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B.O.M.Newsletter #382web  2012年8月13日
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INDEX


今月の新入荷注目作品
ブルーグラス新入荷
ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
B.O.M.特選コーナー
ブルーグラスお勧め作品
ブルーグラス古今の名作コーナー!?
インスト新入荷
各楽器別お勧め再入荷作品
オールドタイム&フォーク新入荷
オールドタイム&フォークお勧め作品
カントリー新入荷
カントリーお勧め作品
映像新入荷
映像ものお勧め作品
輸入雑誌
月刊『ムーンシャイナー』
B.O.M.ご利用方法



41年目の宝塚ブルーグラス・フェス、皆さんのご協力で無事終えることが出来ました。今年も100以上のバンドが集まり、とくに若者たちの元気が目立つフェスでした。そんな若者たちが次々と作品を発表しています。われわれの音楽は、大資本の音楽業界が創り、消費するだけの大衆音楽じゃないんです。そんな音楽を世界中で育て守るのは、昔からズッと、われわれ自身なんです。

ムーンシャイナー誌では、これまでの"Support Your Music"に、"Buy Studio Releases"と"Go to Live Shows"をスローガンにプラス。弾く/聴く=「音楽する」ことの意識を高く持ちましょう……!?

◆月刊ムーンシャイナー最新8月号(\525-)は、ジミー・グドローの楽器遍歴寄稿「マンドリンとの50年物語」、絵本『あなたのひとり旅(Your Lone Journey)』、アパラチアとオールドタイム音楽@、パイレーツ・カヌー、ジェイコブ・シャープ「日本ブルーグラス旅行前編」、ハワイでブルーグラス、イッツ・ア・クライングタイムB、森繁昇物語「ナッシュビル着」E、日本ブルーグラス年表1975年ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

月刊ムーンシャイナー定期購読は1年間(12冊)

\6,000- 半年間(6冊)\3,300-。単冊は\525-ですが、ぜひとも年契ポートをお願いします。購読開始希望月をお知らせください、早速お送りします!!

ほんま、ムーンシャイナー購読、そして原稿への協力……、なにとぞよろしくお願いします!

◆アリソン・ブラウン・カルテット9月来日!

女性らしい感性で新たなバンジョー音楽をクリエイトするアリソン・ブラウンが昨秋につづいての来日です。日本公演は大阪(9/7)、広島(9/8)、東京(9/9)、京都(9/11)、福岡(9/12)、横浜(9/15)。いずれも18時半開場、19時開演。前売り\6,000-(当日\7,000-)。B.O.M.では全公演共通前売りチケット(\6,000-)を取り扱っています。

今月の新入荷注目作品
RCSI-1074D J.D.CROWE & NEW SOUTH 『Live from The Festival of Bluegrass & The Studio of KET』(2 時間)DVD\2,888-(本体\2,450-)

今年、引退を発表したJ.D.クロウ、その1975年、トニー/リッキー/ジェリーたちとの超貴重映像、地域コード限定特別作成!! 映像新入荷参照。

BOOK-47 ローザ・リー&ドック・ワトソン(詞)/M.B.ゴフスタイン(画)/谷川 俊太郎(訳)『あなたのひとり旅(Your Lone Journey)』A5変上製32頁絵本\1,890-(本体\1,800-)

故ドック・ワトソンと妻ローザ・リー作の"Your Long Journey"のすばらしい絵本。B.O.M.特選コーナーのムーンシャイナー8月号関連商品参照。

ACD-79 DEL & DAWG『Harcore Bluegrass in the Dawg House』CDR\2,573-(本体\2,450-)

ビル・モンロー命のふたり、デビッド・グリスマンとデル・マッカーリー・バンドの「これがブルーグラスだ!!」。ブルーグラス発掘新入荷参照。

JMD-001 TARO & JORDAN『Did I Laugh in Your Dream?』CD\2,000-(本体\1,905-)

驚きのマンドリン&ギターデュオ。インスト新入荷参照。

UM-06 RHONDA VINCENT『Sunday Mornin' Singin' Live!』CD\2,573-(本体\2,450-)

「ブルーグラス女王」と呼ばれるロンダ最新作は教会ライブ。ブルーグラス新入荷参照。

RUR-1100 AUDIE BLAYLOCK & REDLINE『Hard Country』CD\2,573-(本体\2,450-)

ジミー・マーティン直系ソリッドグラスのオウディ最新作。ブルーグラス新入荷参照。

MFR-120214 HEATHER BERRY & TONY MABE SHOW CD\2,573-(本体\2,450-)

オートハープを抱え天使の声を持つ女性ボーカルのおいしい曲集。ブルーグラス新入荷参照。

OWT-001 RAFE & CLELIA STEFANINI『Lady on the Green: Old Time Tunes & Songs』CD\2,573-(本体\2,450-)

オールドタイム・フィドルのレイフが娘クレリアと創った最新第2作。オールドタイム新入荷。

RCSI-1072D V.A.『Johnny Cash Music Festival 2011』DVD\2,888-(本体\2,750-、110分)

ジョージ・ジョーンズやクリストファーソンほか、豪華なアメリカン・ライブ。映像新入荷参照。

RCSI-1062 PIRATES CANOE CD\1,050-(本体\1,000-)

RCSI-1063 PIRATES CANOE『Too』 CD\1,050-(本体\1,000-)

京都の女子アコースティックトリオのデビュー作と2枚目。フォーク/オールドタイム新入荷参照。

UICV-1020 斎藤ジョニー CD\3,000-(本体\2,857-)

ブルーグラスからJ-Popメジャーへ!! 斎藤ジョニー最新作。フォーク/オールドタイム新入荷参照。

ブルーグラス新入荷
RUR-1100 AUDIE BLAYLOCK & REDLINE『Hard Country』CD\2,573-(本体\2,450-)

A Real Good Way to Lose/Home Is Where the Heart Is/Philadelphia Lawyer/A Natural Thing 他全10曲

「これでもか!」とばかりのソリッドグラスとアーリーブルーグラスのおいしいレパートリーで高い評価を得た、バンドとしてのデビューCD作『Audie Blaylock & Redline』(RUR-1081 \2,573-、これメチャお勧めでついついムーンシャイナー2009年2月号のカバーストーリーにしてしまったほどだよ!!)以来、前作のビル・モンロー曲集CD『I'm Going Back to Old Kentucky: A Bill Monroe Celebration』(RHY-1042 \2,573-)など、ブルーグラスの王道を高らかに謳うオウディ・ブレイロックとレッドラインの最新作。若いメンバー、パット・マカビニュー(f)とラス・カーソン(bj)のトラッドグラス一辺倒に、ジェシ・ブロック(m)、ジェイソン・ムーア(bs)、ゲストにロンサム・リバー・バンドのジョッシュ・シリング(g)らを迎えた本作、レッド・アレンの息子でヒットメーカーだった故ハーリー・アレンの2曲を含んで「ハードドライブなブルーグラスを軸にしているけれど、カントリー音楽のソウルとも言うべきバラッドタイプの曲も取り入れて、このバンドの多様性をアピールしている」とオウディは言う。ところで、本作にも収められたトラッド曲"Philadelphia Lawyer"、長らく聴いたこともなかったのに、今年に入ってラリー・スティーブンソンがサム・ブッシュとのデュオでやってたし、何かあるのかなぁ……!?

UM-06 RHONDA VINCENT『Sunday Mornin' Singin' Live!』CD\2,573-(本体\2,450-)

I Feel Closer to Heaven Everyday/His Promised Land/Just As I Am/God Put a Rainbow in the Clouds/Where No Cabins Fall/Joshua/Old Rugged Cross 他全16曲

圧倒的な歌唱力と、子供のころからブルーグラスで生活してきたパワーで「ブルーグラス女王」と呼ばれるロンダ・ビンセントの最新作は、自身の故郷の100年余りを経た教会での感動的なライブ。南部の生活、その一部であるブルーグラスなどの音楽がいかに教会と結びついて来たかは、ムーンシャイナー6月号の特集「教会音楽とシェイプノート」から7月号特集「バーバーショップからブルーグラス」で述べてきた。クリスチャンでなくとも、またキリスト教右派の考えが理解できなくとも、人が心のより所とする精神に触れることはとても感動する。大きく成長したハンター・ベリー(f)、グラスカルズにもいた若手アーロン・マクダリス(bj)、ブレント・バーク(d)、ベン・ネルソン(g)、そしてミッキー・ハリス(bs)のザ・レイジとともに、全曲見事なブルーグラス選曲でブルーグラス編成のバンドアンサンブルの粋を聴かせるブルーグラス・ゴスペルの見事な形がここにある。ロンダ自作とベッキー・ビューラー作のアカペラ作品もすばらしい。ときどきカントリーに手を出してしまうロンダの、嬉しくなるほどブルーグラスだらけの秀作だ。

MFR-120214 HEATHER BERRY & TONY MABE SHOW CD\2,573-(本体\2,450-)

Arkansas/Little Darling Pal of Mine/I Washed My Face in the Morning Dew/Shenandoah Waltz 他全14曲

ヒザー・ベリーとトニーのメイブ夫妻、第3作となる最新作は上記、オズボーンやカーター・ファミリーほか、とてもきれいなメロディを持つ曲を選び、ヒザーのエンジェリック・ボイスを堪能するようにマルチプレイヤーの夫トニーが支える。ヒザーはギターまたはオートハープを抱え、トニーはバンジョーをメインにギターとハーモニー、それに女性ハーモニーのジェミー・コリンズ(bs)という、基本三人のシンプルな編成。ゲストに一曲ずつ、ダーリン・ビンセントのハーモニーと、トニーとヒザーが交互に歌うカントリー調バラッドでランディ・クックのペダルスティールが入る。天使の声を持つと言われる女性ボーカルが、おいしいメロディーを歌い、夫ともうひとりの女性で美しいトリオ・ハーモニーがフォローする。自分たちの手の届く範囲内で創るホームメイド・ミュージックといった趣向である。

ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
ACD-79 DEL & DAWG『Harcore Bluegrass in the Dawg House』CDR\2,573-(本体\2,450-)

John Henry/Walkin' the Dog/Highway of Regret/Save It! Save It!/A Good Woman's Love/I'm Thinking Tonight of My Blue Eyes/Hit Parade of Love/Tennessee Waltz/Come Back Darling/I'm Waiting to Hear You Call Me Darling/Unwanted Love/We Can't Be Darlings Anymore/Cabin of Love/Country Boy Rock & Roll/20/20 Vision/I'm Sitting on Top of the World.

デルのリズムギターが聴こえるドーグのマンドリンとのデュオ(1曲目"John Henry"と8曲目"Tennessee Waltz"の2曲)から、デル・マッカーリー・バンドとの真っ直ぐなトラッドグラス16曲集(2〜7曲目は1992年録音、9〜16曲目は1997年録音)。デルのすごいボーカルはもちろん、ドーグの「好きでたまらない」といった思いを乗せた朴訥なボーカルで聴かせる「これがブルーグラス!!」。ビル・モンローはもちろん、スタンレーや何よりジミー・マーティンをメインにした前半、そしてフラット&スクラッグスやレノ&スマイリーらの名曲をメインにした後半のスタンダード・オンパレード。ドーグの歌い、ルールするマンドリンの強力なことはいうまでもなく、ジェイソン・カーターのフィドルがこれまたすばらしい(わずか5年のジェイソンとロブ・マッカーリーのバンジョーの成長が聴こえるぞ!!)。デルとドーグは1963年に出会い、1966年に初めてふたりでギグをしたふたり、(ともにその年に子供、モンロー・グリスマンとロニー・マッカーリーを産している)。デルはそののちビル・モンローの実質的な後継者として尊敬を集める一方、ジャズの世界でも功なし名を遂げたドーグことデビッド・グリスマン。そんなふたりが心底ブルーグラス、しかもその大本のトラッドグラス、それは洗練とは対極の山の民の心の本質を表わしたホンモノ・ブルーグラスを演じる。ブルーグラスをキーワードに生涯の友を得たふたりの愛情一杯作品。

B.O.M.特選コーナー
■ムーンシャイナー8月号関連商品
BOOK-47 ローザ・リー&ドック・ワトソン(詞)/M.B.ゴフスタイン(画)/谷川 俊太郎(訳)『あなたのひとり旅(Your Lone Journey)』A5変上製32頁絵本\1,890-(本体\1,800-)

ドック・ワトソンのデビューアルバムの1年前、1963年に発表された家族とのアルバム『The Doc Watson Family』に収められた、唯一のオリジナル曲、しかも妻であるローザ・リーが主に書いたというアパラチア名曲"Your Long Journey"、その歌詞を絵本にしたすばらしい作品だ。出版社の解説によれば、数々の絵本を発表している絵本作家ゴフスタインは、「ずっと真実の愛とは何かを絵本で表現したいと考えていました。初めてジョン・ハートフォードの歌う"Your Lone Journey" を聞いたとき、自分の考えてきた愛とか結婚とは、これだと思ったといいます。そして、ローザ・リーとドク・ワトソンの歌う元歌を何回も何回も聞き、数年たって、やっとこの絵を描けたのです。ゴフスタインにとって25冊目となる本書は、他人の文章に絵を付けた初めての本です」とある。"Your Long Journey"と"Your Lone Journey"の謎も含めて、この絵本の背景はムーンシャイナー8月号で紹介している。人は必ず、いつかは死を迎えるのだということを、わたしが本当に考えるようになったのは阪神大震災以降かもしれない。還暦を過ぎるとさらに、いろいろな出来事と向き合うようになる。身近な人を失った悲しみに寄り添うこの絵本と曲、いろんな人に持っておいて欲しいと思う……。

RCSI-1062 PIRATES CANOE CD\1,050-(本体\1,000-)

RCSI-1063 PIRATES CANOE『Too』 CD\1,050-(本体\1,000-)

京都の女子三人組に男子三人組が加わり、マンドリン/フィドル/ドブロを駆使した新世代アコースティック、パイレーツ・カヌーの紹介を特集。フォーク/オールドタイム新入荷参照。

AGR-1023 MIPSO TRIO『Long, Long Gone』CD\2,000-(本体\1,905-)

ムーンシャイナー6月号で紹介したノースカロライナ大学の学生バンドのマンドリン奏者ジェイコブ・シャープが日本のブルーグラスに興味を持ち、卒論のテーマに選び、この7月から日本で調査研究旅行したリポート前編を8月号に掲載。本作はそのジェイコブが参加する「ミプソ・トリオ」の今春発表されたデビューアルバム。初々しい感性で書かれたオリジナルで現在の若者たちに訴えかけるメッセージを持ったフォーク系ブルーグラス。神戸大学や名古屋大学訪問、「Wade」や「NAO」の工房を訪れ、三井徹先生にもインタビュー!

