラットピッキン・ギター誌
■バンジョー・ニューズレター誌
■ブルーグラス・アンリミテッド誌
■オールドタイム・ヘラルド誌
月刊『ムーンシャイナー』 
B.O.M.厳選、詳細解説コーナー! 
  ■ブルーグラス
■カントリー
B.O.M.ご利用方法 


   2014年もあれよあれよという間に1ヶ月半が過ぎていきます。一刻一刻、日々、毎日を充実して過ごしたいと思いつつ、時間は飛んでいきます。

 ニューズレターが400号です。配信、……というか、ガリ版刷りで書きはじめたのが、ブルーグラス45の米国ツアーを終えて帰国してからだから、1971年だっけ? そのときから、毎月真面目に出していれば、もう500号になんなんとしているはずだ。1983年にはじめたムーンシャイナーが今月で364号なのだから、今月のレターが400号というのは、いかに若い頃にサボっていたのか……正直、そんな真面目に出すよりも、サボりながらエーカゲンになってしまうことこそ、わたしの音楽観のキモ。

 芸術音楽(ものすごい技術)や大衆音楽(ものすごい共感)とはまったく別感覚の民衆音楽(ものすごい生活感)、つまり権威や商売とは一線を画す自分の意識だけが頼りの音楽、そんな中で時間が止まればなんて幸せなんでしょう……!?

 ……少なくとも、いい音楽と一緒にいるときだけは、「時間よー止まれ!」といきたいものです。みなさん、いい音楽と一緒にいますか? ……今年もできれば、そのお手伝いをさせて下さいネ。

 2014年4月1日から消費税が増税されます。本体価格の変更予定は致しておりませんが増税分は我々も、またお客様にも負担をお願いせねばなりません。4月1日出荷分より新税率にてのご請求となりますがご理解の程をお願いいたします。

◆月刊ブルーグラスジャーナル「ムーンシャイナー」
 創刊31年目、最新2月号(\525-)は、関東のバンド、ブルーサイド・オブ・ロンサム「in Oklahoma」のカバーストーリーほか、ノースカロライナってどんなとこ?「アール・スクラッグス生家訪問」、ジム・シューメイトとビル・モンローとアール・スクラッグスの出会い証言集、浪花米国南部系ルーツ音楽祭リポート、札幌ブルーグラス物語り#5「ニューグラスリバイバル来日」、ジュニア・シスクとジョー・マリンズの元ネタ集、丹沢サークル「ケンタッキー制覇ツアーリポート」A、日本ブルーグラス年表#72「1978-1979年」、大谷大学「名取綺更」ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
 月刊ムーンシャイナー定期購読は1年間(12冊)\6,000- 半年間(6冊)\3,300-。単冊\525-(送料\76-)。定期購読は購読開始希望月をお知らせくだされば早速お送りします!! また情報提供、そしてご自由なテーマでのご寄稿など……、なにとぞムーンシャイナーにご協力を、よろしくお願いします!
 また、4月からの消費税値上がりに伴い、4月1日以降のご契約(ご送金分)については年間契約\6,300-に、半年契約については\3,450-と致します。何卒ご理解のほど、よろしくお願いします。この機会に、ぜひ定期購読を、よろしくお願いします!

◆レッドクレイ・ホームレコーディング・スタジオ
 ビンテージマイクなどの機材と最新デジタル技術、そして40年のブルーグラスビジネスで集積したノウハウで創るレッドクレイ・ホームレコーディング・スタジオのサウンド、あなたやあなたのバンドの録音もいかがですか? 記念の録音からCD制作まで、ご遠慮なくお問い合わせください。

■全国イベント・カレンダー
 以下、ムーンシャイナー誌12月号に寄せられたイベントです(個別バンドのライブ=来日&国内ツアー/企画物以外=は誌面にて)。

◆やぎたこ
 ルーラル・アメリカンな男女オールドタイム・デュオ
2月15日(土)池袋、ポルカドッツ03-6666-2122
2月19日(水)東京、Woodstock Cafe(03-3233-8015)
2月22日(土)飯田、ふぉの0265-52-6459
3月1日(土)津山、たる0868-32-9322
3月2日(日)広島、ケンタウロス幟町店082-221-7330
3月21日(金)伊万里、A-TRAIN
3月22日(土)長崎、ワインバー田舎095-823-9938
3月29日(土)東京大森、風に吹かれて03-3763-6555
3月30日(日)富士、EN(0545-71-9048)
総合 (問)yanagi_yagitako@yahoo.co.jp

◆2月15日(土)東京「レッド・ジンジャー/グリーン・ライト・リズム/りっきー&ふぁにー・ぼーいず」銀座、ロッキー・トップ03-3571-1955

◆2月15日(土)奈良「第10回奈良ブルーグラス・ナイト」橿原、music cafe Anges(0744-35-4018)。第10回記念ゲスト:BGIM(ブルーグラス有識者会議)。(問)塩田js3ohh@mahoroba.ne.jp

◆2月22日(土)愛媛「シャギーマウンテンボーイズ」西条市、ホテルユニバース(0898-64-3100)。6時半、食事とライブ\4,000-

◆2月27日(木)愛媛「松山ブルーグラス会」松山市一番町、Y's Cafe(ワイズカフェ、089-933-5075)

◆3月1日(土)愛知「ブルーグラスミーティング2014春」北名古屋市総合福祉センター内もえの丘。14時、無料。地元社会人や名大若手など多数出演(問)オールザットグラスhttp://homepage1.nifty.com/allthatgrass/

◆3月1日(土)兵庫「第55回三田ブルーグラスナイト」三田市中町 Key Largo (079-562-6080)、19:30〜

★日米共通のブルーグラスコミュニティを元気にする標語は、「Buy Studio Releases! ...and Go to Live Shows!!」。……日本の所得税を払わない米国籍企業より、所得税を払いたいッ!ムーンシャイナーに広告出向している日本ブルーグラス企業たちのサポートをよろしく、ね!!
 今月の特選作品
 (今、スタッフ一押し話題作ダイジェスト)
  ROU-11622 TONY RICE『58957:The Bluegrass Guitar Collection』CD\2,573-(本体\2,450-)

昨秋、IBMA(国際ブルーグラス音楽協会)から、名誉の殿堂入りをしたフラットピッキンギターの世界を変えたトニー・ライス、自身のギターのシリアルナンバー(前のオーナーはクラレンス・ホワイト)を冠した2003年発売のブルーグラスフラットピッキン21曲集。ムーンシャイナー11月号で詳報された奇跡のスピーチ――19年間失っていた昔の声を取り戻す瞬間――が大きな感動を呼んだのもつかの間、12月に発表され同1月号と2月号で報じられた上腕骨外側上顆(テニス肘)のため、ギターを弾けなくなったことによる信じられない米国トッププレイヤーの「生活苦」から基金の創設という事実。……ネット社会であらゆるものが、例えばトニーの録音が、手軽に手に入ることの副作用で、メジャーではない音楽が被る被害の典型とも言える悲劇であろうか? 社会の真実/本質を理解するブルーグラスコミュニティであって欲しいと思う。
  GH-01 MULE PROJECT CD\2,625-(本体\2,500-)

Farther Along/Good-Bye Old Pal/In Despair/True Life Blues/California Is Nicer Than You/Why Do You Treat Me Like You Do/Yellow Moon/Wheel Hoss/It's Mighty Dark To Travel/Rocky Road Blues/Catch The Wind/Marmalade Sky/Follow The Trail/Toy Heart/Itsumademo/Farther Along. 15曲

 1998年、奥沢明雄(g)が中心となり、関東のブルーグラス・スーパーピッカー、西海孝(bj)、茂泉次郎(f)、海宝弘之(m)、林典明(bs)が集結、発表した唯一のアルバムである。ビル・モンロー曲を中心に、オリジナルも含め、トラッドとプログレを行き来しながら素晴らしいアレンジで聴かせ、米誌ブルーグラス・アンリミテッド誌でも絶賛された秀作である。制作者宅の押し入れ(!?)から発掘された残りわずか、日本ブルーグラス史に記憶される貴重盤である。売り切れ、ゴメン!!
 新入荷ダイジェスト
 (スタッフ強力お勧め作品の収録全曲目やアーティストの基本情報なども含む詳細解説はレターの最後尾「月刊ムーンシャイナー」誌紹介の後ろです)
 ■ブルーグラス新入荷
  BYGF-9122 V.A.『Herschel Sizemore: Mandolin in B, A Tribute to a Bluegrass Legend』DVD\2,888-(本体\2,750- 55分)

 1979年、デル・マッカーリー来日時のメンバーでの演奏とインタビューではじまる本編、ハーシャル・サイズモアという、ブルーリッジ地方のマンドリン界で圧倒的な影響力と支持を受けるミュージシャンズ・ミュージシャン。近年は「Key of B」のマンドリン名曲にしてジャムスタンダード“Rebecca”の作者として知られる彼がガン宣告を受けたため、2012年2月19日、仲間や彼を慕う若者たちが集まって開かれたベネフィットコンサートの模様と、彼の経歴や人となり、すなわちそのスムースさとトーンを紹介するビデオ。デル・マッカーリーやセルダム・シーン、ブッチ・ロビンスとジョン・ロウレス、ジョン・サミー・シーラーと旧ジョンソン・マウンテン・ボーイズなど、9セッションによる演奏9曲と、パンチブラザーズとしてコンサートに出演していたクリス・シーリーをはじめ、デビッド・グリスマン、J.D.クロウやドイル・ローソンらのインタビュー。DVDの売り上げはハーシャル・サイズモア名義でブルーグラス・トラストファンド(IBMAが創設した互助基金)に寄付される。ブルーグラス詳細説明参照。
  ACD-81 OLD & IN THE WAY『Live at the Bording House: Complete Shows』CD4枚組\5,775-(本体\5,500-)

 強烈お宝アルバムセット発売! バッサー・クレメンツ(f)、ジェリー・ガルシア(bj)、デビッド・グリスマン(m)、ジョン・カーン(bs)、ピーター・ローワン(g)によるオールド&イン・ザ・ウェイの1973年10月1日と8日の2日間、サンフランシスコのヒッピーのたまり場、ボーディングハウスでのライブ全55曲(未発表14テイクを含む)が完全に収録された決定盤。1975年発売時には全米総合アルバムチャート99位をヒット、そののちも2001年に700万枚を売った『オーブラザー』のサントラに抜かれるまで、デッドヘッズ(ヒッピーやヤッピー)たちを中心に売れつづけ、ブルーグラス/ニューグラスのもっとも売れたアルバム(現在廃盤)といわれた10月8日の10曲も、当然すべて含まれている。演奏もさることながら、その時代と存在自体がブルーグラス史上に大きな意味持つ、今や本質的なトラッドグラスバンドである。おっと、われらが小森谷巨匠の写真が素晴らしい!! 収録曲リストほか、詳細解説参照。
  REB-1850 RALPH STANLEY & RALPH STANLEY II『Side by Side』CD\2,573-(本体\2,450-)

 今や米国人間国宝ラルフ・スタンレー(87)、最新作は息子ラルフ二世との初めて名前を並べた素晴らしいコラボだ。一曲目のトラッド"Wild Bill Jones"ほか、カーターファミリーの"Darling Little Joe"、モンローとフラット&スクラッグスのオリジナルブルーグラスバンドも取り上げたアーネスト・タブの"Are You Waiting Just For Me"、スタンレーブラザーズ時代の名曲"A Little At A Time"や“Six Months Ain't Long”など、すばらしい選曲と演奏は揺るぎないスタンレーサウンドである。収録曲リストほか詳細解説参照。
  UM-07 RHONDA VINCENT『Only Me』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

 ブルーグラス・クィーンという称号にたがわぬ完璧なブルーグラスを聴かせる1枚目と、カントリーの2枚目の2枚組、各6曲全12曲ながら、くっきりと音楽意図を分けたロンダ・ビンセントの最新作。ブレント・バークの強烈ドブロほか、ジョッシュ・ウィリアムズとハンター・ベリー、アーロン・マクダリスら若手の強烈テクと完璧ハモに、なーんとウィリー・ネルソンがゲストのブルーグラス。一方、カントリーはむせぶスティールとフィドルなど邪魔をしないバックアップで“Once a Day”、“Beneath Still Waters”、“Bright Lights & Country Music”ほか、名曲カバー中心。彼女は、違う意見のようだけど……、明らかにバンドサウンドで出来上がるブルーグラスと、シンガーの歌唱力がすべてと言っていいカントリー、善し悪しではなく音楽の目的が違うことがよく分かる2枚組。もちろん、ともに完璧! ブルーグラス詳細解説参照
  MFR-130620 CHURCHMEN『Mercy Road』CD\2,573-(本体\2,450-)

In The Twinklin' Of An Eye/Bread & Water/One Hundered White Horses/Little White Church in the Valley/Vision of the Promised Land 他全12曲

 バージニア州コリンズビルを本拠にするブルーグラス・ゴスペルバンド、1994年のデビュー作以来すでに20年のキャリアを誇る、その名もチャーチメンの最新第7作。ドイル・ローソンとクイックシルバーが1980年代にあたらしいマーケットとして開拓したブルーグラスゴスペルは今や、サザンゴスペルの中にしっかりと位置を占めている。ブルーグラスアンサンブルの粋、典型的には5本の楽器と4声のハーモニー、つまりほぼ全員の能力がフル活動、バンジョー、マンドリン、ギター、ベースの4人組にロン・スチュワートをフィドルに迎えて、20年のキャリア通り安定したバンドアンサンブルを聴かせる。ベッキー・ビューラーの新曲をタイトルに、オリジナルを中心にスタンダード“Little White Church in the Valley”やスタンレーの“Vision of the Promised Land”など、ストレートブルーグラス。
  PATUX-247 FRANK WAKEFIELD & TAYLOR BAKER『& Friends』CD\2,573-(本体\2,450-)

 偉大なるマンドリン奏者フランク・ウェイクフィールド(79)の最新作は、まるで孫のようなテイラー・ベイカーとの心温まる上質な……つまり、優しくシンプルな音の会話するようなマンドリン好き=楽器好きにはたまらない秀作。そのゴツゴツとしたフランクの音楽魂が、フォスター“Beautiful Dreamer”や“My Old Kentucky Home”、フォーク“Red River Valley”や“Home Sweet Home”、フィドルチューン“Golden Slipper”や“Arkansas Traveler”ほか、「双頭の鷲」、「若き日のマギー」、「ビア樽ポルカ」、「赤い翼」ほか、超スタンダードなアメリカンメロディで、「音の本質」をさとすように聴かせてくれる秀作。詳細解説参照。
  RCSI-1102 IRENE KELLEY『Pennsylvania Coal』CD\2,573-(本体\2,450-)

 一曲目の出だし、このベースとバンジョーを聴いただけで、「ウッ!」と引っかけられてしまう素晴らしいサウンド、そしてクレア・リンチと同系のとてもやわらかなベルベットボイスのアイリーン・ケリー。「えっ?誰だって、バックは!?」……いや、ま、言っちゃえば当たり前なんですが、マーク・フェイン(bs)、ブライアン・サットン(g,bj)、ステュアート・ダンカン(f)、アダム・ステッフィ(m)、リン・ウィリアムズ(perc)が基本バンドだから、ネ。コーラス陣には、クレアのほか、ロンダ・ビンセント、デイルアン・ブラッドリー、トリーシャ・イヤーウッドほか有名男性陣。ブルーグラスベースのポップなアコースティックは、キャリアがありながら無名だが、子育てを終えて戻ってきたベテラン女性ブルーグラッサー、強力お勧めのメチャ素晴らしい秀作である。ブルーグラス詳細解説参照
  BCR-038 LARRY EFAW AND THE BLUEGRASS MOUNTAINEERS 『She Left Me Standing On A Mountain』CD\2,573-(本体\2,450-)

She Left Me Standing On a Mountain/Little Mountain Home/Eight Steps Toward the Lord/Let the Whole World Talk/The Beautiful Shore/Silver Bells/Our Darling's Gone/One Kiss Away from Loneliness/Waves On the Sea/Will He Wait a Little Longer/Give Me Time to Think It Over/Sea of Regret/Broken Heart and a Worried Mind/Don't You Call My Name/Old Brown County Barn. 15曲

 質実剛健、清く正しいトラッドグラスのあるべき姿……、と言いたげなオハイオのバンド、ラリー・イーファウと、その名もブルーグラス・マウンテニアーズ。ドライブのかかったギター&ベースのリズムに、硬質なバンジョーとマンドリンが主張し、その間をフィドルが縫っていく。上記スタンレーをメインに、カーターファミリーからモンロー、ジム&ジェシー、ブルーグラス・スタンダードと控え目な1/3のオリジナル。これこそ、ジョンソンマウンテンボーイズ以来、復活させようと多くのミュージシャンが取り組むトラッドグラスファンにお勧め、お山のブルーグラスなのじゃ……!! 
  PCR-6039 ROSE LEE & JOE MAPHIS WITH THE KENTUCKY COLONELS featuring CLARENCE WHITE CD\2,573-(本体\2,450-)

 まだ17歳のクラレンス・ホワイトが1962年1月に録音、同年10月に発表されたケンタッキーカーネルズが全編をバックアップするジョー&ローズリー・メイフィス超貴重LPの初CD化である。デビュー作『Bluegrass America』(M-109 \2,888-、62年9月録音63年10月発表)と同様、ローランド・ホワイトが兵役のために不参加でクラレンス・ホワイト、ビリー・レイ・レイザム、リロイ・マック、ロジャー・ブッシュのカーネルズに、ジェリー・サンダースのフィドル、ジョーはギターとバンジョー(おそらくオートハープとマンドリンも)を弾いている。折からのフォークブームを受けて作られたブルーグラス作品、「弦楽器の王様」とか「早弾き」で知られたジョー・メイフィス、彼の保護と推挙で世界を広げていったカーネルズとクラレンスにとって、またそのファンにとっては重要な作品である。3曲のボーナスと3分ほどのクラレンスがチラッと写る映像(コンピュータのみで再生可能)がオマケ。ブルーグラス詳細説明参照。
 ■カントリー新入荷
  CHROME5007 V.A.『Maverick Country』CD4枚組\4,463-(本体\4,250-)

 「一匹狼カントリー:本物カントリー集の決定盤」と題された、広義のカントリー音楽(オールドタイム/フォークソング/ブルーグラス/ロカビリー・ロックンロールなどを含む米国南部白人音楽全般)の歴史のはじまり……、ちょうど90年前の1924年から1950年代半ば――レコードとして全米で最初に認められ(ヒットし)た南部のフォークソングからロカビリーの生まれる直前まで――カントリー音楽がルーツ音楽としての側面である荒くて生々しい感情を強く保持していた時代――イギリス制作ならではのレーベルを越えた100曲+64頁冊子が見事である。「カーター・ファミリーやジミー・ロジャーズから、ハンク・ウィリアムズとボブ・ウィルスを経由してジョニー・キャッシュやパッツィ・クラインまで、これが本物のカントリー音楽である」とコピーに曰く。アーリーカントリーからクラシックカントリーの決定盤。収録曲リストほか、詳細解説参照。
 ■映像モノ新入荷
  KMA-0011D LOU REID & CAROLINA 『20th Anniversary Concert: Live at the Down Home』DVD\3,625-(本体\3.500-)

 セルダムシーンでは62歳という若さで早世したジョン・ダッフィ(1934-1996)のパートを完ぺきにこなすルー・リード。シーンと並行して活躍する彼自身のバンド、カロライナが20周年を記念して昨年発表したライブのDVD映像盤。キーof“B”のブルーグラス賛歌“Grass Lover”ではじまり、アカペラゴスペルからスタンレー、そして長いルーのキャリアで知られるヒット曲など、軽快/快調な標準5人編成のソリッドグラスのライブ。解説は次号にて……
  CCD-PW21 PORTER WAGONER SHOW『Vol. 21』DVD-R\2,573-(本体\2,450-、2時間以上収録)

 1960年から1981年まで、なんと686本の30分番組を残した「ポーター・ワゴナー・ショウ」、すでに紹介した20巻につづく第21巻から第24巻までの4巻(各6番組収録)が新発売となったので順次紹介しよう(在庫あり)。ショウ(正味約22分)はポーターのウェルカムソングからゲストの歌、ポーターのバンド、ワゴンマスターズのインスト(マック・メゲーヘのフィドル、ブルース・オズボーンのエレキら)、レギュラー女性シンガーの歌(前半は1974年までのドリー・パートン、後半3番組は1976年以降のリンダ・ムーア)、ポーターの歌、コメディ、ポーターのゴスペル歌、そしてゲストの歌で終わる。 第21巻の本作に登場するゲストは、グランパ・ジョーンズ、ダグ・カーショウ、ビル・フィリップス、ラリー・キングストン、サンディ・バーネット&ジャック・ケリー、リンダ・ネイルら。本作の目玉はやはり若き日のドリーが歌う1973年の“Jolene”とつづく“I Will Always Love You”(ともに1974年アルバム『Jolene』収録)など。楽器が大きな位置を占めるブルーグラスと違って、「歌とスター」が中心のカントリーゆえに、古さは否めないが、それだけノスタルジックで、1970年代はじめのアメリカの田舎エンタメが詰め込まれた映像集。お宝があちこちで見つかる(!?)旧譜20巻もお問い合わせください。
  CCD-WBS5 WIBURN BROTHERS SHOW『Vol. 5』DVD-R\2,573-(本体\2,450-、2時間以上収録)

