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    B.O.M.Newsletter #398web
                  2013年12月16日  

 
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INDEX
バンジョーカレンダー2014
年末年始におススメ図書!
お勧めクリスマス作品
全国イベント・カレンダー
新入荷ダイジェスト
最近作/話題作ダイジェスト
楽器、その他……
輸入雑誌
月刊『ムーンシャイナー』
B.O.M.厳選、詳細解説コーナー!
B.O.M.ご利用方法

   今年も残りわずかとなりました。世界中があたらしい価値観を模索している21世紀、ぼくらの音楽が生まれたアメリカは宗教戦争とも呼べそうな危うい綱渡りをしながら、それでも黒人大統領を生み、核廃絶を謳い、なんと今年6月に米国連邦最高裁は、婚姻を男女の関係に限定した「結婚防衛法」を違憲とする判決を出しました。人種差別やキリスト原理主義国といった20世紀を支配した米国のイメージを(経済/マネーに関して以外は)根底から覆すような時代になっています。
 ……で、ブルーグラスもここ最近、素晴らしい動きが吹き出しはじめています。そんな息吹が感じられるアルバムが、新旧さまざまなサウンドをまとって次々と紹介されてきました。自分の愛するベースとなるものを大切にしながら、あたらしい名前や試みを面白がる……。40年ほど前、ニューグラスと呼ばれた音楽を歓迎した人たちは次々と還暦を迎えるこの頃、どっぷりと浸かった20世紀の社会/世間の価値観は取りあえずどっかに置いといて、21世紀のあたらしいブルーグラス(守旧サウンドを含めて)に、新鮮にホクホクしませんか? 
 もうすぐ始まるあたらしい年、もう一度、音楽青春しませんか? 仲間と素材は揃ってるよ……!?
 バンジョーカレンダー2014
  BJC-2014 ROB LARDIE『Banjo Calender 2014』特価\2,888-(本体\2,750-)

 今年のカレンダーは「バンジョーカレンダー」! 30cmLPサイズの見開きで壁に掛ければ縦60cm。1月のシンプルな、しかし斬新なアイデアとデザインのドックスバンジョー社のミンストレル・バンジョーから、12月のレコーディングキング社の最高級インレイ「1000 Deluxe Special」まで、現在アクティブなバンジョーメーカー12のブランド自慢の製品をグラフィックデザイナー、ロブ・ラーディーがカレンダーにまとめ上げた。曰く、「世の中に数あるギターカレンダーを横目に、毎年シーズンになると悔しい思いをしていたけれど遂に今年、バンジョー好きの夢を叶えました!……もちろん、わたしはバンジョー奏者です!!」と。有名バンジョー奏者の誕生日やバンジョー関係の大きな出来事も記されている。バンジョー奏者のみならず、部屋のインテリアとして、またギフトにも最適です。 
  ◆月刊ブルーグラスジャーナル「ムーンシャイナー」、先月から31年目に突入!
 最新12月号(MS-3102 \525-)は、IBMA(WoB)2013リポート「ノースカロライナってどんなとこ?」、女子大生の見た「ワイドオープン・ブルーグラス」、タヒチクラブ「新春★浪花 米国南部系ルーツ音楽祭」、愛媛・朝倉ブルーグラスの25年、馬渡 浩の札幌ブルーグラス物語りA、知っておきたい...#5 「フラットピッカー達」、日本ブルーグラス年表#70「1978年」、3大学対抗!年忘れライブ酪農学園大学「花村彩音」ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
 月刊ムーンシャイナー定期購読は1年間(12冊)\6,000- 半年間(6冊)\3,300-。単冊\525-(送料\76-)。定期購読は購読開始希望月をお知らせくだされば早速お送りします!! また情報提供、そしてご自由なテーマでのご寄稿など……、なにとぞムーンシャイナーにご協力を、よろしくお願いします!
 年末年始におススメ図書!
 便利な世の中になったとはいえ、やっぱり印刷物として持っておきたい本があります……!
MS-BACK10 月刊ムーンシャイナー"Back Numbers"! 10冊組特価\3,000-

 月刊ムーンシャイナー、どこを切り取っても日米ブルーグラスの話題と情報満載、様々な刺激を受けること請け合いです。バックナンバー(ランダム10冊組特価\3,000-)はいかがですか? また、興味ある特集モノやお宅の本棚欠番など、ご指定のバックナンバーの組み合わせも、在庫のある限りご要望に応じます。この機会にあなたのブルーグラス、「失われた○年」を取り戻しませんか……?


OTH-BACK10 Old Time Herald "Back Numbers" 5冊組特価\3,000-
 米国ルーツ音楽のとても素晴らしい隔月刊誌。アメリカ音楽のもっとも原初的な興味や研究には必読の書。ご注文いただければ、ランダムにバックナンバー5冊を選んでお送りします。また、興味ある特集モノやお宅の本棚欠番など、ご指定のバックナンバーの組み合わせも、在庫のある限りご要望に応じますのてあ゛お問い合わせください。
  BOOK-27 BILL MONROE『Father of Bluegrass Music』日本語+英語対訳本\1,995-(本体\1,900-)

 1993年製作のドキュメンタリーDVD映像『ブルーグラスの父』(監督はジョン・レノン“Imagine”などで知られるスティーブ・ゲブハート=本作のために特別寄稿している)の英語と日本語対訳本です。モンロー自身が語る故ジョン・ハートフォードとのインタビューを軸に、エミルー・ハリス、リッキー・スキャッグス、マーティ・ステュアート、ジェリー・ガルシアやロイ・エイカフらのモンロー評や、そしてソニー・オズボーンをはじめデル・マッカーリーやビル・キースらブルーグラス・ボーイズらの生々しい証言などで、人間モンローが浮き彫りにされる。レスター・フラット、エミルー・ハリス、ポール・マッカートニー、ドリー・パートン、そしてデル・マッカーリー/ビル・キース/チャビー・ワイズのブルー・グラス・ボーイズ・リユニオンなどとの貴重なライブ映像も秀逸。DVDに関しては在庫をお問い合わせください。
  BOOK-51 Andrew Vaughan『JOHN HARTFORD: Pilot of a Steam Powered Aereo-Plain』Book+CD\5,145-(本体\4,900-)

 すばらしい!ジョン・ハートフォードの半生、つまり1971年の重要なアルバム『Aereo-Plain』に至るまでを、すばらしい写真と文、レイアウトで綴った112頁A4変形版、アンドリュー・ボーン著のハードカバー上製本。ハートフォードファンは有無を言わず必携だ! オマケのCDは1994年7月12日、ナッシュビルのライマン公会堂で、バッサー・クレメンツとタット・テイラー、そしてトニー・ライスを従えたコンサートライブを収めたもの。1953年のある日、ラジオから聴こえてきたフラット&スクラッグスの“Dear Old Dixie”、そのレスターのドライブに、アールの殺気立ったバンジョーを聴いた途端、「なんなんだ!これは!!」と……、そののちの多くの人が経験する人生の転機を、世界で最初に得た1937年生まれグループのひとり、それからほぼ20年間、天才的な仕事を残したジョン・ハートフォードを見事にまとめあげた大秀作。英語なんて、読まなくていい、この素晴らしい写真の数々を眺めているだけで、あなたはジョンの人生を共有できる。ハートフォードヘッド有無を言わず必携の一冊である!!
  BOOK-46 TONY RICE『Still Inside』Book315頁\3,990-(本体\3,800-)

 ブルーグラス・ギターの世界を変えてしまった偉大なトニー・ライス。彼のすべてが本人の口述と、家族や友人たちの証言によってつづられる究極の伝記本。
  BOOK-49 『THE JIM KWESKIN JUG BAND REUNION TOUR 2013記念パンフレット写真集』\2,675-(本体\2,500-)

 結成50周年を記念して4月に日本公演を行ったジム・クエスキン・ジャグバンドのツアー記念の特別パンフレットが限定数入荷しました。未発表を含む70点以上の写真がすごい、豪華68頁!! メンバー全員のディスコグラフィも充実しています。若き日のジムとジェフ・マルダー、そして歌姫マリア・マルダーに故フリッツ・リッチモンド、ブルーグラスからのリチャード・グリーン、そしてビル・キース等々、フォークリバイバルの貴重な資料となること請け合いです。ライブ会場で飛ぶように売れてました。会場で買い逃した皆さん、足を運べなかった皆さん、この機会にお買い求め下さい。
 お勧めクリスマス作品
 (その他、各種クリスマス作品の在庫については、お問い合わせください。)
  RCH-2016 V.A.『Christmas The Mountain Way』CD+DVD\2,888-(本体\2,750-)

Joy to the World/Silent Night/In the Sweet By and By/Away in the Manger/Go Tell It on the Mountain/Amazing Grace/Jingle Bells 他全14曲

 ブルーグラスクリスマスのDVD映像とCD音源のお徳用セット! 10月に来日したマイク・スコットをホストに、5度のIBMA最優秀女性ボーカルを獲得したデイル・アン・ブラッドリーや、ドイル・ローソンのクイックシルバーからマウンテンハート、グラスタウンなどを創ってきたスティーブ・ガリー、アーリーブルーグラスの名曲発掘でトラッドグラスの王道を主張するオウディ・ブレイロック、人気カントリーグループのシェナンドーから古巣のブルーグラスに戻ってきたマーティ・レイボンなどのボーカルを、ブルーハイウェイのジェイソン・バールソン(bj,g)、クリント・ハード(m)、ブランドン・ゴッドマン(f)、ビック・グレイヴズ(d)、ブライアン・ターナー(bs)らが基本バンドで、ケンタッキー州パインビルのベルシアターでケーブルTV局「ブルーハイウェイTV」のために収録されたクリスマス特別番組を音と映像(コンサートとアーティスト・インタビューも含む)で収めた徳用盤である。デイルアンとスティーブによるタイトル曲につづいて"Joy to the World"から"Silent Night"ほか、次々とクリスマススタンダードがブルーグラスで演じられる音と映像で楽しめる作品。
  HMG-1010 DONNA ULISSE『All the Way to Bethlehem』CD\2,573-(本体\2,450-)

 女性ブルーグラス・シンガー/ソングライターとして確実なキャリアを重ねるドナ・ユリッシー、イエス・キリスト誕生にまつわる物語を、共作も含めた全曲オリジナルで仕上げた力作。いつものようにキース・ソウェル(g,bj)を軸に、アンディ・レフトウィッチ(f,m)、ロブ・アイクス(d)、ビクター・クラウス(bs)らにジョン・モックのティンウィッスルなどアイリッシュ風味を効かせたアパラチアン・ケルト系サウンドといった落ち着いたアコースティック・アンサンブルで、癖のないキュートなボーカルを聴かせる。
  ROU-9153 JAY UNGER & MOLLY MASON『A Fiddler's Holiday』CD\2,363(本体\2,250-)

 オールドタイム・フィドラーとしてはもっとも成功したひとり、ジェイ・アンガー。今やスタンダードとも言えるワルツ名曲"Ashokan Farewell"(本作にも収録)を書いたことにより、クラシックとトラッドを組み合わせた交響曲などでも活躍している。。本作は、そんなジェイと妻のモリー、そしてニューヨークブルーグラスの現代版ウェイファーリング・ストレンジャーズでも活躍した娘ルーシー・アンガーとその夫マイク・メレンダ(ふたりはフォークロックのマムマルズのメンバー)の4人が中心になって、バージニア州フレデリックスバーグにあるメアリー・ワシントン大学シンフォニー・オーケストラ(ケビン・バートラム指揮)をバックにクリスマスを中心にした冬のホリデイシーズンをテーマにしたライブ作品。スコティッシュやフレンチのトラッド・フィドルや、ジェイとモリーのオリジナル("Ashokan..."を含む)ほか、インストとボーカルをバランスよく混ぜながら、最後のケイジャン/クリオール風"Silent Night Two Step"まで、ちょっと豊かな気分のオールドタイム・フィドルが楽しめるコンサートのライブに仕上がっている。
 全国イベント・カレンダー
   以下、ムーンシャイナー誌12月号に寄せられたイベントです(個別バンドのライブ=来日&国内ツアー/企画物以外=は誌面にて)。
 日本のブルーグラスコミュニティを元気にする標語は、「Buy Studio Releases! ...and Go to Live Shows!!」。……日本ブルーグラス・コミュニティを元気に、楽しく...!! ムーンシャイナー広告の日本企業をよろしく、ね!!

◆12月18日(水)大阪「吉津正司一周忌の集い/川瀬、オッピー今冨、国分」東淀川、オッピドム06-6151-8106

◆12月19日(木)愛媛「松山ブルーグラス会」松山市一番町、Y's Cafe(ワイズカフェ、089-933-5075)(問)扇 輝幸 chainbanjohighpine@gmail.com

◆12月21日(土)東京「石川修次/原さとし/青木研、『世界の民族音楽を聴く……バンジョーの響き、その誕生から現在まで』」明治大学駿河台校舎、14時、\1000-。(問)明治大学リバティ・アカデミー03-3296-4423

◆やぎたこ ルーラルアメリカンな男女オールドタイムデュオ
12月21日(土) 松本 マイシャトー0263-86-0959
12月25日(水) 湘南台 中華三番0466-45-3777

◆12月21日(土)京都「大谷大学アメリカ民謡研究部 第27回定期演奏会“Merry Bluegrass”」宝ヶ池・ホンキートンク(075-701-8015)。13時半開演、入場無料

◆12月28日(土)兵庫「年忘れ3大学ブルーグラス:ぽんかん(神戸大)、名大ステーション(名古屋大)、The Hammonds(東北大)」神戸、James Blues Land(078-371-2720)、19時。MS12月号特集参照

◆1月4日(土)東京「第5回ディスカバー小平/ブルーグラスコンサート」小平市中央公民館ホール(042-341-1211)。12時〜17時。\1000。(問)ササキジン 090-3917-3672

◆1月11日(土)大阪「新春浪速★米国南部系ルーツ音楽祭」千日前、アナザードリーム06-6211-5759。14時、前\3000-当\3500-。出演:タヒチ倶楽部from東京、マーベラス桜井とホット・フィドル・バンド、ラグパパス・ジャグバンド、千日前ブルーグラス・アルバム・バンド。(問)秋元0797-87-0561

◆1月12日(日)大阪「新春吉例:大阪ブルーグラスナイト・プレゼンツ『冬フェス2014』」千日前、アナザードリーム06-6211-5759。参加費\2000-。(問)秋元0797-87-0561、shina@bomserv.com

◆1月25日(土)埼玉「第7回所沢カントリー(BG)ミーティング/新春所沢カントリーチャリティ音楽祭2014」所沢市並木公民館多目的ホール04-2998-5911。12時、\500-。(問)田沢 04-2942-0552
 新入荷ダイジェス
 (より詳細な解説があるスタッフお勧め作品もあります。収録全曲目やアーティストの基本情報なども含む詳細解説はレターの最後尾「月刊ムーンシャイナー」誌紹介の後ろです)
 ■ブルーグラス新入荷
  REB-1854 JUNIOR SISK & JOE MULLINS『Hall of Fame Bluegrass!』CD\2,573-(本体\2,450-)

 話題の超トラッドシンガーとビッグバンジョー、ジュニア・シスクとジョー・マリンズ、ふたりの「これぞアーリーグラス!」の大秀作。1950年代、ようやくビル・モンローとフラット&スクラッグスのフォロワーとなった米東南部のミュージシャンたちが創ったスタンダード名曲たち、“Wild Mountain Honey”、“Bluebirds Are Singing for Me”、“I'll There, Mary Dear”、“Brand New Shoes”と4曲つづけられれば「参った!!」。ジェイソン・カーターの入魂フィドル、ジェシ・ブロックの頭脳マンドリン、そしてマーシャル・ウィルボーンの落ち着いたベース。ジュニアとジョーのデュオをメインに曲によってはトリオやカルテットもある。まさに知る人ぞ知る大推薦の「夢のアーリーグラス協演名曲集」。ブルーグラス詳細解説参照
  MCM-0017 DEL McCOURY BAND『Streets of Baltimore』CD\2,573-(本体\2,450-)

 まぎれもなく現在、最高のブルーグラスバンドであるデル・マッカーリー・バンド最新作。もちろんデル不滅のハイロンサム魂あってこそだが、何と言ってもジェイソンのフィドルのすばらしさが群を抜く。そして息子ロニーの老成!?しつつある落ち着きに見られる後継者としての覚悟と自信、もちろんロニーのバンジョーも父の魂を深く理解する。トム・ポール・グレイザーとハーラン・ハワードの作品をタイトル曲に選び、スタンダード曲“Misty”や“Only You”をブルーグラスしてしまう偉大なデルのセンスは、全編のユニークな選曲の中いかんなく発揮される。まさに1960年代、全盛期を迎えた頃のフラット&スクラッグスのスタンスとまったく同じ、第1世代からのブルーグラスの本質をもっとも現在に伝える、最高のバンドの今、21世紀ブルーグラス作品である。ブルーグラス詳細解説参照
  ROU-9134 JAMES KING『Three Chords and the Truth』CD\2,573-(本体\2,450-)

 タイトルがその音楽の本質を語るジェイムズ・キング最新作。ロン・スチュワート(bj)、ジョッシュ・ウィリアムズ(g)、ジミー・マッティングリー(f)、ジェシ・ブロック(m)、ジェイソン・ムーア(bs)、そしてダドリー・コンネルとドン・リグスビーのハーモニー隊とともに、ハンク・ウィリアムズからジョージ・ジョーンズ、ドン・ギブソン、ハーラン・ハワードほか、カントリー巨匠ソングライターらの名曲を見事なハードドライビング・ソリッドグラスにして聴かせるトラッドグラス秀作。ブルーグラス詳細解説参照
  REB-1847 CHRIS JONES & THE NIGHT DRIVERS『Lonely Comes Easy』CD 2,573-(本体2,450-)

 ブルーグラスを大学カリキュラムに取り入れた最初のサウスプレイン大学でロン・ブロック、マイク・バブ、故ブッチ・バルダサリらと共にウェアリーハーツで、ボストン時代には有田純弘らボストンアコースティックバンドで活躍、そののちナッシュビルに移り自身のナイトドライバーでギター&ボーカルを務めるクリス・ジョーンズ。ソングライターであり、人気の衛星放送ブルーグラス番組DJとしても多才振りを発揮している最新作。1999年に日本でブルーグラスを知ったというウィル・マリングと在日フィドラーのクリス・ホスキンズとともに来日ツアーをしたマーク・ストフェルのデリケートなマンドリンのほか、ネッド・ルベレッキ(bj)、ジョン・ワイズバーガー(bs)といった、現在の米国ブルーグラスを、ある意味、「牛耳って!?」いる人たち(ネッドはクリスとともに人気DJで、ジョンは評論家にしてソングライター)を中心にしたバンド。
  MFR-130219 VOLUME FIVE『Run』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ミシシッピを本拠にするというボリュームファイブの最新第3作。メチャクチャにクリスプでエッジ立ちまくりの、呆れるほど今風ソリッドグラスである。とにかくその……全員のスーパーピッキンぶりたるや……ほかのどの若手バンドも同様だが、とくに彼ら、どいつもこいつも!?、メジャーバンドでも即戦力だ。詳細紹介しようと思ったが、各人の情報不足にて、この新入荷紹介だけにとどめておこう。リーダーはフレキシブルなグレン・ハレル(f)のほか、ソリッドなリズムをキープ、歯切れいいジェシー・ダニエル(m)、音キレと指離れの気持ちいいパットン・ウェイジス(bj)、クリス・ウィリアムソン(bs)、ジェフ・パーティン(g,d)。バンドメンバーによるオリジナル5曲と、ダラス・フレージャー“Son of Hickory Holler’s Tramp”やエド・ブルース“See the Big Man Cry”などカントリー中ヒットのほか、最後の4曲にはジョン・プライン“Paradise”を新鮮なアレンジで聴かせ、アール・スクラッグスのレビュー時代のインスト“Silver Eagle”、カーター・スタンレー“Little Willie”はよりアパラチア風味を効かせ、12曲目の最後に持ってきたのはカントリージェントルメンの代表曲“Fox on the Run”! とても楽しめる「21世紀のソリッドグラス」だ。
  COBB-2013 SHAD COBB & CHARLIE CUSHMAN『Out of These Mountains』CD\2,573-(本体\2,450-)