DMD-1015 森繁 昇『陽が昇るまでに』CD\2,573-(本体\2,450-)

神戸の元ロストシティ・キャッツのフィドラー「森繁昇物語」の連載が3月号からはじまり、8月号で「ナッシュビル」到着。1973年にキャッツの一員として渡米、そのまま残留しスコッティ・ストーンマン亡き後のストーンマン・ファミリーをはじめ、1975年にはブルー・フィールドというニューグラスバンドを結成、メジャーデビューも経験している森繁、クリスチャンとなって以来1984年から伝道アルバムを発表している。15作目となるこの最新作は、ドブロに「アンドレ」佐藤博之、マンドリンに宮崎勝之、バンジョーに吉崎ひろし、ベースに田中久之らを迎え、自身も久々にフィドルを手にしてブルーグラスを意識した作品に創り上げた日本語ブルーグラス・ゴスペル。歌の上手さ、オリジナルの出来栄え、そしてアレンジなど、どれをとっても見事なメッセージを持ったすばらしい音楽作品。

RC-101 IT'S A CRYING TIME CDR\2,079-(本体\1,980-)

Love Please Come Home/Old Kentucky Bound/Out on the Ocean/End of Memory Lane/Deep River Blues/Harbor of Love/Blue Kentucky Mountain 他全12曲

ちょうど40年前の6月に渡米したイッツ・ア・クライング・タイム、その珍道中記が6月号から連載中。その彼ら、'72年に発売されたレッド・クレイ・レコードの記念すべき第一弾LPがオリジナル・ジャケットのCDRで復刻。山口さとしの絶妙なバランス感覚が清水英一の強烈な個性による斬新なバンジョー、大西一由の天性のテナーボーカルと勝見明のリズムをコントロールする。その選曲、アレンジ、表現など、おそらく今なお、日本のトラッドグラスの最高峰ではないだろうか……と、我田引水!?

●ジミー・グドロー
今年でマンドリンを手にして50年になるというジミーが本誌8月号に自身のマンドリン変遷を寄稿してくれました。
GCM-8296 JIMMY GAUDREAU『Pieces and Bits』CD\2,573-(本体\2,450-)

1969年、ジョン・ダッフィの後任としてカントリー・ジェントルメンで鮮烈なデビューを飾ったジミー・グドロー、2011年の最近作。あれから40年、セカンド・ジェネレーション、J.D.クロウ&ニューサウス、スペクトラム、トニー・ライス・ユニット、チェサピーク、そして近年はロビン&リンダ・ウィリアムズに在籍しながら、スカイライターズ、ジョン・スターリング&カロライナ・スター、カントリー・ジェントルメン・リユニオン・バンド等々、活発な活動をつづけるジミー、1978年の『The Gaudreau Mandolin Album』以来、久々のマンドリン・インスト・アルバムである。デビュー当時、ボビー・オズボーンがフィドルチューンを通してモノにした16部音符の羅列とダッフィ以来のモダンなアドリブを合体、アグレッシブなアタックで、その後のサム・ブッシュやドイル・ローソンらとともに1970年代以降のブルーグラス・マンドリンの基礎を創った彼の新旧オリジナル・インストを中心に、ジプシー・ジャズ・ギターのフランク・ビニョーラ(g)やクルーガー・ブラザーズのイェン・クルーガー(bj)らスーパーピッカーほか、マイク・オルドリッジ(d)やビル・エマーソン(bj)、ムーンディ・クライン、オリン・スター(g)らがサポート、50年に亘るマンドリン人生の集約ともいえる作品。

RTR-001 COUNTRY GENTLEMEN REUNION BAND『Adcock, Gaudreau, Waller & Gray』CD\2,573-(本体\2,450-)

エディ・アドコックとトム・グレイの、いわゆる「クラシック・カントリー・ジェントルメン」でブルーグラスの一時代を築いたふたりと、故ジョン・ダッフィの後釜として1969年に新生カンジェンを支えたジミー・グドロー、そして父チャーリー・ウォーラーの遺志とギターを継いで現在カントリー・ジェントルメンを率いるランディ・ウォーラーが組んだリユニオン・バンドの2008年デビュー作。エディ、トム、ジミーが認めただけあって、チャーリーの息子のランディがなかなかよくて、懐かしさいっぱいのいい演奏を聴かせてくれるんですよ。

REB-1843 JIMMY GAUDREAU & MOONDI KLEIN『Home from the Hills』CD\2,573-(本体\2,450-)

Blending Blades/Rod McNeil/Whiskey Before Breakfast/Close the Door Lightly/Fisher's Hornpipe/If I Needed You/It's a Sin To Tell a Lie 他全14曲

マンドリンとギターという、1930年代に流行ったブラザーデュオのスタイルながら、そのアコースティックのもっともおいしいブルーグラッサーならではのしっかりしたトーンを見事に前面に押し出しつつ、1970年代以降のドーグのテクニックとウエストコースト・サウンドなどの影響を身につけたふたり、元カントリージェントルメン/ニューサウスのジミー・グドローと、セルダム・シーン経由でマイク・オールドリッジとT.マイケル・コールマンとのチェサピークでそのすばらしいボーカルとギターテクを聴かせたムーンディ・クライン。めちゃくちゃ良かった前作『2:10 Train』(2008年)につづいて、ものすごくいい今春発売の最新デュオ第2弾。さまざまな音楽経験を積み重ねた上で、もっともシンプルなアンサンブルを、フィドルチューンからオールドタイム、アイリッシュ、シンガーソングライター、ジャズスタンダードなど、抜群の選曲で聴かせる、前作につづく大秀作である。大オススメ作!!

■ドック・ワトソン追悼
5月29日、偉大なアパラチアン・シンガー/ギタリスト、ドック・ワトソン(89)が亡くなった。彼の偉業を偲ぶとともに、ムーンシャイナーでは8月号からアパラチア音楽を見つめ直しはじめた。
SH-3752 DOC WATSON『Riding the Midnight Train』CD\2,573-(本体\2,450-)

I'm Going Back to the Old Home/Highway of Sorrow/We'll Meet Again Sweetheart/Ramshackle Shack/Midnight, Stormy Deep/Baby Blue Eyes 他全13曲

ドック・ワトソン唯一のブルーグラス・アルバム。サム・ブッシュ、ベラ・フレック、マーク・オコナーがそれぞれお手本のような、しかも"key of E"や"F"の間奏やバックアップをタップリ聴かせてくれる秀作。そして1986年度グラミー最優秀トラッドフォーク作品受賞。

SH-3966 DOC WATSON『Trouble in Mind: The Doc Watson Country Blues Collection 1964-1998』CD\2,573-(本体\2,450-)

Country Blues/Sitting on Top of the World/Deep River Blues/Blue Yodel #7/Memphis Blues/Never No More Blues/Whitehouse Blues 他全17曲

アパラチアン・トラッドフォーク・シンガーであるドック・ワトソンのもう一つの重要な顔、ピードモント・ブルースの継承者としてのドックを見事に捉えたドックのベスト・カントリーブルース・コレクション全17曲。「ブルーズ」というステレオタイプなイメージとは違う、さまざまなブルース形態がドックの包容力のあるボーカルとギターやクロウハンマーによって物語られる秀作である。アパラチアのオールドタイムを包括的に理解する一助にもなるすばらしいコレクションだ。

SH-3916 DOC WATSON『Foundation: Guitar Instrumental Collection』CD\2,573-(本体\2,450-)

Black Mountain Rag/Windy & Warm/June Apple/Billy in the Lowground/Victory Rag/Nashville Pickin'/Dill Pickle Rag/Cannonball Rag 他全16曲

ドック・ワトソンが1963年のデビュー作以降、さまざまなアルバム(初期バンガード時代の録音が多い)に残したインスト曲を集めた2000年作のベスト集。フラットピッキンとフィンガーピッキン、すでにデビュー当時から完成されていたシュアなピッキンがいつの時代もドックらしい正直さで貫かれている。こうしてじっくりと聴き直してみると、ドックの律儀な音楽性が偉大だったことに改めて気付く。最後には自分の息子の名前にもしたアイドルのマール・トラビスとの貴重なライブを含むドックのインストベスト全16曲集。

SHA-605D STANLEY BROTHERS & DOC WATSON『Pete Seeger's Rainbow Quest』DVD\3,307-(本体\3,150-、約2時間)

デビューしたばかりのドック・ワトソンをゲストに迎えた1960年代中頃のフォーク・ブームのさなか、ピート・シーガーがホストの1時間モノのTVシリーズ『レインボー・クエスト』の2番組を収めた貴重な白黒映像。ドックはクリント・ハワードとフレッド・プライスとともにオールドタイム奏者として登場、すばらしいギター/ボーカルもさることながら、オールドタイマーとしてアパラチアの伝統を見事に演じている。1966年12月に他界してしまうカーター・スタンレーの姿を収めた(おそらく3種類ほどしかない)極めて貴重な番組とカップリングしたチョーお宝映像!!である。

DVDDOKFL21 DOC WATSON『Flatpicking with Doc』DVD\5,377-(本体\5,120-)

Little Sadie/More Pretty Girls Than One/New River Train/White House Blues/Salt Creek/Ragtime Annie/Goodnight Waltz/Peach Pickin' Time in Georgia/Sweet Georgia Brown/Walk On, Boy/Chicago Blues/Summertime.

ムーンシャイナー7月号の追悼特集では真似しない方がいいと書いてしまったドックの肘から動くフラットピッキン教則DVD。けど、そんなことよりドックのギターが目の前でクッキリと分かるこの映像から溢れる人柄とそのしっかりした音(トーン)。スティーブ・カウフマンとのインタビュー形式で、ドック・ピッキンの秘密が明かされる……!? フラットとフィンガーピッキンの両方を収め、ドックの有名曲、"Black Mountain Rag"、"Deep River Blues"、"Windy and Warm"、"Southbound"ほかが楽しめる教則DVD『Doc's Guitar』(DVDDOKGT21 \5,377-)もある。

BOOK-47 ローザ・リー&ドック・ワトソン(詞)/M.B.ゴフスタイン(画)/谷川 俊太郎(訳)『あなたのひとり旅(Your Lone Journey)』A5変上製32頁絵本\1,890-(本体\1,800-)

1963年に発表された『The Doc Watson Family』に収められた、唯一のオリジナル曲、しかも妻であるローザ・リーとともに書いたというアパラチア名曲"Your Long Journey"の絵本。B.O.M.特選コーナー「ムーンシャイナー8月号関連商品」に商品詳細。

■アール・スクラッグス追悼
3月28日、ビル・モンローとともにブルーグラス創造にもっとも貢献したアール・スクラッグス(88)が亡くなった。ムーンシャイナー誌では5月、6月号、そして7月号では「ドックとアールの友情」その知られざる逸話を追悼としている。
KOCH-7929 FLATT & SCRUGGS『at Carnegie Hall』CD\2,573-(本体\2,450-)

今年で50年……、1962年12月8日、あの有名なフラット&スクラッグスのカーネギー・ホール・コンサートの全貌である。LP時代には12曲しか発表されなかったが、オープニング・アクトだったマール・トラビスも2曲参加してここに彼らの演奏のすべて全32曲、その興奮の一夜が再現される。ブルーグラスが都会進出した歴史的な瞬間でもある。

WOU-8630 FLATT & SCRUGGS『Folk Songs of Our Land/ Fabulous Sound of Flatt & Scruggs』CD\2,573-(本体\2,450-)

1962年8月発売の『Folk Songs...』と1964年11月発売の『Fabulous...』の2枚のLPをCD1枚にまとめたもの全24曲。ホットな1950年代のバリバリブルーグラスとは一転、50歳になった円熟のきわみのレスター・フラットのリズム&ボーカル崇拝者にとっては、また40歳のアールのトーン&フィンガリング・コントロール崇拝者にとって、もっともふたりの感情に触れることが出来る究極のフラット&スクラッグスだ!!……と、ひとり思っているわたしの愛聴盤。ふたりの蕩けるような円熟味と、アンクル・ジョッシュの極上感性、ポール・ウォーレンの不器用にして誰にも出せない味わい、そしてジェイク・ターロックの軽々としたテナーとバウンシーなベースを存分に味わってほしい。カーター・ファミリーを溺愛し、そのメロディと詞のエッセンスを見事に昇華した彼ら、その音楽性はひとえにアールに負うものだと、断じて言おう。わたしの大好きなのは、各アルバムからしいて言えば、"Hear the Wind Blue"("Down in the Valley"ともいう)と"A Faded Red Ribbon"、……聴いてみて!!

