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B.O.M.Newsletter #385web   2012年11月8日

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今月の注目作品
ブルーグラス新入荷
ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
LPアルバム限定新入荷&発掘
クリスマス新入荷&お勧め作品
B.O.M.特選コーナー
ブルーグラスお勧め作品
インスト新入荷
各楽器別お勧め再入荷作品
オールドタイム&フォーク新入荷
オールドタイム&フォークお勧め作品
カントリー新入荷
カントリー発掘、編集モノ新入荷
カントリーお勧め作品
映像ものお勧め作品
楽器、その他…
輸入雑誌
 月刊『ムーンシャイナー』
B.O.M.ご利用方法


ブルーグラス月刊専門誌「ムーンシャイナー」が今月、創刊30年を迎えました。まず、これまでに購読してくれた読者の方々に、心から感謝を申し上げます。また、これまで例外なく、すべてがご好意で寄せられた記事や写真の提供者、そのほかムーンシャイナーの29年間、総計348号の発行に欠かすことのできない協力をしてくれたすべての方々や法人の皆様に感謝します。ありがとうございました!!

これからも、いつまで続けられるか分かりませんが、皆さんのご協力をいただける限り、こんなにすばらしい音楽と仲間たち、日本に定着しつつあるそんなブルーグラス・コミュニティの一助にとなりたいと思っています。皆さんには、情報/話題や記事などの提供、そしてできれば定期購読!など、皆さんのサポートをぜひともお願いします。

◆創刊30年を迎えた月刊ムーンシャイナー最新11月号(\525-)は、恒例のIBMAアワード大特集号で現在の米国ブルーグラス・トレンドを一挙紹介のほか、16年ぶりに全国8ヵ所をツアーするブルーグラス45、手島家のマールフェス珍道中記A、名古屋大学ブルーグラスの「本場に学ぶ!ブルーリッジ紀行」ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

 
 月刊ムーンシャイナー定期購読は1年間(12冊)
 \6,000- 半年間(6冊)\3,300-。単冊は\525-ですが、ぜひとも定期購読をお願いします。購読開始希望月をお知らせください、早速お送りします!!

またムーンシャイナー情報提供、そしてご自由なテーマでのご寄稿など……、なにとぞご協力を、よろしくお願いします!

 ◆ブルーグラス45「結成45周年記念ジャパンツアー」
  45年前の1967年に結成された「ブルーグラス45」が、在米メンバー、大塚章のアルバム『First Tear』発表と今年2月の米国シアトル郊外「ウィンターグラス」出演を機に、16年ぶりにオリジナルメンバー6人が揃ってのツアー「結成45周年記念ジャパンツアー」を、11月16日神戸/17日神奈川・藤沢/18日東京/19日名古屋/22日大阪/23日宝塚/24日愛媛・今治/25日高知の全国8ヶ所で行います。

すでに神戸と宝塚、東京がソールドアウトとなってしまいましたが、17日神奈川・藤沢(会場の都合で当日券はなく事前予約のみ=\3,000-=お問い合わせはjpbkim@yahoo.co.jp)、19日名古屋(お問合せ/予約:安川直樹 0584-45-2176、naoworks@h2.dion.ne.jp)、22日大阪・千日前アナザードリーム(チケットはB.O.M.にて)、24日愛媛・今治(お問合せ/予約:岩崎 iwa.oyavin@blue.ocn.ne.jp)、25日高知(お問合せ/予約:高知市文化振興事業団 088-883-5071)があります。よろしくお願いします。

サム・ブッシュが、「……1971年の夏、米国ブルーグラス界は衝撃を受けた。日本からやって来た若いブルーグラス45は、“我々の”音楽だったブルーグラスを真にインターナショナルにしたあたらしい音楽をクリエイトしていた。45がトラディショナル・ブルーグラスを熟知していたのは明らかだったけれど、彼らがデイブ・ブルーベックの“Take 5”を演奏したとき、その音楽は永遠に変わったのだ」とコメントを寄せる伝説のバンドです。CDやDVD作品はB.O.M.特選コーナーの「ブルーグラス45特集」をご参照ください!!

 【2013年版ブルーグラス・カレンダー!】
CCBC-2013 『2013 BLUEGRASS CALENDER』 \1,890(本体\1,800)

毎年恒例、ブルーグラス・ファン必携のブルーグラス・カレンダーが早くも登場です。昨年のカレンダーにはなかった毎日のブルーグラス界の歴史的出来事や誕生日などが記されたバージョンです。今回は「ブルーグラス・イン・ナッシュビル」をテーマに、ナッシュビル生まれの女性写真家、エーレン・アンノがステーション・イン、ライマン公会堂、グルーン・ギター等々、御馴染みのナッシュビル・スポットで撮影したというアーティストショットが毎月のテーマ。今年の主役はJ.D.クロウ、ラリー・スパークス、エディ&マーサ・アドコック、ジェシー・マクレイノルズ、メルビン・コーインズ、クリス・ジョーズ、ロニー・レノ、スペシャル・コンセンサス、ジェイムズ・キング・バンド等々。レターサイズ(変形A4)よりやや大きめの「30cm X 22cm」が見開きとなり、壁に掛けられる。何よりも、毎日のブルーグラス界の出来事や誕生日で、その日に聴くアルバム探しにも便利(昨年のカレンダーにはなかったけれど、復活しています!)。ブルーグラス・ファンなら必ず持っておきたい恒例のカレンダー。

 今月の注目作品
 (新入荷を中心に、話題作品のダイジェストです)
SKFR-1013 RICKY SKAGGS & KENTUCKY THUNDER『Music To My Ears』CD\2,573-(本体\2,450-)

凄い! リッキー・スキャッグス58歳、久々のブルーグラス正面攻撃!! ブルーグラス新入荷参照。

 
REB-1849 JOE MULLINS & the RADIO RAMBLERS『They Are Playing My Song』CD\2,573-(本体\2,450-)

今秋、IBMA週間で見た数十バンドのうち、トップクラスだったジョー・マリンズのレディオ・ランブラーズ最新作。ブルーグラス新入荷参照。

NONE533249 PUNCH BROTHERS『Ahoy!』CD\1,575-(本体\1,500-)

現在最も尖鋭なブルーグラスにして最先端の弦楽器アンサンブルと称されるパンチ・ブラザーズ最新ミニアルバム。ブルーグラス新入荷参照。

HMG-1010 DONNA ULISSE『All the Way to Bethlehem』CD\2,573-(本体\2,450-)

ドナ・ユリッシーの最新作は書き下ろしのイエス誕生の物語。クリスマス新入荷&お勧め作品参照。

REB-1778 DOYLE LAWSON『Tennessee Dream』CD\2,573-(本体\2,450-)

今秋、IBMA名誉の殿堂入りしたドイル・ローソン、その名が初めて冠せられた記念すべき1977年のマンドリン・インスト集。B.O.M.特選コーナーのムーンシャイナー11月号IBMAアワード特集参照。

REB-7530 FRONT PORCH STRING BAND『Featuring Claire Lynch: Hills of Alabama』CD\2,079-(本体\1,980-)

今も最良のスーパーピッカーたちと変わらぬキュートな歌を聴かせるクレア・リンチの初期アルバムからの13曲。ブルーグラス発掘新入荷参照。

HAR-8 ROGER & J.D. WILLIAMS『Williams Squared』CD\2,573-(本体\2,450-)

すばらしい!親子共作。ドブロ親とマンドリン子に最高級のバックアップ。インスト新入荷参照。

RC-126 渡辺敏雄『The Fiction Twins』CD\2,573-(本体\2,450-)

1930年代に大ブームを巻き起こしたマンドリン/ギターのブラザーデュオを再現したB.O.M.社長の力作。オールドタイム/フォーク新入荷参照。

BARKER2012 CRAVER, HICKS, WATSON & NEWBERRY『You've Been a Friend To Me』CD\2,573-(本体\2,450-)

元レッド・クレイ・ランブラーズとジョー・ニューべリーの新ストリングバンドユニットのデビュー作。オールドタイム/フォーク新入荷参照。

MDCL-1528 ロンサム・ストリングスwith中村まり『Afterthoughts』CD+DVD\2,835-(本体\2,700-)

英詩でルーツ系シンガーソングライターと、原さとしを擁するインストバンドのコラボ第2作。オールドタイム/フォーク新入荷参照。

RRRCB-1001 RIDERS IN THE SKY『America's Favorite Cowboy Songs』CD\2,888-(本体\2,750-)

アメリカ南部中心のレストランチェーン「クラッカーバレル」の店頭のみで販売されているライダーズ・イン・ザ・スカイの有名カウボーイソング集。カントリー新入荷参照。

SRR-27081 WAYLON JENNINGS『Goin' Down Rockin': The Last Recordings』CD\2,573-(本体\2,450-)

2002年に亡くなったカントリー界の大御所が最後に残した録音が10年を経て陽の目を見た。カントリー発掘新入荷参照。

UM-002LP RHONDA VINCENT & GENE WATSON『Your Money and My Good Looks』VINYL/LP\2,363-(本体\2,250-)

このストレートなナッシュビル・カントリーの最新名作。CDでは紹介したけれど、LPでもあるんですよ! LPアルバム限定新入荷&発掘参照。

TL-27462 HANK WILLIAMS『Lost Concerts』CD\2,573-(本体\2,450-)

初めて明かされる1952年のハンク・ウィリアムズ晩年、超貴重ライブ。カントリー発掘新入荷参照。

 ブルーグラス新入荷
SKFR-1013 RICKY SKAGGS & KENTUCKY THUNDER『Music To My Ears』CD\2,573-(本体\2,450-)

Blue Night/Things in Life/You Can't Hurt Ham/New Jerusalem/Tennessee Stud(to Doc Watson)/Loving You Too Well/Nothing Beats a Family 他全11曲

1曲目、ビル・モンローの"Blue Night"から、自身のクロウハンマーでドン・ストーバー"Things in Life"、そしてビル・モンローを歌ったオリジナルのストレートブルーグラス"You Can't Hurt Ham"へ、トンとんトンと3曲のトラッドグラスをつづけ、ベッキー・ビューラーとマーク・サイモスの書いたユニバーサル!?なゴスペル、つづいてピアノから始まるポップ調、……かと思えばモンロー調マウンテンマイナー名曲"Jerusalem Ridge"に影響されたマンドインスト"New Jerusalem"、そしてなんと!ギネスがポール・マッカートニーに次ぐソングライターと認めるビージーズのバリー・ギブが登場、昔からのブルーグラスファンだという(リッキー談)彼の新曲"Soldier's Son"、そしてリッキーのドックを偲ぶナレーションが入りドックに捧げた"Tennessee Stud"やスタンレー・ブラザーズの濃い"Loving You Too Well"等々……。何の気負いも、てらいもなく、58歳という最良の時期を、充実したメンバーとともに「自分の耳に聴こえてくる音楽」をさまざまな角度から創る余裕にあふれたリッキー。そのメンバー、アンディ・レフトウィッチ(f)とコディ・キルビー(g)という若き超一級スーパーピッカーに、あたらしくジャスティン・モーゼズ(bj)とバリー・ベイルズ(bs)を加えた完璧なブルーグラス・アンサンブルが創るサウンドは、モンローが言ったように「バッターボックスに立った打者」の心境で、隙なく、それぞれに相乗効果を生みすばらしい音を創っている。ナッシュビル・ギタリストでソングライター、1997年のエリック・クラプトン"Change the World"の作者として知られるのゴードン・ケネディとの共同プロデュースで自身の音楽観を広げている。

NONE533294 PUNCH BROTHERS『Ahoy!』CD\1,575-(本体\1,500-)

Another New World/Down Along the Dixie Line/Icarus Smicarus/Squirrel of Possibility/Moonshiner.

アメリカ音楽界が産んだ世界最高のストリング・アンサンブルとまで評されるパンチ・ブラザーズの最新作は5曲入りEP。サンプルで聴いたギリアン・ウェルチ&デビッド・ロウリングス作“Down Along the Dixie Line”は完璧な本格トラッドブルーグラス手法による脳味噌くすぐりアレンジ入り。本作の5曲とも、今年2月に発売されたアルバム『Who’s Feeling Young Now?』と同時に敏腕プロデューサー、ジャクワイアー・キング(トム・ウェイツ、ノーラ・ジョーンズ、キング・オブ・レオン、モデスト・マウスほか)のもとナッシュビル・スタジオで収録されたものの未発表作品。先のギリアン曲(2011年アルバム『Harrow and the Harvest』より)をブルーグラス・ドライブしたカバーほか、エドガー・アラン・ポーの詩にインスパイアーされたというシンガーソングライター系ジョッシュ・リッターの玄妙なカバーや、ポストハードコアロックのマクラスキーのロッキンカバー、そしてアパラチアントラッドの見事に哀しく美しい“Moonshiner”とパンチ・オリジナル・インストの5曲というバランス。ニューヨークタイムズ紙の「古いストリングバンド編成でありながら、アコースティック音楽の考え得るどんなサウンドよりもラジカルな」、そしてロサンゼルスタイムズ紙の言う「クリス・シーリとトンでもない仲間たちによる白熱状態の音楽マインド」によって、ローリングストーン誌が「そのアコースティック構造の技巧を越えた妙技に目が眩む」と絶賛してやまない彼ら、そう、ブルーグラス音楽の感受性と芸術性に瞠目すべし!!

REB-1849 JOE MULLINS & the RADIO RAMBLERS『They Are Playing My Song』CD\2,573-(本体\2,450-)

A Blue Million Tears/Bottom of a Mountain/Steel Guitar Rag/Some Kind of War/Moses Set My People Free/Our Old Kentucky Home/Katy Daly 他全14曲

父ポール・マリンズ(1936-2008)は、第一世代の渋いフィドラーとしてスタンレー・ブラザーズでキャリアをはじめた後1964年、アパラチアからの移民が多いオハイオ州デイトン(オズボーンズのデビューした街)とシンシナティの間にある町に移りラジオDJとして活躍と同時にオハイオの濃いトラッドグラスに多大な貢献を残した人物。一人息子のジョーは、父とともに1983年に結成した、その名もトラディショナル・グラスというバンドで、決してやり過ぎないスクラッグス/オズボーンのビッグバンジョーを標榜するすばらしいバンジョーとテナーを聴かせ、数少ないけれど、シビアなファンをつかんでいる。1995年にジョーがデイトン郊外のジーニア(Xenia)の放送局を買収するためにバンドを解散するが2006年、ふたたびバンドを結成して活躍をはじめたレディオ・ランブラーズの4枚目最新作。ジョーのトラッドグラス調自作曲を1曲目に、ジョニー・キャッシュで知られる炭鉱の厳しさを歌う"Bottom of a Mountain"、スクラッグスのライブから学んだという抑制の効いた"Steel Guitar Rag"...とつづく出だし3曲のほか、ジム&ジェシーで知られるデルモア曲"She Left Me Standing..."、オズボーン・ブラザーズ・メドレー(Windy City/Making Plans/Fair & Tender Ladies/Kentucky)、ベッキー・ビューラー嬢の書いたアカペラ・ゴスペルではジョーのすばらしいリード、ドロシー&デビッド・ハービー親子の書いたマンドリン・インスト"Cruisin' Timber"、デイブ・エバンズの"When the Snow Falls on My Foggy Mountain Home"なんてタイトルだけでいい曲だ。タイトル曲はレイ・チャールズとジェリー・リー・ルイスの古い録音から、そして最後の曲はラルフ・スタンレーで知られる父の書いたスタンダード"Katy Daly"のライブで決める。全員が仕事を持つ地元オハイオ出身のブルーグラス仲間で固めたというメンバー、突出したスーパーピッカー/シンガーはいないが、ほぼ結成以来のメンバーでよくまとまったサウンドがすばらしい。クッシュマン/スミスらお仲間と調整するバンジョートーンも聴きモノだ。今秋のIBMA大会、ナッシュビル・コンベンジョンセンターの小さな会議室で、生音で聴いた彼らのすばらしさは、ジョーのMCによるその古いスタイルのショー進行を含め、数十バンドに接した中でもトップ、古き良きブルーグラス・エンタメのすばらしいものだった。彼らにはほかに、2011年作『Hymns from the Hills』(REB-1839 \2,573-)と、2009年自費制作の『Rambler's Call』(MUL-10687 \2,573-)の在庫がある。チョーお勧め!!