 なんと!18歳のラリー・マクニーリーが登場という驚きの1966年12月の収録を含む1960〜70年代のカントリーTV番組シリーズ、ウィルバーン・ブラザーズがホストの番組、すでに紹介の4巻につづいて最新の第5巻が発売だ。デッカ/MCA系のアーティストを中心に1963年から1974年までの10年間に354本の30分番組を流した同シリーズを6番組ずつ収録する本作、毎回のレギュラーには女性シンガーにロレッタ・リン、コメディにバンジョー奏者のハロルド・モリソンらと、何よりもバディ・スパイカーのバックアップを含めた見事なフィドルが聴きモノ(ドン・ヘルムズとハル・ラグらのスティールギターも)の抜群のバックミュージシャン(ベースとソックリズムギターだけの趣味の良さ)が素晴らしい。そしてゲストにはオズボーン・ブラザーズ(1967年)ほか、ナット・スタッキー(66)、バーバラ・マンドレル(74)、デビー・ロリ・ケイ(66)、ロニー&ビッキー(67)、ジィミー・ライアン&ビリー・パーカー(69)。オズボーンズは“Roll Muddy River”と“Hey, Hey Bartender”。カントリー音楽が巨大産業になる直前、まだ「カントリー」だった時代のノスタルジーを堪能できる素晴らしいDVD映像シリーズ。お宝があちこちで見つかる(!?)旧譜4巻もお問い合わせください。
 最近作/お勧め作、再入荷ダイジェスト
 (すでに新入荷で紹介済の作品)
 ■月刊ムーンシャイナー特集/関連作品
 (最新2月号特集アーティストたちの作品です)
  BSOL-001 BLUESIDE OF LONESOME『Let Us Travel, Travel On』CD\1,000-(本体\952-)

 ムーンシャイナー最新2月号は現在の関東を代表するブルーグラスバンドのひとつ、ブルーサイド・オブ・ロンサムのカバーストーリー。本作は彼らが10月はじめの渡米に合わせて発表した6曲入りデビューミニアルバム。関東ブルーグラスの大ベテラン、笹部益生(g,v)、加藤保久(m,v)、早川流吉(bj,v)、手島昭英(bs)の4人に、若手フィドラー手島宏夢(f,v)が参加、ブラザーデュオ“Let Us Travel On”からブルーグラススタンダードのゴスペル“Cryin' Holy Unto The Lord”、そしてモンローインスト“Old Dangerfield”からジョン・ハートフォード“Steamboat Whistle Blues”まで、フレッシュなブルーグラスサウンドに、カントリーシンガー坂本愛江が加わり、オズボーンばりのカントリーアレンジ“Please Help Me I'm Falling”やハーモニー“Pathway Of Teardrops”など、飽きさせないレパートリー。このデビュー作でもそんな様々な切り口をショウケース風に聴かせてくれる。日本のベテランブルーグラッサー、ここにあり!というストレートなブルーグラス作品だ。
  SKY-001A 坂本愛江『Someday』\2,500-(本体\2,380-)

 そんなブルーサイドに参加しているカントリーシンガー、坂本愛江(よしえ)のデビューソロ(ムーンシャイナー誌2013年6月号特集)。クリス・シャープと笹部益夫のプロデュースによるデビュー作はストレートなカントリー/スタンダード作品。オウブリー・ヘイニーの抑制の効いたフィドルとスミス・カーリーのペダルスティールとドブロ、ガスリー・トラップのエレキギターとマンドリン、キーボード奏者デイン・ブライアント、そして生ベースの第一人者デニス・クロウチらが創る典型的なホンキートンクカントリーのサウンドをバックに、ストレートに歌いつづる。ゴスペル名曲“In the Garden”、ノーと言えるリベラルな南部女性ロレッタ・リンの“Blue Kentucky Girl”や“You Ain't Woman Enough”ほか、レイ・プライス“My Shoes Keep Walking Back to You”、ジョージ・ジョーンズ“If My Heart Had Windows”、バック・オウエンズ“Under Your Spell Again”などに、父、坂本孝明とのデュエット“We Must Have Been Out of Our Minds”(ジョージ・ジョーンズとメルバ・モンゴメリーより)、そして最後は明るいスタンダード“We'll Meet Again”で綴じるアルバム、気持ちのいいカントリー/スタンダード作品だ。
  DS-011 BYRON BERLINE『Thanks Bill Monroe』CD\2,573-(本体\2,450-)

Monroe Medley/Can't You Hear Me Callin/Old Dangerfield/Georgia Rose/You'll Find Her Name Written There/Bluegrass Breakdown/Blue Moon of Kentucky/Molly and Tenbrooks/Used To Be/Sweet Blue Eyed Darlin'/Lonesome Moonlight Waltz/Uncle Pen/Gold Rush/Rawhide.

 以上の全14曲、"Virginia Darlin'/Road to Columbus/I'm On My Way Back to the Old Home/"という同じコード進行のモンロー・メドレーではじまる、ブルーサイドを米国に迎えたバイロン・バーライン・バンド(BBB)によるビル・モンロー曲集。ウエストコーストのブルーグラスやカントリーロックをリードしてきたバイロン・バーラインの、フィドルにも表われるクリアなノリがモンローの毒気をサラッと流し、サンダンス色に染まる楽しい作品だ。自身のフィドルとマンドリンに、ジョン・ヒックマン(bj)、クラレンス系の趣味のいいジム・フィッシュ(g)、グレッグ・バージェス(g,f)、リチャード・シャープ(bs)といった現在のBBBを中心に、1985年のL.A.フィドル・バンド(ジョン・ヒックマンbj、ロジャー・リードg、スキップ・コノーバーd、デニス・フェチェットf、ドン・ウェーリーbs)のふたつのセッションに、デビッド・グリアを迎えた"Gold Rush"(アンコールとしてデビッドの父ラマーとのショートバージョン)と、バイロンが絶好調の"Rawhide"のライブが収められている。
  B000007002 FLATT & SCRUGGS『Complete Mercury Recordings』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ムーンシャイナー2月号でも1月号につづいて、昨秋亡くなったジム・シューメイトのフィドルに焦点を当てた「フォギーマウンテンフィドル」特集の2回目。歴史に残るのは天才的な2曲“We'll Meet Again Sweetheart”と“Cabin In Caroline”をフラット&スクラッグスの1948年、第1回録音で遺したジム。本作はその2曲をはじめ全28曲、フラット&スクラッグス初期マーキュリー録音のすべてである。ブルーグラスファンたるもの、ぜひ知っておきたいブルーグラス音楽の(あまりに演奏技術レベルが高いが)基本でもある。
  HER-651 JIM SHUMATE 『Collection Volume 1』CD\2,573-(本体\2,450-)

 上記、たった2曲だけを有名バンドに残して地元で家具セールスマンをまっとうした伝説的フィドラー、ジム・シューメイト。しかし、むかし取った杵柄、地元で演奏を続けていたという。そんな彼を1992年、ゲイラックスのレコード会社ヘリテイジが採算度外視で録音、そののち合計5本のカセットアルバムを発表、そこから24曲を選んで1999年に発表された作品がこれ。最初の92年録音時でも71歳、そのブルーグラス魂溢れんばかりの覇気は素晴らしいが技術的には衰えは仕方ない。それでも、フィドルチューン19曲、歌物5曲からは、アーサー・スミス伝来のブルージーな左指の表現と弓さばきからブルーグラスフィドルが生まれていく過程を垣間見る気がする。ブルーグラスの歴史に敬意を表したい。
  CO-3526 FIDDLIN' ARTHUR SMITH & HIS DIXIELINERS CD\2,573-(本体\2,450-)

 ジム・シューメイトが説くブルーグラスフィドルの素、フィドル奏者必聴、ナッシュビル・フィドルの基礎を創った偉大なフィドラー、アーサー・スミス。1937年から40年の録音。バックアップにはビル・モンローのブルー・グラス・ボーイズ(ビルはいない)やデルモア・ブラザーズら。
  ACU-RS3 RON STEWART『The Fiddlers of Flatt & Scruggs』DVD教則\5,198-(本体\4,950-、67分、楽譜付)

The Girl I Love Don't Pay Me No Mind/We'll Meet Again Sweetheart/My Cabin in Carolina/No Mother or Dad/Why Don't You Tell Me So/Earl's Breakdown/Thinking About You/Honey You Don't Know My Mind/Foggy Mountain Special/Let Those rown Eyes Smile at Me/Shuckin' the Corn.

 ジミー・シューメイトの"We'll Meet Again Sweet Heart"(key of B)の完全コピーをはじめ、ムーンシャイナー1〜2月号特集「フォギーマウンテンフィドル」の系譜やもうひとりの特集ポール・ウォーレンなど、お馴染の録音でいかにフィドルが弾かれていたか、現在に至るブルーグラス・フィドル奏法の一翼を担った歴代フラット&スクラッグスのフィドラーたちのすばらしいイントロや間奏の数々をロン・スチュワートが、手取り足取り教えてくれる中級者以上向け教則ビデオ。シビアなフィドラー、必見ビデオ!
 ■特集:知っておきたい#7
  「ジュニア・シスクとジョー・マリンズ共演作『Hall of Fame Bluegrass!』元ネタを訪ねて」
  REB-1854 JUNIOR SISK & JOE MULLINS『Hall of Fame Bluegrass!』CD\2,573-(本体\2,450-)

 2月号の「知っておきたいシリーズ」は、話題のトラッドグラス作品、ボーカルとギターのジュニア・シスクとテナーとバンジョーのジョー・マリンズ共演作でカバーした曲の出自を追った「温故知新」特集。オズボーンとレッド・アレンの1曲目から、マック・ワイズマン、ビル・クリフトン、ビル・モンロー、ジミー・マーティン&ポール・ウィリアムズ、チャーリー&カーリー・レイ・クライン(ロンサムパインフィドラーズ、フランク・ウェイクフィールド)、ドン・レノ、J.D.クロウ、ドック・ワトソン、デル・マッカーリー、カーター・ファミリー、フラット&スクラッグス、ジム&ジェシーのIBMA名誉の殿堂入りした13組の渋いシブイ13曲のオリジナルを紹介している。バージニアのブルーリッジど真ん中出身のジュニアとオハイオ・ブルーグラス(アパラチアより濃い!?)の伝統を継ぐジョーのふたりに、ジェイソン・カーターの入魂感情炸裂フィドル、ジェシ・ブロックの頭脳マンドリン、そしてマーシャル・ウィルボーンの落ち着いたベース。ジュニアとジョーのデュオをメインに曲によってはトリオやカルテットもある。まさに知る人ぞ知る「これがアーリーグラスだ!」協演、ストレートなブルーグラスファン必携作品!!
 ■ムーンシャイナー1月号レビュー紹介作品
  COMP-4616 NOAM PIKELNY『Plays Kenny Baker Plays Bill Monroe』CD\2,573-(本体\2,450-)

 次世代バンジョーのリーダー、ノーム・ピケルニーがケニー・ベイカーとビル・モンローの共演名作を完全コピーした話題のインスト作品。
 
  AC-1910702 ALAN JACKSON『The Bluegrass Album』CD\2,573-(本体\2,450-)

 カントリーのトップアーティストが初めて挑んだ、さすがの出来栄えブルーグラス作品。
  ROU-9168 STEEP CANYON RANGERS『Tell the Ones I Love』CD\2,573-(\2,450-)

 今やノースカロライナを代表するブルーグラスバンドとなったすばらしい若手。ザ・バンドの故レボン・ヘルムのスタジオで制作された意欲作。
  MNJS-0002 MAREKA & JUNJI『The Rambler』CD\2,500-(本体\2,381-)

 城田じゅんじと内藤まれかのアイリッシュをベースにしたアコースティックデュオ最新作。
  FHR-1066 THE SOUTH CAROLINA BROADCASTERS『Can You Hear Me Now』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ノースカロライナの飾り気のない原初的なサウンドを志向する溌剌としたオールドタイム・トリオ。
  RCSI-1101 DEHLIA LOW『Tellico』CD\2,070-(本体\1,980-)

 昨夏、北海道と関西に現れた素晴らしいアパラチアン女性シンガー、アーニャ・ヒンクルとノースカロライナの仲間たちとのブルーグラス作品。
 ■ブルーグラス最近作/お勧め作
  MH-1485 THE GRASCALS『When I Get Pay』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ナッシュビルのライブハウス、ステーションインからザ・サイドメン(唯一のアルバムは『Almost Live! at the Station Inn』(RC-112 \2,573-))経由で生まれたザ・グラスカルズ、ミニアルバムを含めて8枚目となる最新作である。デビューから今年で10年、明らかにオズボーンブラザーズのノウハウを踏襲、というか……ファンであるボビー・オズボーン「ワナビー」のジェイミー・ジョンソン(g)が、オズボーンのメンバーだったテリー・エルドレッジ(g)とテリー・スミス(bs)に、女性バンジョー奏者クリスティン・スコット・ベンソン(bj)、そしてダニー・ロバーツ(m)にジェレミー・アブシャイアー(f)といった超一級ミュージシャンが、本作では軽いパーカッションを伴いながらオズボーンズ同様、一般人にも聴きやすく、かつクロート筋にはその完璧な音づくりで唸らせる。全13曲中、1975年のトラック野郎の歌"Roll n Big Mama"以外の12曲は、オズボーンズの完全コピー"Bluegrass Melodies"ほか、故ハーリー・アレンなどブルーグラス系ライターの著作物で、その権料は全部ブルーグラス関係者に行く。さすが元サイドマンとしての苦労人だからだろうか……!?  アルバム全編を通して、とてもリラックスして楽しめる作り込まれたこの肩の凝らなさこそオズボーン・ブラザーズの流れに違いない。楽器、ボーカル、コーラス、どれをとっても完璧な満足を感じさせてくれる素晴らしいアルバムである。 
  DTM-025 KRUGER BROTHERS『Remembering Doc Watson』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ドック・ワトソンの恩恵をこうむったアコースティックミュージシャンは世界中に一杯いる。モンローやフラット&スクラッグスの影響よりも圧倒的に多いはずだ。ドックはアパラチアのルーツミュージックを世界に広めた最大の功労者かも知れない。そのドックの庇護の下に入ったスイス出身のスーパーピッカー兄弟、バンジョー奏者のイェン・クルーガーは現在、バンジョー界のトップに位置するミュージシャンのひとりで、ギター奏者のウーベ・クルーガーもまたフラットピッキン達人。この兄弟にアメリカ人のジョエル・ランズバーグ(bs)が参加したトリオの有名ドック・ワトソン14曲集。1997年にドックに初めて会って以来、ノースカロライナに移り住み、その薫陶を受けてきた成果といってもいい――つまり、トラッドと言われながら、実は超モダンなセンスの持ち主だったドック――その音楽センスを「グローバルなスーパーピッキンに置き換えた」といった風の秀作である。
  PATUX-238 DANNY PAISLEY & SOUTHERN GRASS『Road Into Town』CD\2,573-(本体\2,450-)

 トラッドグラスの至宝ダニー・ペイズリー最新作。父ボブの時代からつづいたランディ家とのサザングラスを2004年に引き継ぎ、2008年の前作『The Room Over Mine』(ROU-0589)から、"Don't Throw Mama's Flowers Away"が翌年のIBMA年間最優秀ソングを受賞、高い評価を受けている53歳のダニー(ムーンシャイナー2008年7月号でカバーストーリー)。そのダニーがサザングラスのメンバーを一新、あらたなサウンド作りをはじめた。バンジョーに知る人ぞ知るロールの達人マーク・ディレイニー、フィドルにはアグレッシヴなダグ・ミーク、そしてマンドリンになんとマイケル・クリーブランド、エリック・トラウトマンがベースという布陣。ダニー天性のいてまえ型トラッドグラス・シンギングに、実に個性派が揃った楽器陣が見事にこたえるすごいテンションのトラッドグラス集になっている。選曲もバーン&レイ名曲"Cabin on a Mountain"や父が歌ったストレートグラス"Margie"、カール・スミスやレイ・プライス(ボブ・ウィルス)のカントリーやデルモア曲にスウィング・スタンダード、レスター・フラット後期の知られざるジョッシュ・グレイブスとの共作、そしてゴスペル・スタンダード"I Heard My Mother Call My Name..."で終わる、トラッドグラスの王道プラス個性派楽器陣のワクワクが楽しめるダニー・ペイズリー&サザングラスの最新作。
  GRR-1003 JACK LAWRENCE 『Arthel's Guitar』CD\2,573-(本体\2,450-)

 クラレンス・ホワイト大好きの少年だったジャック・ローレンス、そののちニューディールストリングバンドからブルーグラス・アライアンスを経て、1980年代から息子マールを喪ったドック・ワトソンの片腕となった。自身のルーツであるノースカロライナはもちろん、クラレンス・アッシュレー、モンロー/フラット&スクラッグス、ザ・ディラーズ、レノ&スマイリー、そしてもちろんドック・ワトソン……、そんな自身のヒーローたちからの有名レパートリーやトラッド曲を軸に、ドック、デビッド・グリスマン、サム・ブッシュ、デル・マッカーリー・バンドらをゲストに迎えた楽しい朴訥なボーカルとギターの最近作。近年のパキパキギターじゃなく、こうしてジャックのように、誠実に自分のトーンを磨き、ニカッとするようなフレーズを忍ばせる奥ゆかしさ、ぼくと同年のジャックはほんと、思慮深くて、すばらしい人です。そうそう、タイトルの通り、ドックのD-18をジャックは弾いています。
  SKFR-1011 RICKY SKAGGS『Country Hits Bluegrass Style』CD\2,573-(本体\2,450-)

Heartbroke/Honey/Crying My Heart Out Over You/Highway 40 Blues/Uncle Pen/Country Boy/Don't Get Above Your Raisin'/Cajun Moon 他全12曲

 リッキー・スキャッグスがカントリー界のスターダムに登りつめた1980年代の上記、数々のカントリー大ヒット曲を、現在のケンタッキーサンダーとのアコースティック/ブルーグラスで演じ直した2008年秀作が2曲プラスで2012年に発売されたモノ。リッキーの記念すべき最初のナンバーワンヒット、フラット&スクラッグスの"Crying My Heart..."('82)から、最後のナンバーワン"Lovin' Only Me"('89)まで、次々とヒット曲がブルーグラス・スタイルで演奏される爽快さ!! お楽しみください。
 ちなみにリッキー、昨年発表の最新作はブルース・ホーンズビーとの凄いライブ『Live: Cluck Ol' Hen』(SKFR-5004 \2,573-)、また2003年のすばらしいバンドでのライブ『Live At The Charleston Music Hall』(SKFR-1004 \2,573-)で、世界最高レベルのブルーグラスバンドのライブをご堪能下さい。ただただ、凄い!です。
  RUR-1108 AMERICAN DRIVE CD\2,573-(本体\2,450-)

 J.D.クロウが2012年一杯でツアーサーキットからの引退を発表、残されたニューサウスに若手バンジョーのジャスティン・ジェンキンズを加えた新バンド、アメリカン・ドライブのデビュー作。14年間、J.D.の右腕としてニューサウスを支えたリッキー・ワッソン(g)の深いバリトン・ボイスとシュアなリードギターは、トニー・ライスを思わせる落ち着きを聴かせる。ドワイト・マッコール(m)のスカッとしたテナーボイスに、マット・デスペイン(d)とカイル・パーキンス(bs)がニューサウス・サウンドを継承。1959年にモンローにとっては珍しいチャートヒットなったポール・クレイトン作の"Gotta Travel On"やドン・ウィリアムズの1977年ヒット"Some Broken Hearts Never Mend"のカバーなど、トニー・ライス/リッキー・スキャッグス在籍時以来のハッピーミディアムなサウンドが快調だ。
  COMP-4599 GIBSON BROTHERS『They Called It Music』CD\2,573-(本体\2,450-)