BGOCD-830 EARL SCRUGGS REVUE『Anniversary Special Vol.1 & Vol.2』CD\2,573-(本体\2,450-)

1969年、23年に及ぶレスター・フラットとのコンビを解消、息子たちゲイリー(bs)、ランディ(g)、スティーブ(g,keyboard)、そして早弾きギタリストのジョー・メイフィスの息子ジョディ(drums)らと組んだアール・スクラッグス・レビュー。アールのコロンビア/CBSレコードとの25周年を記念して1975年と76年に発表されたスクラッグス・レビューのLPアルバム2枚がCD1枚で。アールの25年を祝ってゲストには、ジョン・バエズ、ビリー・ジョエル、ポインターシスターズ、ジョニー・キャッシュ、ラウドン・ウェインライトIII、ランブリン・ジャック・エリオット、ロギンス&メッシーナ、ダン・フォーゲルバーグ、ライダーズ・オブ・パープル・セイジ、バフィ・セント・メリー、レナード・コーヘン、マイケル・マーティン・マーフィーほか。アールの人脈に改めて感服するとともに、ニューグラス勃興期にレビューがロックしていたことを再認識。ボブ・ディラン作"Song to Woody"でアールがソロを歌ってるの、知ってましたか?

■ビル・モンロー生誕100年記念コーナー
昨年9月13日、ビル・モンロー生誕100年を迎え、さまざまな記念作品を以下にまとめています。
MCM-0016 DEL McCOURY BAND『Old Memories: the Songs of Bill Monroe』CD\2,573-(本体\2,450-)

デル・マッカーリー・バンド、グラミー賞最終ノミネートになった極めつけ最新モンローソング16選曲集。さすが、現在最高のトラッドグラス・バンドによる、最良のビル・モンロー曲集。文句なし!!

PATUX-227 FRANK WAKEFIELD『a Tribute to Bill Monroe』CD\2,573-(本体\2,450-)

ビル・モンローのマンドリン・スピリットを完全に習得した最初のひとり、18歳でレッド・アレンと組んで以来、グリスマンをして「師匠」と呼ばせるブルーグラス第一世代の偉大なマンドリン・カリズマ、フランク・ウェイクフィールド(77歳)がモンローに捧げた入魂の最新作。全16曲の心憎い選曲でブルーグラス本来のリズムと抑え気味のバックとともに、(モンローの言う)バッターボックスに立った打者の如く、モンロー精神の本質をその見事なトーンを生むピック捌きと縫うように繊細な運指を完璧に表現。モンロー音楽のハイロンサムをしみじみと聴かせる大秀作、チョーお勧め!!

ACD-77 DAVID GRISMAN『Happy Birthday, Bill Monroe』CD\2,573-(本体\2,450-)

グリスマンがいかにモンローに心酔していたか、最後の未発表曲"My Last Days on Earth"を聴けば痛いほど分かる(録音はモンローが84歳で亡くなった直後の1996年9月!)。1曲目の"New Muleskinner Blues"はバッサー・クレメンツのフィドルとマンドリンだけのデュオ、そして2曲目、DGQ名演"Happy Birthday, Bill Monroe"、3曲目には故ジョン・ハートフォードと故マイク・シーガーとのレトログラス・トリオで"Uncle Pen"をオールドタイムする……などの名演12曲と、驚きの未発表8曲など全20曲。グリスマンの偉大さに、あらためてひれ伏す名作。

RUR-1075 V.A.『Blue Moon of Kentucky: Instrumental Tribute to Bill Monroe』CD\2,573-(本体\2,450-)

ムーンシャイナー誌8〜9月号で連載した特集、「ビル・モンロー・マンドリンの作り方」。その日本製「WADE」のビル・モンロー・レプリカF5をジャケットに起用した本作は、マイク・スコット名義で紹介した同タイトル12曲に、ほかの同シリーズから6曲を追加した全18曲、ビル・モンロー名曲やレパートリーの歌ものをインストにした作品。基本セットにはマイク・スコット(bj)、マイク・コンプトン(m)、ブライアン・サットン(g)、オーブリー・ヘイニー(f)、ベン・アイザックス(bs)。

REB-7529 V.A.『Let the Light Shine Down: a Gospel Tribute to Bill Monroe』CD\2,079-(本体\1,980-)

ビル・モンローのゴスペル名曲お楽しみカバー編。カントリー・ジェントルメン"Beautiful Life"にはじまり、スタンレー・ブラザーズ"Mother's Only Sleeping"と"Shine Hallelujah Shine"で閉じるモンローのゴスペル・レパートリーから全17曲集。セルダム・シーン"Working on a Building"や同じくリンダ・ロンシュタットを迎えての"The Old Cross Road"、リリー・ブラザーズ&ドン・ストーバー"When the Saints Go Marching In"、ドン・レノ&ベニー・マーティン"Swing Low, Sweet Chariot"、そしてタイトル曲はジュニア・シスク&ランブラーズチョイスといった新旧バンドが同居、ランダムな名曲との出会いで南部教会の雰囲気を……。

MCAD-42286 BILL MONROE『Live at Opry』CD\2,079-(本体\1,980-)

New Muleskinner Blues/Molly & Tenbrooks/Footprints in the Snow/Sittin' Alone in the Moonlight/Rawhide/Love Please Come Home 他全12曲

ビル・モンロー(1911-1996)のグランド・オール・オープリ・レギュラー50周年を記念して1989年に録音/発表されたアルバムが限定入荷です。1948年録音の「ミュールスキナー」を1曲目に配し、テイター・テイト、ブレイク・ウィリアムズ、トム・ユーイング、ビリー・ローズという同年の第1回熊本カントリー・ゴールドに最後の来日をしたメンバーそのままの懐かしいライブだ。なんといってもビル・モンローの正規のアルバムが某倉庫で発見、発見されたもう一枚『Bluegrass '87』(MCAD-3130 \2,079-)とともに、売り切れゴメン!!のチョー貴重盤です!!

ブルーグラスお勧め作品
■話題のブルーグラス最近作
今、最も旬なブルーグラス・アルバムたち…
MH-1390 THE GRASCALS『Life Finds A Way』CD\2,573-(本体\2,450-)

今春発表のグラスカルズ最新作。テリー・エルドレッジとジェミー・ジョンソンというすばらしいテナー系の2枚看板ボーカリストに、ダニー・ロバーツ(m)、若手ジェレミー・アブシャイアー(f)、そして4年連続IBMA最優秀バンジョー受賞の名誉が効いたのか、今作ではハッとさせてくれる技に磨きのかかった紅一点クリスティン・スコット・ベンソン、そして見事にハーモニーに溶け込むバリトンとベースでバンドを絞めるテリー・スミス。ラウンダーからマウンテンホームへの移籍第一弾は最近2作の企画ものとは違い、バンドとしての直球勝負。彼らの目標と同じく、ブルーグラスの芯を持ちながらのカントリーフレイバーでより幅広いファン層を狙う。すばらしいテリーの歌うジェイムズ・テイラーのカウボーイ子守唄"Sweet Baby James"、エルビスの"Mystery Train"ほか、メンバーのオリジナルや人気BGソングライター新作など全力投球作品。

ROU-9107 BLUE HIGHWAY『Sounds of Home』CD\2,573-(本体\2,450-)

ムーンシャイナー4月号ブルーグラス・チャート1位以来、8月号もトップ!! 1994年から17年間、メンバーを変えることなく、プロとしてバンドを存続させ、数々のIBMAアワードを獲得、またグラミーにも2度の最終ノミネートという名誉を受けている東テネシーを本拠にするブルー・ハイウェイ、9枚目(レベル時代のベストを入れれば10枚目!!)の最新作。セルダム・シーンの現代版とも言えるトラッドでモダン・サウンド(1曲のみ"Nobody's Fault But Mine"がトラッド)で、アパラチアンのアイデンティティを歌う現代ブルーグラスのトップグループである。

MH-1398 THE BOXCARDS『All In』CD\2,573-(本体\2,450-)

昨秋、結成一年目にしてIBMA最優秀新人賞と最優秀インストバンド賞、そしてバンジョーとマンドリンを獲得したスーパーグループ、今春発表の最新第2作。ロン・スチュワートのバンジョーを聴きたいということではじまったのかも知れないが、長年にわたるサイドマンとしての活躍を経て結成された彼らの狙いはおそらく、市場のニーズに左右されないマイペースで好きなブルーグラスをやることだったのではないか?……その当然の結果が、めちゃくちゃ端正な現代メインストリーム・ブルーグラスの粋を集めたバンドの誕生には違いない。たとえば、フラット&スクラッグスの"I've Lost You"が、J.D.のニューサウスでトニー・ライスとリッキー・スキャッグスのフィルターを通り、ボックスカーズが料理するとこんな風になるといった……。アダム・ステッフィ(m)のインスト"That's What She Said"のイントロではパンチ・ブラザーズを思わせる、そんな超一級の耳と技を持った凄いバンドだ。

ROU-0648 STEEP CANYON RANGERS『Nobody Knows You』CD\2,573-(本体\2,450-)

名門ノースカロライナ大学チャペルヒル校出身の学生バンドとして2000年に結成されたスティープ・キャニオン・レンジャーズ、現在ブルーグラス・チャート8位上昇中。映画俳優スティーブ・マーティンとの共演で一躍トップグループになった彼らだが、それ以前に新進バンドとして2006年にIBMA最優秀新人バンドを受賞した実力派。何よりもトラッドグラスのよさを守りながら若者らしいユニークなメロディと歌詞で、バランスの取れたブルーグラスサウンドが元気な彼ら、ゲイリー・パチョーザとジョン・ランドールのプロデュースによるラウンダー移籍第1作だ。昨秋のIBMAアワード最高賞のエンターテイメント受賞、そしてグラミーにもノミネートされ、ポール・マッカートニーやディキシーチックスがゲストというスティーブ・マーティン『Rare Bird Alert』(ROU-0660 \2,573-)が良かったのは彼らのすばらしいバンドサウンドがあったからこそだろう。本作ではティム・ハーディンの"Reputation"のカバー以外はメンバーのオリジナルで、とくに過去4枚のレベル作品で定評のあるグレアム・シャープ(bj)のキャッチーな曲がメインだ。ウッディ・プラット(g)、マイク・ガグギノ(m)、ニック・サンダーズ(f)、チャールズ・ハンフリーIII(bs)のメンバーの結束も固く、とても新鮮なブルーグラスを聴かせてくれる。

RUR-1094 V.A.『MACC Life Goes On』CD2枚組\2,8883-(本体\2,750-)

Six Feet Under the Ground/Goin Across the Sea/Highway of Sorrow/Fraulein/Rain & Snow/Panhandle County/Water Is Wide/Hard Times 他全39曲

オハイオ州フロンティアランチのブルーグラス・クラシック・フェスは現在、小児ガンと闘う子供たちを援助するボランティア・フェスとなっており、本作は2006年発表の第一作『Celebration of Life』(SKFR-9001 2枚組\3,360-)につづく、小児ガン寄付の最新ライブ2枚組である。現在、南部系ブルーグラスの第一線で活躍する139アーティストによる全39曲は、第一作が発表されたのち、2006年から2011年までに録音されたもの。一枚目はジョンソン・マウンテン・ボーイズのリユニオンを皮切りに、マイケル・クリーブランド&フレームキーパー、ジョッシュ・ウィリアムズ・バンド、ギブソン・ブラザーズ、ブランドン・リックマン、クレイ・ヘス、スティールドライバーズ、グラスカルズ、ジュニア・シスク、ロンサム・リバー・バンド、ロンダ・ビンセント&レイジ、ロスト&ファウンド、J.D.クロウ&ニューサウスほか。二枚目にはトニー・ライス"Manzanita"を皮切りに、シエラ・ハル&ハイウェイ111、ドイル・ローソン&クイックシルバー、サードタイム・アウト、ブルーハイウェイ、ダドリー・コンネル、ケニー&アマンダ・スミス、ジェイムズ・キング、ダニー・ペイズリー、マーティ・レイボンほか、現在のトップアーティストがずらり。その上、このフェス名物の特別企画による珍しい顔合わせなどのお楽しみが一杯。2000年、小児ガンで娘マンディを亡くしたプロモーターのダレル・アドキンスがはじめた非営利フェスMACC(Musician Against Children Cancer)は現在までに、合計59万ドルがテネシー州メンフィスの聖ジュード小児病院やYMCAなどに贈られている。現在の南部系ブルーグラス・トレンドを一望する秀作。

MRR-1014 FREEMAN & WILLIAMS CD\2,573-(本体\2,450-)

アパラチアのど真ん中で生活してきたベテラン・ミュージシャンたち3人が組んだギター/マンドリン/ベースのトリオによるシンプルなサウンドをベースにした、それでいてブラザーデュオではない珍しいブルーグラス作品だ。トラッドグラスで近年高い評価を受けているビッグ・カントリー・ブルーグラスのメンバーだったジョニー・ウィリアムズ(g)、デビッド・グリスマン・クインテットを聴いてマンドリンをはじめたと「裏口入学!?」を認めるスコット・フリーマン(m,f)に、自身のバンドで数々の賞を受けているジーネット・ウィリアムズ(bs)。ジョニーとジーネット夫妻のリード・ボーカルを交互に配しながら、オリジナルやトラッド、カントリーヒットなどを非常にシンプルなサウンドに、しっかりとしたトリオ・コーラスで、趣味よく聴かせる13曲。

PC-1177 KARL SHIFLETT & BIG COUNTRY SHOW『Take Me Back』CD\2,573-(本体\2,450-)

1950年代にブルーグラスが広まりはじめるがそのレパートリーは、ホンキートンクカントリーを好むのと同じ客層だった。そんな田舎くささを目一杯、現在に再現して大人気となったカール・シフレットと、その名もビッグ・カントリー・ショウの最新作。ボブ・ウィルスやドン・ギブソン、ファロン・ヤング、フロイド・ティルマンほかのカバー、フラット&スクラッグスの"Sally Don't You Grieve"と"Mama Don't Allow"など――この2曲は実際シングル盤の裏表だったような気がするけど……。いずれにせよ、スクラッグスを意識しつつもドン・レノ・インストを選んだクリス・ヒル(ペダルスティール・リックも多用)や一昔前の切り込みフィドルに余計な装飾を入れないビリー・ハート、マンドリンのC.J.ルワンドウスキら、それぞれがアーリーブルーグラスのグルーヴを大切にした音造りでカール親父を盛り上げる。古き良き時代のブルーグラス、アーリーカントリー雰囲気をお楽しみください。