PATUX-229 MERL JOHNSON『Better Man』CD\2,573-(本体\2,450-)

All the Good Times Have Past & Gone/Remember Me/That Silver Haired Daddy of Mine/Sweetest Love/When Johnny Comes Marching Home 他全14曲

DCグラスの伝統の中、自分流のモンローマンドリンを受け継ぐ若者マール・ジョンソンのデビューアルバム。1979年12月にデル・マッカーリーと来日(ムーンシャイナー誌2010年3月号に沼田 真氏による回想記あり)、カントリージェントルメンにも在籍したディック・スミスをバンジョーに、ジョンの息子ジェイ・スターリングをドブロ、DC周辺でブルーグラス/オールドタイムの双方で趣味のよいサポートをするダニー・ナイスリーのギター、ステファン・カストディのベースに、5度楽器の秘密!?と優しさを理解した自身の趣味の良い抑制の効いた美しいマンドリンとフィドルを基本セットにした作品。クリント・ブラックのヒット曲をタイトルに、日本人が好きな"All the Good Times Have Past and Gone"や"Remember Me"に"When Johnny Comes Marching Home"、カーター・スタンレーのストレートグラス"Sweetest Love"やボビー・ヒックスの究極のコード遊びワルツ"Angel's Waltz"、"You'll Find Monroe Written There"ってな洒落たタイトル曲はモンローの元曲をミディアムの二拍子にしたものなどとトラッド・スタンダードの数々を縦糸に、DCグラスの伝統(チャーリー・ウォーラーの好きそうな)を引く新作などを配して、聴きやすいアルバムに仕上げている。DC地区に本拠を構えるパタクサント・レコードらしい、ローカルゆえの趣味に走る面白さが堪能できる楽しい作品だ。

PATUX-226 ETHAN HUGHES『Searching for a Home』CD\2,573-(本体\2,450-)

Old Swinging Bridge/Never Let Your Deal Go Down/Deep River/Panhandle Rag/Ain't It Funny/Delia/Stay Away from Me/Love Hurts 他全12曲

アパラチアの山中ではない都会で、毎週水曜日に両親のバンドが練習するのを20年間、生で聴いていたという、日本にも一杯いるそんなブルーグラス第三世代の典型的なペンシルベニアの大学生、20歳のイーサン・ヒューズのデビュー作。東海岸/ワシントンDC人脈のビックリするようなフレーズを連発する若者たち、ラス・カーソン(bj)はJ.D.クロウらのソリッドを守りつつときおりロン・ブロック的ウルトラロールを聴かせるし、いつもはマンドリンで自身のバンド、ダーティ・キッチンを切り盛りするフランク・ソリバンがビックリするようなすごいフラットピッキンを聴かせ、今春デビッド・ブロムバーグと初来日したネイト・グローワーのフィドルに、ギブソン・ブラザーズの趣味の良いマンドリン奏者マーク・マクグラッシャン、そしてインド系のベーシスト、サヴ・サンカランといったメンツ。タイトル曲と最後、2曲のオリジナルのほかは、トラッドのアレンジやテッド・ランディや晩年のビル・モンロー、ポール・ウィリアムズの書いたジミー・マーティン曲、ピート・ゴーブルやノーマン・ライトらDCグラス人脈、エバリー・ブラザーズやエミルー・ハリスの取り上げた"Love Hurts"、レオン・マコーリフのドブロ定番インストなど、若いプレイヤーたちのバラエティに富んだ選曲と自由なアレンジが楽しめる。2曲でワイゼンボーンを使用するものの、近年どんどん増える若いドブロ奏者として父親譲りのブルーグラスを聴かせてくれる。なお、イーサンの父は現在ビル・エマーソンのスウィートデキシーでフィドルを担当するウォーリー・ヒューズ。父もドブロからスタートしたというマルチプレイヤーながら、ここではテナーボーカルに徹しているのもいいね。若い歌だか、バックミュージシャンのノリノリが楽しめる作品だ。デビッド・ブロムバーグが熱を込めてライナーノーツを書いているのも微笑ましい。

 ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
REB-7530 FRONT PORCH STRING BAND『Featuring Claire Lynch: Hills of Alabama』CD\2,079-(本体\1,980-)

Hard Times/I Found You/Where Dear Friends Will Never Part/Wabash Cannonball/Go My Wa/Natchez Trace/Kennesaw Line/Come Unto Me 他全13曲

クレア・リンチがフロントポーチ・ストリングバンドでデビューしたとき、「エミルー・ハリスに似過ぎ」と感じたものの1970年代後半、初めてブルーグラス界に女性らしい(ヒルビリー/マウンテン系の姉御たち、ゴメン!)声が登場したことを大歓迎したものだ(今ならエミルーよりナンシ・グリフィスと言うかな……、つまり可憐!?)。ほかに当時、女性らしい(ゴメン!!)ボーカルといえば、ザ・ホワイツの子供たちやオールドタイム系のホットマッド・ファミリーからドライ・ブランチで知られるスザンヌ・トーマス、現在もソングライターで活躍するルイーザ・ブランスコムらしかいなかったよね。そんなクレア、高校時代の同級生で夫のラリー・リンチと組んだフロントポーチSB、これはその1981年にレザーレコードから発表(2年後の1983年にレベルから発売)された全米デビュー作(それまでに2枚の自費制作LPあり)と、子育て期間を経て再結成した1991年の4枚目に当たるアルバムからの12曲、そして2000年にマーク・ニュートンのカーターファミリーに帰ろうと意図されたプロジェクト名作『Follow Me Back to the Fold』(REB-1764 \2,573-)から、トニー・ライスをゲストに迎えた"The Day That Lester Died"の全13曲集である。クレアのブルーグラスへの愛情を知る自作曲「レスター・フラットの亡くなった日」にはその日、1979年5月13日の情景が歌い込まれ、ブルーグラス第二世代の気持ちを代弁する感動モノだ(曲の最後は"On My Mind, on my mind... You're always in my heart and on my mind")。クレアのソングライティングはジョン・スターリング(元セルダム・シーン)に高く評価され、その紹介でパティ・ラブレスやキャシー・マティアらメインストリームカントリーでも取り上げられている。そのほか、フォスターの"Hard Times"を1曲目に、のちにトニー・ライスも歌うゴードン・ライトフット"Go My Way"やレッドの息子ニール・アレン"The Singer"、カーターファミリーの"Wabash Cannonball"ではニューグラス流のインプロバイズ作品に仕上げている。現在も最良のスーパーピッカーたちとともに変わらぬキュートな歌を聴かせるクレア・リンチ、81年から91年の間の成長ぶりを楽しめる初期アルバムからの13曲集。

 
 LPアルバム限定新入荷&発掘!
近年、LP(ビニール)アルバムがマニアの間で復活をはじめています。ほんの少しですが限定で入荷しましたので、旧譜とともにお知らせします。このジャケットの大きさ、音の暖かさに感動!!
UM-002LP RHONDA VINCENT & GENE WATSON『Your Money and My Good Looks』VINYL/LP\2,363-(本体\2,250-)

「ブルーグラス・クィーン」と呼ばれるロンダ・ビンセントが「キング・オブ・カントリーソウル」と呼ばれるジーン・ワトソンと組んだ2011年の、典型的なナッシュビル産カントリー・デュエット作品。ハンク・ウィリアムズの"My Sweet Love Ain't Around"ほか、新旧曲を「古い手法(モダン・トラディショナル・カントリーサウンドというスティールギターやフィドルが咽ぶタイプ)の本物のカントリーデュオを聴かせる」と評され、ポイントは「歌に込められた真実の言葉」なのだと。

THRILL-145LP JIMMY MARTIN『Don't Cry To Me』VINYL/LP\2,363-(本体\2,250-)

1950年代初期のビル・モンローとの"On and On"から60年代、自身のサニー・マウンテン・ボーイズの絶頂期の1958年のJ.D.クロウとポール・ウィリアムズを伴った凄いライブから2000年のビーン・ブロッサムでのライブまで、ジミー・マーティン(1927-2005)の本質を捉えた生々しい作品。自身を「キング・オブ・ブルーグラス」と称しながら、1960〜70年代のメジャーなカントリー市場で認められなかった強烈なブルーグラス魂が聴き/見て取れる、……という見方もあるすばらしいドキュメント・フィルム『King of Bluegrass』のサウンドトラック盤である。最後、2000年11月に自宅リビングで録音されたアカペラ"Time Has Made a Change"が凄い。

HHH-201/3L THE BLUEGRASS BAND『Shine Hallelujah Vol.1 - Vol.3』VINYL/LP3枚組\2,363-(本体\2,250-)

1991年、ブッチ・ロビンズが当時、将来を嘱望される若手を集めて一挙に録音したブルーグラス・ゴスペル・スタンダード43曲(正確には1曲のみキーを変えて録音したものがあるので42曲)。ブッチ入魂のバンジョーに、ダドリー・コンネルとラリー・スティーブンソンのリードとテナーボーカルに、デビッド・マクローリン(m)、ブレイン・スプラウス(f)、ロニー・シンプキンズ(bs)、そして若いロブ・マッカーリー(bj)を起用。ブルーグラス・ゴスペルの美学をとことん、満喫できる42曲だ。

M-018184LP GRAZZ MATAZZ『Delinquent Minor』VINYL/LP \1,019-(本体\970-)

1984年、大塚章とアル・ペタウェイが組んだワシントンDC地区のブルーグラス/アコースティック先端ユニット、グラズ・マタッズ唯一のアルバム。ベラ・フレック、ジェスロ・バーンズ、マイク・オルドリッジらをゲストに、翌85年にはワシントンDC地区の音楽賞ワミーで最優秀アルバムに選出、ジャズスタンダードからアパラチアンバラッドまで幅広い音楽性を持った作品。

 クリスマス新入荷&お勧め作品
HMG-1010 DONNA ULISSE『All the Way to Bethlehem』CD\2,573-(本体\2,450-)

女性ブルーグラス・シンガー/ソングライターとして確実なキャリアを重ねるドナ・ユリッシーの最新作は、イエス・キリストの誕生にまつわる物語を、共作も含めた全曲オリジナルで仕上げた力作。いつものようにスーパーピッカーのキース・ソウェル(g,bj)=ライル・ラベット、リッキースキャッグス、デキシーチックス、アール・スクラッグスらのサイドマン=を軸に、アンディ・レフトウィッチ(f,m)、ロブ・アイクス(d)、ビクター・クラウス(bs)らにジョン・モックのティンウィッスルなどアイリッシュ風味を効かせたアパラチアン・ケルト系サウンドといった落ち着いたアコースティック・アンサンブル。一度はカントリーでメジャーデビューしたこともあるドナ、夫であり、カーターとラルフの従兄弟であるリック・スタンレーとの出会いでアパラチア伝統に足を踏み入れたという。ドナは、「このアルバムを録音中にキースの友人でもあるアール・スクラッグスが亡くなったって知らせが入ったの。分からないけれど、スタジオは特別な何かに包まれたような感じ……聴いていただければあなたも感じるかもしれないわ」と、アルバムについて語っている。

 
SKFR-1012 RICKY SKAGGS『A Skaggs Family Christmas Vol. 2』CD+DVD\2,573-(本体\2,450-)

Christmas Time's a Coming/Light of the Stable/Silent Night/Children Go/Joy to the World 他全10曲

2005年の第一弾につづくスキャッグス一族のクリスマス第2集CDにはなんと!25曲入りノーカットの2時間、ナッシュビルのライマン公会堂でのクリスマス・ライブ映像のDVDがオマケ!! 高い評判を得たTVスペシャル以来、クリスマスシーズンにツアーをするスキャッグス家とパパ・バック率いるホワイト家一族郎党。リッキーとシャロン・スキャッグス夫妻、その娘と息子モリーとルーク、ザ・ホワイツのシェリルとその娘レイチェル(アンディ・レフトウィッチの妻)、彼らがみんな才能豊かに上手い!! ブルーグラスは1曲目のモンローソングほかはほとんどないが、すばらしいアカペラ・ハーモニーや、息子ルークのオリジナル・インスト、モリーのすばらしいピアノ弾き語り、そしてナッシュビル・ストリングスのオーケストラなど、ファミリークリスマスというタイトル通りのクリスマス・エンターテイメントがすばらしい。コンサート映像DVDでは、ケンタッキーサンダーのメンバーがトム・ローディのパーカッションとダーク・ジョンソンのピアノとともに大活躍、ポピュラーなクリスマスソングを見事にこなしていくのも見ものだ。またバック・ホワイト、人差し指をペロッとしてピックをつかむ態度も、娘ふたりシャロンとシェリルとのザ・ホワイツも健在。音楽で成功し、いい家族に囲まれているようで良かったネ、リッキー。ほんま。ジャンルを越えて誰にでもお勧めできる、すばらしいファミリー・クリスマス作品!!

  BOOK-47 ローザ・リー&ドック・ワトソン(詞)/M.B.ゴフスタイン(画)/谷川 俊太郎(訳)『あなたのひとり旅(Your Lone Journey)』A5変上製32頁絵本\1,890-(本体\1,800-)

そして今年のクリスマスにぜひお勧めしたい絵本。1963年に発表されたドック・ワトソンのデビュー作ともなる『The Doc Watson Family』に収められた、唯一のオリジナル曲、しかも妻であるローザ・リーとともに書いたというアパラチア名曲"Your Long Journey"の絵本です。今年、アール・スクラッグスとドック・ワトソンを失ったブルーグラス界。また同様に、つらい別れが多くなった世代に差し掛かった日本のブルーグラッサーたち。どういう偶然か、今年、谷川俊太郎の訳で、残された者たちが癒される、こんなにすばらしい大人向けの絵本が出版されました。出版のいきさつや曲に関する謎などはムーンシャイナー誌8月号で特集しています。親しい方への、心のこもったギフトにも……。

 B.O.M.特選コーナー
 ムーンシャイナー誌の特集ほか新旧問わず、今月のBOMからのイチオシ作品!
 ■ムーンシャイナー11月号IBMAアワード特集
 米国ブルーグラス界最大のお祭り、IBMAアワードショウ誌上完全リポートです。登場する旬のバンドを紹介しましょう。ムーンシャイナーを読みながら音源を楽しんでもらえると嬉しいなぁ。
SMM-2006 LAURIE LEWIS『Skippin' and Flyin'』CD\2,573-(本体\2,450-)

今年のIBMAアワードショウ・ホストはデル・マッカーリーとローリー・ルイス。2011年、このローリー最新作はビル・モンロー生誕100年を意識した秀作。ブルーグラスお勧めコーナー、「女性ブルーグラス&オールドタイム」を参照ください。

ROU-0245 DEL McCOURY『Don't Stop the Music』CD\2,573-(本体\2,450-)

ホストのもうひとりデル・マッカーリー、本作は1990年発表の名作発掘です。ジョージ・ジョーンズの名曲をハイロンサムで歌い上げたタイトルほか、モンローの"You'll find her name written there"、デルらしいオリジナル"I feel the blues moving in""Trainwreck of emotion"など、息子たちロニーとロブがバンドに加わった間もない頃の名作だ。なおデルの最新作は昨年、モンロー曲集『Old Memories』(MCM-0016 \2,573-)を発表している。

REB-1778 DOYLE LAWSON『Tennessee Dream』CD\2,573-(本体\2,450-)

今年、ブルーグラス界最高の名誉であるIBMA名誉の殿堂入りしたドイル・ローソン、その名が初めて冠せられた記念すべきデビュー盤にして1977年のマンドリン・インスト集(2002年にCD化)。今から丁度40年前、1972年1月に初来日したカントリー・ジェントルメン。そこで日本のブルーグラス・ファンは初めて、16部音符で連なるスリリングなマンドリン奏法に接して目を丸くした! そう、1968年のフラット&スクラッグスも1971年のラルフ・スタンレーも連れて来なかった、アメリカ第一線の初めてのマンドリン奏者がドイル・ローソンだったのだ。その衝撃たるや(マンドリン奏者の数は少なかったものの)、ともに1976年来日のサム・ブッシュやデビッド・グリスマンどころではなかったろう。最近ではバンドリーダーとして有名になり、マンドリン奏者として語られることは少なくなったが、35年前の本作、今聴いても全然古臭くない。ケニー・ベイカー(f)とJ.D.クロウ(bj)という超人たちに若気のジェリー・ダグラス(d)、ボビー・スローン(bs)が9曲のドイル作品ほか、「ビル・モンロー・メドレー」、「ラバーズ・コンチェルト」や「サニー」などのポップも楽しませてくれる。ケニーがいいなぁ!!

ちなみにドイルとクイックシルバーの最新作は、今年発表のゴスペルCD『Sing Me a Song About Jesus』(MH-1393 \2,573-)と2011年の世俗作ミニCDアルバム『Drive Time』(MH-1345 \2,079-)。またDVD映像作品としてクイックシルバー歴代のメンバーが一堂に会した見ごたえたっぷりのライブ映像『Through the Years』(MH-1063D \3,990-)がある。

VAN-79723 GREENBRIAR BOYS『Big Apple Bluegrass』CD\2,573-(本体\2,450-)

IBMA名誉の殿堂入りしたもうひとりはラルフ・リンズラー(1934-1994)。ドック・ワトソンを発見紹介し、ビル・モンローのマネージャーとしてハイロンサムな精神性をプロモートしてブルーグラス音楽の芸術性を知らしめ、ニューポートフォークフェスや第1回ロアノーク・ブルーグラスフェスのキーマンであり、のちに米政府スミソニアン協会が運営するアメリカン・フォークライフ・フェスを立ち上げ、フォーク/ブルーグラスの位置を作った偉人であり、グリーンブライアー・ボーイズのマンドリン奏者。本作はラルフとジョン・ヘラルドの大名曲"Roll On John"を最後に収めた全17曲ベスト集。

COMP-4549 GIBSON BROTHERS『Help My Brother』CD\2,573-(本体\2,450-)(歌詞付)

IBMAアワードの最高賞である年間最優秀エンターテイナーに輝いたのはニューヨーク北部出身、現在最高のブラザーデュオといわれるギブソン・ブラザーズの初受賞だ。自分たち、つまりブラザーデュオの真髄をストレートに表現、12曲中ティム・オブライエンらとの共作を含む7曲のオリジナルほか、ジム&ジェシーの"I'll Love Nobody But You"など、また"Talk To Me"ではクレア・リンチをゲストに、ギブソンズのギミックのないすばらしいバンド・サウンドが味わえる。昨年には本作が最優秀アルバムとボーカルグループ、ともに初受賞という快挙を成したギブソン兄弟、一挙に今年、最高峰に駆け上がった。ブラザーデュオという伝統を現在に継承するもっともすばらしいボーカルグループだ。

REB-1845 JUNIOR SISK & RAMBLER'S CHOICE『The Heart of a Song』CD\2,573-(本体\2,450-)

A Far Cry from Lester & Earl/Another Man's Arm/Sea of Regret/Cold Heart/Tailor Made 他全13曲

最優秀アルバムと"A Far Cry from Lester & Earl"が最優秀ソングのダブル受賞! 感激のあまり、人目もはばからずライマン公会堂のステージで男泣きしたジュニア・シスク。デル・マッカーリーとラリー・スパークスを継ぐ次世代の「本物」とささやかれるダニー・ペイズリーと並んで現在トラッドグラスの牙城といわれる、ジュニア・シスク&ランブラーズ・チョイスの昨秋発表の最近作。その田舎(ヒルビリー)っぽいボーカルが胸をかきむしる中、趣味の良いロールとトーンを聴かせるのは誰かと思いきやジェイソン・デイビス23歳(2009年7月号ムーンシャイナー吉岡正の闘魂バンジョー#13に登場)ほか、ビリー・ホウクス(f)とクリス・デイビス(m)、ジェイソン・トムリン(bs)が、さすがに現代風の切れのいいプレイでジュニアを盛り上げる。

MH-1398 THE BOXCARDS『All In』CD\2,573-(本体\2,450-)

昨秋、結成一年目にしてIBMA最優秀新人賞と最優秀インストバンド賞を獲得したスーパーグループ、今年も最優秀インストグループを受賞したボックスカーズ、今春発表の最新第2作。今年も最優秀マンドリンを獲ったアダム・ステッフィ(m)に、ロン・スチュワート(bj,f)とジョン・ボウマン(f)という文句なしの超スーパーピッカーを抱え、たとえば、フラット&スクラッグスの"I've Lost You"が、J.D.のニューサウスでトニー・ライスとリッキー・スキャッグスのフィルターを通り、ボックスカーズが料理するとこんな風になるといった、めちゃくちゃ端正な現代メインストリーム・ブルーグラスの粋を集めたバンド。

