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 B.O.M.N ewsletter #387web 2013年1月15日


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INDEX


今月の新入荷作品
ブルーグラス新入荷
ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
今月の話題作
B.O.M.特選コーナー
ブルーグラスお勧め作品
インスト新入荷
各楽器別お勧め再入荷作品
オールドタイム&フォーク新入荷
オールドタイム&フォークお勧め作品
カントリー新入荷
ントリー発掘、編集モノ新入荷
映像ものお勧め作品
教則ものお勧め
楽器
輸入雑誌
月刊『ムーンシャイナー』
B.O.M.ご利用方法


 今年もあたらしいカレンダーが開きました。この1年、相も変わらず元気に「いい音楽」を一生懸命に探して、紹介していきたいと思っています。なにとぞ、よろしくお願いします。
◆昨秋創刊30年を迎えた月刊ムーンシャイナー誌の最新1月号(\525-)は、アール・スクラッグスの右手の表紙写真にメイン特集は、村片和彦のアール・スクラッグス奏法解析「俺、アールやもん」と、先月号の50年前のフラット&スクラッグス『カーネギーホール』で「マーサ・ホワイト!」を叫んだ本人の当時のリポート「アール・スクラッグス異聞」ほか、市川慎一郎のボジョアギター“Slope D”「バンジョーキラー」修理リポート、若手ドブロ宣言「ドブロだって主役!」、60年前の1953年1月1日にアパラチア山中で息を引き取ったハンク・ウィリアムズの最後の1年ドキュメント、フットヒル・ドライブ「アメリカツアー記」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
 月刊ムーンシャイナー定期購読は1年間(12冊)

\6,000- 半年間(6冊)\3,300-。単冊は\525-ですが、ぜひとも定期購読をお願いします。購読開始希望月をお知らせください、早速お送りします!!

またムーンシャイナー情報提供、そしてご自由なテーマでのご寄稿など……、なにとぞご協力を、よろしくお願いします!

【2013年版ブルーグラス・カレンダー!】
  CCBC-2013 BLUEGRASS CALENDER『2013 Bluegrass In Nashville!』\1,890-(本体\1,800-)

毎年恒例、ブルーグラス・ファン必携ブルーグラス・カレンダーは、毎日のブルーグラス界の歴史的出来事やミュージシャンの誕生日などが記されたバージョン。今回は「ブルーグラス・イン・ナッシュビル」をテーマに、ナッシュビル生まれの女性写真家、エーレン・アンノ(ムーンシャイナー誌11月号グラビア担当)がステーション・イン、ライマン公会堂、グルーン・ギター等々、御馴染みのナッシュビル・スポットで撮影したアーティストショット。今年の主役はJ.D.クロウ、ラリー・スパークス、エディ&マーサ・アドコック、ジェシー・マクレイノルズ、メルビン・コーインズ、クリス・ジョーズ、ロニー・レノ、スペシャル・コンセンサス、ジェイムズ・キング・バンド等々。レターサイズ(変形A4)よりやや大きめの「30cm X 22cm」が見開きとなり、壁に掛けられる。何よりも、毎日のブルーグラス界の出来事で、その日に聴くアルバム探しにも便利(昨年のカレンダーにはなかったけれど、復活しています!)。ブルーグラス・ファンなら持っておきたい恒例のカレンダー。

 
 ■イベント
  以下、ムーンシャイナー誌に寄せられたイベントです。今年も、われわれの標語は、「Buy Studio Releases! ...and Go to Live Shows!!」。市場原理優先の新自由主義経済の中、ブルーグラスなどの音楽ジャンルは、みんなでサポートし合うことも大切だと思います。ムーンシャイナー誌への情報は、発行月の前月10日まで。今年も1年、なにとぞよろしく、お願いします!!

●Taro & Jordan 全国ツアー1月18日から

マンドリンとギターの驚異的なグルーヴとハイテク・インストデュオ、CDアルバム『Did I Laugh in your Dream?』(JMD-001 \2,000-)発売記念ツアー。北海道の追加公演が決まり、沖縄まで、まさに全国ツアーです。東京(1月18日)、横浜(1.19)、仙台(1.20)、盛岡(1.21)、鎌倉(1.23)、名古屋(1.24)、金沢(1.25)、広島(1.27)、岡山(1.29)、大阪(1.30)、京都(1.31)、札幌(2.8)、沖縄(2.10)。

ツアー詳細は、http://www.ann-grassroots.com

●1月19日(土)北海道「北大ブル研ニューイヤーコンサート」札幌・琴似パトス。17時開演、\200-

札幌ブルーグラスフェス(札フェス)の主催、北海道のブルーグラスを支え続けている北海道ブルーグラス研究会。12月2日には、一般客を多く動員し、初めて開かれた北海道の冬フェス「小樽ブルーグラスサミット2012」で、出演20バンドのうち北大ブル研から15バンドが参加。また同月14日には、おそらく初めてという北海道大学軽音楽研究会とのジョイントコンサート、そして同16日にはふたりの留学生を擁して「Hokudai World Music Fest.」に参加するなど、積極的なブルーグラス・プロモーションを繰り広げている。1月19日にも「ニューイヤーコンサート」を予定している。

詳細は、http://blueken.blog85.fc2.com/

●1月19日(土)新潟「第21回新潟ジャズストリート/ブルーグラスコーナー」新潟、カポタスト025-250-0290。16時〜\1000-。

新潟市内一帯で開かれるジャズ・イベントの間、今年も「ブルーグラス・コーナー」が中央区米山の「カポタスト」(025-250-0290)で催される。出演は、グラスピッカーズ(戸貝純夫g、間道夫bj、山田清孝m、西方信夫db、石黒一徳bs)、ディセンバー(渡辺尚登g、渡辺美枝子g)、谷やん&もーやん(谷口敏郎m、長谷川光g、佐藤俊次f)、アイランドグラス(磯野正博m、飯田徹g)、そして関西から、関関同プー(中井均g、松尾直m、長谷川光bj、渥美博也bs、佐藤俊次f)。

詳細は、http://www.niigata-jazzstreet.com/

●1月26日(土)兵庫「神戸大学ドブロ・ライブ」神戸・六甲道、Maiden Voyage(078-805-0899)。14時半、\1200-(ワンドリンク付)。

曰く、「普段マイノリティなドブロ弾きも主役になりたいということで、神大ドブロ弾き6人が各バンドを引き連れてライブをすることになりました。拙い演奏ではありますが、ご都合がよろしければぜひお越しください! ドブロを持ってきて頂いて"Fireball Mail"を一緒に演奏しましょう!」と若者たち。お問い合わせ、白倉侑華oyuka0801@gmail.com

●1月26日(土)広島「ルーツ・ミュージック・フェス vol.8」福山、ハイダウェイ084-965-0410。

マエドリンこと、前田宏樹率いる若いブルーグラス・バンド「フットヒルドライブ」の特集で紹介されたイベント。マエドリン曰く、「現代音楽のルーツとなった、音楽を見直そうと、この企画を始めて早8年目。古き良き時代のサウンドを、昔のままのスタイルで演奏する各ジャンルのバンドたちを集めての新春ライブ!」

●そのほか、コンサーツ&フェスよりイベント紹介

1月19日(土)奈良「奈良WIC新年会」新大宮駅オーシャンブールバード(0742-35-0461)

1月20日(日)愛知「名大ブルーグラス・サークル定期演奏会」名古屋市栄、愛知県芸術劇場。15時、無料(問)名大ブルーグラスmeidai_bluegrass@yahoo.co.jp

1月26日(土)埼玉「第6回所沢カントリー・ミーティング/新春所沢カントリー・チャリティ音楽祭2013」所沢市並木公民館。12時、入場時:寄付一口\500-(問)ロイ田沢04-2942-0552

1月26日(土)東京「マック杉崎:SPレコードでオールドタイムを聴く会」両国フォークロアセンター/一ツ目ギャラリー03-3631-8273。17時、\1500-

今月の新入荷作品
 (これまでにレターで紹介したことのない作品)
RCSI-1081 RUSSELL MOORE & IIIRD TYME OUT『Timeless Hits From the Past Bluegrassed』CD \2,888-(本体\2,750-)

IBMAアワードの最優秀男性ボーカルを5回受賞という輝かしい経歴のラッセル・ムーアを中心としたサードタイム・アウト。ブルーグラス新入荷参照。

ROU-9153 JAY UNGAR & MOLLY MASON FAMILY BAND『Fiddler's Holiday』\2,363-(本体\2,250-)

アショカン・フェアウェルの作者として知られるジェイ・アンガー&モリー・メイソンとその家族によるファミリー・バンドとメリー・ワシントン大学交響楽団の共演による心温まるクリスマス・コンサートの模様を収めた作品。

BACM-398 BARRIER BROTHERS『Bluegrass Classics』CD-R \2,573-(本体\2,450-)

これは凄い!アーリー・ブルーグラス大名演。ベニー・マーティンのフィドルも秀逸な大推薦作品。ブルーグラス発掘参照。

DS-010 BYRON BERLINE BAND『Runaway』CD\2,573-(本体\2,450-)

ブルーグラス・フィドル界の偉人バイロン・バーライン2011年作品は、クラレンス・フリークらもニンマリの、楽しい楽しい1960年代ウエストコースト名曲カバー集。ブルーグラス新入荷参照。

COMP-4585 HILLBENDERS『Can You Hear Me?』CD\2,573-(本体\2,450-)

ミズリーから登場したロックスピリットを持つ強力エナジーグラス。ブルーグラス新入荷参照。

DB-2012 CHRIS BRASHEAR『Heart of the Country』CD\2,573-(本体\2,450-)

ジム・ルーニーのプロデュースによるクリス・ブラシアーのソロ第二作。ブルーグラス新入荷参照。

COMP-4590 JIM LAUDERDALE『Carolina Moonrise』CD\2,573-(本体\2,450-)

現在ナッシュビルの活きのいいブルーグラス・スーパーピッカーを集めたジム・ローダーデイルのすばらしい最新作。ブルーグラス新入荷参照。

ARH-9063 BLUE SKY BOYS『Presenting The Blue Sky Boys』CD \2,079-(本体\1,980-)

映画『ペーパームーン』のBGM、あのフンイキそのままのブルースカイ・ボーイズ60年代録音のCD化。フォーク/オールドタイム新入荷参照。

BACM-388 JIMMIE WILLIAMS & RED ELLIS『Classic Bluegrass Gospel』CD-R\2,573-(本体\2,450-)

スタンレー・ブラザーズとの共演で知られるジミー・ウィリアムス(m)とレッド・エリスによる初期のブルーグラス・ゴスペル。ブルーグラス発掘参照。

RHR-253 PETER OSTROUSHKO『The Mando Chronicles』CD3枚組\4,725-(本体\4,500-)

優れたマンドリン奏者/作編曲者として知られるピーター・オストルシュコの世界観をまとめた超大作。インスト新入荷参照。

MNJS-0001 城田純二&内藤希花『Mareka & Junji: Music in the Air』CD\2,500-(本体\2,380-)

城田と内藤のアイリッシュ・デュオ最新第2作。インスト新入荷参照。

TVCD-6020 V.A.『30 Fiddler's Greatest Hits』CD\2,079-(本体\1,980-)

TV通販向けに企画された1960年代のナッシュビル・フィドラーの30曲集。インスト新入荷参照。

RCSI-1079 GRAZZ MATAZZ『Deliquent Minor』CD\2,573-(本体\2,450-)

1984年、大塚章がワシントンDCで結成したグラズマタズのアルバム初CD化。べラ・フレック、ジェスロ・バーンズも参加。ブルーグラス発掘参照。

OTCR-003 パイレーツ・カヌー『Sailing Home』CD \2,000-(本体\1,905-)

京都のルーツ系女性トリオ“パイレーツ・カヌー”待望の1stフルアルバム。フォーク/オールドタイム新入荷参照。

JASCD-719 CLANCY BROTHERS『Raise A Glass To The Sound Of...』 2CD \2,888-(本体\2,750-)

JASCD-212 KINGSTON TRIO『Close Up:Sold Out』2CD \2,888-(本体\2,750-)

以上2枚、モダンフォークの牽引車、キングストン・トリオと、1960年代にアイリッシュ音楽を米国に広めたクランシー・ブラザーズ初期録音。フォーク/オールドタイム新入荷参照。

SH-4087 WANDA JACKSON『Unfinished Business』CD\2,888-(本体\2,750-)

まだまだ元気なワンダ・ジャクソン、31枚目の最新スタジオ作品。カントリー新入荷参照。

GTR-0301 SWEETHEARTS of the RODEO『Restless』CD\2,573-(本体\2,450-)

1986〜96年まで活躍した姉妹デュオ、再結成した最新作。カントリー新入荷参照。

BACM-399 RITA ROBBINS with DON WINTERS & HAWKSSHAW HAWKINS『Don'st Take All The Love』CD-R\2,573-(本体\2,450-)

50年代のRCAカントリー黄金時代の女性シンガー、ホークショウ・ホーキンズや兄ドン・ウィンターとのデュオほかを含む全26曲。C.アトキンス参加。カントリー発掘参照。

BACM-385 V.A『Custom Made Hillbilly』CD-R\2,573-(本体\2,450-)

「B.A.C.M.(British Archive of Country Music)」という、イギリス人の凝り性を見事に表わしたレーベルのすばらしい新シリーズ「特注ヒルビリー」の第一弾。カントリー発掘参照。

JASMD-3630 JEAN SHEPARD『First Lady of Country』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

JASMD-3628 HANK THOMPSON『Headin's Down the Wrong Highway』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

JASMD-3624 LOUVIN BROTHERS『There's a Higher Power』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

以上三枚、ジーン・シェパード、ハンク・トンプソン、ルービン・ブラザーズの各々初期の録音を集めた廉価2枚組作品。カントリー発掘参照。

HOTR-4668 V.A.『Heart of Texas Duets』CD\2,573-(本体\2,450-)

テキサスの心、ホンキートンクの灯をかたくなに護るその名も、ハート・オブ・テキサス・レコードのデュエット物20曲集。カントリー発掘参照。

ブルーグラス新入荷
  RCSI-1081 RUSSELL MOORE & IIIRD TYME OUT『Timeless Hits From the Past Bluegrassed』CD \2,888-(本体\2,750-)

Gentle On My Mind/Modern Day Bonnie And Clyde/Golden Ring (Featuring Sonya Isaacs)/The Old Home Place/Only You/Take Me Home Country Roads/My Window Faces The South/Farewell Party/Big Spike Hammer/Tulsa Time/Mama Tried/John & Mary (Featuring Pam Tillis)

IBMAアワードの最優秀男性ボーカルを5回受賞という輝かしい経歴のラッセル・ムーアを中心としたサードタイム・アウトがハートフォードのGentle On My Mindやニュー・サウスのOld Home Place、J.デンバーのカントリー・ロード他、有名曲をブルーグラス・スタイルで演奏しているお勧め盤がクラッカーバレル限定でリリース。ソニア・アイザック(アイザックス)を招いたジョージ・ジョーンズ&タミー・ワイネットのヒット曲Golden Ringやドゥワップの名曲"Only You"等々、圧倒的な唄の上手さで楽しく聞ける作品。

  COMP-4590 JIM LAUDERDALE『Carolina Moonrise』CD\2,573-(本体\2,450-)

Iodine/Triple Crossroad Blues/I Won'st Let It Show/Troublemaker/Fiddler's Heaven 他全13曲

ラルフ・スタンレーとのコラボで知られるジム・ローダーデイルとグレイトフル・デッドの作詞家として知られるロバート・ハンターが共作したブルーグラス曲を、サム・ブッシュ・バンドのスコット・ベスタル(bj)、マウンテンハートのアーロン・ラムジー(m)、IBMA最優秀ギタリストのジョッシュ・ウィリアムズ、凄腕ナッシュビル・セッションマンのティム・クロウチ(f)、ジェイ・ウィーバー(bs)をプロデューサーでもあるランディ・コーアズ(d)がまとめた、これが凄いスーパーバンドで演じる痛快ブルーグラス作品。なんたって凄いメンバーが紡ぐ現代ブルーグラスの粋に乗って、ベイカーズフィールドで名を馳せたものの、ノースカロライナのブルーグラス生まれのジム・ローダーデイルが見事に歌い切るすばらしい現代版ストレートブルーグラス。アリソン・ブラウンの主宰するコンパス・レコードから初めてのリリースだ。

  COMP-4585 HILLBENDERS『Can You Hear Me?』CD\2,573-(本体\2,450-)

Train Whistle/Concrete Ribbon/Town Away/Talking in Your Sleep/Past the Point of Rescue/Heartache Thunderstorm/Gettysburg/Game Over 他全12曲

2009年のテルライドフェスの最優秀ブルーグラスバンドに輝いたミズリーのロックスピリット溢れる強力エナジーのニューグラス。なんと全米シングル・マイク(ワンマイク)コンテストの優勝バンドでもあるヒルベンダーズの全米デビュー作。チャッド・グレイブズのイケイケ・ドブロが縦横に駆け回り、ソウルフルなボーカルのマンドリン奏者ノーラン・ローレンス、カリフォルニア生まれの無手勝流バンジョー(わたし好みの)マーク・キャシディ、従兄弟のギタリストとベースのジム・リアとゲイリー・リアの5人組。キャディラックスカイやスティールドライバーズらと同じ流れにあるものの、さらにそのファンキーさと怖いもの知らずのリフとアレンジ、ニューウェーブのザ・ロマンティックスのカバーのほかオリジナル中心だが、2曲のインストとともに快感的無鉄砲さが実にいい。元気の出るニューグラスだぞ!!

