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B.O.M.Newsletter #374web    2011年12月8日
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今月の新入荷注目作品
ブルーグラス新入荷
ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
第54回グラミー賞最終ノミネート作品
B.O.M.特選コーナー
2011年B.O.M.サービスお勧め作品
インスト新入荷
カントリー新入荷
フォーク/カントリーお勧め作品
映像新入荷
映像ものお勧め作品
教則モノ新入荷
教則ものお勧め
輸入雑誌
月刊『ムーンシャイナー』
B.O.M.ご利用方法

 大変だった2011年が暮れていきます。未曾有の災害を前に立ち尽くすばかりです。被災地は、まだまだ大変でしょうが、世界中のブルーグラス仲間が心を寄せていることを忘れないで下さい。そしてミュージシャンは、さまざまな気持ちを呑み込んで、よりすばらしい音楽を創ろうと日々努力しています。

 今年もすばらしい音楽が、たくさん届きました。こんな時代ですが、われわれはミュージシャンが心を込めて創った音を、ムーンシャイナー誌やニュースレターで紹介する背景や歴史とともに、トータルな作品としてお届けするよう一生懸命に努めます。

音楽って、耳障りのいいモノだけを摘んで聞き捨てるモノではないと信じています。こんな時代だからこそ、愚直に懸命に音楽しましょうよ……!?

今年1年、話題になったアルバムなど取り揃えて紹介してみましょう。

◆創刊19年目に突入しているムーンシャイナー最新12月号(MS-2902 ¥525-)は、天才ギタリスト、グラント・ゴーディのカバーストーリーほか、アリソン・ブラウン・インタビュー、ジミー赤澤「バンジョー教則を作ったワケ」、宮城・福島「合同復興フェス・リポート」、アパラチアからヒマラヤへ、ビル・モンロー生誕100年記念コンサート・リポート「スクラッグス声明」、WOB2011リポートのほか、日米ブルーグラス情報満載ですよ。

月刊ムーンシャイナー定期購読は1年間(12冊)

¥6,000- 半年間(6冊)¥3,300-。単冊は¥525-ですが、ぜひとも年契ポートをお願いします。購読開始希望月をお知らせください、早速お送りします!!

◆ブルーグラス・カレンダー2012
WOBC-2012 『Women of Banjo 2012』¥2,573-(本体¥2,450-)

来年のブルーグラス・カレンダー(A4変型)は、これまでとは趣向が変わってシンプルな日付のみ。そして毎月の写真は女性バンジョーピッカー特集。ムーンシャイナー誌にも協力してくれる写真家、ダーウィン・デビッドソン氏の撮った女性ピッカーとそれぞれに個性的なバンジョーが主役です。

今月の新入荷注目作品
RCSI-1050 GRANT GORDY CD¥2,573-(本体¥2,450-)

衝撃的に凄い!!天才たちのインスト作品。ムーンシャイナー12月号カバーストーリーのグラント・ゴーディのデビュー作。インスト新入荷参照。

SMM-2006 LAURIE LEWIS『Skippin' and Flyin'』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

二度のIBMA最優秀女性ボーカルのローリー・ルイス最新作はビル・モンローに捧げるストレート・ブルーグラス秀作。ブルーグラス新入荷参照

RUR-1090 V.A.『Bill Monroe 100th Year Celebration Live at Bean Blossom』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ものすごい気合が横溢した今夏、ビーンブロッサムでのビル・モンロー生誕100年記念フェスライブ。ブルーグラス新入荷参照

PATUX-228 EDDIE & MARTHA ADCOCK with TOM GRAY『Many a Mile』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

2007年に来日した三人組、元カントリー・ジェントルメンのエディ・アドコックとトム・グレイにマーサ・アドコックの最新作。

RUR-1085 RUSSELL MOORE & IIIrd TYME OUT『Prime Tim』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

今年も最優秀男性ボーカル受賞のラッセル・ムーアとサードタイム・アウト。ブルーグラス新入荷

UICV-1017 齊藤ジョニー『アイ・アム・ジョニー』CD¥2,000-(本体¥1,905-)

Jポップとしてメジャーデビューした齊藤ジョニー&シューストリングスのブルーグラス!! 日本ブルーグラスの明日を!! ブルーグラス新入荷参照

ACD-77 DAVID GRISMAN『Happy Birthday, Bill Monroe』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

正真正銘のモンロー信者デビッド・グリスマンがこれまでに録音した未発表多量に含むビル・モンロー集。ブルーグラス発掘&編集もの新入荷参照。

FIDDLE-101 QUEBE SISTERS『Timeless』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

テキサスのウェスタン・スウィング・フィドル三姉妹。インスト新入荷参照。

PSR-1111 内藤希花/城田純二『Keep Her Lit!』CD¥3,000-(本体¥2,857-)

若いフィドラー内藤とベテラン城田のアイリッシュ・フィドル集。インスト新入荷参照。

GT-5161 NASHVILLE MANDOLIN CD4枚組¥2,573-(本体¥2,450-)

CD4枚組全100曲のアメリカン・スタンダード曲のマンドリン集がこの値段。インスト新入荷参照。

EGYPT-9010 V.A.『The Lost Notebook of Hank Williams』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ボブ・ディランの主宰するレコード・レーベルの14年ぶり最新第2弾は、すごいメンツによるハンク・ウィリアムズ遺産。カントリー新入荷参照。

TOYU-0511 宮前ユキ『White Lightning』CD¥2,800-(本体¥2,667-)

日本女性カントリーのトップシンガーの最新作。カントリー新入荷参照。

RCSI-1048D JEFF AUTRY, DON STIERNBERB, BEN TUCKER, TONY WILLIAMSON『Low Country Jazz』DVD¥3,308-(本体¥3,150-)

ジェスロの弟子ドン・スターンバーグとトニー・ウィリアムソン、ジェフ・オウトリーによるジャズ・マンドリン・ライブ映像。映像新入荷参照。

MFD-0204 ジミー赤澤『Enjoy Bluegrass Banjo』教則本+DVD¥4,800-(本体¥4.571-)

フィドラーとして知られるジミィのすばらしいバンジョー教則。教則モノ新入荷参照

ブルーグラス新入荷
RUR-1090 V.A.『Bill Monroe 100th Year Celebration Live at Bean Blossom』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Uncle Pen/Can't You Hear Me Callin'/Were You There/Footprints in the Snow/Big Mon/Body & Soul/Blue Moon of Kentucky/BG Breakdown 他全12曲

1973年6月に録音されたフェスライブ名盤『Bean Blossom』にどれほど憧れたことだろう……!! インディアナ州ビーン・ブロッサムで1967年から開かれるビル・モンローのブルーグラス・フェス、今年で45回目を迎えたフェスで収録された生々しく、気合の入った、サミー・シーラー・プロデュースのモンロー生誕100年記念フェスライブ盤である。IBMA最優秀男性ボーカルに輝くラッセル・ムーア&サードタイム・アウトの"Uncle Pen"を1曲目に、ロンサム・リバー・バンド、ルー・リード&カロライナ、ボビー・オズボーン&ロッキートップ・エクスプレス、グラスタウン、オウディ・ブレイロック&レッドライン、ブルー・ムーン・ライジング、ロニー・レノ&レノ・トラディション、カロライナ・ロード、ブランド・ニューストリングス、バートリー・ブラザーズ、ワッソン&マッコール(ほとんどJ.D.クロウ&ニューサウス)の"Molly & Tenbrooks"まで12組による12曲。モンロー無き時代のブルーグラスを担う中堅どころが、それぞれのバンド/プレイヤーの特色/感情を出しながら、ビル・モンロー精神を継承する姿勢を楽しむことができる。12月7日に80歳となったボビー・オズの元気な歌声が(ソニーを意識したバンジョーが脱線しそうだが気持ちは買うぞ!)、その存在感が衰えないことがメチャ嬉しい。

RUR-1085 RUSSELL MOORE & IIIrd TYME OUT『Prime Tim』CD¥2,573-(本体¥2,450-)(歌詞付)

Old Kentucky Farmers/Pretty Little Girl from Galax/Gonna Lay Down My Old Guitar/Whippoorwill/Carroll County Blues/Sugarfoot Rag 他全14曲

さすが!今年も最優秀男性ボーカル受賞のラッセル・ムーア(g)、すばらしいボーカルを聴かせる最新作。典型的なトラッドグラスから、すばらしくロマンチックでコードの綺麗なバラード、そしてオールドタイミーなフィドル&バンジョーをモチーフにしたダンサブルなバラッド等々。無理なくブルーグラスの生まれ故郷アパラチアの色に染めつつ、軽いスウィングからデルモア・カバーにフィドルチューンのギターインストなど、スティーブ・ディリング(bj)の重たいスリーフィンガーロールを軸に、お洒落なウェイン・ベンソン(m)、そしてバッチリ脇を固めるジャスティン・ヘイズ(f)、エドガー・ラダーミルク(bs)。トラッドとモダンが絶妙にバランスされたバンド結成20年、すばらしいキャリアを重ねてきたさすが現在ブルーグラス界のトップグループ、サードタイム・アウトのアンサンブルは磐石だ。すばらしい!!

PATUX-228 EDDIE & MARTHA ADCOCK with TOM GRAY『Many a Mile』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Down Where the Still Waters Flow/New Freedom Bell/He was a Friend of Mine/Two Little Boys/Amellia Earhart/Mary Dear/Nightwalk 他全14曲

カントリー・ジェントルメンの名曲ばかり、ずらり14曲と揃った壮観! 2007年に来日した三人組、元カントリー・ジェントルメンのエディ・アドコックとトム・グレイにマーサ・アドコックの最新作には、セカンド・ジェネレーション時代のジーン・ジョンソン(クリフ・ウォルドロン時代の名盤『One More Step』での1曲目"Cold Kentucky Love"のイントロ・マンドリンはカッコ良かったねぇ!!)が参加した4人の「カンジェン」サウンドは、マーサの女性ボーカルに合わせて見事にアレンジされている。2009年、日本のTV番組『ザ!世界仰天ニュース』取り上げられた「本態性振戦」という難病を克服、なによりも、オールドファンにはここでも"Mary Dear"や"Helen"、カンジェリ最大のヒット曲"Bringing Mary Home"で聴かれるエディの歌の上手さとバリトンボーカルのすばらしさを含めたバンジョーとギターを弾き分けるダイナミックなミュージシャンシップ横溢の感性がたまらないだろう。2007年、念願の初来日中もエディのそばを片時も離れなかったマーサが、チャーリーやジョンを髣髴させる丁寧な発音と発声を心がけるようなすばらしさだ……!! もちろん、絶頂期のようなエネルギーや覇気はないし、あら探しをすればできるがエディ73歳、おそらく、バンジョー史上初のマイナー・インスト「ナイトウォーク」もプレゼントしてくれる心意気、そして音楽に対する真摯な態度、丁寧さが胸を打つ。

SMM-2006 LAURIE LEWIS『Skippin' and Flyin'』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Old Ten Broeck/What's Good for You/Pharaoh's Daughter/Dreams/Carter's Blues/Going Away 他全14曲

1曲目のビル・モンロー名曲"Molly and Tenbrooks"のバースから取ったアルバム・タイトル通り、二度のIBMA最優秀女性ボーカル受賞者のローリー・ルイス最新作は「わたしなりのビル・モンロー・トリビュート」という、昨年の『Blossoms』につづく最新作。パートナーであるトム・ロザム(m)のほか、ファンの多い繊細なクレイグ・スミス(bj)にスコット・ハフマン(g)、トッド・フィリップス(bs)という基本バンドの見事なバックアップに若者ゲスト。"Blue Moon of Kentucky"や"A Lonesome Road"(筋金入りのブルー・グラス・ボーイ、ジョー・ステュアートの名曲)が入っているものの、モンロー曲集というわけではなく、 "What's Good for You,"(リンダ・ロンシュタットがハーモニー)や"I Don't Care Anymore,"、"I Ain't Gonna Work Tomorrow,"などのフラット&スクラッグス名曲やジミー・ロジャーズ"Tuck Away My Lonesome Blues"、デル・マッカーリー"Dreams"ほか、カーター・ファミリー、ワンダ・ジャクソン、ウィルマ・リー・クーパー、リベラルなユタ・フィリップスなどをカバー、同時にすばらしいオリジナルも発表。さすがローリー、自身が感じるモンロー・ブルーグラスを演じる女性ブルーグラス秀作に仕上げている。

UICV-1017 齊藤ジョニー『アイ・アム・ジョニー』CD¥2,000-(本体¥1,905-)

ハックルベリー・フィン/Goin' Home/アルマジロ/線路際のワイルド/Eureka/さらば美しき女よ/グランファ/東京の女の子/Video Killed the Radio Star.

東北大学ブルーグラス所属の「雑貨屋フレーバー」時代に箱根ブルーグラス・フェスの人気投票で1位を獲得、若いブルーグラッサーに圧倒的な人気を誇ったすばらしいブルーグラスバンドから飛び出した齊藤ジョニー。そののちNHKのコンテスト「伊達物音楽闘技場」で1位を獲得、今年1月にはデビュー前にもかかわらずNHK全国放送「Music Japan」に出演、また2月に来日したテイラー・スウィフトのオープニングアクトに抜擢、大阪城ホール、日本武道館を2日間、香港のアジア・ワールド・アリーナ公演でアコギ1本で会場を沸かせたというジョニー。フラットピッキンはもちろん、バンジョーもバリバリとこなすブルーグラス・マルチプレイヤーで、ムーンシャイナー誌にもIBMAのWOB体験記などを寄稿してくれている。マンドリンにTARO、フィドルに雑貨屋時代以来のテクノ松本、ベースにパンクなミドリにいたイワミ・ケイゴのバンド、シューストリングスを核にした音作りで、マンドリンが全体をリードする初のJ-ポップグラスだ。齊藤ジョニーをブルーグラッサー全員がサポートしなくてどーする!!?? ぜひ彼が成功してくれることを……! ムーンシャイナー11月号特集参照。

RUR-1083 CUMBERLAND RIVER『The Life We Live』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Harlan Man/Lonely Road/Cold and Withered/Train of Sorrow/Miner's Prayer/Justified 他全13曲

石炭の産地として、貧しいイースタン・ケンタッキーのアパラチアど真ん中として、数多くの歌に登場するケンタッキー州ハーラン郡出身の今風おにぃちゃん5人組。ケンタッキー東部アパラチアは米国の大麻の大生産地だとか、貧しさと昔からのムーンシャイナー伝統!?でGメン(FBI)との対立がいまだにつづくのだという。そんな土地柄で、自分たちの身の回りに起こった事柄やキャンプファイアー物語などを題材にしたオリジナルをスティーブ・ガリーのプロデュースでまとめ上げたコンポラソリッドグラス作品。

RUR-1087 CROWE BROTHERS『Bridging the Gap』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

He Could Pick the Hound/18 Wheels/If I Had My Life to Live Over/Southern Moon 他全13曲

ルービン・ブラザーズやジム&ジェシーらの後期ブラザーデュオの伝統を守ってトラッド風味をかもし出すクロウ・ブラザーズ最新作。ノースカロライナのブルーリッジど真ん中、マギーバレイ・オープリで長年、ローカル・エンターテイメントに徹してきたキャリアから滲み出す説得力、田舎クサーいブルーグラスが聴きたい人にはチョーお勧め!! 反応のすごく早いバンジョーにスティーブ・サットン(bj)、メロディとダブルストップの組み合わせがサイコーのスティーブ・トーマス(f)がギター&ベースのクロウ兄弟とともにプロデュースも担当、マンドリンにはジェシーを思わせるブライアン・ブレイロック9曲、マッシュビル・ブリゲードのアシュビー・フランクが3曲。ギブソン・ブラザーズと並んで、トラッドなブラザーデュオの伝統を守っている。

ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
BGOCD-1016 COUNTRY GAZETTE『Country Gazette Live/Sunny Side of the Mountain/What A Way To Make A Living』CD¥2,888-(本体¥2,750-)

Black Mountain Rag/Blue Blue Day/Lonesome Road/Never Ending Love/Still Feeling Blue/Melody for Baby/Down Down Down/Last Thing on My Mind/Dark Hollow Little White Washed Chimney 他全39曲

40年前の1972年、衝撃的なウエストコースト・ポップ・ブルーグラスといったサウンドでデビュー、ヨーロッパでチャートヒットしたカントリー・ガゼット。これは彼らの第2期にあたる1975年、76年(米国ではフライング・フィッシュから『Out to Lunch』というタイトルで発表)、77年に相次いで発表された3枚のLPをすべて収めたもの。バイロン・バーライン、ロジャー・ブッシュ、アラン・マンデにローランド・ホワイトが参加した75年のホットなライブ。バーラインがサンダンス結成のため退団、ケニー・ワーツが戻り再びウエストコーストっぽくなった76年、そしてポップヒットの夢破れアランとローランドのふたりだけになってバリバリのトラッドグラス曲ばかりを演じた77年作品。ちょうど40年前になる歴史的名盤である衝撃のデビュー作とクラレンス・ホワイト参加の第2作のLP2枚を収めた『Traitor In Our Midst/Don't Give Up Your Day Job』(BGOCD-298、在庫あり)とともに、ブルーグラスでいい生活を目指したカントリーガゼットの6年間……、イーグルスを生んだのと同じ頃同じ土壌でポップヒットを目指した軌跡を追ってみませんか?