■ブルーグラス発掘・編集最近作
最近発表/発掘された貴重なブルーグラス!!
OB-707 TED LUNDY & the Southern Mountain Boys CD\2,573-(本体\2,450-)

Mountain Sally Ann/Dark Hollow/Banjo Boy Chimes/Garden in the Sky/Don't Forget Me Little Darlin'/On and On/When You Are Lonely 他全18曲

1937年組、50年代初期アールのバンジョー絶頂期に15歳前後だったバンジョー奏者のひとり、テッド・ランディ(1937-1980)の1962〜1971年の録音を集めたアーリー・ブルーグラス大秀作である。1980年に自殺したテッドのアパラチアが横溢したトラッドグラス音楽は、1965年からバンドメンバーだったボブ・ペイズリー(1931-2004)によって継承され(2001年作品『Forty Years of Trouble』(SCR-51 \2,888-)のみ在庫あり)、さらにはボブの息子、ダニー・ペイズリーとテッドの息子ボビー・ランディ(bj)とT.J.ランディ(f)らによってサザン・グラスとしてハードドライビングなーでソウルフルなトラッドグラス継承されていることは、ご承知の通りだ。ストリングバンド音楽のメッカ、バージニア州ゲイラックスの出身で、バージニアからノースカロライナ一帯の当時の若者たちが、一斉に伝統的なオールドタイム音楽からブルーグラスに転向しはじめたその只中にいた若い彼らは、フラット&スクラックスの完璧なアンサンブルに憧れ、ビル・モンローのパンクなインパクトに耐えた若きスーパーピッカーたちのテクニックをフォローし、瞬く間にブルーグラスのエッセンスを我が物としていった。そこに重要な要素として、全員に共通していたのは、言うまでもなくアパラチアを中心にした伝承音楽だ。本作のボーカル曲のメロディは19世紀のシートミュージックをベースに、アパラチアのブラザーデュオやカーターファミリーがリファインしていったものを、あたらしく洗練されたトリオ・ハーモニーやドライブ由来と思えるボーカルの節回しなどで軽快に表現していく、20世紀後半の経済成長とともに開けていくアパラチアのエネルギーを感じさせるものだ。またテッド・ランディのバンジョーはスクラッグス・ロールをベースにしながらも、キースのメロディックをスリーフィンガーロール的に組み入れた独自のもので、6曲収められているフィドル・チューンでその真価を発揮している。1980年代以降にブルーグラスがはまっていくリズム乗りとは違った、豊かなリズムの揺らぎの中、ノスタルジックなハーモニーやボーカルとともにアーリー・ブルーグラスのエッセンスが味わえる秀作だ。人はそれをゲイラックス・スタイルのブルーグラスと呼ぶ。

PCR-1302 THE DILLARDS『Mountain Rock』CD\2,573-(本体\2,450-)

Caney Creek/Don't You Cry/Reason To Believe/I've Just Seen the Face/Walkin in Jerusalem/Never See My Home Again/Somebody Touched Me 他全11曲

1968年、ダグの抜けたディラーズがその代わりに加わったバンジョーとテナーのハーブ・ピーダソンとともに成したウエストコースト・グラスロック大名盤『Wheatstraw Suite』を再現しようと目論んだのか、10年後の1979年、ソロ・キャリアを積んでいたハーブを再び擁したディラーズ、当時としては最新技術だったダイレクト・ディスク録音を2日間にわたって行ったとき、さらに当時では珍しいデジタル録音でバックアップとして録られた音がCDとして登場だ。「ブルーグラス/カントリーロック初のデジタル録音、ボリューム最高でドーゾ」と謳われている。で、演奏は、これがすごい!! むかし、初めて聞いたときは「何、これっ」と思ったのはなぜだろう? 何よりも、ロドニーのボーカルセンスとハーブの強烈なバンジョーとテナーに(スタンレー曲"Fields Have Turned Brown"でソロ)、クールなディーン・ウェッブのマンドリンとハモがいい。バーン&レイのレイ・パークがフィドルで参加。とても複雑なコーラスとアレンジにもかかわらず、またポール・ヨークのドラムスにエレキとエレベも伴ったロック指向で目一杯のボリュームで演じるその自信!!がバリバリと伝わる、ライブの醍醐味が味わえるのだ。エルトン・ジョンがほれ込んで初の全米ツアー(1972年)のオープニングに指名したというザ・ディラーズのすごいライブ能力とポップ性に今更ながら驚き、ホンマ、そのスタジオに迷い込んだような臨場感が味わえるぞ。

RUR-1097 MARTY RAYBON『Southern Roots & Branches』CD\2,027-(本体\1,980-)

1989年から1996年まで人気カントリーグループ、シェナンドーで数々のヒットを飛ばしたマーティ・レイボンが古巣のブルーグラスに戻って『Full Circle』(2003年)を発表してからもう10年。昨年はガンのために療養したが、今年はツアーにも復帰、この最新作は既発の9曲に、ケニー・スミス(g)、スーパーマルチプレイヤーのジャスティン・モーゼス(bj)、グレン・ギブソン(d)、マーク・フェイン(bs)での新録3曲の合計12曲。シャド・コッブ(f)やデビッド・タルボット(bj)、ブライアン・サットン(g)らを擁した旧録音からはビル・モンローの超スピード"White House Blues"や"Rocky Road Blues"、そしてアイドルだったというジミー・マーティンの"Home Run Man"や"Prayer Bells of Heaven"そしてジミー調に今風ドライブをかけたフラット&スクラッグスの"Down the Road"など、ブルーグラス・スタンダードやコンテンポラリーなブルーグラスに加え、カントリーヒットの常連だった経歴を思わすキャッチーなカントリーサウンドも取り混ぜたバラエティを収録。カントリーのヒットシンガー、マーティを聴いているとその説得力の豊かさにはうならされる。

REB-7518 CHRIS JONES & NIGHT DRIVERS『Lost Soul & Free Spirits』\2,097-(本体\1,980-)

ナッシュビルに移る前にはボストンで有田純弘らとバンドを組んでいたクリス・ジョーンズ、さすが現在もっとも人気のあるブルーグラスDJらしく、渋いバリトン・ボイスで見事なバンドアンサンブルをまとめ上げる今年54歳、今や大ベテランである。本作は1997年から2009年にレベルに残した11曲と3曲の新録音で聴かせるすばらしいコンピレーション。名作1枚だけを残したウエアリーハーツ時代の仲間ロン・ブロック(bj)にダン・ティミンスキやマイク・コンプトン(m)を配した98年から00年の作品5曲のさすが見事な仕上がり、そして現在のメンバーでもあるネッド・ルベレッキ(bj)、ウィル・マリングと来日経験もあるマーク・ストッフェル(m)らとの新録も含めた6曲など、いずれも非常にレベルの高いアンサンブルとボーカルを堪能させてくれる。クリス・ジョーンズの魅力を知るお勧め廉価作品!!

■初心者歓迎コーナー
●ブルーグラス御三家入門
なんたって御三家、日本人は三つ揃うと、何故かホッとできるのだ。……よね!?
SCOUNT-001 STANLEY BROTHERS『Songs of Tragedy and Redemption』CD\2,079-(本体\1,980-)

アメリカのスタンレー・ファンがうらやむというレーベルを越えた英国製ベスト25曲集。初期リッチ・R.トーンからコロムビア、そして高い評価のマーキュリー時代からキング/スターデイ時代までを網羅、ブルーグラスの歴史に大きな足跡を残したスタンレー・ブラザーズの名曲名演、ビル・モンローの助言でエルビスをカバーした"Blue Moon of Kentucky"や21世紀に大ヒットした"Man of Constant Sorrow"、シェイプノート・シンギングの伝統を汲んだ"Angel Band"からブルーグラス・フィドルの定番となった"Orange Blossom Special"などが一望できるすばらしいコンピレーション。とりあえずブルーグラス御三家のスタンレー・ブラザーズを一望するにはうってつけの廉価版である。

SCOUNT-002 FLATT & SCRUGGS『The Sound of Foggy Mountain Soul』CD\2,079-(本体\1,980-)

1948年のフラット&スクラッグス最初のセッション"We'll Meet Again Sweetheart"から、1960年発表のヒット曲"Polka on a Banjo"やアルバム『Foggy Mountain Banjo』からの"Groundspeed"や"Cripple Creek"まで全29曲、米国や日本ではできないレーベルを越えたさまざまなセッションを網羅した英国製コンピレーション。レスター・フラットのボーカルソロ、デュオ、トリオ、そしてゴスペル・カルテット、アール・スクラッグスのバンジョー・インストやフィンガーピッキンギターをフィーチャーしたもの、1955年にドブロが加わってからのバラードなど、多彩なフラット&スクラッグスが1枚で楽しめる廉価版のお徳用入門作品である。

MCAD-31310 BILL MONROE『Bluegrass '87』CD\2,079-(本体\1,980-)

Long Bow/Mighty Dark to Travel/Music Valley Waltz/Old Crossroads/Old Brown County Barn/Stay Away from Me/Bluest Man in Town 他全10曲

76歳にしてインスト4曲、オリジナル新曲2曲の衰えぬこの創作力、そしてジム&ジェシーやデル・マッカーリーらのゲストを迎えた再録スタンダードの4曲の合計10曲、ビル・モンローのオリジナル・アルバムである。ブルー・グラス・ボーイズには、ちょうど交代期にあったウェイン・ルイスとトム・ユーイングのギター、バンジョーにはブレイク・ウィリアムズ、ベースにはテイター・テイトといった来日組に、フィドルはグレン・ダンカン(ツインでボビー・ヒックスや火を噴くバディ・スパイカーも参加)。ベスト物ではないけれど、貴重なビル・モンローのオリジナル・アルバムの発掘である。廃盤限定入荷につき、売り切れゴメン!!

●オールドタイム入門
NONE529809 CAROLINA CHOCOLATE DROPS『Leaving Eden』CD\2,573-(本体\2,450-)

Riro's House/Ruby, Are You Mad at Your Man?/Run Mountain/Country Girl/Pretty Bird 他全15曲

黒人オールドタイム・ストリングバンド、カロライナ・チョコレート・ドロップスの最新アルバム第三作は、エミルー・ハリスのギタリストとして知られるバディ・ミラーのプロデュースで、南部アパラチアのストリングバンド音楽と西インド諸島のクリオールからラグタイムなど、19世紀の南部で出会ったフィドルとバンジョーが産み出したあたらしい(当時の)音楽を現代の感性に乗せて表現する秀作。ミンストレル・バンジョーやボーンズなどのアフリカ音楽と西洋のフィドルが出会った生々しい瞬間を捉えたと感じられるすばらしいエネルギーを内包したアルバムに仕上がっている。近年、米国でオールドタイム音楽が受ける、その理由がよく分かるはずだ。白人と黒人の民衆文化がぶつかった、そのままのラフな音楽を楽しませる秀作。大推薦!!

ブルーグラス古今の名作コーナー!?
■トラッドグラス
ブルーグラス第一世代が確立した伝統様式。
CMH-9454 JIM & JESSE『Jim & Jesse Story; Special Edition』CD\2,573-(本体\2,450-)

1980年にLP2枚組で発売されたジム&ジェシーの最高傑作といってもいい名品。本作はJ&Jを愛してやまない故ボビー・トンプソンのプロデュースで、カール・ジャクソン(7曲)、アレン・シェルトン(7曲)、ボビー(それ以外)という3大バンジョーの競演に、ジム・ブキャナン(7曲)以外には若きブレイン・スプラウスのフィドル、ドブロにロイド・グリーン、そして初期の重要なトリオ・コーラス要員ドン・マクハンという夢のメンバーでの24曲(別テイクの4曲がボーナスで全28曲)。50才を越えたばかりの彼ら、60年代の絶頂期に負けない質の高い音楽を創っていたJ&J美学が凝縮された名作の再CD化である。ジェシー・マクレイノルズ82歳、バージニアボーイズを率いて活躍中。2010年の最近作はグレイトフル・デッドに捧げたアルバムだった。

■ニューグラス/プログレグラス
ブルーグラス様式に、他の音楽様式を加味。
NONE796277 PUNCH BROTHERS『Who's Feeling Young Now?』CD\2,573-(本体\2,450-)

現在最先端のブルーグラス。米英の若者が群がるパンチ・ブラザーズ2012年発表の最新作。「この国がかつて生み出したバンドの中でもっとも途方もないバンド……」と、大プロデューサーのT.ボーン・バーネットをして言わしめるパンチ最新第3作(実質第4作)は超ポップなオルタナグラス!! 結成5年目、またしても天才クリス・シーリに触発された超秀才たちのブルーグラス標準楽器5人編成で、誰一人として一瞬も無駄な音を出さずに創り上げた信じ難いアンサンブルはブルーグラス・バンドとしてまったくあたらしい世界に踏み出している。レディオヘッド"Kid A"と、スウェーデンのヴェーセンの"Flippen"のカバー2曲をインストで取り上げるほか、全曲オリジナル。ものすごい高度なことをしながら、現代の若者の胸に届くメッセージを私的に表現できるポップ、きわめて稀有なアーティスト集団であり、21世紀ブルーグラス最先端のひとつの形である。「音好き」のヒップなお子さんにもオススメ!!