  DB-2012 CHRIS BRASHEAR『Heart of the Country』CD\2,573-(本体\2,450-)

The Old Pueblo/Listen To Me Mother/Green Summertime/Today I Saw the Longest Train 他全13曲

ボブ・ブラック(bj)やジョディ・ステッカー(m)らとのパーフェクト・ストレンジャーズでのフィドラーとして活躍のほか、ローリー・ルイス・バンドにもいたクリス・ブラシアーのソロ第二作。ブルーグラス・ソングライターとして高い評価を持つクリス、今回は中西部を旅したときに出会った人々、たとえば田舎のダンサーたちを描いた"Mama's Opry"、老人がつらかった昔を思い起こす"Time the Perfect Stranger"、春の霞の中の"Hills of Arkansas"、そしてブルーグラス・フェスの最終日、ジャムで来年までの別れを惜しむ"Tell All My Pickin's Friends Goodbye"など13曲中9曲のオリジナル、日常の人々の営みを切り取った朴訥な物語をジム・ルーニーが優しくプロデュースする。バックアップにはティム・オブライエン、マイク・コンプトン、アル・パーキンス、リチャード・ベイリー、ジム・ワトソン、マイク・クレイバーほか、ブルーグラス/オールドタイムのベテランたち。

 

DS-010 BYRON BERLINE BAND『Runaway』CD\2,573-(本体\2,450-)

Never Ending Love/Hello Mary Lou/Memphis/Oklahoma Hills/Last Train To Clarksville/Dark Hollow/Run for Your Life/Farther Along 他全16曲

先月紹介したビル・モンロー曲集『Thanks Bill Monroe』の1作前、2011年に発表されたバイロン・バーライン・バンドの新作。ブルーグラス・フィドルにスムースなテキサス・フィドルのテイストを持ち込んだバイロン、オリジナル・フィドルチューンを1曲目に、出るはデルは!カリフォルニアンな陽気なブルーグラスロックの名曲カバー、そしてトレードマークの強引なフィドルグルーヴ。ケンタッキーカーネルズからカントリーガゼットにつながるカリフォルニア・ブルーグラスの乗りを創るのは、バイロンのフィドルとマンドリンに僚友ジョン・ヒックマン(bj)、グレッグ・バージェス(f,g)、ジム・フィッシュ(g)、リチャード・シャープ(bs)、スティーブ・ショート(drums)。特筆すべきはジム・フィッシュのクラレンス・ホワイトをベースに、そののちのウエストコースト風ギターを思いっきり聴かせてくれる「クラレンス・フリーク」ぶりはニタリ!の楽しさ。ボブ・ウィルスからチャック・ベリー、そしてリッキー・ネルソン、ビートルズにモンキーズ、ディレイニー&ボニーやヤードバーズ等々、ま、1960〜70年代ウエストコースト・ヒットパレードのブルーグラス版といった楽しさも味わえるピッキンオン・シリーズ的作品だが、さすがブルーグラス・フィドル史に名を残す偉大なバイロン・バーラインほか第一線を退いた大ベテランたちの、ボーナスに10分もの"Darling Corey"ジャムを収めたりした1時間以上のCD、お遊びが実に楽しそうで、ついつい最後まで付き合ってしまう!

 ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
  BACM-398 BARRIER BROTHERS『Bluegrass Classics』CD-R \2,573-(本体\2,450-)

Blue Moon of Kentucky/Gotta Travel On/Polka On a Banjo/Crying My Heart Out Over You/My Little Georgia Rose/Salty Dog Blues/Earl's Breakdown/Cabin in the Hills/Flint Hill Special 他全28曲

上記1曲目から9曲目まで、これでもか!とばかりのビル・モンローとフラット&スクラッグスのヒット曲オンパレード。この調子で全28曲、次から次へとブルーグラスを創ったモンローとフラット&スクラッグスが(数曲は違うけど)、なんと、チョッとだけどスタンレー風のボーカルとバンジョーで――つまり、モンローの「激」とレスターの「味」とアールの「技」を抜いて――聴かせてくれる。さらに全編を駆け抜けるというか縫いまくるというか、わがアイドル、ベニー・マーティンのフィドルが所構わず顔を出す楽しさ。メジャーのフィリップ・レコードから『Golden Bluegrass Hits』と『More Golden Bluegrass Hits』(共に1962)として日本やヨーロッパでも発売され、広くブルーグラスを世界に紹介したバリア・ブラザーズ。その二枚のアルバムを順に24曲収め、1960年にシングルで発表した4曲をプラスした全28曲。トラッドグラスファンに強力お奨めの60年代ブルーグラス大名盤である(ただし、マンドリンがなきゃダメとか、スネアが入っているとだめという人にはゴメン)。ブルーグラスのフィドルとバンジョーの役割、そしてトリオハーモニーのイロハまで、「激」/「味」/「技」抜きの聴いていて気持ちいいブルーグラスが存分に楽しめる秀作だ。

  RCSI-1079 GRAZZ MATAZZ『Deliquent Minor』CD\2,573-(本体\2,450-)

Mapleview Rag/Walkin'sOne and Only/Oh, Lady Be Good/One Morning in May/After You'sve Gone/Yodel Lady 他全10曲

ブルーグラス45の大塚章(m)とアルとパティ・ぺタウェイ(元)夫妻のグラズ・マタズが残した唯一のアルバム。ジェスロ・バーンズやベラ・フレックらをゲストに、マイク・オルドリッジやピート・ケネディらワシントンDC地区の優秀なミュージシャンを集め、パティの女性ボーカルを生かしたトラッドやスタンダードなど、ドーグ以降のアコースティック・スウィング作品として、1985年にワシントンDC地区の音楽家連盟のアワードショウである「ワミー」の最優秀アルバムにも選ばれた秀作。なおアルは2005年、フィンガーピッキンによるヘンリー・マンシーニ曲集『Henry Mancini, Pink Guitar』でグラミー賞最優秀ポップインストアルバムを受賞している。また大塚は昨年、念願の初ソロアルバム『First Tear』(PATUX-231 \2,573-)を発表、11月にはブルーグラス45との全国ツアーで久々に来日、ムーンシャイナー2012年10月号で大特集がある。

  GT-3002 RALPH STANLEY & JIMMY MARTIN『First Time Together』\997-(本体\950-)

I'sm Going Down the Road/In the Pines/Rabbit in the Log/Footprints in the Snow 他全10曲

1980年3月、ラルフ・スタンレー(1927-)とジミー・マーティン(1927-2005)というブルーグラス界のビッグネームが初共演、タイトルもそのまんま『初共演』としてLP発売された非常に珍しい企画作品の2004年に超廉価盤として発表された2度目のCD化。ラルフはアパラチアの山の香りを色濃く継いだ孤高のトラッド、一方ジミーはモンローとのハイロンサムを経たのちジョージ・ジョーンズらのねっとりホンキートンクのコブシを取り入れた俗っぽさ……といったイメージがあるが、これが意外に仲が良く、見事にハモる。おそらくカーターもそうであったように、スタンレー兄弟の本質は(ほかの大方の職業ミュージシャンと同様)田舎のスター、つまりおばちゃんたちの胸に響く王道の田舎ソングであり、スタンレーズの故郷からそう遠くない同じアパラチアの山奥から出てきたジミー・マーティンがビル・モンローの精神性だけに留まってばかりはおられず、折からのホンキートンクを取り入れたやはり王道の田舎ソングを志向したのだろう。ミュージシャンのクレジットがないが、ジミーのバンドにラルフとカーリー・レイ・クラインのふたりが参加したと思われる。「俺が教えた通り弾けよラルフ!」といったジミー独特の合いの手に負けず、「おー、えーどえーどジミー」と合いの手を入れてしまうラルフ……。オリジナルのLPも10曲だったが、何故か1995年のCD化にあたって"Stone Walls & Steel Bars "が"I'sm Coming Back But I Don'st Know When"に、"Darling Brown Eyes"が"Old Cross Road"に、"I Only Exist"が"Sunny Side of the Mountain"に入れ替わっているが、その3曲はラルフとジミーの共演に間違いないのでご安心を。ただ、オリジナルLPにもこのCDにも収められている"Don'st Let Your Sweet Love Die"にはラルフの音が聴こえない……という不思議アルバムだ。どなたか、この事情をご存知の方は教えてください。

  BACM-388 JIMMIE WILLIAMS & RED ELLIS『Classic Bluegrass Gospel』CD-R\2,573-(本体\2,450-)

Sinner's Dream/Drunken Driver/Rank Stranger/No Depression in Heaven/Sweetest Dream 他全29曲

オールドファンには懐かしいザ・ヒューロン・バレー・ボーイズで知られるレッド・エリス。彼が日本盤にもなった『Sacred Sound of Bluegrass』(1962年末)を発表する前、1958〜1962年までコンビを組んだジミー・ウィリアムズは7歳で近所のサムとポール・ハンフリー兄弟と音楽をはじめたという。このポール、ジミーとブラザーデュオを組んだために、こののち現在もポール・ウィリアムズという芸名を続けることになる、あのポールだ。そう、ジミーとボールは揃ってロンサム・パイン・フィドラーズに参加、ジミーが抜けたのちの1952年10月にジミーの書いた"That's Why You Left Me So Blue"というブルーグラス名曲をポールのボーカルで録音している。そののちジミーはマック・ワイズマンに参加、スタンレー・ブラザーズのリッチ・R.トーン録音とマーキュリー録音に名演を残している。ここに収められた録音はふたりが1958〜1962年にスターデイに残したLP『Holy Cry from the Hills』の18曲とシングル11曲。カントリー・ジェントルメンが取り上げたふたりのオリジナル"These Men of God"ほかのすばらしいオリジナル・ゴスペルに、古くはマック&ボブからレスター・フラットの名唱でも知られる"Eastbound Train"、レノ&スマイリーの"Someone Will Love Me In Heaven"、モンローの"I'sm Working on a Building(Holy Ghost Building)"ほか、主にジミーとレッドのモンロー系の抑え難い衝動を体現するような強烈なハイロンサム・デュオを中心に、曲によってジョージ・ウッディやクランフォード・ニックス(bj)、エド・ブライアントやボビー・スティルトナー(f)らとのフルメンバーで、スリーフィンガーもフィドルも初期の荒々しいテクニックを残したアーリーブルーグラスの魅力を堪能できる。ジミーは1962年から福音派の牧師となっており、ここに歌われるゴスペル(伝道)の道を歩んでいる。初期スターデイ録音の荒っぽさとともにビル・モンローが提起した「ア・ボイス・フロム・オン・ハイ」の精神が見事に息づいた、一般の人には聴き辛いかもしれない上等なアーリーブルーグラス!

  KCD-508 LESTER FLATT『One & Only』\1,360-(本体\1,300-)

Sunny Side of the Mountain/I'sm Gonna Sleep with One Eye Open/Mocking Banjos/Little Maggie/Flatland Two Step/Down the Road 他全10曲

レスター・フラットがフラット&スクラッグス解散後の1969年、コロムビアを出てRCAレコードと契約をするまでのほんの短い期間、ナゲット・レーベルに録音したナッシュビルグラスとしての最初の録音から8曲と、なぜかフラット&スクラッグス初期マーキュリー録音の2曲を加えた全10曲の廉価盤。息子たちとロックに向かうスクラッグスとは対照的に、トラッド回帰したフラット。オリジナルLP全11曲から"Daddy Sang Bass"をカットして(かつてのCD化『Lester Flatt: At His Best』に際してもカットされていた)、"Roll In My Sweet..."と"We'sll Meet Again..."の2曲をなぜマーキュリー録音と差し替えた(69年作品にも同2曲は新録音として収録)のか?エーかげんな編集には困ったものだが、アンクル・ジョッシュ(d)、ポール・ウォーレン(f)、ジェイク・ターロック(bs)というフォギーマウンテンボーイズをそのまま引き連れ、ローランド・ホワイト(m)とビック・ジョーダン(bj)をあたらしく迎えたレスター・フラット55歳の貴重な再出発が聴けるのは、現在このCDのみである。

 今月の話題作
 ブルーグラス/オールドタイム/カントリーなどジャンルにかかわらない、注目のお勧めアルバム!
■第55回グラミー賞ノミネート作品
 今年も2月日、米音楽業界の祭典2012年度の総括、グラミー賞の最優秀作品が発表される。以下、ブルーグラス/アコースティック関係の注目ノミネート作品です。
【ベスト・ブルーグラス・アルバム】
  ●デイリー&ビンセント『The Gospel Side of Dailey & Vincent』(ROU-9124 CD\2,573-)

圧倒的なハーモニーとステージングで、現在ブルーグラスのトップグループのひとつ。もっとも得意とするゴスペルをドラマチックに表現した秀作。

 
  ●ザ・グラスカルズ『Life Finds A Way』(MH-1390 CD\2,573-)

テリー・エルドリッジとジェイミー・ジョンソンのボーカル二枚看板に、IBMA最優秀バンジョー奏者の紅一点クリスティン・ベンソンらスーパーピッカーを配した現代版オズボーン。

  ●ノーム・ピケルニー『Beat the Devil and Carry a Rail』(COMP-4565 CD\2,573-)

ベラ・フレックの次、21世紀のブルーグラス・バンジョーをリードするパンチ・ブラザーズのノーム・ピケルニー、豪華でバラエティに富んだバックアップも含めて、現在最先端のブルーグラスを一望できるすばらしいバンジョーアルバム。"Jim Thompson's Horse"と"Fish & Bird"のタブ譜はバンジョーニューズレター誌2012年3月号(\525-)。

  ●スペシャル・コンセンサス『Scratch Gravel Road』(COMP-4573 CD\2,573-)