 2012〜13年、2年連続IBMA最優秀エンターテイナーを獲得、ブルーグラスの伝統的な手法であるブラザーデュオを看板に、現在ブルーグラス界の頂点に立ったギブソン・ブラザーズの最新作は、2011年のIBMA最優秀アルバムと最優秀ボーカルグループを受賞した前作『Help My Brother』(COMP-4549 \2,573-)と同様、兄エリック・ギブソンとジョー・ニューベリーとの共作をタイトルにしたシンプルにして誠実な作品。兄のエリック(bj)と弟レイ(g)、そしてもうひとりの兄弟とも言えるマイク・バーバー(bs)の3人に、バークリー音楽院マンドリン専攻一期生のジョー・ウォルシュ(m)とクレイトン・キャンベル(f)の5人組である。かれらの決してやり過ぎない品のいいバックアップに、特徴的なオリジナルソングとマーク・ノップラーやロレッタ・リン、そしてハンク・ウィリアムズ"Sundown and Sorrow"などのカバーを見事なブルーグラス名曲にしてしまうなどの選曲も秀逸。
  RUR-1097 MARTY RAYBON『Southern Roots & Branches』CD\2,079-(本体\1,980-)

 1989年から1996年まで人気カントリーグループ、シェナンドーで数々のヒットを飛ばしたマーティ・レイボンが古巣のブルーグラスに戻って『Full Circle』(2003年)を発表してから10年。2012年はガンのために療養したが、昨年はツアーに復帰、この最新作は既発の9曲に、ケニー・スミス(g)、スーパーマルチプレイヤーのジャスティン・モーゼス(bj)、グレン・ギブソン(d)、マーク・フェイン(bs)での新録3曲の合計12曲。シャド・コッブ(f)やデビッド・タルボット(bj)、ブライアン・サットン(g)らを擁した旧録音からはモンローの超スピード"White House Blues"や"Rocky Road Blues"、そしてアイドルだったというジミー・マーティンの"Home Run Man"や"Prayer Bells of Heaven"そしてジミー調に今風ドライブをかけたフラット&スクラッグスの"Down the Road"などと新曲で、その説得力の豊かさはさすがメジャーアーティスト。
  ROU-9167 RON BLOCK『Walking Song』CD\2,573-(本体\2,450-、歌詞付)

 ロン・ブロック49歳、もっとも充実する年代に差し掛かった、ブルーグラス界でもっとも才能のあるサウンドクリエーターであり、なおかつもっとも信頼される人格者のひとり。マッカーリーとスパークスを信奉するというアリソン・クラウスも、精神的には多分にユニオンステーションの実質的なリーダーであると想像されるロンの影響を受けていることは間違いないはずだ。おそらくAKUS全体がロンのブルーグラス/音楽思想を志向していると言ってもいいと、わたしは感じている。2013年発表の本作はバリー・ベイルズ(bs)とステュアート・ダンカン(f)が全編を押さえながら、マンドリンにはサム・ブッシュ、シエラ・ハル、マイク・コンプトン、そしてハーモニーにはケイト・ラズビー、スザンヌ・コックスやコックス・ファミリー、ダン・ティミンスキとアリソン・クラウスなどを迎え、変幻自在なロン世界。極論すれば、フラット&スクラッグスのDVDシリーズで多くのバンジョーピッカーがアール信奉をあらたにした“Shortnin' Bread”、この1曲だけでも、ロンのバンジョーとギター(メチャすごいフラットピッキン!)はもちろん、ステュアートとシエラの第一世代ブルーグラスへの理解と愛情を胸一杯に吸うことができる値打ち!! 、ブルーグラスアルバムとして、最先端の知覚と完成度を持ったすごい作品だと思う。ライナーノーツに付された各曲のメンツと歌詞を眺めながら、超お勧め!!
■女性ボーカル最近作/お勧め作
  SMM-1008 ALICE GERRARD『Bittersweet』CD\2,573-(本体\2,450-)

 1960年代初頭、ビル・モンローの強力な後押しでヘイゼル&アリスとして、初の女性ハイロンサムサウンドを提示。1970年代以降、本作のプロデューサーでもあるローリー・ルイスをはじめアリソン・クラウスら、女性ブルーグラス隆盛の基礎を創ったコンビのひとり、アリス・ジェラードの最新作。ブライアン・サットン(g)、ステュアート・ダンカン(f)、トッド・フィリップス(bs)、ロブ・アイクス(d)、トム・ロザム(m)をバックに、アパラチアンバラッドからブルース、軽いスウィング、そしてホンキートンクなど、「正味」の女性ボーカルを聴かせてくれるアリスのソロ第3作目。ジャンルに無関係なアパラチアのムード一杯の、アリスが人生の中で印象に残った言葉や光景を曲にしたという10曲の新曲と3曲の再録、アリスの素敵なソロアルバムだ。
  CM-2004 THE WHITES『Lifetime in the Making』CD\2,573-(本体\2,450-)

 女性ブルーグラス、そしてファミリーバンドの草分けでもあるザ・ホワイツ。カントリー界で成功した彼らが2001年、久々に発表したブルーグラス/アコースティック・アルバム。ブルーグラス時代のメンバーだったジェリー・ダグラスが大活躍、ブライアン・サットンやオウブリー・ヘイニーの手堅いサポートに、エミルー・ハリスがカーターファミリーの"Fair and Tender Ladies." でハーモニー参加など、もちろん父親バック・ホワイトのスウィングやマンドリンインスト“Old Man Baker”(ジャム友で親友ケニーに捧げたろう)などに、昔のヒット“The Cowboy Lives Forever”ほか、娘シャロンとシェリルの垢抜けないボーカル……娘婿のリッキー・スキャッグスを含むホワイト家の仲の良さ、暖かさが伝わって来るとってもいいアルバムだ。
  RCSI-1101 DEHLIA LOW『Tellico』CD\2,070-(本体\1,980-)

 昨夏、北海道から関西を愛娘サチちゃんとフィドルを背負って訪れたアーニャ・ヒンクル(そのリポート前編はムーンシャイナー1月号参照)が2007年に結成、2009年のこのアルバムの成功でマールフェスへの出演やレベルレコードからの全米デビューをものにしたノースカロライナを本拠にした若いブルーグラスバンド、デリアロウの自費制作品。アーニャのアパラチアン・ブルース(ブルーリッジ育ちで、大学時代にピードモントブルースを学んだという)といった風のハスキーで気だるい系の魅力的なボーカルを中心に、若者たちがそれぞれのオリジナリティを持ち寄って創り上げた労作。アーニャは昨春のマールフェスでバンドを解散、ドブロのアーロンらとともに新バンドを結成、名前は本作タイトルと同じ、「テリコ」というそうだ。
  PATUX-228 EDDIE & MARTHA ADCOCK with TOM GRAY『Many a Mile』CD\2,573-(本体\2,450-)

Down Where the Still Waters Flow/New Freedom Bell/He was a Friend of Mine/Two Little Boys/Amellia Earhart/Mary Dear/Nightwalk 他全14曲

 カントリー・ジェントルメン系の名曲が上記、ずらりと揃った壮観! 2007年に来日した三人組、元カントリー・ジェントルメンのエディ・アドコックとトム・グレイにエディ最良のパートナー、マーサの最新作には、セカンド・ジェネレーション時代のジーン・ジョンソンが参加して「カンジェン」サウンドがマーサの女性ボーカルに合わせて見事にアレンジされている。2009年、TV番組『ザ!世界仰天ニュース』で紹介された難病を克服、ここでも"Mary Dear"や"Helen"、"Bringing Mary Home"で聴かせるエディの歌の上手さとハーモニーにおけるバリトンのすばらしさを含め、バンジョーとギターを弾き分けるダイナミックなミュージシャンシップ横溢が、チョッとテンポがスローになったものの、たまらなくいい。チャーリーやジョンを髣髴させるマーサの丁寧な発音と発声もすばらしい。もちろん、絶頂期のような華麗さはないが録音時エディ73歳、あのバンジョー初のマイナーインスト「ナイトウォーク」もプレゼントしてくれる心意気、そして音楽に対する真摯な態度、丁寧さが胸を打つ。
  HMG-1012 DONNA ULISSE『Showin' My Roots』CD\2,573-(本体\2,450-)

 カントリーでメジャーデビュー後、ブルーグラス界に転身したドナ・ユリッシーが昨年夏発表したゴスペル集以来、最新第7作はブライアン・サットン(g)との共同プロデュースで自らの音楽ルーツ、夫の従兄弟であるスタンレー曲の数々ほか、サム・ブッシュとのデュエットで"Take This Hammer"、現在ヒット中の"Send Me the Pillow"からモンローまでをカバー、スコット・ベスタル(bj)、アンディ・レフトウィッチ(m,f)、ロブ・アイクス(d)、バイロン・ハウス(bs)ほかでのお楽しみ曲集。
■インスト系最近作/お勧め作
 (ボーカル物でもインスト奏者としての評価の高いアーティストはコチラにもカテゴライズします)
  HDS-701 NORMAN BLAKE/TUT TAYLOR/SAM BUSH/BUTCH ROBINS/VASSAR CLEMENTS/DAVE HOLLAND/JETHRO BURNS CD\2,573-(本体\2,450-)

Sweet Georgia Brown/Take the 'A' Train/Old Brown Case/Going Home/McKinley's Blues 他全8曲

 ムーンシャイナー1月号で紹介されたブルーグラスのジャズとの出会い、大名盤でもある記念すべき最初の1枚。1974年、ハンク・ディーンとジョン・ハートフォー ドの肝いりでスタジオに集まったのは高名なジャズベーシストのデイブ・ホーランドやジャズマンドリンのジェスロ・バーンズ、ノーマン・ブレイク とタット・テイラー……4人を若く向こう見ずなサム・ブッシュとブッチ・ロビンスがあおり、そして天才バッサー・クレメンツが暴れ回る。
  RCSI-1098 HOMER & JETHRO『Playing It Straight/It Ain't Necessarily Square』CD\2,888-(本体\2,750-)

 同じくムーンシャイナー1月号で紹介されたブルーグラスのジャズとの出会い。本作はカントリーコメディデュオとして知られるホーマーとジェスロが、1960年代にRCAに残した2枚のマンドリンジャズ・インストアルバムのCD化。ジェスロのマンドリニストとしての資質は、後にデビッド・グリスマンやサム・ブッシュによって再評価されたように、圧倒的な存在感で迫ってくる。上記、HDS盤とともに限りなく廃盤に近く、売切れたらゴメンね……!? 
  COMP-4616 NOAM PIKELNY『Plays Kenny Baker Plays Bill Monroe』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ベラ・フレック以降のトップを走るパンチブラザーズのバンジョー奏者ノーム・ピケルニーの最新作。ブルーグラスフィドルの一典型を創ったケニー・ベイカーがビル・モンロー作の有名インストをカバーした1976年のブルーグラス史上に残る名盤『Kenny Baker Plays Bill Monroe』(CO-2708 \2,573-)を、現在ブルーグラスの最高峰であるノームのほか、ステュアート・ダンカン(f)、ロニー・マッカーリー(m)、ブライアン・サットン(g)、マイク・パブ(bs)がそのまんまカバー。最初の旋律はケニーのフィドルをそのままバンジョーに載せて弾き、そののち独自のアドリブを重ねていく。なんて美しい流れを創るんだろうノームは!これまでのあらゆる種類の先入観を飛び越えて、自らの心の動きをその都度載せていくその自由な発想とテクニックには完全脱帽、そこまでに至る努力と愛情にただただ感動で、1970年代おじさん達ニヤニヤ・ウキウキの大秀作!!
 ちなみにノームの前作『Beat The Devil and Carry A Rail』(COMP-4565 \2,573-)は、素晴らしいオリジナルを中心にした21世紀ブルーグラスバンジョー傑作にして激しくお勧め! アールやベラも登場するその超豪華なプロモビデオ(Bluegrass Diva で検索)とともに大推薦!!
  CR-020 JOHN REISCHMAN『Walk Along John』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ギブソンF-5ロイド・ロアーの魅力をもっともストレートに聴かせてくれるマンドリニストといわれるジョン・ライシュマンの最新2013年作インスト作品。1曲目“Itzbin Reel”には8歳のときからカバー、弾いていたというクリス・シーリをゲストに、見事なツインとクリスのソロをフィーチャー、その1曲目と2曲目では若手注目のマイク・バーネットのフィドルとデビッドの息子サム・グリスマンのベースを据え、2曲目ではトニー・トリシュカ(bj)をゲストにしたモンローっぽいブルーグラス、3曲目はブルース・モルスキーとのデュオでオールドタイミーな美しいトラッドのメロディー……等々、トラッドとオリジナル、いずれも非常に趣味の良いブルーグラスインストを聴かせる。ケニー・スミスほか、アニー・スタニネック(1曲でアレックス・ハーグリーブズとすばらしいツインを聴かせる)、ニック・ホーンバックルやトム・ソーバーら地元の西海岸系ミュージシャンたちが実に趣味の良い抑制の効いた演奏でジョンの世界を盛り上げる。マンドリン奏者には、ひとつの究極の奏法として、またブルーグラス/オールドタイム・ファンにはトラッド音楽とは現在創られているものだという喜びを感じて欲しい、そんなすばらしい作品だ。
 トニー・ライス・ユニットのオリジナルメンバーとして頭角を現し、そののちグッドオールパーソンズ、現在は自身のバンド、ジェイバーズを率いて活躍中。ちなみにムーンシャイナー2001年5月号(通巻211号)にて「ジョン・ライシュマン来日」(\525-)のカバーストーリーがある。
  MFR-130625 JASON DAVIS『Second Time Around』CD\2,573-(本体\2,450-)

 インスト作品ではないが、見事に均一でソリッドなロールで今風ソリッドグラスのドライブを主導していくジェイソン・デイビスのバンジョーを主役にしたイケイケ!ブルーグラス秀作。ケニー&アマンダ・スミス、ブルーリッジやグラスタウンなど、現在のブルーリッジ系ブルーグラスを代表するバンドを経て、現在はトラッドグラスのトップランナー、ジュニア・シスク&ランブラーズチョイスのバンジョー奏者の最新第二作。ドン・レノの"Bully of the Town"を「Key of B」の凄いテンションで演じるインストをはじめ、ロン・スチュワートとのフィドル&バンジョーで演じるトラッドスタンダード"Liberty"、アーロン・ラムジー(m)の書いた"Ted's Tune"、そして最後にそのアーロンを迎えて、「何ぼなんでもこの速さはないやろ!!」と言いたくなるスッゲェー超速でのトラッド"Shamrock"といったインストをはさみながら、各曲に個性的なボーカリストを迎えて、ラルフ・スタンレーの"Oh Death"や"Bootleg John"、クリス・クリストファーソン"Darby's Castle"、そしてジュニア・シスクを迎えてのカーター・ファミリーの"Just Another Broken Heart"(これまた超速!!)など全13曲、ロンのフィドルほか、ものすごいドブロを聴かせるジョッシュ・スウィフト、無名だがスティル・ハウスというバンドのケビン(m)とキース(g)のマッキンノン兄弟も凄いです。歌物中心ですが第一世代のバンジョー奏者の味わいとは違う、爽快なバンジョーロールをお楽しみあれ!
  OR-1469 ADAM STEFFEY『New Primitive』CD\2,573-(本体\2,450-)

 IBMA最優秀マンドリンを最近の3年連続を含めて合計9回受賞、当代随一と言っていいマンドリン奏者アダム・ステッフィ2013年最新ソロ第3作。妻ティナのクロウハンマーバンジョーとのデュオではじまり、ゼブとサマンサというスナイダーファミリーで活躍する10代の兄妹をフィーチャー、全曲がトラッドという、思い切ったオールドタイム・フィドルチューンをベースにした「新しい根源」といった対義語的なタイトルの意欲作である。
  ROU-0618 EARL SCRUGGS with Family & Friends『Live at the Ryman』CD\2,573-(本体\2,450-)

 今年も三月から四月にかけて「アールの日」を大阪と東京で開く予定です。昨年のリポートはムーンシャイナー8月号から連載、9月号では「シラブルで弾く」という意味、10月号と11月号では「シラブルで弾く」現実などを参考にして下さい。本作はアール・スクラッグス2008年発表、最後の公式録音ライブアルバム。“Salty Dog Blues”から“Lonesome Reuben”まで18曲、1945年12月にビル・モンローのブルーグラスボーイズの一員としてデビューした同じライマン公会堂で2007年、83歳で初めて自身の名を冠したコンサートで、フラット&スクラッグスやアール・スクラッグス・レビュー時代のお得意レパートリーを、息子ゲイリー(bs,v)とランディ(g)のほか、ロブ・アイクス(d)、フート・へスター(f)、ジョン・ジョーゲンソン(g,m)、ジョン・ランドール(g)、ジョン・ガード―ナ―(drums)と演じています。
  WP-128 HARVEY REID『Autoharp Waltz』CD\2,573-(本体2,450-)

 1954年カリフォルニア生まれのハービー・リードの最新オートハープ16曲集。1976年にインディアナ州ビーンブロッサムのビル・モンローフェスでブルーグラス・ギターコンテストに優勝したのち、1981年にはカンザス州ウィンフィールドの全米フィンガーピッキンコンテストで優勝、翌82年にはオートハープ部門で優勝している。1982年に自身のウッドペッカーレコードを立ち上げ最初のアルバムを発表して以来、ソロギターがメインだが、ミンストレル音楽や6弦バンジョーアルバムなど、本作で29枚目のアルバムになるというマイペースな、しかしそれだけステディなファンを持つ多彩なミュージシャンで、故ドック・ワトソンが、わざわざライブを聴きに行くというファンだったと言われている。そんなバーサタイルな才能と感覚を持ったゲイリーの2枚目となるオートハープ集、トラッドからカーターファミリーなど、ホッとする選曲とともに、期待を裏切らない秀作である。
  JMD-001 TARO & JORDAN『Did I Laugh in Your Dream?』CD\2,000-(本体\1,905-)

 昨年の今頃、北は盛岡、南は沖縄まで全国ツアーをしたマンドリン/ギターのインストデュオ、井上太郎とジョーダン・マコンネルの驚異的なデビュー作品。ゴンチチのチチ松村氏曰く、「マンドリンとギターだけで、このグルーヴと高揚感を醸し出すとは恐れ入った。アクースティックミュージックの究極の形に、身も心もスカッとする。二人の若きツボ師に乾杯!」と。彼らのコピーに曰く、「カナダから来た最強のグルーヴ製造機、DUHKSのギタリスト、ジョーダン・マコンネルと縦横無尽のマンドリン井上太郎(中略)のオリジナル曲の数々、アイリッシュ、オールドタイム、ブルーグラス、結局何だって一緒……」と。タウンズ・バン・ザントとチャズ・ジャスティスのカバー2曲以外、すばらしいオリジナルインスト...!!
  COBB-2013 SHAD COBB & CHARLIE CUSHMAN『Out of These Mountains』CD\2,573-(本体\2,450-)

 数多いナッシュビルのフィドラーでも、天性のひらめきを一貫して(言うなれば、その瞬間に聴こえるままを)「勘で楽器に載せていく」(ような)すごいフィドラーは数少ない。そんなひとり、ジョン・カウワン・バンドのメンバーとして2006年に来日したシャド・コッブのフィドルとクロウハンマーバンジョーからボーカルまで。そしてスクラッグスとレノを同時に表現してしまうと言われるチャーリー・クッシュマンのスリーフィンガーバンジョーとギター、そしてベース。ふたりだけで、雑誌「シンプルライフ」の女性編集長のジル・ピーターソンのプロデュースで、曰く「1916年にソングキャッチャーのセシル・シャープが集めはじた曲を含む、18世紀にもたらされ19世紀後半に花開いたアパラチアの曲」を集めた伝統音楽集。
 ■オールドタイム/フォーク最近作/お勧め作
  FHR-1066 THE SOUTH CAROLINA BROADCASTERS『Can You Hear Me Now』CD\2,573-(本体\2,450-)