なおムーンシャイナー12月号で速報した11月22日、アラン・マンデ(64)の冠動脈バイパス手術は成功、順調に回復に向かい現在は自宅で療養中でバンジョーも弾きはじめたとのこと。

REB-7528 V.A.『With Body and Soul: a Bluegrass Tribute to Bill Monroe』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

セルダム・シーンの強烈な"My Little Georgia Rose"(モンローの隠し子を慕った曲といわれる)を1曲目に、ロンサム・リバー・バンド"Rocky Road Blues"やデル・マッカーリー"White House Blues"、トニー・ライス"A Good Woman's Love"とつづく、レベルとカウンティ・レコードに残された楽しいビル・モンロー17曲集。タイトル曲"with Body and Soul"(モンローの愛人だったと言われるバージニア・ストーファーの作)はピーター・ローワン、ケニー・ベイカーとボビー・ヒックスの"Talahassee"とかリチャード・グリーンの"Brown County Breakdown"、そしてスコッティ・ストーンマンの強烈フィドル"Close By"はレッド・アレンの名唱。そして"Uncle Pen"はジム&ジェシー、"Muleskinner Blues"がレノ&スマイリー、そして"Blue Moon of Kentucky"がラルフ・スタンレー、"Footprints in the Snow"がマック・ワイズマンという第一世代でアルバムが閉じられていくのもいいね。さぁて、みんな、どんなモンローを演じるのだろうね……?

REB-7529 V.A.『Let the Light Shine Down: a Gospel Tribute to Bill Monroe』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

そしてもう一枚はブルーグラス・ゴスペル編。カントリー・ジェントルメン"Beautiful Life"にはじまり、スタンレー・ブラザーズ"Mother's Only Sleeping""Shine Hallelujah Shine"で閉じるビル・モンローのゴスペル・レパートリーから全17曲集。セルダム・シーン"Working on a Building"や同じくリンダ・ロンシュタットを迎えての"The Old Cross Road"、リリー・ブラザーズ&ドン・ストーバー"When the Saints Go Marching In"、ドン・レノ&ベニー・マーティン"Swing Low, Sweet Chariot"、そしてタイトル曲はジュニア・シスク&ランブラーズチョイスといった新旧トラッドグラスが一堂に会している。

ACD-77 DAVID GRISMAN『Happy Birthday, Bill Monroe』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

New Muleskinner Blues/Watson Blues/Wayfaring Stranger/Roanoke/Bluegrass Stomp/B Natural/Bury Me Beneath the Willow/John Henry 他全20曲

グリスマンがいかにモンローに心酔していたか、最後の未発表曲"My Last Days on Earth"を聴けば痛いほど分かる(しかも録音はモンローが84歳で亡くなった1996年9月!)。1曲目の"New Muleskinner Blues"はバッサー・クレメンツのフィドルとマンドリンだけのデュオ、そして2曲目、DGQ名演"Happy Birthday, Bill Monroe"、3曲目には故ジョン・ハートフォードと故マイク・シーガーとのレトログラス・トリオで"Uncle Pen"をオールドタイムする……などの名演12曲、そして驚きの未発表にはドック・ワトソンとのインストでの"Kentucky Waltz"や"Bluegrass Stomp"にブラザーデュオする"In the Pines"、1989年のデル・マッカーリー親子らとの"My Little Georgia Rose"や"Rawhide"のライブ、故ジェリー・ガルシアのリードボーカルとレッド・アレンとハーブ・ペダーソンのトリオ"On & On"、1989年のデル・マッカーリー親子らとウォーレン・ブレアとジョン・グリックのツイン・フィドルを伴っての"My Little Georgia Rose"や"Rawhide"のライブ2曲など8曲、全20曲収録。グリスマン「一音入魂」といわれるその感情移入が尋常ではないことはご存知の通りだが、彼がモンロー音楽に対峙するときのそれは特別なのだろうと思う。それにしてもモンロー、生涯の最後にこんな芸術を遺して逝くとは……、ブルーグラスがいかに精神的な音楽なのか、グリスマンの一音を通じて胸に迫る。モンロー自身が13か14歳の頃、黒人のアーノルド・シュルツから学んだブルースなどの思い出や、兄弟たちのことを、忌憚なくラルフ・リンズラーに語るビル・モンロー・インタビューがオマケ!! グリスマンの偉大さに、あらためてひれ伏す。

第54回グラミー賞最終ノミネート作品
■最優秀ブルーグラス・アルバム候補
NONE-79649 CHRIS THILE & MICHAEL DAVIS『I'm Gonna Sleep With One Eye Open』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

パンチ・ブラザーズを率いてとんでもないブルーグラス未知の世界に分け入っているクリス・シーリが180度、回れ右!! 1930年代から1950年代のブラザーデュオを、マイケル・デイヴス(g)という稀有な才能とともに、これ以上にないという「生」な音と感情で体当たり。フラット&スクラッグス名曲をタイトルに、モンローからジミー・マーティン、デル・マッカーリー、ピーター・ローワンほかのスタンダードがずらり。ブルーグラスの不滅を、もっとも先端を走る男が証明してみせるあまりに凄い作品!! ムーンシャイナー7月号はこのカバーストーリ!!

なおパンチの最近作はCD2枚とDVDが3枚セットの『Antifogmatic』(NONE524056 ¥4,095-)、最先端のブルーグラスが聴きたい人、必聴!!

ROU-0660 STEVE MARTIN & STEEP CANYON RANGERS『Red Bird Alert』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

超セレブ、ハリウッドスター、スティーブ・マーティンのラウンダー最新第2弾。これはもう、セレブのお遊びの域を超えた……ポール・マッカートニーとディキシー・チックスというゲストを迎えてはいるが、トニー・トリシュカ・プロデュースのすばらしいアルバムになっている。前作『The Crow』(ROU-0647 ¥2,573-)ではアールやベラ、ティムやビンスらをゲストに2009年度のグラミー賞最優秀ブルーグラス・アルバムも獲得しているが、本作ではツアーを共にするバンド、スティープ・キャニオン・レンジャーズをフィーチャー、全曲書下ろしの秀作曲揃いで見事なクロウハンマーとスリーフィンガーのバンジョーを使い分けている。なにか一芸に、彼の場合は世界的コメディアンだが、秀でた人物というのは自分のやっていることの意味がクリアに観えるものなのだろう、これはすばらしい音楽、そしてブルーグラス・アルバムだ。最後に2曲(かつての大ヒット「ツタンカーメン王」と「無神論者に音楽無用!?」)のライブがあるが、また凄い!!

ROU-0665 ALISON KRAUSS & UNION STATION『Paper Airplane』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ブルーグラス第一世代を支えたミュージシャンやファンたちの誰が想像しただろうか?……この今年40歳になる女性と仲間たちが創ったブルーグラスのアルバムがビルボード総合チャート第3位になることを!! アリソン・クラウスとユニオン・ステーションとして7年ぶりの作品。フォノジェニックなアリソンのボーカルにロン・ブロックのギターとジェリー・ダグラスのドブロが創るアコースティック。彼女の歌曲にはアパラチアの陰影がくっきりと歌い込まれているとロサンゼルス・タイムズ紙は指摘「イリノイ出身のアリソンだけれど、彼女の音楽には、アパラチアの厳しい生活、日々厳しさをます浮世のわずらわしさから逃れたいと唯一望むブルーグラスの精神的基盤を体現するメッセージが込められている」と評する。また、バリバリのストレート・ブルーグラスを聴かせるダン・ティミンスキはピーター・ローワン“Dustbowl Children”とティム・オブライエン“On the Outside Looking In.”を取り上げて彼らの功績をリスペクト。そしてLAタイムズ紙は、「近年のカントリーシンガーの多くが、決して近寄ることのない人生の陰/暗部、そこに潜んでいる奥深い感情にクラウスとバンドメンバーは踏み込んでいく」と解説している。AKUSの創るサウンドから、そこにメンバーが埋め込んだブルーグラスの魂を感じたい。

SH-4070 JIM LAUDERDALE『Reason and Rhyme』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ノース・カロライナのブルーリッジの真ん中で生まれ育ち、のちにニューヨークで俳優、そしてロサンゼルスでドワイト・ヨーカム/ピート・アンダーソンに認められ、ベイカーズ・フィールド・カントリーを経てブルーグラスに里帰り、ラルフ・スタンレーとのコラボでグラミーも獲得したジム・ローダーデールの最新作。ランディ・コーアズのプロデュースのもと、スコット・ベスタル(bj)、マイク・コンプトン(m)、ティム・クロウチ(f)、クレイ・ヘス(g)、ジェイ・ウィーバー(bs)という申し分ないバックアップを得て、グレイトフル・デッドの作詞家ロバート・ハンターとの共作オリジナルを聴かせる。ムーンシャイナー8月号で、永冨真梨さんがアルバムに収められた楽曲についての解説を寄稿している。音楽スタイルに拘泥せず、自由な詞の世界から生み出していくブルーグラスが新鮮である。

REB-1840 RALPH STANLEY『a Mother's Prayer』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

初来日から40年を記念してムーンシャイナー誌4月号と5月号で大特集した「スタンレー・サウンド」、そのラルフ・スタンレー、84歳の最新ゴスペル大秀作だ。アカペラ"Come All Ye Tenderhearted"をはじめとする圧倒的なボーカルの存在感と説得力はかえって凄みを増していくのだから敬服する。ロニー・ボウマンとショーン・レーンの共作をタイトル曲に、鉄壁のクリンチ・マウンテン・サウンドには揺るぎがない。とくに本作はラルフのほぼ語りに近いアカペラ調の曲も多く、その米国宝級語り口を知るには絶好の作品として若い人たちにもぜひ聴いて欲しいアパラチアのホンモノである。2009年12月、ジャック・クック(72)が他界、1971年初来日のメンバーはすでにないが、今、ラルフと同時代に生きていることを大切にしたい!!

■そのほか、関連グラミー最終候補作
NONE527214 EMMYLOU HARRIS『Hard Bargain』CD+DVD¥3,308-(本体¥3,150-)

The Road/Home Sweet Home/Goodnight Old World/New Orleans/Six White Cadillacs/Nobody 他全13曲

エミルー・ハリス、3年ぶり最新作がアメリカーナ・アルバム部門に。インタビューと収録6曲のビデオ映像のDVD付き。エミルーのメンターだったグラム・パーソンズへの思いを書いた1曲目"TheRoad"、昨年他界したケイト・マクギャリグルに捧げた"Darlin' Kate"ほか、11曲のオリジナルと2曲のカバー。プロデューサーのジェイ・ジョイスと創り上げたオルタナ・ポップ/ロックな作品だが、エミルーのすばらしさ、深さは不滅だ。

ACNY-1109 GILLIAN WELCH『The Harrow & the Harvest』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

8年ぶりとなるギリアン・ウェルチの最新作が最優秀フォーク・アルバム候補。マンハッタンで生まれウエスト・ロサンゼルスで育った1967年生まれの都会っ子ギリアン、少女時代にオールドタイム系音楽に出会って衝撃を受け、スタンレー・ブラザーズやカーター・ファミリー、デルモア・ブラザーズなどに私淑、ボストンのバークリー音楽院からナッシュビルに移ったのち1996年、ピーター・ローワンの前座をしていたときにT.ボーン・バーネットに認められデビュー、その色濃いアパラチアの陰影を背負った精神性で女性ブルーグラスやオールドタイムに測り知れない影響を及ぼすシンガー/ソングライター。これまで同様、バークリー時代のデビッド・ロウリングスをパートナーに、ふたりだけで創り上げたマーダー(殺人)バラッドも含んだアパラチアン・トラッドを深化させた全曲オリジナルだ。

B.O.M.特選コーナー
■クリスマスですよ、12月はやっぱ……!!
SKFR-1012 RICKY SKAGGS『A Skaggs Family Christmas Vol. 2』CD+DVD¥2,573-(本体¥2,450-)

Christmas Time's a Coming/Light of the Stable/Silent Night/Children Go/Joy to the World 他全10曲

2005年の第一弾につづくスキャッグス一族のクリスマス第2集CDには25曲入りノーカットの2時間、ナッシュビルのライマン公会堂でのクリスマス・ライブのDVDがオマケ!! 高い評判を得たTVスペシャル以来、クリスマスシーズンにツアーをするスキャッグス家とパパ・バック率いるホワイト家一族。リッキーとシャロン・スキャッグス、その娘と息子モリーとルーク、ザ・ホワイツのシェリルとその娘レイチェル(アンディ・レフトウィッチの妻)、彼らがみんな才能豊かに上手い!! ブルーグラスは1曲目のモンローソングほかはほとんどないが、すばらしいアカペラ・ハーモニーや、息子ルークのオリジナル・インスト、モリーのすばらしいピアノ弾き語り、そしてナッシュビル・ストリングスのオーケストラなど、ファミリークリスマスというタイトル通りのクリスマス・エンターテイメントがすばらしい。コンサート映像DVDでは、ケンタッキーサンダーのメンバーがトム・ローディのパーカッションとダーク・ジョンソンのピアノとともに大活躍、ポピュラーなクリスマスソングを見事にこなしていくのも見ものだ。またバック・ホワイト、人差し指をペロッとしてピックをつかむ態度も、娘ふたりシャロンとシェリルとのザ・ホワイツも健在。音楽で成功し、いい家族に囲まれているようで良かったネ、リッキー。ほんま。ジャンルを越えて誰にでもお勧めできる、すばらしいファミリー・クリスマス作品!!

CP-9804 CLUSTER PLUCKERS『Christmas Album』CD¥2,888-(本体¥2,750-)

Christmas Time's a Comin'/Winter Wonderland/Silent Night/Jingle Bells/Santa Claus is Coming to Town/White Christmas/Silver Bells/Joy to the World/We Wish You A Merry Christmas 他全13曲

今年5月、あの飛び切りの笑顔とともに今回は息子ネイサン(m)とマット・フリナー(bj)を伴ってやって来日したバリンジャー夫妻。これは彼らのクラスター・プラッカーズ時代の1998年作。女性ふたり(クリス・バリンジャーとマーガレット・ベイリー)を前面に、歌うこととブルーグラスが大好きだという一点のみで楽しく演奏する彼らにブレイン・スプラウス(f)やマーク・ハワード(g)ら、じつは曲者たちが、あのさわやかなハーモニーと極上のアコースティック・サウンドで聴かせるクリスマス超スタンダード名曲13曲集。悪い分けないじゃない……。

ちなみにクラスター・プラッカーズの自費制作盤、89年のデビュー作『Cluster Pluckers』、92年の第2作『Just Pluck It!』、95年の第3作『Unplucked』、そして96年のゴスペル集『Gospel』(CAP-25337)、そして上記98年のクリスマス集の全5作品が、今なら揃っていますよ(各¥2,888-)。

REB-1745 LARRY SPARKS『Christmas in the Hills』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

デル・マッカーリーと並び、現在ブルーグラス界の至宝と呼ばれるスタンレー精神の継承者、1997年のクリスマス集。名唱の声高い"Blue Christmas"を含む12曲。廃盤、売り切れゴメン!

ROU-3118 V.A.『Must Be Santa: Rounder Christmas Album』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ラウンダー・レコードがさまざまなルーツ系ポップのジャンルをリードするようになった1990年代、ケイジャン/ザディコ、R&B、ブルーグラス、ウエスタン、ブルースなどさまざまなトップアーティストのクリスマス・オムニバス作品。売り切れゴメン!

WB-46341 V.A.『Christmas in the West』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

マイケル・マーティン・マーフィとスージー・ボーガスの"Sleigh Ride/Jingle Bell"メドレーを1曲目に、ライダーズ・イン・ザ・スカイやドン・エドワーズら、カウボーイ・シンガーたちが歌う1996年作。売り切れゴメン!

FRC-639 RALPH STANLEY『Christmas Time』CD¥2,888-(本体¥2,750-)

1993年に発表されたラルフのクリスマス企画物。若くして絶大な信頼を得たアーニー・サッカーをリード・ボーカルに、カーリー・レイ・クラインとアート・スタンパーのフィドル、ジャック・クックのベース、ジュニア・ブランケンシップのリードギター。廃盤、売り切れゴメン!

RW-XTAB ROLAND WHITE『Mandolin Christmas』Book+CD¥3,045-(本体¥2,900-)

ローランド・ホワイトが丁寧に有名クリスマス10曲を教えてくれるCD付きマンドリン教則本。前半はローランドらしい心に響くタッチでのマンドリン・ソロの弾き方とお手本、後半はギターとマンドリンのコード譜つきで伴奏のみ。実戦向きに作られたクリスマス曲マンドリン教則集。ほかにブルーグラス・マンドリン教則決定版Book+CD『Approach to Bluegrass Mandolin』(RW-TAB ¥6,090-)もすばらしい!!