ブルーグラス不毛の地だったシカゴを本拠に37年、プロとして生き延びてついにグラミーノミネートというビッグチャンスを得たスペシャル・コンセンサス。IBMA理事長を長年務めたグレッグ・ケイヒルの人柄とビジョン(教育現場にブルーグラスを普及)同様、素晴らしくバランスの取れた現代ブルーグラス作品。ビル・モンローに捧げた"Monroe"ではかつてのメンバー、ジョッシュ・ウィリアムズやクリス・ジョーンズが参加。ちなみ同時にグラミー候補になったノームは、シカゴ近郊で同じ町内会の子供だったという。

  ●スティープ・キャニオン・レンジャーズ『Nobody Knows You』(ROU-0648 CD\2,573-)

名門ノースカロライナ大学チャペルヒル校の学生バンドとして一からスタートした彼ら、大学生からブルーグラスを始めたという新鮮な視点からのオリジナル曲とバンドアンサンブルが秀逸。俳優スティーブ・マーティンとの共演以前、すでにIBMA最優秀新進バンドを受賞していた実力派。

 【そのほか、話題のノミネート作品】
  ●キャロライナ・チョコレート・ドロップス『Leaving Eden』(NONE529809 CD\2,573-)

2005年のノースカロライナ州ブーンで開かれた「ブラック・バンジョー・ギャザリング」を契機に、その中心女性リーアノン・ギデンズが結成、20世紀以降は白人音楽とされるオールドタイム・ストリングバンドを19世紀に黒人たちが楽しんだという視点で演じる、ノンサッチから三枚目の秀作が最優秀フォークアルバム候補。

  ●ヨー・ヨー・マ、ステュアート・ダンカン、エドガー・マイヤー、クリス・シーリ『Goat Rodeo Sessions』(COL-97716 CD+DVD\2,573-)

クラシック界のセレブ、ヨーヨー・マとエドガー・マイヤーがクリス・シーリとステュアート・ダンカンを迎えて創ったブルーグラス室内楽。マ自身が「ブルーグラスアルバム」という本作、クルキッド・スティルのイーファ・オドノバンをゲストに、大胆にして繊細なアンサンブルを聴かせるアコースティック大秀作が最優秀フォークアルバム候補。イーファが参加したことでアパラチア色が濃くなったための最優秀フォークアルバム候補だろうか。ムーンシャイナー2012年2月号にカバーストーリー。

  ●タイム・ジャンパーズ『Time Jumpers』(ROU-9148 CD\2,573-)

1998年、ナッシュビルのセッションマンたちが仕事の暇な月曜夜、ブルーグラスライブで知られるステーションインに集まって遊びはじめたのがバンドの始まりというタイム・ジャンパーズ。現在カントリー界のスーパーピッカーたちにビンス・ギルまでが加わった彼ら、初めてのスタジオ録音アルバムが最優秀アルバムとデュオ/グループ演奏のカントリー2部門にノミネート。

B.O.M.特選コーナー
 ムーンシャイナー誌の特集ほか新旧問わず、今月のBOMからのイチオシ作品!
■ムーンシャイナー2013年1月号より
  KOCH-7929 FLATT & SCRUGGS『at Carnegie Hall』CD\2,573-(本体\2,450-)

12月号のカバーストーリーにつづいて、ちょうど50年前、この歴史的なライブ盤で、あの「マーサ・ホワイト!」と叫んでいた当人からの回顧ストーリー。1962年12月8日、カーネギーホールで収録され1963年8月に発売されたこの名盤に隠されたストーリーは、編集長のわれながら大ヒット。とにかくこの名盤、あのオリジナルLPに収められていたのは13曲、ところが1998年にCD化された本作には、なーんと全32曲、収録時間77分。1960年代、信じられない完成度を誇ったフラット&スクラッグスを、何度も何度も、じっくりと味わってみませんか?

 
  WOU-8630 FLATT & SCRUGGS『Folk Songs of Our Land/ Fabulous Sound of Flatt & Scruggs』CD\2,573-(本体\2,450-)

そして1月号のカバーストーリーは、アール・スクラッグス奏法。その極めて私的でオタク的な解釈には驚きの発見があるかも? で、スクラッグスの偉大さを話せば、きりがなく、お勧め音源やシリーズ化されたDVD映像は一杯。でも、わたしにとってはレスターの蕩けるようなボーカルとアールのバンジョータイミング/歌心に翻弄される1960年代以降の作品、たとえば本作に収められたようなアルバムこそ宝物。聴いてみてよ!レスターの"Down in the Valley"や"This Land Is Your Land"、カーターファミリーの"Hello Stranger"や"Amber Tresses Tied with Blue"に"A Faded Red Ribbon"、アールの洗練の域に達した"Nine Pound Hammer"や「Key of F」のギターインスト"Georgia Buck"ほか。あの歴史的なカーネギーホールでのライブ(1963年8月発売)をはさんだ2枚、1962年8月発売の『Folk Songs...』と1964年11月発売の『Fabulous...』(謎だった本作のマンドリンはビル・モンローのサイドマンでもあったモンロー・フィールズ)の2枚のLPをCD1枚にまとめた、レスターのボーカルで蕩ける全24曲集。

  COL-77627 LESTER FLATT & EARL SCRUGGS『Foggy Mountain Jamboree』CD\2,079-(本体\1,980-)

おそらくブルーグラス史上、もっとも重要なアルバム。アール・スクラッグスの超有名バンジョー6曲とレスター・フラットの"Blue Ridge Cabin Home"や「新聞売りのジミー少年」、「愛ちゃんは花のよう」など6曲のオリジナルに、オマケが3曲、"Dear Old Dixie"、"On My Mind"、"Pray for the Boys"を加えた全15曲。マンドリンの影が薄いものの、1950〜60年代に「これが典型的なブルーグラス」として多くの人に認知された大名盤。ちなみに本作のバンジョー、バックアップも含めた完全コピーTAB譜 (TIM-3 Book\1,050-)がある。

  SH-4040 BRYAN SUTTON & Friends『Almost Live』CD\2,573-(本体\2,450-)

現在ブルーグラス・フラットピッキンの最高峰と言われるブライアン・サットンの「バンジョーキラー」と呼ばれる愛器がナッシュビルの洪水で水没、そのギター修理を担当した市川慎一郎氏の「バンジョーキラー復活リポート」。本作は2009年の4枚目になる最近作で、リッキー・スキャッグスのケンタッキー・サンダーでデビューした1995年以来、ブルーグラス最先端で積んできたキャリアの総集編ともいえる秀作。ベラ・フレック、サム・ブッシュ、ラス・バレンバーグ、ジェリー・ダグラス、ステュアート・ダンカン、ティム・オブライエンとホットライズらのゲストピッカーたちとのブルーグラス/オールドタイムやジプシージャズも含んだバトルを経て、クリス・シーリとの目くるめくデュオ"Gonna Lay Down My Old Guitar"で終わるギター弾きまくり快作。なおブライアン・サットン本人のカバーストーリーはムーンシャイナー誌2009年8月号(\525-)にて。

  RMA-0704 マエドリン・カフェ『cafe "bluegrass』CD\1,500-(本体\1,429-)

広島の福山を本拠にする若いブルーグラス・バンド「フットヒルドライブ」特集を寄稿してくれたマエドリンこと、前田宏樹が2007年に神戸大学の秋山龍哉と組んだマンドリン&ギターの若手ブルーグラス・デュオ「maEdolin Cafe」。若者らしい覇気と指離れの良さから生まれるクリアーなマンドリンとフラットピッキン・ギターで、ふたりのオリジナル・インスト2曲とジミー・ロジャーズやレスター・フラットなどのボーカルものに、ジャズ小品、そしてスタンダードのスロー・ゴスペル・インストからビル・モンローでしめる全8曲、若者らしい向こう見ずな突っ込みがすばらしい。ムーンシャイナー誌2007年5月号(MS-2407 \525-)に特集。

  TL-27462 HANK WILLIAMS『Lost Concerts』CD\2,573-(本体\2,450-)

1953年1月1日、ちょうど60年前のアパラチア山中で息を引き取った29歳のハンク・ウィリアムズ。彼の最晩年となる1952年の出来事を追った特集。その記事とぴったり重なるハンク・ウィリアムズ遺産協会所蔵のハンク最後のコンサート、1952年の2ヶ所でのライブ録音の発掘。ひと言ヒトコトをかみ締めるように歌うハンク、コメディセットやジェリー・リバーズの「オレンジブロッサム」、そして敬虔なゴスペルなどをはさみながら代表曲をつぎつぎと歌う5月のライブ。もうひとつは7月13日のサンセットパークでの録音、先の5月録音とこの7月のライブの間、6月13日に、「あたらしい曲を書いて録音したとこなんだ。面白い発音の言葉が一杯出てくるよ」と紹介する"Jambalaya"など、初めて明かされた1952年の最後のハンク、タイムライフ社が昨秋発表した貴重ライブ。こののち、最後にオープリを訪れたボロボロになったハンクをただひとり、声をかけ励ましたのはビル・モンローだけだったという。最後には興味深い1951年9月14日に収録されたインタビュー(6分ほど)も含まれている。60年を経たテープ、音は良くないが、ハンク・ウィリアムズという、20世紀最大のアメリカン・ソングライターのひとりの肉声を通して、何を感じるか?

  R-1190050 トリ・ユニット『Monroe』CD\2,500-(本体\2,380-)

マンドリン奏者「よっさん」こと、吉津正司が昨年12月逝った。ムーンシャイナー1月号で、秋元 慎が心のこもった追悼文を寄せている。1984年頃、「トリ・ユニット」は、中学からの同級生である吉津正司と現在プロのジャズギタリストとしてマヌーシュ(ジプシースウィング)音楽を得意とする川瀬眞司らでブルーグラスバンドとしてはじまった。そののち、吉津、川瀬ともにジャズに傾倒、ベーシスト中村尚美が2007年に参加、ジャズ・トリオとして2011年に発表したアルバム『Monroe』。タイトルはビル・モンローの訃報に接して吉津が書いたオリジナル(フィドルに足立安隆)だが、そのほかはジャズ・スタンダード、I can'st Give You Anything/Broadway/Misty/Swing 39/Take the 'sA's Trainなどを中心にしたスウィング感溢れるアコースティック・スウィング作品全11曲("Little Rock Getaway"には吉崎ひろしのバンジョー)。ムーンシャイナー誌2011年10/11月号の「よっさん」連載特集とともに、あの笑顔を偲びたい……。

■アーリーブルーグラス
今年のキーワードは「アーリーブルーグラス」!

荒削りでエネルギーに満ちていた初期ブルーグラスはロカビリーと肩を並べてドライブしていた!?

  JASMD-3608 V.A.『Bluegrass: That High Lonesome Sound』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

ムーンシャイナー誌12月号で大阪トラッドグラスの伝統を守る「千日前ブルーグラスアルバムバンド」の紹介と同時に特集した「アーリーブルーグラス」へのお誘い。その代表的な録音を集め、イギリスから今夏に発表された一枚。ソニー・オズボーンが14歳で1952年に録音した"Uncle Pen"を1曲目に、1953年発売のラウズ・ブラザーズ"Orange Blossom Special"が2曲目、つづいて1960年代に日本盤が出ていたバリア・ブラザーズ、4曲目ラッキー・チャップマンの"Blue Grass"は、なんとジョン・ダッフィによるアグレッシブなマンドリン・インスト!!……などなど。たしかに録音も良くないし、演奏技術もスーパーなわけない、けれどもこの強烈なエネルギーと、それぞれの曲の深い味わいとウキウキ/ワクワクは何だろう? ……この麗しい!?アーリー・デイズ・オブ・ブルーグラスの雰囲気にどっぷりと浸ることを強力!オススメします!!

 

 
KG-0542 V.A.『Cabin on a Mountain』CD\2,363-(本体\2,250-)

これぞアーリーブルーグラスが遺した珠玉の名演。バーン・ウィリアムズが「バーンとレイ」として世に出した、タイトル曲を含むたった4曲だけのスターデイ録音。ほかにジミー・マーティン&ボブ・オズボーンの大名曲"Blue Eyed Darling"や、同じく胸が裂けそうなハーモニーが凄い"You'sll Never Be the Same"を含む4曲、そしてスコッティ・ストーンマンの強烈"Orange Blossom Special"を含むストーンマンズの4曲の全12曲。現在、いくら技術が発達しても絶対に真似ることのできない、唯一無二のすばらしいアーリー・ブルーグラスの名演集だ。歴史家/研究家でもあるカパークリークレコードのオーナー、ゲイリー・リードが監修した「さすが」の歴史的名演をまとめた秀作である。

  JSP-7731 V.A.『Bluegrass; Early Cuts 1931-1953』CD4枚組\5,775-(本体\5,500-)

アーリーブルーグラスのお宝録音4枚組全96曲、ヒジョーに貴重な初期ブルーグラス録音集。ここに収められているのは1946年に完成された新しいブルーグラス・スタイルに最初に挑んだパイオニアたちの1953年までの録音と、そんな彼らのルーツを解き明かす1945年以前の30年代の、いわゆるプリブルーグラスと呼ばれる録音ほぼ半々に収められている。スクラッグス登場以前(BS)と以降(AS)、南部ストリングバンドの変遷を眺めるのも一興である。ASとは言え、いわゆるカントリーとの境目も判然としない作品の多い1枚目、"COZY"レーベルのロンサム・パイン・フィドラーズやフランク・ウェイクフィールド&バスター・ターナー、ソニー・オズボーンなど、後に名を成す彼らの2枚目、そしてASのジム・イーンズとBSのロイ・ホールを主に収めた3枚目、最後の4枚目にはスナッフィ・ジェンキンスを伴ったバイロン・パーカー&ヒズ・マウンテニアーズやJ.E.メイナーとウェイド・メイナーなどBSの重要なストリングバンドたちを収め、現在のブルーグラスからの観点と同時に、当時に身を置いてみるのも楽しい。

  GT7-2188 V.A.『The Best of King and Starday Bluegrass』CD4枚組\4,725-(本体\4,500-)

アーリー・ブルーグラスにとってきわめて重要な役割を果たしたキングとスターデイ・レコードからブルーグラスのさまざまなスタイル変遷を一望するゲイリー・リード監修の4枚組全100曲に及ぶコンピレーション。プリブルーグラスのJ.E.メイナーズ・マウンテニアーズから、ジミー・マーティン&ボブ・オズボーンのトラッドお宝、スタンレーやレノ&スマイリー、ジム&ジェシーやムーア&ネピアー、レッド・アレン、バズ・バズビー、コニー&ジョーやレッド・エリス、そしてラリー・スパークスからカントリー・ジェントルメン、セカンド・ジェネレーションやニュー・グラス・リバイバルまで、1930年代終わりから70年代はじめまでのブルーグラスを一望するコンピレーション。

ブルーグラスお勧め作品
 (すでにニューズレターで紹介済みの作品です)
■ブルーグラス最近作
 今、旬なブルーグラス・アルバムたち……
  REB-1849 JOE MULLINS & the RADIO RAMBLERS『They Are Playing My Song』CD\2,573-(本体\2,450-)

ジョー・マリンズは、初期スタンレーでキャリアを始めたフィドラーの父ポール(1936-2008)とともに1983年にトラディショナル・グラスというバンドを結成して以来、決してやり過ぎないスクラッグス/オズボーンのビッグバンジョーを標榜するすばらしいバンジョーとテナーを聴かせ、数少ないけれどもシビアなファンを持つ。1995年にジョーがオハイオ州デイトン郊外の放送局を買収するためにバンドを解散するが2006年、ふたたびバンドを結成して活躍をはじめたのがレディオ・ランブラーズ。この4枚目最新作には、ジョーのトラッドグラス調自作曲を1曲目に、ジョニー・キャッシュで知られる炭鉱の厳しさを歌う"Bottom of a Mountain"、スクラッグスのライブから学んだという抑制の効いた"Steel Guitar Rag"...とつづく出だし3曲のほか、ジム&ジェシーで知られるデルモア曲"She Left Me Standing..."、オズボーン・ブラザーズ・メドレー(Windy City/Making Plans/Fair & Tender Ladies/Kentucky)、ベッキー・ビューラー嬢の書いたアカペラ・ゴスペルではジョーのすばらしいリードほか、そして最後はラルフ・スタンレーの名演で知られる父の書いたスタンダード"Katy Daly"のライブで決める。全員が仕事を持つ地元オハイオ出身のブルーグラス仲間で固めたというメンバー、突出したスーパーピッカー/シンガーはいないが、ほぼ結成以来のメンバーでよくまとまったバンドサウンドがすばらしい。昨秋、ナッシュビルの小さな会議室で、生音で聴いた彼らのすばらしさは、ジョーのMCによる古いスタイルのショー進行を含め、数十バンドに接した中でも最高クラス、古き良きブルーグラス・エンタメのすばらしいものだった。彼らにはほかに、2011年作『Hymns from the Hills』(REB-1839 \2,573-)と、2009年自費制作の『Rambler's Call』(MUL-10687 \2,573-)の在庫がある。チョーお勧めバンド!!