 音楽技術以前の生身の「声」や「楽器」をストレートに表出するソロとハーモニーにアパラチアの原初的な音楽のあり方を聴くようなサウスカロライナ・ブロードキャスターズの2012年作品。ノースカロライナ州マウントエアリーの伝説的なラジオ局WPAQでオールドタイム番組を持つアイビー・シェパード(f)に、グレース・ケネディ(bj、現在はサラ・オズボーンに代わっている)の女性ふたりとデビッド・シェパード(g)のストリングバンドのトリオ。カーターファミリーの"Pretty Little Raindrops"を皮切りにトム・T.ホール作でドイル・ローソンやヒザー・マイルズの名唱で知られるタイトル曲、フラット&スクラッグスの"Roustabout"もロイ・エイカフと見まごうヒルビリースタイル、アイビーとグレイスのハーモニーが秀逸なデルモア"Take Away This Lonesome Day"、ハンク・ウィリアムスのゴスペル曲、"When God Dips His Love In My Heart"を配し、最後には"Mobile Blues"でブギウギするなど、さまざまな南部音楽を取り上げている。その歌唱/演奏手法は、ボーカル技術を廃して生身の「声」をストレートに表出、20世紀以降のラジオとレコードの商業主義に毒されていないアパラチアの原初的な音楽のあり方を聴くようだ。「ボイスオブブルーリッジ」という愛称を持つラジオ局のDJを通じてさまざまな音楽を掘っていく中で、おそらくアイビーが見つけたもっともストレートなアパラチアの感情表現なのだろう。混じり気のないエネルギーに満ちている。
 ■カントリー最近作/お勧め作
  RCSI-1100 GARTH BROOKS『Blame It All On My Roots』CD6枚+DVD2枚組\8,925-(本体\8,500-)

 1990年代にブレーク、世界のアーティストでレコード売り上げ第15位、カントリー系ではもちろんナンバーワン(つづいてイーグルス、テイラー・スウィフト……、総合1位はビートルズ、つづいてエルビス・プレスリー、マイケル・ジャクソン……)の1億5千万枚を誇るガース・ブルックス(1962-)、米国ウォルマート限定ボックスセットが希少入荷。白人のカントリー、黒人のソウル、そしてロック、それら音楽が混ざり合ったメルティングポットと題したCD4枚各11曲のカバー集と、そんな音楽に影響されて生まれたガース自身の大ヒット曲集CD2枚全33曲のCD6枚全77曲。そして2枚のDVDにはそんな大ヒットビデオ33曲集と2009年に引退していたガースを引っ張り出したラスベガスのザ・ウィンでの2時間以上に及ぶライブ映像。ジョージ・ジョーンズやバック・オウエンズ、レイ・チャールズやオーティス・レディング、イーグルスやスティービー・ワンダー、サイモン&ガーファンクルやジェイムズ・テイラーなどのカバーと、“Friends In Low Places”や解散したニューグラスリバイバルを集めてカバーした“Callin' Baton Rouge”などの自身のメガヒット曲が堪能できる素晴らしいエンタメセットである!!
  ROU-9179 MANDY BATNETT『I Can't Stop Loving You:The Song of Don Gibson』CD\2,888-(本体\2,750-)

(Yes) I'm Hurting/Too Soon to Know/Look Who's Blue/Sweet Dreams/Just One Time/Blue Blue Day/Oh Lonesome Me/Oh Such a Stranger/Far Far Away/I Can't Stop Loving You/Lonesome Number One/Legend in My Time. 全12曲

 2013年10月に京都の円山音楽堂で開催されたカントリードリームで来日していたマンディ・バーネットの最新作は米国外食チェーン「クラッカーバレル」のみで入手可能な希少アルバム。「愛さずにはいられない」や“Sweet Dreams”など、多くのヒットを持つドン・ギブソン(1928-2003)へのトリビュート作品(ちなみにドン、現在ムーンシャイナーで話題のアール・スクラッグスの生家のあるノースカロライナ州シェルビー出身)。パッツィ・クラインを思わせるポップな熱唱と、現在ナッシュビルが創る21世紀のナッシュビルサウンドが見事に絡む素晴らしい出来栄え。
  MPI-535494 VARIOUS ARTISTS『The Big E: A Salute To Steel Guitarist Buddy Emmons』CD\2,573-(本体\2,450-)

 めちゃくちゃ強力カントリー企画作品『バディ・エモンズ』に捧げられたビンス・ギルとポール・フランクリンの“Country Boy”からデュアン・エディの“Mansion On The Hill”まで、豪華/かつシビアなゲストアーティストたちによる全16曲。カントリー音楽のもっとも重要な楽器にまでなった――つまり、それほどまでの楽器に高めた最大の功労者「ビッグ・"E"」こと、バディ・エモンズ(1937-)。彼のために集まった人たちの創る音楽、悪かろうはずがない、でショ!?
  ROU-9148 TIME JUMPERS『The Time Jumpers』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ナッシュビルのブルーグラス・メッカ、ステーションインで毎週月曜日に登場するウエスタン・スウィングをベースにしたクラシック・カントリー・バンド、つまり、これぞ正統「ホンキートンク・カントリー」と言わんばかりのタイム・ジャンパーズの最新作。2010年からビンス・ギルが正式メンバーとなり、さらにビンスが23年間在籍したMCAを離れたことによって実現した「夢の大カントリー」作品。ビンスの切ないカントリーバラッド、ライダーズ・イン・ザ・スカイのメンバーでもあるレンジャー・ダグ・グリーンのウエスタンとヨーデル、そして中心人物のケニーとドーンのシアーズ夫妻がクラシックカントリー曲などを歌い、トップスタジオミュージシャンとスター歌手が総勢11人が、怖いものなしでなんでも完璧にやってしまう、「これぞナッシュビル・カントリー」の手堅いサウンド、ご賞味あれ!!
■発掘/編集、名盤/名演など……
  RC-104 RED ALLEN & FRANK WAKEFIELD『with Don Stover, Kenny Kosek, Kevin Smyth, Greg & Neal Allen』CD-R\2,070-(本体\1,980-)

If I Should Wander Back Tonight/Don't Wake Me Till It's Over/If That's the Way You Feel/We Can't Be Darlings Anymore/Roustabout/Sweet Love Ain't Around/Letter To Tom/Weeping Willow 他全14曲

 米国でお蔵入りしたカウンティ・レコードのレッド・アレン三部作となるはずだった一枚を探り当て、1976年に我々レッド・クレイから発表した作品のCD化。1950年代からオズボーン・ブラザーズとメジャー録音を残し、1967年には病気のレスター・フラットに代わってアール・スクラッグスの相棒もつとめた偉大なボーカリスト、レッド・アレン(ムーンシャイナー2005年11月号でIBMA名誉の殿堂入りを記念した特集あり \525-)。現在は1枚にまとめられCD化『Lonesome and Blue』(REB-1128 CD\2,573-)されているデビッド・グリスマン制作のカウンティLP2枚『Bluegrass Coutry』(1966、リチャード・グリーン最初の録音)と『Bluegrass Country Vol.2』(グリスマンのマンドリンがすごい)に続くものとしてカウンティが制作したのがこれ。録音は1971年、フランクのすばらしいマンドリンにドン・ストーバーのバンジョー、カントリークッキング/ブレックファースト・スペシャルの若手フィドラー、ケニー・コセックを迎え、フラット&スクラッグス、スタンレーからハンク・ウィリアムズ、そしてトラッドなど、すばらしい選曲で幻のトラッドグラスが堪能できる。
  BACM-398 BARRIER BROTHERS『Bluegrass Classics』CD-R \2,573-(本体\2,450-)

Blue Moon of Kentucky/Gotta Travel On/Polka On a Banjo/Crying My Heart Out Over You/My Little Georgia Rose/Salty Dog Blues/Earl's Breakdown/Cabin in the Hills/Flint Hill Special 他全28曲

 上記1曲目から9曲目まで、これでもか!とばかりのビル・モンローとフラット&スクラッグスのヒット曲オンパレード。この調子で全28曲、チョッとスタンレー風のボーカルとバンジョーで――つまり、モンローの「激」とレスター風「味」とアールの「技」を抜いて――聴かせてくれるバリア・ブラザーズ。さらに全編をわがアイドル、ベニー・マーティンのフィドルが所構わず顔を出す楽しさ。1962年、日本やヨーロッパでも発売された二枚のLPアルバム24曲と1960年にシングルで発表した4曲をプラスした全28曲。トラッドグラスファンに強力お奨めの60年代ブルーグラス大名盤である(ただし、マンドリンがなきゃダメとか、スネアが入っているとだめという人にはゴメン)。ブルーグラスのフィドルとバンジョーの役割、そしてトリオハーモニーのイロハまで、「激」/「味」/「技」抜きの聴いていて気持ちいいブルーグラスが楽しめる秀作だ。
 ■映像もの最近作/お勧め作
  SOTM-2008 V.A.『Songs of the Mountains 1』DVD-R\2,888-(本体\2,750-)(カラー58分)

Cherokee Shuffle (ETSU Bluegrass Pride Band)/Old Broker Tree (Fescue)/These are They (McPeak Brothers)/John Hardy (Trey Hensley & Drivin' Force)/Little Birdie (Lonesome River Band)/Black Mountain Rag (Mac Puckett & the Good Company Band)/Can't Hold On To Much (Appalachian Trail)/Whatever Happened to Mayberry? (VW Boys)/Devil's Dream (The Larkins)/The Foggy Dew (Fire in the Kitchen)/A Beautiful Home (The Boohers)/I Still Think of You Sometimes (The Fritts Family)/June Apple (Cripple Creek Renegades)/Cash's Last Ride (Cana Ramblers)/Your Love Is Like a Flower (Everett Lilly & the Lilly Mountaineers)/Spreeing Rambler (Lonesome Will Mullins & the Virginia Playboys)/Headin' South (Gerald Anderson & Spencer Strickla). 全18曲

 2005年からはじまった米国公共放送ネットPBS番組『Songs of the Mountains』の第1シーズンから、プロデューサーのティム・ホワイトが選んだ18グループの18曲集。今夏来日が予定されているETSU(東テネシー州立大学ブルーグラスバンド)を皮切りに、ロンサム・リバーバンドやマクピーク・ブラザーズら日本でも知られたバンドもいるが、おもに南部アパラチアのブルーリッジ地方で活躍する、いわゆる本場モンのローカルバンドがズラーッと楽しめる。米ブルーグラス界の底辺には、伝来のゴスペルバンドやラルフ・スタンレーになりきる若者、将来のスターを夢見る若い女性たちや物凄いガキたち、そして現在はメジャーなバンドに在籍するあの顔、この顔など……、ブルーリッジ地方のフツーの音楽と、それを楽しみミュージシャンたちを勇気づける観衆たちの日常が体験できる1時間。 
  RC-127D BLUEGRASS 45『That's the Time: 1996 Reunion』DVD-R(カラー43分) \2,573-(本体\2,450-)

 1967年、NYのフォーククラブを模した神戸元町のコーヒーショップ「ロストシティ」で結成された 6人組のブルーグラス45。1971年6月から9月まで、米国東部/南部とカナダをツアー。米レベル社からLP2枚を発売して帰国後解散した45が1996年春、前年の阪神大震災を機に解散25年を記念してリユニオンツアーしたとき、カメラマンの吉田恒星が制作監督したライブ・ドキュメント映像作品。
  OC-2013 V.A.『Great Southern Old Time Fiddler's Convention 1925-1929』白黒53分DVD-R\2,573-(本体\2,450-)

 1925年12月7日付のテネシー州チャタヌーガの新聞が伝えるメーン州のフィドラー、メイリー・デネムがデトロイトのフォード自動車に招かれるという記事からはじまり、日を追ってチャタヌーガでフィドルコンテストが開かれるまでを新聞記事の読み語りと貴重な写真で追うドキュメンタリー。フィドルファンだった自動車王ヘンリー・フォードによってもたらされた北部ニューイングランド地方のフィドラーと南部アパラチアのフィドラー達との出会いや、クレイトン・マクミッチェンやギド・ターナーらジョージア・フィドラーの登場などが、当時の写真や録音とともに生き生きと語られる素晴らしい作品。動画映像はなく、全編、写真と録音、英語の語りのドキュメンタリーである。
 ■日本人モノ最近作/お勧め作
  PSR-121501 坂庭省悟 & 宮崎勝之『Battle One / Battle Two』CD2枚組\4,000-(本体\3,810-)

 坂庭省悟(1950-2003)が亡くなって10年、宮崎勝之とのデュオで1999年と2003年にリリース、廃盤となっていた2枚の「Shogo vs Katz」名義の「バトル」シリーズ全22曲に未発表曲「グッバイ・ヒーロー」(ジョン・ハートフォード作/矢野雄三詞“In Tall Buildings”)を加えて2枚組で再発である。ツインマンドリンからマンドリン・ギターのインストを中心に、坂庭のクロウハンマーバンジョーによるオリジナルフィドルチューン「よっぱらいワラビー」ほか、“Baby Blue Eyes”“Down in the Willow Garden”“Julie's Waltz”“Farther Along”“Mama Tried”“Could You Love Me One More Time”などに谷山真生が日本詞をつけた歌物などの全23曲。トラック12に、53歳という若さで逝ったあのテナーボイス……。 
  JMD-002 THE CASH『The Cash』CD\2,000-(本体\1,904-)

 ブルーグラス生まれのマンドリン奏者、井上太郎に、日テレ系TVドラマ『Mother』主題歌“泣き顔スマイル”でJ-Popヒットした「hinaco(ひなこ)」と、センチメンタル・シティロマンスのベーシストの瀬川信二が参加したトリオ、ザ・キャッシュの7曲入りデビューミニアルバム。ブラザーデュオのドライブからタロー&ジョーダンなどの複雑な変拍子も平気でこなす「hinaco」のリズムギターに、さまざまなエレベのテクニックを駆使してリズムのみならず、世界観も広げる瀬川に乗っかって、太郎のオリジナル英詩ボーカル物を中心に、「hinaco」の日本語詩に太郎が音楽をつけたJ-Pop、ブルーグラススタンダードのトラッド“Crawdad Song”、そしてインスト2曲、非常にポップでスマートな作品となっている。
  RC-126 渡辺敏雄『The Fiction Twins』CD\2,573-(本体\2,450-)歌詞付き

 ブルーグラス45ではベース、シャギーマウンテンボーイズではバンジョーから現在はマンドリンを担当するB.O.M.社長、渡辺敏雄が1930年代に大ブームを巻き起こしたブラザーデュオ、中でもモンロー・ブラザーズを再現した力作。よく選曲された美しいメロディーを丁寧に、モンロー兄弟が持っていた初期ドライブをうまく表現している。レスターもアールもきっとそうしたように、1960年以前のアメリカン・ポピュラー音楽の原点のひとつといえるブラザーデュオのメロディ/ハーモニーとビートを見事に再現した、秀作である。
 ちなみにビンテージマイクなどの機材と最新デジタル技術、そして40年のブルーグラスビジネスで集積したノウハウで創るレッドクレイ・ホームレコーディング・スタジオのサウンド、あなたやあなたのバンドの録音もいかがですか?
  OTCR-006 PIRATES CANOE『Three』CD\1,000-(本体\952-)

 1曲目のフィドラー欅 夏那子作のインスト、ケルト的幻想からアイリッシュ、そしてニューグラス的な展開の中、河野沙羅のマンドリンと岩城一彦のドブロが楽しくブルーグラス会話をし、吉岡孝のドラムスと谷口潤のベースがリズムを固める聴きごたえ十分のインストにはじまり、二曲目にもドキドキするようなイントロで聴く者をケムに巻くハント鈴加(g)の英語詞と河野の作曲によるオリジナルに、2013年春の全米ツアーを経て自信と磨きがかかったようだ。パイレーツ・カヌーという京都の三人組女子と三人組男子の六人組によるアメリカーナ/ニューグラスのフルバンドによる最新第三作である。マンドリン、フィドル、ギター、ドブロというブルーグラス系楽器にベースとドラムスでリズムを固めたシュールなフォークロックバンドといったところ。ムーンシャイナー2012年8月号、また2013年3月号(各\525-)に、女子三人組のみで制作したアルバム『Sailing Home』(OTCR-003 \2,000-)の特集などでの紹介がある。広い意味で、ザ・キャッシュなどとともに、21世紀を体現するアパラチア源流のニッケルクリーク以降のあたらしいブルーグラス系ユニットが、日本にも生まれつつあるようだ。
  MNJS-0002 MAREKA & JUNJI『The Rambler』CD\2,500-(本体\2,381-)

 元ナターシャセブンの城田純二と内藤希花のアイリッシュコンビの最新第三作。城田のギターとバンジョーに内藤のフィドル、コンサルティーナ、アイリッシュハープなどを駆使して幅広いレパートリーを聴かせる。1曲目のフィドル、オープンバックバンジョーのトーンとコンサルティーナが良く合う2曲目、3曲目には故・坂庭省吾が良く歌っていたというトム・パクストン“Last Thing on My Mind”の日本語版、そしてスタンレーの“Clinch Mountain Backestep”をクロウハンマーで演じる4曲目……など、フィドルチューンを軸に山形の民謡なども含め、アイリッシュ特有の清涼感に包まれた秀作。ちなみに、「MAREKA & JUNJI+三津谷組」のライブリポートがムーンシャイナー2013年10月号(\525-)に。
  YTM-102 やぎたこ『I'll Be Home Someday』CD\2,000-(本体\1,904-)

 日本のフォークからボブ・ディラン、そしてウッディ・ガスリーからカーターファミリーらを経由して、アパラチアの陰影に辿りついたというシンガーソングライターの「やなぎ」と「辻井貴子」の男女デュオの最新第二作。フォスターやジョンハートフォードの名曲も含め、ギター、オートハープ、マウンテンダルシマー、バンジョー、マンドリン、フィドルなどを駆使しながら原曲のイメージに沿ったアレンジで原語で聴かせる。1950年代末から60年代初めにかけてアメリカの都会の若者たちが辿ったのと同様の道を歩んでるような……、そして21世紀初頭の「オーブラザー現象」日本版のような彼ら。日本のブルーグラス/オールドタイム系男女デュオとはまた違った新鮮な切り口で、フォスターやカーターファミリーを中心に、われわれにはなじみの曲の数々を聴かせてくれる。
 ■そのほか……
  BOOK-52 鈴木カツ『アクースティック・スウィング340』B6版Book208頁\2,100-(本体\2,000-)

 かつてジューンアップルからブルーグラスリバイバルの編集にも携わっていた音楽評論家、鈴木カツによる「アコースティック・スウィング」アルバムのガイドブック。ジム・クエスキン・ジャグバンドからはじまってフランク・シナトラまで、100アーティストの代表アルバム340枚が紹介されている。ジャンル名というのは、基本的にはレコード購買者(ファン)によって支持されるか否かという問題で、アメリカには「アコースティック・スウィング」というジャンルは存在せず、おそらくこれは、ジャズとブルーグラス(ブルースとカントリーでないのがミソかな!?)という2大アメリカンルーツ音楽の激突で生まれた1976年のデビッド・グリスマンの「ドーグ」に衝撃を受けた日本人が生み出した、なかなかのネーミングではないだろうか? そこから、70年代以降の若いファンやミュージシャンたちがラグタイム、ジャグバンド、ブルース、そしてビッグバンドやウエスタン・スウィングやバップまで、モダンジャズ(これも日本語)を主導したジャズ評論家の影響を受けず、独自にジャズの深淵に触れたことへの大きな功績があるのではないだろうか。そんな視点から楽しめる作品が網羅されているレコードファンへの入門ガイドである。
BU-ST 『ブルーグラス・アンリミテッド社のバンパー・ステッカー』各\315-(本体\300-)

 30年以上に渡り、ベストセラーを続けるブルーグラス・アンリミテッド誌製ステッカー(いわゆるシールで、米国では車のバンパーによく貼られる)全6種類。風雨に強いビニール素材の紺地に白字で鮮やかなブルーグラス・スローガンが書かれたシンプルなもの。29cmx7cmの横長。スローガンは以下の通り。
●I Love Bluegrass
 ●Bluegrass Music Finger Picking Good
  ●Bluegrass Music Hear It, Play It, Love It!
   ●My Grass Is Blue
    ●Have You Hugged Your Banjo Today?
     ●Clean Up Air Polution Play Bluegrass Music  
 楽器関連作品
 (楽器奏法や教則など、さまざまなご相談に関してはミュージシャン歴豊富なスタッフがアドバイス、また楽器につきましても、本体やパーツ/アクセサリーなど、ビンテージを含めて各種取り扱っています。お気軽にお問い合わせ、ご相談ください)
 ■ギター
  OXCD-6033 BUSH, LATHUM & WHITE『Legendary Kentucky Colonels' Trio』CD\2,363-(本体\2,250-)

Shucking The Corn/ChugA Lug/She's No Angel/Salty Dog/Just Stay Around/Dixie Breakdown/Mocking Banjo/Once More/Green Corn/Ruebin's Train/Don't Let Your Deal Go Down/Flop Eared Mule/Black Eyed Susie/Sally Ann/Cumberland Gap/Shady Grove. 全16曲