■ビル・モンロー生誕100年記念コーナー
PATUX-227 FRANK WAKEFIELD『a Tribute to Bill Monroe』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ビル・モンローのマンドリン・スピリットを完全に習得した最初のひとり、18歳でレッド・アレンと組んで以来、グリスマンをして「師匠」と呼ばせるブルーグラス第一世代の偉大なマンドリン・カリズマ、フランク・ウェイクフィールド(77歳)がモンローに捧げた入魂の最新作。最後のブルー・グラス・ボーイ、トム・ユーイング(g)のボーカル(6曲)に、マイケル・クリーヴランド(f)、マーク・ディレイニー(bj)、マーシャル・ウィルボーン(bs)を核にした歌物10曲とインスト6曲。"When You Are Lonely"にはじまり、"That's All Right"や"Letter from My Darling"、"When the Golden Leaves Begin to Fall"からモンローが故・ヘイゼル・ディケンズが取り上げたモンローの未発表曲"The One I Love Is Gone"まで、全16曲の心憎い選曲。ブルーグラス本来のリズムと抑え気味のバックとともに、バッターボックスに立った打者の如く、モンロー精神の本質をその見事なトーンを生むピック捌きと縫うように繊細な運指が完璧に表現。モンロー音楽最良の側面、ハイロンサムをしみじみと聴かせる大秀作、必聴モンロー音楽!チョーお勧め!!

ROU-9123 V.A.『Bill Monroe Centennial Celebration』2枚組CD¥2,888-(本体¥2,750-)

ビル・モンロー生誕100年記念でラウンダーレコードが発表した2枚組28曲入り廉価盤最新作。B.O.M.の1年前、1970年に創立されたラウンダー、ほぼ40年にわたるトラッドグラス秀作の中から選ばれキワメツケのモンローソング集。ブルーグラス・アルバム・バンド"Tall Timber"からジョー・バル"Goodbye Old Pal"まで、グラスカルズ、バーン・ウィリアムズ・バンド、クレア・リンチ、マイケル・クリーブランドとダン・ティミンスキ&ビンス・ギル、アル・ジョーンズからジョンソン・マウンテン・ボーイズなど、懐かしいものから意外な発見、そして最近のものまで、何が飛び出すかお楽しみのビルモン28曲集。

SH-2209 V.A.『True Life Blues; the Songs of Bill Monroe』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

1996年9月、ビル・モンローが死の床にあるときにこのアルバムが完成、当時最高のブルーグラス・アーティストが参加したこの作品のテープが早速届けられ、そのすばらしい出来映えに、彼はとても喜んだと伝えられる。その翌97年2月、このビル・モンロー全17曲集はグラミー賞を獲得、授賞式の生中継でビル・モンロー追悼演奏が世界に放映された。バッサー・クレメンツ、ボビー・ヒックス、デル・マッカーリー、ピーター・ローワン、ローランド・ホワイトらの元ブルー・グラス・ボーイズのほか、サム・ブッシュ、デビッド・グリスマン、ティム・オブライエン、クリス・シーリ、デビッド・グリア、ハーブ・ピーダセンほか、そして最後の故ジョン・ハートフォード"Little Cabin Home on the Hill"には、ただ「涙」する……。超名盤!!

SKFR-1008 RICKY SKAGGS & KENTUCKY THUNDER『Honoring the Fathers of Bluegrass; Tribute to 1946 and 1947』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

2009年のグラミー賞ブルーグラス部門を受賞したリッキー・スキャッグス作品。ビル・モンローがフラット&スクラッグスらを従え1946~47年、ブルーグラスが誕生したあのオリジナル・ブルーグラス・バンド録音のほぼ完全コピー12曲集!! 1曲目の"I'm Going Back to Old Kentucky"には、46年の録音に参加していたアール・スクラッグスを迎えている。誕生時のブルーグラスが持つグルーヴがそのまま、最新録音技術と現在最高のバンドによって再現。

RUR-1075 V.A.『Blue Moon of Kentucky: Instrumental Tribute to Bill Monroe』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Uncle Pen/Bluegrass Breakdown/Footprints in the Snow/Blue Moon of Kentucky/Kentucky Waltz/My Rose of Old Kentucky/I Saw the Light 他全18曲

ムーンシャイナー誌8~9月号で連載した特集、「ビル・モンロー・マンドリンの作り方」。その大阪のウェイドのビル・モンロー・レプリカF5をジャケットにした本作は同タイトルのマイク・スコット版で紹介した12曲に、ほかのシリーズ作品からあらたに6曲を追加した1時間超の全18曲、ルーラル・リズム社がビル・モンロー生誕100年企画の第一弾としてリセット発表したビル・モンロー名曲やレパートリーのインスト版。ここでのモンロー基本セットはマイク・スコット(bj)、マイク・コンプトン(m)、ブライアン・サットン(g)、オーブリー・ヘイニー(f)、ベン・アイザックス(bs)。ブルーグラスがフォークやカントリーと一線を画す最大の理由、息詰まるアコースティック・アンサンブルの面白さ/楽しさを詰め込んだ嬉しい企画作品。各人それぞれの楽器の「歌い方」がリスナーには聴き応えあり、プレイヤーには参考になる、とても楽しいお勧め作品。

SH-3749 PETER ROWAN『The First Whippoorwill』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

"I'm On My Way Back to the Old Home"を1曲目に、ビル・モンロー名曲を全12曲、ブルーグラス第二世代のモンローに当たるピーター・ローワン(g)がサム・ブッシュ(m)、ビル・キース(bj)、リチャード・グリーン+バディ・スパイカー(f)、ロイ・ハスキーJr(bs)、そしてアラン・オブライアンのテナー・ボーカルとともに1985年に創ったモンロー曲集。ピーター自身、おそらくレスター・フラットと並ぶ、もっとも偉大なビル・モンローのブルーグラス・ボーイでもあり、これがモンロー・サウンドは、かくあるべきというお手本です。

RUR-1081 AUDIE BLAYLOCK & REDLINE『I'm Going Back to Old Kentucky (A Bill Monroe Celebration)』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

近年、初期ジミー・マーティン系ソリッドグラスで高い評価のオウディ・ブレイロックがビル・モンローに捧げた最新作。ゲストのデュオ相手はデル・マッカーリーとボビー・オズボーン、そしてジェイソン・カーターとグレン・ダンカンを招いた"Tall Timber"ほか3曲でトリプル・フィドル、マンドリンには全曲ロニー・マッカーリー。そして自身のツアーバンド、パトリック・マカビニュー(f)、ラス・カーソン(bj)、リード・ジョーンズ(bs)のレッドラインがバッチリ固めている。ブルーグラス第三世代に当たる若いみんなが、懸命にトラッドを学びつつ、上手い!!

■ビル・モンロー作品
ACD-59 BILL MONROE & BLUE GRASS BOYS『Live at Mechanics Hall』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

1963年、東部にはじめてやってきたというビル・モンローをライブ録音したのは当時18歳、モンロー追っかけ小僧のデビッド・グリスマン。デル・マッカーリー、ビル・キース、ジョー・ステュアート、そしてべッシー・リー・モールディンというメンバーを引き連れた52才のビル・モンロー!!なんと、この年にして過激で攻撃的な孤高のハイロンサムを聴かせる。そのラフでザラザラした抑えがたい衝動には、誰も敵わない……。

MVDV-4577 & BOOK-27 BILL MONROE『Father of Bluegrass Music』DVD+BOOKセット特価 ¥3,675-(本体¥3,500-)

ドキュメンタリーDVD映像『ブルーグラスの父』。モンロー自身が語る故ジョン・ハートフォードとのインタビューを軸に、レスター・フラット、エミルー・ハリス、ポール・マッカートニー、オズボーン・ブラザーズ、ドリー・パートン、リッキー・スキャッグス、マーティ・ステュアート、そしてデル・マッカーリー/ビル・キース/チャビー・ワイズのブルー・グラス・ボーイズ・リユニオンなどの貴重な映像、ジェリー・ガルシアやロイ・エイカフのインタビューなど、日本語/英語併記の完全対訳本とともに、生誕100年を迎えた20世紀の偉大なアメリカ音楽家の生涯を再訪しましょう。必見必読のDVD&対訳本セット特別価格です!!

2011年B.O.M.サービスお勧め作品
■話題のブルーグラス最近作
今年話題になった、旬なアルバムたち……
ROU-0658 SIERRA HULL『Daybreak』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

天才マンドリン奏者シエラ・ハルの最新第3作。来日ツアーしたのはもう3年前、ちょうど全米デビュー作『Secret』(ROU-0601 CD¥2,573-)を発表した16歳のときだった。あれから3年、19歳になったシエラはブルーグラスからは初めてとなるボストンのバークリー音楽院の学長特選奨学金を得て、今春には2年間の留学を終え、フルタイムでのミュージシャン活動に入るという。可憐な少女といった容姿とは似つかぬ超ハイテク・マンドリンにはますます磨きがかかり、ボーカルには安定感が増し、さらに12曲中7曲がオリジナルと、大きく成長したところを見せる。ユニオン・ステーションのバリー・ベイルズのプロデュースで、ロン・ブロック(g)やロン・スチュワート(bj)、ブライアン・サットン(g)、ステュアート・ダンカン(f)らもサポートしているが、来日したクリスチャン・ウォード(f)やコリー・ウォーカー(bj)、ジェイコブ・イーラー(bs)、そしてクレイ・ヘス(g)らのハイウェイ111のメンバーも活躍するさわやかブルーグラスだ。今年11月末の感謝祭にホワイトハウスから全米放映されたライブにはアリソン・クラウスとともに出演していた。

MH-1309 THE BOXCARS CD¥2,573-(本体¥2,450-)

今秋のIBMAで最多ノミネート、結果は最優秀新人賞とインストグループを同時受賞した話題の新バンド、ザ・ボックスカーズのデビュー作。アダム・ステッフィ(m)とロン・スチュワート(bj,f)という楽器達人2枚看板に、ジョン・ボウマン(f,bj)、キース・ギャレット(g)、ハロルド・ニクソン(bs)の5人組。1990年代から現在まで、ブルーグラスのメインストリームを常にサイドマンとして影から支えてきたベテランが、バンドサウンドを求めて結成したボックスカーズ、丁寧な音作りで現在ブルーグラス王道を聴かせてくれる。ロン・スチュワートは最優秀バンジョーを受賞(クリスティン・スコット・ベンソンとタイ)、IBMA史上初、フィドルとバンジョーの2部門制覇だ。

COMP-4564 DALE ANN BRADLEY『Smewhere South of Crazy』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

4度目のIBMA最優秀女性ボーカルに輝く、アパラチアのど真ん中、貧しい炭坑地帯出身、デール・アン・ブラッドリーの最新作は、プロデューサーでもあるアリソン・ブラウン(bj)ほか、おそらく初のスタジオバンド体験となるシエラ・ハル(m)、ステュアート・ダンカン(f)、スティーブ・ガリー(g,harmony v)、マイク・バブ(bs)らの強力基本セット(モンロー曲"In Despair"など3曲にはマット・コムf、デビッド・ロングm、マイク・サムナーbjら)を従え、クリスタルな美声に加えて、貧しかった幼少期の影を感じさせるハイロンサムを聴かせる。モンロー100年を記念した"In Despair"やシールズ&クロフツの“Summer Breeze”などのカバーほか、すばらしい仲間たちと創った最新作だ。

ROU-0659 MICHAEL CLEVELAND & FLAMEKEEPER『Fired Up』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

2007年から5年連続IBMA最優秀インストバンドに輝く彼ら、これでもか!のストレートブルーグラス・ボーカル作品。超スピードの1曲目からブギウギ調の2曲目、3曲目にはフォービート・シャッフル・カントリー調オリジナル、そしてフラット&スクラッグス名盤『Hear the Whistle Blow』に収められた4曲目、そしてバディ・スパイカーが1966年にジミー・マーティンと録音した隠れた名演インストの5曲目……ほか、メンバーのオリジナルを軸にデルモア・ソングやウェッブ・ピアースらの名曲アレンジ等々。バンジョーには現在クイックシルバーに移ったジェシー・ベイカー(ソロ『Yes, Sir!』は必聴!)に、ジェシー・ブロック(2009年IBMA最優秀マンドリン)、マーシャル・ウィルボーン(2009~10年IBMA最優秀ベース奏者)、そしてバンジョーが弾けなくなってギターに転向したトム・アダムズのすばらしいボーカルと作曲/選曲でこれ以上ないホットなドライブの連続。「ブルーグラスらしさ!」というゴールに向かってバンドがまっしぐらなのが快感だ。

MH-12952 BALSAM RANGE『Trains I Missed』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

今年のIBMAアワードで最優秀ソングを受賞、飛び上がって驚いた彼ら。リッキー・スキャッグスのお気に入りバンジョー奏者として知る人には知られたマーク・プルエットほか、ノース・カロライナ産の強烈なローカル・ミュージシャンたちのテク、凄いこと!! そしてバンド・サウンドを強く意識したアレンジで曲を伝える丁寧さが評価されたのだろう。アルバム発表ごとにブルーグラス・アンリミテッド誌の全米チャートの上位に常連するバルサム・レンジの最新作。

ROU-9107 BLUE HIGHWAY『Sounds of Home』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

1994年末に最初のギグをしたというから17年間、メンバーを変えることなく、プロとしてバンドを存続させた、それだけでもすごいことである上に、数々のIBMAアワードを獲得、またグラミーにも2度の最終ノミネートを受けている東テネシーを本拠にするブルー・ハイウェイ、9枚目(レベル時代のベストを入れれば10枚目!!)の最新作。セルダム・シーンの現代版とも言えるトラッドでモダンなサウンドは、すぐれたバランス感覚でボーカルを取る3枚看板、ティム・スタッフォード(g)、ショーン・レーン(m,f)、ウェイン・テイラー(bs)、それぞれのオリジナルでシビアなストーリーを伝えている。セッションに引っ張りだこのロブ・アイクス(d)はバンドサウンドの要として、またソリッドなメリハリはジェイソン・バールマン(bj)がキッチリと担う、鉄壁のブルー・ハイウェイ・サウンドでオリジナルを通した自分たち(1曲のみ"Nobody's Fault But Mine"がトラッド)、アパラチアンのアイデンティティを歌う現代ブルーグラスのトップグループである。

AMB-027 LOUIE SETZER & Appalachian Mountain Boys『Wish I Were There』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

すばらしい!!トラッドグラスとブルーグラス楽器インプロバイズが見事に融合した現代北部ブルーグラスの大秀作。ルーイ・セッツァーについてはムーンシャイナー2007年、「模倣こそは追従のもっとも真摯なかたち」(MS-2404 ¥525-)という特集をしたほど、ジミー・マーティンの臭みを見事に昇華、「ハード・ドライビング・ホンキートンク・ブルーグラス」を目指すという彼と、ボブ・ハリスのリードギターとロブ・ヘットのフィドルのふたりが自在に繰り広げる強烈なインプロバイズがメチャ面白い(ナッシュビルのお利巧さんたちはここまでやってくれないよ!)。ほぼ全曲、JMやデル、カンジェンほかの隠れた名曲を中心にしたカバー。そうそう、ルーイは1970年代以降のマーティン・ギターの出荷責任者で、「ルーイがマーティンだというまで、マーティンじゃない」というCMで知られた1948年生まれ、団塊の世代ど真ん中の今年63歳!! きっとあなたのマーティンもルーイの証明書付かもしれませんよ……!? 楽しさ一杯のチョーお奨め作品!!

ECM-001 SHANNON SLAUGHTER『Sideman Steps Out』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ロスト&ファウンドやラリー・スティーブンソン・バンド、メロニー・キャノン、ロンサム・リバー・バンド、ルー・リード&カロライナらのサイドマンとして素晴らしい存在感を示したシャノン・スローターのソロ、「一歩前へ!!」です。サイドマンをしながら、ウィルクスボロ高校の歴史の先生でフットボールのコーチも務めたという経歴。そんな中、元クイックシルバーのジョーイ・コックス(bj)、ケニー&アマンダ・スミス・バンドのロナルド・インスコア(m)ら、フルタイムからパートタイムとなった優秀なミュージシャンを集めたと、妻のヒザー・スローター(bs)で結成したローカルバンド、カントリー・クレアを核に、ロン・スチュワート(bj)やロブ・アイクス(d)ほかが参加、一級のコンテンポラリーなソリッドグラスに仕上げている。

MH-1345 DOYLE LAWSON & QUICKSILVER『Drive Time』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

現在ブルーグラスのトップグループのひとつ、ドイル・ローソン&クイックシルバー、ポール・サイモンのカバーを1曲目に全7曲の最新ミニアルバム。ブルーグラス界トップに君臨するドイル、さらに上を目指して軽めのスネアドラムを導入、マイク・ロジャーズ(g)のすばらしいリードボーカルとオリジナルソング、コリー・ヘンズリー(bs)のボーカル、そして何より、今年20歳の若手バンジョー、スクラッグス/リノの若き継承者ジェシー・ベイカー(ソロ『Yes Sir!』¥2,573-)、フィドルには趣味のいい31歳ジェイソン・バリー(ソロ『The Past Is Present』¥2,573-は秀逸!!)、24歳のすばらしいドブロ奏者ジョッシュ・スウィフト……。「School of Bluegrass」と言われるだけの、バンド全員の仕掛けと歌唱力、カントリー市場に手を振りながらも堕することなくブルーグラスらしさをキープする心意気。ドイル67歳、偉大なサウンドクリエーターとしてすでに伝説の人だ!