 数多いナッシュビルのフィドラーでも、天性のひらめきを一貫して(言うなれば、その瞬間に聴こえるままを)「勘で楽器に載せていく」(ような)すごいフィドラーは数少ない。そんなひとり、ジョン・カウワン・バンドのメンバーとして2006年に来日したシャド・コッブのフィドルとクロウハンマーバンジョー、そしてスクラッグスとレノを同時に表現してしまうチャーリー・クッシュマンのスリーフィンガーバンジョーとギター、そしてベース。ふたりだけで、雑誌「シンプルライフ」の女性編集長のジル・ピーターソンのプロデュースで、曰く「1916年にソングキャッチャーのセシル・シャープが集めはじた曲を含む、18世紀にもたらされ19世紀後半に花開いたアパラチアの曲」を集めた伝統音楽集。
  MH-1485 THE GRASCALS『When I Get Pay』CD\2,573-(本体\2,450-)

 グラスカルズの最新作はなんと!クリスティンがボーカルデビューだと言う。……今現在、まだ聴いていないので詳細は次号にて。現在、米国ブルーグラスのトップグループのひとつ、このレターが発行される頃には入荷していますので、ファンの方は是非どーぞ。
 ■ブルーグラス発掘編集新入荷
  BACM-432 HOBO JACK ADKINS & His Kentucky Pals『Early Bluegrass』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ブルーグラスは極端な話し、1946年9月のビル・モンローとフラット&スクラッグスの録音から5〜6年間の録音だけが純粋なブルーグラス、つまりすべてのエッセンス(基本原理)が詰まっていると考えてもいい。本作はその直後、1952年から録音をはじめたホーボー・ジャック・アドキンズの25曲集。ここにはそんなモンローとフラット&スクラッグスから学んだサウンドを懸命に演じるウォルター・ヘンズレーやレイ・ゴーインズとカーリー・レイ・クラインらのロンサム・パイン・フィドラーズ、ボビー・スローンやビリー・エドワーズらの苦闘……というよりも快活な時代のエネルギーを背負ったブルーグラススタイルが堪能できるホンマモンの「アーリー・ブルーグラス」集。55歳で1975年に死去したホーボー・ジャックは生涯300曲ほどを作曲、リッキー・スキャッグスやアリソン・クラウスが取り上げた“Another Night”(本作21曲目に収まっている58年頃の録音でフィドルにはケニー・ベイカー)の作者でもある。無名で終わった素晴らしいブルーグラスシンガーでソングライター、トラッドグラスバンドのレパートリー探しにもお薦め!!
  ME-5549 V.A.『Bluegrass Gold』CD2枚組\2,363-(本体\2,250-)

 1970年代のキース・ウィットリーを擁したラルフ・スタンレーのすごいエネルギー溢れる“Over in the Glory Land”から、ラルフとクリンチマウンテンボーイズの“Bright Morning Star”のアカペラまでブルーグラス・ゴスペル名曲2枚組CDに全29カットのお徳用盤。ほかに全6曲“Amazing Grace”を含むラルフのほか、1960年代のスタンレー・ブラザーズやカントリー・ジェントルメン、そして1970年代のセルダムシーンからフォーブスファミリーやイースターブラザーズ、ドイル・ローソン、ラリー・スパークスからブルーハイウェイほか、レベル・レコードの音源から様々なスタイルを楽しめるブルーグラスゴスペル集である。リッキー・スキャッグスの封印されたデビューソロ『That's It』(1975)から、母ドロシー・スキャッグスの歌う“That Evergreen Shore”が収められているという……驚き!?
 ■インスト新入荷
  MNJS-0002 MAREKA & JUNJI『The Rambler』CD\2,500-(本体\2,381-)

The Rambler- Banish Misfortune- Bye A While/Anna Fox/この想い/The Clinch Mountain Back Step/Coilsfield House/Jackson's/おわいやれ/Breton Gavotte (Ton Double Gavotte)/She's Sweetest When She's Naked/Thomas’Farewell- As The Sun Was Setting/O'Carolan's Welcome/The Banks of the Suir.
 元ナターシャセブンの城田純二と内藤希花のアイリッシュコンビの最新第三作。「お馴染みのアイリッシュ・ミュージックからオールド・タイム、フォーク・ソング、民謡などを、たくさんの楽器と歌で奏でました」とコピーに曰く。城田のギターとバンジョーに内藤のフィドル、コンサルティーナ、アイリッシュハープなどを駆使して幅広いレパートリーを聴かせる。アイリッシュのことはよく分からないのだが、1曲目から「まれか」のフィドル・トーンがらしくなってきたような気がするのだが……、オープンバックバンジョーのトーンとコンサルティーナが良く合う2曲目、3曲目には故・坂庭省吾が良く歌っていたというトム・パクストン“Last Thing on My Mind”の日本語版、そしてスタンレーの“Clinch Mountain Backestep”をクロウハンマーで演じる4曲目……など、フィドルチューンを軸に山形の民謡なども含め、全編に美しいトーンを基調にアイリッシュ特有の清涼感に包まれた秀作である。ちなみに、「MAREKA & JUNJI+三津谷組」のライブリポートがムーンシャイナー2013年10月号(MS-3012 \525-)にある。
 ■オールドタイム/フォーク新入荷
  HCL-002 HEIDI CLARE & RON THOMASON『Bygone Days』CD\2,573-(本体\2,450-)

 映画『コールドマウンテン』のサントラに抜擢されたオールドタイム・ストリングバンド、元リールタイム・トラベラーズのハイジ・クレアと、ドライ・ブランチ・ファイア・スクォッドを率いてニューヨークの巨大フェス「グレイフォックス・ブルーグラス・フェス」のホストを務めるロン・トーマソンのふたりによる非常に感覚的で力強い、つまり「ロウ(生)」なアパラチア音楽。ハイジの強烈なフィドルがグルーヴする曲を中心に、意外な選曲でとても愛らしいボーカル曲など、その荒々しさと生々しさで本物のアパラチアを感じさせてくれる秀作である。尋常ではない内に秘めたインパクトを感じさせる詳細は、オールドタイム詳細解説参照
  SH-4097 DOC WATSON『The Definitive』CD2枚組\3,675-(本体\3,500-)

 昨年5月29日に89歳で世を去ったドック・ワトソン、『The Definitive(決定版)!』と名付けられたドック・ワトソンの初期バンガード時代と後期シュガーヒル時代から、ギター物とブルース物以外で初のベスト集。1962年から1995年までにソロアルバムとして発表された(1972年から1983年のUA盤とフライングフィッシュ盤以外)15枚のアルバムからフレッド・ジャスパーが選んだ全34曲105分の秀作。カーターファミリーの“The Cyclone of Rye Cove”を1曲目に、“St. Louis Blues”や“Sittin' On Top of the World”などのブルース、“House Carpenter”や“Little Sadie”などのアパラチアンバラッドの数々、デルモア兄弟の“Blue Railroad Train”やオズボーン兄弟の性悪女デラ・メイを歌ったブルーグラス名曲“Big Spike Hammer”などのカバー、もちろん“Black Mountain Rag”や“Whistlin' Rufus/Ragtime Annie”、そして最後34曲目の“Whiskey Before Breakfast”で聴かれるフラットピッキンギターインストまで、ラス前にオリジナル名曲“Your Lone Journey”も収められたドックの2枚組決定盤。
  BACM-430 KARL & HARTY『Vol. 2 Old Time Harmony Singing』CD\2,573-(本体\2,450-)

 レンフロバレイとして知られるイースタンケンタッキーの音楽拠点マウントバーノン出身のカール・デイビスとハーティ・テイラー、ともに1905年生まれの幼なじみが組んだブラザーデュオのパイオニア。1930年代中頃からモンローブラザーズやブルースカイボーイズをはじめ数多のデュオの先輩格に当たるカール&ハーティ、英国カントリー音楽アーカイブの第二弾。本作には前作(1931-1945の21曲)よりも後期、1941年の“Wreck on the Highway”、“Blue Railroad Train”、“Dust on the Bible”、“Gold Watch and Chain”などのカバー曲を含む23曲と、1944年にカールの姪、当時14歳くらいのシェルビー・ジーン・デイビスの天使のように上手な“Put My Little Shoes Away”を含むボーカル物6曲、そして1947年の2曲の全31曲が収められている。同時期の盲目のデュオ、マック&ボブほどクラシック的ではないものの、のちのドライブ感のあるモンロー兄弟やアパラチア陰影の濃いボリック兄弟、ブルースなデルモア兄弟らと比べると19世紀後期のビクトリア調バラッドの牧歌的なロマンが漂うノスタルジックな響きが聴く者を癒してくれる。カールはのちにブルーグラススタンダードとなる“Kentucky”や“I’m Just Here to Get My Baby Out of Jail”を書いている。
 ■カントリー新入荷
  ROU-9179 MANDY BATNETT『I Can't Stop Loving You:The Song of Don Gibson』CD\2,888-(本体\2,750-)

 10月に京都の円山音楽堂で開催されたカントリードリームで来日していたマンディ・バーネットの最新作は米国外食チェーン「クラッカーバレル」のみで入手可能なアルバム。「愛さずにはいられない」や“Sweet Dreams”など、多くのヒットを持つドン・ギブソン(1928-2003)へのトリビュート作品。パッツィ・クラインを思わせるポップな熱唱と、現在ナッシュビルが創る21世紀のナッシュビルサウンドが見事に絡み、カントリーというよりはスタンダードポップを思わせる素晴らしい出来栄えだ。カントリー詳細解説参照
  SED-71731 TWO TONS OF STEEL『Unreveled』CD\2,573-(本体\2,450-)

 サン・アントニオを本拠にして活躍する活きの良いウッドベースのスラッピングが1950年代のノスタルジーを感じさせるテキサス・カントリー、ツー・トンズ・オブ・スティール、オースチンの辣腕プロデューサー、ロイド・メインズを迎えての最新作。ジョニー・キャッシュで知られる"Busted"、テキサスの伝説的ミュージシャン、オーギー・メイヤーズのカバー他、軽快なオリジナルもご機嫌。
  FREED-5046 HEATHER MYLES『Live On TruCountry』CD+DVD\3,255-(本体\3,100-)

 ベイカーズフィールド・サウンドのストレートなホンキートンク・スタイルを聴かせる女性ヒザー・マイルズ(51)の最新作はライブ23曲のCDとDVD映像集。カリフォルニアの競走馬を育てる牧場で生まれ育ち、その仕事を辞めて30歳でのデビュー以来、ハイトーンやラウンダーと行った本物志向のレーベルで活躍してきたベテラン・カントリー。レイ・プライスの“Crazy Arms”や“Vaya Con Dios”、バック・オウエンズ“I'm Gonna Have Love”など新旧ホンキートンクをたっぷりと楽しませてくれる。
 最近作/話題作ダイジェスト
 (以下で紹介するものは最近作を中心に、すでに新譜紹介したことのある作品群です。最後尾により詳細な解説があるお勧め作品もあります)
 ■ムーンシャイナー2013年12月号関連作品
  NONE529809 CAROLINA CHOCOLATE DROPS『Leaving Eden』CD\2,573-(本体\2,450-)

 で、カロライナと言えば「ブルーリッジ」と「ピードモント」。そのピードモント地方を代表するバンド、前作がグラミー受賞したカロライナ・チョコレート・ドロップスの2012年作がこれ。2005年のノースカロライナ州ブーンで開かれた「ブラック・バンジョー・ギャザリング」を契機に、その中心女性リーアノン・ギデンズが結成、20世紀以降は白人音楽とされるストリングバンドを19世紀には黒人たちのものだったという視点で、あのノンサッチ・レーベルから三枚目の秀作。アパラチア/ノースカロライナの景色を知ることのできるすばらしい作品として強力にお勧めする。
 ●以下、「知っておきたい...シリーズ#5 「フラットピッカー達」で紹介したアルバムたち
  FGM-124 ROBERT BOWLIN『Six String Soliloguy』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ビル・モンローのブルー・グラス・ボーイズ最晩年のフィドラーにして、知る人ぞ知るクラレンス・ホワイト・フリークのギタリスト、ロバート・ボウリンが全くのソロで聴かせるフラットピッキン16曲集。“East Tennessee Blues”や“Whiskey Before Breakfast”、フォスターのメドレー“I Dream of Jeannie/ My Old Kentucky Home”ほか、シビアなオリジナルが素晴らしい。
  FGM-123 JIM NUNALLY『Gloria's Waltz』CD\2,888-(本体\2,750-)

 デビッド・グリスマンのブルーグラス・イクスペリエンスで一躍知られるようになったウエストコーストの大ベテラン・フラットピッカー、ジム・ナナリーの最新作。トラッドグラスからドン・マクリーン、ドリー・パートン、ジョン・フォガティー、バック・オウエンズなどなど、さまざまなジャンルの曲を、優しい歌とフラットピッキンで和ませてくれる。ムーンシャイナー誌2008年7月号の「ユタ・フィリップス追悼」への寄稿は、彼の音楽を知るすばらしいものだった。
  GRR-1003 JACK LAWRENCE 『Arthel's Guitar』CD\2,573-(本体\2,450-)

 クラレンス・ホワイト大好きの少年だったジャック・ローレンス、そののちニューディールストリングバンドからブルーグラス・アライアンスを経て、1980年代から息子マールを喪ったドック・ワトソンの片腕となった。自身のルーツであるノースカロライナはもちろん、クラレンス・アッシュレー、モンロー/フラット&スクラッグス、ザ・ディラーズ、レノ&スマイリー、そしてもちろんドック・ワトソン……、そんな自身のヒーローたちからの有名レパートリーやトラッド曲を軸に、ドック、デビッド・グリスマン、サム・ブッシュ、デル・マッカーリー・バンドらをゲストに迎えた楽しい朴訥なボーカルとギターの最近作。近年のパキパキギターじゃなく、こうしてジャックのように、誠実に自分のトーンを磨き、ニカッとするようなフレーズを忍ばせる奥ゆかしさ、ぼくと同年のジャックはほんと、思慮深くて、すばらしい人です。そうそう、タイトルの通り、ドックのD-18をジャックは弾いています。
 ●以下、12月号レコードレビューで紹介したもの
 SKFR-5004 RICKY SKAGGS & BRUCE HORNSBY『Live:Cluck Ol' Hen』CD\2,573-(本体\2,450-)
COMP-4614 THE BANKESTERS『Love Has Wheels』CD\2,573-(本体\2,450-)
RW-0001 NEW KENTUCKY COLONELS『Live In Holland 1973』CD\2,573-(本体\2,450-)
BGPC-0001 ブルーグラス☆ポリス『BG★PC』CD\1,575-(本体\1,500-)
ROU-9153 THE JAY UNGER & MOLLY MASON FAMILY BAND『A Fiddler's Holiday』CD\2,573-(本体\2,450-)
RHC-2016 V.A.『Christmas:The Mountain way』CD+DVD \2,888(本体\2,750-)
 ■ブルーグラスお勧め作品
  COMP-4614 THE BANKESTERS『Love Has Wheels』CD 2,573-(本体2,450-)

 昨年、自費制作盤として紹介した前作『Looking Forward』(BCR-032 \2,560-、在庫あり)がアリソン・ブラウンの目に留まってコンパスから全米デビューしたバンケスターズ、美人3姉妹に父母、そして長女の婿というファミリーバンド。この最新作では何と言っても昨年、IBMAに新設されたモメンタムアワードの第1回ボーカル部門受賞者となったエミリーがカバーする“Cups”(When I'm Gone)のウキウキ楽しいこと!!(オリジナルはカーターファミリー!シエラ・ハルも登場するプロモビデオは必見「bankesters, cups」で検索)。「アリソン・クラウスがジェネレーションX(1960〜70年代生まれ)らのためにブルーグラスに光沢を与えたというなら、バンケスターズはミレニアリスト(21世紀世代)たちのためにニューグラスをふたたびヒップなものにしようとしている」とある評はちょっと褒めすぎ……!? でも、さわやかでモダンな女性ボーカルファン、必聴。
  ACD-80 DAVID GRISMAN BLUEGRASS EXPERIENCE『Muddy Roads』CD 2,573-(本体2,450-)

 今もバリバリのドーグを演じつつ、常に自身のルーツであるオールドタイムとブルーグラスの真実を伝えつづけるデビッド・グリスマン、本作品は「15歳のわたしの音楽魂に刻印された(中略)曲と歌への臣従の礼です」という、クラレンス・アッシュリーとドック・ワトソンらのフィールドレコーディングに捧げられた彼のソウルミュージック。グリスマンの地元ミュージシャンらとアパラチアン・オールドタイムをきわめてストレートな、「素」のままで聴かせる伝統的なブルーグラスサウンド。
  AC-1910702 ALAN JACKSON『The Bluegrass Album』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ビルボード初登場でブルーグラス部門で1位、そしてカントリー部門では2位という……ま、当然と言えば当然の高い評価を得たカントリー界の帝王!?が初めて挑んだブルーグラス作品。8曲のオリジナルもブルーグラスというコンセプトを理解した真摯なつくりで、自身のバンドのブルーグラス担当スコット・コニーのギターをフィーチャー。またサミー・シーラー(bj)、アダム・ステッフィ(m)、ティム・クロウチ(f)、ロブ・アイクス(d)、ティム・ディッシュマン(bs)ら、どの曲もバックミュージシャンとシンガーとしての自分の距離を平等に取り、パックボーカルにはドン・リグスビーとロニー・ボウマンらを配し、どーやらロンサムリバーバンド風ブルーリッジ系ブルーグラスを念頭に、しかしティム・クロウチの素晴らしいハイロンサムフィドルとサミーの抑えたスリーフィンガーが全体に落ちついた大人のトラッドグラスサウンドにしている。ブルーグラス・スタンダード曲はディラーズの名曲“There Is A Time”とモンローソングの極めつけ“Blue Moon of Kentucky”(全編をワルツのままに、このアルバムに対する思いとメンバー紹介をする5分40秒)でキマリ!! さすがいちジャンルを代表するシンガー、ブルーグラスのミュージシャンやファンのツボを捉えた秀作に仕上げている。
  SMM-1008 ALICE GERRARD『Bittersweet』CD\2,573-(本体\2,450-)