RUR-1085 RUSSELL MOORE & IIIrd TYME OUT『Prime Tim』CD\2,573-(本体\2,450-)(歌詞付)

13年ぶりにカムバックした一昨年から今年で3年連続の最優秀男性ボーカル、ラッセル・ムーア(g)。プレゼンターのデラ・メイのお嬢さんたちに囲まれて、本当に嬉しそうだった。典型的なトラッドグラスから軽いスウィング、ロマンチックなバラードやオールドタイミーなバラッドからデルモア・カバー……ブルーグラスの生まれ故郷アパラチア色に染めつつ、トラッドとモダンが絶妙にバランスされたバンド結成20年、すばらしいキャリアを重ねたさすがブルーグラス界トップグループ、サードタイム・アウトは磐石だ!! スティーブ・ディリングのまっすぐなバンジョーに、ジョン・コーワン・バンドに参加していたウェイン・ベンソン(m)が戻り、抜群のテクニックと現代風な感性で縦横無尽なジャスティン・ヘインズ(f)、そして新加入のエドガー・ラダーミルク(bs)の5人組となり、ラッセル・ムーアの名前を押し出した新生サードタイムアウトの2010年の第1作『Russell Moore & the IIIrd Tyme Out』(RHY-1045 \2,450-)から生まれ変わったトラッドグラスな彼らに注目だ。

COMP-4564 DALE ANN BRADLEY『Smewhere South of Crazy』CD\2,573-(本体\2,450-)

これで5度目のIBMA最優秀女性ボーカルに輝く、アパラチアのど真ん中、貧しい炭坑地帯出身、デール・アン・ブラッドリーの最新作は、プロデューサーでもあるアリソン・ブラウン(bj)、おそらく初のスタジオバンド体験となるシエラ・ハル(m)ほか、ステュアート・ダンカン(f)、スティーブ・ガリー(g,harmony v)、マイク・バブ(bs)らの強力基本セット(モンロー曲"In Despair"など3曲にはマット・コムf、デビッド・ロングm、マイク・サムナーbjら)を従え、クリスタルな美声に加えて、貧しかった幼少期の影を感じさせるハイロンサムを聴かせる。パム・ティリスとの共作曲をタイトルにモンロー100年を記念した"In Despair"やシールズ&クロフツの“Summer Breeze”などのカバーほか、すばらしい仲間たちと創った2011年作品だ。

REB-1849 JOE MULLINS & the RADIO RAMBLERS『They Are Playing My Song』CD\2,573-(本体\2,450-)

そして最優秀新人賞に輝いたのがジョー・マリンズ&レディオ・ランブラーズ。今月ニュースレターのブルーグラス新入荷のトップで紹介しているので、そちらをご参照ください。

RUR-1101 LONESOME RIVER BAND『Chrology Vol.1』CD\1,837-(本体\1750-)

今年、1998年以来じつに14年ぶりに最優秀バンジョー奏者を獲得したサミー・シーラー率いるロンサム・リバー・バンド。回顧新録音シリーズ第一弾の本作からのフォスターのインスト"Angeline the Baker"が最優秀インスト録音に選ばれている。結成30年!! 1980〜90年代のいわゆる「コンポラソリッド」なブルーグラスをリードしたトップランナーも、サードタイム・アウトと同様、一時の低迷期から復活、トラッドグラスとコンテンポラリーを絶妙にバランスし始めている。ウッドベースになって「タテノリ」は影を潜め、DCグラスのような都会的な落ち着きを見せるのは、ちょっとビンス・ギルに似たクールな歌を聴かせるブランド・リックマン(g)を迎えたことも大きいだろう。スーパーピッキンにニカッとさせられ、テナーボイスもすばらしい新人ランディ・ジョーンズ(m)の歌も秀逸。そしてマイク・ハートグローブ(f)とバリー・リード(bs)。

ロンサム・リバー・バンド、今年2月から順次発表の最新三部作の回顧新録音シリーズが完結、『Chrology Vol.1』、『Vol.2』、『Vol.3』の3枚で30年を振り返っている(各\2,079-)。また、新生LRBの作品としては、2008年『No Turning Back』、2010年『Still Learning』が揃っている(各\2,573-)。

RUR-1094 V.A.『MACC Life Goes On』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

最優秀レコード企画に選ばれたのはこれ。小児ガンと闘う子供たちを援助するオハイオ州フロンティアランチのブルーグラス・クラシック・フェスのライブ2枚組の第二作。現在、南部系ブルーグラスの第一線で活躍する139アーティストによる全39曲は、第一作『Celebration of Life』が発表されたのち、2006年から2011年までに録音されたもの。トップアーティストがずらりと揃った上、このフェス名物の特別企画による珍しい顔合わせなどのお楽しみが一杯作品で、南部系ブルーグラス・トレンドを一望する秀作である。

COL-84118 YO-YO MA, STUART DUNCAN, EDGAR MEYER, CHRIS THILE『Goat Rodeo Sessions』CD\2,573-(本体\2,450-)

最優秀フィドル奏者には、近年圧倒的な強さを誇るマイケル・クリーブランドを抑えて、久々にステュアート・ダンカンが返り咲き。その実力からすれば、当然の結果ではある。いまや、ある意味マーク・オコナーを超えて、クラシック界にブルーグラスのソウル(魂)を持ち込む第一人者でもある。すごいんだステュアートは! 本作はムーンシャイナー誌2012年2月号のカバーストーリーを飾ったヨー・ヨー・マの「ブルーグラス・アルバム」(本人談)。お相手はクリス・シーリ(m,g,f)、ステュアート・ダンカン(f,bj)、そしてエドガー・マイヤー(bs)、ボーカルゲストにイーファ・オドノバン(クルキッド・スティル)。その研ぎ澄まされた楽器技術の上に、動じることなく強烈な自己主張をするクリス、……最強の弦楽四重奏団にファンキーなマンドリン男が加わった、まったくあたらしいブルーなグラシック音楽である。百言は一聴にしかず!! ヨーヨーにとって最大のヒット作になっているという。確実に時代は変わりつつある!!

RCD-05335 ROB ICKES『Road Song』CD\2,573-(本体\2,450-)

今年も最優秀ドブロはロブ・アイクス14回目の受賞。とにかく、ロブとジェリー・ダグラスが凄過ぎるというのがドブロ界の現状だ。ユニークな若いプレイヤーも多いので、早く彼らを倒して欲しいものだ。本作はロブの2009年作。マイケル・アルビーのピアノとの究極の癒し系アコースティック・デュオで贈るジャズ・スタンダード10曲。その内ハンク・ウィリアムズ"You Win Again"を含む3曲ではロビネラのすばらしい女性ボーカルが聴く者をさらに癒してくれる。ピアノの広がりのある響きの中で、ドブロしか持ち得ない独特の呟きや呻きが見事に混ぜ合わさって、メチャクチャ気色いい音を創っている。目を閉じてゆったりと聴きたい名品。ドブロ名盤たるべき超お勧めの一級作品!!

SH-3916 DOC WATSON『Foundation: Guitar Instrumental Collection』CD\2,573-(本体\2,450-)

Black Mountain Rag/Windy & Warm/Doc's Guitar/Billy in the Lowground/Victory Rag/Nashville Pickin'/Dill Pickle Rag/Cannonball Rag 他全16曲

そしてなんと!IBMA最優秀ギタリストには故ドック・ワトソンが初受賞だ。ドックのギターがブルーグラスか、どーか?という議論は別にして、アコースティックギターのフラットピッキンをスタイルとして確立したのは間違いなくドックなのだ。IBMA名誉の殿堂入りもしているドック、最後まで現役ピッカーを貫いたドックが最優秀ギター奏者になった。本作はドックが1963年のデビュー作以降、さまざまなアルバム(初期バンガード時代の録音が多い)に残したインスト曲を集めた2000年作のベスト集。フラットピッキンとフィンガーピッキン、すでにデビュー当時から完成されていたシュアなピッキンがいつの時代もドックらしい正直さで貫かれている。こうしてじっくりとCD音質で聴き直してみると、ドックの律儀な音楽性が偉大だったことに改めて気付く。最後には自分の息子の名前にもしたアイドルのマール・トラビスとの貴重なライブを含むドックのインストベスト全16曲集だ。

ROU-0648 STEEP CANYON RANGERS『Nobody Knows You』CD\2,573-(本体\2,450-)

最優秀アルバム・ジャケット・デザインを受賞したのは、昨年の最優秀エンターテイナーでもあるスティープ・キャニオン・レンジャーズの最新盤。映画俳優スティーブ・マーティンとの共演で一躍トップグループになった彼らだが、それ以前に新進バンドとして2006年にIBMA最優秀新人バンドを受賞した実力派。何よりもトラッドグラスのよさを守りながら若者らしいユニークなメロディと歌詞で、バランスの取れたブルーグラスサウンドが元気な彼ら、ゲイリー・パチョーザとジョン・ランドールのプロデュースによるラウンダー移籍第1作だ。全員が大学で初心者からブルーグラスを始めたという新世代のブルーグラスが、とにかく新鮮だ。

AMA-1051 MIKE MARSHALL'S BIG TRIO『Mike Marshall, Alex Hargreaves, Paul Kowert』CD\2,573-(本体\2,450-)

今年新設された第1回IBMAモメンタム・アワードに選ばれた天才フィドラー、アレックス・ハーグリーブズ(ムーンシャイナー2010年7月号表紙!)が16歳当時に参加したマイク・マーシャルの「ビッグ・トリオ」の2009年作品。30年ほど前、神童としてデビッド・グリスマン・クインテットに招かれたマイクがアレックスのためにセットしたトリオ。現パンチ・ブラザーズの当時22歳ポール・コワート(bs)と48歳のマイクのオリジナル作品集。クラシックとジャズとオールドタイムとニューアコースティックが同居、圧倒的なテクニシャンたちの大きな世界観が聴きモノだ。

ROU-0658 SIERRA HULL『Daybreak』CD\2,573-(本体\2,450-)

第1回IBMAモメンタム・アワードの楽器部門受賞のもうひとりは同じく今20歳のフィドラーで、ステュアート・ダンカンの再来と噂されるブルーグラス・フィドラー、クリスチャン・ウォードである。マンドリン奏者シエラ・ハルの最新第3作。シエラ・ハルらと当時の高校生として川口市の国際交流イベントに来日、そののち全国ツアーしたのはもう4年も昔、ちょうどシエラの全米デビュー作『Secret』(ROU-0601 CD\2,573-)を発表したときだった。本作はあれから3年、19歳になったシエラ、相変わらずの可憐な少女といった容姿とは似つかぬ超ハイテク・マンドリンには磨きがかかり、ボーカルには安定感が増し、さらに12曲中7曲がオリジナルと、大きく成長したところを見せる。ユニオン・ステーションのバリー・ベイルズのプロデュースで、ロン・ブロック(g)やロン・スチュワート(bj)、ブライアン・サットン(g)、ステュアート・ダンカン(f)らに、ともに来日したクリスチャン・ウォード(f)やコリー・ウォーカー(bj)、ジェイコブ・イーラー(bs)、そしてクレイ・ヘス(g)らのハイウェイ111のメンバーも活躍するさわやかブルーグラスだ。

PC-1174 TOWN MOUNTAIN『Steady Operator』CD\2,573-(本体\2,450-)

第1回IBMAモメンタム・アワードのメンター(師匠とか指導者という意味)部門を受賞したのは、元デル・マッカーリー・バンドのベーシストで日本長期滞在経験もあるマイク・バブ。ノースカロライナ州アッシュビルを本拠に活躍する若いソリッドグラス・バンドの2011年の第3作はそんなマイク・バブのプロデュース。マンドリンのフィル・バーカーが書いた曲をロバート・グリアー(g)が押し出しの強いボーカルで聴かせ、ジェシー・ラングレイス(bj)、ボビー・ブリット(f)、バーレル・スミス(bs,lg)のブルーグラス標準5人編成が、若いバンドらしいよく練習された柔軟性を聴かせる。若手バリバリによくあるタテノリ系ソリッドではないトラッド系ソリッドにも好感が持てる。ハニークッキーズの手塚夫妻がリポートした昨年のマールフェス・リポートにも登場、日米の若者交流が頼もしいネ……。

COMP-4573 SPECIAL CONSENSUS『Scratch Gravel Road』CD\2,573-(本体\2,450-)

IBMAアワードショウでは、ノミニーズを中心にしたさまざまな話題バンドの演奏も楽しみなのだが、苦労人グレッグ・ケイヒルのスペシャルコンセンサスが、かつてのメンバーのジョッシュ・ウィリアムズとクリス・ジョーンズにサム・ブッシュとボビー・ヒックスのツインフィドルを加えたノミネート曲"Monroe"がすばらしかった(ムーンシャイナーの写真で見てね!!)。現在のブルーグラスを絶妙のコントロールで聴かせるスペシャル・コンセンサス、今春の最新作だ。

ROU-0660 STEVE MARTIN & STEEP CANYON RANGERS『Red Bird Alert』CD\2,573-(本体\2,450-)

そして一番人気はなんたって圧倒的なスティーブ・マーティンの登場。2011年発表のポール・マッカートニーとディキシー・チックスという豪華ゲストに、トニー・トリシュカ制作の本作から、オレンジブロッサムをイメージした“Auden’s Train”のホットなフィドルで会場を熱くした。またスティーブ、フィナーレの「アール・スクラッグス追悼特別演奏」の紹介は、本人自身も声を詰まらせ、会場の多くの人の涙を誘ったすごい感動スピーチだった。1945年12月、アールがデビューした数メートルのところから語りかけられた、「われわれがここ(ブルーグラス・コミュニティ)に在る理由」、それはそこ、ライマン公会堂にいなくても、世界中でブルーグラスを楽しんでいる限り、とても大切な真実だと思った。アカデミー授賞式のホストもする、さすが大俳優の言葉は、胸の奥に響いた……。

 ■ムーンシャイナー11月号ブルーグラス45特集
 1996年、阪神大震災の翌年、25年ぶりに再結成したブルーグラス45。10月号の大塚章デビューアルバム『First Tear』につづいて、11月から全国ツアーをするブルーグラス45の特集です。
RC-127D BLUEGRASS 45『That's the Time: 1996 Reunion』DVD-R\2,573-(本体\2,450-、カラー43分)

You'd Better Get Right/Little Maggie/Blues Stay Away from Me/Orange Blossom Special/Blue Moon of Kentucky/Sudara Breakdown 他全11曲

1967年、NYのフォーククラブを模した神戸元町のコーヒーショップ「ロストシティ」で結成された6人組のブルーグラス・バンド、ブルーグラス45。メリケン波止場の船員や米兵に人気を博し、さまざまな音楽をブルーグラス・スタイルで演奏、ジャンルを越えたエンターテイメントでフォーク/ロックを含めた幅広い人気を得て、1971年6月から9月まで、米国東部/南部とカナダをツアー。日本人バンドとしてはじめてのグランド・オール・オープリ出演やマール・ハガード、ロレッタ・リンらの大規模カントリーパッケージショー、そして当時ようやくはじまったブルーグラス・フェスなどでセンセーションを巻き起こし、米レベル社からLPアルバム2枚『Bluegrass 45』、『Caravan』を録音/発表して帰国後解散したブルーグラス45。1996年春、前年の阪神大震災を機に解散25年を記念してリユニオン・ツアーしたとき、カメラマンの吉田恒星が制作監督したライブ・ドキュメント映像作品。こののち、同年IBMA「WOB」ほか、ライマン公会堂やバーチメアなど米国ツアー、また2006年にはビル・モンローのビーンブロッサム・フェス40周年に招かれたり、今年はシアトル郊外のウィンターグラスに招かれるなど、その間、在米の大塚章が帰国するときにときおりのリユニオンはあるものの、この11月に16年ぶりにオリジナル・メンバーが揃って全国ツアーする。

PATUX-231 大塚 章『First Tear』CD\2,573-(本体\2,450-)

この11月に一時帰国、ブルーグラス45と全国ツアーする予定の大塚 章のソロデビュー作に関する詳細が寄稿されている。アキラは1973年以降、アメリカにとどまり、数々のバンドに参加、地元銀行に勤めながらワシントンDC地区のブルーグラスに大きな功績を残している。そんなアキラが、デビッド・グリア(g)やマイク・マンフォード(bj)、リッキー・シンプキンズ(f)らを基本に、日本から兄のジョッシュ大塚、ロカビリーのビル・カーチェンを含むさまざまなゲストを迎えて演じるブルーグラス、ニューグラス、スウィングなど。恩人でもある故ジョン・ダッフィに捧げたラスト、ライブ録音"Heartaches"のエディ・アドコックとトニー・ライスが凄い!! 40年前に米国移住したアキラ、念願のソロデビュー作は、すばらしい作品になった。よくヤッタネ!!