ROU-9106 NEWFOUND ROAD『Live at Down Home』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ティム・シェルトン(g)のすばらしいボーカルとソングライティングで一躍トップグループに躍り出たニューファウンド・ロードのラウンダーからの第3作通算5作目、最新作は東テネシー、アパラチアのど真ん中、ジョンソン・シティのライブハウス「ダウンホーム」でのテンション目一杯ライブである。地元出身のジョー・ブーハーの超強力バカテク・マンドリン(シーリ以降のマンド界!)、ジョッシュ・ミラーのメリハリの効いたバンジョー(ティムとのソングライティングも秀逸)、ゲスト・フィドラーはハイテンション超テク、マウンテンハートのジム・バンクリーブ、ジェミー・ブーハーのベースといったブルーグラス5人編成で、ソリッドなブルーグラスから、ハイロンサムなスタンレー名曲(バンクリーブのフィドルがすごい"Lonesome River"!)、チャーリー・サイズモアで知られるトム・T.ホール名曲のほか、デイブ・ロギンズの1974年ヒットやジャクソン・ブラウンのカバーを2曲目に持ってくることからも分かるウエストコースト調のオリジナル、そして最後にはジョー・ブーハーのマンドをフィーチャーした8分に及ぶビリー・ウィザーズのソウル系ヒット"Ain't No Sunshine"でしめるエンタメ力作。

SH-4062 SARAH JAROSZ『Follow Me Down』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

すごい19歳、サラ・ジャローズの最新第2作は2009年のデビュー作『Song Up in Her Head』(SH-049 CD¥2,573-)から2年、米国最古の名門音楽学校、ニューイングランド・コンサーバトリーに通うサラ、すごい成長ぶりだ(8月1日心斎橋のクアトロでのマーク・リボウのバンドで来日したキーボードのアンソニー・コールマンがサラの先生だって!!大いに盛り上がった)。バックアップにはショーン・コルビン、ダレル・スコット、ジェリー・ダグラス、ベラ・フレック、ビクター・クラウス、ステュアート・ダンカン、そしてパンチ・ブラザーズまでが名を連ねる。もうひとりの19歳、シエラ・ハルの今春発表の最新作『Daybreak』(ROU-0658 ¥2,573-)で聴かれる素直なブルーグラスとは対照を成す陰影に富んだアコースティック作品だ。ともにブルーグラスから生まれた天才少女ふたり、それぞれに階段を登っていく様子が楽しみだ。

BGR-1001 GRASCALS『Dance Til Your Stockings Are Hot and Ravelin'』CD¥1,260-(本体¥1,200-)

現在トラッドグラスのトップランナー、グラスカルズの最新作は、スポンサー企業とのタイアップ6曲入りミニCD。スポンサー契約している粉物ブランド「メイベリーズ・ファイネスト」の由来であるTV番組『アンディ・グリフィス・ショウ(邦題:メイベリー110番)』が初放映50周年を迎えるにあたっての特別企画、「靴下がホットに融けるまで踊ろう!」というキャンペーンで同番組生まれのディラーズ名曲"Dooley"から、フィドルチューンの超有名2曲"Boil Them Cabbage Down"と"Stay All Night/Old Joe Clark"ほか、実質6曲入りミニCD。鉄壁のグラスカルズによるサイドプロダクト。

COMP-4549 GIBSON BROTHERS『Help My Brother』CD¥2,573-(本体¥2,450-)(歌詞付)

今年のIBMAアワード最優秀アルバムとボーカルグループ、ともに初受賞という快挙を成したギブソン・ブラザーズの最新作。昨秋のIBMA最優秀ソングを取った前作『Ring the Bell』(COMP-4506 ¥2,573-)同様、自分たちのバンド・サウンド、つまりブラザーデュオの真髄をストレートに表現した秀作である。12曲中、ティム・オブライエンらとの共作を含む7曲のオリジナルほか、ジム&ジェシーの"I'll Love Nobody But You"など、また"Talk To Me"ではクレア・リンチをゲストに、ギブソンズのギミックのないすばらしいバンド・サウンドが味わえる。ブラザーデュオという伝統を現在に継承するもっともすばらしいボーカルグループだ。

RCSI-1026 LARRY PERKINS & FRIENDS『I Just Want to Pick Like Earl』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

誰しも「アールのように弾きたいんだ!!」って、思うよね。本作はそんなラリー・パーキンズが、ほぼ22年間にわたって録りためた楽しい22曲、フラット&スクラッグス、そしてカーター・ファミリーに捧げたボーカル物とインスト物半々の秀作。故人となったベニー・マーティン、アンクル・ジョッシュ・グレイブス、ジャネット・カーターをはじめ、元気なドック・ワトソン、カーリー・セクラー、ボブ・ムーアら伝説のミュージシャンたち、そして現役お仲間に、ついにはアール・スクラッグスも登場という、バラエティに富んだアルバム。ラリーは一音ずつにアールの呼吸(バンジョー/ギターともに)を込めることができる稀有のアールオタクである。バンジョー奏者のみならず、この抜けがたい泥沼を楽しむブルーグラス・ファンに捧げる秀作。

COMP-4566 BEARFOOT『American Story』CD¥2,573-(本体¥2,450-) (歌詞付)

あたらしい女性リード・ボーカリスト、チョッとハスキーでブルージーなノーラ・ジェーン・ストラサーズ(g)に交代した若者バンド、ベアフット最新作。まだ20代の柔らかなポップ感覚で書いたノーラのオリジナルを中心に、クラスタープラッカーズからディキシーチックスを経験したポップな感覚の持ち主ブレント・トリットのプロデュース/録音で、アラスカで学生時代からの仲間、ジェイソン・ノリス(m)、アンジェラ・オウディーン(f)、トッド・グリーベ(g)、P.J.ジョージ(bs)から結るベアフットのバンドサウンドも決まる。

COMP-4553 V.A.『I'll Take Love: from the pen of Louisa Branscomb』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

デール・アン・ブラッドリーとアリソン・クラウスが歌う本作のタイトル曲が2011年IBMA最優秀ソングとレコード企画にノミネート。ルイーザ・ブランスコムというすばらしい女性ブルーグラス・ソングライターの13曲を、クレア・リンチ、デール・アン・ブラッドリー、ジョッシュ・ウィリアムズ、スティーブ・ガリー、ジョン・コーワン、シャロン&シェリル・ホワイト姉妹らが歌い、アリソン・ブラウン(bj)、ステュアート・ダンカン/シャド・コッブ(f)、アラン・バイビー(m)、5月に来日したイーサン・バリンジャー(g)、ミッシー・レインズ(bs)らがすばらしくデリケートなバックで美しいメロディーを盛り上げる。

RHY-1065 LONESOME RIVER BAND『Still Learning』CD¥2,573-(本体¥2,450-)(歌詞付)

11月、サミー・シーラーが第2回スティーブ・マーティン賞を受賞して全米ネットTV出演という快挙、ブランド・リックマン(g)とアンディ・ボール(m)という2枚看板ボーカルを前面に、かつてのような意図的なタテノリから脱してストレートなドライブの上にメロディアスな曲を乗せて、ブルーリッジ系ブルーグラスの今を演じるロンサムリバー・バンドの最近作。サミー・シーラーの安定したバンジョーとマイク・ハートグローヴ(f)、マイク・アングリン(bs)のブルーグラス標準編成の5人組が、キャッチーなサウンドを創っていく。メル・ティリスやマール・ハガード、ジョナサン・エドワーズとセルダム・シーンらのカバーなどに、ブランドンのオリジナル、そして最後、IBMAアワード・ノミネートのトラッド曲"Pretty Little Girl"はオールドタイム風味を強調したイケイケのインストで締めくくる。

RC-125 JOHN HARTFORD STRINGBAND『Memories of John』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

いやはや、お騒がせの今年一番BOMヒット作品、惜しくも逃がしましたが2011年グラミー賞最終ノミネートで結構メディアの話題になったジョン・ハートフォード・ストリング・バンド作品です。ジョンの最晩年をともに過ごしたメンバーたち、クリス・シャープ(g)、マイク・コンプトン(m)、ボブ・カーリン(bj)、マット・コムズ(f)、マーク・シャッツ(bs)が、ジョンが心を込めていつくしんだ名曲の数々を再演。ティム・オブライエン、アラン・オブライアン、そしてあのジョンのバンジョーを弾くベラ・フレック、アリソン・ブラウン、ジョージ・バックナーほか、そしてジョン自身をも特別ゲストに迎えた文句なしの感動作です。なお、本作の日本語解説/歌詞はBOMホームページにありますが、プリントアウトをご希望の方はお申し出ください。

■ブルーグラス発掘・編集最近作
今年発表された貴重発掘音源や昔懐かしのブルーグラス!!
OXCD-6033 BUSH, LATHUM & WHITE『Legendary Kentucky Colonels' Trio』CD¥2,363-(本体¥2,250-)

Shucking the Corn/Chug-a-Lug/She's No Angel/Salty Dog/Dixie Breakdown/Once More 他全16曲

1964年というから、あの『Appalachian Swing』を発表した翌年、バンドとして油が乗りはじめたケンタッキー・カーネルズ。シカゴでのライブにローランド・ホワイトが欠席、そのために友人のヒューストン家でクラレンス・ホワイト、ビリー・レイサム、ロジャー・ブッシュの3人が練習しているところを収めたチョー貴重な録音である。もちろん、60年代のプライベート録音なので音質はよくないが、クラレンスのグルーヴを知るには貴重な資料である。なお本作は2003年、故・四方敬士氏がビリー・レイ・レイサムと共同でローランドが参加した6曲のボーナスを含めた全22曲『Rare Performances』(廃盤)として発表しており、またムーンシャイナー誌1999年11月号(MS-1701)から2000年4月号(MS-1706)まで半年にわたって詳細なビリー・レイのインタビューが掲載されている(いずれも数冊の在庫あり、各¥525-、売り切れゴメン!!)。またムーンシャイナー誌では、ローランド・ホワイト著『The Essential Clarence White: Bluegrass Guitar Leads』からクラレンスの生涯を回想した「ホワイト家物語」を2009年3月号(MS-2605)から同10月号(MS-2612)まで8回に渡って連載している(各¥525-)。

GT7-2225 BILL CLIFTON『Gospel Side of Bill Clifton』CD¥1,365-(本体¥1,300-)

あの有名な「母上の墓に跪いて(When You Kneel at My Mother's Grave)」、またそのインテリジェンスが南部の偏狭な信仰をチョッと皮肉ったようにも聴こえる、「あなたの教会とわたしの教会(You Go To Your Church)」など10曲、初めてCD化されたビル・クリフトンさまざまなアルバムからの廉価ゴスペル集。現在ビル80歳、今年もIBMAで会いました。とても元気で奥さんのティネカと丁々発止してましたよ。なお、ビルのスターデイ時代のアルバムで現在CD化されているのは1962年作、"All the Good Times..."や"Gathering Flowers..."、そして「Em」に落ちるコード進行が当時新鮮だった"You Don't Think About Me (When I'm Gone)"や"Girl I Left in Sunny Tennessee"などの懐かしい12曲『The Bluegrass Sound of Bill Clifton』(GT7-2145 ¥1,365-)のみです。

ACD-75 DAVID GRISMAN QUINTET『25th Year Reunion Concert』CDR¥2,573-(本体¥2,450-)

1976年にデビッド・グリスマン・クインテットが結成(同年来日!)されてから25年の2001年早春、ワシントン州シアトル郊外での「ウィンターグラス」で大名盤『David Grisman Quintet』('77、現在廃盤)の1曲目からオリジナル盤の全10曲を順に演じきり、なおかつ"Minor Swing"をはじめ3曲を追加した全11曲の目くるめくライブ78分。もちろんデビッド・グリスマン(m)、トニー・ライス(g)、ダロル・アンガー(f)、マイク・マーシャル(m)、トッド・フィリップス(bs)、オリジナルベーシストのジョー・キャロルこそいないが、当時使っていたマンドリンまで持ち出しての入れ込みよう。ムーンシャイナー誌でも直後に報じたウィンターグラスでのライブは、完全にドーグ・グルーヴに乗ったすばらしい音の粒立ち。演じる彼ら同様、血湧き肉踊るアドレナリン噴出の、さすがブルーグラス経由究極のアコースティック・アンサンブルである。ブルーグラスのドライブとジャズのノウハウが見事に融合、多くのアコースティック・ピッカーに衝撃を与え、ブルーグラスの音楽性を根本から構築し直さざるを得なくなったドーグって、やっぱすごい!! ファン必携/必聴!!

REB-7524 LOST & FOUND『Down on Sawmill Road』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

バージニア/ノースカロライナのブルー・リッジ地方を本拠に、極めて端正なアンサンブルで1980年代以降のいわゆるブルーリッジ系ブルーグラスのパイオニアと目されるロスト&ファンウンドのベスト集。バック・ホワイトを思わせる印象的なフレーズとタッチが身上の故デンプシー・ヤング(m)とアレン・ミルズ(bs)、クロート受けのするジーン・パーカー(bj)らが創立メンバー。メリハリ/エッジの効いたコンポラソリッドなバンドとして馴染みやすい選曲とアレンジが持ち味。スタンダードもウキウキの軽快なブルーリッジ・ブルーグラスにしてしまう名演14曲集。現在のブルーグラス主流を知る導入口として、わたし大推薦バンドです。

RCSI-1031 HARTFORD/RICE/CLEMENTS CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Bound To Ride/If I Should Wander Back Tonight/My Baby's Gone/Sweet Sunny South/We Can't Be Darlings Anymore/Love Please Come Home 他全13曲

故ジョン・ハートフォードと故バッサー・クレメンツ、そしてトニー・ライス……。このブルーグラス偉人3人で1988~90年にかけてカンバーランド河の岩盤をくり貫いたジョンの地下室スタジオに集まり、フラット&スクラッグスとベニー・マーティンを核にトラッド名曲などをカバーする超貴重オタク的私蔵スタジオ録音の発掘である。バックは故ロイ・ハスキーJr(bs)と、プロデュサーでもあるマーク・ハワード(m)のふたり。

REB-7521 McPEAK BROTHERS『Yesteryears』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

その滑らかなトリオ・コーラスと素直なソロで、マイケル・マーティン・マーフィーの"Lost River"やルイーザ・ブランスコム/アリソン・クラウスの"Steel Rails"などがピタッとはまる、まさに「ハッピーミディアム」なマクピーク・ブラザーズ。当時はローカルとしてあまり注目されなかったが、きっと今なら70年代ブルーグラス・ファンに支持してもらえるに違いない。1977年からの3枚のカウンティとレベルのアルバムのベスト集には若きリッキー・スキャッグス(m)とジェリー・ダグラス(d)にジム・ブキャナン(f)ほか。抜群の選曲、疲れないソフトなハーモニーで大人のブルーグラスがとてもいい。バンドしてるおじさん、こんなのやると、きっと女の子たちがうっとりと聴いてくれるよ!?!

WOU-4464 EARL SCRUGGS REVUE『Live from Austin City Limits』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Nashville Skyline Rag/I Shall Be Released/Sally Goodn/Earl's Breakdown/Black Mtn Rag 他全10曲

1969年にフラット&スクラッグスを解散、息子たちとのアール・スクラッグス・レビューで、まったくあたらしいロック・マーケットに挑戦していたアール・スクラッグス、1977年発表のライブがCD化されている。現在もつづくTVライブ番組「オースティン・シティ・リミッツ」での快調に飛ばすライブで、ピックアップを通したバンジョーからもアールがしっかりと聴こえる。3人の息子、ゲイリー(歌とボーカル)、ランディ(ギターとフィドル)、スティーブ(キーボード)、そして不動のドラマージョディ・メイフィス(早弾きギターのジョー・メイフィスの息子)に、ジム・マーフィーのスティール・ギターが参加。ブルーグラスとロックがフュージョンしたユニークなサウンドである。

GT7-0959 DON RENO & RED SMILEY『1951-1959, Complete King Starday Recordings Vol.1』CD4枚組¥4,725-(本体¥4,500-)

GT7-2209 DON RENO & RED SMILEY『1959-1963, Complete King Starday Recordings Vol.2』CD4枚組¥4,725-(本体¥4,500-)

GT7-2176 DON RENO & RED SMILEY and Bill Harrell『1963-1972, Complete King Starday Recordings Vol.3』CD4枚組¥4,725-(本体¥4,500-)

ビル・モンロー、フラット&スクラッグス、スタンレー・ブラザーズの御三家の後塵を拝すといえども、ジミー・マーティンと並んでブルーグラス第一世代の最重要5バンド、レノ&スマイリー。第1集が109曲、第2集87曲、第3集95曲の全291曲、タイトルのように完全ではないようだが、レノ&スマイリーの主な録音が勢ぞろいする廉価セット三部作。順に集めるなら、もちろん第1集から!