 1960年代初頭、ビル・モンローの強力な後押しでヘイゼル&アリスとして、初の女性ハイロンサム・サウンドを提示。1970年代以降、本作のプロデューサーでもあるローリー・ルイスをはじめアリソン・クラウスまで、女性ブルーグラスの隆盛の基礎を創ったコンビのひとり、アリス・ジェラードの最新作。最高のミュージシャン、ブライアン・サットン(g)、ステュアート・ダンカン(f)、トッド・フィリップス(bs)、ロブ・アイクス(d)、トム・ロザム(m)をバックに、アパラチアンバラッドからブルース、軽ーいスウィング、そしてホンキートンクなど、「正味」の女性ボーカルを聴かせてくれるアリスのソロとしては第3作目。ジャンルに無関係な、それでも自身が背負ったアパラチアのムード一杯の、アリスが人生の中で印象に残った言葉や光景を曲にしたという10曲の新曲と3曲の再録。1987年から2003年まで、オールドタイム音楽の季刊誌『Old Time Herald』の編集長としてアメリカ伝承音楽の発掘と保護に大きな貢献を残したアリスの素敵なソロアルバムだ。ブルーグラス詳細解説参照
  ROU-9168 STEEP CANYON RANGERS『Tell the Ones I Love』CD\2,573-(\2,450-)

 今年、前作『Nobody Knows You』(ROU-0648 \2,573-)がグラミー賞を受賞、また今年のIBMAアワードショウのホストを務め、またスティーブ・マーティンとエディ・ブリッケルとともにIBMAワイドオープンブルーグラスのトリを務めた、現在もっとも知られるブルーグラスバンドとなったスティープ・キャニオン・レインジャーズ最新作。ウッドストックにある故リボン・ヘルムのスタジオでラリー・キャンベルが制作、インテリ系ブルーグラス!?というあたらしい志向を目指すのオリジナル作品集。今秋発表と同時にビルボード・ブルーグラスチャート第1位となっている。今もっとも注目される若手ブルーグラスバンドの秀作である。
  COMP-4599 GIBSON BROTHERS『They Called It Music』CD\2,573-(本体\2,450-)

 昨秋につづいて2度目のIBMA最優秀エンターテイナーを獲得、ブルーグラスの伝統的な手法であるブラザーデュオを看板に、現在ブルーグラス界の頂点に立ったギブソン・ブラザーズの最新作は、2011年のIBMA最優秀アルバムと最優秀ボーカルグループを受賞した前作『Help My Brother』(COMP-4549 \2,573-)と同様、兄エリック・ギブソンとジョー・ニューベリーとの共作をタイトルにしたシンプルにして誠実な作品。兄のエリック(bj)と弟レイ(g)、そしてもうひとりの兄弟とも言えるマイク・バーバー(bs)の3人に、バークリー音楽院マンドリン専攻一期生のジョー・ウォルシュ(m)とクレイトン・キャンベル(f)、コンパスの三作で不動の5人組である。かれらの決してやり過ぎない品のいいバックアップに、特徴的なオリジナルソングとマーク・ノップラーやロレッタ・リン、そしてハンク・ウィリアムズ"Sundown and Sorrow"などのカバーを見事なアーリーブルーグラス名曲にしてしまうなどの選曲も秀逸。
  BMR-0001 BLUE MOON RISING『Blue Side of the Moon』CD\2,573-(本体\2,450-)

 セルダムシーンのデビュー作からポール・クラフト作の“Raised By the Railroad Line”をカバー、ボーナストラックに2曲のカントリーを入れるなど、ジョン・スターリング信奉者と勘ぐられるクリス・ウエスト(g)が率いるブルームーン・ライジングの最新第6作目。このクリスと、現在スーパーバンドで大人気のボックスカーズで活躍するキース・ギャレットが2001年、イーストテネシーを本拠にデビュー作を発表したバンド。ランディ・コーアズやロン・スチュワートをゲストに2005年の第3作『On the Rise』(在庫あり、LDR-007 \2,573-)でビルボード・ブルーグラスチャートで初登場14位を記録、本誌掲載ブルーグラスサーベイでも同作からの“Old Martin Box”がヒットして一躍有名になり、さらに2008年の第4作では先のふたりに加えてティム・クロウチやコディ・キルビー、マイク・バブらを迎え、現在も高い評価を受ける『One Lonely Shadow』(在庫あり、LDR-012 \2,573-)で名前を築いたブルームーンライジング。キースが抜けたのちもバンド創設者で響きのいいバリトンボイスの持ち主クリス・ウエストのオリジナルを中心に安定した、モダンなブルーグラスを聴かせ、全米に名を広めはじめている。
  JBB-2013 TERRY BAUCOM『Never Though of Looking Back』CD\2,573-(\2,450-)

 何と言っても一曲目からサム・ブッシュ独特のメロディーの創り方が全編に渡って快感!久々のブッシュ節マンド全開(近年の創られ過ぎトーンではない、NGR時代を髣髴する生音が懐かしい)。またサムがリードを歌うフラット&スクラッグスの小ヒット名曲“Just Ain't”のご機嫌なこと! ジェリーのドブロからジョッシュ・グレイブスの魂と弾き方ノウハウのイロハが溢れ出ているぞ!この作品、何と言ってもそれ、サムとジェリーの全編参加でしょ!!? 「昔を振り返るなんて、思っても見なかった」というタイトル通り、ジェリー・ダグラスとスティーブ・ブライアント(ebs)というふたりに、アルバムの売りと思われる2曲目“Martha White, Lester and Earl”にウェス・ゴールディングの曲を持ってくるという、ブーンクリーク時代回顧作品ともいえそうな楽しいアルバム。ジョン・カウワン、バルサム・レンジのバディ・メルトン、ジョン・ランドール・スチュワート、デビッド・メイフィールド、マーティ・レイボンらゲストによるご機嫌なボーカル作品である。
  HMG-1011 DONNA ULISSE『I Am A Child of God: A Gospel Collection』CD\2,573-(本体\2,450-)

 メジャーカントリーシンガーとしてもデビュー経験のあるドナ・ユリッシー、ラルフ・スタンレーの従兄弟、リック・スタンレーと結婚してブルーグラスに戻ってからの最新第6作目である。その癖のないキュートでストレートな歌唱と、キース・ソウェルとブライアン・サットンというふたりのスーパーギタリストをプロデューサーに、アンディ・レフトウィッチ(m,f)、スコット・ベスタル(bj)、ロブ・アイクス/ランディ・コーアズ(d)、ビクター・クラウス/バイロン・ハウス(bs)という、いつもながらの申し分のないメンバーで聴かせる。ブルーグラス詳細解説参照
  SKFR-5004 RICKY SKAGGS & BRUCE HORNSBY『Live: Cluck Ol' Hen』CD\2,573-(本体2,450-)

 6年前にコラボしたふたりのメジャーアーティストによる強烈ライブ! リッキーはブルーグラスから1981年、カントリースーパースターとなり、そしてまたブルーグラスに戻り、現在トップエンターテイナーとして、またビル・モンローのブルーグラスを継承する第一人者として活躍。一方ブルースは、1984年に自身のザ・レインジでルーグラスフェスの情景をロマンチックに描いた“Mandolin Rain”などでポップヒットを飛ばして以来、ロック、ジャズ、ブルーグラスを行き来する即興演奏家としてボブ・ディラン、ロビー・ロバートソン、クロスビー、スティルス&ナッシュ、ベラ・フレック、ボニー・レイットなど協演、地位を確立している。トップブルーグラスバンドのライブ、その揺るぎない圧倒的なアンサンブル(ドライブとフレージングが絡み合う様は究極の至福!)の中でトラッドブルーグラスとインプロバイズミュージックが見事に響き合う、ふたたびリッキーがやりたくなったのも無理からぬ刺激的なライブ! ふたりはこの11月もニューヨークでツアーをこなしている。
  RCSI-1083 MIKE COMPTON & JOE NEWBERRY『Live』CD\2,573-(本体\2,450-)

 モンローとブルースをこよなく愛してスタイルを成したマンドリンの名手マイク・コンプトンと、オールドタイム・バンジョーの名手にしてシンガーソングライター、ギブソン・ブラザーズでヒットした“Ring the Bell”や"Help My Brother"などの作者でもあるジョー・ニューベリー(本作ではほとんどギターを担当)のふたりだけで創られた、すばらしく充実したライブ作品。フィドルチューン"East Tennessee Blues"をイントロに、モンロー名曲"Rocky Road Blues"や"Kentucky Waltz"やブルース"Sittin' On Top of the World"、そしてジョーのオリジナルなどを配し、エンターテイメントとしてのライブを楽しませる秀作に仕上げている。マイクは、"Evening Prayer Blues"でのブルースソロから"Kentucky Waltz"でのロマンチック(!?)な表現まで、モンロー・マンドリンの新境地を拓いていく……。まったくひとりで創り上げた2011年発表の前作CD『Rotten Taters』(RCSI-1051 \2,573-)を越えて、あらゆるシチュエーションでの自信に満ちている。最後のクロウハンマーバンジョー&マンドリンによる"Fly Around My Pretty Lil' Miss"の凄いノリは、このデュオはこの興奮から生まれたのか!?と思わせるすばらしさだ。
  MFR-130423 SPINNEY BROTHERS『No Borders』CD\2,573-(本体\2,450-)

 全米ブルーグラス・チャート(毎月ムーンシャイナー掲載)でトップの常連になっているスピニー・ブラザーズ今夏の最新作。1960年代、日本の学生バンドもよく取り上げたケンタッキートラベラーズの"The Moon Saw Me Crying"や、カーター・スタンレーのスタンダード"Think of What You've Done"などのカバーほか、現在のブルーグラスソングライターたちのストレートなブルーグラス曲を取り上げ、丁寧なトラッドグラスサウンドを聴かせる14曲集。アラン(g)とリック(bj)のスピニー兄弟にゲリー・ダリンプル(m)、ダリル・ヘッブ(bs)というメンバーに、トラッドグラスサウンドに合わせてアグレッシブながらもストレートなブルーグラスフィドルに抑えたロニー・スチュワートとドブロにロブ・アイクス(d)、そして1曲のみだがスピニー兄弟が崇拝するスタンレー・ブラザーズ直系のラルフ・スタンレーUがボーカルで参加、ストレート(古風!?)なブルーグラスサウンドがとてもいい。ロン・スチュワートのフィドルがブルーリッジ系のときとはまったく違ったフレージングになるのも聴きものである。
  REB-1841 DON RIGSBY『Doctor's Orders - A Tribute to Ralph Stanley』CD\2,573-(本体\2,450-)

 5歳のときに聴いた“Little Maggie”に衝撃を受け、6歳の誕生日にプレゼントとしてバックステージでラルフ・スタンレーに会って以来、ラルフのようになることを夢見てミュージシャンの道を志したというドン・リグスビー、現在40代半ばのもっとも充実しているとき、自身のベースにあるスタンレー音楽に真摯に取り組んでいる。ラルフのバンジョー奏法をそのまま受け継いだスティーブ・スパークマン、ここではカーリー・レイ・クラインを意識しまくるロン・スチュワート、シャフラーのクロスピッキンを受け継ぐジェイムズ・アラン・シェルトン、ベースにはバリー・ベイルズ。そして特別ゲストとして、ラルフ自身が“Daughter of Geronimo”ですばらしいリードボーカル、“Home in the Mountain”ではテナーを聴かせ(リッキー・スキャッグスがバリトン)、最後の“Traveling the Highway Home”ではラルフが母から学んだクロウハンマーバンジョーを聴かせる。ほかにラリー・スパークスがリード・ボーカルとリードギターで登場、チャーリー・サイズモアも参加してのスタンレーサウンド大会。トラッドグラス界随一のテナーボイスでスタンレーサウンドと名曲を蘇らせた秀作である。
  MH-1462 BOXCARS『It's Just A Road』CD\2,573-(本体\2,450-)

 新人ながらIBMA最優秀インストグループ賞を軽々と獲得したそのドッキマリが最初の曲、ジェリー・リードの気色いい"You Took All the Ramblin' Out of Me"で、バンジョーイントロから「バチーン」と耳に飛び込んでくる。出来すぎのアンサンブルと各楽器の呼吸、そしてジョン・ボウマン(f)の実にあっさりとしたブルーグラスボーカルがホッとさせてくれる。これは、やっぱ、21世紀の今、ブルーグラス・メインストリームを代表するサウンド/アンサンブルに違いない。ほかに"Coal Miner's Blues"などカーターファミリーが2曲、ビル・モンローの"Never Again"はバリバリのソリッドグラスに(ジャケットのハンク・ウィリアムズ作は誤り)、1920年代のジャズブルース"Trouble in Mind"はアダム・ステフィ(m)のバリトンボイスで、キース・ギャレット(g)のオリジナルが3曲、ロン・スチュワート(bj)のオリジナルが2曲(内1曲はバンジョーインスト)、ハロルド・ニクソン(bs)もしっかりお仕事をして非常に選曲バランスも良い。全員がフロントマンではなくサイドマンと呼ばれたメンバーたち、そんな中でも飛びっきりの面子を集めたことで、あっという間にトップバンドとなったザ・ボックスカーズ。1曲目のジェリー・リードから最後のカーターファミリーまで、実に安心して聴いていられる1970年代のニューサウスサウンド直系、現在メインストリーム・ブルーグラスアンサンブルの最高峰だろう。
 ■ブルーグラス発掘お勧め作品
  BACM-398 BARRIER BROTHERS『Bluegrass Classics』CD-R \2,573-(本体\2,450-)

Blue Moon of Kentucky/Gotta Travel On/Polka On a Banjo/Crying My Heart Out Over You/My Little Georgia Rose/Salty Dog Blues/Earl's Breakdown/Cabin in the Hills/Flint Hill Special 他全28曲

 上記1曲目から9曲目まで、これでもか!とばかりのビル・モンローとフラット&スクラッグスのヒット曲オンパレード。この調子で全28曲、次から次へとブルーグラスを創ったモンローとフラット&スクラッグスが(数曲は違うけど)、なんと、チョッとスタンレー風のボーカルとバンジョーで――つまり、モンローの「激」とレスターの「味」とアールの「技」を抜いて――聴かせてくれる。さらに全編を駆け抜けるというか縫いまくるというか、わがアイドル、ベニー・マーティンのフィドルが所構わず顔を出す楽しさ。メジャーのフィリップ・レコードから『Golden Bluegrass Hits』と『More Golden Bluegrass Hits』(共に1962)として日本やヨーロッパでも発売され、広くブルーグラスを世界に紹介したバリア・ブラザーズ。その二枚のアルバムを順に24曲収め、1960年にシングルで発表した4曲をプラスした全28曲。トラッドグラスファンに強力お奨めの60年代ブルーグラス大名盤である(ただし、マンドリンがなきゃダメとか、スネアが入っているとだめという人にはゴメン!)。ブルーグラスのフィドルとバンジョーの役割、そしてトリオハーモニーのイロハまで、「激」/「味」/「技」抜き!?の聴いていて気持ちいいブルーグラスが楽しめる秀作だ。
  BACM-418 BILL CLIFTON & HAMILTON COUNTY BLUEGRASS BAND『Two Shades of Bluegrass』CD\2,573-(本体\2,450-)

 1970年、ビル・クリフトン(82)が平和部隊に在籍していたときに、ニュージーランドのハミルトン・カウンティ・ブルーグラス・バンドと録音したすばらしいトラッドグラス作品。いつものビルらしく、カーター・ファミリーはもちろん、グランパ・ジョーンズやアーネスト・タブ、アンクル・デイブ・メイコン、クリフ・カーライルら初期カントリーの名曲などをブルーグラススタイルで聴かせる13曲。そして残りの15曲は、ビルのトラッドソングに対する丁寧な愛情を感じる(オートハープも含めた)同時期のソロライブ・パフォーマンス。全28曲、ビル・クリフトンのブルーグラスとトラッドソング/フィドルチューンなどの弾き語りの両方が楽しめる、若いビルの貴重なCD化である。ちなみにこの頃、日本にも立ち寄って(1968年)おり、現在も日本のことをいつも気にかけてくれる素晴らしい人である。
  TSQ-2400 ROLAND WHITE『I Wasn't Born to Rock'n Roll』CD\2,363-(本体\2,250-)

 1976年に発表されたローランド・ホワイトのデビューソロ・アルバムが未発表を1曲、オマケに加えて初CD化。骨の髄までトラッドグラスを知り尽くした男のソロアルバムをウエストコースト乗りのカントリーガゼットがバックアップ。アラン・マンデの完璧なまでのバンジョースタイルがとても目立つのだが、いやいや、このアルバムの味噌は、ロジャー・ブッシュのスラッピング・ベースが生み出したリズムとケニー・ワーツを加えたビーチ・ボーイズ風トリオ・ハーモニー、そのふたつがローランドのトラッド感覚(でもフレキシブルなんだ!)と見事に生き生きしたサウンドを創り出してこのアルバムを色あせない名盤にしている。今聴いても古さを感じさせないカーター・ファミリー“Storms Are on thee Ocean”からビル・モンロー、フラット&スクラッグス“If I Should Wander Back Tonight”や“Head Over Heels”の名曲中の名曲、自身のアイドル、マック・ワイズマン“I Saw Your Face in the Moon”、そして"Love Please Come Home"から"Sittin' on Top of the World"までメドレーでつづる超スタンダード……全13曲。ビル・モンローとレスター・フラット、ふたりの巨人の女房役を務めたまれな幸せ者(金銭的な成功からは遠かったが)、ブルーグラスファンをおなか一杯に楽しませてくれるローランド、ほんとうに優しく温かい人だ。
  RW-0001 NEW KENTUCKY COLONELS『Live in Holland 1973』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ザ・バーズでロックスターとしての数年を過ごした後、レスター・フラットのナッシュビルグラスにいた長兄ローランド(1938-)をカリフォルニアに呼び寄せ、次男のエリック(1942-2012)とともにホワイト・ブラザーズとして、1966年に解散したブルーグラスバンド、ケンタッキーカーネルズを再始動させたクラレンス・ホワイト(1944-1973)、誰がこの二ヶ月のちに29歳の天才ブルーグラスギタリストの命が奪われると思っただろうか!? 本作はこれまで世に出なかった1973年5月、ハーブ・ピーダセン(1944-)のバンジョーを加えてのオランダツアーでのあまりに生々しいブルーグラス魂の詰まったライブ。全員がブルーグラスをすることに燃え、喜びを爆発させているような音がすさまじい。クラレンスの“Fields Have Turned Brown”の間奏ほか、彼のギターをどー表現すればいいだろか!? まさしくギタートーンがひとりでブルーグラスしている。それはほかの3人も同様、ブルーグラスという音楽のスリルとコーフンがつぎつぎと相乗作用で伝播して行く、その様がありありと感じられるすばらしいライブだ。……あの日から40年、75歳になった兄ローランド・ホワイトの気持ちが一杯の未発表ライブ発掘である。久々に心揺さぶられるブルーグラス魂に感激!!
  SXCD-6034 COUNTRY GAZETTE『The Four Album Collection』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

 カントリーガゼットのローランド・ホワイトが参加後の1973年から77年の初期アルバム3枚全39曲と、その時期に陽の目を見なかったスタジオ録音とライブ録音された未発表曲(クラレンス・ホワイトを迎えたガゼットのライブ5曲を含む)15曲の全54曲を収めたスッゲェ2枚組CD。
 ■日本のブルーグラッス!お勧め2013作品
  BGPC-0001 ブルーグラス☆ポリス『BG★PC』CD\1,575-(本体\1,500-)

Lonesome Road Blues/There Ain't Nobody Gonna Miss Me/Chicken Fried/Tatsuya's Breakdown/Bartender's Blues/梅田からナンバまで/White House Blues/99 Years. 8曲