 
   BCR-032 THE BANKESTERS『Looking Forward』CD\2,573-(本体\2,450-)

今後の活躍が期待される若者を顕彰するIBMA(国際ブルーグラス音楽協会)のモーメンタム・アワード最優秀ボーカリストの第1回受賞者に選ばれたエミリー・バンケスター嬢のファミリー・バンド、ザ・バンケスターズの最新第三作。サム・ブッシュ・バンドのギタリスト、スティーブ・モウジンのプロデュースで、のびのびとした美声を聴かせるエミリー(f)のほか、アリシャ(m)、メリッサ・トリプレット(bs)の美形三姉妹がリードを歌う8曲と、メリッサの夫カイル(bj,d,lg)の1曲、そして母親ドリーンと父親フィル(g)が3曲の全12曲。女声四部によるアカペラ"Desert Lullaby"ほか、ちょっとケルトっぽいレパートリーにスウィングなど、「歌う天使」といったイメージを持った作品にしている。同時にべッキー・ビューラーの2曲ほか、クリス・ステュアートやクリス・ジョーンズ、ブラッド・デイビスやベス・ディックらブルーグラス系ソングライターの新作を丁寧に演じる素晴らしいバンドでもある。

  RUR-1094 V.A.『MACC Life Goes On』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

現在ブルーグラスのトップランナーたちを一望できる秀作ライブ2枚組。小児ガンと闘う子供たちを援助するチャリティーフェス、1988年に引退状態だったアール・スクラッグスをカムバックさせたことで知られるダレル・アドキンズ主催のオハイオ州フロンティアランチのブルーグラス・クラシック・フェスからのライブ第二作。現在、南部系ブルーグラスの第一線で活躍する139アーティストによる全39曲は、第一作『Celebration of Life』が発表されたのちの2006年から2011年までにフェスで録音されたもの。トップアーティストがずらりと揃った上、このフェス名物の特別企画による珍しい顔合わせなどのお楽しみが一杯作品で、南部系ブルーグラス・トレンドを一望する秀作である。

  ARH-542 LOAFER's GLORY CD\2,573-(本体\2,450-)

Legend of the Johnson Boys/May You Never Be Alone/Let Me Fall/Is There Room for Me 他全13曲

ウエストコーストのサイドマンとして、ザ・ディラーズからジョン・デンバーまで、大きな功績を残したハーブ・ペダーセン(g)がもっとも愛する音楽、トラッドグラスを演奏する新バンド、ローファーズ・グローリーのデビュー作。カントリー・ガゼットで来日したビル・ブライソン(bs)、オールドタイム畑で活躍してきたトム・ソウバー(f)、そしてトムの息子でカリフォルニア一番のマルチプレイヤーというパトリック・ソウバー(bj,m)の4人。フラット&スクラッグスやハンク・ウィリアムズ名曲ほか、厳選されたアーリーブルーグラス回帰は、ハーブが若い頃に参加したバーン&レイを髣髴させる古いブルーグラスが快感だぞ。

  PR-1368 JOHN BOWMAN『Family Chain: The Songs of Joe Isaacs』CD\2,573-(本体\2,450-)

現在もっとも話題のホットなスーパーバンド、ザ・ボックスカーズでさまざまな楽器をこなし渋いサイドマンぶりを見せるブルーグラス職人ジョン・ボウマンの最新ソロ・プロジェクト。ファミリーゴスペル・バンド、ジ・アイザックスの父親でジョンの義父となったジョー・アイザックスはスタンレー・フリークとしても知られるすばらしいミュージシャンでシンガーソング・ライター、敬意と愛情を込めてジョーの作品を集めたのが本作。実に趣味のよいバンジョーとギター、何よりもそのさわやかにしてクセのない美しいボーカル。そしてマンドリンにはアダム・ステッフィ、フィドルにはジミー・エドモンズ(有名バンドに参加していないが、こんな人がいるだよ!)、ベースにベン・アイザックス、ドブロにはロブ・アイクス。どの曲も渋いブルーグラス臭100%の名曲だらけ、ジョンの控えめのミュージシャンシップがその美しさを際立たせる名演だ。すばらしく美しいバランスの取れたお勧めブルーグラス。

  RUR-1104 DARRELL WEBB BAND『Breaking Down the Barriers』CD\2,363-(本体\2,250-)

19歳でロンサム・リバー・バンドに加入以来、J.D.クロウのニューサウス、ロンダ・ビンセントのザ・レイジ、マイケル・クリーブランド&フレームキーパーズなど、高校卒業後から数々のメジャーバンドを経験した東テネシーをベースにする才人にして、すばらしいテナーボイスの持ち主でマルチプレイヤー(メインはマンドリン!!)ダレル・ウェッブ。自らのバンドを率いて2010年のデビュー作『Bloodline』(RHY-1064 \2,573-)につづく最新第2作。間違いないイーストテネシー産ブルーグラス。

  LDR-036 RICHARD BENNETT『Last Train From The Poor Valley』CD\2,573-(本体\2,450-)

ニューサウス時代のトニー・ライスを髣髴させるギター&ボーカル、リチャード・ベネットの最新ソロ。バックアップにはロン・スチュワート(bj,f,m)、J.D.クロウ(bj)、リッキー・シンプキンス(f)、ダニー・バーンズ、シェイン・バートリー(m)ら、マール・ハガードを1曲目に、ジョン・ハートフォードやカーターファミリーやトラッド、ウィリー・ネルソンやトム・パクストンほか、自身のスペースグラス調インスト2曲も含みつつ、馴染みのカバー曲が次々と楽しいブルーグラス。70年代から故郷ケンタッキーで活躍、1990-95年まではJ.D.クロウ&ニューサウス、1996年にルー・リード&カロライナ、1998年にはジミー・グドローとマイク・オルドリッジとともにトリオ結成して4年間活躍、その間にトニーのトラとしても活躍した、トニー本人も認める!?トニー・ライス・クローンである。最後の曲"Tennessee Waltz"のギターソロまで、全12曲で楽しませてくれるそのシュアなトニー・ライス・ピッキンは相変わらず冴え渡る。

  RUR-1103 LONESOME RIVER BAND『Chrology Vol.3』CD\2,079-(本体\1,980-)

1982年結成から2012年、ロンサム・リバー・バンドの30年を記念して、かつてのLRBのヒット曲を最新メンバーへで再演する廉価三部作の完結盤である。各10曲ずつ、今回の最後の曲は、やっぱ"Sittin's On Top of the World"で締める。昨秋、1998年以来じつに14年ぶりにIBMA最優秀バンジョー奏者を獲得したリーダーのサミー・シーラー、ちょっとビンス・ギルに似たクールな歌を聴かせるブランドン・リックマン(g)、スーパーピッキンにニカッとさせられテナーボイスもすばらしい新人ランディ・ジョーンズ(m)の歌も秀逸。そしてブルーグラス・フィドル職人マイク・ハートグローブ(f)とバリー・リード(bs)。1980〜90年代のいわゆる「コンポラソリッド」をリードした彼ら、トラッドとコンポラを絶妙にバランスしつつ、ウッドベースになって「タテノリ」は影を潜め、ブランドンのセンスでDCグラスのような都会的な落ち着きを見せはじめている。新生LRBの作品として、2008年『No Turning Back』(RHY-1040 \2,573-)と、2010年『Still Learning』(RHY-1065 \2,573-)もお勧めである。

  COMP-4564 DALE ANN BRADLEY『Smewhere South of Crazy』CD\2,573-(本体\2,450-)

昨秋5度目のIBMA最優秀女性ボーカルに輝く、アパラチアのど真ん中、貧しい炭坑地帯出身、デール・アン・ブラッドリーの最新作は、プロデューサーでもあるアリソン・ブラウン(bj)、おそらく初のスタジオバンド体験となるシエラ・ハル(m)ほか、ステュアート・ダンカン(f)、スティーブ・ガリー(g,harmony v)、マイク・バブ(bs)らの強力基本セット(モンロー曲"In Despair"など3曲にはマット・コムf、デビッド・ロングm、マイク・サムナーbjら)を従え、クリスタルな美声に加えて、貧しかった幼少期の影を感じさせるハイロンサムを聴かせる。パム・ティリスとの共作曲をタイトルにモンロー100年を記念した"In Despair"やシールズ&クロフツの“Summer Breeze”などのカバーほか、すばらしい仲間たちと創った2011年作品だ。

  NONE533249 PUNCH BROTHERS『Ahoy!』CD\1,575-(本体\1,500-)

「この国が、これまでに生み出したもっとも途方もないバンドのひとつ……」と、T.ボーン・バーネットに評されたパンチ・ブラザーズの最新作は、昨年2月に発売されたアルバム『Who’s Feeling Young Now?』と同時に収録されたものの未発表曲5曲のミニアルバム。ギリアン・ウェルチのカバー“Down Along the Dixie Line”は完璧なブルーグラスのほか、アパラチアントラッドの見事に哀しく美しい“Moonshiner”やオリジナル・インストなど、ニューヨークタイムズ紙の「古いストリングバンド編成でありながら、アコースティック音楽の考え得るどんなサウンドよりもラジカル」で、そしてロサンゼルスタイムズ紙の言う「クリス・シーリとトンでもない仲間たちによる白熱状態の音楽マインド」によって、ローリングストーン誌が「そのアコースティック構造の技巧を越えた妙技に目が眩む」と絶賛してやまない彼ら、21世紀ブルーグラス音楽の感受性と芸術性に瞠目すべし!!

  PATUX-238 DANNY PAISLEY & SOUTHERN GRASS『Road Into Town』CD\2,573-(本体\2,450-)

現在トラッドグラスの至宝と言われるダニー・ペイズリー53歳の最新作。父ボブの時代から引き継ぎいだサザングラスのメンバーを一新、あらたなサウンド作りをはじめたダニー。バンジョーに知る人ぞ知るロールの達人マーク・ディレイニー、フィドルにはアグレッシヴなダグ・ミーク、そしてマンドリンになんとマイケル・クリーブランド、エリック・トラウトマンがベースという布陣。ダニー天性のいてまえ型ボーカルに、実に個性派が揃った楽器陣が見事にこたえるすごいテンションのトラッドグラス集になっている。選曲もバーン&レイ名曲"Cabin on a Mountain"、カール・スミスやレイ・プライス(ボブ・ウィルス)のカントリーやデルモア曲にスウィング・スタンダード、レスター・フラット後期の知られざるジョッシュ・グレイブスとの共作、そしてゴスペル・スタンダード"I Heard My Mother Call My Name..."で終わる、トラッドグラスの王道プラス個性派楽器陣のワクワクが楽しめるダニー・ペイズリー&サザングラスの最新作。

■インスト最近作
  HAR-8 ROGER & J.D. WILLIAMS『Williams Squared』CD\2,573-(本体\2,450-)

かねてより趣味のいいドブロ奏者として評判で、米北部ボストンを中心に活動してきたロジャー・ウィリアムズと現在バークリー音楽院に通う大学生の息子J.D.ウィリアムズ。ふたりの書いた趣味の良いフィドル・チューン風メロディを、参加全員がじつに丁寧に演じるすばらしいブルーグラス・インスト作品。デラ・メイの女性凄腕フラットピッカー、コートニー・ハートマンとフィドルのキンバリー・ルディカーのほか、バークリー音楽院でバンジョーを専攻するゲイブ・ハーシュフェルド(bj)や知る人ぞ知るスーパーピッカーのレイ・レジェ(f)、デイブ・ディック(bj,g)、リンカーン・メイヤーズ(g)ら、ニューイングランド地方の名だたるピッカーがバック。1963年、14歳にしてリリーブラザーズ&ドン・ストーバーのステージで初舞台を踏んだという父ロジャー。以来ジョー・バルやヘイゼル・ディッケンズ、マック・ワイズマンやビル・クリフトンからマイケル・クリーブランドらまで、多くのアーティストと数々の録音で共演してきたベテラン、息子のJ.D.とは2005年から一緒に演奏しているという。ふたりがそれぞれ6曲ずつ、やはり父はトラッド系、息子は今風のオリジナルを持ち寄った作品。ふたりとも、決してこれ見よがしに弾くのではないが、ドブロがこんなにメロディックな楽器だと気付かされる楽しい作品でもある。CDの最初と最後に1993年2月23日に録音された6歳のJ.D.のマンドリンと歌が20秒ずつ収められている。

 
  PATUX-233 DEWEY FARMER & DERWIN HINSON CD\2,573-(本体\2,450-)

Old Joe Clark/Flatbush Waltz/Yesterday/Arkansas Traveler/Bluegrass Romp/Over the Rainbow/Snowflake Reel/Roly Poly/Kansas City Kitty 他全13曲

1970年代に活躍した大ベテランによるとても楽しいブルーグラス・インスト集。1曲目"OLd Joe Clark"のおもろいイントロから2曲目のアンディ・スタットマン"Flatbush Waltz"やデビッド・ロングの"Bluegrass Romp"を取り上げるディウィ・ファーマーのマンドリン・センス、3曲目にはビートルズの"Yesterday"をビル・エマーソン/ジミー・グドローの名演に対抗して取り上げるダーウィン・ヒンソンのイテマエ・バンジョー精神から伝わる……、こんなの大好きです。1970年代、現在もよくそのオリジナル曲がカバーされるアル・ウッド&スモーキー・マウンテン・ボーイズにいたディウィ、チャーリー・ルービンやバーン・ゴズディンらとナッシュビルで活躍したダーウィン。流麗なスーパーピッカーではないこのふたりの強烈なインパクトとアレンジの無鉄砲さは、きっとノースカロライナのディープなミュージシャンたちに大きな影響を与え続けたメンターたちだったろう。ふたりがそれぞれギターとベースを担当し、数曲でフィドル職人スティーブ・トーマスが美しいスウィングを聴かせるという、ほぼふたりの手造り作品。……音楽って、きれいに整えて(洗練)で表現されることより、荒削りでもそのミュージシャンの息遣いが感じられるものこそ聴いていて楽しいと思う。そんな、楽しいバンジョー&マンドリンのインスト集だ。

インスト新入荷
  RHR-253 PETER OSTROUSHKO『The Mando Chronicles』3CD \4,725-(本体\4,500-)

Paddy on the Turnpike/Ace of Spades-Brilliancy/Crossing the Cumberlands/Old Virginia Reel/Sweet Georgia Brown/In a Sentimental Mood 他全52曲