GT7-2180 STANLEY BROTHERS『Early Starday-King Years, 1961-1965』CD4枚組¥4,725-(本体¥4,500-)

GT7-2207 STANLEY BROTHERS『Early Starday-King Years, 1958-1961』CD4枚組¥4,725-(本体¥4,500-)

ビル・モンロー、そしてフラット&スクラッグスと並び称せられるスタンレー・ブラザーズの初期スターデイ/キング録音全集の第1集は全103曲、第2集は全111曲で、廉価版全集二部作でキング/スターデイ録音のスタンレー・ブラザーズ録音214曲。「ハッピーな曲を悲しく、悲しい曲をより辛く」歌うといわれるカーター・スタンレー。1966年に他界、貧しく厳しいアパラチアの陰影を引き摺った41年の短い生涯だった。ムーンシャイナー誌2011年4月号と5月号連載のスタンレー・サウンド特集とともにお楽しみください!!

■2011年話題のインスト作品
COMP-4565 NOAM PIKELNY『Beat the Devil and Carry a Rail』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ブルーグラスをまったく異次元に運びつつあるパンチ・ブラザーズのバンジョー奏者ノーム・ピケルニーの凄い!!バンジョー最新作は、スリーフィンガーバンジョーのバーをさらに持ち上げるすばらしい作品だ。昨年、第1回スティーブ・マーティン・バンジョー&ブルーグラス賞を獲得、ベラ・フレック以降のもっとも才能溢れるクリエーターとして誰もが認めるノーム、2004年の『In the Maze』(¥2,573-)に次ぐ第2作。基本バンドはティム・オブライエン(m)、ステュアート・ダンカン(f)、クリス・エルドリッジ(g)、マーク・シャッツ(bs)にジェリー・ダグラス(d)が3曲。イーファのほかティム・オブライエンもバウンシーなブルースボーカルを1曲聴かせるほかに、ゲストにはすばらしいクロウハンマーのスティーブ・マーティン、独自の世界観でケムに巻くデビッド・グリアと天才少年アレックス・ハーグリーブズ、クリス・シーリとブライアン・サットン、マイク・コンプトンほか、さすがの一癖二癖が並ぶ。ノーム流ブルーグラス……もう完全に、脳味噌をかき混ぜられっ放しのバンジョー大秀作。ただただ、この美しい音の洪水と組み合わせに身をゆだねて楽しめばいい。バンジョーファン必聴!!

WC-2011 JOHNNY WARREN & CHARLIE CUSHMAN『a Tribute to Fiddlin' Paul Warren Vol.2』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

なんと贅沢な……ジェリー・ダグラスがリズム・チョップだけとか、"Randy Lynn Rag"や"Lonesome Road Blues"で間奏してもジョッシュの完コピとか、ブライアン・サットンがジョニー・ジョンソン並みのソックリズムに没頭とか、リッキー・スキャッグスがトラッドフィドル・チューンのお手本マンドとか、デル・マッカーリーが黙々と全曲でリズムギターのみとか……そんなことを喜々としてやってみたくなる、つまりあの、憧れのフラット&スクラッグスのインスト、いや、もっと言えばそのバックボーンとなるフィドル・チューンのグルーヴ再現。ジョニー・ウォーレン(f)が形見のフィドルを手に父ポールに捧げる、バンジョートーンの達人チャーリー・クッシュマン(bj)とコンビを組んだCD第2弾である。2009年発表の第1弾(『a Tribute to Fiddlin' Paul Warren Vol.1』WC-2009 ¥2,573-)とともに、古き良きフラット&スクラッグス・グルーヴ信奉者必携作品!

MCP-0065 TONY WILLIAMSON『Lloyd Loar Mandolins』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Twin River Rag/All of Me/Tico Tico/Cherokee/Satin Doll/Dusty Miller/Fiddle Tunes 他全14曲

デビッド・グリスマンが一目置くというビンテージ・マンドリンの大家、トニー・ウィリアムソン。20世紀のアメリカン・スタンダード名曲を中心に、フィドルチューンを含めて、いまやストラディバリ同様の評価と扱いがされるというロイド・ロアー時代(1920年代)のサイン入りマンドリンを、ソロで片っ端から弾き比べる(チョッと恥ずかしそうに歌う2曲、1曲は自社宣伝だが、意外と可愛い!?)。今年もロイド・ロアーを束ねて、キャリーカートに積んでIBMAのWOB会場をウロウロしていたトニー、リーマン・ショック以来、一説には、ふたたび市場に戻ってきたといわれるロイド・ロアー。CDの最後に、収録14曲に使用した13台のロイド・ロアー・マンドリン(1台のみ2006年ポール・ダフ作品)のまったく同じ「トーン当てクイズ(賞品は千ドル相当の商品)」のコードとスケール弾きが収められており、CD購入者に投票権(同封のハガキ)があるという。当選発表は、来年4月27日のマールフェスで「ロイド・ロア・マンドリン」というセットで発表されるという気合の入れようだ。ところで、いかがですか?ロイドロアー1本……!?

COL-84118 YO-YO MA, STUART DUNCAN, EDGAR MEYER, CHRIS THILE『Goat Rodeo Sessions』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Attaboy/Quarter Chicken Dark/Helping Hand/Here and Heaven/No On e But You/10:8 他全11曲

クラシック界で大ヒットしたマーク・オコナーとの『Appalachian Waltz』(1996)と続編『Appalachian Journey』(2000)つづいて、ヨーヨー・マがふたたびブルーグラスに取り組んだ意欲作。お相手はクリス・シーリ(m,g,f)、ステュアート・ダンカン(f,bj)、そしてつなぎ役のエドガー・マイヤー(bs)、ボーカルゲストにはイーファ・オドノバン(ウェイファーリング・ストレンジャーズ~クルックド・スティル)。全曲がエドガー/クリス/ステュアートの作曲、つまり基本テーマを軸にしたインプロバイズ作品で、おそらくヨーヨーとエドガーが縁を作って、クリスとステュアートが自在に暴れるという設定だろうか。その研ぎ澄まされた楽器技術の上に、動じることなく強烈な自己主張をするクリス、……最強の弦楽四重奏団にファンキーなマンドリン男が加わった、まったくあたらしいブルーなグラシック音楽である。百言は一聴にしかず!!

CRA-33033 TIM GARDNER『Timmetry』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Dailey's Reel/Lazy John/Midnight on the Water/Ryestraw/Denver Belle/Katy Hill 他全14曲

現在、アパラチア文化の中心地の様相を呈するノースカロライナ州アッシュビル。若者と芸術の街として静かに発展するアッシュビルを象徴するようなフィドラー、ティム・ガードナーのトラッドフィドル集。決して奇をてらわず、ブルーグラスとオールドタイムをほぼ1曲ごとに弾き分けるローカル・ミュージシャンたちのすばらしいこと! ケニー・ベイカー曲"Denver Belle"が趣味のいいオールドタイムになったり、ベニー・トーマソン曲"Midnight on the Water"はケルト系のエアを思わせ、オーブラザー以来流行の"Squirrel Munster"がメロディック・バンジョーと絡んだニューケルトグラスの趣を聴かせたり、ティム自身のクロウハンマー・バンジョーも1曲収めるなど、チョッとした洒落ッ気も楽しませてくれる。兄と両親とともにやっていたファミリーバンド以来のもっとも好きな曲を集めたというシンプルにして折り目正しい(ベイカーとトンプソンの2曲以外は)トラッドなブルーグラス&オールドタイム・フィドル集である。最後には100年前のシリンダー録音音源を配し、アパラチアン・フィドル伝統の永続性を印象付ける、趣味のいいフィドル作品である。

MRR-1013 SNYDER FAMILY『Stages』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

昨年夏、驚きをもって紹介した中学生の兄ゼブと小学生の妹サマンサ、ふたりのギター/マンドリンとフィドル/ボーカルを中心に、父バド(bs)のトリオ、スナイダー・ファミリーの最新作。7曲がインスト、6曲の歌物で12歳と16歳になった兄妹のスーパーピッキンを堪能する。ふたりそれぞれのオリジナルのほか、J.J.ケールのカバーや最後には2曲続けてのフォスター、"...Pilgrim"ではフラットピックでトラビス・ピッキンに挑戦など。12歳にして主張とリズムがしっかりしたサマンサと、数多いるキッズピッカーの中でも群を抜いたゼブ・スナイダーのフラットピッキン・ギターをお楽しみください。……末恐ろしい子供たちです。

SFR-33038 VERNON SOLOMON『Texas Breakdown』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

1924年というから、アール・スクラッグスと同年生まれ。つまり、もっとも多感な時代、1930年代から40年代のアメリカ音楽革命、白人も黒人もルーツ音楽がポップになることを経験した世代だ。バーノン・ソロモンの場合、それはテキサス・フィドルという伝統だった。フィドル一家に生まれ、7歳でコンテストに初挑戦第3位、翌年には遂に父を負かして1位となっている。18歳で軍に入隊、しばらくフィドルを忘れるが硫黄島でカール・ヘイゼルウッドと出会い、「兵舎で彼の弾くのを4日間、我慢して聴いていたが耐えられずフィドルを借りて一晩中弾いた」という逸話がある。戦後結婚、多くのコンテスト・フィドラー同様、ほとんど録音を残さなかったが、1972年、ドック・ハリスの招きでナッシュビルのグランド・マスターズ・コンテストに参加、現在IBMAのWOB期間中に行われている同コンテストの最初の優勝者となっている。美しいバリエーションと、ベニー・トーマソンの流れるフィドルよりも歯切れの良い典型的なテキサス/コンテスト・フィドルが楽しめる、彼の絶頂期である1970年代後半にデイビス・アンリミテッド・レーベルから発表された有名テキサス曲一杯の秀作のCD化である。

RCD-59496 THREE RING CIRCLE『Brothership』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Brothership/Just a Rumor/Anthem/A Day in Bolinas/A Go Go/Wildflowers/B Funky 他全11曲

至るところにスーパーピッキンが聴けるお楽しみインスト・トリオ、アンディ・レフトウィッチ(m,f)、ロブ・アイクス(d)、デイブ・ポメロイ(bs)によるプロジェクト、スリー・リング・サークルの2006年デビュー作につづく最新第2作。マンドリンとドブロというメロディ楽器を、歌うベースがリズムのみならず、しっかりとした方向付けをしていくダグラス/バレンバーグ/マイヤーのトリオと同様、まったく新しいアコースティック・アンサンブルを楽しませてくれる。

■2011年のオールドタイム/フォーク話題作
DTR-001 BRAD LEFTWICH & HOGWIRE STRINGBAND『Rascal Fair』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

古いラウンドピーク・スタイルのフィドルとバンジョーを現在に伝える導師、ブラッド・レフトウィッチの楽しいオールドタイム・ストリングバンド、ホッグワイアーの最新デビュー作。16曲中、歌物が11曲とフィドルチューンが5曲、ブラッドのフィドル、パートナーのリンダ・ヒギンボサムのバンジョーとバンジョーウクレレ、元パンクロッカーというジョエル・レンシュのリズムギター、そしてマリエル・アベルのベースで、ストリングバンドのダンサブルなリズムに乗って、タイトなハーモニーを聴かせる現代オールドタイムの秀作。ちなみに導師ブラッドには、本物のオールドタイマーに近づけるラウンドピーク・スタイルのフィドル教則+CD『Old Time Fiddle Round Peak Style』(MB-20485BD ¥4,095-)、とバンジョー教則+CD『Round Peak Style Clawhammer Banjo』(MB-96660BD ¥3,885-)がある。

UNI2748927 O.S.T.『O Brother Where Art Thou? 10th Anniversary Deluxe Edition』CD2枚組¥3,360-(本体¥3,200-)

10年前の2001年に発売、翌2002年のグラミー総合部門最優秀レコード賞に輝き、アメリカ音楽史の一時代を創った映画『オーブラザー!』(コーエン兄弟監督、ジョージ・クルーニー主演)のサウンドトラック盤の発売10周年記念の特別2枚組。ライブドキュメントされた囚人歌からスタンレー・ブラザーズ"Angel Band"まで、ジョン・ハートフォードやアリソン・クラウス、ノーマン・ブレイクやザ・ホワイツほか全19曲のオリジナルサウンドトラック盤に、当時採用されなかったオルタナテイクや映画に使用された音源などの全14曲のボーナス盤付豪華編。なんと!!、760万枚にのぼる売り上げを記録、「オーブラザー現象」とまで呼ばれ、第2のフォークリバイバルを招来させた21世紀の奇跡的大名盤、お持ちでない方はぜひこの機会にお勧めします。オールドタイムやブルースも含まれたアメリカ南部のルーツ音楽を網羅、アパラチアの生活/宗教/快楽など、人々の有り様を見事に活写したジャンルにこだわらない作品だが、米メディアはこれを当時、すべてひっくるめて「ブルーグラス」と紹介、にわかにブルーグラスが注目され、バンジョーやマンドリンの売り上げが激増、ブルーグラス界に大きな恩恵をもたらした記念すべき作品でもある。ブルーグラス/カントリーなどの全アメリカ南部音楽ファンに、強力お勧めの大秀作である。

OB-708 V.A.『Recordings from Galax 1967 & 2010: In the Field Behind the Stage』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

1935年以来つづくバージニア州ゲイラックスのフィドラーズ・コンベンション。その会場のさまざまなところでオールドタイムもブルーグラスも入り乱れて繰り広げられるジャムを昨2010年にフィールド録音した全34曲(内8曲オスカー・ジェンキンズ3曲、リーク・コウドル2曲、ジョン・アッシュビー3曲は43年前の1967年に収録されたもの)。この歴史あるコンテストを通して、民衆の中に生きる音楽文化の魅力が楽しめる。カーク・サッフィンやバディ・ペンドルトン、ローン・マウンテン・ヒルトッパーズなど、オールドタイムの有名どころも参加したゲイラックスの熱気をドーゾ。

5SP-8003 ALICE GERRARD & MIKE SEEGER『Bowling Green』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

アパラチアの伝承音楽が現在も健在である最大の功労者である故マイク・シーガーが、その同志アリス・ジェラードと遺した1980年のLPアルバム全14曲と、1970年の日本ツアーで遺したライブ7曲、そして1979年のトミー・ジャレルとのトリオが2曲ほか全26曲、アリスとマイクのふたりが創り上げた録音をまとめた唯一のCDアルバム2008年作品。日本ツアーのライブ(函館から2曲と東京5曲)では、息のあった男女(ブラザー)デュオやカーター・ファミリーからロジャー・ミラーまで、カリフォルニア出身のアリスの音楽センスが光る。ムーンシャイナー誌2009年9月号から12月号までマイク・シーガー追悼特集(12月号では麻田浩さんの「1970年11月15日~12月15日」日本ツアーの思い出あり)がある。われわれは41年前、すばらしいライブを見たんだねぇ!!

■カントリー/ホンキートンク/ヒルビリー最近作
SFR-1003 TENNESSEE MAFIA JUG BAND『Poor Leroy's Almanack』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

マーティ・ステュアートが影のメンバーで参加するすばらしいブルーグラス以前のヒルビリー音楽、テネシー・マフィア・ジャグバンド最新作。1930~40年代にロイ・エイカフやブラザー・オズワルドがブルーグラスやホンキートンク・カントリーのはじまる前に確立したマウンテン風味溢れる懐かしのサウンドが一杯。アンクル・デイブ・メイコンの再来といわれるリロイ・トロイ(bj)とレスターとマイク(g)のアミステッド親子のヒルビリー唱法に、それでも主役のフィドルにはダン・ケリー(アラン・ジャクソンやクリント・ブラックで活躍)を配して現代フィドル美学を聴かせつつ……、田舎の白人農場社会の底辺にあり続けるスピリット、この強烈なエネルギーにはひれ伏すしかない。ちなみに2003年のデビュー第1作『Barnyard Frolic』(RME-0600 ¥2,573-)には、デビッド・タルボット(bj)、マット・コムスとシャド・コッブ(f)にマック・ワイズマン、あのジャック・クレメンツまで登場!!

BCD-16636 HANK WILLIAMS『Rockin' Chair Money』CD¥2,888-(本体¥2,750-)

Tennessee Border/Move It On Over/I Saw the Light/Lovesick Blues/Roly Poly/Hey Good Lookin'/Honky Tonk Blues/Jambalaya/Kaw-Liga 他全33曲

不世出のアメリカン・シンガーソングライター、おそらくボブ・ディランとともに20世紀の偉人として語り継がれるだろうハンク・ウィリアムズ(1923-1953)の有名33曲、とくにホンキートンクで受けそうな調子のいい曲をズラーッと並べた美味しいコンピレーション。29歳で早世したハンクが遺したデモやライブ録音に、1950年代のチェット・アトキンスやグラディ・マーティンをはじめ、当時の一級ミュージシャンたちがホンキートンク・カントリーサウンドをオーバーダブしたものを中心にしたコレクションだ。オリジナル至上の原理主義者はきっと眉をひそめる企画だろうが、もしハンクが50年代を生きていれば……、という楽しみもある。このところ未発表曲や豪華ボックス物で身辺の騒がしいハンク、そんなハンクの有名曲を一挙に聴けるというのも、美味しいやん!?