ちなみにベラ・フレックやジェスロ・バーンズらをゲストにした大塚章のバンド、グラズ・マターズの1984年発表LP作品は「LPアルバム限定新入荷&発掘!」のコーナー参照ください。

M-017196 BLUEGRASS 45『Once Again from Kobe, Japan』CD\2,573-(本体\2,450-)

阪神大震災の1995年、神戸の復興とブルーグラス仲間の絆を大切に、ジョッシュ大塚(g)、渡辺敏雄(bs)、廖学誠(f)、李健華(g)、大塚 章(m)、渡辺三郎(bj)のブルーグラス45がリユニオンしたときのライブ作品。この翌年、ビル・モンローとブルーグラス45の恩人のひとりジョン・ダッフィが亡くなる年に、このCDを携えて日本ツアーと米国ツアーを敢行、ビデオ作品『That's the Time』も発表している。

 ■11月号レビュー紹介作品とペン話題作品
UM-06 RHONDA VINCENT『Sunday Mornin' Singin' Live!』CD\2,573-(本体\2,450-)

2000年から2006年まで、最優秀女性ボーカル連続7年受賞という記録を持つロンダ・ビンセント、今年も当然、候補だ。最新作は、故郷の100年余りを経た教会での感動的なライブ。大きく成長したハンター・ベリー(f)、グラスカルズにもいた若手アーロン・マクダリス(bj)、ブレント・バーク(d)、ベン・ネルソン(g)、そしてミッキー・ハリス(bs)のザ・レイジとともに、全曲見事なブルーグラス選曲でブルーグラス編成のバンドアンサンブルの粋を聴かせるブルーグラス・ゴスペルの見事な形がここにある。

 
REB-1845 JUNIOR SISK & RAMBLER'S CHOICE『The Heart of a Song』CD\2,573-(本体\2,450-)

IBMAアワードの最優秀アルバムと"A Far Cry from Lester & Earl"が最優秀ソングのダブル受賞!したジュニア・シスク。B.O.M.特選コーナー「IBMAアワード特集」参照

MDCL-1528 ロンサム・ストリングスwith中村まり『Afterthoughts』CD+DVD\2,835-(本体\2,700-)

英詩でルーツ系シンガーソングライターと、原さとしを擁するインストバンドのコラボ第2作。オールドタイム/フォーク新入荷参照。

MFR-120214 HEATHER BERRY & TONY MABE SHOW CD\2,573-(本体\2,450-)

ヒザー・ベリーとトニーのメイブ夫妻、第3作となる最新作。ヒザーはギターまたはオートハープを抱え、トニーはバンジョーをメインにギターとハーモニー、それに女性ハーモニーのジェミー・コリンズ(bs)という、基本三人のシンプルな編成。

REB-1614 JOHNNY WARREN『Just Playin' in the Rain』CD\2,573-(本体\2,450-)

1983年に発表されたフラット&スクラッグス系フィドルの大名盤。インスト・コーナーの「話題のインストお勧め最近作」参照。

RUR-1104 DARRELL WEBB BAND『Breaking Down the Barriers』CD\2,363-(本体\2,250-)

東テネシー出身、全身ブルーグラスのダレル・ウェッブ、自身のバンドでの最新第二作。ブルーグラスお勧め作品コーナー、「話題のブルーグラス最近作」参照。

HS2K-111 FAREWELL DRIFTERS『echo boom』CD\2,573-(本体\2,450-)

ムーンシャイナーズ・ペンで話題、10月はじめ、山形県酒田市の国際交流に招かれ初来日したフェアウェル・ドリフターズ。「ビル・モンローよりもペットサウンドの影響」と評されるように、ビーチ・ボーイズやザ・バーズなど、1960年代前半のウエストコーストを全面に、昨年発表のフェアウェル・ドリフターズ最新第3作。東京では学生たちとさわやかな交流会を持ったという。2010年の全米デビュー作『Yellow Tag Mondays』(HS2K-101 \2,573-)もある。1960〜70年代人にも、とても気持ちのいいバンドだよ!!

UICV-1020 斎藤ジョニー CD\3,000-(本体\2,857-)

夏の正体/D.P.T./お世話になります/Helpless/ぼくの友だち/One More Time/絶品ガール 他全12曲

11月号のシャイナーズ・ペンには新潟と大阪、2ヶ所での斎藤ジョニーのライブリポートが寄せられている。昨秋のメジャーデビューミニCD『アイ・アム・ジョニー』(UICV-1017 \2,000-)から、早々と2枚目は自身の名を冠した初のフルアルバム。前作同様、プロデュース&アレンジャーに高野勲を配し、奥田民夫や岸谷香(プリンセス・プリンセス)らが参加という話題づくりとともに、ジョニーの瑞々しいオリジナルがバリバリのJ-Popに仕上がっている。……が、ジョニー自身のバンジョーやフラットピッキンに井上太郎のマンドリンと少路健介/Rayのフィドルなどの存在感もほどほどに出しつつ、ブルーグラス出身である斎藤ジョニーをメジャーでブレークさせようという試み。J-Popの好き嫌いは別にして、バンジョーを抱えたジョニーがあちこちで見られる、そのことだけにでも応援甲斐があるというものだ。今年の宝塚でも爆発していた若者ブルーグラス・パワー!バンジョー/マンドリン/ドブロ/フィドルなどを一生懸命に弾く彼ら、そんな若者たちをわれわれがサポートしなくて、どーする!!

 ■これからの話題作!?予告編
 ブルーグラス/オールドタイム/カントリーなどジャンルにかかわらない、注目のお勧めアルバム!
KOCH-7929 FLATT & SCRUGGS『at Carnegie Hall』CD\2,573-(本体\2,450-)

そーなんです!50年……、気が付いてましたか?この歴史的アルバムがライブ録音されたのは1962年12月8日のことだったんです。でも、あのLPに収められていたのは13曲、ところが1998年にCD化された本作には、なーんと全32曲、収録時間77分。1960年代、信じられない完成度を誇ったフラット&スクラッグスを、50年後にじっくりと味わってみませんか?これはブルーグラス初のライブ盤でもあったはず。ムーンシャイナーでも特集しようかな……!?

 ■1970年代名盤、奇跡の復刻!
RCSI-1075 OLD & IN THE WAY『Old & In The Way』CD\2,573-(本体\2,450-)

Pig In A Pen/Midnight Moonlight/Old And In The Way/Knockin' On Your Door/The Hobo Song/Panama Red/Wild Horses/Kissimmee Kid/White Dove/Land of the Navajo. 以上全10曲

おそらく、1970年代に発表されたブルーグラス作品でもっとも売れたアルバムで、日米ともに長い間にわたって廃盤となっているピーター・ローワン(g)、デビッド・グリスマン(m)、バッサー・クレメンツ(f)、そしてアメリカン・ロック界のカリスマ、ジェリー・ガルシア(bs)らによる1973年、ほんの短期間だけ存在した、奇跡のブルーグラス・ライブ大名作のヨーロッパ盤が限定入荷。すでに会社がなくなった「LINE」レコードの残り物、いつなくなるか分かりませんのでご注意!! なお、グリスマンの私的レーベルからから発表された同一メンバー同時期のライブCD2枚、『High Lonesome』(ACD-19 \2,573-)と『Breakdown』(ACD-28 \2,573-)も在庫あります。

OXCD-6009 MULESKINNER『A Portpourri of the Bluegrass Jam』CD\2,573-(本体\2,450-)

オールド&イン・ザ・ウェイとともに限定入荷のクラレンス・ホワイト(録音後すぐに他界)、デビッド・グリスマン、リチャード・グリーン、ピーター・ローワン、ビル・キースによるスーパーバンド、唯一の1973年スタジオ録音盤。

RCSI-1029 JOHN HARTFORD『Aereo Plain/ Morning Bugle』CD\2,888-(本体\2,750-)[再入荷]

1971年、まったくあたらしいブルーグラス音楽の到来を告げたジョン・ハートフォード究極の歴史的名盤LP『Aereo Plain』と翌72年の『Morning Bugle』2枚のアルバムがユーロから2on1。

BGOCD-298 COUNTRY GAZZETTE『Traitor in Our Midst/Don't Give Up Your Day Job』CD\2,573-(本体\2,450-)

西海岸ロサンゼルスのポップなサウンドでブルーグラス界に衝撃を与えたカントリー・ガゼットの1972年デビュー作とクラレンス・ホワイトをゲストに迎えた翌73年の第2作のLP2枚が1枚のCDに!!。

BGOCD-1016 COUNTRY GAZETTE『Country Gazette Live/Sunny Side of the Mountain/What A Way To Make A Living』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

ローランド・ホワイト加入後、カントリー・ガゼット第3作から5作まで、1970年代のLP3枚が、イギリスでCD2枚となって再発売されている。

 ブルーグラスお勧め作品
 (すでにニューズレターで紹介済みの作品です)
 ■話題のブルーグラス最近作
 今、最も旬なブルーグラス・アルバムたち…
SH-4085 KATHY MATTEA『Calling Me Home』CD\2,573-(本体\2,450-)

A Far Cry/Gone, Gonna Rise Again/Maple's Lament/Black Waters/West Virginia, My Home 他全12曲

今秋にナッシュビルで開かれたIBMA大会で組まれた特別プログラム「ヘイゼル・ディッケンズに捧ぐ」(ムーンシャイナー誌で紹介予定)で主要キャストとしてすばらしい演奏を聴かせたキャシー・マティアの炭鉱をテーマにした最新作。メジャーアーティストとしてカントリー界で成功した女性シンガーながら、自身の出自を見つめて真摯に音楽/生活と向き合っている。ブルーグラスとオールドタイム独特の楽器ノウハウをうまく取り入れながら、ナッシュビルの見事なアコースティック・プロダクションの粋を聴かせるのは共同プロデュースとエンジニアを担当するゲイリー・パチョーザ(アリソン・クラウスほか、彼の名前があれば要注目)。日本メディアでも大きく報じられた2006年に12人の犠牲者を出したウエストバージニア州セイゴーの炭鉱事故を機に制作したという前作『Coal』(2008年)につづき、アパラチアの厳しい炭鉱の生活をテーマに、アリス・ジェラード(2曲)の曲をタイトルに、次々とヘイゼル・ディッケンズやジーン・リッチー(3曲)、ローリー・ルイス(2曲)やサイ・カーンらの名曲を自分の歌として表現する作品。ブライアン・サットンとステュアート・ダンカンという卓越したトラッド・アパラチアン・マルチプレイヤーをバックアップの軸に、ランディ・コーアズ(d)やティム・ロウアー(accordion,organ)、バイロン・ハウス(bs)らを配し、ティム・オブライエン、エミルー・ハリス、イーファ・オドノバン、アリソン・クラウス、パティ・ラブレスほかの豪華なハーモニー陣。メジャーヒットを飛ばしたポップ感覚とアパラチアン・オールドタイムの精神を聴き易く表現した現代のアパラチアン・アルバムである。

RUR-1108 AMERICAN DRIVE CD\2,573-(本体\2,450-)

Long Haul Trucking Man/Willow Creek Dam/War Is Hell/Son of a Miner/Some Broken Hearts Never Mend/Nobody's Child/Gotta Travel On 他全12曲

J.D.クロウが今年一杯で引退を発表、残されたニューサウスに若手バンジョーのジャスティン・ジェンキンズを加えた新バンド、アメリカン・ドライブのデビュー作。14年間、J.D.の右腕としてニューサウスを支えたリッキー・ワッソン(g)の深いバリトン・ボイスとシュアなリードギターは、ときにトニー・ライスを思わせる落ち着きを聴かせる。トラッドグラスの雄ジム・マッコールの息子で、16歳のときに父とウォルター・ヘンズレーらとともにデビュー、そののちユニオン・スプリングスを経てチャーリー・ウォーラー&カントリージェントルメンに参加、1996年からニューサウスに参加したドワイト・マッコール(m)のスカッとしたテナーボイスのベテラン。そのふたりに、ボビー・オズボーンのロッキートップエクスプレスから3年前、ニューサウスに参加しているマット・デスペイン(d)と、2010年にニューサウスに参加したカイル・パーキンス(bs)は7歳からベースを弾いているという。そしてJ.D.の後を埋めにやってきたのがブルー・ムーン・ライジングからグラスタウンを経た若手ジャスティン・ジェンキンズ。だが、今年5月に息子が生まれたばかりのジャスティン、本作に参加し9月のIBMA大会でアメリカン・ドライブとしてショウケースに出演したものの、グラスタウンに留まると表明した。ともかく、本作では切れのいいバンジョーで、ニューサウス・サウンドを継承している。ベテランのピート・ゴーブルやビル・キャッスルらの新曲のほか、1959年にビリー・グランマーがヒットさせビル・モンローもカバー、折からのフォークブームに乗って、モンローにとっては珍しいチャートヒットなったポール・クレイトン作の"Gotta Travel On"やドン・ウィリアムズの1977年ヒット"Some Broken Hearts Never Mend"のカバーなど、トニー・ライス/リッキー・スキャッグス在籍時以来のハッピーミディアムなサウンドが快調だ。

REB-7518 CHRIS JONES & NIGHT DRIVERS『Lost Soul & Free Spirits』\2,097-(本体\1,980-)

ナッシュビルに移る前にはボストンで有田純弘らとバンドを組んでいたクリス・ジョーンズ、さすが現在もっとも人気のあるブルーグラスDJらしく、渋いバリトン・ボイスで見事なバンドアンサンブルをまとめ上げる今年54歳、今や大ベテランである。本作は1997年から2009年にレベルに残した11曲と3曲の新録音で聴かせるすばらしいコンピレーション。名作1枚だけを残したウエアリーハーツ時代の仲間ロン・ブロック(bj)にダン・ティミンスキやマイク・コンプトン(m)を配した98年から00年の作品5曲のさすが見事な仕上がり、そして現在のメンバーでもあるネッド・ルベレッキ(bj)、ウィル・マリングと来日経験もあるマーク・ストッフェル(m)らとの新録も含めた6曲など、いずれもレベルの高いアンサンブルとボーカルを堪能させてくれる。クリス・ジョーンズの魅力を知るお勧め廉価作品!!

RUR-1104 DARRELL WEBB BAND『Breaking Down the Barriers』CD\2,363-(本体\2,250-)

19歳でロンサム・リバー・バンドに加入以来、J.D.クロウのニューサウス、ロンダ・ビンセントのザ・レイジ、マイケル・クリーブランド&フレームキーパーズなど、高校卒業後から数々のメジャーバンドを経験した東テネシーをベースにする才人にして、すばらしいテナーボイスの持ち主でマルチプレイヤー(メインはマンドリン!!)ダレル・ウェッブ。自らのバンドを率いて2010年のデビュー作『Bloodline』(RHY-1064 \2,573-)につづく最新第2作。間違いないイーストテネシー産ブルーグラス。

REB-1838 BIG COUNTRY BLUEGRASS『The Boys In Hats & Ties』CD\2,573-(本体\2,450-)

トミー・セルズを中心に、デリケートなビッグ・バンジョーを聴かせるリンウッド・ランスフォードほか通常5人組、バリバリの正統派ブルーリッジ系ブルーグラス。タイトル曲(トム・T.ホールとドン・リグスビー作)ではアーリー・ブルーグラス時代に小粋な「帽子とネクタイ」でアパラチア地方を席巻した第一世代ブルーグラスに敬意を表し、なんと2011年春のブルーグラス・ソングチャート第1位をヒット。カレン・ギャリーンやロイ・マクミランら、ブルーリッジ系の重鎮らの作品を並べた選曲も秀逸。ブルーグラスの真髄は中途半端じゃないローカル、それがホンモノを感じさせる。

RUR-1097 MARTY RAYBON『Southern Roots & Branches』CD\2,079-(本体\1,980-)

1989年から1996年まで人気カントリーグループ、シェナンドーで数々のヒットを飛ばしたマーティ・レイボンが古巣のブルーグラスに戻って『Full Circle』(2003年)を発表してからもう10年。昨年はガンのために療養したが、今年はツアーにも復帰、この最新作は既発の9曲に、ケニー・スミス(g)、スーパーマルチプレイヤーのジャスティン・モーゼス(bj)、グレン・ギブソン(d)、マーク・フェイン(bs)での新録3曲の合計12曲。シャド・コッブ(f)やデビッド・タルボット(bj)、ブライアン・サットン(g)らを擁した旧録音からはビル・モンローの超スピード"White House Blues"や"Rocky Road Blues"、そしてアイドルだったというジミー・マーティンの"Home Run Man"や"Prayer Bells of Heaven"そしてジミー調に今風ドライブをかけたフラット&スクラッグスの"Down the Road"など、ブルーグラス・スタンダードやコンテンポラリーなブルーグラスに加え、カントリーヒットの常連だった経歴を思わすキャッチーなカントリーサウンドも取り混ぜたバラエティを収録。カントリーのヒットシンガー、マーティを聴いているとその説得力の豊かさにはうならされる。

 ■女性ブルーグラス&オールドタイム
SMM-2006 LAURIE LEWIS『Skippin' and Flyin'』CD\2,573-(本体\2,450-)

1曲目のビル・モンロー名曲"Molly and Tenbrooks"のバースから取ったアルバム・タイトル通り、二度のIBMA最優秀女性ボーカル受賞者のローリー・ルイス最新作は「わたしなりのビル・モンロー・トリビュート」という、2010年の『Blossoms』につづく最新作。パートナーであるトム・ロザム(m)のほか、ファンの多い繊細なクレイグ・スミス(bj)にスコット・ハフマン(g)、トッド・フィリップス(bs)という基本バンドの見事なバックアップに若者ゲスト。"Blue Moon of Kentucky"や"A Lonesome Road"が入っているものの、モンロー曲集というわけではなく、 "What's Good for You,"(リンダ・ロンシュタットがハーモニー!)や"I Don't Care Anymore,"、"I Ain't Gonna Work Tomorrow,"などのフラット&スクラッグス名曲やジミー・ロジャーズ"Tuck Away My Lonesome Blues"、デル・マッカーリー"Dreams"ほか、カーター・ファミリー、ワンダ・ジャクソン、ウィルマ・リー・クーパー、ユタ・フィリップスなどをカバー、同時にすばらしいオリジナルも発表。さすがローリー、自身が感じるモンロー・ブルーグラスを演じる女性ブルーグラス秀作に仕上げている。

REB-1842 DEHLIA LOW『Ravens Crows』CD\2,573-(本体\2,450-)

アンニャ・ヒンクル(f)のアパラチアン・ルーツ色の濃い女性ボーカルとオリジナル5曲を軸に、ハンク・コックランとウィリー・ネルソン共作で未発表だった曲をノーラ・ジーンズがカバーしたホンキートンクものや、最後にカーター・ファミリーのトラッド"Cannonball Blues"を見事なスロー・ブルースにアレンジしたカバーを配したデリア・ローのレベルからのデビュー作。アーロン・バランスの新感覚ドブロ、ブライアン・クレンデニン(m)、グレッグ・スティグレッツ(bs)ら、アパラチアど真ん中、ノースカロライナ州アッシュビルの若いバンジョーレス5人組をストリングダスターズのトラビス・ブックがプロデュース。アーニャとステイシー・クロウド(g)の女性ハーモニーを軸に、アーニャの陰影を持ったハスキーなバリトンボイスが魅力だ。

NW-30423 ABIGAIL WASHBURN『Song of the Traveling Daughter』CD\2,573-(本体\2,450-)

アビゲイル・ウォッシュバーン、クロウハンマー・バンジョーを手にアパラチアの陰影を山水画で描いたような音楽世界を創る逸材。トラッドとオリジナルで構成されたアビー、28歳の2005年ソロ・デビュー作は夫ベラ・フレックがプロデュースとギター&バンジョーに参加、ケーシー・ドリーセン(f)、ザ・ダックスのジョーダン・オコンネル(g)ほか、若手ミュージシャンを中心に見事なアンサンブル。ムーンシャイナー2006年1月号特集(MS-2303 \525-)参照。稀有な才能は、超お勧め!!