三枚組の最初「アメリカーナ編」の1曲目"Paddy on the Trunpike"から、ピーター・オストルーシュコのマンドリン人生の旅がはじまる壮大なマンド叙情アルバムである。明らかにブルーグラスからスタートしたはずのピーター59歳、最初に脚光を浴びたのはノーマン・ブレイクのストリングバンド、ライジング・フォウン・ストリング・アンサンブル。最初のレコーディングがボブ・ディラン『Blood on the Tracks』、そののちノーマンほか、チェット・アトキンズらともツアー、1985年ラウンダーから『Sluz Duz Music』を発表以降、ソロとして数々の作品を発表している。その彼がF-5マンドリンを使わずに表現する自らの音楽はそのまま、1970年代のサム・ブッシュやデビッド・グリスマンらの毒気(否、あまりに強力な影響)から身を引いて、「家にあったボウルバックのマンドリンを三歳の頃から触り始めた」というウクライナ移民のアイデンティティと、そののちに米国のお茶の間の友?として有名なラジオ番組『プレイリーホームコンパニオン』のレギュラーとして手に入れていくジャズの知識と編曲ノウハウなどをベースに、さらに30年以上に及ぶ音楽旅の総集編だ。「アメリカーナ編」では、トラッドフィドルチューンからテキサス、そして「これがなければアメリカのマンドリンは語れない」というモンローチューン"Crossing the Cumberlands"からスウィングにジャズ。二枚目「オールドワールド(旧世界)編」では、自身のウクライナからスウェーデン、イタリア、フランス、そしてアイリッシュと、ヨーロッパのダンスやミュゼット、ワルツやポルカなど伝承音楽を聴かせる。そして三枚目「クラシックと南米編」ではビバルディのマンドリン・コンチェルトからバッハのバイオリン(マンドリン)ソナタ、ベートーベンのマンドリンと弦楽四重奏、パガニーニのソロマンドリンメヌエット、そして自身の作品を挟んで、プエルトリコのワルツからブラジルのショーロでご機嫌さん、という趣向。使用マンドリンの写真やリストもあるが、どのマンドリンも胸に響く味わい深いトーン、そして何よりコントロールされた右手ピッキングが「アメリカン・マンドリン」の王道を感じさせる秀作マンド・インスト集だ。

  TRS-7006 TIM SMITH『Fiddler Tim Smith & Friends』CD\2,573-(本体\2,450-)

Lakota Land/Double Play/Cattle in the Cane/Ashland Breakdown/Milk Cow Blues/Whiskey Before Breakfast/I Saw the Light 他全15曲

コンスタントに丁寧なフィドル・アルバムの発表を続けるノースカロライナの素晴らしいフィドラー、ティム・スミスの6作目の最新作。20代の一時期、ブルーグラス・カーディナルズに参加、そののちはビル・モンローのブルーグラス・ボーイズに正式加入したこともあるものの、かたぎの職業を持つ現在57歳。15曲中8曲がオリジナルだが、その完成度は非常に高く、また"Whiskey Before Breakfast"、"Ashland Breakdown"、"Cattle in the Cane"、"Hamilton County Breakdown"などの有名フィドルチューンに、ブルースの"Milk Cow Blues"や、ゴスペル"Just a Closer Walk with Thee"や"I Saw the Light"などを加えて聴きやすいバラエティを持たせている。が、あくまでも正統派の美しいブルーグラス・フィドル・アルバムである。

  MNJS-0001 城田純二&内藤希花『Mareka & Junji: Music in the Air』CD\2,500-(本体\2,380-)

Si Bheag Si Mhor/Mountains of Pomeroy/May Morning Dew/Eleanor Plunkett/Stor Mo Chroi 他全11曲

2011年のデビュー作『Keep Her Li!』(売り切れ)につづく、城田と内藤のアイリッシュ・デュオ最新第2作。ナターシャセブンののち1986年に渡米、そこで90年代になって出会ったアイリッシュの魅力にとりつかれ、ブルーグラス・ドライブがうまく作用したのか、米国西海岸のアイリッシュ界でサポートギタリストとしての地位を確立しとたという城田、そんな経緯はムーンシャイナー誌にもよくリポートしてくれた。一方7年ほど前、18歳のときにアイリッシュ音楽と出会ったというクラシック・バイオリンを弾いていた内藤希花(まれか)、今作ではアイリッシュハープも披露している。ふたりがデュオを組みはじめたのは2009年という。クラシックピアノからギター、バンジョーとマスターしていった抜群の音感と50年近くになるルーツ系音楽に対する感性を持つじゅんじのリズムに乗ってまれかのフィドルが見事な成長ぶり、若いってすばらしい。オカロランの超有名曲を1曲目に、暑苦しいアメリカンとは趣きの違う、涼やかなアイリッシュの響きをあっさりと、しかし十分な主張を持って聴かせてくれるすばらしい作品である。

  TVCD-6020 V.A.『30 Fiddler's Greatest Hits』CD\2,079-(本体\1,980-)

Orange Blossom Special/Maiden's Prayer/Lee Highway Blues/Listen Mockingbird/Cotton Eyed Joe/Devil's Dream/Texas Quickstep/Beaumont Rag 他全30曲

1950年代から60年代にかけてキング・レコードに残されたフィドル曲を30曲、集めに集めてTV通販向けに企画された、はっきり言って解説もない安易な企画。だけれども、1曲目のスコッティ・ストーンマン"Orange Blossom Breakdown Revival"から、ハウディ・フォレスター、チャビー・ワイズ、バック・ライアン、バディ・スパイカー……、ベニー・マーティン、マック・メゲェへ、ジェリー・リバーズ、レッド・ハーロン、カーリー・フォックス、そしてフィドリング・アーサー・スミスからトミー・ジャクソン、ハウディ・フォレスターと連なる有名ナッシュビル・フィドラー約15名を品定めできる30曲集(ただし上記のような有名曲はたびたび曲名を変えて登場するので悪しからず)。現在ではあまりに高度に発達し過ぎてしまったけれど、ここに収められた30曲は、ブルーグラス、ウエスタン・スウィング、ホンキートンク……、さまざまなバックアップの中で、荒っぽく活き活きとする初期アメリカン・フィドルの楽しさが存分に味わえる。

各楽器別お勧め再入荷作品
(楽器奏法や教則、またCDに関してはミュージシャン歴豊富なスタッフがアドバイス、また楽器につきましては、本体やパーツなど、各種取り扱っています。お気軽にお問い合わせください)
■ギター
  MRR-1013 SNYDER FAMILY『Stages』CD\2,573-(本体\2,450-)

2010年夏、驚きをもって紹介した中学生の兄ゼブと小学生の妹サマンサのギター/マンドリンとフィドル/ボーカルに父バド(bs)のトリオ、スナイダー・ファミリーの2012年第2作。7曲がインスト、6曲の歌物で12歳と16歳になった兄妹のスーパーピッキンを堪能する。オリジナルのほか、J.J.ケールのカバーや最後には2曲続けてのフォスター、"I am a Pilgrim"ではフラットピックでトラビス・ピッキンに挑戦など。数多いるキッズピッカーの中でも群を抜いたゼブ・スナイダーのフラットピッキン・ギター、……子供と侮ってはいけません!! ゼブは好評のDVDビデオ作品『Generation Bluegrass』(RCSI-1078D \2,888-)の中心人物でもある。

  ROU-0642 NORMAN BLAKE『Perfect 10 Series: Sleepy Eyed John』CD\1,802-(本体\1,750-)

独自のアメリカン・トラッドを演じるノーマン・ブレイクの初期ラウンダー/フライング・フィッシュからの廉価ベスト10曲集。フラットピッカーとしてのバリバリ・インストから定評あるトラッド風オリジナル、ジェイムズ・ブライアン(f)との"Elzic's Farewell"や"Salty"などフィドル・チューン美学、そして"Fifty Miles of Elbow Room"カーター・ファミリー名曲など1970年代、ノーマン・ブレイクの多様性を凝縮した廉価ベスト・コレクション。

  COMP-4459 RUSS BARENBERG『When at Last』CD\2,573-(本体\2,450-)

ラス・バレンバーグ2007年夏発表の最近作、ソロとしては88年『Moving Picture』(ROU-0249 \2,573-)以来、ほぼ20年ぶり。ここでもカリプソ調からアパラチアン、ニューイングランド、ブルース、ケージャン、さまざまな音楽の要素を昇華、見事なメロディーを紡ぎだしつつ、気色いいルーズなリズムに乗って、アコースティック・ファンを癒してくれる。50代半ばらしい大人のアコースティックだ。マーティンが登場せず、ギブソンJ-45を愛しつづける姿勢もいいねぇ。……いい顔になってるねぇ。

 ■バンジョー
(ムーンシャイナー連載のチチ松村「バンジョー祭り」、世界のバンジョー音楽をお見逃しなく!!)
  GT7-2151 ALLEN SHELTON『At His Best, Bending the Strings and Other Great Instrumentals』CD\1,365-(本体\1,300-)

2009年11月21日他界したバンジョー奏者、アレン・シェルトンを悼んで2010年に発表されたスターデイお宝録音10曲集。もちろん、あのチューナー多様の大名曲"Bending the Strings"をはじめ、2曲のジム・イーンズでの初期録音を除いてジム&ジェシーとの70年代のアテイラム録音をメインにした名録音集。ドブロ・バンジョー曲が4曲含まれる10曲だが、端正なスクラッグス・スタイルのスリーフィンガーにドン・レノ的な選曲/メロディセンスを加味、ブルーグラス・バンジョーの歴史に名を残す偉大なアレン・シェルトンのノウハウが楽しめる。ムーンシャイナー2010年2月号に追悼特集「シェルトンのヒ・ミ・ツ」、3月号に典型的なシェルトン・ロールをタブ譜などで紹介した「シェルトン美学」などの特集もご参照ください。

  PATUX-196 JESSIE BAKER『Yessir!』CD\2,573-(本体\2,450-)

ドン・レノの音ツカミと、絶頂期アール・スクラッグスを思わせるロールの安定感を兼ね備えた18歳、ジェシー・ベイカー。今年、マイケル・クリーブランドのフレームキーパーからシエラ・ハル&ハイウェイ111を経由してドイル・ローソン&クイックシルバーで活躍中、火を噴いている。レノ、スクラッグス、そしてモンローのおいしい選曲で、基本バックはマイケル・クリーブランド(f)、デビッド・マクラフリン(m)、ダドリー・コンネル(g)、マーシャル・ウィルボーン(bs)。昨今の若者ブルーグラス、一方にクラシック界まで足を伸ばす超絶テクニシャンがいるかと思えば、こうしてわれわれおじさん達以上にディープに先人の偉業を尊敬し掘り下げる者がいる。ブルーグラスは不滅だぁーッ!! 超お薦めブルーグラス・バンジョー2009年作品!!

■マンドリン
  DGR-001 JUSTIN MOSES『Dusty Roads』CD\2,573-(本体\2,450-)

驚くべきマルチプレイヤーぶりで、現在もっともホットなミュージシャン、ジャスティン・モーゼズが20代前半の2006年に発表した唯一のソロ作品。マンドリン・インストがメインだが、全12曲中7曲はボーカルやハーモニーも含んですべて自分ひとりの録音というスーパーマルチプレイヤー。2000年、ブルー・ムーン・ライジングに参加、2005年にシエラ・ハルのハイウェイ111の創立メンバーとして活躍、ニューファウンド・ロードなどを経て2009年のダン・ティミンスキ・バンドに参加。現在はリッキー・スキャッグスのケンタッキー・サンダーのバンジョー奏者として活躍中。要注意人物です!

 
  GT-5161 NASHVILLE MANDOLIN CD4枚組\2,573-(本体\2,450-)

なんと! CD4枚組全100曲のアメリカン・スタンダード曲のマンドリン・インスト集。かつて、4枚別々に売り出されたものが4枚組セット廉価盤で登場。バックはソフトタッチなナッシュビル・サウンドで、ミュージシャンのクレジットはないが、手慣れた一級のバックアップは間違いない。またマンドリンはおそらく故ブッチ・バルダサリと思われ、シンプルなメロディにチョッとしたスラーやメロディの選び方に非凡なタッチとトーンを聴かせる。BGMとしても楽しめるし、楽器を弾く人にはスタンダード曲のメロディを知る絶好の参考音源だろう。

■フィドル
  SH-4054 JEREMY GARRETT『I Am A Stranger』CD\2,573-(本体\2,450-)

2011年のグラミー賞にもノミネートもされた若手のトップランナー、インファマス・ストリングダスターズのフィドル/ボーカルを担当するジェレミー・ギャレットがライブ会場でのみ発売する2009年作品。10代のスーパーフラットピッカーとして知られるジェイク・スタージェル(ラベル・シスターズ/グリーンカーズ/現シエラ・ハル)や、トップクラスの女性バンジョー奏者ジュリー・エルキンズ(ケーンズ・リバー)にショーン・レーン(m)、デニス・クロウチ(bs)を基本セットにした爽快なオリジナルや、ギターにクリス・シャープを配したフラット&スクラッグス・カバーにはアビゲイル・ウォッシュバーンがカーリー・セクラー役を務めマイク・コンプトンやネッド・ルベレッキ(bj)、マイク・バブ(bs)が重たいF&Sサウンドに挑戦ほか、ハンク・トンプソンやU2のカバー、そしてフィドル弾きながら同時にソロで歌うオールドタイミーな幼児体験を披露するなど、自身のオリジナル・ソングを中心にバラエティに富んだ、若いモンもなかなかやるやんけといった作品。フィドル・アルバムではないが若いフィドラーが自分の声で唄い、かつ弾くフィドルが同じ呼吸であることに気付きたい……。ジェレミー・ギャレット、すばらしい才能/フィドラーだ。

  OB-709 V.A.『Fiddle Classics: From the Vaults of County Records & Old Blue Records』CD\2,573-(本体\2,450-)

1965年から2012年まで主にカウンティ・レコードを通じてオールドタイム・フィドルの真髄を集めてきたリチャード・ネビンが、そのコレクションから厳選した有名曲を中心とした28曲。1965年から1971年にカウンティ・レコードに録音された23曲は、トミー・ジャレルやフレッド・コックラムほかのブルーリッジ系オールドタイム、ベニー・トーマソンやソロモン兄弟ほかのテキサス系、アートの父ハイラム・スタンパーやケニー・ベイカーなどのケンタッキー系、リンドー・ファミリーのフレンチ・カナディアン系、シリル・スティンネットのオザーク系など、北米のさまざまなフィドルスタイルを収めており、言うまでもなくそれらは、ラジオ/レコードに影響される以前の地方スタイルを色濃く残している。一方、2010年から2012年にかけて録音された5曲には、現在の若いブルーリッジ系フィドラーたちがさまざまなスタイルの影響を取り入れているという興味深い作品である。ボーイングやメロディの捉え方に、地方それぞれの特色を聴き取る面白さから、フィドルがテクニックよりもリズムをグルーヴする醍醐味を味わえば、あなたもオールドタイム・フィドルの魅力にはまる!!