DO-7012 LAURA CANTRELL『Kitty Wells Dresses: Songs of the Queen of Country Music』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ローラ・キャントレルが現在92歳カントリー音楽の女王キティ・ウェルズに捧げた"Making Believe"ほか、メチャクチャいいホンキートンク作品。1950~60年代の雰囲気を完璧に再現できるすばらしいインテリジェンスと、何よりもこのすばらしいクラシック・カントリーの音を創ったバックミュージシャン――バディ・スパイカーの秘蔵っ子ビリー・コントレラスのソウルフルに唄に寄り添う極上フィドル(凄いです!!)、アールの孫にして初期スティールギターを再現するクリス・スクラッグス、そしてマイク・バブ(bs)というブルーグラス・コネクションに、ウィリアム・タイラーとベン・ホール(g)――の凄さ! ローラはもちろん、ナッシュビルが生み出した極上のホンキートンク・サウンドを再現、強力にお勧めします!!

HOTR-4151 GEORGETTE JONES『Slightly Used Woman』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ジョージット・ジョーンズ、「カントリー音楽界のプリンセス」と呼ばれる……なにせジョージ・ジョーンズとタミー・ワイネットの娘、両親がともにカントリー音楽名誉の殿堂メンバーという彼女のデビュー作である。母タミーが書いたタイトル曲ほか、父母の曲やキティ・ウェルズなどに、父ジョージとは自作の"You and Me and Time"でデュエットも。ポール・フランクリン(steel g)をはじめ、デイブ・ポメロイ(bs)、ブレント・メイソン(eg)らのナッシュビル・ミュージシャンにレジー・ルーファー(f)やジャスティン・トレビノらハーツオブテキサスの常連らで手堅いサウンドを創っている。

■2011年の日本アーティスト作品
UICV-1017 齊藤ジョニー『アイ・アム・ジョニー』CD¥2,000-(本体¥1,905-)

今秋メジャーデビューしたJ-ポップ初のブルーグラス作品!? ブルーグラス新入荷参照。

R-1190050 トリ・ユニット『Monroe』CD¥2,500-(本体¥2,380-)

1984年頃、ブルーグラスとしてはじまった「トリ・ユニット」は、中学からの同級生であるマンドリニスト吉津正司とギタリスト川瀬眞司に、ベーシスト中村尚美が2007年に参加、ジャズ・トリオとして活動している。タイトルはビル・モンローの訃報に接して吉津が書いたオリジナル(フィドルに足立安隆)だが、そのほかはジャズ・スタンダード、I can't Give You Anything/Broadway/Misty/Swing 39/Take the 'A' Trainなどを中心にしたスウィング感溢れるジャズ作品全11曲("Little Rock Getaway"には吉崎ひろしのバンジョー)。ブルーグラス時代からジェスロ・バーンズに憧れつづけ、ついにジャズ・アルバムを仕上げた吉津を助けた川瀬。バンジョー出身ながらジャズ・ギタリストとしてプロ活動をする彼が、大病を患った吉津を励ましてここまでのアルバムを創り上げた友情に感動だ。そして吉津、川瀬/中村のリズム/ビートに乗って心地よくスウィングする。ムーンシャイナー誌10/11月号の連載特集とともに、お勧め作品である!

ISG-2011 きたむらいづみ『Izumi』CD¥2,800-(本体¥2,666-)

2002年のデビュー作『Sweet Grass』(CD¥2,800-)につづく、北村いづみの最新第2作。そのフォノジェニックなボーカルを、奥沢明雄がアレンジと共同プロデュース担当して、ジミー・ロジャーズからプレスリー、ジャズやブルーグラスのスタンダードなどの5曲を散りばめつつ、フォスター"Hard Times Come Again No More"の日本語詞、そしてオリジナルが6曲、バランスよく配したポップな作品に仕上げている。バンジョーを弾きはじめた中学生の頃、70年代後半には確かマリア・マルダーに私淑し、関西のリズム&ブルース界でも活躍していた。そんな彼女が、家庭が落ち着いたのち、ブルーグラス・フェスに戻ってふたたび歌いはじめてから創りはじめたと思われるオリジナルの数々では、自分の音楽ルーツである自然や山をロマンチックに歌い込む。カントリーには尾崎孝のスティールやドブロ、徳武弘文のギター、宇戸俊秀のキーボードなど。ブルーグラスでは有田純弘(bj)、岸本一遥(f)、竹内信次(m)らに、渡辺茂(bs)、高橋結子(drums)らがリズムを支える。ムーンシャイナー1月号特集予定。

MR-1290 LEONA『A New Peace Within』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

2009年にETSU(東テネシー州立大学)を卒業した徳武レオナのデビューCDアルバム。フィドルのオリジナル・インストが3曲、夫でもあるバンジョー奏者、J.P.マシスとのオリジナル・ボーカル曲が3曲、そしてモンロー/フラット/スタンレーのスタンダードにトラッドフィドルチューンが2曲に、レオナの18番"Roly Poly"の全12曲。ムーンシャイナー2011年6月号特集参照。

HC-2011 ハニークッキーズ『Honey Cookies』CD-R¥1,000-(本体\952-)

Freight Train/Scottsboro/In Tall Buildings/Gonna Lay Down My Old Guitar/あったかい歌。

ムーンシャイナー誌10月号で紹介した関東の若手ブルーグラッサーたち、名古屋大学でサニービレッジというブルーグラスバンドを結成、滋賀フェスのチャンピオンにもなった手塚洋輔のフラットピッキン・ギターと手塚里美のベースに、東京でブルーグラス両親のもとに育った手島宏夢のフィドルのトリオ、現在東京を中心に活躍する若手、ハニークッキーズの5曲入りデビューミニCDアルバム。

AJB-0902 内田昭弘『aki solo』CD-R¥1,500-(本体¥1,429-)

AJB-0903 ノリ、アキ&ヨシ『spring session』CD-R¥1,500-(本体¥1,429-)

「AJB-0902」は、オールドタイム・フィドルの魅力をタイトルどおりのソロ、バイオリン1本で20曲を弾き切る内田昭弘の手作りCD。

「AJB-0903」は、内田昭弘のフィドルに小林良弘のバンジョーと平山政功のギターが加わった典型的なオールドタイム・ストリングバンド集。とめどないアパラチアン・フィドル・レパートリーから20曲が次から次へと演じられる。オールドタイム・ストリングバンドの魅力は、黙々と刻まれるリズムに乗っていくチョッと引っ掛かりのあるフィドルのメロディーなんだという内田、ムーンシャイナー2009年10月号(¥525-)に安川直樹インタビューによる内田昭弘の「至福のオールドタイム・ジャムを語る」がある。

RB-1001 RAINY BLUE『Folk Songs Ⅱ/帰郷』CD¥2,000-(本体¥1,904-)

大阪の5人組モダンフォーク・バンド最新第三作。2009年には「日経おとなのバンド大賞」で審査員奨励賞を受賞した。

RPJB-2010 ラグパパス・ジャグバンド『Ragpapas' Jugband』CD¥1,575-(本体¥1,500-)

神戸のラグパパス・ジャグバンドのデビュー作。開けっぴろげな南部エンターテイメントのジャグバンド音楽。勝木徹芳、さわむらしげはる、神田修作、そしてブルーグラス45/リーブズ・オブ・グラスのジョッシュ大塚とモンロー・マンドリンの秋元慎のブルーグラス系の5人組が、諧謔的な日本語オリジナルや有名ブルースやオールドタイム、ブルーグラス曲のカバーに乗って楽しくエンターテイメント、人生に笑いと活力を……どーぞ!!

PSR-0901/2 坂庭省悟『メモリアルアルバム 心の旅2』CD2枚組¥4,000-(本体¥3,810-)

漕げよ、マイケル/Foggy Mountain Breakdown、綿つみの唄/ぼくの古いギター、Black Mountain Rag/ギター教室/カーターファミリーメドレー 他全23曲

2003年12月、52歳という若さでいった坂庭省悟、2年前に発表された『心の旅』(完売)の第二弾。今回のアルバムは、坂庭省悟が大好きだった仲間たち、ソロ活動をはじめて以降の、宮崎勝之、有山じゅんじ、松田"ari"幸一、茶木みやこ、青木まり子と組んだMMS・PETA、そして盟友・城田じゅんじ、Shogo BRAND.でのライブ音源に加え、1970年フェスティバルホールでのマヨネーズの音源なども収録しているという。今年12月で坂庭が亡くなってから8年、早いような長いような……。

SGSM-001 SWING SAM『Gypsy Swing, guest "Maedolin"』CD¥2,000-(本体¥1,905-)

東北大出身の鈴木知彦(g)、立命大出身の松浦康隆(bs)、そして高知ブルーグラス・バンドの秋山議範(f)に、広島で活躍する「マエドリン」前田宏樹(m)、全員がブルーグラス出身者によるジプシー・スウィング。ムーンシャイナー2011年7月号特集参照。

MDCL-1515 LONESOME STRINGS & MARI NAKAMURA『Folklore Session』CD¥3,150-(本体¥3,000-)

インストユニット、ロンサム・ストリングスとオリジナルな英語詞中心で着実な活動をつづける中村まりによる日本製アメリカントラッド秀作。ムーンシャイナー2011年7月号特集参照。

インスト新入荷
RCSI-1050 GRANT GORDY CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Pterodactyl/Channel One/Interlude/Blues to Dawg/Digging Hargrieves/Goodbye Liza Jane 他全13曲

ムーンシャイナー12月号カバーストーリーのグラント・ゴーディのデビュー作は、ものすごいギター/フィドル/マンドリン・インスト集。本作と先月紹介したノーム・ピケルニーの最新バンジョー集『Beat the Devil and Carry a Rail』の2作品で、21世紀に入ってからの若者ブルーグラスたちの実力とその方向が、ようやくクリアに見えてきたのではないだろうか? モンロー/スクラッグスの天才が創り、ダッフィ/ブッシュ/グリスマンが拡げ、ストレングス・イン・ナンバーズがジャズやクラシックというジャンルさえ越えて、今ようやく、「ブルーグラス」という楽器アイデンティティを持った独特のあたらしいアコースティック・アンサンブルが確立しつつあるのではないだろうか? グラントの信じられないドレッドノート・ギターでのフラットピッキン、天才アレックス・ハーグリーヴス(ムーンシャイナー2010年7月号カバーストーリー)のフィドル、現在バークリー音楽院在学で、デッドリー・ジェントルメンにも参加するマンドリニスト、ドミニック・レスリー(2006年2月号で15歳の彼を特集)、パンチ・ブラザーズのポール・コワート(bj)のカルテットに、カナダでバンジョーの新世代を切り拓いているジェイム・ストーンと、グラントのボス、デビッド・グリスマンがゲスト参加……そうそう、現在グラントはDGQの正式メンバーです。5年くらい前から目をつけていたグラント、実は本作の発表(昨秋)を見逃していたという体たらく、皆さん、この凄い音が1年遅れだったことをお詫びします!! グラントに関してフラットピッキン・ギター誌「2011年9/10月号」で特集、"Channel One"のタブ譜がある。また、バイオリン・ショップのDVD映像作品『Vol.3』(DVD¥3,990-)でも、凄いのが見られますよ!

RUR-402 CLARENCE "Tater" TATE『20 Bluegrass Fiddle Classics』CD¥1,838-(本体¥1,750-)

Katy Hill/Sally Goodin/Silver Bells/Snow Deer/Salt Creek/Whiskey Before Breakfast/Big Sandy/Dear Old Dixie/Sugar Tree Stomp 他全20曲

2007年10月17日に76歳で他界したテイター・テイト、ブルー・グラス・ボーイズのベーシストとしてビル・モンローの晩年を公私共に支えたテイターはしかし、すばらしい第一世代ブルーグラス・フィドラーでもあった。その切り込み鋭いフィドルとダブルストップは、現在のフィドラーのような繊細という種類のテクニックではないものの、オールドタイム・フィドルのシャッフルにブルーグラスのドライブを持たせたポール・ウォーレンらと同様の高揚感を聴かせてくれる。1960年代後半、レッド・スマイリーのバックバンドとしてブルーグラス・カッタップスを名乗っていた頃、朋友のビリー・エドワーズのバンジョーとの掛け合いを軸に、1~2分の短い演奏時間でさまざまな有名フィドル・チューンを聴かせる。"Dear Old Dixie"での見事なベニー・マーティンのコピーや、まだ高校生だったとき、この中の"Prosperity Special"がとても気に入って、ブルーグラス45になる前のバンドで廖さんにコピーしてもらってレパートリーにした覚えがある懐かしいLPアルバムなどからのCD化である。

FIDDLE-101 QUEBE SISTERS『Timeless』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

So Long to the Red River Valley/Shame on You/Take the 'A' Train/Georgia On My Mind/Tumbling Tumbleweeds/Air Mail Special/Roly Poly 他全14曲

すこし前、youtubeを通じて日本でも話題となったフィドル三姉妹クエベ・シスターズの2007年作品が装いもあらたに新発売だ(2003年発表のデビュー作『Texas Fiddlers』¥2,573-も同時発売!!)。可愛い10代の三姉妹が弓を揃えてウエスタン・スウィングの醍醐味、トリプル・フィドルとトリオ・ハーモニーを聴かせる全編ハッピーサウンド。テキサス・スタイル・フィドルという、「コンテスト・フィドル」とも称される極めて洗練されたフィドル・チューンのテクニックを基にスウィング・リズムを配することで1930年代に独特の音楽ジャンルを成したウエスタン・スウィングの名曲を中心に、ソックリズムに徹するギターとベースだけのバックで、グレース、ソフィア、ハルダの三姉妹がのびのびと歌いフィドる底抜けにハッピーな作品。

PSR-1111 内藤希花/城田純二『Keep Her Lit!』CD¥3,000-(本体¥2,857-)

Far Away Waltz-Trip to Skye/The Maids of Selma/Girl Who Broke My Heart/夜汽車-Ookpick Waltz/Teetotaler's Reel-Whisky Before Breakfast-The Virginia/旅立つ前に-Calliope House 他全13曲

4、5年前にアイリッシュ・フィドルと出会ったという「クラシック漬け」だったという若いフィドラー内藤と、同じくクラシック・ピアノからナターシャセブンでのバンジョーを経て、アイリッシュギターで高い評価を受けるベテラン城田のユニット「マレカ&ジュンジ」によるアイリッシュ・フィドル集。アイリッシュ・フィドルならではの涼やかなメロディラインとボーイングに秘められたビートが城田の繊細なギターで浮かび上がってくる見事なユニットである。城田のギターソロ1曲とオリジナルソング2曲、スリーフィンガー/クロウハンマーバンジョー1曲には河合徹三のベース。暑苦しいアメリカン・フィドルとは趣きの違う、涼やかなアイリッシュ・フィドルの響き……、といってもこのユニット今どきのアイリッシュっぽい、ちょっとアメリカンな揺らぎもある響きをお楽しみください。

GT-5161 NASHVILLE MANDOLIN CD4枚組¥2,573-(本体¥2,450-)

なんと! CD4枚組全100曲のアメリカン・スタンダード曲のマンドリン・インスト集。かつて、4枚別々に売り出されたものが4枚組セット廉価盤で登場。バックはソフトタッチなナッシュビル・サウンドで、ミュージシャンのクレジットはないが、手慣れた一級のバックアップは間違いない。またマンドリンはおそらく故ブッチ・バルダサリと思われ、シンプルなメロディにチョッとしたスラーやメロディの選び方に非凡なタッチとトーンを聴かせる。BGMとしても楽しめるし、楽器を弾く人にはスタンダード曲のメロディを知る絶好の参考音源だろう。

カントリー新入荷
EGYPT-9010 V.A.『The Lost Notebook of Hank Williams』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

1953年の正月、29歳で亡くなった偉大なシンガーソングライター、ハンク・ウィリアムズ(1923-1953)が生前に書き残していた未完の歌詞やアイデアに、現在のアメリカを代表するミュージシャンが取り組んで完成させた話題作。なんと、ボブ・ディランが主宰するエジプシャン・レコード、1997年に発表した『The Songs of Jimmie Rodgers - A Tribute Album』以来、14年ぶりの第2作である。いやはや、ディランのシンガーソングライターとして、ジミーにハンクというアメリカの産んだ先人に対するこの上ないリスペクトには恐れ入る。ロックとカントリー、双方に殿堂入りしている数少ないアーティストのひとりであるハンク(ほかに、ジミー・ロジャーズ、ボブ・ウィルス、ビル・モンロー、ジョニー・キャッシュのみ)、そんなアメリカ精神の塊のような魂を理解し再構築するのはアラン・ジャクソン、ボブ・ディラン、ノラ・ジョーンズ、ジャック・ホワイト、ルシンダ・ウィリアムズ、ビンス・ギル&ロドニー・クロウェル、パティ・ラブレス、リボン・ヘルム、ホリー・ウィリアムズ、ジャコブ・ディラン、シェリル・クロウ、マール・ハガードという錚々たる顔ぶれ。そのどの曲も、ハンクの血肉が感じられるほどに生々しい。

TOYU-0511 宮前ユキ『White Lightning』CD¥2,800-(本体¥2,667-)

Ring of Fire/Apartment #9/Today I Started Loving You Again/Honky Tonk Angels/美しい朝/Crazy Arms/うつろな日曜日/Tennessee Waltz 他全11曲