 ムーンシャイナー11月号特集された北大、東北大、神大の精鋭OB/OGが集まって結成、箱根ブルーグラス・フェス人気投票で3年連続ナンバーワンを獲得したブルーグラス☆ポリスのエネルギー全開デビュー作。トラッド有名曲からジミー・マーティン、モンローソングからホットライズまで、最先端若者たちのストレートブルーグラスに、ジェイムズ・テイラー作ジョージ・ジョーンズ歌の大ホンキートンクソングや最近ブレイクしたザック・ブラウンのカントリーロック、そして上田正樹の日本語曲にオリジナルのバンジョーインストの全8曲。マンドリンの平澤諒太のぶっ飛びフレーズと、横濱バンジョー祭りの第2回バンジョープレイヤーコンテスト優勝者である桑原達也のやんちゃぶりがこのバンドの本質的な志向を表し、フィドルの若林優子がニコニコしながら糸の切れた凧のように宇宙遊泳しているその取締りに、大阪出身札幌経由東京在住という染田屋光高、アメリカンロックとカントリー好きなブルーグラスシンガーといった意外と常識人のリードボーカルが平泉友誠のベースとともにバンドをクールに落ち着かせている……。
  JMD-002 THE CASH『The Cash』CD\2,000-(本体\1,904-)

Angel/FYBF/Zeus/夏と恋/Never Ending Lullaby/Crawdad Song/Cry Baby. 全7曲

 ブルーグラス生まれのマンドリン奏者、井上太郎に、日テレ系TVドラマ『Mother』主題歌“泣き顔スマイル”でJ-Popヒットした「hinaco(ひなこ)」と、センチメンタル・シティロマンスのベーシストの瀬川信二が参加したトリオ、ザ・キャッシュの7曲入りデビューミニアルバム。太郎が「hinaco」のギター能力に着目、ジョニー・キャッシュから命名されたトリオ。ブラザーデュオのドライブからタロー&ジョーダンなどの複雑な変拍子も平気でこなす「hinaco」のリズムギターに、さまざまなエレベのテクニックを駆使してリズムのみならず、世界観も広げる瀬川に乗っかって、太郎のオリジナル英詩ボーカル物を中心に、「hinaco」の日本語詩に太郎が音楽をつけたJ-Pop、ブルーグラススタンダードのトラッド“Crawdad Song”、そしてインスト2曲、非常にポップでスマートな作品となっている。……えっ? 「これがブルーグラスか?」って。いゃあー、フォークでもカントリーでもないし、ま、本人が「ブルーグラスッ!」って叫んでることですので。
  RCSI-1092 柴田貴子/稲川友則『Accordion & Banjo』CD\2,000-(本体\1,905-)

 バンジョーという楽器をブルーグラスやオールドタイム、ディキシーランドなど、既成の音楽形態から見るばかりでは気付かない、新鮮なシチュエーションの妙を聴かせてくれるバンジョー奏者の稲川友則とアコーディオン奏者の柴田貴子のバンジョーとアコーディオンのインストデュオのデビュー作。浜松/豊橋を本拠に活躍、「聴く方にどこか癒しのような感覚を味わっていただけたらうれしい」というふたり、フランスのミュゼットやバッハ、そしてアイリッシュや南米系のタンゴなどが各二曲ずつ、「異国情緒あふれる仕上がり」も感じて欲しいという。ムーンシャイナー誌2013年7月号(MS-3009 \525-)で紹介した稲川さんとバンジョー/ブルーグラスとの出会いも新鮮で、その発想/オリジナリティの源泉が読み取れる。ともに騒々しい楽器としてジョークのネタにされることも多いバンジョーとアコーディオン、まだ未完だろうが、それぞれの楽器が持つ表現方法を自由に探そうという姿勢を応援したい。
  RC-126 渡辺敏雄『The Fiction Twins』CD\2,573-(本体\2,450-)

My Long Journey Home/Little Red Shoes/Weeping Willow/Will the Roses Bloom/Little Annie/Just Because/Will the Circle Be Unbroken 他全14曲
 ブルーグラス45ではベース、シャギーマウンテンボーイズではバンジョー、そして現在はマンドリンを担当する渡辺敏雄、B.O.M.社長が1930年代に大ブームを巻き起こしたブラザーデュオを再現した力作。数々のブラザーデュオがそれぞれに活躍したが、ここで再現されるのはビルとチャーリーのモンロー・ブラザーズ。のちに「ブルーグラスの父」となるビル・モンローは、その(当時すでに)圧倒的なマンドリン奏法を、兄チャーリーが作り出す初期のGラン、すなわち原初的ドライブとお洒落なメロディに乗せて他のブラザーデュオとは一線を画したグルーヴを再現。1960年以前のアメリカン・ポピュラー音楽の原点のひとつといえるブラザーデュオのメロディとビート、歌心を見事に再現した、秀作ではないだろうか?
  OTCR-006 PIRATES CANOE『Three』CD\1,000-(本体\952-)

 1曲目のフィドラー欅 夏那子作のインスト、ケルト的幻想からアイリッシュ、そしてニューグラス的な展開の中、河野沙羅のマンドリンと岩城一彦のドブロが楽しくブルーグラス会話をし、吉岡孝のドラムスと谷口潤のベースがリズムを固める聴きごたえ十分のインストにはじまり、二曲目にもドキドキするようなイントロで聴く者をケムに巻くハント鈴加(g)の英語詞と河野の作曲によるオリジナルに、今春の全米ツアーを経て自信と磨きがかかったようだ。パイレーツ・カヌーという京都の三人組女子と三人組男子の六人組によるアメリカーナ/ニューグラスのフルバンドによる最新第三作である。マンドリン、フィドル、ギター、ドブロというブルーグラス系楽器にベースとドラムスでリズムを固めたシュールなフォークロックバンドといったところ。ムーンシャイナー2012年8月号、また2013年3月号(各\525-)に、女子三人組のみで制作したアルバム『Sailing Home』(OTCR-003 \2,000-)の特集などでの紹介がある。広い意味で、ザ・キャッシュなどとともに、21世紀を体現するアパラチア源流のニッケルクリーク以降のあたらしいブルーグラス系ユニットが、日本にも生まれつつあるようだ。
  YTM-102 やぎたこ『I'll Be Home Someday』CD\2,000-(本体\1,904-)

 日本のフォークからボブ・ディラン、そしてウッディ・ガスリーからカーターファミリーらを経由して、最近、アパラチアの陰影に辿りついたというシンガーソングライターの「やなぎ」と「辻井貴子」の男女デュオを11月号で紹介している。フォスターやジョンハートフォードの名曲も含め、ギター、オートハープ、マウンテンダルシマー、バンジョー、マンドリン、フィドルなどを駆使しながら原曲のイメージに沿ったアレンジで原語で聴かせる。1950年代末から60年代初めにかけてアメリカの都会の若者たちが辿ったのと同様の道を歩んでるような……、まさに21世紀初頭の「オーブラザー現象」日本版のような彼ら。日本のブルーグラス/オールドタイム系男女デュオとはまた違った新鮮な切り口で、フォスターやカーターファミリーを中心に、われわれにはなじみの曲の数々を聴かせてくれる。そんな彼ら聴いていると、60〜70年代の日本フォーク/ニューミュージックを演じた人たちが自分のヒットにかまけずに、もっとというか、もう少し、その原点にリスペクトを払っていてくれれば……、なんて思ってしまう。
  OFKT-2013 TRI BARREL(尾崎博志/古橋一晃/河合徹三)『詩のかけら』\2,800-(本体\2,666-)

 ムーンシャイナー6月号特集で紹介したトライバレルのデビュー作。ペダルスティール/ドブロ奏者の尾崎博志と、カントリー/ブルーグラスをこなせるエレキ/アコギ・ギタリストとして京都から東京に移った古橋一晃というふたりの若者を、1970年代に日本のカントリーロックに一時代を創ったラストショー以来、さまざまなメジャーシーンで活躍、カントリー/フォーク界のベースを支えてきた河合徹三が支えるトリオ、「トライバレル」のすばらしいインスト集。カントリースウィングやブルース、バラッドなどカントリーインストの定番に囲まれつつオリジナルも6曲。カントリー系インストではリオン・ローズらの"Honey Figers"やベアフットジェリーの"Snuff Queen"、そしてマール・ハガードのストレンジャーズ名曲"Stealin' Corn"などの3曲では、カントリー・セッションマンの遊び心が満載。アトキンスやエモンズを例に引くまでもなく、カントリーミュージシャンのジャズやロック/ポップには、その距離をパロディにしたような独特の爽快さが快感なのだがこの3人にも同様の余裕を感じるジャンルを越えた音遊びを楽しむ新ユニットの登場だ。
 ■インストお勧め作品
  COMP-4616 NOAM PIKELNY『Plays Kenny Baker Plays Bill Monroe』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ベラ・フレック以降のトップを走るパンチブラザーズのバンジョー奏者ノーム・ピケルニーの最新作。ブルーグラスフィドルの一典型を創ったケニー・ベイカーがビル・モンロー作の有名インストをカバーした1976年のブルーグラス史上に残る名盤『Kenny Baker Plays Bill Monroe』(CO-2708 \2,573-)を、現在ブルーグラスの最高峰であるノームのほか、ステュアート・ダンカン(f)、ロニー・マッカーリー(m)、ブライアン・サットン(g)、マイク・パブ(bs)がそのまんまカバー。最初の旋律はケニーのフィドルをそのままバンジョーに載せて弾き、そののち独自のアドリブを重ねていく。なんて美しい流れを創るんだろうノームは!これまでのあらゆる種類の先入観を飛び越えて、自らの心の動きをその都度載せていくその自由な発想とテクニックには完全脱帽、そこまでに至る努力と愛情にただただ感動で、1970年代おじさん達ニヤニヤ・ウキウキの大秀作!!
 ちなみにノームの前作『Beat The Devil and Carry A Rail』(COMP-4565 \2,573-)は、素晴らしいオリジナルを中心にした21世紀ブルーグラスバンジョー傑作にして激しくお勧め! アールやベラも登場するその超豪華なプロモビデオ(Bluegrass Diva で検索)とともに大推薦!!
  CR-021 JOHN REISCHMAN & JOHN MILLER『Road Trip』CD\2,573-(本体\2,450-)

 もっとも美しい音のするロイド・ロアーと言われてきたジョン・ライシュマンのF-5と、おそらく生指で弾くマーティン18系(OM-18V、またはOOO-18)の素晴らしいトーンとふたりの息遣いが素晴らしいテンションを生み出すマンドリン/ギターのインストデュオ最新第3作品。スウィングからラテンっぽい作品、ジプシー風ツゥ―ビートスウィング、地中海風ワルツ、ヨーロッパ教会的なメロディなど、ブラジルのショーロのピシンギーニャと同じくブラジルのジルベルト・ジオの2曲のカバーと1曲のライシュマン作品以外、7曲をジョン・ミラーが書いている。ブルーグラス出身のふたりながら、アコースティック楽器の響きを最大限に理解して、決して技巧に走らずに気色のいい音質とフレージングで押し通すベテランの味わいが実にオトナ。曲によってベースとドラムスを加えるカルテットとなるが、おおむねマンドリンとギターのデュオがメインという印象。そーか、ふたりが岐阜の時山フェスに来たのは12年前の2001年、9.11の3カ月ほど前だった……。ブルーグラスとピードモントブルースが絶妙にまじりあった素晴らしいデュオ。あの時のホッコリ感と同居したスリルはここでも健在。アコースティック楽器ファンに強力お勧め秀作。
 1998年作のふたりでのデビュー作『The Singing Moon』(CR-004 \2,573-)の在庫、またライシュマンのブルーグラス・マンドリンインスト今年の最新作『Walk Along John』(CR-020 \2,573-)の在庫もある。
  MFR-130625 JASON DAVIS『Second Time Around』CD\2,573-(本体\2,450-)

 インスト作品ではないが、見事に均一でソリッドなロールで今風ソリッドグラスのドライブを主導していくジェイソン・デイビスのバンジョーを主役にしたイケイケ!ブルーグラス秀作。ケニー&アマンダ・スミス、ブルーリッジやグラスタウンなど、現在のブルーリッジ系ブルーグラスを代表するバンドを経て、現在はトラッドグラスのトップランナー、ジュニア・シスク&ランブラーズチョイスのバンジョー奏者の最新第二作。ドン・レノの"Bully of the Town"を「Key of B」の凄いテンションで演じるインストをはじめ、ロン・スチュワートとのフィドル&バンジョーで演じるトラッドスタンダード"Liberty"、アーロン・ラムジー(m)の書いた"Ted's Tune"、そして最後にそのアーロンを迎えて、「何ぼなんでもこの速さはないやろ!!」と言いたくなるスッゲェー超速でのトラッド"Shamrock"といったインストをはさみながら、各曲に個性的なボーカリストを迎えて、ラルフ・スタンレーの"Oh Death"や"Bootleg John"、クリス・クリストファーソン"Darby's Castle"、そしてジュニア・シスクを迎えてのカーター・ファミリーの"Just Another Broken Heart"(これまた超速!!)など全13曲、ロンのフィドルほか、ものすごいドブロを聴かせるジョッシュ・スウィフト、無名だがスティル・ハウスというバンドのケビン(m)とキース(g)のマッキンノン兄弟も凄いです。歌物中心ですが第一世代のバンジョー奏者の味わいとは違う、爽快なバンジョーロールをお楽しみあれ!
  RC-103 TONY RICE『got me a martin guitar』CD-R\2,070-(本体\1,980-)

Freeborn Man/Faded Love/Salt Creek/Doin' My Time/Windy and Warm/John Hardy/Nine Pound Hammer/Lonesome Ruben.

 今秋9月のIBMAアワードショウで名誉の殿堂入りしたトニー・ライス。発声困難だった喉、努力の成果として19年前の声を聴かせてくれた感動のスピーチ(11月号特集)。本作は、1973年発表のトニー・ライスのデビュー作。1971年、米国のフェスで見たトニー・ライスに衝撃を受け、何度もの手紙のやり取りの末、意気に感じてくれたのか、日本の名もないレコードレーベルにすばらしいギターアルバムを創ってくれました。あまりにも有名なブルーグラス・ギターの歴史を変えた日本発のデビュー作を、1973年のオリジナル・ジャケットでいかがですか? ブルーグラスギタリスト必携の1枚! 今秋一番の話題のトニー、今度はギターを弾くことに問題が出たとか、2014年1月号ペンでお知らせします。
  RUR-1113 MIKE SCOTT & FRIENDS『Home Sweet Home』CD\2,573-(本体\2,450-)

The Girl I Left Behind Me/Soldier's Joy/Bill Cheatham/Battle Hymn Of The Republic/Home Sweet Home/Ashokan Farwell/Swing Low, Sweet Chariot/Turkey In The Straw/Banks Of The Ohio/Camptown Races/Bonaparte’s Retreat/Buffalo Gals/Angeline The Baker/The Battlefield. 14曲

 10月にクレイグ・ダンカンやビリー・スミスらと来日した元ジム&ジェシーの几帳面なスリーフィンガーバンジョー奏者マイク・スコットが中心になって、ビル・モンローソングをインストにしたヒット作『Blue Moon of Kentucky-- Instrumental Tribute To Bill Monroe』(RUR-1075 \2,573-)につづいて、19世紀の南北戦争時代の曲集、すなわちフォスターなどの上記アメリカン・スタンダードを、アダム・ステッフィ、オウブリー・ヘイニー、ティム・スタッフォード、ロブ・アイクス、ベン・アイザックスらと、本来観光地のお土産げ向けに発売されたものの再編集作品。超一級ピッカーたちの有名曲におけるメロディの取り方/アレンジに納得、楽しめる秀作だ。
  ROU-0638 V.A.『Foggy Mountain Special: A Bluegrass Tribute to Earl Scruggs』CD\2,543-(本体\2,450-)

Flint Hill Special/Reuben/Foggy Mountain Special/Randy Lynn Rag/Sally Goodin/Pike County Breakdown/Foggy Mountain Rock/Nashville Skyline Rag/Earl's Breakdown/Steel Guitar Rag/Ground Speed/Foggy Mountain Breakdown.

 2012年3月28日、88歳で亡くなったアール・スクラッグスに捧げられ、同年6月5日に発表された現在トップバンジョイストたちの新録音追悼作品。ティム・オースティンのプロデュースのもと、偉大なアールを尊敬する12人、デビッド・タルボット、ジム・ミルズ、ロン・ブロック、チャーリー・クッシュマン、ラリー・パーキンズ、ロン・スチュワート、トム・アダムズ、J.D.クロウ、ジョー・マリンズ、トニー・トリシュカ、ケニー・イングラム、クレイグ・スミス、あえて言えば、アールの時代(1950〜60年代)よりも社会的に煮詰まっているのかも知れない21世紀、それぞれのアールへの思いを込めた、素敵な上記アール聖演12曲のカバー集。ブルーグラスバンジョーへ奏者、ゼッタイのおススメ!! インスト詳細解説参照
 ■各楽器別お勧め作品
 (楽器奏法や教則、またCDに関してはミュージシャン歴豊富なスタッフがアドバイス、また楽器につきましては、本体やパーツなど、各種取り扱っています。お気軽にお問い合わせください)
 ●ギター
  OXCD-6023 CLARENCE WHITE『33 Acoustic Guitar Tunes』CD 2,573-(本体2,450-)

ブルーグラス・フラットピッキン・ギターに無限の可能性を与えることになるクラレンス・ホワイトがリード・ギターに取り組みはじめた1962年、ロジャー・ブッシュのリズムギターをバックに、スタンレーブラザーズのジョージ・シャフラー・スタイルのクロスピッキン奏法を中心に収めたホーム・レコーディング集。地味ではあるが、クラレンス・ギターの原点として、そのベーシックを学ぶ第一歩。 
  MRR-1013 SNYDER FAMILY『Stages』CD\2,573-(本体\2,450-)

 兄ゼブと小学生の妹サマンサのギター/マンドリンとフィドル/ボーカルに父バド(bs)のトリオ、スナイダー・ファミリー2012年の第2作。7曲がインスト、6曲の歌物で12歳と16歳になった兄妹のスーパーピッキンを堪能する。オリジナルのほか、J.J.ケールのカバーや最後には2曲続けてのフォスター、"I am a Pilgrim"ではフラットピックでトラビス・ピッキンに挑戦など。数多いるキッズピッカーの中でも群を抜いたゼブ・スナイダーのフラットピッキン・ギター、……子供と侮ってはいかん!!
 ●バンジョー
 (ムーンシャイナー連載のチチ松村「バンジョー祭り」、世界のバンジョー音楽をお見逃しなく!!)
  REB-1651 BILL EMERSON『Home of the Red Fox』CD\2,573-(本体\2,450-)