 1964年というから、あの『Appalachian Swing』(現在廃盤)を発表した翌年、バンドとして油が乗りはじめたケンタッキー・カーネルズ。シカゴでのライブにローランド・ホワイトが欠席、そのために友人宅でクラレンス・ホワイト、ビリー・レイサム、ロジャー・ブッシュの3人が練習しているところを収めた貴重な録音。なお本作は2003年、故・四方敬士氏がビリー・レイ・レイサムと共同でローランドが参加した6曲のボーナスを含めた全22曲『Rare Performances』(廃盤)として発表しており、また四方氏によってムーンシャイナー誌1999年11月号(MS-1701)から2000年4月号(MS-1706)まで6ヶ月にわたって詳細なビリー・レイのインタビューが掲載されている(各\525-、売り切れゴメン!!)。
 ■バンジョー
 (ムーンシャイナー連載のチチ松村「バンジョー祭り」、世界のバンジョー音楽をお見逃しなく!!)
  PATUX-175 MARK DELANEY『Sidecar』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ワシントンDC地区のベテランバンジョー奏者、マーク・ディレイニーの2009年デビュー作。カントリー・ジェントルメン経由で現在、トラッドグラスの権化といわれるダニー・ペイズリーのサザングラス在籍。同郷のエディ・アドコックをはじめ、これまで60余年のブルーグラス・バンジョー・テクニックをバランス良く取り入れつつ、何よりも「音」に対する感情を爆発させる弦へのアタックと意表をつくタイミングの取り方が、わたしには堪らない。バックにはオーディ・ブレイロック(g)、マイケル・クリーブランド(f)、ジェシー・ブロック(m)、バリー・リード(bs)といった凄腕たち。地元DC周辺のゲストを迎えたスタンダードのボーカル物をはさみつつ、ドン・ストーバーやハースケル・マコーミック、ジェシー・マクレイノルズらの隠れた名曲など、ホットピッキンとあきさせない選曲も楽しい。
 ■マンドリン
  PATUX-231 大塚 章『First Tear』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ムーンシャイナー10月号のカバーストーリーでもある大塚 章のソロデビュー作。アキラは1973年以降、アメリカにとどまり、数々のバンドに参加、ワシントンDC地区のブルーグラスに大きな功績を残している。デビッド・グリア(g)やマイク・マンフォード(bj)、リッキー・シンプキンズ (f)らを基本セットに、日本から兄のジョッシュ大塚、ロカビリーのビル・カーチェンを含むさまざまなゲストを迎えて演じるブルーグラス、ニューグラス、スウィングなど。恩人でもある故ジョン・ダッフィに捧げたラスト、ライブ録音"Heartaches"のエディ・アドコックとトニー・ライスが凄い!! 40年前に米国移住したアキラ、念願のソロ作は、すばらしい作品になった。
 ■フィドル
  OMAC-19 MARK O'CONNOR『The Improvised Violin Concerto』CD+DVD\2,573-(本体\2,450-)

 52歳になったマーク・オコナー最新作は、昨春初演された自身とボストンユースシンフォニーによる即興交響曲五楽章のDVD映像(約35分)と、バイオリン/チェロ/ピアノ姉妹アーン・トリオとニュージャージーユースシンフォニーによるマークの交響曲「March of the Gypsy Fiddler」のCD。DVD映像ではクライマックスに向かう第五楽章「Faith」におけるブルーグラス連発フレーズで聴衆を引きつけるマーク、40年に及ぶ最高のアメリカンフィドラーとしてのゆるがないカリズマ性を見せ付ける。現在、米クラシック界で確固たる地位を築き、そのバイオリン教育に「フィドル音楽」を取り入れた「アメリカン・クラシック」を提唱、「オコナーメソッド」の普及に尽力している。今や世界的な芸術家としての貫禄を観てください! 
 ■ドブロ
  TAK-8914 MIKE AULDRIDGE『Dobro/ Blues and Bluegrass』CD\2,573-(本体\2,450-)

 2012年12月29日、73歳で死去したマイク・オルドリッジ(ムーンシャイナー2013年2月号=\525-=で追悼特集)の、ドブロというカテゴリーやブルーグラスというジャンルを超えて、アコースティック音楽作品として歴史に残る大名盤。ドブロという楽器の未来を根底から変えたほぼ40年前、1972年発売『Dobro』と1974年発売『Blues and Bluegrass』の2枚のLPがCD1枚になったもの。1955年にアンクル・ジョッシュ・グレイブスによってフラット&スクラッグスに持ち込まれ、6番目のブルーグラス楽器となったドブロが、このアルバムからまったくあたらしい未来を歩きはじめた瞬間が記録されている。当時マイクが在籍していたセルダムシーンのほか、デビッド・ブロムバーグやバッサー・クレメンツ、リンダ・ロンシュタットらを迎えた全人類必携の超大名盤です。
 輸入雑誌
 ■フラットピッキン・ギター誌
隔月刊の掲載全タブ譜対応CD付きフラットピッキン・ギター誌。ブルーグラスからスウィング/ジャズまで。一冊でさまざまな奏法が学べる。
  FGM-18.2 最新「2014年1〜2月号」CD付き70頁Tab-Book\2,625-(本体\2,500-)

Pretty Bird/Little Girl of Mine in Tennessee/San Antonio Rose/Pupville/John Hardy/Little Annie/Stetson’s #2/Long Journey Home/Sand Coulee Reel/Soppin’ The Gravy/Cotton Patch Rag/We Live In Two Different Worlds.

 ギリアン・ウェルチの相方で、アグレッシブなダウンピッキンで知られるデビッド・ロウリングスのカバーストーリーほか、マウンテンハートのセス・テイラー、アラン・ジャクソン・バンドのスコット・コニー、そして楽器ルシアーのケン・フーパーらの特集。それに上記、それぞれに初心者やコード分解、ナッシュビルスタイルなど各コラムに応じたタブ譜集。
  FGM-18.1 「2013年11〜12月号」CD付き70頁Tab-Book\2,625-(本体\2,500-)

/First of May/Handful of Riffs/Nellie Kane/When You’re Smiling/Silent Night/Ages and Ages Ago/John Hardy/Whispering/The Night Has A Thousand Eyes/Cattle in the Cane/Rabbit in a Pea Patch/Sheep & Hogs/Turkey in the Cotton Woodsほか

 話題のクエベ・シスターズのギタリスト、ジョーイ・マッケンジーのカバーストーリーとウエスタン・スウィングの典型的なバックアップ、ソックリズムのコード進行ノウハウ“Home In San Antone”と“Right or Wrong”、マイケル・デイビス(クリス・シーリのブラザーデュオ相方)と“John Henry”ほかの特集と上記曲に関するコラム/タブ譜ほか、クロスピッキンのアクセントや「きよしこの夜」のジョン・カーリニによるアレンジ、ウエスタン・スウィングのコード進行が満載の72頁。
  FGM-17.6 「2013年9〜10月号」CD付き70頁Tab-Book\2,625-(本体\2,500-)

Amazing Grace/Munde's Child/Crying Holy/Old Gospel Ship/Precious Lord/Never Give the Devil a Ride/Gathering Flowers from the Hillside/You Are My Sunshine/Swing Low, Sweet Chariot/Old Time Religion/Gnarly/Cottonwood Reel/Done Gone/Salty Dog Blues ほか。

 レターでも紹介したギターアルバム『Grace Notes』を発表したカール・ジャクソンをカバーストーリーに“Amazing Grace”のタブ譜ほか、エリオット・ロジャーズ、ジョン・バクゼンデールのコロラドギターカンパニー訪問、CDハイライトはアンドリュー・リグニー、新製品紹介などの記事のほか、とにかくタブ譜満載の70頁。
  以上のほか、現在の在庫は2013年9-10月号、2013年2013年1-2月号、2012年11-12月号、2012年5-6月号、2011年7-8月号、2011年5-6月号、2010年3-4月号、2010年1-2月号、2009年11-12月号、2009年7-8月号、2008年3-4月号、2007年1-2月号、2006年7-8月号のみです。
 ■バンジョー・ニューズレター誌
  世界唯一のバンジョー専門月刊誌。毎号タブ譜満載(ウェブサイトから「MP3」で音源入手可!!)、バックナンバーもお問い合せ下さい。探しておられるタブ譜の曲名や演奏スタイル、またお気に入り奏者の特集も探します。収蔵曲のCDやDVDなども在庫していますので、お問い合わせください。
  BNL-14/01 最新2014年1月号 \630-

 1960年代から活躍する大ベテラン、トム・ニールのカバーストーリー(トム・アダムズの愛情たっぷりインタビュー)と“Tyler's Tune”(昨年発表のアルバム『Banjoland』\2,573-より)ほか、アール・スクラッグスは“Four Walls Around Me”、ピーター・ワーニック"Nellie Kane"など、バンジョーに関するさまざまな情報が満載。
  BNL-13/12 2013年12月号 \630-

 左指にハンディを持つマウンテンハートのバリー・アバーナシーのカバーストーリーと"Deadwood"のタブ譜ほか、アール・スクラッグスは1985年のジョン・ハートフォードとのジャムテープから"Turn Your Radio On"、トム・アダムズはクリスマスにペリー・コモのメロディから"(There's No Place LIke) Home for the Holidays"、初心者は"Holly Jolly Christmas"、フィンガーボード探求には"deck the Halls"のメロディックとスクラッグス、そしてベースノート譜、フレッド・ゲイガーのコード考察"J'Attendrai"ほかクロウハンマーのタブ譜も充実、バンジョー情報満載の40頁。
  BNL-13/11 最新2013年11月号 \630-

 ムーンシャイナー誌のちょうど10年先輩、バンジョー・ニューズレター誌がこの11月号で創刊40年を迎えています。「バンジョー好き」という理由だけで、無謀な創刊に飛び込んだハブとナンシーのニッチー夫妻への感謝のメッセージや創刊当時の様子や歴史などの特集のほか、IBMA(WoB)2013リポート特集と、アール・スクラッグス"Will the Circle Be Unbroken"ほかのタブ譜など、バンジョーに関するさまざまな情報が満載。
  BNL-13/10 2013年10月号 \630-

 ベラ・フレックのバンジョーサミットのレギュラーでもあるパンクなクロウハンマーの名手、リッチー・スターンズのカバーストーリーとタブ譜“Last Train To Rajastahn”のほか、初心者は“Lonesome Road Blues”のバックアップ、アール・スクラッグスはライブテープから“Sugarfoot Rag”、トム・アダムズはスタンダード曲“Five Foot Two, Eyes of Blue”、マーティ・カトラー“Gold Rush”バリエーションその1ほかのタブ譜と、バンジョーに関するさまざまな情報が満載。
  BNL-13/09 2013年9月号 \630-

 現在はドン・リグスビーのミッドナイトコールのバンジョーを務めるベテラン、エルマー・パーチェットのカバーストーリーとタブ譜は“Whistle Pig”(デビッド・パームリー&コンティネンタルディバイドの2000年秀作『There'll Always Be a Rocking Chair』=在庫あり=PC-1095 廃盤特価\1,575-)ほか、知られざる凄腕ルシアー、ロニー・ベイルズ(顧客にはベラ・フレック、ノーム・ピケルニー、カーティス・マクピーク、ラリー・マクニーリー、ビル・エバンスらがいるという)訪問インタビュー、今夏のサマーNAMMショウでのバンジョーリポートなどの特集と、レッスンタブ譜はフレッド・ゲイガーのジャズコード“Georgia On My Mind”、アールズウェイ“Sugarfoot Rag”、トム・アダムズFシェープの7thコードリック“I Wonder Where You Are Tonight”など、有益なバンジョータブ譜と情報満載の40頁。
  BNL-13/08 2013年8月号 \630-

 ニューヨーク・ブルーグラスのもっともホットなエリア、ブルックリン在住の若者ベネット・サリバンのカバーストーリーとタブ譜“Cutch Tuttle”ほか、トム・アダムズ“Bury Me Beneath the Weeping Willow”、アール・スクラッグスは1948年2月、ほぼ最後のビル・モンロー在籍メンバー当時の録音“Sunny Side of the Mountain”と「アールズウェイ」は“Old Gray Mare”ほかクロウハンマーも充実、有益なバンジョータブ譜と情報満載。
  BNL-13/07 2013年7月号 \630-

 話題の第一世代ブルーグラスバンジョーのフォロワー、クリス・ヒルのカバーストーリーと"If That Footsteps That I Hear"と"I Get the Blues When It Rains"のタブ譜、曲はともにトム・フェラーとのブルーグラス・バッカルーズ『Feller and Hill and the Bluegrass Buckaroos』(BCR-035 \2,573-)より。そのほか、レノ・スタイル"Mr. Bottle"、トム・アダムズ"Rock Around the Clock"ほか、"Beaumont Rag"、"Lady Be Good"、"St. Anne's Reel"などとオールドタイム/クロウハンマーなどのタブ譜満載。
  BNL-13/06 2013年6月号 \630-

 ディック・ワイズマン(Dick Weissman)のカバーストーリー……って誰?って思うよね。でもきっと、結構多くのひとが見たことのある、ウッディ・アレンみたいな人が楽器店のようなところでオープンバックのバンジョーを弾いていて、その写真が、斜め上にダブってコラージュされているジャケット、タイトルは『Modern Banjo Mountain Style』……覚えていませんか? 1961年にはフォークグループ、ジャーニーメンを結成、フォーク界の知られざる最先端を歩んできたディックのインタビュー。人に歴史あり! フォークのみならず、スクラッグスやボビー・トンプソン、ライ・クーダーやビル・ダノフら、さまざまな登場人物の逸話も楽しい。そのほかタブ譜は、アール・スクラッグス"Red River Valley"(ハートフォードとのジャムテープより、この逸話が面白い!!)、初心者には"When You and I Were Young Maggie"、ブルース"I'm So Glad"、トム・アダムズdチューニングの"Cumberland Gap"、ジェリー・リード"Jerry's Breakdown"、ドビュッシー"Reverie"、リッチ・スティルマン"Cascade"ほか、クロウハンマーなどのタブ譜満載。
  BNL-13/05 2013年5月号 \630-

 ティム・ウィードのカバーストーリーのほか、アメリカン・バンジョーキャンプ・リポート、クロウハンマーで弾くバッハの特集ほか、タブ譜はアール・スクラッグスがハイロ・ブラウンとライブ録音を残した闊達な"Prisoner's Song"、アラン・マンデ"Cotton Patch Rag"ほか、バンジョーに関するタブ譜と話題満載40頁。
  BNL-13/04 2013年4月号 \630-

 アリソン・クラウスのユニオン・ステーションのロン・ブロックをカバーストーリー/インタビューにタブ譜は、ジェリー・ダグラス作アリソン・クラウスの『New Favotite』に収められていた"Choctaw Hayride"と同アルバムからの"Take Me for Longing"、そして最新作『Paper Airplane』からの"My Love Follows You Where You Go"ほか、ニューロストシティ・ランブラーズのジョン・コーヘンのシビアなインタビュー「On Old-Time Music Before There Was 'Old-Time'」とタブ譜"Cumberland Gap"と"Buck Creek Girls"ほか、タブ譜は"Fireball Mail"のインプロバイズ、トニー・トリシュカの3-0-2リックによる"Black Mountain Rag"、トム・アダムズのハイポジションのレッスンはスクラッグス・リックのバリエーション。ディーリング・バンジョー社のリポートもあるバンジョーに関する話題満載40頁
  BNL-13/03 2013年3月号 \630-

 トニー・ライスらと「クロウグラス」という、ブルーグラス・バンドのセッティングでクロウハンマーを弾く独自の世界を築き、昨秋は第3回スティーブ・マーティン賞を受賞したマーク・ジョンソンのカバーストーリーと"Marching Through Georgia"(パイのパイのパイで知られる東京節)のタブ譜ほか、アール・スクラッグスのライブテープからオタク美学の"Your Crazy Heart"、フレッド・ゲイガーのコード遊びは1931年のビング・クロスビー"Wrap Your Troubles in Dreams"、トム・アダムズはハイポジにおけるDからGへ戻る10の方法、ジャネット・デイビスのバックアップはCチューニングにおける"Soldier's Joy"、ジャム・スタンダードを変拍子で楽しむジェイク・シェップスの7拍子の"Whiskey Before Breakfast"と5拍子の"Blackberry Blossom"、ティム・カーターの"Waltz for Earl"ほか、各種クロウハンマーなど、バンジョーに関する話題満載40頁。
  BNL-13/02 2013年2月号 \630-

 2011年のIBMA最優秀バンジョー奏者で、ただひとり最優秀フィドル奏者も獲得しているロン・スチュワートのカバーストーリーとタブ譜は"Crawford County"、ロジャー・シミノフによる「プリウォーサウンドpart 2」はアール・スクラッグスの右手のアタックに関する考察、初心者は「知っておくべき10のリック」、トム・アダムズは「タブを書こう!?」、ジャネット・デイビスのバックアップは"America the Beautiful"をネタにセブンスコードの使い方、アール・スクラッグスは先月に続いてジャムでの"Walking the Floor Over You"ほか。
  BNL-13/01 2013年1月号 \630-

 懐かしや!アンディ・オウエンズと来日したジェフ・スロギンズのカバーストーリーとタブ譜は"Woodland Arch"と"Boundary Hunter"、そのほかアール・スクラッグスはシラブルで弾く"Walking the Floor Over You"、ハーモニー研究「枯葉B」、トム・アダムズは「発見されるのを待つ音たち」と題したちょっとしたアイデア集、バックアップは"Old Spinning Wheel"、初心者コーナーはコード進行のパターンリストほか、オールドタイム・コーナーと、バンジョーに関する話題満載40頁。
 ■ブルーグラス・アンリミテッド誌
  BU-14/02 最新2014年2月号 \840-

 カントリー業界ともつながりを持った兄妹ザ・ロイズと、マーク・ニュートンとスティーブ・トーマスの新コンビをカバーストーリーに、トニー・ライスの叔父にあたるドブロ奏者フランク・ポインデクスターほかの特集記事と各種コラムのほか、米国ブルーグラス情報満載の54頁。
  BU-14/01 2014年1月号 \840-

 マールフェス特集(表紙写真はムーンシャイナー6月号表2と一緒だったぞ!!)のほか、毎週一度のナッシュビル郊外ラブレスカフェからのライブ公開放送「ミュージックシティルーツ」、バージニアのインドアフェス「キャビンフィーバーピッキンパーティ」、ペンシルベニアの「ブルーグラス・オンザ・グラス」主宰者デイビス・トレーシーらの特集記事と各種コラムのほか、米国ブルーグラス情報満載の100頁。
  BU-13/12 2013年12月号 \840-

 IBMA(WoB)2013のカバーストーリーと写真リポートほか、アラン・ジャクソン、カール・シフレット&ビッグ・カントリーショウ、フィル・レッドベターの特集記事のほか、米国ブルーグラス情報満載の60頁。
  BU-13/11 2013年11月号 \840-

 トム・T.ホールの妻でソングライターとしてブルーグラスやカーターファミリーの庇護者でもあるディキシー・ホールのカバーストーリーほか、ウエイド・メイナーとアール・スクラッグスの日本のグラナダ因縁、ブルーグラス奨学金の紹介、ティム・グレイブスの新バンド、ファームハンズ、ブッキングエージェントのクラスアクトなどの特集記事のほか、米国ブルーグラス情報満載の52頁。
  BU-13/10 2013年10月号 \840-

 マーティ・レイボンのカバーストーリーほか、フィンランドのブルーバンド、ジュシ・シレンとグランドブレーカーズ。マンドリンやギタールシアーのシム・デイリー、ブルーグラスソングライターのジェリー・サリー、2014年タレント・ディレクトリーなどの特集ほか、米国ブルーグラス情報満載の76頁。
  BU-13/09 2013年9月号 \840-

 あたらしいトラッドグラスの形を提示するビッグ・カントリー・ブルーグラスをカバーストーリーに、ジミー・マーティントの活躍で知られるクリス・ワーナー、デイリー&ビンセントのマンドリン奏者ジェフ・パーカー、ピーター・ワーニック博士のブルーグラスジャム法などの特集ほか、米国ブルーグラス情報満載の72頁。
  BU-13/08 2013年8月号 \840-

 スティーブ・ヒューバーが復活させたウエイド・メイナーの1930年製ギブソン・グラナダ#9530-4をカバーストーリーに、今年からノースカロライナ州ローリーに移るIBMAのワールドオブブルーグラス、その誘致に尽力した団体パインコーン、ビル・モンローの愛人だったベッシー・リー・モウルディン、そしてギブソン・ピラミッド・バンジョーと呼ばれた戦前のマスタートーン・スタイル2の物語などの特集のほか、米国ブルーグラス情報満載の64頁。
  BU-13/07 2013年7月号 \840-

 ロニー・レノのカバーストーリーほか、タウンマウンテン、デニス・マクブライド、「ヒルビリー」という言葉の由来となった1920年代のバンド、ザ・ヒル・ビリーズの正体ほか、米国ブルーグラス情報満載の66頁。
  BU-13/06 2013年6月号 \840-