■ブルーグラス・メインストリーム
現在の第一線ブルーグラス。
MH-12952 BALSAM RANGE『Trains I Missed』CD\2,573-(本体\2,450-)

タイトル曲がIBMA最優秀ソングを受賞!! リッキー・スキャッグスのお気に入りバンジョー奏者として知る人には知られたマーク・プルエットほか、ノース・カロライナ産ミュージシャンたちの凄いこと!! そしてバンド・サウンドを強く意識したアグレッシブなアレンジと、アルバム発表ごとにブルーグラス・アンリミテッド誌の全米チャートの上位に常連するバルサム・レンジの最近作。バンジョーニューズレター2011年10月号(BNL-11/10 \525-)にマークのカバーストーリーあり。

COMP-4549 GIBSON BROTHERS『Help My Brother』CD\2,573-(本体\2,450-)(歌詞付)

昨年ムーンシャイナー掲載全米アルバムチャート1位で快走をつづけ、秋にはIBMAアワード最優秀アルバムとボーカルグループ、ともに初受賞という快挙を成したギブソン・ブラザーズ。自分たちのバンド、つまりブラザーデュオの真髄をストレートに表現、12曲中ティム・オブライエンらとの共作を含む7曲のオリジナルほか、ジム&ジェシーの"I'll Love Nobody But You"など、また"Talk To Me"ではクレア・リンチをゲストに、ギブソンズのギミックのないすばらしいバンド・サウンドが味わえる。ブラザーデュオという伝統を現在に継承するもっともすばらしいボーカルグループだ。

■ブルーグラス・マスターズ歴史的作品
OH-4159 JIMMY MARTIN with PAUL WILLIAMS & J.D.CROWE『Big Jam Session』CD-R\2,888-(本体\2,750-)

Roll In My Sweet Baby's Arms/Molly & Tenbrooks/Angel Band/Put My Little Shoes Away/Gotta Travel On/Dog Bite Your Hide/Home Sweet Home 他全34曲

いわゆるハード・ドライブな「ソリッドグラス」の典型を創ったジミー・マーティン(1927-2005)、ビル・モンローの元を離れ、オズボーン兄弟とサニー・マウンテン・ボーイズを結成、そして1956年以降は自身のバンドとして独自サウンドを創ってきた偉大なミュージシャンである。その彼が初期最高のメンバー、J.D.クロウ(bj)とポール・ウィリアムズ(m)を伴って友人のリビングルームでジャムをしているところを収めた貴重なテープから、1984年にLP発表した10曲に、詳細不詳のライブ22曲の未発表をプラスした超貴重録音全34曲。もちろん、状態(音質など)は良くないが、初期ブルーグラスのグルーヴに満ちた強烈なジャム&ライブだ。当時20歳前後J.D.、基本のリズムがバンジョーから溢れているのが面白い。ムーンシャイナー2011年9月号で本間正敏君がドイル・ローソンがジミー役に扮したクロウとウィリアムズとのライブをリポートしていたが、これを生で聴いたら、どういうだろうか……!? ブルーグラス第一世代のマスターたちからさまざまなことが学べた時代、何よりも50年代の勢いと彼らの若さがぶつかったエネルギーには何モノもかなわないだろう。生々しいブルーグラスがドロドロに溶け出したマグマの地響きだ。

GT7-0959 DON RENO & RED SMILEY『1951-1959, Complete King Starday Recordings Vol.1』CD4枚組\4,725-(本体\4,500-)

アール・スクラッグスの三歳年下ながら、アールより先にビル・モンローのバンドに誘われたドン・レノ、しかし徴兵されて第二次世界大戦に参加、特殊部隊員として東南アジアで日本軍と戦い負傷。終戦後、今度はアールの後釜としてモンローのバンドに参加、その後レッド・スマイリーとコンビを組んだ1951年にレノ&スマイリーとして録音をはじめてからの前半109曲がこの第一集に収められている。バンジョーとギターを自在に操ったドン・レノという稀有のミュージシャンが1950年代アメリカン・エンターテイメント界に遺した見事な音楽だ。偉大なドン・レノ入門、まずは「これ!」の四枚組109曲集。絶対のオススメ!!

ちなみにそののち、1959年から63年の録音87曲を集めた四枚組『1959-1963, Complete King Starday Recordings Vol.2』(GT7-2209 \4,725-)と、その続編でビル・ハレルとのコンビも含む63年から72年録音の四枚組95曲『1963-1972, Complete King Starday Recordings Vol.3』(GT7-2176 \4,725-)がある。

B000053402 STANLEY BROTHERS『Complete Mercury Recordings』CD2枚組\3,675-(本体\3,500-)

カーター&ラルフ・スタンレーが1953年から58年の間にマーキュリー・レコードに残した、兄弟のもっとも評価の高い全48曲集。カーターが28才、ラルフが26才、モンローやフラット&スクラッグスの後塵を拝しつつも、かくも独創的な録音を残したことに驚く必携盤!! ちなみに、のちのキング時代の全集前編『King Years 1958-61』(GT7-22074枚組特価\4,725-)、全集後編『King Years 1961-65』(KCD-9504枚組特価\4,725-)と、そしてマーキュリー以前のコロムビア時代の全曲集『Complete Columbia Recordings, 1949-1953』(\2,079-)、そして最初期リッチ・R.トーンの貴重な全14曲集『Earliest Recordings: Complete Rich-R-Tone 78s, 1947-1952』(ROU-1110 \2,573-)で、スタンレーズ録音はすべて揃う。

B000007002 FLATT & SCRUGGS『Complete Mercury Recordings』CD\2,573-(本体\2,450-)

We'll Meet Again Sweetheart/God Loves His Children/My Cabin In Caroline/I'm Going To Make Heaven My Home/Baby Blue Eyes/Down The Road/Bouquet In Heaven/Why Don't You Tell Me So/I'll Never Shed Another Tear/Foggy Mountain Breakdown/No Mother Or Dad/Is It Too Late Now?/My Little Girl In Tennessee/I'll Be Going To Heaven Sometime/I'll Never Love Another/So Happy I'll Be/Doin' My Time/Pike County Breakdown/Preachin' Prayin' Singin'/Cora Is Gone/Pain In My Heart/Roll In My Sweet Baby's Arms/Back To The Cross/Salty Dog Blues/Will The Roses Bloom (Where She Lies Sleeping)/Take Me In A Lifeboat/Farewell Blues/I'll Just Pretend.

以上全28曲、1948年のフラット&スクラッグス結成から1950年まで、上記のすべてがブルーグラス・スタンダードである。バンジョーとフィドル、そしてギターとハーモニーの基本である。

OXCD-6033 BUSH, LATHUM & WHITE『Legendary Kentucky Colonels' Trio』CD\2,363-(本体\2,250-)

Shucking the Corn/Chug-a-Lug/She's No Angel/Salty Dog/Dixie Breakdown/Once More 他全16曲

1964年というから、あの『Appalachian Swing』を発表した翌年、バンドとして油が乗りはじめたケンタッキー・カーネルズ。シカゴでのライブにローランド・ホワイトが欠席、そのために友人のヒューストン家でクラレンス・ホワイト、ビリー・レイサム、ロジャー・ブッシュの3人が練習しているところを収めたチョー貴重な録音である。もちろん、60年代のプライベート録音なので音質はよくないが、クラレンスのグルーヴを知るには十分である。なお本作は2003年、故・四方敬士氏がビリー・レイ・レイサムと共同でローランドが参加した6曲のボーナスを含めた全22曲『Rare Performances』(廃盤)として発表しており、またムーンシャイナー誌1999年11月号(MS-1701)から2000年4月号(MS-1706)まで半年にわたって詳細なビリー・レイのインタビューが掲載されている(いずれも数冊の在庫あり、各\525-、売り切れゴメン!!)。またムーンシャイナー誌では、ローランド・ホワイト著『The Essential Clarence White: Bluegrass Guitar Leads』からクラレンスの生涯を回想した「ホワイト家物語」を2009年3月号(MS-2605)から同10月号(MS-2612)まで8回に渡って連載している(各\525-)。

インスト新入荷
JMD-001 TARO & JORDAN『Did I Laugh in Your Dream?』CD\2,000-(本体\1,905-)

Whatever Tanuki Says Goes/Thin Lizard/Dollar Bill Blues/Colors/Stephen's Bento Box/Wilkins Street/Oh! Little Lady/Pour in Rain/Did I Laugh in Your Dream?

「マンドリンを生業にして10年、やっとコレだ!ってのができました」と、井上太郎が初めての自身名義のアルバムを発表しました。すばらしいマンドリン&ギター・デュオ・アルバムです。コピーに曰く、「カナダから来た最強のグルーヴ製造機、DUHKSのギタリスト、ジョーダン・マコンネルと、縦横無尽のマンドリン井上太郎、エンジニアのKABAMIXが、Taroの自宅のリビングルームに集まって半日で一気に録り上げたオリジナル曲の数々、アイリッシュ、オールドタイム、ブルーグラス、結局何だって一緒……」。ライナーで、ゴンチチのチチ松村氏曰く、「マンドリンとギターだけで、このグルーヴと高揚感を醸し出すとは恐れ入った。アクースティックミュージックの究極の形に、身も心もスカッとする。二人の若きツボ師に乾杯!」。タウンズ・バン・ザントとチャズ・ジャスティスのカバー以外、すばらしいオリジナル。ぜひ聴いてみてください。

■インストお勧め最近作
EOM-2128 JERRY DOUGLAS『Traveler』CD\2,573-(本体\2,450-)

ドブロというスライドギターを、とんでもないレベルに持ち上げたジェリー・ダグラス、脂の乗り切った56歳の最新作。僚友サム・ブッシュやアリソン・クラウスらはもちろん、エリック・クラプトン、ケブ・モー、マーク・コーン、さらにはポール・サイモンが話題のマムフォード&サンズ(イギリス出身のジャムグラス!?)と"The Boxar"でゲストボーカルなど、もはやメジャーアーティストの貫禄。インストものでは、サムとふたりでストレングス・イン・ナンバーズの"Duke and Cookie"再演、ソロでサイモンの"American Tune"とチック・コリアの"Spain"をメドレーしたり、ビクター・クラウスとオマー・ハキムとのトリオで大フュージョンを聴かせたり(同メンバーでベラ・フレックを迎えてもいる)、そしてラストチューン"King Silkie"(モンローの愛馬は"King Wilkie"...!?)はチャーリー・クッシュマン(bj)とルーク・ブラ(f)を招いて、サムやダン・ティミンスキとのブルーグラス!! ドブロとラップスティールを半々に弾き分け、全体にジャンルを越えたロックポップ系作品ながら、要所で自身のルーツや音楽を強烈にアピールする秀作だ。左手には鉄のバー1本だけだよ、これが!!

ROU-0638 V.A.『Foggy Mountain Special: A Bluegrass Tribute to Earl Scruggs』CD\2,543-(本体\2,450-)

Flint Hill Special/Reuben/Foggy Mountain Special/Randy Lynn Rag/Sally Goodin/Pike County Breakdown/Foggy Mountain Rock/Nashville Skyline Rag/Earl's Breakdown/Steel Guitar Rag/Ground Speed/Foggy Mountain Breakdown.

3月28日、88歳で亡くなったアール・スクラッグスに捧げられた、現在トップバンジョイストたちの新録音企画作品。偉大なアールを尊敬する12人、デビッド・タルボット、ジム・ミルズ、ロン・ブロック、チャーリー・クッシュマン、ラリー・パーキンズ、ロン・スチュワート、トム・アダムズ、J.D.クロウ、ジョー・マリンズ、トニー・トリシュカ、ケニー・イングラム、クレイグ・スミス、あえて言えば、アールの時代(1950〜60年代)よりも社会的に煮詰まっている21世紀、それぞれのアールへの思いを込めた素敵な12曲。

PATUX-231 大塚 章『First Tear』CD\2,573-(本体\2,450-)

サム・ブッシュがアルバムライナーに、「1971年夏、米国ブルーグラス界を驚かせたブルーグラス45は、"我々の”音楽だったブルーグラスを真にインターナショナルにした音楽をクリエイトしていた。45がトラディショナル・ブルーグラスを熟知していたのは明らかだけれど、彼らがデイブ・ブルーベックの"Take 5"を演奏したとき、その音楽は永遠に変わった。とくに印象的だったのは大塚 章、インディアナ州ビーンブロッサムにそのときいた我々マンドリン弾きたちは、彼がいかに早くクリーンに、しかも味わい深く弾くことに強い印象を持った……」と書いてくれたように、たしかに「45」はブルーグラス史に大きな足跡を残した(……と、もう還暦を越した僕らは、遠慮なくそんな評価をいただく)。そしてアキラは、アメリカにとどまり、数々のバンドに参加、地元銀行に勤めながらワシントンDC地区のブルーグラスに大きな功績を残している。そんなアキラが、デビッド・グリア(g)やマイク・マンフォード(bj)、リッキー・シンプキンズ(f)らを基本に、日本から兄のジョッシュ大塚を含むさまざまなゲストを迎えて演じるブルーグラス、ニューグラス、スウィングなど。恩人でもある故ジョン・ダッフィに捧げたラスト、ライブ録音"Heartaches"のエディ・アドコックとトニー・ライスが凄い!! 40年前に米国移住したアキラ、念願のソロデビュー作は、すばらしい作品になった。よくヤッタネ!!

MRR-1013 SNYDER FAMILY『Stages』CD\2,573-(本体\2,450-)

2010年夏、驚きをもって紹介した中学生の兄ゼブと小学生の妹サマンサのギター/マンドリンとフィドル/ボーカルに父バド(bs)のトリオ、スナイダー・ファミリーの最新第2作。7曲がインスト、6曲の歌物で12歳と16歳になった兄妹のスーパーピッキンを堪能する。オリジナルのほか、J.J.ケールのカバーや最後には2曲続けてのフォスター、"I am a Pilgrim"ではフラットピックでトラビス・ピッキンに挑戦など。12歳にして主張とリズムがしっかりしたサマンサと、群を抜いたゼブ・スナイダーのフラットピッキン・ギターをお楽しみください!!