 米海軍軍楽隊ブルーグラスバンドに在籍中の1990年に、トニー・ライスをリズムの要に発表した作品(他にジミー・グドロー、ジェリー・ダグラス、ジム・ブキャナン!!)。ジミー・マーティンからカントリー・ジェントルメン(当時の代表曲"Theme Time"や"Sweet Dixie"を含む)で鍛えられた極めて端正なスリー・フィンガーが冴える。 
 ●マンドリン
  PC-1183 ALAN BIBEY & WAYNE BENSON『Mandolin Chronicles』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ともに、いわゆるブルーリッジ系ブルーグラスのスーパーピッカーであるサードタイムアウトのウェイン・ベンソン43歳と、グラスタウンのアラン・バイビー48歳による楽しい!ツイン・マンドリン集。ビル・モンローの特徴的フレーズをモチーフにしたふたりの掛け合いのオリジナル曲にはじまり、ビル・エマーソンのバンジョー名曲"Sweet Dixie"のマンド対決、ラッセル・ムーアのボーカルを迎えた"Another Night"、そしてマイク・コンプトンに教わったというビル・モンローの未発表曲"Pilgrim's Knob"、ほかにチャーリー・パーカー曲のジャズマンド対決、最後にトミー・ジャクソンのフィドル名曲"Crazy Creek"のふたりだけのデュオ・カバーにオリジナルなどを、ロン・スチュワート(bj,f)とワイアット・ライス(g)、ハロルド・ニクソン(bs)という申し分ないメンツを配して、マンドリンファンにはおなか一杯、楽しいお勧めの一枚。
 ●フィドル
  SRCD-1001 VASSAR CLEMENTS『New Hillbilly Jazz』CD\3,150-(本体\3,000-)ボーナスCD-ROM付

 ジャンルを超え、アメリカン・フィドルの歴史の中でもっとも偉大な功績を遺したひとり、バッサー・クレメンツ(1928-2005)のすばらしい89年のスウィング・アルバムのCD化。ハンク・ウィリアムズやハンク・スノウらのカントリー名曲が、ゴキゲンにスウィングする。ボーナスに89年来日時、奥沢明雄、西海孝、海宝弘之、下村哲を従えての"Midnight Moonlight"と"Kissimie Kid"、そしてそこにラストショーが加わった"Orange Blossom Special"の3曲がオマケ。ムーンシャイナー連載「ケイシのナッシュビル・リポート」でおなじみ、故四方敬士氏の秀作。
 ●ドブロ
  TAK-8914 MIKE AULDRIDGE『Dobro/ Blues and Bluegrass』CD\2,573-(本体\2,450-)

 昨年12月29日、73歳で死去したマイク・オルドリッジ(ムーンシャイナー2013年2月号(MS-3004 \525-=で追悼特集あり)、あれからちょうど1年だ。ドブロというカテゴリーやブルーグラスというジャンルを超えて、ブアコースティック・インストアルバムとして歴史に残る大名盤。ドブロという楽器の未来を根底から変えたほぼ40年前、1972年発売『Dobro』と1974年発売『Blues and Bluegrass』の2枚のLPがCD1枚になったもの。1955年にアンクル・ジョッシュ・グレイブスによってフラット&スクラッグスに持ち込まれ、6番目のブルーグラス楽器となったドブロが、これらのアルバムからまったくあたらしい未来を歩きはじめた瞬間を記録。「ドブロ」というくくり抜きにしたブルーグラス名盤。当時在籍していたセルダムシーンのほか、デビッド・ブロムバーグやバッサー・クレメンツ、リンダ・ロンシュタットらを迎えた全人類必携の超大名盤です。
 ●ペダル・スティールギター
  MPI-535494 VARIOUS ARTISTS『The Big E: A Salute To Steel Guitarist Buddy Emmons』CD\2,573-(本体\2,450-)

 めちゃくちゃ強力カントリー企画作品『バディ・エモンズ』に捧げられたビンス・ギルとポール・フランクリンの“Country Boy”からデュアン・エディの“Mansion On The Hill”まで、豪華/かつシビアなゲストアーティストたちによる全16曲。カントリー音楽のもっとも重要な楽器にまでなった――つまり、それほどまでの楽器に高めた最大の功労者「ビッグ・"E"」こと、バディ・エモンズ(1937-)。彼のために集まった人たちの創る音楽、悪かろうはずがない、でショ!? ボーカルがメインの作品だが、インスト新入荷参照
 ■オールドタイム/フォークお勧め作品
  ROU-9150 STEVE MARTIN & EDIE BRICKELL『Love Has Come For You』CD\2,573-(本体\2,450-)

 大推薦です。今年秋のIBMA参加での大きな収穫のひとつ……、アメリカ到着前、成田発デルタ航空の機内オーディオ、なんと最近は「アメリカーナ」というジャンルがあり、その中の一枚目のおススメCDがこれだった。一曲目の“When You Get to Asheville”がはじまると「何っ!!」。見事なクロウハンマーバンジョーにオトナな女性の素晴らしいボーカル。そののちも全編がバンジョーと凄い女性ボーカルのオリジナル曲集。そう、ハリウッドスターのスティーブ・マーティンとポール・サイモンの妻エディ・ブリッケルのコラボ最新作だった。プロデューサーはジェイムズ・テイラーを発見、数々の名曲を生み出したピーター・アッシャー……、なるほど! 米国ではブルーグラスにカテゴライズされているけど、ジャンル関係なく、こんなに気分のいいアルバムも珍しい。ビルボードブルーグラスチャートで今年一番のヒット作!! 
  R2-73161 PETER, PAUL & MARY『Very Best』CD\2,573-(本体\2,450-)

Early in the Morning/500 Miles/Lemon Tree/If I Had a Hammer/Where Have All the Flowers Gone/Puff, the Magic Dragon/Cruel War/Stewball 他全25曲
 1960年代モダンフォーク時代、ディラン/バエズと並ぶ社会現象となった彼らベスト集。初期のヒット曲から80年代頃までの25曲、現在も社会に対して常にリベラルな立場で発言をつづける彼らの真摯な姿勢は、日本での懐メロ的な扱いに警鐘を鳴らすか。近年の各個人でのソロ3曲含め、シングルやライブからの音源などを配したお勧めベスト。今2005年に亡くなったジョン・ヘラルドの"Stewball"ほか…。
  DTM-025 KRUGER BROTHERS『Remembering Doc Watson』CD\2,573-(本体\2,450-)

Singing My Trouble Away/Little Sadie/Corrina, Corrina/Trouble in Mind/Tom Dooley/Pallet on the Floor/Streamline Cannonball/Windy and Warm/Freight Train/John Henry/What Does the Deep Sea Say/Hang Me, Oh Hang Me/I Still Miss Someone/Shady Grove. 全14曲

 ドック・ワトソンの恩恵をこうむったアコースティックミュージシャンは世界中に一杯いる。モンローやフラット&スクラッグスの影響よりも圧倒的に多いはずだ。ドックはアパラチアのルーツミュージックを世界に広めた最大の功労者かも知れない。そのドックの庇護の下に入ったスイス出身の超スーパーピッカー兄弟、バンジョー奏者のイェン・クルーガーは現在、バンジョー界のトップに位置するミュージシャンのひとりで、ギター奏者のウーベ・クルーガーもまたフラットピッキン達人。この兄弟にアメリカ人のジョエル・ランズバーグ(bs)が参加したトリオ。1997年にドックに初めて会って以来、ノースカロライナに移り住み、その薫陶を受けてきた成果といってもいい――つまり、トラッドと言われながら、実は超モダンなセンスの持ち主だったドック――その音楽センスを「グローバルなスーパーピッキンに置き換えた」といった風の秀作である。
 ■カントリーお勧め作品
  B001865502 VINCE GILL & PAUL FRANKLIN『Bakersfield』CD\2,573-(本体\2,450-)

 もう説明不要なまでにストレートなタイトルと主役ふたり、カントリー界の最多グラミー受賞者にしてトップクラスのミュージシャンでもあるビンス・ギルと現在最高のペダルスティールギター奏者ポール・フランクリン。1961年のバック・オウエンズ“Foolin' Around”からマール・ハガードの“Branded Man”(1967)、そして“Together Again”(1964)……とつづく出だしの3曲ですでにノックアウト。まさに1960年代以降、つまりハンク・ウィリアムズの呪縛から離れたカントリー黄金サウンド、最適の主役と最良のメンバーたちによる再現である。「おそらくカントリー音楽史上、もっとも偉大な5曲の内のひとつ」とビンスが言い、もっともスティールギターらしい演奏とも評される“Together Again”において、ポール・フランクリンのそれはビンスの歌とともに、トム・ブラームリーのオリジナルがあってこその、あたらしい宇宙を思う存分に味わわせてくれる「すごい」ものだ。ムーンシャイナー誌で2か月に渡って書いた「ジョージ・ジョーンズ追悼、カントリーソング」(MS6月号、7月号各\525-)の結論にも通じる、ボクはこの1曲でも十分な幸せを味わえる……すごい!!
  SKY-001A 坂本愛江『Someday』\2,500-(本体\2,380-)

 ムーンシャイナー誌6月号特集で紹介したシンガー坂本愛江(よしえ)。クリス・シャープと笹部益夫のプロデュースによるデビュー作はストレートなカントリー/スタンダード作品。オウブリー・ヘイニーの抑制の効いたフィドルとスミス・カーリーのペダルスティールとドブロ、ガスリー・トラップのエレキギターとマンドリン、キーボード奏者デイン・ブライアント、そして生ベースの第一人者デニス・クロウチらが創る典型的なホンキートンクカントリーのサウンドをバックに、ストレートに歌いつづる。20世紀初頭に書かれたというレノ&スマイリー、エルビスもやってたゴスペル名曲“In the Garden”、ノーと言えるリベラルな南部女性ロレッタ・リンの“Blue Kentucky Girl”や“You Ain't Woman Enough”ほか、レイ・プライス“My Shoes Keep Walking Back to You”、ジョージ・ジョーンズ“If My Heart Had Windows”、バック・オウエンズ“Under Your Spell Again”などに、父、坂本孝明とのデュエット“We Must Have Been Out of Our Minds”(ジョージ・ジョーンズとメルバ・モンゴメリー)、そして最後は第二次世界大戦中、兵士たちにもっとも人気のあったという明るいスタンダード“We'll Meet Again”で綴じるアルバム、気持ちのいいカントリー/スタンダード作品だ。
  BACM-426 V.A『Custom Made Hillbilly Vol.5』CD-R \2,573-(本体\2,450-)

 1950年代、カントリー/ブルーグラスのリリースで知られるスターデイレコード社で特注(カスタムメイド)として作られたさまざまなレーベルの録音を集めた第五弾。本作はすべて1958年録音の全29曲。1950年代後半、プレスリーのデビュー(1954)後、"Heartbreak Hotel"(1956)で初めてビルボードナンバーワンをヒット、文字通り世界がロカビリーブームに沸く最中、本作の約半数はロカビリーやロックンロールと呼ばれたものに近い、そんなローカルなヒルビリーシンガーたちが1958年にカスタムメイド・レーベルに残したさまざまな音源、半世紀前、アメリカの片田舎に、ウキウキするような時代が感じられる楽しいノスタルジー作品である。
 ■映像ものお勧め作品
  CW-TTJ1D THE TIME JUMPERS『Jumpin' Time』DVD\3.308-(本体\3,150-)(約2時間)

 ナッシュビルで毎週月曜日に繰り広げられる懐かしいカントリーウェスタンからカウボーイ&ヒルビリー・ジャズの大セッション、タイム・ジャンパーズの超ハッピーライブDVD映像。ビンス・ギルをはじめナッシュビルの超一級カントリーセッションマンが素晴らしい女性ボーカルとともに、「ただ楽しみのために集まって」創る音楽には、たっぷりと愛情がこもっている。ゆったりと座って、ハッピーなエンタメをお楽しみ!!
  INR-13061 JACKSON BROWNE『Live Concert: I'll Do Anything』DVD\2,880-(本体\2,750-)

 ウエストコーストのアイコンのひとり、ジャクソン・ブラウンの最新ライブコンサート映像は、バル・マッカラム(eg)、フリッツ・リワック(drums)に、ショーン(g)とサラ(f)のワトキンス兄妹とタイラー・チェスター(bs,keybords)と、“These Days”や“Take It Easy”ほか代表曲も収められた素晴らしいライブ。ケンタッキーカーネルズらの本拠地、LAのアッシュグローブなどに出入りしていたジャクソン・ブラウン(1948-)は高校卒業直前にニッティグリティダートバンドを結成しており、元ブルーグラス小僧のデビッド・リンドレイとのコラボでも知られ、現在は元ニッケル・クリークのショーンとサラのワトキンス兄妹を翼の中に抱えるなど、ブルーグラス/ルーツ系の根は深そうだ。今年の夏は6月から、サラ・ワトキンスをオープニングアクトに全米ツアー、テルライド・ブルーグラスフェスではサム・ブッシュやジェリー・ダグラスらをゲストに“Take It Easy”でジャムしている……。
  AHM-11 V.A.『Old-Time Music on the Augusta Stage』DVD-R\2,888-(本体\2,750-、90分)

 1973年にアパラチアの伝統芸術を研究/保護するために生まれた非営利団体で、1981年からはウエストバージニア州デイビズ&エルキンズ大学がスポンサーとなっているオーガスタ・ヘリテージ・センターが毎年夏に開く「オーガスタ・ヘリテージ・フェスティバル」からの映像集。ブルーグラス・フィドラーとしても活躍したアート・スタンパー(1933-2005)や、最後のランドピーク・スタイルのフィドラーといわれたベントン・フリッペン(1920-2011)ら現在では聴く/見ることのできない貴重なオールドタイマーをはじめ、ジェイムズ・ブライアンやジョー・ニューベリー、ライリー・ボウガスらのソフィスティケートされた現代のトップ・オールドタイマーたち、またウェイン・ヘンダーソン/エディ・ペニントン/ロビン・キッシンジャーによるカーター・ファミリーチューンやラグタイムなどギター奏法のショウケースなど、最後にはブルーハイウェイのティム・スタッフォードの叔母が書いた詞の見事なアカペラコーラスで終わる。おもにフィドルとバンジョー音楽を軸に、さまざまなオールドタイム音楽の形を見せてくれる映像26曲集。生活の中で息づいてきた本物のオールドタイム音楽を現在も継承しようとする人たちのすばらしい記録である。
  SOTM-2011 V.A.『Song of the Mountain: Season 6』DVD映像集\2,888-(本体\2,750-)

Joe Mulllins & Radio Ramblers“Katy Daley”/Redhead Express“Maple Sugar Daddy”/Likewise“Hard Ryde”/James Leva & Purgatory Mountain“Old Joe Clark”/Doc Watson & Jeff Little“Whiskey Before Breakfast”/Michael Reno Harrell“Greyhound Station”/Donna Ulisse“Caney Creek To Cannan Land”/North Sea Gas“Bonnie Lass O'Fyvie”/Snyder Family“Bill Cheatham”/Chuck Wagon Gang“Beautiful Life”/Primitive Quartet“Didn't He Shine”/VW Boys“Rooster Song”/Grascals“Sally Goodin”.

 2005年からはじまった米国公共放送ネットPBSのローカル番組のDVD「シーズン1」(SOTM-2008 \2,888-)が高い評価を得て、次第に全米に配信され、第2シーズンが終わるころには全米163のTV局で放映されるまでになっていたという、バージニア州マリオンの歴史的なリンカーン劇場500席を舞台に、5バンド前後のブルーグラス/オールドタイムバンドを集めて繰り広げられる地元のシニア層を対象にしたコンサート。VWボーイズというコミックバンドを率いるティム・ホワイトが、あくまでも南部アパラチア・ローカルの雰囲気を壊さずに積み上げてきたTV番組の2011年収録の「シーズン6」からのベスト映像集。ジョー・マリンズとレディオランブラーズをはじめ、グラスカルズやドナ・ユリッシー、話題のフラットピッカー、ゼブのいるスナイダーファミリーやオールドタイムのジェイムズ・リーバ、さらにはドック・ワトソンまでもが登場する。ブルーリッジ地方のフツーの音楽と、それを楽しみミュージシャンたちを勇気づける観衆たちの日常が体験できるライブ映像集。
  RC-127D BLUEGRASS 45『That's the Time: 1996 Reunion』DVD-R\2,573-(本体\2,450-、カラー43分)

You'd Better Get Right/Little Maggie/Blues Stay Away from Me/Orange Blossom Special/Blue Moon of Kentucky/Sudara Breakdown 他全11曲

 昨年11月、結成45周年記念全国ツアーをしたブルーグラス45。1967年、NYのフォーククラブを模した神戸元町のコーヒーショップ「ロストシティ」で結成された、ジョッシュ大塚、渡辺敏雄、廖学誠、李健華、大塚章、渡辺三郎の6人組ブルーグラス・バンド。神戸のメリケン波止場の船員や米兵に人気を博し、1971年6月から9月まで、米国東部/南部とカナダをツアー、当時はじまったばかりの米国ブルーグラス・フェス・サーキットでセンセーションを巻き起こし、米レベル社からLP2枚を発表、帰国後解散。そののち1996年春、前年の阪神大震災を機に解散25年を記念してリユニオン・ツアーしたとき、カメラマンの吉田恒星が制作監督したライブ・ドキュメント映像作品。
  MP-0410 V.A.『Pioneers and Legends of Bluegrass』DVD\2,573-(本体\2,450-、カラー55分)

Mule Skinner Blues/Rawhide(Bill Monroe)/Folsom Prison Blues/Shuckin' the Corn(Lester Flatt)/That Silver Haired Daddy of Mine/Tis Sweet To Be Remembered 他(Mac Wiseman)/Are You Washed in the Blood 他(Lewis Family)/Hard Hearted/Paradise/Cotton Mill Man(Jim & Jesse)/500 Miles/I'll Stay Around(Bluegrass Alliance) 他全15曲

 米国ブルーグラス界でさまざまな出来事があった特異年、1971年夏のブルーグラスイベント、元気なビルモンやレスターほか、マック・ワイズマンやジム&ジェシーら、第一世代ブルーグラスのトップアーティストたち、そしてまだNGR結成寸前、19歳のサム・ブッシュと20歳のトニー・ライスが参加するブルーグラス・アライアンスのライブ2曲をはじめとした超お宝映像集!!
  MP-0510 LESTER FLATT & NASHVILLE GRASS『Vintage Video』DVD\2,573-(本体\2,450-、カラー55分)

 フラット&スクラッグスとして来日したときは体調が悪かったというレスター・フラット(1914-1979)、3年後の1971年、ここでは元気ハツラツ、ボーカルはもちろんそのギター/MC/身のこなし……レスター・ファンのお宝映像だ。69年春にアール・スクラッグスとコンビ解消、アンクル・ジョッシュ(d)とポール・ウォーレン(f)、ジョニー・ジョンソン(bs)というフォギー・マウンテン・ボーイズにハスケル・マコーミック(bj)とローランド・ホワイト(m)が加わったナッシュビル・グラスを悠々と率いて、その類まれなパフォーマンスを見せてくれる1971年夏の野外ライブ。ファン必携映像!!
 ■教則ものお勧め
 下記のほか、教則に関しては演奏レベル/ニーズに応じて、ご相談ください。
  RW-TAB ROLAND WHITE『Approach to Bluegrass Mandolin』CD2枚組+Book\6,090-(本体\5,800-)

 ベストセラー!! ローランド・ホワイトのブルーグラス・マンドリン入門教則CD2枚組+60頁タブ本。「キャベツ」から"Jerusalem Ridge"までブルーグラス・スタンダードの全32曲、その暖かい人柄に包まれながら、おいしいブルーグラス・マンドリンの本質を、初心者から中級者まで学ぶことができる。
  CDZ-TT01 TONY TRISCHKA『Teaches 20 Easy Banjo Solos』BOOK+CD\3,413-(本体\3,250-)

Shortenin' Bread/Ground Hog/Shady Grove/Train 45/Sally Johnson/Wildwood Flower/Roll in my Sweet Baby's Arms/Pretty Polly/Nine Pound Hammer/Sitting On Top of the World/John Henry/Little Liza Jane/Casey Jones/Little Maggie/Back Up and Push/Redwing/Little Rabbit/Uncle Joe (Hop High Ladies)/Alabama Jubilee/Cumberland Gap.