■ドブロ
 マイク・オルドリッジが亡くなった。アンクル・ジョッシュにつづいて、ドブロという楽器に奇跡的な革命をもたらした偉人である。ムーンシャイナー誌2月号で追悼特集を予定している。
  TAK-8914 MIKE AULDRIDGE『Dobro/ Blues and Bluegrass』CD\2,573-(本体\2,450-)

ドブロというカテゴリーを超えて、ブルーグラス・インストアルバムとして歴史に残る大名盤。ドブロという楽器の未来を根底から変えたちょうど40年前、1972年発売『Dobro』と1974年発売『Blues and Bluegrass』の2枚のLPがCD1枚になったもの。1955年にアンクル・ジョッシュ・グレイブスによってフラット&スクラッグスに持ち込まれ、6番目のブルーグラス楽器となったドブロが、これらのアルバムからまったくあたらしい未来を歩きはじめた瞬間を記録。「ドブロ」というくくり抜きにしたブルーグラス名盤。セルダム・シーンのほか、デビッド・ブロムバーグやバッサー・クレメンツ、リンダ・ロンシュタットらを迎えた超大名盤です。

  REB-1101 SELDOM SCENE『Best』CD\2,573-(本体\2,450-)

City of New Orleans/Sing Me Back Home/500 Miles/Hello Mary Lou/Sweet Baby James/Paradise/Darling Corey/Little Georgia Rose/Rider 他全16曲

なんと言ってもマイクのキャリアが花開くのは、1971年秋に結成されたセルダム・シーンから。折からのシンガーソングライターの隆盛とともに、都会の大人のブルーグラスとして受け入れられた『Act 1』から『Act 3』までの初期シーンから美味しい曲を全16曲ピックアップしたベスト集が、一昨年秋の結成40周年を記念してジャケットを一新して再発売。なお、セルダム・シーン40周年記念ライブリポートはムーンシャイナー誌2012年1月号(\525-)参照。

 オールドタイム&フォーク新入荷
  ARH-9063 BLUE SKY BOYS『Presenting The Blue Sky Boys』CD \2,079-(本体\1,980-)

Corrina Corrina/Midnight Special/Poor Boy/I Don'st Want Your Greenback Dollar/Jack O'sDiamonds/Will the Circle Be Unbroken 他全12曲

1966年、メジャーのキャピトル・レコードが、あのベイカーズフィールド・サウンドの生みの親ケン・ネルソン(1911-2008)をプロデューサーに発表した驚きのオールドタイム・デュオ・アルバムの初CD化である。1930年代に米国東南部でブームとなったブラザーデュオ。中でもモンロー・ブラザーズに並んで大きな人気を博したのがビル(1917-2008)とアール(1919-1998)のボリック兄弟によるブルー・スカイ・ボーイズ。1936年、最初の録音"Sunny Side of Life"はまだ18歳と16歳のときというから驚き! 当初、RCAレコードは同年2月に初録音したモンローブラザーズの亜流と思ったようだが、その演奏を聴いて即座に契約したという。それは、抑え難い衝動を秘めたモンローズとは異なる、霧に包まれた深山の趣とでも言いましょうか――ある種、アメリカ的驀進とは一線を画した仙境を感じさせるとでも言いましょうか――そのボーカル、ハーモニー、そしてマンドリンフレーズの隅々にまで気配りの効いた悠久サウンドなのです。本作は、1960年代のフォークリバイバルを背景にカムバックした彼ら、オリジナルのままのサウンドで、フォークブームで脚光を浴びた曲などを配し、アパラチアに伝わる伝承曲の美しさをブラザーデュオで表現する大名品。

なお本作は1976年に米国伝承音楽の研究機関「ジョン・エドワーズ記念財団(JEMF)」からLPとして再発、そのときに歌詞を含む30頁の超すばらしい冊子が発行されている。本CDにはPDFデータで収められており、PCで見ることができる。プリントアウト版をご希望の方は、実費にて。

  OTCR-003 パイレーツ・カヌー『Sailing Home』CD \2,000-(本体\1,905-)

Song of Misunderstandings/Blue Shoes/From Sea to Rocky Shore/Sailor Song/Spider Tatoo 他全11曲

大学でブルーグラスを学び!?、「For Lips」や「ふたり乗り」など、話題のバンドを経てきたマンドリンの河野沙羅が、2009年にシンガーソングライターのハント鈴加(g)とアイリッシュを学んでいた欅(けやき)夏那子(f)と出会って結成されたパイレーツ・カヌー。これまでドブロ、ベースとドラムの男性3人を加えたミニアルバムを2枚発表してきたが今回、女性3人だけで創りあげた初の11曲入りフルアルバム。河野のライブでの日本語オリジナルを気に入り一晩で英詩に書き換え自身で歌ってデモテープにしたというハント、宿命的な出会いそのままに、本作でも同様のふたりの共作となる英詩4曲を軸に、河野が日本語で歌う1曲とハント自身の英語オリジナル4曲、そして宮崎勝之とサム・ブッシュがアイドルだという河野のインスト2曲。メジャーセブンを多用した浮揚感にルーツィーな、ちょっとシュールなアコースティックサウンドで、チチ松村氏いわく、「冬の寒い時は、身体がほっこり湯たんぽ代わり、夏の暑い時は、心がすっきり風鈴みたいな、いつもいつでも側に置いておきたい音楽」と評している。京都の若い女性が3人、アパラチアルーツを感じさせる音楽を創っているというだけで舞い上がってしまう……よね。ムーンシャイナー誌2012年8月号にバンド結成の経緯やメンバー紹介がある。

  JASCD-719 CLANCY BROTHERS『Raise A Glass To The Sound Of...』 2CD \2,888-(本体\2,750-)

米国で初めてアイリッシュを一般の音楽ファンに知らしめたクランシーブラザーズとトミー・メイケム。彼らの初期4枚のアルバム全55曲を完全収録。最初の三枚はトラディション社の発売『Rising of the Moon』(1956)、『Come Fill Your Glass with Us』(1959)、『The Clancy Brothers & Tommy Makem』(1961)、そしてそしてピート・シーガーを迎えたコロンビア社からのライブ盤『A Spontaneous Performance Recording』(1961)。

  JASCD-212 KINGSTON TRIO『Close Up:Sold Out』2CD \2,888-(本体\2,750-)

1958年、ノースカロライナのブルーリッジに伝わる伝承曲「トム・ドゥーリー」の世界ヒットでフォークブームを巻き起こした張本人、キングストントリオの初期アルバム4枚。一枚目には「エルマタドール」が1曲目の『Sold Out』(1960)と『String Along』(1960)、二枚目には「わが祖国」の入った『Goin's Places』(1961)と『Close Up』(1961)。

 オールドタイム&フォークお勧め作品
  COMP-4580 V.A.『Pa's Fiddle Primer』CD\2,573-(本体\2,450-)

ローラ・インガルス(1867-1957)著の名作シリーズ『大草原の小さな家』の小説に登場してくる音楽、全127曲の中から選りすぐった音楽10曲を「Primer=入門書」と名づけたベストCD。2005年、故ブッチ・バルダサリの制作で発表された『Happy Land』以来、これまで3枚のCDアルバムとして発売された中から選曲している。有名曲というよりも、アメリカ西部開拓時代に実際に人々が歌い親しんだ曲を、マット・コム(f)、シャッド・コッブ(clawhammer bj)、ブライアン・サットン(g)、マット・フリナー(m)、デニス・クラウチ(bs)らのフィドル・バンドや、ライダーズ・イン・ザ・スカイ、ジュディス・エデルマン、デボラ・パッカード、マック・ワイズマンらの歌など、現在最高のアコースティック・セットで19世紀の音楽が現代風の落ち着いたアレンジで楽しめるオススメ作品。

 
 カントリー新入荷
  GTR-0301 SWEETHEARTS of the RODEO『Restless』CD\2,573-(本体\2,450-)

ザ・バーズの1968年名作アルバムから名付けたその名の通り、ウエストコースト風カントリーロックに乗ったユニークな姉妹デュオとして1986年のメジャーデビュー以来、人気を博したカントリーカリフォルニア出身のジャニスとクリスティンのオリバー姉妹、1996年の最後のアルバムから16年ぶり、再結成した最新作。1977年にブルーグラスロックのサンダンスのオープニングをつとめたことから、ジャニスは当時19歳のビンス・ギルとのちに結婚(97年に離婚)、クリスティンはギタリストのレオナード・アーノルドと結婚、ふたり揃ってナッシュビルに移ってからコロムビアからデビュー、1986〜96年まで活躍。子育てなどに一段落した彼女らが、スリーリングサークル(アンディ・レフトウィッチとロブ・アイクスとのインストトリオ)での活躍でも知られる凄腕ベーシスト、デイブ・ポメロイとの共同プロデュースのもと、凄腕ギタリストのケニー・ボーン、フライングブリトーズのアル・パーキンスやリック・ロナウ、アラン・ジャクソンとジミー・バフェットが録音したグラミー曲の作者でもあるピアノ/キーボードのジム・ムース・ブラウン、ナッシュビルのアイリッシュ風味を一手に引き受けるジェフ・テイラー、そしてブルーグラスからスティーヘブ・シーハンとリチャード・ベイリーなどの精鋭をバックに、"Midnight Girl / Sunset Town"、"Satisfy You" や"Blue to the Bone"などのかつてのヒット曲と最新曲を、さすがのベテランの味わいで演じるカントリーロック秀作である。

  SH-4087 WANDA JACKSON『Unfinished Business』CD\2,888-(本体\2,750-)

1937年生まれというから現在75歳、まだまだ元気なワンダ・ジャクソンの最新スタジオ作品です。そう、あの「フジヤマ・ママ」(1957)が日本で大ヒット、1959年には日本ツアーもしたワンダ、女性初のロカビリーシンガーとして歴史上の人物でもある。TV番組『オザーク・ジュビリー』のメンバーだった1955年頃、エルビス・プレスリーとデートしている間にエルビスからロカビリー指南を受けたという伝説の持ち主。この最新作でも、相変わらない可愛らしいガナリ/コブシと一緒にロックンロール!

 カントリー発掘、編集モノ新入荷
  HOTR-4668 V.A.『Heart of Texas Duets』CD\2,573-(本体\2,450-)

Odds & Ends/Have I Told You Lately That I Love You?/Gold Watch & Chain/Mr. Right & Mrs. Wrong/Ashes of Love/Run Woman Run 他全20曲

フィドルとスティールギターに導かれて、庶民の生活を代弁、応援し、ときには共に涙するテキサスの心、ホンキートンクの灯をかたくなに護るその名も、ハート・オブ・テキサス・レコードのデュエット物20曲集。ジョニー・ブッシュとジム・エド・ブラウンの"Pop a Top"を1曲目に、昨秋来日したジョーゼットと父ジョージ・ジョーンズ、ノーマ・ジーンとワンダ・ジャクソン、フロイド・ティルマンとドリー・パートン他、さまざまな組み合わせの豪華ホンキートンクカントリーデュオ20曲集。

  BACM-399 RITA ROBBINS with DON WINTERS & HAWKSSHAW HAWKINS『Don'st Take All The Love』CD-R \2,573-(本体\2,450-)

すばらしい1950年代の女性ボーカル……、そう、先ほど亡くなったパティ・ペイジらと同様、張り(パンチ)のある力強さと、まだ女性が愛らしかった(!?)時代の甘ったるさとを兼ね備えた、これぞ「アメリカン・ガール」といったリタ・ロビンズ(1932-)。ロカビリー旋風前夜、1954年にニューヨークのマンハッタンで録音された前半7曲、そしてチェット・アトキンズをはじめ、トミー・ジャクソン、ボブ・ムーア、オウエン・ブラッドリーほか、RCAレコードのセッションマンたちが、どーぞと言わんばかりの分かりやすいメロディと詩に最上のクラシックカントリーフレーバーを振り掛ける(途中、ホークショウ・ホーキンスとの1曲、兄のドン・ウィンターズとの6曲のデュオ、そしてドンのソロが4曲入る)ナッシュビル録音が19曲。1曲目のオズボーン・ブラザーズとレッド・アレンもカバーした"If You Don'st Somebody Else Will"から、もぅ、「戦後」というフンイキを知る人には堪らないメロディと詩、そしてリズムとコーラス、ほんでリタの「アメリカン」なガール……。

  BACM-385 V.A『Custom Made Hillbilly』CD-R \2,573-(本体\2,450-)

Streamliner Boogie/Patent on My Girl/Substtute for Love/Wildcat Boogie/Little Romeo 他全29曲

「B.A.C.M.(British Archive of Country Music)」という、イギリス人の凝り性を見事に表わしたレーベルのすばらしい新シリーズ「特注ヒルビリー」の第一弾。そう、アメリカンミュージックが爆発をはじめた1950年代、カントリーで知られるスターデイ社で特注として作られたさまざまなレーベルの録音を集めたもの。ホンキートンクほどには入り込まない軽快なブギウギを中心に、ロカビリー前夜のワクワクとするさまざまな地方からスターを目指したアーリーアメリカン・ポップが29曲。ほとんどが無名のままに終わったものの、誰もが時代の勢いを背負ったウキウキ感は、どれも活き活きとしたバックとともに聴き応え十分だ。考えてみれば、われわれが知るヒット曲なんてのはほんの一握り、ほとんどの時代を創った曲はこうして忘れ去られていくものなのだから、……アメリカのルーツ音楽からスキッフル、そしてビートルズやストーンズを生んだイギリスの凝り性というのは認めざるを得ない、か。

  JASMD-3624 LOUVIN BROTHERS『There's A Higher Power』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

1930年代からのブラザーデュオの伝統を受け継ぎながら、そのキャッチーなソングライティングと、ある種ビル・モンローに通じる破滅的衝動で、いまだに強烈な存在感をブルーグラスとカントリーロック界に持つアイラ(1924-1965)とチャーリー(1927-2011)のルービン・ブラザーズ。兄アイラはモンローをアイドルとした超過激な一生を1965年、41歳で閉じている。1950-60年代のクラシックカントリーサウンドも心地良いその初期大名盤がLP4枚分収まった「これぞルービン!」のお得用CD2枚組。全集もあるが、まずはこれから入門。ブラザーデュオの伝統を守ったデビュー作にして最高傑作『Tragic Songs of Life』(1956)、ブルーグラス・スタンダードも多く収められた『Ira & Charlie』(1958)、カントリーゴスペルの金字塔と言われる『Satan Is Real』(1959)、そしてオリジナルが多く収められた秀作『My Baby's Gone』(1960)のLP4全48曲集!!