NF-9069 BILL EVANS『In Good Company』CD\2,573-(本体\2,450-)

バンジョー奏者であり教育者でもあるビル・エバンズの最新作。デビッド・グリア(g)、マイク・マーシャル(m)、トッド・フィリップス(bs)、ダロル・アンガー(f)にトリスタン(cello)とタシナ(f)・クラーリッジ弟姉のセットでのオリジナルインストを軸に、インファマス・ストリングダスターズに若手マンドリン奏者ドミニク・レスリーを加えたセット、ティム・オブライエンとローリー・ルイスとのボーカルセット、そしてボストンの若手ジョイ・キルズ・サローの女性ボーカルをフィーチャーした若手シンガーソングライター、サラ・シスカインド曲(アリソン・クラウスが2曲取り上げている)などの歌モノをサンドイッチ。お楽しみは、基本セットでのビートルズ曲集、"Mother Nature's Son"、"You've Got to Hide Your Love Away"、"Lucy in the Sky with Diamonds"、そして見事なハードドライビング・ブルーグラスに仕上がった"A Hard Day's Night"の4連発など、バラエティたっぷりに楽しませる大秀作。

PATUX-230 JORDAN TICE TRIO『The Secret History』CD\2,573-(本体\2,450-)

新世代のフラットピッキン・ギタリスト、ジョーダン・タイスが、ハンマーダルシマのサイモン・クリスマンとパンチ・ブラザーズのポール・コワート(bs)と組んだアコースティック・トリオ2011年作品。現在、ブルーグラスをベースに持つ若いブルーグラッサーたちが爆発している震源地、ボストンを本拠にギター/ハンマーダルシマ/ベースという響きを最大限引き出し、かつスリリングな化学反応を期待するストリングバンドのあたらしい形だ。さまざまなテクニックを駆使しつつも、「一音」に対するそのシビアな姿勢が若者らしく、清々しい。

各楽器別お勧め再入荷作品
(楽器奏法や教則、またCDに関してはミュージシャン歴豊富なスタッフがアドバイス、また楽器につきましては、本体やパーツなど、各種取り扱っています。お気軽にお問い合わせください)
■ギター
FGM-124 ROBERT BOWLIN『Six String Soliloguy』CD\2,573-(本体\2,450-)

1979年のウィンフィールド全米フィンガーピッキン・チャンピオン、ロバート・ボウリンの2007年フラットピッキン・ギター作品。フォスター名曲など4曲のトラッドを除いて11曲のオリジナルの全16曲、ギター1本だけのフラットピッキンという設定にもかかわらず、フィンガーピッキンの名手でもある感性と開放弦の響きを最大限に生かしながら広がりのある美しいサウンドを構築している。カントリー・ガゼットからビル・モンローのフィドラーとしても活躍、その才能豊かな繊細さが感じられる。ほとんどの曲をトーマス・アントン・ベッドナーク1976年作の美しいトーンのギターで弾いている。

ROU-0642 NORMAN BLAKE『Perfect 10 Series: Sleepy Eyed John』CD\1,802-(本体\1,750-)

独自のアメリカン・トラッドを演じるノーマン・ブレイクの初期ラウンダー/フライング・フィッシュからの廉価ベスト10曲集。フラットピッカーとしてのバリバリ・インストから定評あるカーター・ファミリー・ピッキンによるトラッド風オリジナル、ジェイムズ・ブライアン(f)との"Elzic's Farewell"や"Salty"などフィドル・チューン美学、そしてカーター・ファミリー名曲"Fifty Miles of Elbow Room"などの1970年代録音、孤高のトラッドフォーク・ミュージシャン、ノーマン・ブレイクの多様性を凝縮した廉価ベスト・コレクション。

■バンジョー
(ムーンシャイナー連載のチチ松村「バンジョー祭り」、世界のバンジョー音楽をお見逃しなく!!)
PC-1147 V.A.『Ultimate Pickin'』CD\2,573-(本体\2,450-)

Clinch Mountain Backstep/Sally Ann/Steel Guitar Rag/Home Sweet Home/Dear Old Dixie 他全20曲

スコット・ベスタルが中心になって1990年代の若手スーパーピッカーたちが発表したインストシリーズのベスト集。2005年に発売されたものの会社が売却されすぐに入手不能となった作品が限定入荷。スコットのバンジョーほか、ジェフ・オートリー(g)、ウェイン・ベンソン(m)、オウブリー・ヘイニー/リッキー・シンプキンズ(f)、ロブ・アイクス/ランディ・コーアズ(d)、マーク・シャッツ(bs)、現在第一線のベテランたちが超有名インスト曲で遊ぶ至福のブルーグラス・インスト集。

PATUX-200 CHRIS WARNER『Goin' to the Dance』CD\2,573-(本体\2,450-)

1967〜69年、ジミー・マーティンのもとで、強い右パンチを手に入れ、そのアルバム『Free Born Man』という名盤を残したクリス・ワーナー、1980年代にカムバックしてウェブコに3枚のアルバムを残して以来、久々の最新作はボーカル8曲、バンジョー・インスト6曲の全14曲。同じ「ジミー・マーティン学校」の卒業生、トム・アダムズをギターとリード・ボーカルに、マーク・サイツorディック・レアード(m)、マイケル・クリーブランドorパトリック・マッカビニュー(f)といった強力布陣で、ジミー・マーティン直系ソリッドグラスを聴かせてくれる。

■マンドリン
COMP-4279 PHILLIPS GRIER & FLINNER『Todd Phillips, David Grier & Matt Flinner』CD\2,573-(本体\2,450-)

昨春、バリンジャーファミリーのバンジョー奏者として来日したマンドリン(本職)のマット・フリナーが1999年、偉大なフラットピッカー、デビッド・グリアとベーシスト、トッド・フィリップスとのトリオで発表したクールで知的なアコースティック・トリオ・アンサンブル作品。1970年代を生き抜いたブッシュ/ライスら、ノーてんきな(いい意味だぞ!?)ブルーグラスらしさから生まれるドライブによるエキサイトメントは控え、それぞれの楽器のあり方!?とトーン?!に集中して創られた音世界は、聴き込んでいくほどに深いという。彼らにはもう1枚、ビル・モンローからビートルなど、カバーばかりを集めた『Looking Back』(COMP-4342 \2,573-)がある。

PATUX-182 FRANK WAKEFIELD『Ownself Blues』CD\2,573-(本体\2,450-)

グリスマン一家のマンドリン・グル(導師)、フランク・ウェイクフィールドの2009年作品は、彼の最高傑作といえる秀作。ワシントンDC周辺の若者たち、まさに70歳の彼にとっては孫世代のスーパーピッカーたちを得て、そのウキウキとした様子が目に浮かぶようなすばらしいオリジナル作品。ビル・モンローよりも「モンローらしい」と言われたというフランク。本最新作でもその旺盛な創造力は衰えず、一聴するだけでは「バタバタバタバタ……」という印象の音の粒、その一音ずつに魂が聴こえるのは晩年のモンローに匹敵する凄さだと、わたしは思う。昨年発表したモンロー曲集CD『a Tribute to Bill Monroe』(PATUX-227 \2,543-)も秀逸だ。

OTH-1211 オールドタイム・ヘラルド誌『2011年6月/7月号』Book\1,260-

英語版オールドタイム音楽の季刊誌。オールドタイムにおけるマンドリン大特集が興味深かったのでここで紹介します。伝承音楽の情報満載52頁。

■フィドル
COMP-4275 DAROL ANGER『Diary of a Fiddler』CD\2,573-(本体\2,450-)

フィドルの求道者ダロル・アンガーの1999年大名盤。ブルーグラス、ブルース、ジャズ、ケープブレトン(ケルト)など、さまざまな北米フィドルの第一人者をゲストに迎え、まさしく収録されているビートルズ曲"With a Little Help from My Friends"そのままの楽しい作品。ゲストは故バッサー・クレメンツ、ステュアート・ダンカン、サム・ブッシュ、ナタリー・マクマスター、マット・グレイザー、リチャード・グリーン、ブルース・モルスキー、ティム・オブライエン、そして10代のケイシー・ドリーセン他、フィドルの多様な楽しさが詰まったとても楽しい豪華作品。

DS-2006 RICKY SIMPKINS『Don't Fret It』廃盤特価CD\2,079-(本体\1,980-)

Old Tree/Stoney Lonesome/Golden Slippers/Chestnut Ridge/Black Mountain Rag 他全11曲

バージニア・スクワイアーズで来日の後、ロンサム・リバー・バンドを経て、現トニー・ライス・ユニット、ジョン・スターリング&カロライナ・スター(エミルー・ハリスとの共演を含む)で活躍するリッキー・シンプキンズ。トニーとワイアットのライス兄弟をバックに、フィドル、バンジョー、マンドリン、そしてボーカルとマルチ・タレントを発揮した2002年のソロ第2作。今年春来日したものの、高知で体調を崩し同地で長期静養、かなりの日本通になったとか……!?

■ドブロ
TAK-8914 MIKE AULDRIDGE『Dobro/ Blues and Bluegrass』CD\2,573-(本体\2,450-)

ドブロというカテゴリーを超えて、ブルーグラス・インストアルバムとして歴史に残る大名盤。ドブロという楽器の未来を根底から変えたちょうど40年前、1972年発売『Dobro』と1974年発売『Blues and Bluegrass』の2枚のLPがCD1枚になったもの。1955年にアンクル・ジョッシュ・グレイブスによってフラット&スクラッグスに持ち込まれ、6番目のブルーグラス楽器となったドブロが、これらのアルバムからまったくあたらしい未来を歩きはじめた瞬間を記録。「ドブロ」というくくり抜きにしたブルーグラス名盤。セルダム・シーンのほか、デビッド・ブロムバーグやバッサー・クレメンツ、リンダ・ロンシュタットらを迎えた超大名盤です。

■ハーモニカ
RCSI-1068 DAVID NAIDITCH『High Desert; Bluegrass Sessions』CD\2,573-(本体\2,450-)

Shenandoah Breakdown/Alabama Jubilee/I Am a Pilgrim/Beaumont Rag/Kentucky Waltz/Lonesome Fiddle Blues/Red Wing/Silver Bell 他全13曲

パット・クラウド(bj)、クリスチャン・ウォード(f)、エリック・ユーグラム(g)、デビッド・ナイディッチ(chromatic harmonica)、オースティン・ウォード(bs)の5人、フィドルがクロマティック・ハーモニカに代わったユニークな上記ブルーグラス・スタンダード・インスト13曲集。メロディック奏法でジャズグラスしてしまうパットの至芸、今やシエラ・ハル・バンドで大きなフィドラーに成長したクリスチャン、そしてその養父であるカリフォルニアの趣味のいいギタリスト、エリックらによるとても楽しいブルーグラス・インストに仕上がっている。

オールドタイム&フォーク新入荷
RCSI-1062 PIRATES CANOE CD\1,050-(本体\1,000-)

RCSI-1063 PIRATES CANOE『Too』 CD\1,050-(本体\1,000-)

大谷大学ブルーグラスで4人組女性ブルーグラス「フォーリップス」、そののち女性デュオ「ふたり乗り」などで活躍してきたマンドリンの河野沙羅と、このバンドでミュージシャンのキャリアをはじめたというハント鈴加(g)のふたりの英語詞のオリジナルを欅 夏那子のフィドルと岩城一彦のドブロ、そして吉岡孝のドラムスと谷口潤のベースがリズムを固めるパイレーツ・カヌー。2011年の第1作(RCSI-1062)と最新第2作(RCSI-1063)、ともに河野とハントの創るシュールな世界をバンドが巧く捉えているが、1枚目と2枚目の1年の時間差が完成度に表われている。フォノジェニックなハントのボーカルと向こう見ずな河野のマンドリン/音楽感性がうまくバンドに化学変化を促している様子が聴き取れる。第2作に収められた隠れトラックのインストなど、ストレングス・イン・ナンバーズ以来のアパラチア源流の世界観も感じられ、日本にも21世紀を体現するあたらしいユニットが生まれつつあるようだ。ムーンシャイナー8月号で彼女たちの特集がある。

OWT-001 RAFE & CLELIA STEFANINI『Lady on the Green: Old Time Tunes & Songs』CD\2,573-(本体\2,450-)

Poplar Bluff/Dusty Miller/I Never Will Mary/Cowboy Trail/Blues Stay Away from Me 他全13曲

イタリアのボローニャ育ちながらアパラチアのオールドタイム音楽にのめり込み、1983年に米国移住、フィドル、バンジョー、ギターなどを弾き熟し、米国オールドタイム界の重要な位置を占めるようになった。1990年代にはダーク・パウェルとブルース・モルスキーとともにトリオ「L-7s」を組み、のちにはビッグ・ホーダウンというバンドに発展、ラウンダーからアルバム発表している。またレイフのソロではカウンティから3枚を発表、その実力のほどが知れる。そんなレイフが娘クレリアと共に創った最新第2作である。オールドタイム本来の飾り気のない音楽姿勢で、カーター・ファミリーやデルモア・ブラザーズの曲を含む13曲。

UICV-1020 斎藤ジョニー CD\3,000-(本体\2,857-)

夏の正体/D.P.T./お世話になります/Helpless/ぼくの友だち/One More Time/絶品ガール 他全12曲

昨秋のメジャーデビューミニCD『アイ・アム・ジョニー』(\2,000-)から、早々と2枚目は自身の名を冠した初のフルアルバム。前作同様、プロデュース&アレンジャーに高野勲を配し、奥田民夫や岸谷香(プリンセス・プリンセス)らが参加という話題づくりとともに、ジョニーの瑞々しいオリジナルがバリバリのJ-Popに仕上がっている。……が、ジョニー自身のバンジョーやフラットピッキンに井上太郎のマンドリンと少路健介/Rayのフィドルなどの存在感もほどほどに出しつつ、ブルーグラス出身である斎藤ジョニーをメジャーでブレークさせようという試み。J-Popの良し悪しは別にして、バンジョーを抱えたジョニーがあちこちで見られる、そのことだけにでも応援のし甲斐があるというものだ。今年の宝塚でも爆発した若者ブルーグラス・パワー!バンジョー/マンドリン/ドブロ/フィドルなどを一生懸命に弾く彼ら、そんな若者たちをわれわれがサポートしなくて、どーする!!