COMP-4566 BEARFOOT『American Story』CD\2,573-(本体\2,450-) (歌詞付)

あたらしい女性リード・ボーカリスト、チョッとハスキーでブルージーなノーラ・ジェーン・ストラサーズ(g)に交代した若者バンド、ベアフット最新作。まだ20代の柔らかなポップ感覚で書いたノーラのオリジナルを中心に、クラスタープラッカーズからディキシーチックスを経験したポップな感覚の持ち主ブレント・トリットのプロデュース/録音で、学生ブルーグラス時代の仲間、ジェイソン・ノリス(m)、アンジェラ・オウディーン(f)、トッド・グリーベ(g)、P.J.ジョージ(bs)から成るベアフット、コントロールの効いたハッピーなニューグラスサウンドも決まる。お勧めの若い女性ブルーグラス作品。

 インスト新入荷
HAR-8 ROGER & J.D. WILLIAMS『Williams Squared』CD\2,573-(本体\2,450-)

Roger's Reel/Crimson Raptor/Glastonbury Woodshed/Last Ride of the Red Bomber 他全12曲

かねてより趣味のいいドブロ奏者として米北部ボストンを中心に活動してきたロジャー・ウィリアムズと現在バークリー音楽院に通う大学生の息子J.D.ウィリアムズ。ふたりの書いた趣味の良いフィドル・チューン風メロディを、参加全員がじつに丁寧に情感を込めて大切に演じるすばらしい作品だ。デラ・メイの女性凄腕フラットピッカー、コートニー・ハートマンとフィドルのキンバリー・ルディカーのほか、バークリー音楽院でバンジョーを専攻するゲイブ・ハーシュフェルド(bj)や知る人ぞ知るスーパーピッカーのレイ・レジェ(f)、デイブ・ディック(bj,g)、リンカーン・メイヤーズ(g)ら、ニューイングランド地方の名だたるピッカーがバック。1963年、14歳にしてリリーブラザーズ&ドン・ストーバーのステージで初舞台を踏んだという父ロジャー。以来ジョー・バルやヘイゼル・ディッケンズ、マック・ワイズマンやビル・クリフトンからロン・スチュワートやマイケル・クリーブランドらまで、多くのアーティストと数々の録音で共演してきたベテランでエイミー・ギャラティン&スティルウォーターズというローカルバンドでも活躍しており息子のJ.D.とは2005年から一緒に演奏しているという。ふたりがそれぞれ6曲ずつ、やはり父はトラッド系、息子は今風のオリジナルを持ち寄った作品。ふたりとも、決してこれ見よがしに弾くのではないが、ドブロがこんなにメロディックな楽器だと気付かされる楽しい作品でもある。CDの最初と最後に1993年2月23日に録音された6歳のJ.D.のマンドリンと歌が20秒ずつ収められている。嬉しいね、父……。

 ■話題のインストお勧め最近作
REB-1614 JOHNNY WARREN『Just Playin' in the Rain』CD\2,573-(本体\2,450-)

Indian Creek/Tom & Jerry/Limerock/Saint Anne's Reel/Hiram's Hornpipe/What a Friend We Have in Jesus/Daley's Reel/Black Eyed Susie 他全12曲

1983年に発表されたこのアルバムの2曲、ジョニー・ウォーレンとスティーヴ・スクラッグスが奏でるフィドル&バンジョーにどれほど感動したことだろう。ポールとアールの息子たちが、父親たちと同じ感性とトーンを聴かせてくれる……そのときわたしは、今日21世紀の子供たちの活躍を予見したのかもしれない。ただアールの三男スティーブは1992年9月、自殺という悲劇的な死を遂げている。ふたりでのフィドル&バンジョー2曲のほかは、ローランド・ホワイト(m)、バック・ホワイト(piano, m1曲)、テリー・スミス(bs)が前述のチャーリー・クッシュマン(bj)とジェリー・ダグラス(d)とともにバックを固め、スローな2曲にジョッシュ・グレイブス(d)、ポールの18番ソングだった"Black Eyed Susie"だにマーティ・ステュアート(m)やケニー・イングラム(bj)ら、当時ジョニーもメンバーだったナッシュビル・グラスが参加している。アーサー・スミスをアイドルにした父ポール・ウォーレン(1918-1978)のトーンとハートを大切にしつつ、テキサス・フィドルの美味しさも加味したすばらしいフィドル・アルバム、大推薦です!!

RCSI-1076 SALLY BURGESS & HOT CLUB of NASHVILLE『Reach for the Rhythmn』CD\2,573-(本体\2,450-)

Seems to be a Pattern Here/Sooner or Later/Magic Day/Mood Swing Thing-a-Ling/Sugar Moon 他全11曲

ジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリのフランス・ホット倶楽部バンド以来、その粋なストリングバンド・サウンドをフォローする世界中のホット倶楽部にあって、さすが音楽の都ナッシュビル・ホット倶楽部バンドは守備範囲が広い。イギリス生まれのギタリストのリチャード・スミス(41)が率いるナッシュビルのホット倶楽部は、チャビー・ワイズからバッサー・クレメンツを排出したフロリダのブルーグラス・フィドル伝統を背負ったスーパーフィドラー、アーロン・ティルにもうひとりのギタリスト、パット・バージソン(アリソン・クラウスの元夫)、チャーリー・チャドウィック(bs)らが、ナッシュビルのライターたちが書いた新曲を中心にすばらしく洗練されたスウィングを聴かせる。これがソロ7作目となるベテラン女性シンガー、ニュージーランド出身のサリー・バージェスも水を得た魚のようにスウィングする。チェット・アトキンスの翼に抱えられてナッシュビルに移り住んだリチャードのセンスとアーロンの見事な弓捌きが快感だ。ボーカルものだがインスト系として紹介。

E1-2133 BELA FLECK & FLECKTONES『Rocket Science』CD\2,573-(本体\2,450-)

いまやジャズ/クラシックを越えて米国音楽界の重鎮とまで言われるベラ・フレックのオリジナルメンバーに戻ったフレックトーンズ最近2011年作。今年のグラミーでも、本作からベラ・フレックとハワード・リービー作曲の"Life in Eleven"が最優秀インスト作曲賞を受賞している。バンジョーという楽器を最先端音楽の中で自由に転がした、その功績はアール・スクラッグスに匹敵する偉大なものだ。ムーンシャイナー5月号で紹介しているアールの葬儀での追悼スピーチも素晴らしかった!!

JMD-001 TARO & JORDAN『Did I Laugh in Your Dream?』CD\2,000-(本体\1,905-)

ゴンチチのチチ松村氏曰く、「マンドリンとギターだけで、このグルーヴと高揚感を醸し出すとは恐れ入った。アクースティックミュージックの究極の形に、身も心もスカッとする。二人の若きツボ師に乾杯!」と、すばらしいマンドリン&ギター・デュオ・アルバム。コピーに曰く、「カナダから来た最強のグルーヴ製造機、DUHKSのギタリスト、ジョーダン・マコンネルと縦横無尽のマンドリン井上太郎(中略)のオリジナル曲の数々、アイリッシュ、オールドタイム、ブルーグラス、結局何だって一緒……」とある。タウンズ・バン・ザントとチャズ・ジャスティスのカバー以外、すばらしいオリジナルを、ぜひ聴いてみてください。

NF-9069 BILL EVANS『In Good Company』CD\2,573-(本体\2,450-)

バンジョー奏者であり教育者でもあるビル・エバンズの最新作。デビッド・グリア(g)、マイク・マーシャル(m)、トッド・フィリップス(bs)、ダロル・アンガー(f)にトリスタン(cello)とタシナ(f)・クラーリッジ弟姉のセットでのオリジナルインストを軸に、インファマス・ストリングダスターズに若手マンドリン奏者ドミニク・レスリーを加えたセット、ティム・オブライエンとローリー・ルイスとのボーカルセット、そしてボストンの若手ジョイ・キルズ・サローの女性ボーカルをフィーチャーした若手シンガーソングライター、サラ・シスカインド曲(アリソン・クラウスが2曲取り上げている)などの歌モノをサンドイッチ。お楽しみは、基本セットでのビートルズ曲集、"Mother Nature's Son"、"You've Got to Hide Your Love Away"、"Lucy in the Sky with Diamonds"、そして見事なハードドライビング・ブルーグラスに仕上がった"A Hard Day's Night"の4連発など、バラエティたっぷりに楽しませる大秀作。

ROU-0638 V.A.『Foggy Mountain Special: A Bluegrass Tribute to Earl Scruggs』CD\2,543-(本体\2,450-)

Flint Hill Special/Reuben/Foggy Mountain Special/Randy Lynn Rag/Sally Goodin/Pike County Breakdown/Foggy Mountain Rock/Nashville Skyline Rag/Earl's Breakdown/Steel Guitar Rag/Ground Speed/Foggy Mountain Breakdown.

3月28日、88歳で亡くなったアール・スクラッグスに捧げられた、現在トップバンジョイストたちの新録音企画作品。偉大なアールを尊敬する12人、デビッド・タルボット、ジム・ミルズ、ロン・ブロック、チャーリー・クッシュマン、ラリー・パーキンズ、ロン・スチュワート、トム・アダムズ、J.D.クロウ、ジョー・マリンズ、トニー・トリシュカ、ケニー・イングラム、クレイグ・スミス、あえて言えば、アールの時代(1950〜60年代)よりも社会的に煮詰まっている21世紀、それぞれのアールへの思いを込めた素敵な12曲。

 各楽器別お勧め再入荷作品
 (楽器奏法や教則、またCDに関してはミュージシャン歴豊富なスタッフがアドバイス、また楽器につきましては、本体やパーツなど、各種取り扱っています。お気軽にお問い合わせください)
 ■ギター
PATUX-176 JORDAN TICE『Long Story』CD\2,573-(本体\2,450-)

ジョーダン・タイス、20歳にして2枚目、2009年作のフラットピッキン・ギター・アルバム。見事なフィドル・チューンから新世代のインストまで、圧倒的なテクニックと感性でメロディーを肉付けしていくバンドは、ノーム・ピケルニー(bj)、ケーシー・ドリーセン(f)、アンディ・ホール(d)の若者スーパーピッカーと、マーク・シャッツ(bs)。どれもが自然な流れでブルーグラス的であるのは、おそらく幼いころからフェスにどっぷり浸かった賜物か。バイオに曰く、「ブルーグラス家庭に育ちながらロック以外に興味をしめさなかった彼が15才の夏突然、87年のベラ・フレック"Drive"と89年のストレングス・イン・ナンバーズの音楽にのめり込んだ……」のだという。2005年のデビュー作『No Place Better』(PATUX-126 \2,573-)と2011年の最新作『The Secret History』(PATUX-230 \2,573-)もあるでよ。

ROU-0642 NORMAN BLAKE『Perfect 10 Series: Sleepy Eyed John』CD\1,575-(本体\1,500-)

独自のアメリカン・トラッドを演じるノーマン・ブレイクの初期ラウンダー/フライング・フィッシュからの廉価ベスト10曲集。フラットピッカーとしてのバリバリ・インストから定評あるトラッド風オリジナル、ジェイムズ・ブライアン(f)との"Elzic's Farewell"や"Salty"などフラットピッキン・フィドル・チューン美学、そして"Fifty Miles of Elbow Room"カーター・ファミリー名曲など1970年代、孤高のトラッドフォーク・ミュージシャン、ノーマン・ブレイクの多様性を凝縮した廉価ベスト・コレクション。

 ■バンジョー
 (ムーンシャイナー連載のチチ松村「バンジョー祭り」、世界のバンジョー音楽をお見逃しなく!!)
RCSI-1026 LARRY PERKINS & FRIENDS『I Just Want to Pick Like Earl』CD\2,573-(本体\2,450-)

誰しも「アールのように弾きたいんだ!!」って、思うよね。本作はそんなラリー・パーキンズが、ほぼ22年間にわたって録りためた楽しい22曲、フラット&スクラッグス、そしてカーター・ファミリーに捧げたボーカル物とインスト物半々の秀作。今では故人となったベニー・マーティン、アンクル・ジョッシュ・グレイブス、ジャネット・カーター、ドック・ワトソンをはじめ、90を越えたカーリー・セクラーら伝説のミュージシャンたち、そして現役お仲間に、ついには今年亡くなったアール・スクラッグスも登場という、バラエティに富んだアルバム。ラリーは一音ずつにアールの呼吸(バンジョー/ギターともに)を込めることができる稀有のアールオタクである。バンジョー奏者のみならず、この抜けがたい泥沼を楽しむファンに捧げる秀作。

COMP-4565 NOAM PIKELNY『Beat the Devil and Carry a Rail』CD\2,573-(本体\2,450-)

ブルーグラスをまったく異次元に運びつつあるパンチ・ブラザーズのバンジョー奏者ノーム・ピケルニーの凄い!!バンジョー2011年第2作は、スリーフィンガーバンジョーのハードルをさらに持ち上げるすばらしい作品だ。基本バンドはティム・オブライエン(m)、ステュアート・ダンカン(f)、クリス・エルドリッジ(g)、マーク・シャッツ(bs)にジェリー・ダグラス(d)が3曲。ゲストにはイーファ・オドノバン、スティーブ・マーティン、デビッド・グリアと天才少年アレックス・ハーグリーブズ、クリス・シーリとブライアン・サットン、マイク・コンプトンほか、さすがの一癖二癖が並ぶ。新世代のインスト!及びバンジョーファン必聴!! 3/4が4/4交差する名曲"Jim Thompson's Horse"のタブ譜は、バンジョーニューズレター誌2012年3月号参照、またアールもベラも出演、演技をする必見、本作の爆笑プロモビデオは「Bluegrass Diva」でググって見て(なお出演の映画俳優、エド・ハリスはビル・モンロー伝記映画のアール・スクラッグス役だというぞ!!)。

PC-1147 V.A.『Ultimate Pickin'』CD\2,573-(本体\2,450-)

Clinch Mountain Backstep/Sally Ann/Steel Guitar Rag/Home Sweet Home/Dear Old Dixie 他全20曲

スコット・ベスタルが中心になって1990年代に活躍をはじめたスーパーピッカーたちが発表したインストシリーズの2005年に発売のベスト集が限定入荷。スコットのバンジョーほか、ジェフ・オートリー(g)、ウェイン・ベンソン(m)、オウブリー・ヘイニー/リッキー・シンプキンズ(f)、ロブ・アイクス/ランディ・コーアズ(d)、マーク・シャッツ(bs)、現在第一線のベテランたちが上記ほか超有名インスト曲で遊ぶ至福のブルーグラス・インスト集。

 ■マンドリン
MANDO-0902 THE RAGTIME SKIDADDLERS『Mandolins at the Cake Walk』CD\2,573-(本体\2,450-)

実に愛らしい音色で古色蒼然としたラグタイム・ナンバーを演じるマンドリン(ニック・ロビンソン)、マンドリン・バンジョー(デニス・パッシュ)、そしてギター(デイブ・クリンケル)のトリオ、その名もラグタイム・スケダドラーズ。19世紀から20世紀にかけてジャズが登場する直前、スコット・ジョップリンをはじめ、1896年から1923年にかけて発表された作曲家のラグタイム譜からトリオにアレンジされた、映画『スティング』の世界から飛び出してきたようなサウンドが魅力のアルバム。

 
JJ-1006 JESSE McRENOLDS『Love Songs from the Pick Inn』CD\2,573-(本体\2,450-)

ジム&ジェシー兄弟が1964年にグランド・オール・オープリのメンバーとなったときに購入したナッシュビル郊外の農場が、2006年に「ピック・イン」として結婚式場やパーティ会場に生まれ変わったことを記念して創られた結婚式のためのラブソング集。ジェシー大得意のロマンチックなバリトンボイスとブルーグラス界随一の美しい音作り、その美学を表現する最適のマルチ才人、スティーブ・トーマスが本職のフィドルのほかでサポート。チャールズ・ウィットスタインとのデュオ"Rose of My Heart"ほか2曲、カントリーポップ調オリジナル曲など古い録音から4曲。そしてスティーブ・トーマスとの新録音10曲の計14曲。中でもヨハン・パッヘルベルの「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調(Cannon in D)」、ワーグナーの「結婚行進曲(Here Comes the Bride)」の2曲のインストと、そしてジェシーのボーカル「The Anniversary Song」は、ジェシー・マクレイノルズ美学を前面にすばらしい録音、ジェシーの持つ音楽観は不動だ。結婚式での曲探しに困った方にもこの一枚があれば安心...!?

 ■フィドル
OMS-25080 BENNY MARTIN『Big Tiger Roars Again, Vol. 2』CD\2,573-(本体\2,450-)

2001年3月に他界した偉大なベニー・マーティン、彼の最晩年の2部作のうち、他界後に発表された後編。50年代のフラット&スクラッグス最高の録音を残した日々、ハンク・ウィリアムズの親友として無茶を重ねた日々、パーカー大佐によってエルビス・プレズリーとともにデビューした日々……、そしてすさんだ生活からホームレス状態にまでなった日々、それらがすべて込められたボーカル/フィドル作品。ザ・サイドメンを基本バックに、バディ・エモンズのスティール・ギターやバディ・スパイカーのフィドル(やっぱ大好き!!)、ジェリー・ダラスのドブロほかをフィーチャーしながら、ゲストにアリソン・クラウス、ジョン・ハートフォード、クリスタル・ゲイル、キティ・ウェルズ、リッキー・スキャッグス、レノ・ブラザーズ(ドン・レノとの共作インスト"Five By Eight"が見事!!)らを迎えて、ベニーのオリジナル・ソングを見事にまとめた豪華なアコースティック・カントリー作品。ベニーのスモーキーなボーカルとフィドルに込められたミュージシャンの感情が痛いほどわかるベニー・マーティン・フリーク必携作品。

OB-709 V.A.『Fiddle Classics: From the Vaults of County Records & Old Blue Records』CD\2,573-(本体\2,450-)

1965年から2012年まで主にカウンティ・レコードを通じてオールドタイム・フィドルの真髄を集めてきたリチャード・ネビンが、そのコレクションから厳選した有名曲を中心とした28曲。1965年から1971年にカウンティ・レコードに録音された23曲は、トミー・ジャレルやフレッド・コックラムほかのブルーリッジ系、ベニー・トーマソンやソロモン兄弟ほかのテキサス系、ハイラム・スタンパーやケニー・ベイカーなどのケンタッキー系、リンドー・ファミリーのフレンチ・カナディアン系、シリル・スティンネットのオザーク系など、北米のさまざまなフィドルスタイルを収めており、言うまでもなくそれらは、ラジオ/レコードに影響される以前の地方スタイルを色濃く残している。一方、2010年から2012年にかけて録音された5曲には、現在の若いブルーリッジ系フィドラーたちがさまざまなスタイルの影響を取り入れているという興味深い作品である。ボーイングやメロディの捉え方に、地方それぞれの特色を聴き取る面白さから、フィドルがテクニックよりもリズムをグルーヴする醍醐味を味わえば、あなたもオールドタイム・フィドルの魅力にはまる!!