 スクラッグス/キース以降、第二世代のブルーグラスバンジョーリーダーの一人、トニー・トリシュカが教えるブルーグラスバンジョー入門編。上記有名20曲を、簡単なアレンジで32頁のタブ譜と、スローバージョン含んで一緒に弾けるCD付。
  CDZ-SM01 SAM BUSH『Teaches Mondolin Repertoire & Technique』BOOK+CD\3,413-(本体\3,250-)

Cotton Patch Rag, Tom & Jerry, Leather Britches, Lime Rock, Banjalin, Diadem, Norman and Nancy, and Russian Rag.

 1970年代以降のブルーグラスマンドリンの歴史を作ったサム・ブッシュ本人が教えるブルーグラスマンドリンのレパートリーとテクニックの極意...!? サムの上記有名9曲を楽譜、タブ譜、コードなど40頁の教本と、59トラックにわたるCDで分解して紹介するシビアな実践向き教則。
  CDZ-TR01 TONY RICE『Teaches Bluegrass Guitar』BOOK+CD\3,413-(本体\3,250-)

Red Haired Boy/Little Sadie/Your Love Is Like A Flower/Blue Railroad Train/Home From The Forest/Wildwood Flower/Old Train/Wild Horse/Jerusalem Ridge.

 ブルーグラスギターの歴史を作った今話題の人、トニー・ライス本人が教えるブルーグラスギターの極意...!? トニーのスタイルが堪能できる上記有名9曲を楽譜、タブ譜、コード譜など24頁の教本と、79トラックにわたるCDで分解して紹介する。
  CDBARRR02 RUSS BARENBERG『16 Fiddle Tunes for Guitar』BOOK+CD\3,413-(本体\3,250-)

Dominion Reel/ Road to California/ Spootiskerry Reel/ Flowers of Edinburgh/ Goodbye Liza Jane/ Fisher''s Hornpipe/ Waynesboro/ Opera Reel/ Round the Horn by Jay Ungar/ Trip to Durrow/ Snowshoer's Reel/ Mac Ilmoyle's Reel/ Miller's Reel/ Rose in the Heather/ Mary Douglas/ Midnight on the Water.
 上記、フィドルチューンをフラットピッキン・ギターのタブ譜と、スローバージョン含んだ音源とともに一緒に弾けるCD付。
●スクラッグス虎の巻コピータブ譜集
  TIM-1 『Complete Mercury Recordings: Three Finger Classics #1』Tab\1,050-(本体\1,000-)
TIM-2 『Complete Mercury Recordings: Three Finger Classics #2』Tab\1,050-(本体\1,000-)
TIM-3 『Foggy Mountain Jamboree』Tab\1,050-(本体\1,000-)
TIM-4 『Kings of Bluegrass』Tab\1,050-(本体\1,000-)

 アール・スクラッグスのフラット&スクラッグス録音のオリジナルLP順にバンジョー可聴部分をバックアップを含めて某スクラギストがタブ譜化した小冊子シリーズ(発表後の研究の結果、若干の解釈違いがあるという)。CD音源は、最初のマーキュリー録音(1948-1950)は『Complete Mercury Recordings』(B000007002 CD\2,573-)でTIM-1とTIM-2、1957年発売のFoggy Mountain Jamboree』(COL-77627 CD\2,079-)がTIM-3。TIM-4の『Kings of Bluegrass』は単独アルバムとしては廃盤だが、上記3冊分(CD2枚分)も含まれているフラット&スクラッグス全曲集第1集『Flatt & Scruggs 1948-1959』(BCD-15472 CD4枚組\11.550-)に全曲が収められている。
 楽器、その他……
  MISC-0007 REMO『Banjo Head』\3,675-(本体\3,500-)

ブルーグラススタンダード、レモ社のバンジョー・ヘッド。バンジョー・ヘッドのベストセラー。11インチ。 ギブソンは純正パーツとして採用している。
[ディーリング・グッドタイム・バンジョー]
  MISC-GOODT Deering Goodtime Banjo \63,000-(本体\60,000-)

 Greg Deerongが、バンジョーを広く楽しんでほしいという思いからでき上がったGoodtimeバンジョー。バンジョー王国アメリカのプライドを持って、全てCalifornia Spring Valleyの工場で作られています。ロックメイプルネックと3プライ.バイオリングレードメイプルリムのスペック は、ウ゛ォリュームあるサウンドを生み出しています。初心者、ベテランピッカー問わずおすすめのバンジョーです。リゾネーター付バンジョーもあります。\89,250-(本体\85,000-)
 [ロアー・マンドリン]
 ビル・モンローが生涯愛したF-5ロイド・ロアー。そのサウンドに近づけるべく研究し尽くし、こだわりを踏襲し、ついにLoarの名を冠するに値する楽器が誕生。ボディは全機種ハンド・カーブドで丁寧に削り出し、ネックには1ピース・ハードロックメイプルを使用。
  LM-520-VS  『The Loar Mandorin LM-520-VS』 \84,000-(本体\80,000-)

 Kentuckyと並んで、世界の若いブルーグラッサーをフォローするLoarマンドリン。ソリッドカーブドボディで信じられない価格です。 チューニングをしっかりとホールドするため、Groverペグの搭載も嬉しくて心憎いスペックです。Vシェイプネックとウ゛ィンテージサンバースト というのもちょっぴりオールドっぽいです。
 [組立てキット]
   久々にホスコ社組立てキットのご紹介です。
V-KIT-1 『バイオリンキット』 \15,750-(本体\15,000-)
製作目安日数:2〜3週間
難易度:★★★★★
材質:スプルース単板/メイプル単板
高度な技術が必要なバイオリン製作ですが、精度を求められる部分が加工済みとなったパーツを組み立てることで、自宅での製作も可能になりました。ケース、弓が付属しています。(メーカーサイトより)

GR-KIT-D2 『フォークギターキット、マホガニー』 \16,800-(本体\18,000-)
GR-KIT-D3 『フォークギターキット、ローズウッド』 \19950-(本体\19,000-)

製作目安日数:2〜3週間

難易度:★★★★★
材質:スプルース合板(全機種共通)
※ オプションとしてスプルース単板トップ材+マルチサウンドホールロゼット\5,775-(本体\5,500-)もございます。

UK-KIT-6M 『ハイグレードウクレレキット、全単板』 税込定価\18,900-(本体\18,000-)
製作目安日数:2〜3週間
難易度:★★★★★
材質:マホガニー単板
よりクオリティの高い、ハイグレードなソプラノウクレレを作ることができるキットです。高品質のギターやウクレレを生み出すことで知られるベトナム・Ayers社製のこのキットは上質のマホガニー材を使用した、完成時の満足度も高いキットです。(メーカーサイトより)

UK-KIT-6K 『ハイグレードS.Ukeキット、全単板』 \26,250-(本体\25,000-)
製作目安日数:2〜3週間
難易度:★★★★★
材質:コア単板
よりクオリティの高い、ハイグレードなソプラノウクレレを作ることができるキットです。高品質のギターやウクレレを生み出すことで知られるベトナム・Ayers社製のこのキットは上質のコア材を使用した、完成時の満足度も高いキットです。(メーカーサイトより)
 [Boulder Alpine Seriesバッグ]
  持ち運びに便利なギグバッグでありながら大切な楽器をしっかりガードする剛健さがアウトドアでのフェスに参加するブルーグラッサーを中心に話題となっているBoulder Alpine Seriesバッグです。
リュック・ストラップは体にしっかりとフィットするカットがされており、長時間の持ち運びによる負担を軽減しています。またストラップのバックルが直接身体に触れないようにカバーされていたり、ファスナーが楽器に当たらないようエクストラパッドでカバーされるなど、ユーザーと楽器の双方に優しい設計となっています。
CB-320 『Fマンドリン用ケース』\6,825-(本体\6,500-)
CB-360 『ドレッドギター用ケース』 \7,350-(本体\7,000-)
CB-367 『オープンバックバンジョー用ケース』 \7,350-(本体\7,000-)
CB-369 『バンジョー用ケース』 \7,350-(本体\7,000-)


ボウルダー・ブランドのアルパイン・シリーズ、お手頃価格のブルーグラス用ギグ・バッグが勢ぞろいです。スマートなデザインと持ちやすさ、担ぎやすさは抜群、恥ずかしながら、わたしもよる年波には勝てず、とても気に入って愛用しております。外から見ても、「お、バンジョ!」とか、「お、Fタイプ」とか分かるのも、くすぐるね。色はそれぞれ、フォレストグリーン(緑)、ネイビーブルー(青)、タン(黄褐色)の三種類。
 [楽器メンテナンス承ります!!]
 バンジョー、マンドリン、ギター、フィドル等々、長年お使いの愛器のメンテナンス引き受けます。各楽器のエキスパートによる修理、調整で甦ります。何なりとご相談下さい。
 輸入雑誌
 (以下の4誌は英語版で、共にバックナンバーも豊富に取り揃えています。気になるアーティスト等の特集等についてはお問い合せ下さい。…調べる&知るの面白さをいかがですか)
 ■フラットピッキン・ギター誌
  隔月刊の掲載全タブ譜対応CD付きフラットピッキン・ギター誌。ブルーグラスからスウィング/ジャズまで。一冊でさまざまな奏法が学べる。
  FGM-18.1 最新「2013年11〜12月号」CD付き70頁Tab-Book\2,625-(本体\2,500-)

/First of May/Handful of Riffs/Nellie Kane/When You’re Smiling/Silent Night/Ages and Ages Ago/John Hardy/Whispering/The Night Has A Thousand Eyes/Cattle in the Cane/Rabbit in a Pea Patch/Sheep & Hogs/Turkey in the Cotton Woodsほか

 話題のクエベ・シスターズのギタリスト、ジョーイ・マッケンジーのカバーストーリーとウエスタン・スウィングの典型的なバックアップ、ソックリズムのコード進行ノウハウ“Home In San Antone”と“Right or Wrong”、マイケル・デイビス(クリス・シーリのブラザーデュオ相方)と“John Henry”ほかの特集と上記曲に関するコラム/タブ譜ほか、クロスピッキンのアクセントや「きよしこの夜」のジョン・カーリニによるアレンジ、ウエスタン・スウィングのコード進行が満載の72頁。
  FGM-17.6 最新「2013年9〜10月号」CD付き70頁Tab-Book\2,625-(本体\2,500-)

Amazing Grace/Munde's Child/Crying Holy/Old Gospel Ship/Precious Lord/Never Give the Devil a Ride/Gathering Flowers from the Hillside/You Are My Sunshine/Swing Low, Sweet Chariot/Old Time Religion/Gnarly/Cottonwood Reel/Done Gone/Salty Dog Blues ほか。

 レターでも紹介したギターアルバム『Grace Notes』を発表したカール・ジャクソンをカバーストーリーに“Amazing Grace”のタブ譜ほか、エリオット・ロジャーズ、ジョン・バクゼンデールのコロラドギターカンパニー訪問、CDハイライトはアンドリュー・リグニー、新製品紹介などの記事のほか、とにかくタブ譜満載の70頁。

 以上のほか、現在の在庫は2013年1-2月号、2012年11-12月号、2012年5-6月号、2011年7-8月号、2011年5-6月号、2010年3-4月号、2010年1-2月号など、お問い合わせください。、
 ■バンジョー・ニューズレター誌
  BNL-13/11 最新2013年11月号 \630-

 ムーンシャイナー誌のちょうど10年先輩、バンジョー・ニューズレター誌が11月号で創刊40年を迎えています。「バンジョー好き」という理由だけで、無謀な創刊に飛び込んだハブとナンシーのニッチー夫妻への感謝のメッセージや創刊当時の歴史などの特集のほか、IBMA(WoB)2013リポート特集と、アール・スクラッグス"Will the Circle Be Unbroken"ほかのタブ譜など、バンジョーに関するさまざまな情報が満載。
  BNL-13/10 2013年10月号 \630-

 ベラ・フレックのバンジョーサミットのレギュラーでもあるパンクなクロウハンマーの名手、リッチー・スターンズのカバーストーリーとタブ譜“Last Train To Rajastahn”のほか、初心者は“Lonesome Road Blues”のバックアップ、アール・スクラッグスはライブテープから“Sugarfoot Rag”、トム・アダムズはスタンダード曲“Five Foot Two, Eyes of Blue”、マーティ・カトラー“Gold Rush”バリエーションその1ほかのタブ譜と、バンジョーに関するさまざまな情報が満載。
  BNL-13/09 2013年9月号 \630-

 現在はドン・リグスビーのミッドナイトコールのバンジョーを務めるベテラン、エルマー・パーチェットのカバーストーリーとタブ譜は“Whistle Pig”(デビッド・パームリー&コンティネンタルディバイドの2000年秀作『There'll Always Be a Rocking Chair』=在庫あり=PC-1095 廃盤特価\1,575-)ほか、知られざる凄腕ルシアー、ロニー・ベイルズ(顧客にはベラ・フレック、ノーム・ピケルニー、カーティス・マクピーク、ラリー・マクニーリー、ビル・エバンスらがいるという)訪問インタビュー、今夏のサマーNAMMショウでのバンジョーリポートなどの特集と、レッスンタブ譜はフレッド・ゲイガーのジャズコード“Georgia On My Mind”、アールズウェイ“Sugarfoot Rag”、トム・アダムズFシェープの7thコードリック“I Wonder Where You Are Tonight”など、有益なバンジョータブ譜と情報満載の40頁。
  BNL-13/08 2013年8月号 \630-

 ニューヨーク・ブルーグラスのもっともホットなエリア、ブルックリン在住の若者ベネット・サリバンのカバーストーリーとタブ譜“Cutch Tuttle”ほか、トム・アダムズ“Bury Me Beneath the Weeping Willow”、アール・スクラッグスは1948年2月、ほぼ最後のビル・モンロー在籍メンバー当時の録音“Sunny Side of the Mountain”と「アールズウェイ」は“Old Gray Mare”ほかクロウハンマーも充実、有益なバンジョータブ譜と情報満載。
  BNL-13/07 2013年7月号 \630-

 話題の第一世代ブルーグラスバンジョーのフォロワー、クリス・ヒルのカバーストーリーと"If That Footsteps That I Hear"と"I Get the Blues When It Rains"のタブ譜、曲はともにトム・フェラーとのブルーグラス・バッカルーズ『Feller and Hill and the Bluegrass Buckaroos』(BCR-035 \2,573-)より。そのほか、レノ・スタイル"Mr. Bottle"、トム・アダムズ"Rock Around the Clock"ほか、"Beaumont Rag"、"Lady Be Good"、"St. Anne's Reel"などとオールドタイム/クロウハンマーなどのタブ譜満載。
  BNL-13/06 2013年6月号 \630-

 ディック・ワイズマン(Dick Weissman)のカバーストーリー……って誰?って思うよね。でもきっと、結構多くのひとが見たことのある、ウッディ・アレンみたいな人が楽器店のようなところでオープンバックのバンジョーを弾いていて、その写真が、斜め上にダブってコラージュされているジャケット、タイトルは『Modern Banjo Mountain Style』……覚えていませんか? 1961年にはフォークグループ、ジャーニーメンを結成、フォーク界の知られざる最先端を歩んできたディックのインタビュー。人に歴史あり! フォークのみならず、スクラッグスやボビー・トンプソン、ライ・クーダーやビル・ダノフら、さまざまな登場人物の逸話も楽しい。そのほかタブ譜は、アール・スクラッグス"Red River Valley"(ハートフォードとのジャムテープより、この逸話が面白い!!)、初心者には"When You and I Were Young Maggie"、ブルース"I'm So Glad"、トム・アダムズdチューニングの"Cumberland Gap"、ジェリー・リード"Jerry's Breakdown"、ドビュッシー"Reverie"、リッチ・スティルマン"Cascade"ほか、クロウハンマーなどのタブ譜満載。
  BNL-13/05 2013年5月号 \630-

 ティム・ウィードのカバーストーリーのほか、アメリカン・バンジョーキャンプ・リポート、クロウハンマーで弾くバッハの特集ほか、タブ譜はアール・スクラッグスがハイロ・ブラウンとライブ録音を残した闊達な"Prisoner's Song"、アラン・マンデ"Cotton Patch Rag"ほか、バンジョーに関するタブ譜と話題満載40頁。
  BNL-13/04 2013年4月号 \630-

 アリソン・クラウスのユニオン・ステーションのロン・ブロックをカバーストーリー/インタビューにタブ譜は、ジェリー・ダグラス作アリソン・クラウスの『New Favotite』に収められていた"Choctaw Hayride"と同アルバムからの"Take Me for Longing"、そして最新作『Paper Airplane』からの"My Love Follows You Where You Go"ほか、ニューロストシティ・ランブラーズのジョン・コーヘンのシビアなインタビュー「On Old-Time Music Before There Was 'Old-Time'」とタブ譜"Cumberland Gap"と"Buck Creek Girls"ほか、タブ譜は"Fireball Mail"のインプロバイズ、トニー・トリシュカの3-0-2リックによる"Black Mountain Rag"、トム・アダムズのハイポジションのレッスンはスクラッグス・リックのバリエーション。ディーリング・バンジョー社のリポートもあるバンジョーに関する話題満載40頁
  BNL-13/03 2013年3月号 \630-

 トニー・ライスらと「クロウグラス」という、ブルーグラス・バンドのセッティングでクロウハンマーを弾く独自の世界を築き、昨秋は第3回スティーブ・マーティン賞を受賞したマーク・ジョンソンのカバーストーリーと"Marching Through Georgia"(パイのパイのパイで知られる東京節)のタブ譜ほか、アール・スクラッグスのライブテープからオタク美学の"Your Crazy Heart"、フレッド・ゲイガーのコード遊びは1931年のビング・クロスビー"Wrap Your Troubles in Dreams"、トム・アダムズはハイポジにおけるDからGへ戻る10の方法、ジャネット・デイビスのバックアップはCチューニングにおける"Soldier's Joy"、ジャム・スタンダードを変拍子で楽しむジェイク・シェップスの7拍子の"Whiskey Before Breakfast"と5拍子の"Blackberry Blossom"、ティム・カーターの"Waltz for Earl"ほか、各種クロウハンマーなど、バンジョーに関する話題満載40頁。
  BNL-13/02 2013年2月号 \630-

 2011年のIBMA最優秀バンジョー奏者で、ただひとり最優秀フィドル奏者も獲得しているロン・スチュワートのカバーストーリーとタブ譜は"Crawford County"、ロジャー・シミノフによる「プリウォーサウンドpart 2」はアール・スクラッグスの右手のアタックに関する考察、初心者は「知っておくべき10のリック」、トム・アダムズは「タブを書こう!?」、ジャネット・デイビスのバックアップは"America the Beautiful"をネタにセブンスコードの使い方、アール・スクラッグスは先月に続いてジャムでの"Walking the Floor Over You"ほか。
  BNL-13/01 2013年1月号 \630-

 懐かしや!アンディ・オウエンズと来日したジェフ・スロギンズのカバーストーリーとタブ譜は"Woodland Arch"と"Boundary Hunter"、そのほかアール・スクラッグスはシラブルで弾く"Walking the Floor Over You"、ハーモニー研究「枯葉B」、トム・アダムズは「発見されるのを待つ音たち」と題したちょっとしたアイデア集、バックアップは"Old Spinning Wheel"、初心者コーナーはコード進行のパターンリストほか、オールドタイム・コーナーと、バンジョーに関する話題満載40頁。
 ■ブルーグラス・アンリミテッド誌
  米国の最大のブルーグラス月刊専門誌。お探しの記事などバックナンバーもお問い合わせください。
  BU-13/12 最新2013年12月号 \840-