  JASMD-3630 JEAN SHEPARD『First Lady of Country』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

キティ・ウェルズが1952年、女性ホンキートンクカントリーシンガーとしての道を切り開いた次に登場したジーン・シェパード(1933-)。ファーリン・ハスキーとデュエットした最初のヒット"A Dear John Letter"(1953)は、第二次世界大戦後カントリー初のミリオンセラーだった。そんな彼女の初期LPアルバム4枚を完全収録した全48曲集。収録アルバムは、初アルバム『Songs of a Love Affair』(1956)、『Lonesome Love』(1958)、『This is Jean Shepard』(1959)、『Got You on My Mind』(1960)。

  JASMD-3628 HANK THOMPSON『Headin's Down the Wrong Highway』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

1952年に"Wild Side of Life"がヒット、ウエスタン・スウィングのノウハウを継承しながらホンキートンクカントリーで成功した自身のバンド、ブラゾス・バレー・ボーイズが14年連続でビルボードの最優秀カントリーバンドを獲得したことでも知られるハンク・トンプソン(1925-2007)。アカデミー俳優ジェフ・ブリッジスの映画『クレイシーハート』(2009)はハンクの伝記小説から脚色されたもの。本作に収録アルバム4枚は、『Dance Ranch』(1958)、『Song Rounders』(1959)、『This Broken Heart of Mine』(1960)、そしてカントリー音楽界最初のライブアルバムとされる『At the Golden Nugget』(1961)の全49曲。

 映像ものお勧め作品
  COMP-4577D V.A.『Pa's Fiddle: The Music of America』DVD\2,573-(本体\2,450-)

2012年1月6日、ナッシュビルのラブレス・カフェで収録、6月に全米公共TVネットで放映された特別企画番組『Pa's Fiddle(父さんのフィドル)』がDVD発売だ。19世紀後半のアメリカ開拓を記録したローラ・インガルス著の大ベストセラー『大草原の小さな家』で、フィドラーで音楽好きなチャールズ父さんのお気に入りで、インガルス家のみんなが楽しんだ(小説に登場する)曲の数々をランディ・スクラッグスの音楽監督で現代風に再現したもの。歌手はカントリーのランディ・トラビス、ロニー・ミルサップ、ロドニー・アトキンス、新人女性アシュトン・シェパード、クリスチャンコンテンポラリーの女王ナタリー・グラント(ゴスペル音楽協会最優秀女性ボーカルを今年含め3度受賞)、ブルーグラスからリーとエレインのロイ兄妹、そして昨年ソニーからデビューした黒人学生ア・カペラ・グループのコミッテッドの全7組のシンガーが登場。バックアップにはこの日、父アールが米寿を迎えていたランディ・スクラッグス(g)がリーダー、ハートフォード・ストリングバンドのマット・コムのフィドルを中心に、シャド・コッブのクロウハンマー・バンジョー、フート・へスターのマンドリンにデニス・クロウチ(bs)、チャド・クロムウェル(drums)。7人のカントリーやポップ系のシンガーたちの個性を大切にしつつ、19世紀のアメリカ、小説『大草原の小さな家』に書き留められた家族の音楽を、音楽学者の解説で背景を紹介しながら、現代風に紹介するメジャーなTVエンタメ番組。

 
  SHA-608D PETE SEEGER's Rainbow Quest『New Lost City Ramblers/ Greenbriar Boys』\3,308-(本体\3,150-、白黒約二時間)

1960年代半ば、フォークブームの生みの親ピート・シーガーがホストとなったTV番組「レインボウ・クエスト」シリーズの第四弾。ニュー・ロスト・シティ・ランブラーズがゲストの番組は1965年に放映。ピートの異母弟である故マイク・シーガーとトレイシー・シュワルツ、ジョン・コーエンのNLCR、"Stone Rag"、"Man of Constant Sorrow"、"Cuckoo Bird"、"I Will Never Marry"などに"Orange Blossom Special"なんてエンタメオマケもついた全10曲。1966年放映のフランク・ウェイクフィールド時代(!!)のグリーンブライアー・ボーイズには故ジョン・ヘラルド、ボブ・イエリンにジム・ブキャナンも参加した……もうそれはそれは、超貴重ですばらしいお宝映像。演奏曲目は、GBBの演奏曲は、"Sally Goodin"、"Danville Girl"、"Blues (My Naughty Sweetie Gives To Me)"、"Bear Creek Hop"、"Roll On Buddy"、"Little Birdie"、"Stewball"など、ピート・シーガーとの演奏など全12曲。1960年代のブルーグラス/オールドタイム・ファン必見の超貴重映像!!

 教則ものお勧め
 下記のほか、教則に関しては演奏レベル/ニーズに応じて、ご相談ください。
  RW-TAB ROLAND WHITE『Approach to Bluegrass Mandolin』CD2枚組+Book\6,090-(本体\5,800-)

ローランド・ホワイトのブルーグラス・マンドリン入門教則CD2枚組+60頁タブ本。「キャベツ」から"Jerusalem Ridge"までブルーグラス・スタンダードの全32曲、その暖かい人柄に包まれながら、とてもおいしいブルーグラス・マンドリンの本質を、初心者から中級者までのレベルで学ぶことができる。

 
  RW-CTAB CLARENCE WHITE『The Essential Clarence White Bluegrass Guitar Leads』102頁Book+CD2枚組\6,930-(本体\6,600-)

不世出の天才ギタリスト、クラレンス・ホワイトの教則本が兄、ローランド・ホワイトとその妻ダイアン・ボウスカの手によって完成。クラレンスの奏法の基礎となったクロスピッキンを14曲、みっちり学べる秀作。14曲のオリジナル録音CDと、ローランドやミッシー・レインズ(bs)によるリズム・トラックのカラオケCDの2枚組、そして各曲ごとにスティーブ・ポティアとマット・フリナーによる詳細な技術解説と楽譜とタブ譜。また、本書にローランドが書いたホワイト家とクラレンスや家族、そしてその音楽軌跡は、ムーンシャイナー誌2009年3月号から10月号まで、8回の連載で翻訳されている。

■バークリー音楽院出版刊行
  本来は口承(視覚)伝承のブルーグラスが1970年代以降、ロックやジャズと出会い、さらに1990年代からはクラシックの領域にまで進出し、評価され始める時代になっていることはご承知の通りだ。そこで、これまでは目や耳から学んでいたブルーグラスのノウハウをより広く解釈/発展させるため、あのジャズの名門校バークリー音楽院にブルーグラスを専攻科目を創始した功労者マット・グレイザーが、「現代ブルーグラッサーのためのエチュード(練習曲)とアイデア」と副題されたCD付き教則本シリーズを発表した。ブルーグラスのインプロバイズを教えるすばらしい教則シリーズである。

 今回紹介の以下3冊は、いずれもマット・グレイザーのアイデアによるプログラムで、誰もが知っているメロディ、"The Girl I Left Behind Me"と"Blackberry Blossom"を導入口にして、オリジナルの練習曲でソロの組み立て方:@メロディの中の大切な音を認識してそこからあたらしい文脈を作る方法、Aコードの再構築とモードの変換、Bトライアド(三和音)にかんする実験……などなど。論理的にブルーグラス・インプロバイズを行なうノウハウが詰め込まれている。英語版だけれど、CDと譜面で理解できると思います。

  HL50449602 MATT GLASER『Bluegrass Fiddle and Beyond: Etudes and Ideas for the Modern Fiddler』Book+CD\2,888-

マット・グレイザーは、バッサー・クレメンツとステファン・グラッペリのブルーグラスとジャズのフィドルに私淑、1976年にセントラル・パーク・シークスでデビュー。早くからフィドル界のブルーグラスとジャズの認識を改めたフィドラーで教育者。フィドル・フィーバーのCD『Fiddle Fever #1 & #2』(FF-70303 \2,573-)やウェイファリング・ストレンジャーズの2001年CD『Shifting Sands of Time』(ROU-0484 \2,573-)や2003年CD『This Train』(ROU-0584 \2,573-)などの活躍でも知られる。マットがバッサー・クレメンツを採譜した譜面集『Bluegrass Masters: Vassar Clements Fiddle』(OK-10031 \2,993-)はシリアスなフィドラー必見の秀作である。

  HL50449609 JOHN McGANN & MATT GLASER『Beyond Bluegrass Mandolin: Etudes and Ideas for the Modern Fiddler』Book+CD\2,888-

ジョン・ミゲーンは1985年にウィンフィールドのマンドリン・チャンピオンになったのをはじめ、有田純弘とのボストン・アコースティック・バンドやビーコン・ヒルビリーズ、ラスト・ファームやウェイファリング・ストレンジャーズなどの活躍で知られるスーパーピッカーである。意欲的なラスト・ファームの1998年のデビュー作『Rust Farm』(DAR-3032、廃盤残り2枚のみ\2,573-)がある。

  HL50449610 DAVE HOLLENDER & MATT GLASER『Beyond Bluegrass Banjo: Etudes and Ideas for the Modern Fiddler』Book+CD\2,888-

デイブ・ホレンダーは1987年、バークリー音楽院最初のバンジョー教師となり、同学院のバンジョーカリキュラムを作った人物。10代でナッシュビルに家族と移ったときにバンジョーを弾き始め、そののちバークリー音楽院でジャズベースで学士、ニューイングランド音楽院でクラシックの修士を取得したという。ボストン・フィルのベース奏者でありながら、ブルーグラスバンジョー奏者としても活躍しているという。

……これまでなかった体系的なブルーグラス・インプロバイズ教則、イッチョ取り組んで見ますか?

 楽器
SUDA GUITAR STYLE D-18 \577,500-(本体\550,000-)

戦前のマーチン、ドレッドノートに深いリスペクトを払った作風で、低音から高音までバランスよく、太く芯のある際立った音の立ち上がり3年連続IBMA最優秀ギターに選ばれたジョッシュ・ウィリアムス、パンチ・ブラザーズのクリス・エルドリッジ、ケニー&アマンダ・スミスのケニー・スミス等、若手フラットピッカーが認めた大阪府河内長野の須田ギター。数多有るマーチン・コピーの中で戦前のスペックに拘りを持って、ドレッドノートに的絞って、's03年からずっとトレイド・ショーに出展、デビッド・グリアやケニー・スミス等のトップ・プレイヤーの眼に留まり、有益なアドバイスを受けることで進化を遂げ、グルーン・ギターの特約店契約を得るに至る。昨年のIBMAのアワード・ショーでジョッシュ・ウィリアムスがステージで彼のギターを使い、超絶ギター・ソロを披露してやんやの喝采を浴びた時には、長年の努力を傍で見てきた者として熱い物を感じました。このモデルはトップにアディロンダック・スブルース、バック&サイドにホンジュラス・マホガニー、指板にアフリカン・エボニー、ウェイバリーのチューニングマシンを使用、トラスロッドはアジャスタブルor Tバーを選択可能、接着剤には膠を使用、ニトロセルロース・ラッカー塗装と細部にまで拘って's30年代のD-18のスペックを意識、戦前のマーチンをリスペクトした質実剛健な感じが魅力。ホンジュラス・マホガニーがワシントン条約のカテゴリーに入ってしまった為、今後は希少価値が出ること確実です。他にD-28スタイルのホンジュラス・ローズウッド・モデル、ハカランダに近い材質のマダガスカル・ローズウッド・モデル有。受注発注になりますので価格、納期等、詳細は御問合せ下さい。http://homepage3.nifty.com/sudastrings/

 輸入雑誌
 (以下の4誌は英語版で、共にバックナンバーも豊富に取り揃えています。気になるアーティスト等の特集等についてはお問い合せ下さい。…調べる&知るの面白さをいかがですか)
■フラットピッキン・ギター誌
 隔月刊の掲載全タブ譜対応CD付きフラットピッキン・ギター誌。ブルーグラスからスウィング/ジャズまで、一冊でタブ譜とCDから学べる。
  FGM-17.1 最新「2012年11〜12月号」CD付きBook\2,625-(本体\2,500-)

現在、グリーンカーズのギタリスト、カール・ミナーをカバーストーリーと"Little Applegate Road"ほか、プレストン・トンプソン・ギター紹介、元ホットライズのチャールズ・ソウテルの思い出、ウィンフィールド2012の特集ほか。定期コラムでは12月らしく"Silent Night"、"It Came Upon A Midnight Clear"、"Greensleeves(What Child Is This)"などのクリスマス曲、そして"Under the Double Eagle"、"New Camptown Races"ほかのタブ譜満載。

  FGM-16.6 「2012年9〜10月号」CD付きBook\2,625-(本体\2,500-)

入荷が遅れましたが11-12月号とともに入ってきましたこの号はドック・ワトソンの特別追悼大特集。ブライアン・サットン、デビッド・グリア、ティム・スタッフォード、ダン・クレアリー、ティム・メイほかのドック追悼ほか、特集はジャック・ローレンス「ドックとの旅」、ドックの伝記、そしてドックの"Billy in the Lowground"と"Lonesome Road Blues"のタブ譜。定期コラムも多くがドックのギターについてのタブ譜と解説である。

バックナンバーが品切れになりつつあります。現在庫は以下のとおりです。発行月とは無縁のギター教則モノとしてぜひお手許に!! 各CD付\2,625-

2006年7/8月号(FGM-10.5)、2007年1/2月号(FGM-11.2)、2008年3/4月号(FGM-12.3)、2009年7/8月号(FGM-13.5)、2009年11/12月号(FGM-14.1)、2010年1/2月号(FGM-14.2)、2010年3/4月号(FGM-14.3)、2011年5/6月号(FGM-15.4)、2011年7/8/月号(FGM-15.5)、2011年9/10月号(FGM-15.6)、2012年5/6月号(FGM-16.4)。

■バンジョー・ニューズレター誌
  世界唯一のバンジョー専門月刊誌。毎号タブ譜満載(ウェブサイトから「MP3」で音源入手可!!)、バックナンバーもお問い合せ下さい。探しておられるタブ譜の曲名や演奏スタイル、またお気に入り奏者の特集も探します。収蔵曲のCDやDVDなども在庫していますので、お問い合わせください。
  BNL-12/12 最新2012年12月号 \525-

フィールド・レコーディングの研究家でフォーク・バンジョー奏者のスティーブン・ウエイドのカバーストーリーとタブ譜は"Rocky Hill"、"Arcade Blues"、"Banging Breakdown"、そのほかトム・アダムズはキーオブ「D」での"New River Train"、フレッド・ゲイガーのジャンゴ・ラインハルト"Are You in the Mood"、イアン・ペリーのフィンガーボード探索はデビッド・グリスマン"EMD"、アール・スクラッグスは50年代のライブから"Sawing on the Strings"などのタブ譜に、アレン・バンジョー社など、バンジョーに関する話題満載40頁。

  BNL-12/11 2012年11月号 \525-

スティープ・キャニオン・レンジャーズのグレアム・シャープのカバーストーリーとタブ譜は"Knob Creek"ほか、"Nine Pound Hammer"、エリック・ワイズバーグ"Duelling Banjos"、初心者はフィドル定番"Big Sciota"、コードメロディは「枯葉」、アール・スクラッグスはスクラッグス&フレンズのライブから"In the Pines"、トム・アダムズは"Skip to My Lou"とサークル・オブ・4thほか、アーサー・ハットフィールドのバンジョー工房インタビューなど、バンジョーに関する話題満載40頁。

  BNL-12/10 2012年10月号 \525-

セルダム・シーンのベン・エルドリッジをカバーストーリーのインタビューに、"Heartsville Pike"のタブ譜ほか、フィンガーボード探検"Crazy Creek"、キーGでハイポジのトム・アダムズ"Home Sweet Home"、ジェイソン・スキナーによるレノ・スタイルでの"Dixie Breakdown"、バックアップはキーCで"Wildwood Flower"、クロウハンマーはフランク・リーのインタビューほか、ウォルト・コーケン最新CDなど。

  BNL-12/09 2012年9月号 \525-

ロン・コディーのカバーストーリーはトニー・トリシュカによるインタビューとタブ譜はジャズ・スタンダードの"It's Only a Paper Moon"ほか、今月はジャズ・バンジョー特集号と銘打って、ベラ・フレックのマーカス・ロバーツ・トリオとの“Crossing the Imaginary Divide”、カイル・タトルによる“Autumn Leaves”のハーモニー、フレッド・ゲイガー“Cheek to Cheek”ほか、トム・アダムズのハイポジションにおける2弦のメロディはyoutube画像つき、初心者は"You Are My Sunshine"、 "Goodbye Liza Jane"、"I’ll Fly Away"など。

  BNL-12/08 2012年8月号 \525-

アラン・マンデがインタビューするトム・ムーアをカバーストーリーに、彼の"Merrywang Heart (for Tony Ellis)"のタブ譜ほか、アール・スクラッグスはライブでの"Life of a Poor Boy"、トニー・トリシュカ・バンジョー教室から"Redwing"、ジャネット・デイビスは、アールの"My Little Girl in Tennessee"のリードとバックアップ解析、トム・アダムズは典型的なキックオフ・フレーズ紹介、初心者の"Wabash Cannonball"と"You Are My Sunshine"、そしてクロウハンマーの数々など。そのほか、ファーガソン製パーフェクトピッチ・カポやパット・クラウドとハーモニカのデビッド・ナイディッチのアルバムなどの紹介など。

  BNL-12/07 2012年7月号 \525-

リトル・ロイ・ルイスと故ダグ・ディラードをカバーに、ブルーグラス界最高のショーマン、リトル・ロイの楽しいインタビューと"Keep on the Firing Line"、5月16日に亡くなった故ダグ・ディラードの特徴解析と"Dixie Breakdown""Hickory Hollow"。そのほか、ビル・エバンズ最新CD『In Good Company』から"Big Chief Sonny"、ビル・キース"Boston Boy"(1976年、デビッド・グリスマンのラウンダーアルバムより)、スウェーデンのトラッドバンド、ヴェーセンの"Hasse A's"と"Stamlaten"、フレッド・ゲイガーのコード遊び!?はスタンダードの"Rosetta"、初心者は"Wabash Cannonball"、オールドタイムは"Lorena"ほか。

  BNL-12/06 2012年6月号 \525-

ジャム特集号としてジャムの心得などのほか、カバーストーリーは英国のジョン・ドウリングとそのすばらしくユニークな奏法(インタビュワーはレオン・ハント)とタブ譜は"Rocker Shuffle / Lady Madonna"ほか、アールはさまざまなバックアップ例のほか"Whiskey Before Breakfast"、トム・アダムズはハイポジション"Old Home Place"ほか。

  BNL-12/05 2012年5月号 \525-

アール・スクラッグス追悼特集号が再入荷です。正規印刷物がなくならない内に、ぜひどーぞ!!