 リッキー・スキャッグスのカバーストーリーのほか、リッキーのハーモニーパートナーを18年間努めるポール・ブルースター、ライマン公会堂再建物語、ラス・カーソンとグレン・カーソン「バンジョーファミリートゥリー」、若手ヒルベンダーズなどの特集のほか、、米国ブルーグラス情報満載の70頁。
  BU-13/05 2013年5月号 \840-

 スティールドライバーズをカバーに、ポール・ウィリアムズ、ジョー&ステイシー・アイザックス、バンジョー・サファリのアフリカ旅行記などの特集ほか、定期コラムなど米国ブルーグラス情報満載。
  BU-13/04 2013年4月号 \840-

 キャシー・キャリックとスピニー・ブラザーズをカバーに、ジム・ハーストのソロについて、ビル・モンローやデル・マッカーリーとの活躍で知られるトラッドグラス・フィドラー、ビリー・ベイカーなどの特集ほか。
  BU-13/02 2013年2月号 \840-

 ジム・ローダーデイルのカバーストーリーほか、マンドリンのスーパーピッカー、アラン・バイビー、ギター若手ジョーダン・タイス、オハイオのジェッツ・クリークなどの特集ほか。
  BU-13/01 2013年1月号 \840-

 サム・ブッシュを表紙に恒例の全米ブルーグラス・フェスリスト(数百箇所)と、ブリストル・リズム&ルーツ・リユニオン・フェス、ルディ・フェス、マウンテン・オープリハウスなど、各地のイベント特集に連載コラムほか。
 ■オールドタイム・ヘラルド誌
  内容の濃いアメリカンルーツ/オールドタイム音楽専門誌。アメリカ伝統音楽研究に必読の良書!! バックナンバーが揃っています。お問い合わせください。
  OTH-1307 第13巻7号 \1,260-

 19世紀初頭以来のモンタナのフィドル伝統特集のほか、ノースカロライナのフィドラー、ハワード・ジョインズ(1908-1981)、ウォルト・コーケンのハイウッズ・ストリングバンド物語連載「Tales from the Woods Vol.6」はニューヨーク州の学生街イサカにて、ポール・ウェルズの屋根裏写真コレクションは「ハウのバイオリン教室」など、アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。 
  OTH-1306 第13巻6号 \1,260-

 1927年のビクターレコード主宰のブリストル・セッションの翌1928年、ブリストルからわずか25マイルのジョンソンシティでコロムビアが行ったセッションの特集ほか、1970年代にホットマッドファミリーで活躍したバンジョー奏者リック・グッド、ウォルト・コーケンのハイウッズ・ストリングバンド物語連載「Tales from the Woods Vol.6」はトミー・ジャレル訪問、ポール・ウェルズの屋根裏写真コレクション古いフィドラーの写真から見るフィドルの持ち方考察など、アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1305 第13巻5号 \1,260-

 インディアナ州セイラム出身で1930年に8曲、フィドルとバンジョー、ハーモニカ、ジョーズハープ、ジャグなどの楽器を使って録音を残したニコルソンズ・プレイヤーズ。これまで謎だった彼らのことを調べたトニー・ラッセルの力作ほか、ウォルト・コーケンのハイウッズ・ストリングバンド物語連載「Tales from the Woods Vol.5」はノースカロライナ州チャペルヒルでのファジーマウンテントの出会い、ポール・ウェルズの屋根裏写真コレクションは「フィドルとフルート」バンド集、など、アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1304 第13巻4号 \1,260-

 ビル・モンローの"Footprints In The Snow"の原曲を辿っていく興味深い物語のほか、ケンタッキーの伝承音楽やフィドル音楽を蒐集する中心的な役割を担った1946年生まれのジョン・ハーロッドのすばらしいインタビュー、ウォルト・コーケンのハイウッズ・ストリングバンド物語連載「Tales from the Woods Vol.4」は首都ワシントンDCのスミソニアンフェス、ポール・ウェルズの屋根裏写真コレクションは「チェロ」など、アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1303 第13巻3号 \1,260-

 アルバート・ハッシュ・メモリアル・フェスのリポート、ミズーリ・フィドラーのR.P.クリステンソン、ウォルト・コーケンの連載「Tales from the Woods Vol.3」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1302 第13巻2号 \1,260-

 全米フェス&キャンプガイド特集のほか、西アフリカ・ガンビア共和国ジョラ族のアコンティング奏者ラエモウアヒュマ・ジャッタのインタビュー、ウォルト・コーケンの「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話A」は「ショッティーシュ(ボヘミア起源のダンス)」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1301 第13巻1号 \1,260-

 ダン・マーゴリーズ「ハンドメイド弦〜猫と馬の尻尾から生まれる音楽」をメイン特集に、アート・ローゼンバウム「北部ジョージアでの1日」、ウォルト・コーケン「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話」シリーズ第1回など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
 月刊『ムーンシャイナー』
   1983年11月の創刊以来、毎月発行を続ける日本唯一のブルーグラス月刊専門誌、31年目です。

■定期購読:1年¥6,000-半年¥3,300-
 お申込はお葉書やお電話、ファックスやメールでご希望の購読開始月をお知らせ下さい。バックナンバーも含めて、いつからでもご自由です。
 また、4月からの消費税値上がりに伴い、4月1日以降のご契約(ご送金分)については年間契約\6,300-に、半年契約については\3,450-と致します。何卒ご理解のほど、よろしくお願いします。この機会に、ぜひ定期購読を、よろしくお願いします!

■バックナンバー:各¥525-。
 下記以外にも、アーティストや知りたい話題をお知らせ下さい。掲載号を探してお送りします。
  MS-3104 最新2014年2月号(通巻364号)\525-

 関東の重鎮バンド、ブルーサイド・オブ・ロンサム「in Oklahoma」のカバーストーリーほか、ノースカロライナってどんなとこ?「アール・スクラッグス生家訪問」、ジム・シューメイトとビル・モンローとアール・スクラッグスの出会い証言集、浪花米国南部系ルーツ音楽祭リポート、札幌ブルーグラス物語り#5「ニューグラスリバイバル来日」、ジュニア・シスクとジョー・マリンズの元ネタ集、丹沢サークル「ケンタッキー制覇ツアーリポート」A、日本ブルーグラス年表#72「1978-1979年」、大谷大学「名取綺更」ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3103 2014年1月号(通巻363号)\525-

 ジム・シューメイトとポール・ウォーレンに捧ぐ「フォギーマウンテンフィドル列伝」前編、アーニャ・ヒンクル日本紀行「ブルーグラスアクシデント北海道編」、佐藤コウスケ「ゴローショーとエンタメ」、丹沢サークル「ケンタッキー制覇ツアー@」、知っておきたい#6「ブルーグラス・スウィング」、馬渡 浩の札幌ブルーグラス物語りB、「ノースカロライナってどんなとこ?A」、ブルーグラス史観米国史#44「セシル・シャープとオリーブ・キャンベル」、洗足学園音楽大学「岩本歓喜」ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3102 2013年12月号(通巻362号)\525-

IBMA(WoB)2013リポート「ノースカロライナってどんなとこ?」、女子大生の見た「ワイドオープン・ブルーグラス」、タヒチクラブ「新春★浪花 米国南部系ルーツ音楽祭」、愛媛・朝倉ブルーグラスの25年、馬渡 浩の札幌ブルーグラス物語りA、知っておきたい...#5 「フラットピッカー達」、日本ブルーグラス年表#70「1978年」、3大学対抗!年忘れライブ酪農学園大学「花村彩音」ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3101 2013年11月号(通巻361号)\525-

 31年目の第1号、IBMA名誉の殿堂入りのセレモニーで「奇跡」を起こしたトニー・ライスのスピーチほか、第24回IBMAアワードショウ・リポート、マイク・コンプトン「ビル・モンローの魂」12月来日、ブルーグラス☆ポリスのデビューCD『BG★PC』、馬渡浩の札幌ブルーグラス物語り@、やぎたこ『I'll be home someday』、きたむらいづみ「彦根にアメリカーナ」、ハゥトゥプレイブルーグラス!その伍ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3012 2013年10月号(通巻360号)\525-

 やりました!通巻360号、購読してくれる皆さん、ボランティアで情報や記事、写真を提供してくれる皆さん、そんなダイハードなブルーグラスファンの皆さんのお陰で30年間、何とか持ちこたえました。これからいつまで頑張れるか、体力と根気の勝負ですかね、こうなると? ひきつづき皆さんのお引き立てを、何卒よろしくお願い致します。本当に、ありがとうございます!!
 記念すべき360号は、日本でデビューして、最年少でIBMA名誉の殿堂入りをしたトニー・ライス秘話のほか、1958年に結成されたイースト・マウンテン・ボーイズがIBMA特別功労賞を受賞するにあたって彼らの年表と紹介、そして日本の戦前・戦後における「洋楽」の受容についての特集記事、中学生ソフィア美玲キャタリナの「ウィザー・フィドル・コンテスト」参戦記、ハゥトゥプレイ・ブルーグラス#4「続アールの日」、最新トラッドグラス事情「レベル・レコード編」、コンサートリポート「mareka & Junji vs 三津谷組」、カーター・ファミリーとボブ・ディラン、東北大「荒川善行」、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Dほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3011 2013年9月号(通巻359号)\525-

フラットピッキンギターに魅せられた女性レベッカ・フレージャー、その初々しい半生を紹介したカバーストーリーのほか、クレイグ・ダンカン、ビリー・スミス、マイク・スコットらが女性陣ふたりを加え10月はじめに来日。同じ10月、ハンマーダルシマを初めて日本に紹介したカレン・アッシュブルックが来日するのを機に、「ハンマーダルシマ」の歴史と今特集。9月28日に「第4回六甲ブルーグラス・タイムズ」を主催する神戸大学の木村周平。「ハゥトゥープレイブルーグラス」シリーズ3回目になる最新号では、「シラブルで弾く」こととは? CD+DVDを発表した原さとし(bj)と竹内信次(m)のトイメンシャオ。ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Dほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3010 最新2013年8月号(通巻358号)\525-

 「ハウトゥープレイ・ブルーグラス」特集として、ブルーグラス楽器奏法のつかみ方を「岸本一遥のケニー・ベイカーから学んだこと」や「アールの日」のリポートを軸に特集。そのほか、奥 和宏「アメリカン・ルーツミュージック、ディスクでたどるアメリカ音楽史」、全国サイマル放送一覧表とFMはしもと「しもちゃんの“Bluegrass”でナイト」、学生プロファイル#7は首都大学東京「山本南希」、人口16人の瀬戸内海での「斎島ブルーグラス」、ブルーリッジに本拠を置くマウンテン・フィーバー・レコード社、埼玉・狭山市の美食ブルーグラスレストラン「SOFT」、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Cほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3009 2013年7月号(通巻357号)\525-

 第26回マールフェスリポート」ほか、ジョージ・ジョーンズ追悼「カントリーソング」後編、ジェイコブ・シャープ「ミプソ」来日!、菅沼工房5弦フィドル製作記E最終回、井上 高とホームタウナーズ「50年前に活躍したプロのブルーグラスバンド」後編、学生ブルーグラス・プロファイル#6 北海道大学「兼平愛弓」、日本ブルーグラス年表#65「1977年」ほか、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記B、1911年ビル・モンローの生まれた日ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3008 2013年6月号(通巻356号)\525-

 北海道の八雲フェス特集のほか、ジョージ・ジョーンズ追悼「カントリーソング」前編、ブルーサイド・オブ・ロンサムと坂本愛江、「Tri Barrel(トライバレル)」尾崎博志、古橋一晃、河合徹三、知っておきたい#2「新進気鋭のマンドリニストたち」、菅沼工房5弦フィドル製作記D、井上 高とホームタウナーズ「50年前に活躍したプロのブルーグラスバンド」前編、学生ブルーグラス・プロファイル#5 名古屋大学「山田遼一」、日本ブルーグラス年表#64「1976-77年」ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3007 2013年5月号(通巻355号)\525-

「フェスティバル・シーズン到来号」として、ブルーグラスフェスの歴史とウィンターグラス2013リポート後編のほか、ブルーグラス・リズムギター上達の近道、サードタイムアウト「ブルーグラスる!?(Bluegrassed)」、知っておきたいブラザーデュオ一覧、ケンタッキーのモアヘッド州立大学ブルーグラス科を訪ねた川合くんのすばらしいリポート、ネッシーエクスペディション米国ツアー顛末記A、学生ブルーグラスプロファイル#4「米澤 望(酪農学園大)」、菅沼工房5弦フィドル製作記Cなど特集ほか。
  MS-3006 2013年4月号(通巻354号)\525-

 今月久々に来日、東海道をバンジョー行脚するビル・キースの大特集後編、ジェリー・ガルシアやライ・クーダーらとの逸話など、1963年のビル・モンローとブルー・グラス・ボーイズの重厚な写真をカバーに、ウィンターグラス2013リポート前編、ネッシー・エクスペディション米国ツアー記@、ブルーグラス・アルバム・バンド・リユニオン、マイク伊藤「留学のススメ」、ロストシティキャッツ・リユニオン、菅沼工房5弦フィドル製作記B、学生ブルーグラスプロファイル#3「森山亮治(大谷大)」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3005 2013年3月号(通巻353号)\525-

 4月に久々の来日、大阪、京都、名古屋、浜松、横須賀、東京でワークショップやコンサートをするビル・キースをカバーストーリーに、フルアルバム『Sailing Home』を発表し今月には全米ツアーをする女性トリオ、パイレーツ・カヌー、ハンク・ウィリアムズのセイクレッドソング解説、2012年年発表レコード総括、菅沼工房5弦フィドル製作記A、学生ブルーグラス断簡その壱「松本捺美(神大)と小形奈緒子(東北大)」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3004 2013年2月号(通巻352号)\525-

 ドブロのマイク・オルドリッジのカバーで追悼特集「ブルーグラスを変えたドブロ奏者」ほか、ブラザーデュオ秀作を発表した渡辺敏雄、かつてジューンアップル誌のスタッフだった菅沼利夫「5弦フィドルへの道@」、ラジオ関西「カントリーミュージック・トラベル」が今年20年、950回目を迎えているDJ阿部和則のリポート、1946年のブルーグラス誕生の年にオープリで出会った?ハンク・ウィリアムズとビル・モンローなどの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3003 2013年1月号(通巻351号)\525-

 アール・スクラッグスの右手の表紙写真にメイン特集は、村片和彦のアール・スクラッグス奏法解析「俺、アールやもん」と、先月号の50年前のフラット&スクラッグス『カーネギーホール』で「マーサ・ホワイト!」を叫んだ本人の当時のリポート「アール・スクラッグス異聞」ほか、市川慎一郎のボジョアギター“Slope D”「バンジョーキラー」修理リポート、若手ドブロ宣言「ドブロだって主役!」、60年前の1953年1月1日にアパラチア山中で息を引き取ったハンク・ウィリアムズの最後の1年ドキュメント、フットヒル・ドライブ「アメリカツアー記」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
 B.O.M.厳選、詳細解説コーナー!
(新譜/旧譜の別なく、知っておきたい情報満載の詳細解説コーナーです...!)
 ■ブルーグラス
  BYGF-9122 V.A.『Herschel Sizemore: Mandolin in B, A Tribute to a Bluegrass Legend』DVD\2,888-(本体\2,750- 55分)

Cripple Creek(Del & Jerry McCoury, Dick Smith, Herschel Sizemore)/Night Riding(Del & Jerry McCoury, Dick Smith, Alan Bibey)/Rebecca(Stacy Grubbs Band)/Old Joe Clark(Acoustic Endeavors with Butch Robins)/The Tenth Day of September(The Travelers)/Golden Slippers(Roanoke Mandolin Ensemble= Herschel Sizemore, Alan Bibey, Dale Reno)/Little Willie(Kevin Baucom & Bandwagon)/I'll Be No Stranger There(Seldom Scene)/Cotton Eted Joe(Herschel Sizemore & Alan Bibey)/Washed in the Blood(Shenandoah Valley Cutups).

 2011年にガン宣告を受けたハーシャル・サイズモア(78)、翌年のベネフィットコンサートの模様を伝えるDVD映像。1979年に来日したデル・マッカーリー&ディキシーパルズ、ハーシャルにディック・スミスとジェリー・マッカーリーの1979年の来日メンバー(フィドルの故ソニー・ミラー以外)が思い出を語る。デル自身も含めて初めて食べた寿司のこと、ハーシャルはただ目を白黒させていたと弟ジェリー。そしてその4人で“Cripple Creek”を演じた後、ハーシャルが早い曲を弾ける状態ではないということでアラン・バイビーが変わってディック・スミスのオリジナル“Night Riding”。ちなみにこのときライブコンサートの思い出は、沼田真さんが「デル・マッカーリー&ディキシー・パルズ〜1979年12月3日、初来日公演の記憶」としてムーンシャイナー誌2010年3月号(\525-)に寄稿している。

 それからはインタビューと演奏が交互に紹介され、ハーシャルの経歴、人となり、そしてその素晴らしいマンドリンのヒミツ!?が語られる。まず、クリス・シーリとジョン・ロウレスが交互に「キーが“b”」という“Rebecca”の素晴らしさと意義について語る。2曲目はローカルのステイシー・グラブス・バンドによるそのスタンダード“Rebecca”、ギターがうまかった母の名はレベッカ。3曲目はブッチ・ロビンスとジョン・ロウレスらの“Old Joe Clark”。デビッド・グリスマンがインタビュー出演して1960年代のディキシー・ジェントルメン衝撃を語る。4曲目は、コンサートの仕掛け人でもあるマイク・コナーが参加するザ・トラベラーズ“The 10th Day of September”。

 5曲目はシェナンドーバレーカッタップス1971年映像による“Are You Washed in the Blood”、決して「今どき」のバンドでは聴けない素晴らしい音とエネルギーのカタマリ!! ビル・モンローとは仲が良かったハーシャル、彼が弾いているとモンローが後ろに来て、(1音ずつクリアな流れるような16部音符の)「その弾き方は間違っている」という。するとハーシャルが、「誰があなたが正しいと言った?」と言い返す、そんな仲だったという。6曲目はハーシャル、アラン・バイビー、デール・レノによるロアノーク・マンドリン・アンサンブルによる“Golden Slipper”。シェナンドーカッタップスを離れて、ジョー・マリンズらとカントリー・グラスを結成してアルバム二枚を発表、J.D.クロウやサード・タイム・アウト、サミー・シーラー、ドイル・ローソンらがハーシャルの右手とチョップについて語る。サミー・シーラーをダドリー・コンネル、デビッド・マクローリン、マーシャル・ウィルボーンらの元ジョンソン・マウンテンボーイズがバックアップする“Angeline the Baker”。

 ハーシャルと同じ日にガンを宣告された妻ジョイスが揃って登場、「一度に家族ふたりがガンになった苦しさと、それでも皆さんの志に心から……」どれほど感謝しているかを、アメリカ人らしくウエットにならず短く語る。ケビン・バウコム&バンドワゴンの“Little Willie”。グリスマンが、「おそらくハーシャルは彼の時代でもっとも完璧なマンドリン奏者であったろう」など、さまざまなアーティストが短くコメントする。そして最後、セルダム・シーンが“I'll Be No Stranger There”を演じる。

 残念ながら、わざわざニューヨークから自費で駆けつけたパンチ・ブラザーズは権利関係で登場しないが、バージニア州ロアノーク近辺のブルーグラスコミュニティが一丸となってハーシャルのために作った心温まるコンサートの様子を伝えてくれる。ちなみにクリス・シーリは昨年8月、ウォールストリートジャーナルのインタビューで自身の音楽とジャンルについて語っているが、その始まりは“Rebecca”のバロックスタイル、そして終わりはブルーグラススタイルで閉めている(chris thile, wall street journalで検索)。

 モンロー(1911-1996)/マクレイノルズ(1929-)/オズボーン(1931-)ら第一世代のクリエイター(創造者)たち、ダッフィ(1934-1996)/ウェイクフィールド(1934-)=グリスマン(1945-)/ブッシュ(1952-)/シーリ(1981-)らのイノベーター(革新派)らとは一線を画し、バッサー・クレメンツ(1928-2005)も在籍したディキシージェントルメン(1957-1965)でマクレイノルズ張りのクロスピッキンで驚かせたのち、ジミー・グドローらとと創った一連のトレンドであるスムースでクリアな16部音符を持ち味に、ボーイズ・フロム・シャイロ('66)、ジミー・マーティン('67-68)、シェナンドーカッタップス('69-74)、カントリーグラス('74-76)、デル・マッカーリー&ディキシーパルズ('78-79)、ブルーグラス・カーディナルズ('91-95)、そして1995年にハーシャル・サイズモア・バンドを結成、活躍した。