 IBMA(WoB)2013のカバーストーリーと写真リポートほか、アラン・ジャクソン、カール・シフレット&ビッグ・カントリーショウ、フィル・レッドベターの特集記事のほか、米国ブルーグラス情報満載の60頁。
  BU-13/11 2013年11月号 \840-

 トム・T.ホールの妻でソングライターとしてブルーグラスやカーターファミリーの庇護者でもあるディキシー・ホールのカバーストーリーほか、ウエイド・メイナーとアール・スクラッグスの日本のグラナダ因縁、ブルーグラス奨学金の紹介、ティム・グレイブスの新バンド、ファームハンズ、ブッキングエージェントのクラスアクトなどの特集記事のほか、米国ブルーグラス情報満載の52頁。
  BU-13/10 2013年10月号 \840-

 マーティ・レイボンのカバーストーリーほか、フィンランドのブルーバンド、ジュシ・シレンとグランドブレーカーズ。マンドリンやギタールシアーのシム・デイリー、ブルーグラスソングライターのジェリー・サリー、2014年タレント・ディレクトリーなどの特集ほか、米国ブルーグラス情報満載の76頁。
  BU-13/09 2013年9月号 \840-

 あたらしいトラッドグラスの形を提示するビッグ・カントリー・ブルーグラスをカバーストーリーに、ジミー・マーティントの活躍で知られるクリス・ワーナー、デイリー&ビンセントのマンドリン奏者ジェフ・パーカー、ピーター・ワーニック博士のブルーグラスジャム法などの特集ほか、米国ブルーグラス情報満載の72頁。
  BU-13/08 2013年8月号 \840-

 スティーブ・ヒューバーが復活させたウエイド・メイナーの1930年製ギブソン・グラナダ#9530-4をカバーストーリーに、今年からノースカロライナ州ローリーに移るIBMAのワールドオブブルーグラス、その誘致に尽力した団体パインコーン、ビル・モンローの愛人だったベッシー・リー・モウルディン、そしてギブソン・ピラミッド・バンジョーと呼ばれた戦前のマスタートーン・スタイル2の物語などの特集のほか、米国ブルーグラス情報満載の64頁。
  BU-13/07 2013年7月号 \840-

 ロニー・レノのカバーストーリーほか、タウンマウンテン、デニス・マクブライド、「ヒルビリー」という言葉の由来となった1920年代のバンド、ザ・ヒル・ビリーズの正体ほか、米国ブルーグラス情報満載の66頁。
  BU-13/06 2013年6月号 \840-

 リッキー・スキャッグスのカバーストーリーのほか、リッキーのハーモニーパートナーを18年間努めるポール・ブルースター、ライマン公会堂再建物語、ラス・カーソンとグレン・カーソン「バンジョーファミリートゥリー」、若手ヒルベンダーズなどの特集のほか、、米国ブルーグラス情報満載の70頁。
  BU-13/05 2013年5月号 \840-

 スティールドライバーズをカバーに、ポール・ウィリアムズ、ジョー&ステイシー・アイザックス、バンジョー・サファリのアフリカ旅行記などの特集ほか、定期コラムなど米国ブルーグラス情報満載。
  BU-13/04 2013年4月号 \840-

 キャシー・キャリックとスピニー・ブラザーズをカバーに、ジム・ハーストのソロについて、ビル・モンローやデル・マッカーリーとの活躍で知られるトラッドグラス・フィドラー、ビリー・ベイカーなどの特集ほか。
  BU-13/02 2013年2月号 \840-

 ジム・ローダーデイルのカバーストーリーほか、マンドリンのスーパーピッカー、アラン・バイビー、ギター若手ジョーダン・タイス、オハイオのジェッツ・クリークなどの特集ほか。
  BU-13/01 2013年1月号 \840-

 サム・ブッシュを表紙に恒例の全米ブルーグラス・フェスリスト(数百箇所)と、ブリストル・リズム&ルーツ・リユニオン・フェス、ルディ・フェス、マウンテン・オープリハウスなど、各地のイベント特集に連載コラムほか。
 ■オールドタイム・ヘラルド誌
 内容の濃いオールドタイム音楽専門誌。アメリカン・トラッド音楽研究に必読の良書!!バックナンバーが揃っています。お問い合わせください。
  OTH-1303 最新第13巻3号 \1,260-

 アルバート・ハッシュ・メモリアル・フェスのリポート、ミズーリ・フィドラーのR.P.クリステンソン、ウォルト・コーケンの連載「Tales from the Woods Vol.3」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1302 第13巻2号 \1,260-

 全米フェス&キャンプガイド特集のほか、西アフリカ・ガンビア共和国ジョラ族のアコンティング奏者ラエモウアヒュマ・ジャッタのインタビュー、ウォルト・コーケンの「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話A」は「ショッティーシュ(ボヘミア起源のダンス)」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1301 第13巻1号 \1,260-

 ダン・マーゴリーズ「ハンドメイド弦〜猫と馬の尻尾から生まれる音楽」をメイン特集に、アート・ローゼンバウム「北部ジョージアでの1日」、ウォルト・コーケン「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話」シリーズ第1回など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
 月刊『ムーンシャイナー』
 1983年11月の創刊以来、毎月発行を続ける日本唯一のブルーグラス月刊専門誌、31年目突入です。何卒、年間契約をよろしくお願いします!
■定期購読:1年¥6,000-半年¥3,300-
 お申込はお葉書やお電話、ファックスやメールでご希望の購読開始月をお知らせ下さい。バックナンバーも含めて、いつからでもご自由です。

■バックナンバー:各¥525-。
 下記以外にも、アーティストや知りたい事をお知らせ下さい。掲載号を探してお送りします。
  MS-3102 最新2013年12月号(通巻362号)\525-

IBMA(WoB)2013リポート「ノースカロライナってどんなとこ?」、女子大生の見た「ワイドオープン・ブルーグラス」、タヒチクラブ「新春★浪花 米国南部系ルーツ音楽祭」、愛媛・朝倉ブルーグラスの25年、馬渡 浩の札幌ブルーグラス物語りA、知っておきたい...#5 「フラットピッカー達」、日本ブルーグラス年表#70「1978年」、3大学対抗!年忘れライブ酪農学園大学「花村彩音」ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3101 2013年11月号(通巻361号)\525-

 31年目の第1号、IBMA名誉の殿堂入りのセレモニーで「奇跡」を起こしたトニー・ライスのスピーチほか、第24回IBMAアワードショウ・リポート、マイク・コンプトン「ビル・モンローの魂」12月来日、ブルーグラス☆ポリスのデビューCD『BG★PC』、馬渡浩の札幌ブルーグラス物語り@、やぎたこ『I'll be home someday』、きたむらいづみ「彦根にアメリカーナ」、ハゥトゥプレイブルーグラス!その伍ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3012 2013年10月号(通巻360号)\525-

 やりました!通巻360号、購読してくれる皆さん、ボランティアで情報や記事、写真を提供してくれる皆さん、そんなダイハードなブルーグラスファンの皆さんのお陰で30年間、何とか持ちこたえました。これからいつまで頑張れるか、体力と根気の勝負ですかね、こうなると? ひきつづき皆さんのお引き立てを、何卒よろしくお願い致します。本当に、ありがとうございます!!
 記念すべき360号は、日本でデビューして、最年少でIBMA名誉の殿堂入りをしたトニー・ライス秘話のほか、1958年に結成されたイースト・マウンテン・ボーイズがIBMA特別功労賞を受賞するにあたって彼らの年表と紹介、そして日本の戦前・戦後における「洋楽」の受容についての特集記事、中学生ソフィア美玲キャタリナの「ウィザー・フィドル・コンテスト」参戦記、ハゥトゥプレイ・ブルーグラス#4「続アールの日」、最新トラッドグラス事情「レベル・レコード編」、コンサートリポート「mareka & Junji vs 三津谷組」、カーター・ファミリーとボブ・ディラン、東北大「荒川善行」、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Dほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3011 2013年9月号(通巻359号)\525-

フラットピッキンギターに魅せられた女性レベッカ・フレージャー、その初々しい半生を紹介したカバーストーリーのほか、クレイグ・ダンカン、ビリー・スミス、マイク・スコットらが女性陣ふたりを加え10月はじめに来日。同じ10月、ハンマーダルシマを初めて日本に紹介したカレン・アッシュブルックが来日するのを機に、「ハンマーダルシマ」の歴史と今特集。9月28日に「第4回六甲ブルーグラス・タイムズ」を主催する神戸大学の木村周平。「ハゥトゥープレイブルーグラス」シリーズ3回目になる最新号では、「シラブルで弾く」こととは? CD+DVDを発表した原さとし(bj)と竹内信次(m)のトイメンシャオ。ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Dほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3010 最新2013年8月号(通巻358号)\525-

 「ハウトゥープレイ・ブルーグラス」特集として、ブルーグラス楽器奏法のつかみ方を「岸本一遥のケニー・ベイカーから学んだこと」や「アールの日」のリポートを軸に特集。そのほか、奥 和宏「アメリカン・ルーツミュージック、ディスクでたどるアメリカ音楽史」、全国サイマル放送一覧表とFMはしもと「しもちゃんの“Bluegrass”でナイト」、学生プロファイル#7は首都大学東京「山本南希」、人口16人の瀬戸内海での「斎島ブルーグラス」、ブルーリッジに本拠を置くマウンテン・フィーバー・レコード社、埼玉・狭山市の美食ブルーグラスレストラン「SOFT」、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Cほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3009 2013年7月号(通巻357号)\525-

 第26回マールフェスリポート」ほか、ジョージ・ジョーンズ追悼「カントリーソング」後編、ジェイコブ・シャープ「ミプソ」来日!、菅沼工房5弦フィドル製作記E最終回、井上 高とホームタウナーズ「50年前に活躍したプロのブルーグラスバンド」後編、学生ブルーグラス・プロファイル#6 北海道大学「兼平愛弓」、日本ブルーグラス年表#65「1977年」ほか、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記B、1911年ビル・モンローの生まれた日ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3008 2013年6月号(通巻356号)\525-

 北海道の八雲フェス特集のほか、ジョージ・ジョーンズ追悼「カントリーソング」前編、ブルーサイド・オブ・ロンサムと坂本愛江、「Tri Barrel(トライバレル)」尾崎博志、古橋一晃、河合徹三、知っておきたい#2「新進気鋭のマンドリニストたち」、菅沼工房5弦フィドル製作記D、井上 高とホームタウナーズ「50年前に活躍したプロのブルーグラスバンド」前編、学生ブルーグラス・プロファイル#5 名古屋大学「山田遼一」、日本ブルーグラス年表#64「1976-77年」ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3007 2013年5月号(通巻355号)\525-

「フェスティバル・シーズン到来号」として、ブルーグラスフェスの歴史とウィンターグラス2013リポート後編のほか、ブルーグラス・リズムギター上達の近道、サードタイムアウト「ブルーグラスる!?(Bluegrassed)」、知っておきたいブラザーデュオ一覧、ケンタッキーのモアヘッド州立大学ブルーグラス科を訪ねた川合くんのすばらしいリポート、ネッシーエクスペディション米国ツアー顛末記A、学生ブルーグラスプロファイル#4「米澤 望(酪農学園大)」、菅沼工房5弦フィドル製作記Cなど特集ほか。
  MS-3006 2013年4月号(通巻354号)\525-

 今月久々に来日、東海道をバンジョー行脚するビル・キースの大特集後編、ジェリー・ガルシアやライ・クーダーらとの逸話など、1963年のビル・モンローとブルー・グラス・ボーイズの重厚な写真をカバーに、ウィンターグラス2013リポート前編、ネッシー・エクスペディション米国ツアー記@、ブルーグラス・アルバム・バンド・リユニオン、マイク伊藤「留学のススメ」、ロストシティキャッツ・リユニオン、菅沼工房5弦フィドル製作記B、学生ブルーグラスプロファイル#3「森山亮治(大谷大)」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3005 2013年3月号(通巻353号)\525-

 4月に久々の来日、大阪、京都、名古屋、浜松、横須賀、東京でワークショップやコンサートをするビル・キースをカバーストーリーに、フルアルバム『Sailing Home』を発表し今月には全米ツアーをする女性トリオ、パイレーツ・カヌー、ハンク・ウィリアムズのセイクレッドソング解説、2012年年発表レコード総括、菅沼工房5弦フィドル製作記A、学生ブルーグラス断簡その壱「松本捺美(神大)と小形奈緒子(東北大)」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3004 2013年2月号(通巻352号)\525-

 ドブロのマイク・オルドリッジのカバーで追悼特集「ブルーグラスを変えたドブロ奏者」ほか、ブラザーデュオ秀作を発表した渡辺敏雄、かつてジューンアップル誌のスタッフだった菅沼利夫「5弦フィドルへの道@」、ラジオ関西「カントリーミュージック・トラベル」が今年20年、950回目を迎えているDJ阿部和則のリポート、1946年のブルーグラス誕生の年にオープリで出会った?ハンク・ウィリアムズとビル・モンローなどの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3003 2013年1月号(通巻351号)\525-

 アール・スクラッグスの右手の表紙写真にメイン特集は、村片和彦のアール・スクラッグス奏法解析「俺、アールやもん」と、先月号の50年前のフラット&スクラッグス『カーネギーホール』で「マーサ・ホワイト!」を叫んだ本人の当時のリポート「アール・スクラッグス異聞」ほか、市川慎一郎のボジョアギター“Slope D”「バンジョーキラー」修理リポート、若手ドブロ宣言「ドブロだって主役!」、60年前の1953年1月1日にアパラチア山中で息を引き取ったハンク・ウィリアムズの最後の1年ドキュメント、フットヒル・ドライブ「アメリカツアー記」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
 B.O.M.厳選、詳細解説コーナー!
 (新譜/旧譜関係なく、強力プッシュ作品の詳細解説コーナーです)
 ■ブルーグラス詳細解説
  MCM-0017 DEL McCOURY BAND『Streets of Baltimore』CD\2,573-(本体\2,450-)

Blues Rollin' In/Big Blue Raindrops/Amnesia/Butler Brothers/Misty/I Need More Time/Free Salvation/I Wanna Go Where You Go/I'd Love to Do Some Living/Streets of Baltimore/Once More with Feeling/Too Many Rivers/Only You. 全13曲

 今年のIBMAで観た中で、ハッキリ言って「別格」のものすごいブルーグラスを聴かせてくれたデル・マッカーリー・バンドの最新作はこのところ如実に感じる1960年代のフラット&スクラッグス後期(多くの人は50年代のフラット&スクラッグスをサイコーと言うが、わたしはポップな60年代派なのだ!)の、あの充実感だ。10年ぶり、4度目のIBMA最優秀フィドラーを獲得したジェイソン・カーターのフィドルが泣き叫ぶ中、いまやクールなサウンドクリエーターのロニー(md)と相変わらずの「やったるでぇ」精神のロブ(bj)のマッカーリー兄弟にアラン・バートラム(bs)といった不動のDMB。

 ジョン・ハートフォードの良き理解者だったトム・ポール・グレイザーと巨匠ハーラン・ハワードというカントリーソングライターの1966年作品(グラム・パーソンズ)をタイトル曲に選び、スタンダード曲“Misty”をレイ・スティーヴンスのカントリーバージョンではなくデルのブルーグラスにしてしまう、そしてサードタイムアウトがアカペラで絶唱した“Only You”(プラターズ1955年ヒット)を誰もが思い付きそうなツービートブルーグラスにしてしまう強引さと呼べる魂……。かとおもえば、チョッとブギウギなピアノを導入したクリス・クリストファーソンとシェル・シルバースタインという強力コンビ作品のホンキートンクカントリーソングでもかつての“Don't Stop the Music”同様、ハイロンサムを感じてしまうし、巨匠ハーラン・ハワードのカントリーソングなど、そのまま(声は違えどそのポップにして包容力のある精神は)レスター節だ。

 9度のIBMAアワード最高賞エンターテイナー受賞という前人未到の記録を残した2004年以来、バンドとしては無冠であるが、2005年以降の今年の受賞者まで―――チェリーホームズ、グラスカルズ2回、デイリー&ビンセント3回、スティーブ・マーティン&スティープ・キャニオン・レインジャーズ、ギブソン・ブラザーズ2回―――どのバンドもそれぞれに素晴らしく値打ちがあるが、圧倒的に「格」が違うデル・マッカーリー・バンド。その「格」は、なんといっても1963年、ちょうど50年前にビル・モンローに雇われたデル・マッカーリー、ビル・キースとのバンジョーのダブルブッキングだったものの、いち早くデルの才能を見抜いた……のか、単に取り繕ったのか……ビル・モンローの助言によるコンバートというチョイスであり、そののちのデルの心底ブルーグラスを愛しつづけた歴史だ。しかし、誰もがトラッド/ソリッドグラスの権化というが、その実はフツーの音楽好きじゃないか? ニューグラスファンの息子ロニーの幅広い音楽性とデルのやわらか頭が結実したとても楽しい、現在最高峰のブルーグラスである。
 前作、2011年のビル・モンロー生誕100年記念のビル・モンロー曲集『Old Memories』(MCM-0016 \2,573-)も必携の充実盤でーす!!
  REB-1854 JUNIOR SISK & JOE MULLINS『Hall of Fame Bluegrass!』CD\2,573-(本体\2,450-)

Wild Mountain Honey/The Bluebirds are Singing for Me/I'll be There, Mary Dear/Brand New Shoes/I'll Drink No More Wine/I'll Never Make You Blue/I'm So Happy/No Blind Ones There/Greenville Trestle High/Don't Let My Love Get in the Way/Single Girl, Married Girl/No Doubt About It/They Can't Love Jesus More Than Me. 全13曲

 もうこの選曲を見ただけでノックアウト! オズボーンとレッド・アレンの1曲目から、マック・ワイズマン、ビル・クリフトン、ビル・モンロー、ジミー・マーティン&ポール・ウィリアムズ、チャーリー&カーリー・レイ・クライン(ロンサムパインフィドラーズ、フランク・ウェイクフィールド)、ドン・レノ、J.D.クロウ、ドック・ワトソン、デル・マッカーリー、カーター・ファミリー、フラット&スクラッグス、ジム&ジェシーのIBMA名誉の殿堂入りした13組の渋いシブイ13曲をカバー。
 演じるのはランブラーズ・チョイスを率いてヒット曲 "A Far Cry From Lester & Earl"で2012年のIBMA最優秀ソングとアルバムを獲得して男泣きしたジュニア・シスク、さらに今年はIBMA最優秀男性ボーカル受賞でまた泣いてしまった……、そのまんまアパラチアン純情を絵に描いたような誠実な人なんだろう。そしてテナーとビッグバンジョーには、去年のIBMA最優秀新人賞と今年の最優秀ライナーノーツに選ばれたジョー・マリンズ。父はフィドラーとして、またブルーグラスDJとして知られ、ラルフ・スタンレーの名曲“Katy Daley”の作者ポール・マリンズで、現在は父の遺志を継いでオハイオでラジオ局を経営、昔ながらのクラシックカントリーとブルーグラスを流している。そのバンジョーはスクラッグスをベースに、そこから止めどなく発展させようという意思を持ったタイプ、つまり発露は異なるがソニー・オズボーン流の、もちろんドン・レノもこなすビッグバンジョー。

 バージニアのブルーリッジど真ん中出身のジュニアとオハイオ・ブルーグラス(アパラチアより濃い!?)の伝統を継ぐジョーのふたりに、ジェイソン・カーターの入魂感情炸裂フィドル、ジェシ・ブロックの頭脳マンドリン、そしてマーシャル・ウィルボーンの落ち着いたベース。ジュニアとジョーのデュオをメインに曲によってはトリオやカルテットもある。まさに知る人ぞ知る「夢」の「これがアーリーグラスだ!」協演、ストレートなブルーグラスファン必携作品!!
  ROU-9134 JAMES KING『Three Chords and the Truth』CD\2,573-(本体\2,450-)

The Devil s Train/Jason s Farm/Chiseled In Stone/Highway To Nowhere/Talkin To The Wall/He Stopped Loving Her Today/Blue Blue Day/Riding With Private Malone/Things Have Gone To Pieces/Sunday Morning Christian/Shadows Of My Mind/Old Five And Dimers.