前作『Waltz of the Wind~風のワルツ~』以来、5年ぶりの最新作は、奥沢明雄(g,m,v)、尾崎博志(d)らにアリソン・ブラウン(bj)、マット・コム(f)、ドン・リグズビー(m,v)、マロ川端(g)、マーク・シャッツ、渡辺 茂(bs)らブルーグラス系アコースティック・セットと、村中愛靖、スリム山口、ロイド・グリーン(steel g)、ゲアリー・ウエスト(ebs)、ラリー・アマヌイック、吉田宏治(drums)らのカントリー系エレキ・セットで、優しい宮前のボーカルをフワッと包み込む。カントリースタンダード名曲とオリジナル曲を含むをバランス良く配し、デビュー40年が近付いた大ベテランの丁寧なメッセージを届ける。

HOTR-4158 JUSTIN TREVINO『Two of the Usual』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

I'll Go to a Stranger/I've Had It/Anyone Who Knows Me/Better Class of Losers 他全12曲

ハート・オブ・テキサス・レコードの最新作は「ホンキートンク・ソウル」という異名を誇るテキサスの「本物のカントリー」を売りにするジャスティン・トレビノ、11枚目の最新作である。テキサスのダンスホールを本拠に、レイ・プライスやジョニー・ブッシュに憧れた子供の頃の夢をそのままかなえたボーカルはすばらしい。なぜか1曲、ジャン・ハワードとのデュエットでのブルーグラス"Gold Watch & Chain"が紛れ込んでいるので、ド・テキサス・カントリーにご機嫌になっているときはご注意……!? 大産業となってしまったナッシュビルからは聴こえてこないおおらかなカントリーがここにある。

RCSI-1049 BOBBY FLORES『Fast Company』 CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Fast Company/Glad To Let Her Go/Make Room For The Blues/Look What Thoughts Will Do 他全12曲

実に正しいレイ・プライス調フォービートのテキサス・ホンキートンク・サウンドを、しかも飛び切りの歌の上手さとすばらしいスウィング・フィドルを堪能させてくれるボビー・フローレスの最新作。クラシックからウエスタン・スウィングまで、どんな楽器でもこなす上にアレンジにも秀でたすごいミュージシャン、2001年まではレイ・プライスの第一バイオリン奏者でもあったという。カントリーという大きなマーケットには、こんなミュージシャンがゴロゴロいるから参ってしまう。

フォーク/カントリーお勧め作品
HS2K-111 FAREWELL DRIFTERS『echo boom』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

1960年代前半のウエストコーストを全面に押し出したフェアウェル・ドリフターズ最新第3作。そのサウンドはマンドリン/フィドル/ギターを上手く利用したユニークなリズムとアンサンブルに、むかし懐かしいフォークがロックと出会ったころの雰囲気のメロディとハーモニーを満載。ザック・ビーヴィル(g)とジョシュ・ブリット(m)を中心に、ジョッシュの弟でもちろんクラレンス・ファンのクレイトン・ブリット、ベーシストのディーン・マロルド(山梨で5年生活した日本語を話す……)、そしてフィドラーのクリスチャン・セデルマイヤーという昨年の全米デビュー作『Yellow Tag Mondays』(¥2,573-)から不動のメンバー。ビルボード・ブルーグラス・チャート初登場第6位というから、既成のブルーグラスではないあたらしいブルーグラス・ファンからの強い支持をうかがわせる。20代のさわやか青草系若者ブルーグラスのノスタルジックなオリジナルが強烈に秀逸、初期のザ・バーズなどを髣髴させるナイーブでサイケなブッ飛びグラス。ムーンシャイナー2010年6月号に「60年代ウエストコーストの風に吹かれて……」特集がある。先月ブルーグラス新入荷のコーナーで紹介すれど反応が鈍かったが、ここではいかに……? 60年代のフォークやウエストコースト・ファンに絶対のお勧め作品!!

BACM-315 WAYNE RANEY featuring the DELMORE BROTHERS CD¥2,888-(本体¥2,750-)

I'm On My Way/I Want a Home in Dixie/I Feel Just Like a Millionaire/Real Good Feelin' 他全25曲

第2次世界大戦後の1946年、オハイオ州シンシナティのキングレコードにデルモア・ブラザーズとともに録音したハーモニカ奏者ウェイン・レニーの25曲集。ブギウギなどの路線を明確にしたウェイン・レニーとデルモアの共演はヒルビリー音楽専門だったキング・レコードにとってのちのR&Bアーティストらの獲得やロカビリーにいたる試金石となり、アメリカの白人音楽と黒人音楽を考える上で重要な録音だといわれている。

BCD-16928 GEORGE JONES『Walk Through This World With Me: The Complete Musicor Recordings 1965-1971(Part 1)』CD5枚組+本¥17,325-(本体¥16,500-)

2009年に発表された初期ジョージ・ジョーンズ全集の第一弾、ミュージコー編(1965~71年)の第一部全193曲。彼がユナイトそしてミュージコーに在籍した10年足らずのこの期間こそは、ジョージ・ジョーンズがもっともジョージ・ジョーンズらしかった時代、ウェストコーストに君臨したバック・オウエンズという強力なライヴァルと競い合って、ナッシュヴィル・カントリーの本流を守り抜き、ポップに流れていた状況を一変させたストレートかつ重厚なサウンドを完成に導いた時期として、歴史に残っている。ミュージコー編第二部『A Good Year for the Roses: The Complete Musicor Recordings 1965-1971(Part 2)』(BCD-16929 4枚組+52Page Book¥14,438-)は全131曲収録。UA編とともに、ジョーンズ節完成への全貌が遂に明かされた。ホンキートンクカントリーの「キング」ジョージ・ジョーンズのすべてがここに。このほか、カントリー/ブルーグラスの大御所たち、究極の化粧箱入り本付き大全集についてはお問い合わせください。

映像新入荷
RCSI-1048D JEFF AUTRY, DON STIERNBERB, BEN TUCKER, TONY WILLIAMSON『Low Country Jazz』DVD¥3,308-(本体¥3,150-)(118分、5.1 Dolby Surround Stereo)

Lade Be Good/Avalon/Limehouse Blues/Spanish Eyes/Midnight on the Water/Now's the Time 他全14曲

マンドリン製作家として著名なランディ・ウッドのジョージアのお店『The Music Store』で2007年に収録されたスウィング・マンドリン・ライブ映像。ガーシュインからモンク、パーカーらのスタンダードやジャズ・カバーとメンバーによるオリジナル、そしてときおりボーカルもフィーチャー("Pher Matique"って"Charmaine"なんだ!)。偉大なジャズ・マンドリニストのジェスロ・バーンズの弟子ドン・スターンバーグとニューグラス黎明期にブルーグラス・アライアンスに参加したトニー・ウィリアムソンのマンドリン2台に、ジョン・コーワン・バンドのフラットピッカー、ジェフ・オウトリー(g)のブルーグラス出身の3人に、1950年代から数々のジャズ/スタンダードの録音を経験してきたベン・タッカー(bs)の4人。……それにしても、マンドリンはともあれギター、ドレッドノートでよくもまぁ、こんなに細かいことを素早くこなすもんだ。ブルーグラス・プレイヤーって、ほんまなんでも弾いてしまうことに、今さらながら驚くね。ボーナスにトニーとランディ・ウッドのブラザー・デュオと、今回の出演者やその楽器についてのインタビュー23分が収められている。やっぱ、弦楽器っていいよね……!

映像ものお勧め作品
■ファミリークリスマスDVD
SKFR-1012 RICKY SKAGGS『A Skaggs Family Christmas Vol. 2』CD+DVD¥2,573-(本体¥2,450-)

リッキー・スキャッグス一族郎党のすばらしいナッシュビル・ライマン公会堂での2時間、クリスマス・スペシャル・ショウがノーカットで25曲。リッキー・スキャッグス一家とバック・ホワイト一家、ケンタッキー・サンダーの面々にナッシュビル・ストリングスの弦楽隊。子供たちも成長してすばらしいミュージシャンとなって、ジャンルを越えて誰にでもお勧めする、すばらしいファミリークリスマス作品!! CDアルバムに2時間のDVDがオマケ!

■ブルーグラス
MH-1063D DOYLE LAWSON『Through the Years』DVD¥3,990-(本体¥3,800-)

2004年春、ドイル・ローソン&クイックシルバーが結成25周年を祝った豪華な記念コンサートから、全32曲2時間に及ぶ素晴らしいライブ映像(ムーンシャイナー誌2004年9月号に詳細)。別名「School of Bluegrass」とも呼ばれるクイックシルバー、本作では歴代のメンバーが一堂に会し、1980年代以降のブルーグラス・メインストリームをリードしたスマートなソリッドグラスが、当時のメンバー(ジェイミー・デイリー、バリー・スコットほか)つぎつぎと迎えるラッセル・ムーア、ジム・ミルズ、テリー・バウコム、スティーブ・ガリー、ジョン・ボウマンほかゲストとともに堪能できる秀作映像。

ROU-0526D EARL SCRUGGS, DOC WATSON & RICKY SKAGGS『The Three Pickers』DVD¥3,675-(本体¥3,500-)

アール、ドックとリッキーという夢の共演は全米公共TVネットPBS局『Great Performances』シリーズの一つとして2002年12月、ノース・カロライナで収録された超豪華ライブ映像。3人の他にリッキーのケンタッキー・サンダーとスクラッグスのファミリー&フレンズ・バンド、そしてゲストにアリソン・クラウスが登場する。1時間以上の貴重なコンサートと、22分に及ぶドキュメントがボーナス。今年ドック・ワトソンが米寿を迎え(ムーンシャイナー2011年3月号でお祝い特集)、来年1月6日にアール・スクラッグスが米寿を迎える……目出度いのだぞ!!

VES-13058D TONY RICE『Video Collection』DVD¥3,308-(本体¥3,150-)(62分)

1970年代以降のブルーグラス・ギターを根底から変えたトニー・ライスのフラットピッキン・ギターのスリルと興奮を1992年のマールフェスのライブ映像から編集した全15曲。サム・ブッシュ、ベラ・フレック、ジェリー・ダグラス、マーク・オコナー、マーク・シャッツを引き連れたジャムは20世紀ブルーグラスの宝物!! 1970年代ブルーグラス・ファンの必須アイテム! ちなみにムーンシャイナー誌では、昨年発表されたトニー・ライスの自叙伝『Still Inside』(¥3,990-)特集として2010年6月号(MS-2708 ¥525-)でトニーの1955年マーティンに関する特集がある。

MP-0410 V.A.『Pioneers And Legends of Bluegrass』DVD¥2,573-(本体¥2,450-)

Mule Skinner Blues/Rawhide(Bill Monroe)/Folsom Prison Blues/Shuckin' the Corn(Lester Flatt)/That Silver Haired Daddy of Mine/Tis Sweet To Be Remembered 他(Mac Wiseman)/Are You Washed in the Blood 他(Lewis Family)/Hard Hearted/Paradise/Cotton Mill Man(Jim & Jesse)/500 Miles/I'll Stay Around(Bluegrass Alliance) 他全15曲

米国ブルーグラス界でさまざまな事件、ニュー・グラス・リバイバルやセルダム・シーンの結成、ブルーグラス45やハミルトン・カウンティ・ブルーグラス・バンドなど外国ブルーグラスの参入などがあった1971年夏、まだNGR結成寸前19歳のサム・ブッシュと20歳のトニー・ライスが参加するブルーグラス・アライアンス2曲をはじめ上記アーティストらが収められた40年前の超貴重お宝映像集!!

同時期のレスター・フラットDVD映像『Lester Flatt & Nashville Grass: Vintage Video』(¥2,573-)とともに、1970年代の超貴重お宝映像だ!

SRDVD-2001 MULESKINER『Live』DVD¥3,098-(本体¥2,950-)

1970年代のブルーグラスを代表する究極のメンバーによるトラッド・ブルーグラス・ライブDVD映像。故クラレンス・ホワイト、ピーター・ローワン、デビッド・グリスマン、ビル・キース、そしてリチャード・グリーンが白熱のライブを繰り広げる。こののちに発表された公式アルバムと比べて、驚くばかりのトラッドグラスに、ロック畑で活躍していた元ブルーグラス小僧たちの心意気が嬉しい、70年代初頭ローカル局のビデオが残っていたという奇跡のチョー貴重映像!!

VES-13082D DOC WATSON & DAVID GRISMAN『In Concert』DVD¥3,308-(本体¥3,150-)(カラー、70分)

ドック・ワトソンとデビッド・グリスマン、音楽とトラディショナルの意味を深く理解するふたりのライブを収録した素晴らしいコンサート・ビデオ。米国弦楽器界の巨人2人による深ーい深いアメリカン・トラッドの真髄を、素晴らしいマンドリンとギターのトーンと共に、ジックリお楽しみ下さい。

■フォーク/カントリー
HOTR-4159D AMBER DIGBY & MIDNIGHT FLYER『Live at Swiss Alp Hall』DVD¥2,993-(本体¥2,850-、83分)

Texas Honky Tonk/Together Again/How's the World Treating You/Sing a Sad Song 他全26曲

今夏に紹介した同名CDのDVD版が発売である。ごく普段着のバンド(これがいい!!)をバックに、テキサスのど真ん中、東欧移民の多い地域に110年の歴史を刻む、その名も「スイス・アルプ・ダンスホール」で28曲、歌いまくるアンバー・ディグビー。マール・ハガードやバック・オウエンズ、ビル・アンダーソンやボビー・ベアほかのカバーを中心に、フツーの女の子が、ダンス客を相手にホンキートンクしちゃう日常的なカントリーがいい。カントリーって、派手な衣装と大掛かりなエンタメというメジャーなイメージがあるが、本来、日常の悩みを分かち合う普段着のものとして、次々と詞を届けるこんなローカルなのはいいな……。父はロレッタ・リン・バンドのベーシスト、母はコニー・スミスのバックアップ・シンガーだったというアンバー、生まれながらのホンキートンク・エンジェルなのだろうか……ねぇ!?

SHA-610D PETE SEEGER『Judy Collins and Elizabeth Cotten』DVD¥3,308-(本体¥3,150-)

全米の若者たちにアメリカの伝統音楽の存在を知らせた1960年代フォーク・リバイバルの最中、ピート・シーガーのホストでテレビ放映された1時間番組『レインボウ・クエスト』シリーズ、今回ゲストに迎えるのはジュディ・コリンズ、そして2部では"Freight Train"の作者として知られるエリザベス・コットンと、プエルトリコのデュオ、ロザ・バレンティンとラファエル・マルチネス。60年代フォーク・リバイバルの貴重な記録である。

CCD-PW3 V.A.『Porter Wagoner Show Vol. 3』DVD-R¥2,573-(本体¥2,450-)

クラシック・カントリーDVDシリーズで紹介している「ポーター・ワゴナー・ショウ」第3巻のゲストは、ホークショウ・ホーキンス、テックス・リッター、ボビー・ベア、チェット・アトキンス、マール・トラビス、ビル・アンダーソンの登場です。

1960年から1981年までに686本の30分番組が創られた『ポーター・ワゴナー・ショウ』から1970年前後収録の6本分(約133分)全20巻がシリーズDVD化、順次紹介している。ポーター・ワゴナー(1927-2007)がホストとなり、いずれのプログラムもポーターの曲で始まり、その日のゲスト、そしてレギュラーのドリー・パートンと自身のバンド、ワゴンマスターズのバック・トレント(1938-)のエレキ・バンジョー、またはレノ&スマイリーで知られたマック・メゲェヘ(1929-2003)の踊るフィドルをフィーチャーした曲とベーシストのスペック・ローズ(1915-2000)のコメディから、ふたたびポーター、そしてメインゲストというルティーンが繰り返される。

ちなみに第1巻のゲストはウィリー・ネルソン、ハンク・ウィリアムズJr.、レッド・ソバイン、キティ・ウェルズ、ウェイロン・ジェニングズ、レフティ・フリーゼル。第2巻のゲストにはボビー・ベア、ロジャー・ミラー、ハンク・スノウ、ファロン・ヤング、ストーンウォール・ジャクソン、ウェッブ・ピアース、メル・ティリス。カントリーファンお宝DVDシリーズ全20巻、順次お知らせしていこう。

また、同様の構成のジム・エド・ブラウン・ショウの第1巻(¥2,573-)、ゲストにビル・モンロー、ジョージ・モーガン、ジーン・シェパード、コニー・スミスらが登場する作品も在庫がある。

RCSI-1028D RIDERS IN THE SKY『Live in Concert: 30 Years "The Cowboy Way"』DVD-R¥2,888-(本体¥2,750-、カラー1時間10分)

1977年11月、当時絶滅の危機にあった「カウボーイ・ソング(ウエスタン)」を歌うエンタメ集団というアイデアで結成されたライダーズ・イン・ザ・スカイ。その後30年間、数々の高い評価を受けつづける彼ら、元ビル・モンローのブルー・グラス・ボーイだったレンジャー・ダグ(g)のほか、ウッディ・ポール(f)とトゥー・スリム(bs)、そして1989年から加わったジョーイ・ミスクリンのアコーディオンの4人組。ウェスタン・スウィングからヨーデル、ロマンチックなカウボーイソング等々をバランスよく聴かせる彼ら、30年間メンバー交代なしのチームワーク、それぞれにキャリアを持ったインテリらしく、そのコメディ・ルティーンも実に洒落ている。通算5449回目というこの日、30周年記念コンサートも全編、品のいいエンタメでノスタルジックで美しいウエスタン音楽を楽しませてくれる秀作。

RCSI-1043D WINE, WOMEN & SONG『Matraca Berg, Gretchen Peters, Suzy Bogguss: Live at Green's Grocery』DVD¥2,783-(本体¥2,650-、65分)

サンダーストームとトーネイド(竜巻)が近付く中、ナッシュビルの南にある歴史的な町リーパーズ・フォークのグリーンズ雑貨店で開かれたナッシュビル音楽界のバックボーンであるフォーク/カントリーのベテラン女性3人によるコンサートライブ。1980~90年代に数々のヒットを飛ばしたスージー・ボーガスと、ソングライターとしての評価の方が高いマトレイサ・バーグ(NGDBのジェフ・ハンナの妻)、そしてグレッチェン・ピーターズの女性3人がリラックスした中で進めていくアコースティック・ライブ全11曲。ライブ終盤、ニール・ヤングのカバー"Helpless"を終えたのち電気が落ちてライブ中止、演奏予定だった有名フォークソング"Shenandoah"と"Farther Along"は後日の収録だ。

CW-TTJ1D THE TIME JUMPERS『Jumpin' Time』DVD¥3.308-(本体¥3,150-)(2時間)

ナッシュビルのステーション・インで毎週月曜日に繰り広げられる懐かしいカントリーウェスタンからカウボーイ&ヒルビリー・ジャズの大セッション、タイム・ジャンパーズの超ハッピーライブ映像。ナッシュビルの超一流セッションマンが、ただ楽しみのために集まって」創る音楽には、たっぷりと愛情がこもっている。ゆったりと座って、ハッピーなエンタメをお楽しみ!!