 2011年10月、同じ日に妻のジョイスとともにガンを宣告されるという大きな試練に見舞われたハーシャル、友人のマイク・コナーと生徒のスペンサー・ブランケンシップのふたりの呼びかけで、翌2012年2月、3バンドではじまった小さなアイデアが、どんどん大きくなってデル・マッカーリーやパンチ・ブラザーズまでが参加を申し出る15バンドの大コンサートになったという。そのことだけでも、ハーシャルがどんな人なのか、容易に想像されるだろう。

 なお、本作の売り上げはハーシャル・サイズモア名義でブルーグラス・トラストファンド(IBMAが創設した互助基金=毎秋のIBMAファンフェスなどの収益がストックされ通常5千万円程の基金が困窮するブルーグラス関係者のために準備されている)に寄付される。
 「人々が費用と時間をかけて来てくれる。それはただ“ウワーッすごい”というようなものではありません。あまりにも恐れ多いことなんです」と、冒頭で述べるハーシャル、それはわれわれがこれまでの演奏や映像からイメージしていた通り、ものすごく礼儀正しく真摯な人となりなのだろう。音楽映像作品としては標準点かもしれないが、ブルーグラス映像としては愛情のこもった、コミュニティ映画として素晴らしいものだと思う。
  PCR-6039 ROSE LEE & JOE MAPHIS with the KENTUCKY COLONELS featuring CLARENCE WHITE CD\2,573-(本体\2,450-)

Flowers on the Sunny Side/Why Do you Weep, Dear Willow/There'll Come A Time/Maple on the Hill/Teardrops Falling in the Snow/Put My Little Shoes Away/Lonesome Train/Little Rosewood Casket/Whiskey Is The Devil/Speak To Me Little Darlin'/Little Mother of the Hills/Picture on the Wall/(Bonus) Hot Corn, Cold Corn/Blue Ridge Mountain Blues Singing All Day and Dinner on the Ground. 全15曲

 1962年1月9日と10日にハリウッドのキャピトルのスタジオで録音され、同年10月に発表された早弾きギタリストとして知られるジョー・メイフィスのキャピトル移籍第一作にして、妻ローズリーとのコンビ名義では初めてのアルバムは、デビュー作『Bluegrass America』(62年9月録音63年10月発表)に先立つ、ケンタッキーカーネルズが全曲でバックアップにした貴重なセッション作品が初そんな貴重なセッション作品がCDで初めて日の目を見る。マルチプレイヤーで「弦の王様」とも呼ばれたジョー・メイフィスのギター、バンジョーほかに、ローランド・ホワイトが兵役のために不参加でクラレンス・ホワイト、ビリー・レイ・レイザム、リロイ・マック、ロジャー・ブッシュのカーネルズに、ジェリー・サンダースのフィドル。

 一曲目、歌のバックのG-ランはクラレンスかなぁ? なら、フレージングは違うがトーンが同じで、さらにドン・レノのギターフレーズ(元はビル・モンローのマンドリン・フレーズ)が出てくるギターブレイクはジョーではなく、クラレンスではないのか……、なんとなく品がないネ、などと楽しい想像、いや妄想(かもしれない)をしながら聴くと、めちゃくちゃ楽しい作品となる。……あーだめだ、レノ・フレーズはそののち明らかにジョーのギターで出てくる。そうすると、最初の3曲で聴こえてくるギターはジョーだろう。4曲目ではジョーが12弦ギターのようなものを弾いていて、クラレンスのリズムギターがよく聴こえてくる……、そしてローズリーのブルージーな歌い回しに影響されたのか彼女の“Teardrops Falling in the Snow”や“Put My Little Shoes Away”での入魂G-ラン(ワンパターンだが!?)、全編のG-ランは、のちに『Bluegrass America』で極めたレスターというよりモンローのブルーグラスボーイズ調であることも面白い。“Lonesome Train”ではジョーの弾くバンジョー……、つまりギターはクラレンスひとりという状態でのリズムのまとまり方に、彼の品のいいバランス感覚を聴き取ることも出来る、かな。おそらく次の“Little Rosewood Casket”ではオートハープをジョーが弾いていることから、リード楽器を邪魔せずに寄り添うような、17歳とは思えない実に趣味の良いランとクラレンスのリズム作りが伺えたりする……等々、最後には、おそらくジョーのギターが中心的に活躍する“Picture on the Wall”でのリードギターが創るメロディとリズムを、それら全編から微かに聴こえるクラレンスのサウンドと比べると、失礼ながら明らかなギタータッチに、長幼とは無縁の天性の輝きを聴き取ることが出来る、とわたしは思う。ちなみにジョーはTV映画「ボナンザ」のテーマなどで知られる、本職はダブルネックのエレキギター奏者なのだ。

 余談だがこの年、1962年4月、ドック・ワトソンはクラレンス・アッシュリーら初のツアーでロサンゼルスのライブハウス、アッシュグローブにやって来る。そのときの録音が2枚組CDでフォークウェイズから発表されているが、ボーカル物のバックアップで聴かれるドックの信じがたいパッセージや、フィドルチューンとして演奏された“Fire on the Mountain ”でのフラットピッキンに瞠目したのだろう17歳のクラレンス、このジョーとのコネクションで1962年9月、Bluegrass America 録音(1963年10月発売、金主のジョー・メイフィスとジョニー・ボンドはスタンレーブラザーズをプロデューサとして雇い、カーターはエンジニアリングもしたという)につづく、そののちわずか10年程しか活躍できなかった早世の天才ギタリスト、クラレンス・ホワイトにとっては重要な年だったのだろう。またこの年は、9月からTV映画シリーズ「じゃじゃ馬億万長者」がはじまり、12月の8日にはフラット&スクラッグスがカーネギーホールコンサートを成功させるなど、ブルーグラスがいよいよアパラチアから世界に進出しはじめる年でもある。

 ちなみに1950年代のジョー・メイフィスのハリウッド録音をプロデュースしたのはドン・ロウ、フラット&スクラッグスの中期プロデューサーとなる人物だ。リロイ・マックとジョッシュ・グレイブズとの間柄や、のちにホワイト兄弟がナッシュビルに行ったときにフラット&スクラッグスと親しく会ったり、アール・スクラッグス・レビューのドラマーとしてジョーの息子、ジョディ・メイフィスが参加したのもそんなつながりかもしれない。
 本作は今から52年前、クラレンスにとって決定的な年となる1962年のはじめ、おそらくドック・ワトソンの存在を知らないクラレンスが録音した12曲のスタジオセッション。とにかく、ボーナスに3曲のライブと3分の映像(1962年5月29日のTV『ジェリー・ルイス・ショウ』にコミックバンドの一員としてジョー・メイフィスとともにカーネルズがチラッと登場=バック・オウエンズとマール・ハガードの元妻ボニー・オウエンズもいるらしい)もあるが、そんなのなくてもこのLPにある事実だけで充分、どこからでも楽しみを探すことが出来る重要なLPアルバム復刻だと思う。音楽的には当時のフォークブーム便乗モノの1枚に過ぎないかもしれないが、ブルーグラスフリークにはたまらない面白さが聴き取れる作品なのだ。
 ちなみにケンタッキーカーネルズ関連作品は……
  M-109 KENTUCKY COLONELS『Bluegrass America』CD\2,888-(本体\2,750-)(限定、紙ジャケット仕様、歌詞付)

 1962年9月に録音、翌年10月に発売されたケンタッキー・カーネルズの記念すべきデビュー盤に3曲のボーナストラックを付けた特別限定版全17曲。ローランド・ホワイトが兵役のために不参加ながら、当時彼らが愛してやまなかったフラット&スクラッグス・サウンドとそのグルーヴに一歩でも近づこうとしたアーリー・ブルーグラスの名盤である。ムーンシャイナー誌2009年8月号の連載「クラレンス・ホワイト物語E」にて、このアルバムの前後の出来事が詳しく語られている。
  VAN-77004 KENTUCKY COLONELS『Long Journey Home』CD\2,573-(本体\2,450-)

 1964年のニューポート・フォーク・フェスに登場したケンタッキー・カーネルズ、ローランド(m)&クラレンス・ホワイト(g)、ビリー・レイ・レイザム(bj)、ロジャー・ブッシュ(bs)。全23曲のうち、6曲のドック・ワトソンとクラレンスのギターワークショップ、2曲のローランドとクラレンスによるブラザーデュオ、そして4曲のビル・キースのバンジョー・インストへのバックアップが含まれている『Livin' in the Past』(現在品切れ中、オーダー歓迎)と並び称せられるブルーグラスライブ秀作である。
  OXCD-6033 BUSH, LATHUM & WHITE『Legendary Kentucky Colonels' Trio』CD\2,363-(本体\2,250-)

 1964年というから、あの『Appalachian Swing』(現在廃盤)を発表した翌年、クラレンス・ホワイト、ビリー・レイサム、ロジャー・ブッシュの3人が練習しているところを収めたチョー貴重な録音。
  RW-0001 NEW KENTUCKY COLONELS『Live in Holland 1973』CD\2,573-(本体\2,450-)

 クラレンス・ホワイトが事故で亡くなる2ヶ月前、兄のエリックとローランド、そしてハーブ・ピーダセンとともにオランダをツアー。本作は、そのときに彼らのブルーグラス魂を爆発させた、2013年夏に発表された未発表ライブである。クラレンスの生ギターが縦横に駆け巡り、そのリズム/ビートに引っ張られるようにローランドのマンドリンとハーブのバンジョー、そしてエリックのすばらしいスラップベース。全員がブルーグラスをすることに集中していくさまが手に取るように感じられる貴重な録音である。
  クラレンス・ホワイト関連作品は……
  OXCD-6023 CLARENCE WHITE『33 Acoustic Guitar Instrumentals』CD\2,573-(本体\2,450-)

ブルーグラス・フラットピッキン・ギターに無限の可能性を与えることになるクラレンス・ホワイトがリード・ギターに取り組みはじめた1962年、ロジャー・ブッシュのリズムギターをバックに、スタンレーブラザーズのジョージ・シャフラー・スタイルのクロスピッキン奏法を中心に収めたホームレコーディング33曲集。地味ではあるが、クラレンス・ギターの原点として、そのベーシックを学ぶ第一歩。
  SXCD-6030S CLARENCE WHITE『White Lighetnin' Special Edition』CD+DVDR\2,888-(本体\2,750-)

 クラレンス・ホワイトのおもにストリング・ベンダーを駆使したエレキギタリストとしての録音を集めたCDアルバム(アコギはバーズの"Sally Goodin"を含み3曲)に、ザ・バーズ時代の"Truck Stop Girl"と"Take a Whiff on Me"のボーナスDVDが付いた2枚組、6カット以外の12曲は初CD化だという。
  OXCD-6009 MULESKINNER『A Portpourri of the Bluegrass Jam』CD\2,888-(本体\2,750-)

 クラレンス・ホワイト、デビッド・グリスマン、リチャード・グリーン、ピーター・ローワン、ビル・キース、ジョン・カーンによるスーパーバンド、ミュールスキナー唯一の1973年スタジオ録音盤。元ビル・モンローのブルーグラス・ボーイたちによるニューグラス。そしてクラレンス・ホワイトのギター(アコギとエレキの双方収録)の完成形を味わえる秀作。廃盤限定入荷品につき売り切れゴメン。
  SHDVD-1001 MULESKINER DVD\3,098-(本体\2,950-)

 上記のジャムバンドとして30分のテレビ番組に出演、奇跡的にそのVTRが残っていたDVD映像。この後、ワーナー・ブラザーズに歴史的な上記名盤を残すことになる彼ら、このテレビ出演ではトラッドを中心に、ブルーグラスを思いっ切り楽しんで演じている。1970年代、ブルーグラスが大きく変わっていく原動力となった彼らが、しかし、トラッドグラスへの愛情とすばらしい演奏を残した奇跡的な、永遠のお宝映像である。
  SZCD-6026 CLARENCE WHITE『Flatpick』CD2枚組限定盤\3,098-(本体\2,950-)

 シエラ・レコードが発掘したクラレンス・ホワイトの未発表音源集の特別限定盤。ディスク1はレギュラー盤『Flatpik』(RHY-1024)と同じ練習テイク19曲。そしてディスク2が本作のみ限定という15曲で、1970年、バーズ在籍中のクラレンスがロジャー・ブッシュのリズム・ギターを伴って2チャンネル・ステレオで録音した9曲と、ギター・インストラクション・テープからの3曲、73年春のライヴ・テイク2曲、そして最後にハンクの"Lost Highway"を唄う。クラレンスの息遣いとアドリブ発想方法が手に取るように感じられる秀作である。
  RW-CTAB CLARENCE WHITE『The Essential Clarence White Bluegrass Guitar Leads』102頁Book+CD2枚組\6,930-(本体\6,600-)

 不世出の天才ギタリスト、クラレンス・ホワイトの教則本が兄、ローランド・ホワイトとその妻ダイアン・ボウスカの手によって完成。クラレンスの奏法の基礎となったクロスピッキンをみっちり学べる秀作。14曲のオリジナル録音CDと、ローランドやミッシー・レインズ(bs)によるリズム・トラックのカラオケCDの2枚組、そして各曲ごとにスティーブ・ポティアとマット・フリナーによる詳細な技術解説と楽譜とタブ譜。また、本書にローランドが書いたホワイト家とクラレンスや家族、そしてその音楽軌跡は、ムーンシャイナー誌2009年3月号から10月号まで、8回の連載で翻訳されている(各\525-)。
  ACD-81 OLD & IN THE WAY『Live at the Bording House: Complete Shows』CD4枚組\5,775-(本体\5,500-)

(Disc 1) total time: 49:25
On and On/I'm On My Way Back to the Old Home/Catfish John//Lonesome Fiddle Blues/Land of the Navajo/Down Where the River Bends/I Ain't Broke But I'm Badly Bent/Lost/Kissimee Kid/Lonesome L.A. Cowboy/Pig in a Pen/Wild Horses/Midnight Moonlight.

(Dusc 2) total time: 52:55
Muleskinner Blues/Goin' to the Races/Old and in the Way/Old and in the Way Breakdown/Panama Red/Hard Hearted/That High Lonesome Sound/The Hobo Song/Drifting Too Far From the Shore/Angel Band/Wicked Path of Sin/Home Is Where the Heart Is/Uncle Pen/Orange Blossom Special/Blue Mule.

(Disc 3) total time: 47.22
Home is Where the Heart Is/Love Please Come Home/Down Where The River Bends/Kissimee Kid/Pig in a Pen/Uncle Pen/Panama Red/Midnight Moonlight/White Dove/Wild Horses/Orange Blossom Special/Old and in the Way/Lonesome Fiddle Blues.

(Disc 4) total time: 55:35
On And On/Land of the Navajo/Catfish John/Til the End of the World Rolls 'Round/Drifting Too Far from the Shore/I'm Knocking On Your Door/Old and in the Way Breakdown/You'll Find Her Name Written There/Jerry's Breakdown/The Great Pretender/Working on a Building/High Lonesome Sound/Wicked Path Of Sin/Blue Mule.

 1973年10月8日にサンフランシスコのボーディングハウスでライブ収録された10曲を収めたアルバム『Old & In The Way』(1975年発売、現在廃盤)が、ブルーグラス作品とされる映画『オーブラザー』サントラ盤(2000年作)の700万枚に次ぐ売り上げを誇る……でも、実質上、現在なお、ブルーグラスバンドのアルバムとしてもっとも売れた作品と言えるオールド&イン・ザ・ウェイ。その時代と存在自体がブルーグラス史上に大きな意味持つ偉大なバンドの正体を知るのにはうってつけ、10月1日の同地でのライブを含む2日間に渡るライブを完全収録した全55曲集。

 天才バッサー・クレメンツ(f)、驚異のアルバム売上をもたらしたアメリカンロックヒーロー、グレイトフルデッドの故ジェリー・ガルシア(bj)、ドーグ音楽創始者デビッド・グリスマン(m)、故ジョン・カーン(bs)、ピーター・ローワン(g)の5人組。モンローをはじめバランスよくトラッドグラスの粋を集め、バズ・バズビーやエド・メイフィールドら通をうならせるシブイ選曲などとともに、カルトグラスとも言える時代の狂気と毒も含んだすごい演奏が聴ける。これはやっぱ、フツーじゃない……よネ!? われらが小森谷巨匠の写真が素晴らしいぞ!! ちょうど40年前、1970年代に青春した人のノスタルジー!?にも……強力お勧め!
  ちなみにデビッド・グリスマンの最近作は……。
  ACD-66 DAVID GRISMAN QUINTET『Dawg's Groove』CD\2,573-(本体\2,450-)

 デビッド・グリスマン・クインテットのスタジオ録音としてはもっとも近年の作品。
  ACD-75 DAVID GRISMAN QUINTET『25th Year Reunion Concert』CDR\2,573-(本体\2,450-)

 1976年に結成されて25年目の2001年、初期メンバーを集めデビュー盤全10曲を順に演じきり、さらに3曲を追加した全13曲ライブ78分。
  ACD-76 DAVID GRISMAN FOLK JAZZ TRIO『with Jim Hurst & Sam Grisman』CD\2,573-(本体\2,450-)

 「一音入魂」のグリスマンと息子サム・グリスマン(bs)がリードギターの味わいトーンとフレージングを誇るジム・ハーストとのトリオで、アパラチアンフォーク風味の究極アコースティックポエム。
  ACD-79 DEL & DAWG『Hardcore Bluegrass in the Dawg House』CDR\2,573-(本体\2,450-)

 デル・マッカーリーとデビッド・グリスマンがドーグスタジオで1990年代に録り溜めたハードコア・ブルーグラス名演カバー16曲集。
  ACD-80 DAVID GRISMAN BLUEGRASS EXPERIENCE『Muddy Roads』CD 2,573-(本体2,450-)

 最新作品は「15歳のわたしに刻印された(中略)曲と歌への臣従の礼です」という、クラレンス・アッシュリーとドック・ワトソンのフィールドレコーディングに捧げられた彼のソウルミュージック。
  RCSI-1102 IRENE KELLEY『Pennsylvania Coal』CD\2,573-(本体\2,450-)

You Don't Run Across My Mind/Feels Like Home/Pennsylvania Coal/Breakin' Even/My Flower/Rattlesnake Rattler/Sister's Heart/Things We Never Did/Angels Around Her/Better With Time/Garden Of Dreams/You Are Mine (bonus). 全12曲

 アイリーン・ケリー、エミルー・ハリスによって確立されたカントリー/フォークのデリケートで甘く抑制されたボーカルの持ち主は、北部アパラチアのペンシルベニア州ラトローブ出身。1980年代にはビーンブロッサムやクリンチマウンテンのフェスなどでも歌ったというし、19歳のときに仲間のブルーグラッサー達がバージニアやノースカロライナ、テネシーの歌ばかり歌うのに反発して自身のペンシルバニアを歌った曲“Pennsylvania Is My Home”を作曲、注目を浴びたことからソングライティングに目覚めたというからブルーグラスバンド出身のようだ。1983年に夫婦でナッシュビルに移ってからメジャーのMCAでシングルデビュー、89年にはアルバムを創るも陽の目を見ず、しかしロレッタ・リンやアラン・ジャクソンらメジャーカントリースターをはじめ、クレア・リンチ、ザ・ホワイツ、スティーブンス・シスターズ、オズボーン・ブラザーズなど、多くのブルーグラスによってもカバーされてきた優秀なソングライターとなる。

 そんな彼女、最初のアルバム『Simple Life』(1999)や前作『Thunderbirds』(2005)からほぼ10年、おそらく子育ても一段落(ふたりの娘はともにシンガーとして本作に参加)、前2作のアコースティックカントリーから一転、最新第3作はマーク・フェイン(bs)、ブライアン・サットン(g,bj)、ステュアート・ダンカン(f)、アダム・ステッフィ(m)、リン・ウィリアムズ(perc)が基本バンドの、自身のルーツであるブルーグラスに戻った作品だという(2009年に子供向けミニアルバムがある)。

 一曲目の出だし、ウキウキしてしまうこのベースとバンジョーを聴いただけで、「ウッ!」と引っかかってしまう素晴らしいキャッチーなサウンドは(ハーモニーはダリン・ビンセント!)、さすがのメンツによるこののち全編に及ぶ、えも言えぬ「タッチ」。いくらポップに聴こえても、このリズムとコードに乗ったメロディの取り方、それがとても「ブルーグラス」なのが、このレベルの連中の凄いところだ。基本的にはバンジョーレス(ブライアンのユニークなスリーフィンガーやクロウハンマー以外)だけど、ブルーグラスバンジョーロールがきれいに絡まる曲も多いので、女性ブルーグラスバンドにはお勧めの曲が一杯だ。