 おそらく、もっともカーター・スタンレーに近いセンスの塊、むき出しの感情を身にまとっていると言われるジェイムズ・キングの最新作。おそらく、もっとも21世紀のトラッドグラス直系サウンドを体現していると目されているロン・スチュワート(bj)、ジョッシュ・ウィリアムズ(g)、ジミー・マッティングリー(f)、ジェシ・ブロック(m)、ジェイソン・ムーア(bs)がすごいテンションで演じ、おそらく、もっともブルーグラスのソウルをしぼり出すと言われるダドリー・コンネル(バリトン)とドン・リグスビー(テナー)のハーモニーを伴った超ハードドライビング・ソリッドグラス。ハッキリ言って、そのむき出しの感情に見るように、現代社会には馴染まない性格の持ち主のようだが、そのあくの強さが深い説得力を生むのは、天才的シンガーにはよくあること……、稀代の「ブルーグラス・ストーリーテラー」と称されるジェイムズ。

 ハンク・ウィリアムズの1949年作品“The Devil s Train”を1曲目に、今年亡くなったジョージ・ジョーンズの代表作でもっとも偉大なカントリーソングと言われる“He Stopped Loving Her Today”(ムーンシャイナー誌のジョーンズ追悼特集「カントリーソングス」でとりあげた曲)や“Things Have Gone to Pieces”、カントリーガゼットも取り上げたドン・ギブソンの“Blue Blue Day”ほか、ハーラン・ハワード、バーン・ゴズディン、レオン・ペイン、カル・スミスなど、カントリーソングの巨匠たちの作品を見事にブルーグラスソングとして「語る」ジェイムズ・キングの最新12曲集。ブルーグラスの伝統的なサウンドを踏襲しつつ、21世紀にも通じるサウンドを楽しませてくれる秀作である。
  HMG-1011 DONNA ULISSE『I Am A Child of God: A Gospel Collection』CD\2,573-(本体\2,450-)

I Am a Child of God/Walk This Mountain Down/Wait a Little Longer Please Jesus/I Want to Grow Old With You/Everything Has Changed/My Prayer/Faith Is a Journey/The Key/This Is My Father's World/I'm Calling Heaven Down. 他全10曲

 癖のない若々しいキュートなボーカルに、ナッシュビルの超一級ブルーグラス職人たちが創る女性ボーカル・ブルーグラス秀作を発表してきたドナ・ユリッシー、ブルーグラスとしての最新第6作目である。1991年、アトランティックからメジャーデビューして小ヒットを放ったのち、ブルーグラスに転向している。10代でウエスタン・スウィング・バンドのシンガーとなった彼女にブルーグラスを紹介したのは夫のリック・スタンレー、カーターとラルフの従兄弟だという。「結婚式でラルフ・スタンレーとクリンチマウンテンボーイズが演奏したのだけれど、そのチケットの問い合わせが来たの。わたしはラルフがそんなに有名だって、ぜんぜん知らなかったの」というドナ。そこから夫とともに、最初のジャムで“How Mountain Girls Can Love”のハーモニーを唄わされ、この歌詞の正直さと音楽の真摯な姿勢に打たれ、ブルーグラスの魅力にはまっていったという。それ以降、ゴスペルを中心にオリジナルを書き続け、ソングライターとしてIBMAアワードにノミネートされる実力を発揮、クレア・リンチやバンケスターズ、ダリン&ブルック・オルドリッジやニューブルーほかがドナの曲を取り上げている。本作ではキース・ソウェル(リッキー・スキャッグス&ケンタッキーサンダー、ディキシーチックス、ライル・ラベット、アール・スクラッグスほか、またフラットピッキンギター誌でコラムも担当)と、曲によってはブライアン・サットンというふたりのスーパーギタリストをプロデューサーに、アンディ・レフトウィッチ(m,f)、スコット・ベスタル(bj)、ロブ・アイクス/ランディ・コーアズ(d)、ビクター・クラウス/バイロン・ハウス(bs)という、これまでのアルバム同様、気心の知れたスタッフが現在一級のサウンドを創っていく。
  COBB-2013 SHAD COBB & CHARLIE CUSHMAN『Out of These Mountains』CD\2,573-(本体\2,450-)

Little Birdie/New Five Cents/My Home's Across the Blue Ridge Mountains/Pretty Polly/Lonesome Road Blues/This Old House Waltz/Will the Circle Be Unbroken/Shady Grove/Rank Stranger/Susanna Gal/When Sorrows Encompass Me 'round/Cora Is Gone/Shout Little Lulie/Star of the County Down/Sourwood Mountain. 全15曲

ふたりのナッシュビルブルーグラスの、もっとも信頼されるフィドルとバンジョー奏者によるアパラチア伝承音楽集。『シンプルライフ』と言うとほぼ季刊雑誌の編集長の企画ものということで、例えば素晴らしいオールドタイム乗りの二曲から唐突にフラット&スクラッグス乗りブルーグラスとか、アルバム全体のまとまりをやや欠くが、そこはこのふたり、それぞれの楽器ファンにはたまらない値打ちものだ。

 「天才」と多くのナッシュビリアンが絶賛するシャッドのフィドルの信じ難いタイミングと素晴らしいノリは、実はここで自身が多重録音するクロウハンマーバンジョー由来の、つまりブルーグラスの原点であるオールドタイム音楽のストリングバンドのノリをベースにしているからではないだろうか? だからこそ、ジャズやクラシックなどの影響の濃いテクニカルなスーパーフィドラーよりも一聴しただけで高い評価を得たことが如実に分かるはずだ。ウイスコンシンという、アパラチア山脈から遠く離れた土地で13歳からフィドルを弾き始め、弟のジェシー・コッブ(ストリングダスターズ)とともに父から学んだブルーグラスとオールドタイム音楽が身に染み込んでいるのだと言う。我々と同じ、アパラチアから遠く離れているがゆえなのかもしれない……。

 一方のチャーリー、テネシー州クラークスビルでフラット&スクラッグスのTVショウを見てから学校に通ったという環境で7歳からバンジョーを弾き始め、14歳でプロフェッショナルとして活躍、同時にバンジョーセットアップの達人としても知られている。スリーフィンガーが彼の血肉であり、その点、シャッドよりも音楽に対するパッションがややクールという印象を持ってしまう。つまり、身近にアールが居た幸せは、分かっているとは思うけれど、それが普通だったチャーリーにはそんなクールな印象がある。……単なるジェラシーか?

 アパラチアに伝わった伝承音楽をその雑誌『シンプルライフ』のイメージに沿って演奏するそんな二人、その音に対する反応は、コンセプトにかかわらず、ただいつものように誠実に演じるだけだろう……!? とても素晴らしい楽器の音と、二人のトップセッションマンの音楽に対する姿勢を楽しみたい。
  SMM-1008 ALICE GERRARD『Bittersweet』CD\2,573-(本体\2,450-)

Lonely Night/Bittersweet/Sweet South Anna River/Tell Me Their Story/Somebody Have Mercy/Maybe This Time/Unexpected Love/Borderland/The Stranger/Play Me a Song I Can Cry To/Payday at the Mill/My Once True Love/Sun Keep Shining on Me. 全13曲

 最高のアコースティック・ミュージシャン、ブライアン・サットン(g)、ステュアート・ダンカン(f)、トッド・フィリップス(bs)、ロブ・アイクス(d)、トム・ロザム(m)をバックに、アパラチアンバラッドからブルース、軽ーいスウィング、そしてホンキートンクなど、「正味」の女性ボーカルを聴かせてくれるアリス・ジェラードのソロとしては第3作目の最新作。ジャンルに無関係な、それでも自身が背負ったアパラチアのムード一杯の、例えば、エリザベス・コットン(フォークブームで大ヒットした"Freight Train"の作者。1893-1987)が、「死んだときには土に埋められるよりも、友人たちが岸に並んで見送られるように川に流されたい……」と言ったことや、トミー・ジャレル(現代オールドタイムを支える人たちに大きな影響を残したノースカロライナのフィドラー/バンジョー奏者。1901-1985)の家でジャムをしていたときにやって来たご近所さんが、「何か泣ける曲を頼むよ」と言ったことなど、アリスが人生の中で印象に残った言葉や光景を曲にしたという10曲の新曲と3曲の再録。

 1960年代初頭、ビル・モンローの強力な後押しでヘイゼル&アリスとして、初の女性ハイロンサム・サウンドを提示。それは1970年代以降、本作のプロデューサーでもあるローリー・ルイスをはじめアリソン・クラウスまで、女性ブルーグラスの隆盛の基礎を創ったといわれるコンビだった。ウエストバージニアの炭鉱出身のヘイゼル・ディッケンズ(1935-2011)に対して1934年、西海岸のシアトルでクラシック音楽家のお嬢様!?として生まれ育ったアリスは、オハイオ州のアンティオーク大学(1960年、オズボーンブラザーズが史上初めて大学でのブルーグラスコンサートをした)でブルーグラスと出会っている。1965年、75ドルの予算でデビッド・グリスマン/チャビー・ワイズ/ラマー・グリアらと録音したデビュー作以来、ヘイゼル&アリスとしての5枚のアルバム(うち1枚はフォークウェイズ録音集『Pioneering Women of Bluegrass』\2,573-)は、ブルーグラス/ハイロンサムを女性として昇華した作品であると同時に、南部アパラチアの女性が置かれている苦しい立場を代弁する作品として多くの女性たちに勇気を与えてきた。

 1960年代後半にマイク・シーガーと結婚、1970年12月には日本ツアーしている(日本ツアーでのライブ音源を含むマイク・シーガーとのアルバム『Bowling Green』\2,573-在庫あり)。1970年代のヘイゼル&アリスは、カーターファミリーなどのトラッドフォークやクラシックカントリーなども取り入れ、ヘイゼルの"Working Girl Blues"などと並んで、アリスの女性差別を強力に風刺した"Custom Made Woman Blues"などブルーグラス/オールドタイムの男社会に強烈なメッセージを届けている。カントリーの大スターとなったザ・ジャッズのナオミは、ケンタッキーの赤貧生活から女性力で立ち上がるとき、「ヘイゼルとアリスがわたしたちにどうすべきかを教えてくれた」と賞賛している。

 1987年から2003年まで、オールドタイム音楽の季刊誌『Old Time Herald』の編集長としてアメリカ伝承音楽の発掘と保護に大きな貢献を残している。79歳とはとても思えない、偉大な功績を残した、すばらしくかわいい人の素敵なソロアルバムだ。女性ブルーグラス/オールドタイム/フォークを志す人やファンには是非聴いていただきたい秀作だ。
 ■インスト詳細解説
  ROU-0638 V.A.『Foggy Mountain Special: A Bluegrass Tribute to Earl Scruggs』CD\2,543-(本体\2,450-)

Flint Hill Special/Reuben/Foggy Mountain Special/Randy Lynn Rag/Sally Goodin/Pike County Breakdown/Foggy Mountain Rock/Nashville Skyline Rag/Earl's Breakdown/Steel Guitar Rag/Ground Speed/Foggy Mountain Breakdown.

 2012年3月28日、88歳で亡くなったアール・スクラッグスに捧げられた、現在トップバンジョイストたちの新録音企画作品。

 言うまでもなく、現在あるブルーグラスという音楽スタイルの基をビル・モンローとともに創り上げたもっとも重要な偉人アール。ブルーグラスとは何か?……それは、音楽的には例えば「完璧にコントロールされたスリーフィンガーから編み出される一音一音をすべて認識し、その三本指(三拍子)が早いツービート(2/4拍子)と出会ったアフリカ由来のポリリズム(複数の異なるリズムが同居することで西洋音楽にはない概念)から発生するシンコペーションを、すべての演奏者/リスナーが感得すること」である、とすれば、それはアールでなければ産み出せなかったものであり、ビルとアールが出会わなければあり得なかったものだろう。

 そんな偉大なアールを尊敬する12人、デビッド・タルボット、ジム・ミルズ、ロン・ブロック、チャーリー・クッシュマン、ラリー・パーキンズ、ロン・スチュワート、トム・アダムズ、J.D.クロウ、ジョー・マリンズ、トニー・トリシュカ、ケニー・イングラム、クレイグ・スミスの12曲、あえて言えば、アールの時代(1950〜60年代)よりも社会的に煮詰まっている21世紀、それぞれのアールへの思いを込めた素敵な12曲。バックにはロン・スチュワートのフィドル(そのバックで何を弾くか?も大きなポイントだよ)、マンドリンはアダム・ステッフィまたはダン・ティミンスキ、ランディ・コーアズのドブロ、そしてレスターの偉大さがつくづく分かるコディ・キルビー、ダン・ティミンスキ、クレイ・ヘス、ワイアット・ライスらのギターにデニス・クロウチまたはバリー・ベイルズのベース。アールが創造したバンジョー世界にさまざまな表現者が挑む、チョー楽しい、お勧めのバンジョーアルバム。
 ■オールドタイム/フォーク詳細解説
  HCL-002 HEIDI CLARE & RON THOMASON『Bygone Days』CD\2,573-(本体\2,450-)

Sally Goodin/Coal Tattoo/Fox Chase/Sweetest Gift, a Mother's Smile/Meriweather/Sugar in the Gourd/To Daddy/Toin' to Town/Singing As We Rise/Everybody's Reaching Out for Someone/Turkey in the Straw/Happy Endings/New Money/Perle of Them All/Cowboy Waltz/Sally Goodin. 全16曲

 ブルーグラス学科のある州立大学として知られる東テネシー州立大学(ETSU)出身のオールドタイム・ストリングバンドで、二コール・キッドマン主演のアカデミー受賞映画『コールドマウンテン』のサントラ盤に抜擢されたリールタイム・トラベラーズの女性フィドル奏者ハイジ・クレア。前作『I Declare』(HCL-001 \2,573-)でのクリス・シャープ(g)やロイ・アンドレード(bj)などとのストリングバンド、エド・スナッダリーのブルースギターとのソウルフルで近寄り難いゴスペルなども強い印象で残っているが、本作でもその強力なはじけそうなフィドルとメチャクチャ愛らしいのに不思議な魔力を感じさせるようなボーカルは健在。相方に、スタンレーブラザーズの熱狂的フォロワーでフランク・ウェイクフィールドの系譜を継ぐ哲学的なヒルビリー論者!?であり、カリスマ的司会者にして「へたうま」の代表ロン・トーマソンのマンドリン、ギター、クロウハンマーなどと味わい深いボーカルを据えている。

 そんなふたりがアパラチアン・オールドタイムの真髄であるフィドルチューンを極めつつ、ドリー・パートン“To Daddy”やコックスファミリーとアリソン・クラウスの“Everybody's Reaching Out...”、アール・トーマス・コンリーとエミルー・ハリスの“Happy Endings”などのポップな曲から、ブラザーデュオ名曲“Sweetest Gift”やギブソンブラザーズへのヒット曲やマイク・コンプトンの相方として知られるジョン・ニューベリー“Singing As We Rise”など7曲の歌物を聴かせる。この録音を通しても尋常ではない内に秘めたインパクトを感じさせるふたり、音楽の持つ「生々しい」の本物の「ちから」をストレートに聴かせる大秀作である。
 ■カントリー詳細解説
  ROU-9179 MANDY BATNETT『I Can't Stop Loving You:The Song of Don Gibson』CD\2,888-(本体\2,750-)

(Yes) I'm Hurting/Too Soon to Know/Look Who's Blue/Sweet Dreams/Just One Time/Blue Blue Day/Oh Lonesome Me/Oh Such a Stranger/Far Far Away/I Can't Stop Loving You/Lonesome Number One/Legend in My Time. 全12曲

 パッツィ・クラインを思わせるポップな熱唱と、現在ナッシュビルが創る21世紀のナッシュビルサウンドが見事に絡み、カントリーというよりはスタンダードポップを思わせる素晴らしい作品に仕上げたマンディ・バーネットは1975年、テネシー州カンバーランド郡クロスビルの生まれ。12歳のときにオープリでパッツィ・クラインの“Crazy”を歌い注目を浴び、大物プロデューサーのジミー・ボウエンと契約、その庇護下で学び、高校卒業とともにナッシュビルに出て、10代にしてパッツィ・クラインのミュージカル『Always...Patsy Cline』に主演、20歳でアサイラムからメジャーデビューしている。60年代にナッシュビルサウンドを確立した超大物プロデューサー、オウエン・ブラッドリーの最後の作品として1999年に『I've Got a Right to Cry』を発表、その年のローリングストーン誌がトップカントリー作品に選んでいる。しかしそののち、ソロアルバムには恵まれず、2010年に今回同様、米国外食チェーン「クラッカーバレル」のみで入手可能なクリスマス集を発表、また2011年には、10代のときに演じたュージカル『Always...Patsy Cline』にふたたび主演してアルバム『Sweet Dreams』を発表している。

 ひょっとすると、あまりにパッツィ・クラインのイメージが強すぎて、マンディ・バーネットとしてのヒットのチャンスを逃したのかもしれないが、誰もが認めるその歌唱力は、21世紀のナッシュビルサウンドとともに本作でもいかんなく発揮されている。

 本作で取り上げられたドン・ギブソン曲集は、マンディのポップな歌声にぴったり。ドン・ギブソン(1928-2003)はアール・スクラッグスと同じ、ノースカロライナ州シェルビー生まれ。今年アールの生家を訪ねたとき、ついで(失礼)にお墓参りもしてきた。アールの4歳下だから、どこかで行きかっていたのかもしれないと考えるだけで嬉しくなってくる。アール同様、貧しい家庭で育ったというが、このふたりのポップセンスはどこから来るのか? おそらく奥深いアパラチアの南端に広がるピードモントと呼ばれる明るい地方で、大衆(ポップ)音楽が耳に入る地域だったことがふたりに幸いしたのかもしれない。1956年、のちにパッツィ・クラインやエミルー・ハリスが有名にする“Sweet Dreams”でデビュー、翌年の2曲目“Oh Lonesome Me”がナンバーワンヒット、つづいてレイ・チャールズがカバーして世界的ヒットとなり、かつ白人音楽と黒人音楽を結びつけた“I Can't Stop Loving You”、つづく4曲目にはプレスリー「ハートブレイクホテル」で火が点いた折からのロカビリーブームを思わせる“Blue Blue Day”などを立て続けに発表。カントリー音楽に大きな功績を残したドン・ギブソンの名曲が、パッツィを思わせるマンディによって、21世紀のナッシュビルサウンドとともに歌われる、なんとも贅沢なアルバムである。
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