  BNL-12/04 2012年4月号 \525-

東京ディズニーランドにも来ていたロス・ニッカーソンのカバーストーリーと"Roundhouse"ほか、セサミストリートの人形でバンジョー奏者の蛙の「カーミット」のインタビューと"Rainbow Connection"、ブラッド・ペイズリーとのバトル"Man or Frog?"、アール・スクラッグスとラウドン・ウェインライトIIIの"Swimming Song"、トム・アダムズのハイポジションでの7thブルースほか。

  BNL-12/03 2012年3月号 \525-

ノーム・ピケルニーのカバーストーリーと"Jim Thompson's Horse"と"Fish & Bird"……凄いんです!ほか、タブ譜はスティーブ・マーティン"The Great Remember"、アール・スクラッグス"Before I Met You"、アレン・シェルトン"She Left Me Standing on the Mountain"、トム・アダムズ"Your Cheatin's Heart"など。サイトからYoutubeなどで確認できるようになっている。

  BNL-12/02 2012年2月号 \525-

バンジョー・ネック製作などで有名なロビン・スミスとアラン・マンデの表紙、タブ譜はマンデ"Dapple Patti"、ビル・エマーソン"Grandma's Tattoos"のバックアップ、フレッド・ガイガーのデューク・エリントン"In A Sentimental Mood"コードほか、"Angeline the Baker"や"Hot Corn Cold Corn"などのタブ譜。

■ブルーグラス・アンリミテッド誌
 米国の最大のブルーグラス月刊専門誌。お探しの記事などバックナンバーもお問い合わせください。
  BU-13/01 最新2013年1月号 \840-

サム・ブッシュを表紙に恒例の全米ブルーグラス・フェスリスト(数百箇所)と、ブリストル・リズム&ルーツ・リユニオン・フェス、ルディ・フェス、マウンテン・オープリハウスなど、各地のイベント特集に連載コラムほか、米国ブルーグラス情報満載の84頁

 
  BU-12/12 2012年12月号 \840-

サード・タイム・アウトとマイク・オルドリッジがカバーのほか、IBMAのWoB週間特集、コミックバンド「クレバーリーズ」、パテント・ペンディングの特集ほか。

  BU-12/11 2012年11月号 \840-

ラリー・スパークスをカバーストーリーに、ラルフ・リンズラー、シャノン・スローター、スタンレーズのリッチRトーン録音でマンドリンを弾き、ロンサム・パイン・フィドラーズに"That's Why You Left Me So Blue"ほか名曲を残し、レッド・エリスとの活躍など、アーリー・ブルーグラスの隠れた立役者ジミー・ウィリアムズなどの特集ほか。

  BU-12/10 2012年10月号 \840-

ラリー・コードルのカバーストーリーに、ジョッシュ・グレイブスのフラット&スクラッグス時代、デル・マッカーリー・バンドで20年を過ごしたジェイソン・カーター、ワシントンDCの名物DJケイティ・デイリーらの特集に10月号恒例のブルーグラス・タレント名鑑。

  BU-12/09 2012年9月号 \840-

スティーブ・キャニオン・レンジャーズをカバーストーリーに、DCグラスの新しいレーベル、パタクサント・レコード、故ラリー・ライスの思い出、東京の米軍基地で育ったブルーグラス・ミュージシャン/評論家のジョー・ロスの「ブルーグラス・ソングライター神話」などの特集ほか。

  BU-12/08 2012年8月号 \840-

トラッドグラスの王道を行くジョー・マリンズ&レディオ・ランブラーズをカバーストーリーに、ムーンシャイナーで紹介したドックとアールの出会いと友情や盲目であったけれども大工仕事か電気工事まで、さまざまなことをやってのけた故ドック・ワトソンの私生活に関する話題、今春来日したテリーとシンディ・バウカム夫妻ほか。

  BU-12/07 2012年7月号 \840-

ドック・ワトソン、エバレット・リリー、ダグ・ディラード追悼のほか、ジェイムズ・アラン・シェルトン、デイリー&ビンセントのゴスペルについて、ビル・モンローとピーター・ローワンのデュオ名曲"Midnight on the Stormy Deep"のルーツがドイツのロマン主義にあるという話題ほか、尾崎兄弟のアルバム『Till We Meet Again』がレビューで好評を得ている。

  BU-12/06 2012年6月号 \840-

ヤンダー・マウンテン・ストリングバンドのカバーストーリーに、アール・スクラッグス追悼第2集「ブルーグラス・メモリーズ/ルイーズ・スクラッグス」、「アール・スクラッグス天才のサウンド」、「アール・スクラッグス葬儀リポート」ほか。

  BU-12/05 2012年5月号 \840-

アール・スクラッグス追悼特集号。全編アールの特別号でタブ譜もすべてアール、"John Henry"、"My Cabin in Caroline"(Backup)、"Foggy Mountain Special"(Backup)、"Hey Jude"、"Foggy Mountain Breakdown"、"North Carolina Breakdown"ほか。

  BU-12/04 2012年4月号 \840-

ブルーグラス・ハイウェイのカバーストーリーほか、1970年のダグ・ディラード&エクスペディション(バイロン・バーライン/ロジャー・ブッシュ/ビリー・レイ・レイザム)訪問記、ノースカロライナのニュブルー、インテリタッチ・チューナー探訪ほか。

  BU-12/03 2012年3月号 \840-

アンリミテッド誌3月号の恒例「楽器特集」は、ベアード・ギターズ、マンドリン族楽器について、アジア産ノースフィールド楽器、ストラップ専門「ラコタ・レザー」、バージニア州ゲイラックスのるしあー、ジミー・エドモンズらの特集ほか。

  BU-12/02 2012年2月号 \840-

チャーリー・サイズモアのカバーストーリーほか、シエラ・ハル、バディ・グリフィン、IBMM「ビル・モンロー生誕100年」リポート特集など。

  BU-12/01 2012年1月号 \840-

1月号恒例、全米ブルーグラス・フェス・ガイドほか、フロリダ州のライブ・オーク・フェス、メイン州のトーマス・ポイント・ビーチ・フェスの特集や、ブルーグラスを支える女性パブリシスト特集などのほか、米国ブルーグラス情報満載の96頁。

■オールドタイム・ヘラルド誌
内容の濃いオールドタイム音楽専門誌。アメリカン・トラッド音楽研究に必読の良書!!バックナンバーが揃っています。お問い合わせください。
  OTH-1303 最新第13巻3号 \1,260-

アルバート・ハッシュ・メモリアル・フェスのリポート、ミズーリ・フィドラーのR.P.クリステンソン、ウォルト・コーケンの連載「Tales from the Woods Vol.3」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。

  OTH-1302 第13巻2号 \1,260-

全米フェス&キャンプガイド特集のほか、西アフリカ・ガンビア共和国ジョラ族のアコンティング奏者ラエモウアヒュマ・ジャッタのインタビュー、ウォルト・コーケンの「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話A」は「ショッティーシュ(ボヘミア起源のダンス)」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。

  OTH-1301 第13巻1号 \1,260-

ダン・マーゴリーズ「ハンドメイド弦〜猫と馬の尻尾から生まれる音楽」をメイン特集に、アート・ローゼンバウム「北部ジョージアでの1日」、ウォルト・コーケン「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話」シリーズ第1回など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。

 月刊『ムーンシャイナー』
 1983年11月の創刊以来、毎月発行を続ける日本唯一のブルーグラス月刊専門誌、28年目です。
■定期購読:1年¥6,000-半年¥3,300-

お申込はお葉書やお電話、ファックスやメールでご希望の購読開始月をお知らせ下さい。バックナンバーも含めて、いつからでもご自由です。

■バックナンバー:各¥525-

下記以外にも、アーティストや知りたい事をお知らせ下さい。掲載号を探してお送りします。

  MS-3003 最新2013年1月号(通巻351号)\525-

アール・スクラッグスの右手の表紙写真にメイン特集は、村片和彦のアール・スクラッグス奏法解析「俺、アールやもん」と、先月号の50年前のフラット&スクラッグス『カーネギーホール』で「マーサ・ホワイト!」を叫んだ本人の当時のリポート「アール・スクラッグス異聞」ほか、市川慎一郎のボジョアギター“Slope D”「バンジョーキラー」修理リポート、若手ドブロ宣言「ドブロだって主役!」、60年前の1953年1月1日にアパラチア山中で息を引き取ったハンク・ウィリアムズの最後の1年ドキュメント、フットヒル・ドライブ「アメリカツアー記」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

  MS-3002 2012年12月号(通巻350号)\525-

50年前のフラット&スクラッグス『カーネギーホール』カバーストーリー特集ほか、1月に盛岡から沖縄まで、全国12ヵ所をツアーする井上太郎の「TARO & JORDAN」、千日前ブルーグラスアルバムバンドが伝えるアーリーブルーグラスの魅力!、手島家のマールフェス珍道中記B最終回、名古屋大学ブルーグラスの「本場に学ぶ!ナッシュビルとIBMAのWoB体験」ほか。

  MS-3001 2012年11月号(通巻349号)\525-

11月号恒例のIBMAアワード大特集号で現在の米国ブルーグラス・トレンドを一挙紹介のほか、16年ぶりに全国8ヵ所をツアーするブルーグラス45、手島家のマールフェス珍道中記A、名古屋大学ブルーグラスの「本場に学ぶ!ブルーリッジ紀行」ほか。

  MS-2912 2012年10月号(通巻348号)\525-

初のソロアルバム『First Tear』を発表した大塚章のカバーストーリーほか、フィクション・ブラザーズのハーウィ・ターナウアー来日、ドイル・ローソンIBMA名誉の殿堂入り、手島家のマールフェス珍道中記@、アール・スクラッグス追悼C「続・誰がブルーグラスを創ったのか?」、米国大学生の卒論「日本ブルーグラス研究B」旅行記最終回、ドック・ワトソン追悼Bほか!

  MS-2911 2012年9月号(通巻347号)\525-

10月来日予定の若手ウエストコースト派ブルーグラス、フェアウェル・ドリフターズのカバーストーリー、アリソン・ブラウン来日、今月14〜16日に関東ツアーに挑む神戸大学の女子ブルーグラス「まろんまかろん」(箱根フェス人気投票は堂々第2位!!)、アール・スクラッグス追悼B「誰がブルーグラスを創ったか?」、オールドタイム入門A「カロライナ・チョコレート・ドロップス」、イッツアクライングタイム最終回、米国大学生の卒論「日本ブルーグラス研究」旅行記、新潟県妙高市のウエストフラッシュの30年ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

  MS-2910 2012年8月号(通巻346号)\525-

ジミー・グドローの楽器遍歴寄稿「マンドリンとの50年物語」、絵本『あなたのひとり旅(Your Lone Journey)』、アパラチアとオールドタイム音楽@、パイレーツ・カヌー、ジェイコブ・シャープ「日本ブルーグラス旅行前編」、ハワイでブルーグラス、イッツ・ア・クライングタイムB、森繁昇物語「ナッシュビル着」E、日本ブルーグラス年表1975年ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

  MS-2909 2012年7月号(通巻345号)\525-

フラット&スクラッグスに囲まれたドック・ワトソンの追悼「アールとドックの友情」をカバーストーリーに、アメリカン・ハーモニー後編「バーバーショップからブルーグラス」、スー・トンプソン来日「ブルーグラス・ハーモニー・ワークショップ」、イッツ・ア・クライング・タイム「1972年渡米A」、森繁昇D「ロストシティ・キャッツ」、第1回稲葉和裕ブルーグラスキャンプ、日本ブルーグラス年表1974年ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

  MS-2908 2012年6月号(通巻344号)\525-

アメリカン・ハーモニー前編「グレゴリオ聖歌から南部教会音楽/シェイプノート・シンギングについて」ほか、ダグ・ディラード追悼、イッツ・ア・クライング・タイム「1972年6月渡米」、森繁昇「ロストシティ・キャッツ」、小樽「グラスオーセブン」、ジェイコブ・シャープ「米国学生ブルーグラス事情」、日本ブルーグラス年表1974年ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

  MS-2907 2012年5月号(通巻343号)\525-

アール・スクラッグス追悼特集@ほか、80歳を越えてのデビューアルバム『Til We Meet Again』を発表した尾崎ブラザーズ、弦楽四重奏団スーパージャズ・ストリングス「アメリカン・フィドルの旅」に参加して、WOB2011リポート「須田ギター後編/恐怖のグルーンギター体験!?」、森繁 昇物語B、橘 俊暁、日本ブルーグラス年表1974年ほか。

  MS-2906 2012年4月号(通巻342号)\525-

今月来日するテリー・バウカムをカバーストーリーに「ブーンクリークのドライブ」を検証とサンセットドライブ2012来日ツアー特集ほか、2月に来日ツアーしたパシフィック・リム・アコースティック・オールスターズ「奇跡のセッション」リポート、ウィンターグラス2012「ブルーグラス45」、WOB2011リポート「須田ギター前編」、名古屋・鶴舞公園フェス、森繁 昇物語A、日本ブルーグラス年表再開1974年ほか。

  MS-2905 2012年3月号(通巻341号)\525-

今アメリカでもっともブルーグラスがホットな街、ボストンの女性ブルーグラス、デラ・メイをカバーストーリー。日本ブルーグラス年表総集編「1950年代〜1973年」、2011年発売ブルーグラスレコード総括、元ロストシティーキャッツ森繁 昇物語@『陽が昇るまでに』、国本武春芸歴31周年『武春まつり』、バンジョー弾き語りデュオ『マダム&スー』、WOB2011「楽器リポート」ほか。

  MS-2904 2012年2月号(通巻340号)\525-

ヨー・ヨー・マ、クリス・シーリ、ステュアート・ダンカン、エドガー・マイヤーらのブルーグラス作品『Goat Rodeo Sessions』をカバーストーリーに、フラット&スクラッグスの1952年最高の録音を生んだジョディ・レインウォーター追悼、青山学院大「ブルー・マウンテン・ボーイズの50年」、奥沢明雄「きたむらいづみ『IZUMI』について」、神戸で3月4日「オールドタイム・ジャム&ダンス・パーティ」、WOB2011「楽器関連リポート」のほか。

  MS-2903 2012年1月号(通巻339号)\525-

2月に来日するケイシー・ドリーセンのカバーストーリーほか、祝米寿!アール・スクラッグス「誰がブルーグラスを創ったか?@」、セルダム・シーン40周年記念ライブ・リポート「ジョン・ダッフィの思い出とともに」、カントリー・ジェントルメン「1972年1月17日、来日から40年」、きたむらいづみ2ndCD『IZUMI』、ヨーマ・コウコネン&バリー・ミターホフ来日、長谷川健悦の復興フェス・リポート!

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