 曲ごとのハーモニーも、とてもよく練られていて、トリーシャ・イヤーウッドとボニー・キーンによる女性トリオハーモニー“Better with Time”なんぞは(ブライアンのフィンガーピッキンバンジョーとともに)もう……、またオープリで父のラジオから聴いた“You Are My Flower”(娘たちの子守唄にしていた)をテーマにした曲は娘ジャスティナ・ケリーとの共作でクレア・リンチとのトリオハーモニーが……、一曲目のダリン・ビンセントや“Things We Never Did”でのカール・ジャクソンとのハモなど男性陣も歌い隊も秀逸。

 若い才能が次々とあたらしい感覚で女性ブルーグラスに新風を吹き込む21世紀、70年代以来のベーシックな感覚で創られた曲がどれもわたしの琴線を揺すぶるアイリーン・ケリー、ちょっとしたヒットじゃないだろうか……!? 裏表紙の写真は自身の祖父が写っている炭鉱、17歳でポーランドから移民としてやってきて、2度と両親に会うこともなく、80年代にブラックラング(黒肺塵症)で亡くなったという実話“Pennsylvania Coal”など、全曲オリジナル。そのデリケートな感性とキャッチーな声質と詩を、ベース奏者ならではの、リズムとメロディの基本を見据えたマーク・フェインのプロデュースが秀逸である。強力お勧めのメチャ素晴らしい女性ブルーグラス秀作である。
  REB-1850 RALPH STANLEY & RALPH STANLEY II『Side by Side』CD\2,573-(本体\2,450-)
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Wild Bill Jones/Carolina Mountain Home/Dirty Black Coal/Walking With You In My Dreams/Don’t Step Over An Old Love/Battle Ax/Are You Waiting Just For Me/White & Pink Flowers/A Little At A Time/Darling Little Joe/Don’t Weep For Me/Six Months Ain’t Long/Nobody Answered Me/I’ve Still Got 99. 14曲

 スタンレーブラザーズとして活躍中、1966年に兄カーターを亡くしてから、よりアパラチアのトラッドを鮮明にしつつ、同時にフィドラーの故カーリー・レイ・クラインとベースの故ジャック・クックとともに、弾けるような「スタンレーサウンド」と呼ばれる独自のブルーグラスサウンドを確立したラルフ・スタンレー&クリンチ・マウンテン・ボーイズ。この最新作でもジョン・リグスビー(f,m)のプロデュースのもと、スティーブ・スパークマン(bj)の完ぺきなスタンレーサウンドを堪能させてくれる、文句無しの伝統である。ただ人間国宝ラルフ、とても素晴らしかった2011年の前作『A Mother's Prayer』(REB-1840 \2,573-)と比べると少し張りがなくなったかな?……が、それも年輪の味わいとなるマウンテンサウンドが嬉しい。

 スタンレーサウンドの素は、おそらくジャック・クックのモンロービートと、カーリー・レイ・クラインのオールドタイムフィドルのシャッフルにあって、そこにラルフの一直線なスリーフィンガーが乗っかったことで生まれたのではないか?と想像する。そしてギターはあくまでもダウンビートを強調したツービートをキープ、愚直なまでに4弦以下のコード(Gフォームの場合、2弦は開放よ!)を厳しくダウンストロークする。これがフラット&スクラッグスのレスター・フラットのバウンシーなグルーヴやビル・モンローのジミー・マーティンのタイトなドライブとは一線を画するストリングバンド風ツービートのトランス状態を生み出し、ラルフのバンジョーがアールのデリカシーとは縁遠いワンパターンのロールをはめ込み、そこにイースタンケンタッキーからクリンチマウンテン地方独特の方言が自然に乗っかると「スタンレーサウンド」の完成。
 従ってそのボーカルは個性や説得力を込めるのではなく、一見淡々と白けたように歌うことがカッコいいのであって、そのロイ・リー・センターズからキース・ウィットリーに受け継がれたコツを二世は見事に心得ている、と思うのである。やっぱ、スタンレーブラザーズ名曲“Are You Waiting Just For Me”や“A Little At A Time”を聴くと、たまらなくグッと来てしまう。息子ラルフ二世、そして孫ネイサン・スタンレー……、ラルフの「スタンレーサウンド」は確実に受け継がれていく。
  UM-07 RHONDA VINCENT『1Only Me』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

Bluegrass: Busy City/I'd Rather Hear I Don't Love You (Than Nothing At All)/Only Me (featuring Willie Nelson)/I Need Somebody Bad Tonight/We Must Have Been Out of Our Minds (featuring Daryle Singletary)/It's Never Too Late.

Country: Teardrops Over You/Once A Day/Beneath Still Waters/Bright Lights & Country Music/When The Grass Grows Over Me/Drivin' Nails.

 ブルーグラス・クィーン、ロンダ・ビンセントの最新作は、ブルーグラスを聴かせる1枚目と、カントリーの2枚目の2枚組、各6曲全12曲。あるファンはロンダの声は、カントリーを歌うには「ブルーグラス過ぎる」と言われ、ブルーグラスを歌うと、ファンは「彼女のカントリーがいいのに」という。で、ロンダはブルーグラスかカントリーか、どちらのシンガーだと思っているだろうか? ロンダ曰く、「わたしの声はすべてにおいて公分母です。この作品ではいつものブルーグラスショウと何ら変わりない声と歌い方で、わたしのさまざまな面を表現しています。どれもが唯一わたし“Only Me”なんです」という。

 1962年生まれというから今年52歳、3人兄弟の長女で、弟にデイリー&ビンセントのダリンがいる通り、5代に渡る音楽一家で、ロンダも5歳のときからサリー・マウンテン・ショウというファミリーバンドで歌い始め、1970年、8歳でマンドリンを弾きはじめ“Muleskinner Blues”を初録音、学校が終わった後は宿題そっち家で毎晩、祖父がやって来てジャム、そののち弟たちが楽器を弾ける年齢になって以来、ずっとバンド活動をしてきた。1983年に結婚、ふたりの娘を育てている(3人目の娘も生まれたが1990年、幼児期に亡くしている)。

 1988年に初ソロアルバム『New Dreams & Sunshine』をベラ・フレックやラス・バレンバーグ、ジェリー・ダグラスらをバックに発表、この作品ですでに一曲ずつ、交互にブルーグラスとカントリーの二刀流である。テレビのオーディション番組で優勝して1993年と96年、2枚のメジャーカントリー作品を出すも大きなヒットはせず、2000年に『Back Home Again』でブルーグラスに戻ってからは絶好調で、ブルーグラス・クィーンと呼ばれるようになっている。余談だが長女サリーはうちの娘とETSUで同級生だったが、バンドのフィドラー、ハンター・ベリーと2010年に結婚しており、子育ても終えて向かうところ敵なし、現在もタイトなツアースケジュールでイケイケである。

 で本作、ブレント・バークの強烈なドブロほか、ジョッシュ・ウィリアムズ(g)とハンター・ベリー(f)、アーロン・マクダリス(bj)ら若手のバカ・テクニックと完璧なハーモニーに、なーんとウィリー・ネルソンがすごく気持ちのいいタイトル曲でゲストというブルーグラスの1枚目。一方カントリーは、ティム・クロウチ(f)、マイク・ジョンソン(steel g)、ジェイムズ・ミッチェル(eg)、キャサリーン・マークス(piano)、ロニー・ウィルソン(drums)、カール・ジャクソン(g)。むせぶスティールとフィドルなど決して邪魔をしないバックアップで、結構有名なカバー曲をしっとり歌うカントリーの2枚目(最後のオズボーンも取り上げていたアーネスト・タブの“Drivin' My Nails in My Coffin”は、この曲のみのマイク・ジョンソン(steel g)を迎えた強力ウエスタンスウィングは別=ティムのフィドルはブルーグラス出身と分かるフレージングだけど……凄いよ)。

 ロンダにとっては大好きなブルーグラスもカントリーも、根は同じ、身に染みついたものなんだろう。ただ聴く方は、楽器が全然違うんだし、リズムの突っ込み方も、電気とアコースティックによるコードのまとまり方も違う。……どちらが善し悪しではなく、やっぱ違うものを聴いているワケで、つまり、CDの入れ替えも嬉しい、2度楽しめるお得な作品というワケである。どちらかというカントリーはレイドバックするし、ブルーグラスはドライブするといったそれぞれのスタイルらしさはもちろん、ブルーグラスで演じるドロドロのホンキートンクカントリーにおけるハーモニー/アコースティックのコードの美しさ、カントリーで演じるシンガーの気持ちをくみ取った控え目なバックの美しさ、それぞれの美学の中に唯一無二のロンダがいる。
  PATUX-247 FRANK WAKEFIELD & TAYLOR BAKER『& Friends』CD\2,573-(本体\2,450-)

Echo Blues/Beautiful Dreamer/Ghost Riders in The Sky/Home Sweet Home/Beer Barrel Polka/Under the Double Eagle/Red River Valley/The Girl I Left Behind Me/The Last Thing on My Mind/Red Wing/Bonaparte's Retreat/Golden Slippers/Jesus Loves His Mandolin Player No. 1/Arkansas Traveler/My Old Kentucky Home/When You and I Were Young Maggie/Rockwood. 全16曲

 アルバムのコンセプトを示すような一曲目のオリジナル“Echo Blues”でその偉大さを再認識させてくれるフランク・ウェイクフィールド(79歳)最新作は、近年のトップグループ(アーティスト)が目指す完ぺきなテクニック/サウンド志向とは対照的な、ブルーグラスが本来持つもうひとつの側面、「ヒトの弾く音の本質」を引き出すヒューマンな会話するジャムとして秀逸な作品。フランクにとっては孫のような24歳のテイラー・ベイカー(弟ジェシーはバンジョー奏者として現在、トップグループのひとつデイリー&ビンセントで活躍中)や、19歳のマルチプレイヤーでここではギターを弾くブレネン・アーンストといった若者を相手に上記、馴染みのメロディで「音の本質」をさとすように聴かせる。

 フランク・ウェイクフィールドは1934年6月26日、東テネシーのエモリーギャップ出身、ヘビを使うことで知られるペンテコスタル派教会に通いギターやハーモニカを学び、学校には通わず、大人になって文字を覚えたという環境で育ったと言う、いわゆる本物のヒルビリーか? 16歳のときにオハイオ州デイトンに移り同時にマンドリンを弾きはじめている(現在ニューヨーク州在住)。1950年、ビル・モンローのマンドリンがもっとも先鋭化した時期と重なる。モンローは1976年、「わたしの音楽にフランク・ウェイクフィールドほど近づいた者はいない」と語っている。

 そんなモンローの魂を、おそらく完璧に理解した最初のひとりとして18歳のときに出会ったレッド・アレンとともに、ブルーグラス音楽の本質を探究しはじめている。そののち、短期間ジミー・マーティン(1958)やスタンレー・ブラザーズ(1959)に参加したが、1960年レッド・アレンと再編したケンタッキアンズでの活躍が、わがレッドクレイのアルバム(RC-104 CD\2,079-)も含めて有名だ。1964年にはニューヨークでグリーンブライアー・ボーイズに参加、超大名盤アルバム『Better Than Late Never』(1966)を残している(廃盤だが13曲中11曲がCD2枚組ベスト盤『Best of the Vanguard Years』\2,888-に収められている)。そののち、彼を尊敬するジェリー・ガルシアのグレイトフル・デッドやニューライダーズオブパープルセージ(デビッド・ネルソンとはコンビも組んだ)、ボストン・ポップオーケストラやエミルー・ハリスなどと共演している。来日したときは光栄にも我が家に滞在、家族は毎朝8時からマンドリン練習を聴かされた……。

 彼の書いた“New Camptown Races”(1957年発表) や“Rondo”(1963年発表) はブルーグラスマンドリンのクラシックである。彼を師と仰ぐデビッド・グリスマンは、「彼はブルーグラスマンドリンの原子を分裂させました。それ以来われわれは、明らかに同じではありません」とその絶大な影響について述べている。つまりフランクは、モンローの感覚的なアルペジオやタイミングを明確なポリフォニー(和声)とポリリズム(複合リズム)に置き換えて見せたのではないかと思う。

 決してスリルと興奮に満ちたスーパーピッキンとドッキマリのアンサンブルではないけれど、誰もが口ずさむことのできるメロディで、優しくシンプルな音の会話をするような、それでいてブルーグラスマンドリンの魂が貫かれた、幸いにバンジョーレスの、マンドリン好き=楽器好きにはたまらない秀作。
  ちなみにフランク・ウェイクフィールド最近作
  PATUX-182 FRANK WAKEFIELD『A Tribute to Bill Monroe』(\2,573-)

 ビル・モンロー生誕100年に発表されたディープなモンロー曲集2011年作。ブルーグラスの基本を再訪
  PATUX-227 FRANK WAKEFIELD『Ownself Blues』(\2,573-)

 衰えぬオリジナル創作も凄い2009年作品。上記とともにマンドリンファンに強力お勧め。
  ACD-11 RED ALLEN & FRANK WAKEFIELD『Kitchen Tapes』(\2,573-)

 レッド・アレンとのジャムをデビッド・グリスマンが録音したもの。
  RC-104 RED ALLEN & FRANK WAKEFIELD『with Don Stover, Kenny Kosek, Kevin Smyth, Greg & Neal Allen』(\2,079-)

我がレッドクレイ・レコードが発表したレッド・アレン&フランク・ウェイクフィールドの渋いトラッドグラス作品。
 ■カントリー
  CHROME5007 V.A.『Maverick Country』CD4枚組\4,463-(本体\4,250-)

(Disc 1) 
1. Puttin' on the Style - Vernon Dalhart/2. Sail Away Ladies - Uncle Dave Macon/ 3. Hallelujah I'm a Bum - Harry McClintock/4. Tramp's Mother - Goebel Reeves/5. Wonderful City - Sara Carter, Jimmie Rodgers/6. Ain't We Crazy - Bradley Kincaid/7. Yodelling Bagman - Tex Morton/8. Will the Circle Be Unbroken - Roy Acuff/9. Peach Picking Time in Georgia - Riley Puckett/10. Have I Told You Lately That I Love You - Gene Autry/11. When the Rains Tumble Down in July - Slim Dusty/12. Song of the Water Wheel - Buddy Starcher/13. Smoke! Smoke! Smoke! That Cigarette - Tex Williams/14. Bouquet of Roses - Eddy Arnold/15. Chime Bells - Elton Britt/16. Tramp on the Street - Bill Carlisle/17. Signed Sealed and Delivered - Cowboy Copas/18. Deck of Cards - T. Texas Tyler/19. Candy Kisses - George Morgan/20. I'm So Lonesome I Could Cry - Hank Williams/21. San Antonio Rose - Bob Wills and His Texas Playboys/22. Little White Church - Mac Wiseman/23. I'll Go on Alone - Marty Robbins/24. Turn Around - Carl Perkins/25. You Win Again - Jerry Lee Lewis

(Disc 2)
1. T for Texas (Blue Yodel No. 1) - Jimmie Rodgers/2. Muscle Shoal Blues - DeFord Bailey/3. Wildwood Flower - The Carter Family/4. Lovesick Blues - Emmett Miller/5. If the River Was Whiskey - Charlie Poole/6. Keyhole in the Door - Jimmie Davis/7. My Mary - Milton Brown/8. Are You from Dixie - The Blue Sky Boys/9. Orange Blossom Special - The Rouse Brothers/10. Walking the Floor Over You - Ernest Tubb/11. Divorce Me C.O.D. - Merle Travis/12. (Our Own) Jole Blon - Roy Acuff/13. Life Gets Tee-Jus, Don't It - Carson Robison/14. Tennessee Waltz - Pee Wee King & His Golden West Cowboys/15. Guitar Boogie - Arthur "Guitar Boogie" Smith/16. Blues Stay Away from Me - The Delmore Brothers/17. I Love You Because - Leon Payne/18. I Never See Maggie Alone - Kenny Roberts/19. White Dove - The Stanley Brothers/20. Take It Away Leon - Leon Mcauliffe & His Western Swing Band/21. If You've Got the Money, I've Got the Time - Lefty Frizzell/22. Setting the Woods on Fire - Porter Wagoner/23. Jambalaya (On the Bayou) - Hank Williams/24. Folsom Prison Blues - Johnny Cash/25. Walking After Midnight - Patsy Cline

(Disc 3)
1. Wreck of the Old '97 - Vernon Dalhart/2. In the Jailhouse Now - Jimmie Rodgers/3. Little Red Caboose Behind the Train - Paul Warmack & His Gully Jumpers/4. Wabash Cannonball - The Carter Family/5. Old Shep - Red Foley/6. They Took the Stars Out of Heaven - Floyd Tillman/7. Oklahoma Hills - Jack Guthrie/8. Kentucky Waltz - Bill Monroe & His Bluegrass Boys/9. Move It on Over - Hank Williams/10. I'm My Own Grandpa - Lonzo And Oscar/11. Pan American - Hank Williams/12. I'll Sail My Ship Alone - Moon Mullican/13. Chicken Hearted - Jim Reeves/14. Vision of My Mother - The Stanley Brothers/15. Gathering Flowers for the Master's Bouquet - The Stanley Brothers/16. Slipping Around - Jimmy Wakely, Margaret Whiting/17. Roses Are Red - Don Gibson/18. Slippin' Around with Jole Blon - Bud Messner And His Sky Line Boys/19. Missing in Action - Jim Eanes And The Shenandoah Valley Boys/20. Beers and Pinballs - Claude King/21. Back Street Affair - Webb Pierce/22. Heart's Hall of Fame - Marvin Rainwater/23. Wild Side of Life - Hank Thompson & His Brazos Valley Boys/24. It Wasn't God Who Mad Honky Tonk Angels - Kitty Wells/25. Satisfied Mind - Porter Wagoner

(Disc 4)
1. When The Work's All Done This Fall - Carl T. Sprague/2. Little Joe the Wrangler - Jules Verne Allen/3. Goodbye Old Paint - Harry McClintock/4. Lone Star Trail - Ken Maynard/5. Cowhand's Last Ride - Jimmie Rodgers/6. Strawberry Roan - Bill Boyd & His Cowboy Ramblers/7. Cattle Call - Tex Owens/8. I Want to Be a Cowboy's Sweetheart - Patsy Montana/9. Cool Water - The Sons of the Pioneers/10. Back in the Saddle Again - Gene Autry/11. Texas Cowboy - Hank Snow/12. Sitting by the Old Corral - Wilf Carter/13. Pistol Packing Mama - Al Dexter/14. Last Round Up - Johnny Bond/15. I've Sold My Saddle for an Old Guitar - Eddie Dean/16. Riding Down the Canyon - Jesse Rogers/17. Tumbling Tumbleweeds - The Sons of the Pioneers/18. Don't Fence Me In - Roy Rogers/19. Dim Narrow Trail - Texas Ruby/20. There's an Empty Cot in the Bunkhouse - Jimmy Wakely/21. Arizona Waltz - Rex Allen/22. Mule Train - Tennessee Ernie Ford/23. High Noon - Tex Ritter/24. Four-Legged Friend - Roy Rogers/25. Indian Love Call - Slim Whitman

 1924年、南部音楽として初めて全米ヒットし、ミリオンセラーを記録したバーノン・ダルハートの“Wreck of the Old '97”(Disc 3に収録)をはじめ、1950年代半ばまでの、いわゆるヒルビリー臭一杯の、つまり、本物のカントリー音楽の魂を持った曲をうまく集めた全100曲。アーリーカントリー(主にいわゆるオールドタイムと呼ばれる)からクラシックカントリー(いわゆるウエスタンスウィングからホンキートンク)を一望するコンピレーションの決定盤だろう。プレスリーの登場とそれに対抗するかのようなポップなナッシュビルサウンドが台頭する前、「サイコーの荒っぽくて(roughest)、生々しい(rawest)、本物のカントリー音楽」の重要なアーティテストと曲が網羅されている。

 一曲目のハーモニカ、ジョーズハープなどを駆使して、バイオリニストが弾くフィドルをメインにストーリーテリングといった風のバーノン・ダルハートのノベルティソング“Puttin On The Style”(Edison record #52118)から100曲目のスリム・ホイットマン“Indian Love Call”まで、もちろん代表曲が主だが、それぞれのアーティストのシビアな選曲、たとえばブルーグラスではフラット&スクラッグスを取り上げずにスタンレーを選ぶなどに、「なかなかやるのう……!?」というところ。

 イギリスのウェブマガジン『Country Music People』のヒュー・ウィルソンと英国公共放送BBCの毎週日曜日午後5時から7時まで『Sounds Country』のDJ、スペンサー・リーのふたりが選曲、64頁に及ぶ冊子を担当している。
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