 ■ドブロ
EOM-2128 JERRY DOUGLAS『Traveler』CD\2,573-(本体\2,450-)

ドブロというスライドギターを、とんでもないレベルに持ち上げたジェリー・ダグラス、脂の乗り切った56歳、今夏発表の最新作。僚友サム・ブッシュやアリソン・クラウスらはもちろん、エリック・クラプトン、ケブ・モー、マーク・コーン、さらにはポール・サイモンが話題のマムフォード&サンズ(イギリス出身のジャムグラス)と"The Boxar"でゲストボーカルなど、もはやメジャーアーティストの貫禄。インストものでは、サムとふたりでストレングス・イン・ナンバーズの"Duke and Cookie"再演、ソロでサイモンの"American Tune"とチック・コリアの"Spain"をメドレーしたり、ビクター・クラウスとオマー・ハキムとのトリオで大フュージョンを聴かせたり(同メンバーでベラ・フレックを迎えてもいる)、そしてラストチューン"King Silkie"(モンローの愛馬は"King Wilkie"...!?)はチャーリー・クッシュマン(bj)とルーク・ブラ(f)を招いて、サムやダン・ティミンスキとのブルーグラス!! ドブロとラップスティールを半々に弾き分け、全体にジャンルを越えたロックポップ系作品ながら、要所で自身のルーツや音楽を強烈にアピールする秀作。2005年の前作『The Best Kept Secret』(KOCH-9847 \2,573-)でも、ブッシュ/フレックらとの強烈ブルーグラスのほか、アリソン・クラウスが歌うソウル、CCRのジョン・フォガティーやジャズ・ギターのビル・フリーゼルらとのジャンルを越えた先端音楽集。ラップスティールのソロ"You Are My Flower"も聴きモノ。左手には鉄のバー1本だけだよ、これが!!

RC-121 JOSH GRAVES『Just Joshin'』CD\2,573-(本体\2,450-)

1963年に発表されたジョッシュ・グレイブス(1927-2006)とジェイク・ターロック(1922-1988)、フラット&スクラッグス時代の唯一のデュオ・アルバムが3曲の未発表インスト録音を含めて初CD化。バックにはカーティス・マクピーク(bj)に、オリジナル・ブルーグラス・バンドのチャビー・ワイズ(f)、ハワード・ワッツ(bs)ら。ジョッシュのリードにジェイクのテナーのデュオ・ボーカル物と"Dobro Rhumba"や"Just Joshin'"などブルーグラス・ドブロ必須の6曲のドブロ・インストで構成された、ブルーグラス・ドブロ史にとって超貴重な全15曲。

 ■オートハープ
CR-0236 V.A.『Autoharp Legacy……』CD3枚組\3,938-(本体\3,750-)

オートハープを楽しむ決定版!サム・ブッシュ、ステュアート・ダンカン、リチャード・ベイリーらをバックにした1曲目"Listen to the Mockingbird"から、故ジャネット・カーターの"Longing for Home"で締めくくる全64曲、総勢55名のオートハーパーによる、ブルーグラス/オールドタイム、アイリッシュ、フィドル・チューン、ブルース、カーター・ファミリー、カンツォーネ、ポピュラー等々、こだわりない選曲で聴かせるマーク・ハワード(ジョン・ハートフォート晩年のアコースティック・サウンドを支えたクラスター・プラッカーズのギタリスト)とロン・ウォール、ブライアン・バワーズ制作の2003年秀作CD3枚組。

 オールドタイム&フォーク新入荷
RC-126 渡辺敏雄『The Fiction Twins』CD\2,573-(本体\2,450-)歌詞付き

My Long Journey Home/Little Red Shoes/Weeping Willow/Will the Roses Bloom/Little Annie/Just Because/Will the Circle Be Unbroken 他全14曲

ブルーグラス45ではベース、シャギーマウンテンボーイズではバンジョー、そして現在はマンドリンを担当する渡辺敏雄、B.O.M.社長である。1930年代に大ブームを巻き起こしたブラザーデュオの再現した力作。数々のブラザーデュオがそれぞれの雰囲気を持って最小単位のアンサンブルとして、多くはマンドリンとギターの2本の楽器とリードボーカルにテナーをつけるという手法で、とくにアパラチアを中心にした山間部で1930年代、折からのラジオの普及とともにブームといった様相を呈した。中でも突出したのはビルとチャーリーのモンロー・ブラザーズだったろう。のちに「ブルーグラスの父」となるビル・モンローは、その(当時すでに)圧倒的なマンドリン奏法を、兄チャーリーが作り出す初期のGラン、すなわちドライブ(のちにそのエッセンスをレスター・フラットが見事に昇華したリズム/ビート)とお洒落なメロディに乗せて他のブラザーデュオとは一線を画すグループを創り出した。そんなサウンドを忠実に再現しようとしたのが本作。よく選曲された美しいメロディーをじつに丁寧に、言葉(英語)をかみ締めた表現が聴く者に伝わるように、決して美声とは言わないが、歌われている。そして重要なことは、モンロー兄弟が持っていたその初期ドライブが見事に身に付いていることだと思う。それは、自分で言うのもナンだが、弟であるわたし、甥である井上太郎の中にあるドライブも同じ……、ブルーグラスなどアメリカ音楽の底辺にあるビート、若いときにモンロー・ブラザーズと出会ったおかげで身に付いたのだろう。渡辺敏雄は高校生のとき、中学生の音楽に無垢な弟、井上三郎にギターを押し付け!?、ここに収められているのとほとんど同じレパートリーを高校の学園祭で演奏した。もう50年近くも前のことになる。レスターもアールも、きっとそうしたように、モンロー・ブラザーズから最初に学んだということが渡辺/井上兄弟の原点だったような気がする。そして1960年以前のアメリカン・ポピュラー音楽の原点のひとつといえるブラザーデュオのメロディとビート、そして歌を見事に再現した、秀作ではないだろうか?

BARKER2012 CRAVER, HICKS, WATSON & NEWBERRY『You've Been a Friend To Me』CD\2,573-(本体\2,450-)

Sally Ann/Kiss Me Quick/Missouri Borderland/The Man from Tennessee/I'm Getting Ready to Go/My Old Cottage Home/Lowe Bonnie/Texas Gals 他全15曲

1970年代にもっとも成功したストリングバンドのひとつ、レッド・クレイ・ランブラーズ(RCR)のマイク・クレーバー(g,piano)、ビル・ヒックス(f)、ジム・ワトソン(g,m)の3人に、オザークの一流クロウハンマーバンジョー奏者&シンガーで、ソングライターとしても活躍、ギブソン・ブラザーズ&リッキー・スキャッグスが取り上げた"Singing As We Rise"は今年のIBMA最優秀ゴスペル録音を受賞したジョー・ニューべリー(bj,g)の4人組ストリングバンドのデビュー作。本作はRCRの創立メンバー、トミー・トムプソンが2003年に亡くなった後、ジョーが代わりに参加したRCRのリユニオンということだ。1960年代、折からのフォークブームに乗って戦前のオールドタイム・ストリングバンドの発掘と紹介に尽くした故マイク・シーガーらのニュー・ロスト・シティ・ランブラーズの次の世代のオールドタイマーたちの多くは、1970年代当時のヒッピーや自然回帰など、今で言うなら真正エコの精神的バックボーンを持ちつつ、アパラチア山中に残されていた商業主義とは無縁の生の民衆音楽の魅力に取り付かれた。彼らは、たとえばトミー・ジャレル(1901-1985)ら最後に残った本物の(ラジオ/レコードの影響以前の音楽を受け継ぐ)オールドタイマーたちから音楽と精神を学んだ。そんな中から生まれたノースカロライナを表すレッド・クレイ(赤土)をバンド名に冠したRCRは、ピアノを加えたり、オリジナルソングを録音したり、カーターファミリー曲集を発表したり、1980年代には俳優/劇作家のサム・シェパードとのコラボでオフブロードウェイに進出、ショーン・コルビンも一時メンバーだったりと、フライング・フィッシュやシュガーヒルからアルバムを発表、オールドタイムの枠を超えた活躍をした。そんな自由闊達な伝統にのっとったストリングバンド・サウンドを聴かせてくれる。

MDCL-1528 ロンサム・ストリングスwith中村まり『Afterthoughts』CD+DVD\2,835-(本体\2,700-)

アメリカン・ルーツ音楽の香り漂う英詩によるオリジナル作品とフォーク・リバイバル時代のカバーで知られるシンガー/ソングライター、中村まりと、桜井芳樹(g)の呼びかけで集まった独自のストリングバンド・サウンドを追求するインストグループ、ロンサム・ストリングスのコラボレーション第2作。前作『Folk Session』を引っさげてこのユニットでフジロック・フェス'11に出演。そののち、神戸のグッゲンハイム邸でのレコ発ツアーを観る機会に恵まれたが、瀟洒な異人館という空間の力も相俟って満員の聴衆と共に非常に濃密な時間を過ごすことが出来た。白人ブルースのフランク・ハチソン"Worried Blues"、初期のニュー・グラス・リバイバルを彷彿されるアレンジが魅力のデッド・ソング"Cumberland Blues"、田村玄一のスティールが心地よいノスタルジックな雰囲気たっぷりの"Lucky Old Sun"、アイリッシュの香りのするディラン作"Restless Farewell"、ラグタイム風味のイントロで原さとしのバンジョーもたっぷり聞ける"Born and Livin' with Blues"の5曲の新録音と'11年のライブ録音が3曲、レコーディング風景やライブの映像を収めたDVD付という盛り沢山。本作は今年7月に逝去したベース奏者の松永孝義生前のレコーディングで遺作となった。(秋元 慎、ムーンシャイナー11月号より)

YODEL-083 CHICKEN TRAIN『John Herrmann, Meredith McIntosh and John Engle: Traditional Mountain Tunes and Songs on Fiddle, Banjo, Guitar and Bass』CD\2,573-(本体\2,450-)

Mississippi Sawyer/Sail Away Ladies/Black Eyed Susie/Pay Day/Old John Henry/Take Sick and Die(Today Has Been a Lonesome Day)/Fisher's Hornpipe/Texas Gals/Old Joe Clark/Train 45 他全20曲

「日本オールドタイムの父」とも呼ばれるジョン・ハーマン(bj)とメレディス・マッキントッシュ(g)、ジョン・イングル(f)による典型的な、いわゆるオールドタイム・ストリングバンドのベースとなる「生」なアパラチアの山々に閉じ込められ、伝えられてきた音楽を、そのエッセンスを抽出して現代の感情で演じるすばらしいオールドタイム・マウンテン・ミュージック20曲集。多くの曲がのちに整理され、ブルーグラス・スタンダードになっていることが良くわかる。上記、RCRらと同じバックボーンを持つ3人だが、よりブルージーな精神性を強調する。

オールドタイム&フォークお勧め作品
SF-40093 V.A.『Classic Old Time Music』CD\2,318-(本体\2,250-)

アフリカ系アメリカ人のバンジョーと、アングロ系アメリカ人のフィドルが出会って生まれたアメリカ独自の伝統音楽、ストリングバンド(弦楽団)に焦点を当てたスミソニアン博物館所蔵フォークウェイズ録音29曲集。尊敬されるルーツ・アーティストたち――ドック・ボッグスからメイベル&サラ・カーター、クラレンス・アシュレー、サム&カーク・マギー、ニュー・ロスト・シティ・ランブラーズからレッド・クレイ・ランブラーズらのニュータイマーまで、さまざまなオールドタイム・ストリングバンド音楽が堪能できるアメリカン・ミュージックの基本、絶対オススメのオールドタイム入門ベスト集。

 
 ■日本のアーティスト
BEER-0003 加藤 政彦『Barber 大岩』CD\2,310-(本体\2,200-)

恋は盲目/憂鬱な夏/酒飲みは酒飲めよ/飲んで酔う/とことん飲む/偽りの日々 他全10曲

1979年からギターをひきはじめたという加藤政彦、名古屋からオリジナルなブルースソングをすばらしいフィンガーピッキン・ブルースギターに載せるアルバム最新第3弾。ソロ、バイオリンやクラリネットと、またブルースバンドなどのセッティングでブルースる。……ブルースという手法が、何故昭和的下町ックなイメージをもたらすのか? ま、多分に大阪、憂歌団のヒットなんかが影響してるのかもしれないが、もっと遡ればエノケンあたりに軽ーく跳んじゃうんじゃないかな。そもそもラグタイム的コード進行(1/6/2/5など)というもの自体がチャップリン的哀しいコメディを感じさせるのだからかもしれない。ちょうどムーンシャイナーの連載「ブルーグラス史観によるアメリカ歴史概論」では「ブルース」の成立を紹介している。ただしブルースの本質は、決して解明できないことは承知だ。それはきわめて個人的なことだから。加藤政彦の詞はまさにブルースだ……!? 前作CD『あたしは不幸を呼ぶ女』(BEER-0002 \2,000-)もある。

BJR-02 SWAMPY TAKESHI『Roots & Immigrant Soul』CD \2,000-(本体\1,905-)

prologue/女神/根無し人/Stand Bar To Heaven/さだめ/鼓動/Bayou Jungle/Acadian Driftwood/ホーボーの唄/心のパラダイス/epilogue.

宣伝用の帯には「スワンピータケシが綴るルーツ音楽と移民達の魂」とある通り、カナダのアーケディア地方からミシシッピを下ってルイジアナに定住したケイジャンの音楽文化に軸足を置いた日本語のフォーク/ブルース作品。ブルーグラスの秋元慎(m)を含む関西ルーツ系音楽のミュージシャン16人が参加、ウッドストックの音楽エッセイ集『小さな町の小さなライブハウスから』の著者、片山明さんは、「基本はいわゆるシンガーソングライターのアルバムなのだが、歌に彩りを添える演奏とのコンビネーションが前例がないくらい刺激的だ。かつては久保田真琴、オレンジカウンティブラザーズといった似た指向性の音楽家はいたが、ここまで外来のルーツミュージックと日本語の折り合いをつけた作品はあっただろうか。これも、ある意味でクレオール的とも言える関西/大阪という土壌だからこそ生み出された音楽なのかもしれない」と評している。

PSR-0901/2 坂庭省悟『メモリアルアルバム 心の旅2』CD2枚組\4,000-(本体\3,810-)

漕げよ、マイケル/Foggy Mountain Breakdown、綿つみの唄/ぼくの古いギター、Black Mountain Rag/ギター教室/カーターファミリーメドレー 他全23曲

2003年12月、52歳という若さでいった坂庭省悟、2年前に発表された『心の旅』(完売)の第二弾。今回のアルバムは、坂庭省悟が大好きだった仲間たち、ソロ活動をはじめて以降の、宮崎勝之、有山じゅんじ、松田"ari"幸一、茶木みやこ、青木まり子と組んだMMS・PETA、そして盟友・城田じゅんじ、Shogo BRAND.でのライブ音源に加え、1970年フェスティバルホールでのマヨネーズの音源なども収録しているという。

RCSI-1062 PIRATES CANOE CD\1,050-(本体\1,000-)

RCSI-1063 PIRATES CANOE『too』 CD\1,050-(本体\1,000-)

大谷大学ブルーグラスで4人組女性ブルーグラス「フォーリップス」、そののち女性デュオ「ふたり乗り」などで活躍してきたマンドリンの河野沙羅と、このバンドでミュージシャンのキャリアをはじめたというハント鈴加(g)のふたりの英語詞のオリジナルを欅 夏那子のフィドルと岩城一彦のドブロ、そして吉岡孝のドラムスと谷口潤のベースがリズムを固めるパイレーツ・カヌー。2011年の第1作(RCSI-1062 \1,050-)と最新第2作(RCSI-1063 \1,050-)、ともに河野とハントの創るシュールな世界をバンドが巧く捉えているが、1枚目と2枚目の1年の時間差が完成度に表われている。フォノジェニックなハントのボーカルと向こう見ずな河野のマンドリン/音楽感性がうまくバンドに化学変化を促している様子が聴き取れる。第2作に収められた隠れトラックのインストなど、ストレングス・イン・ナンバーズ以来のアパラチア源流の世界観も感じられ、日本にも21世紀を体現するあたらしいユニットが生まれつつあるようだ。ムーンシャイナー8月号で彼女たちの特集がある。

   
 カントリー新入荷
RRRCB-1001 RIDERS IN THE SKY『America's Favorite Cowboy Songs』CD\2,888-(本体\2,750-)

Back in the Saddle Again/Cool Water/Red River Valley/Streets of Laredo/Tumbling Tumbleweeds/Home on the Range/Ghost Riders in the Sky 他全13曲

アメリカ人が大好きなカウボーイソング、1903年に作られたという12分の西部劇映画以来「ウェスターン」というジャンル名で大人気となり、1960年代まで、勧善懲悪のストーリーと野外というヨーロッパ系白人の夢を乗せてロマンチックでノスタルジックなイメージを作られた映画とともに発達したカウボーイソングの美味しいところをギュウギュウ詰めにした秀作。ブルーグラス出身の音楽研究家でもあった「アメリカ少年のアイドル」レンジャーダグことダグ・グリーン(g)が「数千のカウボーイハットを持つ男」ウッディ・ポール(bs)と「カウボーイフィドラーの王様」(実は原子物理学博士!?)のトゥー・スリム(f)のトリオで結成、1990年代にもうひとり、「カウポルカの王者」ジョーイ・ミスクリン(acordion)を加えた4人組。アコーディオンとポルカやヨーデルなどでもお察しの通り、テキサスには東欧系の移民が多く移住、そこにスコットランド系のアパラチアン・ケルト音楽のベースが持ち込まれたことによって独自のカウボーイ系フォークソングが生まれたと、考えるのが自然であろう。カンザス州歌で西部の国家とも言われる"Home on the Range"など、NTTドコモの待ちうけメロディでも親しまれる曲や、19世紀にカナダ国境のレッド・リバー渓谷で生まれ、20世紀になってカウボーイシンガーたちが取り上げたと思われるロマンチックな悲恋歌"Red River Valley"ほか、1930年代に低予算のB級映画ながら大ヒットしたシンギング・カウボーイのヒット曲など、とにかく有名なカウボーイソングばかり。アメリカ南部中心のレストランチェーン「クラッカーバレル」の店頭のみで販売されている、通常では入手不可能なライダーズ・イン・ザ・スカイの有名カウボーイソング集。見事な優しいハーモニーと、美しいアコースティック・アンサンブル……、非常に高い音楽性を持ったウェスタンを聴きたい人、そして荒野の草原で愛犬とふたり、星空の下でサドルに寄りかかって、焚き火で沸かしたコーヒーを喫したいあなた……にお勧め!!