オールドタイム&フォークお勧め作品
5SP-8003 ALICE GERRARD & MIKE SEEGER『Bowling Green』CD\2,573-(本体\2,450-)

アパラチアの伝承音楽が現在も健在である最大の功労者である故マイク・シーガーが、その同志アリス・ジェラードと遺した1980年のLPアルバム全14曲と、1970年の日本ツアーで遺したライブ7曲、そして1979年のトミー・ジャレルとのトリオが2曲ほか全26曲、アリスとマイクのふたりが創り上げた録音をまとめた唯一のCDアルバム2008年作品。日本ツアーのライブ(函館から2曲と東京5曲)では、息のあった男女(ブラザー)デュオやカーター・ファミリーからロジャー・ミラーまで、カリフォルニア出身のアリスの音楽センスが光る。ムーンシャイナー誌2009年9月号から12月号までマイク・シーガー追悼特集(12月号では麻田浩さんの「1970年11月15日〜12月15日」日本ツアーの思い出あり)がある。われわれは41年前、すばらしいライブを見たんだねぇ!!

AJB-0902 内田昭弘『aki solo』CD-R\1,500-(本体\1,429-)

「AJB-0902」は、オールドタイム・フィドルの魅力をタイトルどおりのソロ、バイオリン1本で20曲を弾き切る内田昭弘の手作りCD。オールドタイムの魅力は、チョッと引っ掛かりのある生身のフィドルのメロディーなんだという内田、ムーンシャイナー2009年10月号(\525-)に安川直樹インタビューによる内田昭弘の「至福のオールドタイム・ジャムを語る」がある。

カントリー新入荷
SH-4081 DON WILLIAMS『And So It Goes』CD\2,573-(本体\2,450-)

Better Than Today/Heart of Hearts/I Just Come Here for the Music/She's a Natural 他全10曲

ドン・ウィリアムズ、セミリタイアしていた73歳、2004年以来、しかも初のシュガーヒル・レコードからの最新作である。その静かな語り口とメロディでキンキラ・カントリーとは一線を画した、アコースティック/ブルーグラス関係者にもファンを持つのはプロデューサー、ガース・ファンディス(ニュー・グラス・リバイバルやキース・ウィットリーらも担当)のセンスによるものか? アリソン・クラウスとのデュオ曲をフィーチャー、ほかにビンス・ギルやキース・アーバンらも参加、2010年にカントリー音楽名誉の殿堂入りしたドンに敬意を表している。いずれにせよ、心地よいケニー・マローンのドラムスに乗って、カントリー音楽界の「静かな巨人」の面目躍如。ナッシュビルのよく整理されたポップなサウンドに乗って、秋を感じさせてくれるボーカルが秀逸だ。

RBRCD-012 PETER COOPER『The Lloyd Green Album』CD\2,573-(本体\2,450-)

Dumb Luck/The Last Laugh/Tulsa Queen/Mama, Bake a Pie/Here Comes That Rainbow Again 他全12曲

ナッシュビル最大の新聞テネシアン紙の音楽記者でもあるピーター・クーパーが、自身のアイドルだったロイド・グリーンのペダル・スティールギターを迎え、ドラムスやベースをほとんど加えず、きわめてシンプルに自身のボーカルと独特の美しい世界を創るスティールギターで、ロドニー・クロウェル&エミルー・ハリス、トム・T.ホール、クリス・クリストファーソン、ジョン・ハイアットらのカバーと自身のオリジナルを歌う。リチャード・ベネットのギターほか、ハーモニーにロドニー・クロウェル、フェイス・スターリング・マクリーン(ジョン・スターリングの元妻)、パム・ローズなど、シンプルなサウンドを守り、ロイド・グリーンのスティールが咽ぶスペースを上手に取っている。

カントリーお勧め作品
HOTR-4168 DARRELL McCALL『Pictures Can't Talk Back』CD\2,573-(本体\2,450-)

バディ・エモンズのプロデュースで1997年に発表された正統派ホンキートンクシンガー、ダレル・マッコールの再発。大きなヒットはないが、1960年代初頭より活躍、現在はテキサス・カントリーの牙城ハート・オブ・テキサス・レコードから次々とアルバムを発表しているレイ・プライス調のシンガーを、ピッグ・ロビンス、バディ・ハーマン、ジョー・アレン、レオン・ローズ/ジミー・キャップス/ピート・ウェイドほか、1970年代のナッシュビル・スーパーピッカーズがバックアップする本作。デビュー同期のジョニー・ペイチェックをゲストに迎え、彼の最後の録音となったタイトル曲ほか、ボーナスにはジョージ・ハミルトンWをゲストに、懐かしい「アビリーン(Abilene)」なども聴かせてくれる。

HOTR-4169 DIANE McCALL『My Imagination』CD\2,573-(本体\2,450-)

正調ホンキートンク・カントリーを標榜する、その名もハーツ・オブ・テキサス・レコードから初のフルアルバムを発表したのはダレル(上記参照)の妹、ダイアン・マッコール。昨年チャーリー・ルービンが亡くなるまでの5年間、そのロードショーの女性シンガーとして活躍していたという彼女。失礼ながら、若くない女性シンガーのデビューは、つまりそれだけ歌がうまいこと、保障つき!! 深みのあるフォノジェニックな包容力のあるポップボイスで、エディ・アーノルド名曲"You Don'T KNow Me"(1955)のカバーがとてもいい!! レジー・リファーのフィドル、ディッキー・オーバービーのスティールもとてもいい。

RCSI-1066 JONI HARMS『HARMS WAY』CD\2,573-(本体\2,450-)

オレゴン出身の女性ホンキースタイルのカントリー歌手として安定した人気を誇るジョニ・ハームスの最新自費制作盤。米国では1990年にメジャーデビュー、アルバムからシングルヒットを2曲出したが、2000年からはメジャーを離れ、独立した活躍で、ヨーロッパとオーストラリアで根強い人気を持つという。アグレッシブなフィドルとスティールを中心に、スカッとした女性ホンキートンクだ。

映像新入荷
RCSI-1074D J.D.CROWE & NEW SOUTH 『Live from The Festival of Bluegrass & The Studio of KET』(2 時間)DVD\2,888-(本体\2,750-)

Rock, Salt and Nails/Old Home Place/9 Pound Hammer/10 Degrees and Getting Colder/Beaumont Rag/Sin City/Train 45. plus 15 songs from 1999 全21曲

伝説的な1975年のJ.D.クロウ&ニューサウス、唯一残るケンタッキー教育テレビでの映像(30分)が初めてDVD化!! 実はしばらく前からニューサウスのライブ会場で自分たちが売っていたのだが、リージョンコードが指定されて日本では見られなかったため、B.O.M.が特別にリージョンフリーを限定生産してもらい、このたび日本でも陽の目を見ることになったというモノ。このメンツでのニューサウスはわずか一年ほど(日本公演含めて)しか活躍しなかったが、このバンドを境に米国ブルーグラス・バンドアンサンブルが大変革をしたといわれるほどの影響を残した、まさにチョー貴重映像である。当時20歳、久々にマンドリンを持ったリッキー・スキャッグスがちょっと調子に乗りすぎ、まだヒヨッ子だったジェリー・ダグラス(18)も一生懸命だが、J.D.(37)のシュアなバンジョーと、何よりもトニー・ライス(23)が凄い!! そのクールな歌い方とギター……、挿入されるインタビューでは若者らしい初々しさを見せるものの、マイクの前に立つと際立つカリスマ性、ブルーグラスギターに革命を起こしたのみならず、フラット&スクラッグス由来のブルーグラス継承者としての存在の大きさに圧倒される7曲、全ブルーグラスファン必見。この映像の前に、1999年に同じケンタッキー教育テレビ制作の「フェスティバル・オブ・ブルーグラス」での約1時間(J.D.のインタビュー含む)のライブ付き。メンバーはリック・ワッソン(g)、ドワイト・マッコール(m)、フィル・レッドベター(d)、カート・チャップマン(bs)、"You Can Have Her"を皮切りにニューサウスのヒット曲オンパレードにフラット&スクラッグス・カバーの15曲。今年、引退を発表したJ.D.クロウ、バンジョー奏者としての分をわきまえながら、1956年のジミー・マーティンとの録音以来、歴史に残る活躍は賞賛に値する。1975年夏の来日から30年、ムーンシャイナー誌2005年8月号(\525-)で思い出大特集あり。ブルーグラス・ファン必見DVD!!

RCSI-1072D V.A.『Johnny Cash Music Festival 2011』DVD\2,888-(本体\2,750-、110分)

Pickin' Time/Cry, Cry, Cry/Why Me/If I Were a Carpenter/Keep on the Sunnyside/Suppertime/Ballad of Ira Hayes/Daddy Sang Bass/Get Rhythm/Tennessee Flat Top Box/I Still Miss Someone/Angel Band 他全26曲

20世紀を代表する偉大なアメリカン・シンガーソングライターのひとり、ジョニー・キャッシュ(1932-2003)のアーカンソー州立大学が買い取った幼少期の家の修復保存を目的に大学キャンパスで開かれた、キャッシュ家の4世代を中心にしたコンサートのライブ映像集。ジョニーとジューンとの唯一の息子ジョン・カーター・キャッシュとその妻ローラ・キャッシュを中心に、娘のロザンヌ・キャッシュ、弟トミー・キャッシュ、妹ジョアン・キャッシュ・イェーツ、そしてゲストにはジョージ・ジョーンズ、クリス・クリストファーソン、ロドニー・クロウェル、ゲイリー・モリス、米先住民シンガーのビリー・ミラー、そしてブルーグラスからデイリー&ビンセント(ジョンがブルーグラスを紹介するときの特別なコメントにも注目)ほか。バックアップミュージシャンにはジョンの息子ジェイミー・ハートフォードのエレキギターなどのキャッシュ/クリストファーソン人脈、つまり1960年代のナッシュビルにあってアメリカを貧困や少数民族の視点から保守層に立ち向かったジョニー・キャッシュの遺産を継ぐすばらしいメッセージのあるコンサートに仕上げている。音楽はキーボードとドラムを含む通常のポップ仕様だが、次々と歌われるアメリカのヒット曲が深く生活と社会に根付いている様子を感じることが出来る秀作である。

映像ものお勧め作品
COMP-4577D V.A.『Pa's Fiddle: The Music of America』DVD\2,573-(本体\2,450-)

今年1月6日、ナッシュビルのラブレス・カフェで収録、6月に全米公共TVネットで放映された特別企画番組『Pa's Fiddle(父さんのフィドル)』が早くもDVD発売だ。19世紀後半、フィドラーで音楽好きなチャールズ父さんのお気に入りで、インガルス家のみんなが、『大草原の小さな家』で楽しんだ曲の数々をランディ・スクラッグスの音楽監督で再現したもの。歌手にはランディ・トラビス、盲目のロニー・ミルサップ、ロドニー・アトキンス、クリスチャンコンテンポラリーの女王ナタリー・グラント(ゴスペル音楽協会最優秀女性ボーカルを今年含め3度受賞)、新人女性カントリーのアシュトン・シェパード、ブルーグラスからメインストリーム・カントリーヒットを狙うリーとエレインのロイ兄妹、そして昨年ソニーからデビューした黒人学生ア・カペラ・グループのコミッテッドの全7組のシンガーが登場。バックバンドはこの日、父アールが米寿を迎えていたランディ・スクラッグス(g)がリーダー、ハートフォード・ストリングバンドのマット・コムのフィドルを中心に、シャド・コッブのクロウハンマー・バンジョー、フート・へスターのマンドリンにデニス・クロウチ(bs)、チャド・クロムウェル(drums)。7人のカントリーやポップ系のシンガーたちの個性を壊さないように造り上げた音は、無難。それでも、19世紀のアメリカ、小説『大草原の小さな家』のローラ・インガルスが書き留めた家族の音楽を、音楽学者の解説で背景を紹介しながら、現代風に紹介するTVエンタメ番組として楽しめる。

輸入雑誌
(以下の4誌は英語版で、共にバックナンバーも豊富に取り揃えています。気になるアーティスト等の特集等についてはお問い合せ下さい。…調べる&知るの面白さをいかがですか)
■フラットピッキン・ギター誌
隔月刊の掲載全タブ譜対応CD付きフラットピッキン・ギター誌。ブルーグラスからスウィング/ジャズまで。一冊でさまざまな奏法が学べる。
FGM-16.4 最新「2012年5〜6月号」CD付きBook\2,625-(本体\2,500-)

2007年の全米フラットピッキン・チャンプで、現在ミッシー・レインズのニューヒップのギタリスト、ディロン・ホッジスをカバーストーリーに、ギタービルダーはジェイソン・ボワーマン、お店訪問はアパラチアン・ブルーグラス。連載コラム「U〜X(ニコニコ)コードについて」(John Carlini)、「ナッシュビル・フラットトップはタイミングとグルーヴとリズムについて」(Brad Davis)、「トーンについて」(Dan Crary)など、そのほか今月のタブ譜は"Turkey in the Straw"、"I'll Stay Around"(Beginner)、"East Tennessee Blues"(Steve Kaufman)、"My Home's Across the Blue Ridge Mountains"(Orrin Star)、"We Wish You a Merry Christmas"(Dix Bruce)ほか多数。

FGM-16.3 「2012年3〜4月号」CD付きBook\2,625-(本体\2,500-)