■フラット&スクラッグスDVDシリーズ
FLATT & SCRUGGS『Best of Flatt & Scruggs TV Show』10巻、各DVD(白黒約1時間)¥3,308-(本体 ¥3,150-)

驚きの大発見、まさかと思われていた1960年代初期のフラット&スクラッグス映像がガレージから発見されリストアされた30分のTVショウ20本がDVDシリーズ10巻に収められている。レスター・フラットの軽妙なMCとフォノジェニックなボーカルと誰にも真似できないリズム・グルーヴ、そしてアール・スクラッグスの天才的ひらめきバンジョーが、ブルーグラス音楽の真髄、すなわちドライブとシンコペーションを生む。……10巻いずれも、ファン必見/必携の超お宝映像。ご希望の巻をお知らせ下さい!

■バイオリンショップ・コンサートDVDシリーズ
テネシー州ナッシュビルのフィドラー御用達バイオリン店「バイオリン・ショップ」で、米国フィドル界最高峰のミニコンサートが開かれた……!!
VSR-7375 V.A.『Andy Leftwich/ Bruce Molsky/ Aubrey Haynie/ Jim VanCleve; Fiddle Masters Concert Series Vol.1』DVD¥3,990-(本体¥3,800-、77分)

Ride the Wild Turkey/Red Wing/Minor Swing/Florida Blues/Maiden's Prayer/Liza Jane/Roanoke/Drunkards Hiccups/Big Mon/Ragtime Annie 他全20曲

第一弾は、現在最先端のブルーグラス・フィドラー3人と、オールドタイム達人のライブ。

VSR-8283 V.A.『Stuart Duncan/ Darol Anger/ Sara Watkins/ Liz Carroll/ Jeremy Kittel/ Luke Bula/ Tim O'Brien; Fiddle Masters Concert Series Vol.II』DVD¥3,990-(本体¥3,800-、75分)

Gentle On My Mind/Train 45/Cornbread Nation/Lee Highway Blues/Kissimee Kid/Where Is Love Now/Bonaparte's Retreat/Red Apple Rag 他全20曲

第二弾は、ニューグラス/ニューアコースティック系とアイリッシュの名声あるベテランたち。

VSR-9095 V.A.『Casey Driessen/ Gabe Witcher/ Alex Hargrieves/ Tatiana Hargrieves/ Brittany Haas/ Natalie Haas/ Hanneke Cassel/ Daniel Carwile; Fiddle Masters Concert Series Vol.Ⅲ』DVD¥3,990-(本体¥3,800-、85分)

Old Dangerfield/Black & White Rag/Wheel Hoss/Pallet on Your Floor/Sitting on Top of the World/Cherokee/Sugartree Stomp/Fiddle Patch 他全24曲

第三弾は、驚くべき若手フィドラーたちの自由な発想と完璧なテキサス・フィドルなど。来年2月来日のケイシー・ドリーセンもいるよ!!

教則モノ新入荷
MFD-0204 ジミー赤澤『Enjoy Bluegrass Banjo』教則本+DVD¥4,800-(本体¥4.571-)

Will the Circle Be Unbroken/Turkey in the Straw/Banks of the Ohio/Red Wing/Final Round.

たしかに、ブルーグラス・バンジョーは非常に難しく、いきおいタブ譜に頼ってしまうことが多いものだが、タブ譜はもろ刃のヤイバで、タブに慣れてしまうとフレキシブルな対応/発想がおろそかになる。そんな悩みを理解したうえで、ブルーグラス・バンジョーに習熟する方法を、マルチプレイヤーであるジミィ赤澤が提案するDVD教則。ムーンシャイナー誌12月号特集「バンジョー教則DVDを作った訳……」でも彼が述べているように、「基本構造」を知り、「ずっこい弾き方」ができるようになるか……、少なくともジミィは、サンプル曲"Will the Circle Be Unbroken"をベースに、さまざまなワザのパーツを見せ、さらに、"C"フォームと"D"フォームからバックアップまで、キッチリとその導入口を示している。さて、皆さんも「ずっこい弾き方」ができるだろうか? それはひとえにこれを見た皆さんが、さまざまな応用を繰り返すことでしょう。初心者から上級者まで、さまざまな奏法を網羅し、最後にはオリジナル曲でしめる、腹一杯な教則である。

教則ものお勧め
下記のほか、教則に関しては演奏レベル/ニーズに応じて、ご相談ください。
RW-XTAB ROLAND WHITE『Mandolin Christmas』Book+CD¥3,045-(本体¥2,900-)

ローランド・ホワイトが丁寧に有名クリスマス10曲を教えてくれるCD付きマンドリン教則本。前半はローランドらしい心に響くタッチでのマンドリン・ソロの弾き方とお手本、後半はギターとマンドリンのコード譜つきで伴奏のみ。実戦向きに作られたクリスマス曲マンドリン教則集。ブルーグラス・マンドリン教則決定版『Approach to Bluegrass Mandolin』(RW-TAB Book+CD¥6,090-)もすばらしい!!

SRDVD-2005 CLARENCE WHITE『Guitar Workshop』DVD¥3,098-(本体¥2,950-)

フラットピッキン/ブルーグラス・ギターのスタンダードを創ったクラレンス・ホワイトの奇跡的に残された24分のギター・ワークショップ映像を中心に写真やビデオ(1961年のTV番組『メイベリー110番』や1965年の映画『Farmer's Other Daughter』などの超貴重な映像)で構成された45分のDVD作品。クラレンスのギター・タッチ、美しい運指と羽のような右手を間近で見る喜びは……。

ADBEL-DT01 BELA FLECK『Drive』Tab-Book¥2,310-(本体¥2,200-)

ニューグラス時代の『Foggy Mountain Banjo』と称されるベラ・フレック1988年のCDアルバム『Drive』(ROU-0255 ¥2,573-)のバンジョー・タブ譜24頁。アール・スクラッグスとドン・レノ、そしてビル・キースの創り上げた1960年代までのスリーフィンガーバンジョー奏法を別次元にまで高めたそのフィンガーリングを、とくとお試し下さい!

RC-114T 宮崎勝之『man-o-mandolin』Tab-Book¥2,100-(本体¥2,,000-)

ロニー・マッカーリーが制作した宮崎のナッシュビル録音CDアルバム『man-o-mandolin』(RC-114 ¥2,573-)の完全タブ譜集50頁。定評のあるクリアなピッキングで、"Big Country"や"Bill Cheatham"などのスタンダードも多く学べる秀作だ。"

HL-311484 V.A.『Big Book of Bluegrass Songs』Book¥3,990-(本体¥3,800-)

224頁、22cmX30cmのブルーグラス・ソングブック(歌詞集)。有名ブルーグラス・ソング(インストを含む)を網羅した曲目は全72曲、ピアノ、ボーカルの譜面とギターコードという一般向けの体裁を持つ。なぜか"Foggy Mountain Breakdown"など、キーが"C"で不思議なコード展開となっているというのも興味深い。いずれにせよ、「ブルーグラス」が一般的な音楽として世に出る喜ぶべき兆しというべきだろうか、いい曲が一杯あるんだもんね……!

■スクラッグス虎の巻コピータブ譜集
TIM-1 『Complete Mercury Recordings: Three Finger Classics #1』Tab¥1,050-(本体¥1,000-)

TIM-2 『Complete Mercury Recordings: Three Finger Classics #2』Tab¥1,050-(本体¥1,000-)

TIM-3 『Foggy Mountain Jamboree』Tab¥1,050-(本体¥1,000-)

TIM-4 『Kings of Bluegrass』Tab¥1,050-(本体¥1,000-)

アール・スクラッグスのフラット&スクラッグス録音のオリジナルLP順にバンジョー可聴部分をバックアップを含めて某スクラギストがタブ譜化した小冊子シリーズ。CD音源は、最初のマーキュリー録音(1948-1950)は『Complete Mercury Recordings』(B000007002 ¥2,573-)でTIM-1とTIM-2、1957年発売のFoggy Mountain Jamboree』(COL-77627 ¥2,079-)がTIM-3。TIM-4の『Kings of Bluegrass』は単独アルバムとしては廃盤だが、上記3冊分(CD2枚分)も含まれているフラット&スクラッグス全曲集第1集『Flatt & Scruggs 1948-1959』(BCD-154724枚組¥11.550-)に収められている。

輸入雑誌
(以下の4誌は英語版で、共にバックナンバーも豊富に取り揃えています。気になるアーティスト等の特集等についてはお問い合せ下さい。…調べる&知るの面白さをいかがですか)
■フラットピッキン・ギター誌
隔月刊の掲載全タブ譜対応CD付きフラットピッキン・ギター誌。ブルーグラスからスウィング/ジャズまで。一冊でさまざまな奏法が学べる。
FGM-16.1 最新「2011年11~12月号」CD付きBook¥2,625-(本体¥2,500-)

創刊16年目の最新号は、「基本に戻ろう号」として"Home Sweet Home"のメロディ、次にカーター・ファミリー・ピッキンの4/4奏法(ブンチッ)、カータースクラッチ#1(ブンチック)、カータースクラッチ#2(ブチチック)、そしてシングルノートの#1と#2、さらにシンプル・クロスピッキンから複雑クロスピッキン、そしてすべてを混ぜ合わせて……と、フラットピッキンの基礎の基礎を丁寧に教授する。そのほか、ジョー・カーのリズムギターでは"Blue Ridge Cabin Home"の基本と今風コンポラソリッド・リズムで表現する方法(1度と5度のみの"G"、add9thの"C"、そして"Wheel Hoss"などで便利な"F6th add9"など)、ジョン・カーリニの基礎理論はマイナーペンタトニック、"C"メジャースケールのいろいろ、"Wildwood Flower"でのクロスピッキン(DDUDDUDU)練習、そのほかタブ譜は"John Henry"、"Black Mountain Rag"など、基本に返ってあたらしい発見を促す特集号。

現在バックナンバーは、「2011年7~8月号」(FGM-15.5 ¥2,625-)、「2011年5~6月号」(FGM-15.4 ¥2,625-)のほか、FGM-14.3(2010年3/4月号)、FGM-14.2(2010年2/1月号)、14.1(2009年11/12月号)、13.5(2009年7/8月号)、13.4(2009年5/6月号)のみ在庫あり。

■バンジョー・ニューズレター誌
世界唯一のバンジョー専門月刊誌。毎号タブ譜満載(ウェブサイトから「MP3」で音源入手可!!)、バックナンバーもお問い合せ下さい。探しておられるタブ譜の曲名や演奏スタイル、またお気に入り奏者の特集も探します。収蔵曲のCDやDVDなども在庫していますので、お問い合わせください。
BNL-11/10 最新2011年10月号 ¥525-

マーク・プルエット(バルサム・レンジ)のカバーストーリーとタブ譜"Marching Home"ほか、トム・アダムズ"Green Rolling Hills of West Virginia"、フレッド・ゲイガー"Fredology"、初心者"Are You Washed in the Blood"ほか、バンジョーに関する話題満載44頁。

BNL-11/11 最新2011年11月号 ¥525-

バンジョー教則に関するさまざまな事柄の特集。スクラッグス初心者への最初のアールとしての"Cripple Creek"と"Tom Dooley"と"Long Journey Home"ほか、"Snowflake Reel"、ビル・モンローにおける"Salt Creek"ほか、バンジョーに関する話題満載44頁。

■ブルーグラス・アンリミテッド誌
米国の最大のブルーグラス月刊専門誌。お探しの記事などバックナンバーもお問い合わせください。
BU-11/12 最新2011年12月号 ¥840-

ラルフ・スタンレーのカバーストーリーほか、IBMAのWOB写真リポート、9世代続いたバイオリン・メーカーの物語り、ラルフの孫ネイサン・スタンレーなど、米国ブルーグラス情報満載の56頁。

BU-11/11 2011年11月号 ¥840-

話題のボックスカーズとローランド・ホワイトのカバーストーリーほか、ルーラル・リズム・レコードとマイク・バブの特集ほか、米国ブルーグラス情報満載の64頁。

BU-11/10 2011年10月号 ¥840-

アリソン・クラウス&ユニオン・ステーションのカバーストーリーほか、フランク・サリバン&ダーティ・キッチン、ワイルドファイアー、ブルーグラス・タレント名鑑ほか。

■オールドタイム・ヘラルド誌
内容の濃いオールドタイム音楽専門誌。アメリカン・トラッド音楽研究に必読の良書!!バックナンバーが揃っています。お問い合わせください。
OTH-1212 最新2011年8月/9月号 ¥1,260-

アール・マーフィーのキッチン・セッション、アンクル・スティーブ・キンボール(1852-1934)研究、のシンギング・カウボーイのパイオニアのジュール・アレン第2部特集ほか、情報満載の52頁。

OTH-1211 2011年6月/7月号 ¥1,260-

オールドタイムにおけるマンドリンの大特集のほか、シンギング・カウボーイのパイオニアのジュール・アレンほか、伝承音楽の情報満載の52頁。

月刊『ムーンシャイナー』
1983年11月の創刊以来、毎月発行を続ける日本唯一のブルーグラス月刊専門誌、28年目です。
■定期購読:1年¥6,000-半年¥3,300-

お申込はお葉書やお電話、ファックスやメールでご希望の購読開始月をお知らせ下さい。バックナンバーも含めて、いつからでもご自由です。

■バックナンバー:各¥525-。

下記以外にも、アーティストや知りたい事をお知らせ下さい。掲載号を探してお送りします。

MS-2902 最新2011年12月号(通巻337号)¥525-

天才ギタリスト、グラント・ゴーディのカバーストーリーほか、アリソン・ブラウン・インタビュー、ジミー赤澤「バンジョー教則を作ったワケ」、宮城・福島「合同復興フェス・リポート」、アパラチアからヒマラヤへ、ビル・モンロー生誕100年記念コンサート・リポート「スクラッグス声明」、WOB2011リポートのほか、日米ブルーグラス情報満載ですよ

MS-2901 2011年11月号(通巻336号)¥525-

サム・ブッシュとデル・マッカーリーのデュオをカバーにIBMAアワードショウ誌上完全リポートほか、斉藤ジョニーのメジャーデビュー!、吉津正司のマンドリン人生後編など特集。

MS-2812 2011年10月号(通巻336号)¥525-

10月来日のアリソン・ブラウンをカバーストーリーに、吉津正司前編、ジョージ・シャフラー「クロスピッキンとウォーキングベース」、ハニークッキーズ、長野ブルーグラス・スペシャル35周年、本間正敏WOBリポート最終回、追悼・高橋義郎ほか。

MS-2811 2011年9月号(通巻335号)¥525-

生誕100年のビル・モンローと日本「神様ビル・モンローがやって来た」、「ビルモン・マンドリンの作り方後編」、仙台ブルーグラス・フェス・リポート、カントリー音楽の歴史「1970年代以降アメリカーナまで」、手塚里美のマールフェス・リポート後編、学生&社会人交流企画「六甲ブルーグラス・タイムズ」、本間正敏WOBリポート⑩ほかの特集。

MS-2810 2011年8月号(通巻334号)¥525-

ブルーグラス・フィドルの典型を確立したケニー・ベイカー追悼のほか、ビル・モンロー・マンドリンの作り方前編、長崎のブルーグラス、カントリー音楽の歴史「ナッシュビルサウンドからベイカーズフィールド、カントリーロックへ」、手塚里美のマールフェス・リポート前編、永冨真梨のジム・ローダーデールの楽曲、ヘイゼル・ディッケンズ・トリビュートリポート、本間正敏WOBリポート⑨。

B.O.M.ご利用方法
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