HTR-2012 TIM CULPEPPER『Pourin' Whiskey on Pain』CD\2,573-(本体\2,450-)

Ghost/One More for the Road/Toss and Turn/His Old Boots/The Storm/Too Good of a Day 他全13曲

ジョージ・ジョーンズからマール・ハガード、ランディ・トラビスやキース・ウィットリーらの系譜にある、いわゆる正統派ホンキートンク・カントリーのスモーキーな声と節回し、そしてアコースティックとエレクトリックをミックスしたナッシュビルの一級バックアップに乗ってカントリー音楽の王道を聴かせるティム・カルペッパー、その名もホンキートーン・レコードからのデビュー作である。ほとんどがオリジナルで、「痛みにウィスキーを!!」というタイトル自体、大衆音楽のもっとも切実なテーマ、フツーの人々の人生を物語る歌を得意とする。父親がカントリーのミュージシャンでシンガーだったというアラバマ州モンゴメリー生まれ。そう、ハンクと同郷で、父はハンクやマーティ・ロビンスらと友人だったという家系出身。マンドリンやフィドル、ドブロなどのアコースティック楽器がナッシュビルのエレキ/ドラムスの枠の中で大きく使われるのは近年のメインストリーム・カントリーの傾向だ。

ES-2012 ERIC STRICKLAND & The B SIDES『Honky Tonk Till I Die』CD\2,573-(本体\2,450-)

Freedom/Womankaind/Shine Down On Me/18 Wheels of Hell on the Highway/Haggard and Hell 他全10曲

このタイトルそのまま、愚直にストレートにホンキートンク・カントリーのノリを守るエリック・ストリックランドと彼のB面バンド。実に割り切ったエリックいわく、「人生につきものの、ドリンキング、ファイティング、チーティング、ラヴィングについての歌なんだぜ!」と、パキパキ・エレキを手になんのてらいもなく昔からのホンキートンク・サウンドを踏襲する。

 カントリー発掘、編集モノ新入荷
TL-27462 HANK WILLIAMS『Lost Concerts』CD\2,573-(本体\2,450-)

I Can't Help It/I Can't Help it/Why Don't You Love Me/Hey, Good Lookin'/Cold Cold Heart/Lovesick Blues/Lonesome Whistle/Jambalaya/Long Gone Lonesome Blues/Half as Much/I Saw the Light 他全20tracks

ハンク・ウィリアムズ遺産協会所蔵、1952年の2ヶ所でのライブテープの発掘だ。ひと言ヒトコトをかみ締めるように歌うハンク・ウィリアムズ、この8ヶ月後にひとり寂しくアパラチアの山中の車の中で息を引き取ることになる1952年5月4日のライブ。前年に背骨の手術に伴うアルコール問題も含めて自身のドリフティング・カウボーイズを解散しているものの、スティールギターのドン・ヘルムズとフィドルのジェリー・リバーズ(1984年のビル・モンロー来日時にマネージャーとして同行、フィドルも聴かせてくれた)のふたりに、地元のベーシストを加えたメンバーで、ハンクのコメディセットやジェリーの「オレンジブロッサム」、そして敬虔なゴスペルなどをはさみながら、ハンクの代表曲をつぎつぎと歌う。もうひとつは1952年7月13日のサンセットパーク(のちにブルーグラスを北部人に知らしめるペンシルベニアの音楽パークで、本作での司会レイ・デイビスは現在もWAMU局のDJとしてブルーグラスをサポートしている)での録音。ここでもドンとジェリーのふたりに地元のベーシストとリズムギタリストが加わる。この年、この5月と7月のライブの間、6月13日に録音、「あたらしい曲を書いて録音したとこなんだ。面白い発音の言葉が一杯出てくるよ」と7月のライブで紹介する"Jambalaya"など、初めて明かされた1952年のハンク・ウィリアムズ&ドリフティング・カウボーイズの晩年、タイムライフ社が発表する貴重ライブ。最後には興味深い1951年9月14日に収録されたインタビュー(6分ほど)も含まれている。60年を経たテープ、音は良くないが、ハンク・ウィリアムズという、20世紀最大のアメリカン・ソングライターのひとりの肉声を通して、何を感じるか?

SRR-27081 WAYLON JENNINGS『Goin' Down Rockin': The Last Recordings』CD\2,573-(本体\2,450-)

Belle of the Ball/If My Harley Was Runnin'/Shakin' the Blues/Wrong Road to Nashville 他全12曲

2002年に亡くなったウェロン・ジェニングスがギターとベースだけで録音していた8曲の遺作に、妻であるジェシー・コルターが共作者のロビー・ターナーに10年後の今年、完成させることに同意して生まれた全12曲、ウェロン・ジェニングス64歳の最後のアルバムである。日本ではあまり高い評価を受けなかったが、あまりに作り込まれたナッシュビル・サウンドに対抗して、ウィリー・ネルソンやクリス・クリストファーソン、ジョニー・キャッシュらとともに、アーティストの自由を標榜するアウトローカントリーと呼ばれる動きを主導、カントリー音楽を「生」なものとしてロックなどと近づけることに貢献している。ビートルズをはじめイギリスのロックパイオニアに大きな影響を与えたといわれるロックンロールのパイオニア、バディ・ホリー(1936-1959、大のブルーグラス・ファンで中学生のときにモンローやフラット&スクラッグスを真似たプライベート録音もある)の世話で音楽デビューしたウェロン、バディの影響なのか、ビル・モンローと共演(『and Friends』のアルバム収録)したときに緊張のあまりスタジオで歌えなかったという逸話がある、きっととてもいい奴か……!? 偉大なカントリーシンガーに共通した抜群の説得力と、非常に洗練されたスタジオ・ミュージシャンたちの仕事がすばらしい。9月末発売と同時にビルボードチャート14位をヒット、さすが大御所の貫禄を示した。

BACM-286 MERLE TRAVIS & TEX ANN『Wild Goose』CD\2,573-(本体\2,450-)

1946年、マール・トラビス(1917-1983)が新興キャピトル・レコードから"Dark as a Dungeon" や"Sixteen Tons"でブレークする直前、当時の妻テックス・アン・ネイションとブルーグラスやカントリー以前の、いわゆるフォークソングをベースにした録音した貴重なラジオ・レコードからの28曲集。6歳年上のビル・モンローの生地も程近いケンタッキー州ミュリンブルグ郡出身で、モンローも影響を受けた黒人ギタリスト、アーノルド・シュルツ系列の音楽感から生まれたトラビス・ピッキン(親指がビートを刻み人差し指でメロディを弾くサム・ピッキンやギャロッピング奏法などと呼ばれるフィンガーピッキン・ギター奏法の基本)で有名だが、フォークソングだった"9 Pound Hammer"や"John Henry"など、そして自作ながらテネシーアニー・フォードで大ヒット、日本でも大ヒットした「16トン」や近年はジョン・カウワンの名唱で知られるスタンダード"Dark as a Dungeon"など、ケンタッキー西部の炭鉱地帯で育った背景を色濃く背負った、商業カントリーやフォークとは一線を画したすばらしいシンガーソングライターだった。

 カントリーお勧め作品
CURB-79299 HANK III『Long Gone Daddy』CD\2,573-(本体\2,450-)

ハンク・ウィリアムズの孫、ハンク3世(39)が正面からハンクの時代、1950年代のサウンドを再現する秀作。タイトルのハンク名曲ほか、ジョニー・キャッシュがヒットさせたトラッド"Wreck of the Old '97"とチャーリー・モンローも取り上げたハンクの"'Neath a Cold Gray Tomb of Stone"はかつて企画モノで発表済だが、 マール・ハガードの"The Bottle Let Me Down"やウエロン・ジェニングスとウィリー・ネルソン"Good Hearted Woman"ほか6曲が初出の全10曲。ハンクを真似ることを押し付けられた父、ハンク・ジュニアと違うハンク三代目、若いエネルギーが見事に祖父の時代(ロック誕生前夜)のホンキートンクと重なるのは21世紀という、何でも飲み込める時代のせいだろうか。比較や七光り批判などというせこいことをせず、自然体で飛び込む彼のド・ホンキートンクを味わってみよう。とてもいいぞ。

 
KSCD-0306 MERLE HAGGARD『Today I Started Loving You Again plus Other #1 Hits』CD\1,365-(本体\1,300-)

Branded Man/If We Make It Through December/I Take a Lot of Pride In What I Am/Legend of Bonnie and Clyde/Daddy Frank/Always Wanting You/It's Been a Great Afternoon/Honey Hungry(Mike Lunsford)/You and Your Precious Love(Mike Lunsford).

マール・ハガードの1968年の代表曲をタイトルに、同曲を含むナンバーワンヒット8曲に、何故かマイク・ランスフォードの1976年ヒット2曲が付け加えられた10曲集。ま、自身の服役経験を書いた1967年の最初の自伝的ヒット曲"Branded Man"を含むマール・ハガードのナンバーワンが8曲でこの値段ならお値打ち!?

ROU-9148 TIME JUMPERS『The Time Jumpers』CD\2,573-(本体\2,450-)

ナッシュビルのブルーグラス・メッカ、ステーションインで毎週月曜日に登場するウエスタン・スウィングをベースにしたクラシック・カントリー・バンド、つまり、これぞ正統「ホンキートンク・カントリー」と言わんばかりのタイム・ジャンパーズの最新作。2010年からビンス・ギルが正式メンバーとなり、さらにビンスが23年間在籍したMCAを離れたことによって実現した「夢の大カントリー」作品。ビンスの切ないカントリーバラッド、ライダーズ・イン・ザ・スカイのメンバーでもあるレンジャー・ダグ・グリーンのウエスタンとヨーデル、そして中心人物のケニーとドーンのシアーズ夫妻がクラシックカントリー曲などを歌い、トップスタジオミュージシャンとスター歌手が総勢11人が、怖いものなしでなんでも完璧にやってしまう、「これぞナッシュビル・カントリー」の手堅いサウンド、ご賞味あれ!!

 映像ものお勧め作品
 ■ブルーグラス
  BCSX-400 V.A.『Reno's Best of Bluegrass Box Set』DVD4枚組\4,725-(本体\4,500-)

ドン・レノの息子、マンドリン奏者のロニー・レノが製作/司会をしたTV番組シリーズ『Reno's Old Time Music Festival』から名演を選び、それぞれDVD作品『The Best of Bluegrass』、『The Best of Bluegrass Gospel, Part 1』、『The Best of Bluegrass Legends』(マック・ワイズマン/オズボーン・ブラザーズ/チャーリー・ウォーラー/レノ&スマイリー/ビル・ハレル/ラルフ・スタンレーのインタビューと演奏全10曲)、『The Best of Bluegrass Gospel, Part 2』として発売された4枚のDVDをボックスセットにした廉価もの。「Legends」以外はロンサム・リバー・バンド、エディ・アドコック・バンド、ドイル・ローソン&クイックシルバー、クレア・リンチ、J.D.クロウ、ラリー・スパークスほか、30アーティストによる全59曲のお徳用お楽しみDVD4枚組セット!!

  MH-1063D DOYLE LAWSON『Through the Years』DVD\3,990-(本体\3,800-)

On the Sea of Life/Sweetheart You Done Me Wrong/Back Up and Push/Knee Deep in Bluegrass 他全32曲

今年のIBMA名誉の殿堂入りをしたドイル・ローソンを紹介している。「スクール・オブ・ブルーグラス」と呼ばれる彼のバンド、クイックシルバー結成25年を祝って、これまでメンバーが一堂に会したコンサートの映像2005年作品。

  RCSI-1025D JIM & JESSE『Bluegrass Express featuring Bill Monroe & Bluegrass Boys and Lester Flatt & Nashville Grass』DVD\3,308-(本体\3,150-)

超お勧め!! 1972年、ブルーグラスがフェスの隆盛とともに米国で初めて注目を集めはじめたときに制作されたすばらしい30分TV番組。ホストのジム&ジェシーにはビック・ジョーダン(bj)、ジム・ブロック(f)、キース・マクレイノルズ(bs)で、ジェシーの凄いクロスピッキン・インストを含む3曲。レスター・フラット&ナッシュビル・グラスはローランド・ホワイト(m)、ポール・ウォーレン(f)、ハスケル・マコーミック(bj)、ジャック・マーティン(d)、ジョニー・ジョンソン(bs)での3曲。そしてビル・モンローのブルー・グラス・ボーイズにはケニー・ベイカー(f)とジャック・ヒックス(bj)にジョー・ステュアート(g)とモンロー・フィールズ(bs)、ゲストにジェイムズ・モンローで4曲。そしてレスター、ビルともにジム&ジェシー1曲ずつの夢の共演。どーよ? あのLP2枚組フェスライブ『Bean Blossom』が録音されたのとほぼ同時期、第一世代ブルーグラスが絶頂期をキープしていたときの超貴重ライブ、とても大切な30分!!

  ARH-204D NEW LOST CITY RAMBLERS『Always Been a Rambler』DVD\3,255-(本体\3,100-、58分+30分、カラー+白黒、stereo, widescreen 16:9)

冒頭でボブ・ディランが、「彼らの功績のひとつは、誰かの納屋の中だけに眠っていたカバーされない偉大な古い音楽を探し出したこと。彼らはそれらの曲にあたらしい命を吹き込み、オリジナルと同様にそれらの音楽は時代の試練に耐えたのだ」と語る。2009年8月7日、75歳で亡くなったマイク・シーガーが率いたニュー・ロスト・シティ・ランブラーズのドキュメント作品。アパラチアの山中に醸成されたムーンシャイン(密造酒)のごとく、300年余りのときを経て20世紀の半ばにはじめて陽の目を見た音楽の真実を紹介、ブルーグラスやアメリカン・フォーク、カントリーやロカビリーなどに興味を持つ人、全員に見て欲しい、われわれの好きな音楽がどこから生まれたのかを知る大秀作DVD。

  COMP-4519D ALISON BROWN QUARTET『Live at Blair with Joe Craven』DVD\2,573-(本体\2,450-、62分)

アリソン・ブラウン・カルテット(ABQ)のライブDVD映像。あらゆるバンジョー・テクニックの上に独自の感性をプラスしたポピュラー音楽としての風格を持つABQ。すべての曲が落ち着いた大人の雰囲気をかもし出すアコースティック・フュージョン、それでいて琴線を刺激するブルーグラスらしい音の興奮を秘めている。なお本作は当初上記CD『Company You Keep』の初回限定のボーナスとして付随していたものなので、ご注意ください。

SHA-604DVD V.A.『High Lonesome』\3,308-(本体\3,150-)

様々な賞を獲得した「ブルーグラスとは何か……」を紹介する、もっとも優れたドキュメンタリー映画のDVD。ブルーグラスの生まれた情景が、そして世界に広まる様子が、貴重な映像(1971年のモンローとフラットの再会/仲直りシーンは感動だぞ)やサム・ブッシュ、ジミー・マーティン、故ジョン・ダッフィらへのインタビューと共に見事に描かれている。素晴らしいナレーションはマック・ワイズマンだ。字幕なしの英語版だが、ブルーグラス・ファンなら、必ず持っておきたい映像である。

RC-127D BLUEGRASS 45『That's the Time: 1996 Reunion』DVD-R\2,573-(本体\2,450-、カラー43分)

You'd Better Get Right/Little Maggie/Blues Stay Away from Me/Orange Blossom Special/Blue Moon of Kentucky/Sudara Breakdown 他全11曲

B.O.M.特選コーナー、ムーンシャイナー11月号特集「ブルーグラス45」を参照ください。

 楽器、その他…
  MISC-GOODT"DEERING GOOD TIME BANJO"定価\63,000-(本体\60,000-)→bom価格\56,700-(本体\54,000-)

米国ディーリング社製、廉価モデル・バンジョーがリニューアル。グレイドアップした仕様に!!価格も御求め安くなりました。

グレードアップした仕様点

@ウッドリムは合板より、メイプル3プライになり、よりクリアーサウンドになりました

Aヘッドシェイプは、スクウェアよりDeeringフィドルシェイプとなって、よりバンジョーらしくなりました

Bポジションマークは、ドットよりボウタイデザインの木像インレイになって、高級感が出ています。

C1〜4弦糸巻きは、カバーなしよりシャーラータイプにかわり、チューニングもよりスムーズです

D金属パーツは、艶消しの安価なものよりニッケルメッキパーツに替わり、バンジョーとしての重量感が出ています

この機会に御求め下さい。リゾネーター付モデルもあります。御問合せ下さい。

 輸入雑誌
 (以下の4誌は英語版で、共にバックナンバーも豊富に取り揃えています。気になるアーティスト等の特集等についてはお問い合せ下さい。…調べる&知るの面白さをいかがですか)
 ■フラットピッキン・ギター誌
 隔月刊の掲載全タブ譜対応CD付きフラットピッキン・ギター誌。ブルーグラスからスウィング/ジャズまで。一冊でさまざまな奏法が学べる。
  FGM-16.5 最新「2012年7〜8月号」CD付きBook\2,625-(本体\2,500-)