今年からシエラ・ハル&ハイウェイ111のリードギタリスト、21歳のジェイク・スタージェルのカバーストーリーとタブ譜は"Stymie"、10歳でグリスマンと録音を残し、23歳でバークリー音楽院の講師を勤めるたジュリアン・レージのインタビューと"Red Prairie Dawn"、スナイダーファミリーのアルバム『Stage』紹介とゼブの"Goose Down Pillow"ほか、スティーブ・ポティア"If I Lose"と"Foggy Mountain Special"、初心者"I'm On My Way Back to the Old Home"、18世紀の古謡"Girl I Left Behind"、ジミー・ロジャーズ"Waiting for a Train"、"Angeline the Baker"、"Lorena"、"Billy in the Lowground"ほかタブ譜、練習、アイデアなど。

■バンジョー・ニューズレター誌
世界唯一のバンジョー専門月刊誌。毎号タブ譜満載(ウェブサイトから「MP3」で音源入手可!!)、バックナンバーもお問い合せ下さい。探しておられるタブ譜の曲名や演奏スタイル、またお気に入り奏者の特集なども探します。収蔵曲のCDやDVDなども在庫していますので、お問い合わせください。
BNL-12/07 最新2012年7月号 \525-

リトル・ロイ・ルイスと故ダグ・ディラードをカバーに、ブルーグラス界最高のショーマン、リトル・ロイの楽しいインタビューと"Keep on the Firing Line"、5月16日に亡くなった故ダグ・ディラードの特徴解析と"Dixie Breakdown""Hickory Hollow"。そのほか、ビル・エバンズ最新CD『In Good Company』から"Big Chief Sonny"、ビル・キース"Boston Boy"(1976年、デビッド・グリスマンのラウンダーアルバムより)、スウェーデンのトラッドバンド、ヴェーセンの"Hasse A's"と"Stamlaten"、フレッド・ゲイガーのコード遊び!?はスタンダードの"Rosetta"、初心者は"Wabash Cannonball"、オールドタイムは"Lorena"ほか、バンジョーに関する話題満載40頁。

BNL-12/06 2012年6月号 \525-

ジャム特集号としてジャムの心得などのほか、カバーストーリーは英国のジョン・ドウリングとそのすばらしくユニークな奏法(インタビュワーはレオン・ハント)とタブ譜は"Rocker Shuffle / Lady Madonna"ほか、アールはさまざまなバックアップ例のほか"Whiskey Before Breakfast"、トム・アダムズはハイポジション"Old Home Place"ほか。

BNL-12/05 2012年5月号 \525-

アール・スクラッグス追悼特集号。全編アールの特別号でタブ譜もすべてアール、"John Henry"、"My Cabin in Caroline"(Backup)、"Foggy Mountain Special"(Backup)、"Hey Jude"、"Foggy Mountain Breakdown"、"North Carolina Breakdown"ほか。

BNL-12/04 2012年4月号 \525-

東京ディズニーランドにも来ていたロス・ニッカーソンのカバーストーリーと"Roundhouse"ほか、セサミストリートの人形でバンジョー奏者の蛙の「カーミット」のインタビューと"Rainbow Connection"、ブラッド・ペイズリーとのバトル"Man or Frog?"、アール・スクラッグスとラウドン・ウェインライトIIIの"Swimming Song"、トム・アダムズのハイポジションでの7thブルースほか。

BNL-12/03 2012年3月号 \525-

入荷が遅れ新入荷です。ノーム・ピケルニーのカバーストーリーと"Jim Thompson's Horse"と"Fish & Bird"……凄いんです!ほか、タブ譜はスティーブ・マーティン"The Great Remember"、アール・スクラッグス"Before I Met You"、アレン・シェルトン"She Left Me Standing on the Mountain"、トム・アダムズ"Your Cheatin' Heart"など。サイトからYoutubeなどで確認できるようになっている。

BNL-12/02 2012年2月号 \525-

バンジョー・ネック製作などで有名なロビン・スミスとアラン・マンデの表紙、タブ譜はマンデ"Dapple Patti"、ビル・エマーソン"Grandma's Tattoos"のバックアップ、フレッド・ガイガーのデューク・エリントン"In A Sentimental Mood"コードほか、"Angeline the Baker"や"Hot Corn Cold Corn"などのタブ譜。

■ブルーグラス・アンリミテッド誌
米国の最大のブルーグラス月刊専門誌。お探しの記事などバックナンバーもお問い合わせください。
BU-12/08 最新2012年8月号 \840-

トラッドグラスの王道を行くジョー・マリンズ&レディオ・ランブラーズをカバーストーリーに、ムーンシャイナーで紹介したドックとアールの出会いと友情や盲目であったけれども大工仕事か電気工事まで、さまざまなことをやってのけた故ドック・ワトソンの私生活に関する話題、今春来日したテリーとシンディ・バウカム夫妻ほか、米国ブルーグラス情報満載の60頁。

BU-12/07 2012年7月号 \840-

ドック・ワトソン、エバレット・リリー、ダグ・ディラード追悼のほか、ジェイムズ・アラン・シェルトン、デイリー&ビンセントのゴスペルについて、ビル・モンローとピーター・ローワンのデュオ名曲"Midnight on the Stormy Deep"のルーツがドイツのロマン主義にあるという話題ほか、尾崎兄弟のアルバム『Till We Meet Again』がレビューで好評を得ている。

BU-12/06 2012年6月号 \840-

ヤンダー・マウンテン・ストリングバンドのカバーストーリーに、アール・スクラッグス追悼第2集「ブルーグラス・メモリーズ/ルイーズ・スクラッグス」、「アール・スクラッグス天才のサウンド」、「アール・スクラッグス葬儀リポート」ほか。

BU-12/05 2012年5月号 \840-

アール・スクラッグス追悼特集号。著名バンジョー奏者のアール惜別寄稿のほか、ルイーザ・ブランスコム、オウディ・ブレイロック&レッドライン、チャーリー・コリンズ追悼ほか、米国ブルーグラス情報満載の80頁。

BU-12/04 2012年4月号 \840-

ブルーグラス・ハイウェイのカバーストーリーほか、1970年のダグ・ディラード&エクスペディション(バイロン・バーライン/ロジャー・ブッシュ/ビリー・レイ・レイザム)訪問記、ノースカロライナのニュブルー、インテリタッチ・チューナー探訪ほか。

BU-12/03 2012年3月号 \840-

アンリミテッド誌3月号の恒例「楽器特集」は、ベアード・ギターズ、マンドリン族楽器について、アジア産ノースフィールド楽器、ストラップ専門「ラコタ・レザー」、バージニア州ゲイラックスのるしあー、ジミー・エドモンズらの特集ほか。

BU-12/02 2012年2月号 \840-

チャーリー・サイズモアのカバーストーリーほか、シエラ・ハル、バディ・グリフィン、IBMM「ビル・モンロー生誕100年」リポート特集など。

BU-12/01 2012年1月号 \840-

1月号恒例、全米ブルーグラス・フェス・ガイドほか、フロリダ州のライブ・オーク・フェス、メイン州のトーマス・ポイント・ビーチ・フェスの特集や、ブルーグラスを支える女性パブリシスト特集などのほか、米国ブルーグラス情報満載の96頁。

■オールドタイム・ヘラルド誌
内容の濃いオールドタイム音楽専門誌。アメリカン・トラッド音楽研究に必読の良書!!バックナンバーが揃っています。お問い合わせください。
OTH-1302 最新第13巻2号 \1,260-

全米フェス&キャンプガイド特集のほか、西アフリカ・ガンビア共和国ジョラ族のアコンティング奏者ラエモウアヒュマ・ジャッタのインタビュー、ウォルト・コーケンの「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話A」は「ショッティーシュ(ボヘミア起源のダンス)」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。

OTH-1301 第13巻1号 \1,260-

ダン・マーゴリーズ「ハンドメイド弦〜猫と馬の尻尾から生まれる音楽」をメイン特集に、アート・ローゼンバウム「北部ジョージアでの1日」、ウォルト・コーケン「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話」シリーズ第1回など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。

月刊『ムーンシャイナー』

1983年11月の創刊以来、毎月発行を続ける日本唯一のブルーグラス月刊専門誌、28年目です。

■定期購読:1年¥6,000-半年¥3,300-

お申込はお葉書やお電話、ファックスやメールでご希望の購読開始月をお知らせ下さい。バックナンバーも含めて、いつからでもご自由です。

■バックナンバー:各¥525-。

下記以外にも、アーティストや知りたい事をお知らせ下さい。掲載号を探してお送りします。

MS-2910 最新2012年8月号(通巻346号)\525-

ジミー・グドローの楽器遍歴寄稿「マンドリンとの50年物語」、絵本『あなたのひとり旅(Your Lone Journey)』、アパラチアとオールドタイム音楽@、パイレーツ・カヌー、ジェイコブ・シャープ「日本ブルーグラス旅行前編」、ハワイでブルーグラス、イッツ・ア・クライングタイムB、森繁昇物語「ナッシュビル着」E、日本ブルーグラス年表1975年ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

MS-2909 2012年7月号(通巻345号)\525-

フラット&スクラッグスに囲まれたドック・ワトソンの追悼「アールとドックの友情」をカバーストーリーに、アメリカン・ハーモニー後編「バーバーショップからブルーグラス」、スー・トンプソン来日「ブルーグラス・ハーモニー・ワークショップ」、イッツ・ア・クライング・タイム「1972年渡米A」、森繁昇D「ロストシティ・キャッツ」、第1回稲葉和裕ブルーグラスキャンプ、日本ブルーグラス年表1974年ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

MS-2908 2012年6月号(通巻344号)\525-

アメリカン・ハーモニー前編「グレゴリオ聖歌から南部教会音楽/シェイプノート・シンギングについて」ほか、ダグ・ディラード追悼、イッツ・ア・クライング・タイム「1972年6月渡米」、森繁昇「ロストシティ・キャッツ」、小樽「グラスオーセブン」、ジェイコブ・シャープ「米国学生ブルーグラス事情」、日本ブルーグラス年表1974年ほか、日米ブルーグラス情報満載!!

MS-2907 2012年5月号(通巻343号)\525-

アール・スクラッグス追悼特集@ほか、80歳を越えてのデビューアルバム『Til We Meet Again』を発表した尾崎ブラザーズ、弦楽四重奏団スーパージャズ・ストリングス「アメリカン・フィドルの旅」に参加して、WOB2011リポート「須田ギター後編/恐怖のグルーンギター体験!?」、森繁 昇物語B、橘 俊暁、日本ブルーグラス年表1974年ほか。

MS-2906 2012年4月号(通巻342号)\525-

今月来日するテリー・バウカムをカバーストーリーに「ブーンクリークのドライブ」を検証とサンセットドライブ2012来日ツアー特集ほか、2月に来日ツアーしたパシフィック・リム・アコースティック・オールスターズ「奇跡のセッション」リポート、ウィンターグラス2012「ブルーグラス45」、WOB2011リポート「須田ギター前編」、名古屋・鶴舞公園フェス、森繁 昇物語A、日本ブルーグラス年表再開1974年ほか。

MS-2905 2012年3月号(通巻341号)\525-

今アメリカでもっともブルーグラスがホットな街、ボストンの女性ブルーグラス、デラ・メイをカバーストーリー。日本ブルーグラス年表総集編「1950年代〜1973年」、2011年発売ブルーグラスレコード総括、元ロストシティーキャッツ森繁 昇物語@『陽が昇るまでに』、国本武春芸歴31周年『武春まつり』、バンジョー弾き語りデュオ『マダム&スー』、WOB2011「楽器リポート」ほか。

MS-2904 2012年2月号(通巻340号)\525-

ヨー・ヨー・マ、クリス・シーリ、ステュアート・ダンカン、エドガー・マイヤーらのブルーグラス作品『Goat Rodeo Sessions』をカバーストーリーに、フラット&スクラッグスの1952年最高の録音を生んだジョディ・レインウォーター追悼、青山学院大「ブルー・マウンテン・ボーイズの50年」、奥沢明雄「きたむらいづみ『IZUMI』について」、神戸で3月4日「オールドタイム・ジャム&ダンス・パーティ」、WOB2011「楽器関連リポート」のほか。

MS-2903 2012年1月号(通巻339号)\525-

2月に来日するケイシー・ドリーセンのカバーストーリーほか、祝米寿!アール・スクラッグス「誰がブルーグラスを創ったか?@」、セルダム・シーン40周年記念ライブ・リポート「ジョン・ダッフィの思い出とともに」、カントリー・ジェントルメン「1972年1月17日、来日から40年」、きたむらいづみ2ndCD『IZUMI』、ヨーマ・コウコネン&バリー・ミターホフ来日、長谷川健悦の復興フェス・リポート!

B.O.M.ご利用方法

ビー・オー・エムのニューズレターは会員制ではなく、商品の定期購買者に無料でお届けしています。一定期間、 弊社からの商品のお買上げがない場合、勝手ながらレターの発送をストップさせて頂きますので、ご了承下さい。

1). このニューズレターで紹介する商品は、ニューズレター発行時点で、すべて在庫しています。

2). ハガキやお電話、ファックス、Eメイル等で、封筒のお名前の下の6桁お客様コード番号とお名前と共に、ご希望の商品コードをお知らせ下さい。

3). 通常ご注文から1週間以内にはお届けします。ただ、レター掲載時には充分な在庫を心掛けていますが品切れになった場合、再入荷を期して発送が遅れる場合もありますのでご了承ください。

4). 基本送料は下記の通りです。

CD/DVD 全国均一、1枚\180-、2枚\210-、3枚以上、もしくは\8,000-以上お買い上げの場合、送料全国無料!! (ただし、特定地域、特定商品などについては、別途加算の場合があります。お問い合せ下さい)

5). お支払は、品物を受け取られてから1週間以内に同封請求書(代金+送料+消費税)をご確認の上、郵便振替や銀行振込でお願いします。

●郵便振替=01160-8-74352

●三井住友銀行・宝塚支店=普通1229492

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●fax.0797-86-5184(24時間)

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●E-mail:info@bomserv.com

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