クロスピッキン対策特別号。編集長ダン・ミラーによる"Wildwood Flower" と "Bury Me Beneath the Willow"のクロスピッキン入門ほか、ゲスト講師アダム・シュレンカー"Angeline the Baker"、スティーブ・ポティアのクラレンス・ホワイトの"I Might Take You Back Again"ほか、コラムニストたちは"Last Thing on My Mind"、"Sandy River Belle"、"June Apple"ほかタブ譜満載。ショップ訪問はダウンホーム・ギター社。

  ●バックナンバーが品切れになりつつあります。現在庫は以下のとおりです。発行月とは無縁のギター教則モノとしてぜひお手許に!! 各CD付\2,625-

2006年7/8月号(FGM-10.5)、2007年1/2月号(FGM-11.2)、2008年3/4月号(FGM-12.3)、2009年7/8月号(FGM-13.5)、2009年11/12月号(FGM-14.1)、2010年1/2月号(FGM-14.2)、2010年3/4月号(FGM-14.3)、2011年5/6月号(FGM-15.4)、2011年7/8/月号(FGM-15.5)、2011年9/10月号(FGM-15.6)、2012年5/6月号(FGM-16.4)。

 ■バンジョー・ニューズレター誌
世界唯一のバンジョー専門月刊誌。毎号タブ譜満載(ウェブサイトから「MP3」で音源入手可!!)、バックナンバーもお問い合せ下さい。探しておられるタブ譜の曲名や演奏スタイル、またお気に入り奏者の特集も探します。収蔵曲のCDやDVDなども在庫していますので、お問い合わせください。
BNL-12/10 最新2012年10月号 \525-

セルダム・シーンのベン・エルドリッジをカバーストーリーのインタビューに、"Heartsville Pike"のタブ譜ほか、フィンガーボード探検"Crazy Creek"、キーGでハイポジのトム・アダムズ"Home Sweet Home"、ジェイソン・スキナーによるレノ・スタイルでの"Dixie Breakdown"、バックアップはキーCで"Wildwood Flower"、クロウハンマーはフランク・リーのインタビューほか、ウォルト・コーケン最新CDなど、、バンジョーに関する話題満載40頁。

BNL-12/09 2012年9月号 \525-

ロン・コディーのカバーストーリーはトニー・トリシュカによるインタビューとタブ譜はジャズ・スタンダードの"It's Only a Paper Moon"ほか、今月はジャズ・バンジョー特集号と銘打って、ベラ・フレックのマーカス・ロバーツ・トリオとの“Crossing the Imaginary Divide”、カイル・タトルによる“Autumn Leaves”のハーモニー、フレッド・ゲイガー“Cheek to Cheek”ほか、トム・アダムズのハイポジションにおける2弦のメロディはyoutube画像つき、初心者は"You Are My Sunshine"、 "Goodbye Liza Jane"、"I’ll Fly Away"など。

BNL-12/08 2012年8月号 \525-

アラン・マンデがインタビューするトム・ムーアをカバーストーリーに、彼の"Merrywang Heart (for Tony Ellis)"のタブ譜ほか、アール・スクラッグスはライブでの"Life of a Poor Boy"、トニー・トリシュカ・バンジョー教室から"Redwing"、ジャネット・デイビスは、アールの"My Little Girl in Tennessee"のリードとバックアップ解析、トム・アダムズは典型的なキックオフ・フレーズ紹介、初心者の"Wabash Cannonball"と"You Are My Sunshine"、そしてクロウハンマーの数々など。そのほか、ファーガソン製パーフェクトピッチ・カポやパット・クラウドとハーモニカのデビッド・ナイディッチのアルバムなどの紹介など。

BNL-12/07 2012年7月号 \525-

リトル・ロイ・ルイスと故ダグ・ディラードをカバーに、ブルーグラス界最高のショーマン、リトル・ロイの楽しいインタビューと"Keep on the Firing Line"、5月16日に亡くなった故ダグ・ディラードの特徴解析と"Dixie Breakdown""Hickory Hollow"。そのほか、ビル・エバンズ最新CD『In Good Company』から"Big Chief Sonny"、ビル・キース"Boston Boy"(1976年、デビッド・グリスマンのラウンダーアルバムより)、スウェーデンのトラッドバンド、ヴェーセンの"Hasse A's"と"Stamlaten"、フレッド・ゲイガーのコード遊び!?はスタンダードの"Rosetta"、初心者は"Wabash Cannonball"、オールドタイムは"Lorena"ほか。

BNL-12/06 2012年6月号 \525-

ジャム特集号としてジャムの心得などのほか、カバーストーリーは英国のジョン・ドウリングとそのすばらしくユニークな奏法(インタビュワーはレオン・ハント)とタブ譜は"Rocker Shuffle / Lady Madonna"ほか、アールはさまざまなバックアップ例のほか"Whiskey Before Breakfast"、トム・アダムズはハイポジション"Old Home Place"ほか。

BNL-12/04 2012年4月号 \525-

東京ディズニーランドにも来ていたロス・ニッカーソンのカバーストーリーと"Roundhouse"ほか、セサミストリートの人形でバンジョー奏者の蛙の「カーミット」のインタビューと"Rainbow Connection"、ブラッド・ペイズリーとのバトル"Man or Frog?"、アール・スクラッグスとラウドン・ウェインライトIIIの"Swimming Song"、トム・アダムズのハイポジションでの7thブルースほか。

BNL-12/03 2012年3月号 \525-

ノーム・ピケルニーのカバーストーリーと"Jim Thompson's Horse"と"Fish & Bird"……凄いんです!ほか、タブ譜はスティーブ・マーティン"The Great Remember"、アール・スクラッグス"Before I Met You"、アレン・シェルトン"She Left Me Standing on the Mountain"、トム・アダムズ"Your Cheatin' Heart"など。サイトからYoutubeなどで確認できるようになっている。

BNL-12/02 2012年2月号 \525-

バンジョー・ネック製作などで有名なロビン・スミスとアラン・マンデの表紙、タブ譜はマンデ"Dapple Patti"、ビル・エマーソン"Grandma's Tattoos"のバックアップ、フレッド・ガイガーのデューク・エリントン"In A Sentimental Mood"コードほか、"Angeline the Baker"や"Hot Corn Cold Corn"などのタブ譜。

■ブルーグラス・アンリミテッド誌
 米国の最大のブルーグラス月刊専門誌。お探しの記事などバックナンバーもお問い合わせください。
BU-12/11 最新2012年11月号 \840-

ラリー・スパークスをカバーストーリーに、ラルフ・リンズラー、シャノン・スローター、スタンレーズのリッチRトーン録音でマンドリンを弾き、ロンサム・パイン・フィドラーズに"That's Why You Left Me So Blue"ほか名曲を残し、レッド・エリスとの活躍など、アーリー・ブルーグラスの隠れた立役者ジミー・ウィリアムズなどの特集ほか、米国ブルーグラス情報満載の55頁。

 
BU-12/10 2012年10月号 \840-

ラリー・コードルのカバーストーリーに、ジョッシュ・グレイブスのフラット&スクラッグス時代、デル・マッカーリー・バンドで20年を過ごしたジェイソン・カーター、ワシントンDCの名物DJケイティ・デイリーらの特集に10月号恒例のブルーグラス・タレント名鑑。

BU-12/09 2012年9月号 \840-

スティーブ・キャニオン・レンジャーズをカバーストーリーに、DCグラスの新しいレーベル、パタクサント・レコード、故ラリー・ライスの思い出、東京の米軍基地で育ったブルーグラス・ミュージシャン/評論家のジョー・ロスの「ブルーグラス・ソングライター神話」などの特集ほか。

BU-12/08 2012年8月号 \840-

トラッドグラスの王道を行くジョー・マリンズ&レディオ・ランブラーズをカバーストーリーに、ムーンシャイナーで紹介したドックとアールの出会いと友情や盲目であったけれども大工仕事か電気工事まで、さまざまなことをやってのけた故ドック・ワトソンの私生活に関する話題、今春来日したテリーとシンディ・バウカム夫妻ほか。

BU-12/07 2012年7月号 \840-

ドック・ワトソン、エバレット・リリー、ダグ・ディラード追悼のほか、ジェイムズ・アラン・シェルトン、デイリー&ビンセントのゴスペルについて、ビル・モンローとピーター・ローワンのデュオ名曲"Midnight on the Stormy Deep"のルーツがドイツのロマン主義にあるという話題ほか、尾崎兄弟のアルバム『Till We Meet Again』がレビューで好評を得ている。

BU-12/06 2012年6月号 \840-

ヤンダー・マウンテン・ストリングバンドのカバーストーリーに、アール・スクラッグス追悼第2集「ブルーグラス・メモリーズ/ルイーズ・スクラッグス」、「アール・スクラッグス天才のサウンド」、「アール・スクラッグス葬儀リポート」ほか。

BU-12/05 2012年5月号 \840-

アール・スクラッグス追悼特集号。著名バンジョー奏者のアール惜別寄稿のほか、ルイーザ・ブランスコム、オウディ・ブレイロック&レッドライン、チャーリー・コリンズ追悼ほか、米国ブルーグラス情報満載の80頁。

BU-12/04 2012年4月号 \840-

ブルーグラス・ハイウェイのカバーストーリーほか、1970年のダグ・ディラード&エクスペディション(バイロン・バーライン/ロジャー・ブッシュ/ビリー・レイ・レイザム)訪問記、ノースカロライナのニュブルー、インテリタッチ・チューナー探訪ほか。

BU-12/03 2012年3月号 \840-

アンリミテッド誌3月号の恒例「楽器特集」は、ベアード・ギターズ、マンドリン族楽器について、アジア産ノースフィールド楽器、ストラップ専門「ラコタ・レザー」、バージニア州ゲイラックスのるしあー、ジミー・エドモンズらの特集ほか。

BU-12/02 2012年2月号 \840-

チャーリー・サイズモアのカバーストーリーほか、シエラ・ハル、バディ・グリフィン、IBMM「ビル・モンロー生誕100年」リポート特集など。

BU-12/01 2012年1月号 \840-

1月号恒例、全米ブルーグラス・フェス・ガイドほか、フロリダ州のライブ・オーク・フェス、メイン州のトーマス・ポイント・ビーチ・フェスの特集や、ブルーグラスを支える女性パブリシスト特集などのほか、米国ブルーグラス情報満載の96頁。

 ■オールドタイム・ヘラルド誌
 内容の濃いオールドタイム音楽専門誌。アメリカン・トラッド音楽研究に必読の良書!!バックナンバーが揃っています。お問い合わせください。
OTH-1303 最新第13巻3号 \1,260-

アルバート・ハッシュ・メモリアル・フェスのリポート、ミズーリ・フィドラーのR.P.クリステンソン、ウォルト・コーケンの連載「Tales from the Woods Vol.3」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。

OTH-1302 第13巻2号 \1,260-

全米フェス&キャンプガイド特集のほか、西アフリカ・ガンビア共和国ジョラ族のアコンティング奏者ラエモウアヒュマ・ジャッタのインタビュー、ウォルト・コーケンの「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話A」は「ショッティーシュ(ボヘミア起源のダンス)」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。

OTH-1301 第13巻1号 \1,260-

ダン・マーゴリーズ「ハンドメイド弦〜猫と馬の尻尾から生まれる音楽」をメイン特集に、アート・ローゼンバウム「北部ジョージアでの1日」、ウォルト・コーケン「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話」シリーズ第1回など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。

 月刊『ムーンシャイナー』
 1983年11月の創刊以来、毎月発行を続ける日本唯一のブルーグラス月刊専門誌、28年目です。
 ■定期購読:1年¥6,000-半年¥3,300-

お申込はお葉書やお電話、ファックスやメールでご希望の購読開始月をお知らせ下さい。バックナンバーも含めて、いつからでもご自由です。

■バックナンバー:各¥525-

下記以外にも、アーティストや知りたい事をお知らせ下さい。掲載号を探してお送りします。

MS-3001 最新2012年11月号(通巻349号)\525-

11月号恒例のIBMAアワード大特集号で現在の米国ブルーグラス・トレンドを一挙紹介のほか、16年ぶりに全国8ヵ所をツアーするブルーグラス45、手島家のマールフェス珍道中記A、名古屋大学ブルーグラスの「本場に学ぶ!ブルーリッジ紀行」ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

MS-2912 2012年10月号(通巻348号)\525-

初のソロアルバム『First Tear』を発表した大塚章のカバーストーリーほか、フィクション・ブラザーズのハーウィ・ターナウアー来日、ドイル・ローソンIBMA名誉の殿堂入り、手島家のマールフェス珍道中記@、アール・スクラッグス追悼C「続・誰がブルーグラスを創ったのか?」、米国大学生の卒論「日本ブルーグラス研究B」旅行記最終回、ドック・ワトソン追悼Bほか!

MS-2911 2012年9月号(通巻347号)\525-

10月来日予定の若手ウエストコースト派ブルーグラス、フェアウェル・ドリフターズのカバーストーリー、アリソン・ブラウン来日、今月14〜16日に関東ツアーに挑む神戸大学の女子ブルーグラス「まろんまかろん」(箱根フェス人気投票は堂々第2位!!)、アール・スクラッグス追悼B「誰がブルーグラスを創ったか?」、オールドタイム入門A「カロライナ・チョコレート・ドロップス」、イッツアクライングタイム最終回、米国大学生の卒論「日本ブルーグラス研究」旅行記、新潟県妙高市のウエストフラッシュの30年ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

MS-2910 2012年8月号(通巻346号)\525-

ジミー・グドローの楽器遍歴寄稿「マンドリンとの50年物語」、絵本『あなたのひとり旅(Your Lone Journey)』、アパラチアとオールドタイム音楽@、パイレーツ・カヌー、ジェイコブ・シャープ「日本ブルーグラス旅行前編」、ハワイでブルーグラス、イッツ・ア・クライングタイムB、森繁昇物語「ナッシュビル着」E、日本ブルーグラス年表1975年ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

MS-2909 2012年7月号(通巻345号)\525-

フラット&スクラッグスに囲まれたドック・ワトソンの追悼「アールとドックの友情」をカバーストーリーに、アメリカン・ハーモニー後編「バーバーショップからブルーグラス」、スー・トンプソン来日「ブルーグラス・ハーモニー・ワークショップ」、イッツ・ア・クライング・タイム「1972年渡米A」、森繁昇D「ロストシティ・キャッツ」、第1回稲葉和裕ブルーグラスキャンプ、日本ブルーグラス年表1974年ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

MS-2908 2012年6月号(通巻344号)\525-

アメリカン・ハーモニー前編「グレゴリオ聖歌から南部教会音楽/シェイプノート・シンギングについて」ほか、ダグ・ディラード追悼、イッツ・ア・クライング・タイム「1972年6月渡米」、森繁昇「ロストシティ・キャッツ」、小樽「グラスオーセブン」、ジェイコブ・シャープ「米国学生ブルーグラス事情」、日本ブルーグラス年表1974年ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

MS-2907 2012年5月号(通巻343号)\525-

アール・スクラッグス追悼特集@ほか、80歳を越えてのデビューアルバム『Til We Meet Again』を発表した尾崎ブラザーズ、弦楽四重奏団スーパージャズ・ストリングス「アメリカン・フィドルの旅」に参加して、WOB2011リポート「須田ギター後編/恐怖のグルーンギター体験!?」、森繁 昇物語B、橘 俊暁、日本ブルーグラス年表1974年ほか。

MS-2906 2012年4月号(通巻342号)\525-

今月来日するテリー・バウカムをカバーストーリーに「ブーンクリークのドライブ」を検証とサンセットドライブ2012来日ツアー特集ほか、2月に来日ツアーしたパシフィック・リム・アコースティック・オールスターズ「奇跡のセッション」リポート、ウィンターグラス2012「ブルーグラス45」、WOB2011リポート「須田ギター前編」、名古屋・鶴舞公園フェス、森繁 昇物語A、日本ブルーグラス年表再開1974年ほか。

MS-2905 2012年3月号(通巻341号)\525-

今アメリカでもっともブルーグラスがホットな街、ボストンの女性ブルーグラス、デラ・メイをカバーストーリー。日本ブルーグラス年表総集編「1950年代〜1973年」、2011年発売ブルーグラスレコード総括、元ロストシティーキャッツ森繁 昇物語@『陽が昇るまでに』、国本武春芸歴31周年『武春まつり』、バンジョー弾き語りデュオ『マダム&スー』、WOB2011「楽器リポート」ほか。

MS-2904 2012年2月号(通巻340号)\525-

ヨー・ヨー・マ、クリス・シーリ、ステュアート・ダンカン、エドガー・マイヤーらのブルーグラス作品『Goat Rodeo Sessions』をカバーストーリーに、フラット&スクラッグスの1952年最高の録音を生んだジョディ・レインウォーター追悼、青山学院大「ブルー・マウンテン・ボーイズの50年」、奥沢明雄「きたむらいづみ『IZUMI』について」、神戸で3月4日「オールドタイム・ジャム&ダンス・パーティ」、WOB2011「楽器関連リポート」のほか。

MS-2903 2012年1月号(通巻339号)\525-

2月に来日するケイシー・ドリーセンのカバーストーリーほか、祝米寿!アール・スクラッグス「誰がブルーグラスを創ったか?@」、セルダム・シーン40周年記念ライブ・リポート「ジョン・ダッフィの思い出とともに」、カントリー・ジェントルメン「1972年1月17日、来日から40年」、きたむらいづみ2ndCD『IZUMI』、ヨーマ・コウコネン&バリー・ミターホフ来日、長谷川健悦の復興フェス・リポート!

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 ビー・オー・エムのニューズレターは会員制ではなく、商品の定期購買者に無料でお届けしています。一定期間、 弊社からの商品のお買上げがない場合、勝手ながらレターの発送をストップさせて頂きますので、ご了承下さい。

1). このニューズレターで紹介する商品は、ニューズレター発行時点で、すべて在庫しています。

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ビー・オー・エム・サービスのホームページでは随時、最新入荷案内やニュースを更新しています。ニューズレター、在庫リスト、ムーンシャイナー誌バックナンバーなども紹介しています。最新情報の更新案内をメールでご希望の方はお申し出ください。

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