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B.O.M.Newsletter #367web    2011年5月11日
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INDEX

今月の新入荷注目作品
ブルーグラス新入荷
ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
B.O.M.特選コーナー
ブルーグラスお勧め作品
インスト新入荷
インストお勧め作品
オールドタイム&フォーク新入荷
オールドタイム&フォークお勧め作品
カントリー/ポップ新入荷
カントリー発掘、編集モノ新入荷
カントリーお勧め作品
映像ものお勧め作品
教則ものお勧め
楽器、その他…
輸入雑誌
ムーン・シャイナー
B.O.M.ご利用方法


今月の最終土曜日、5月28日の午後3時から翌29日のお昼頃まで、いつもの三田アスレチック(079-569-0024)で『第31回宝塚ブルーグラス春フェス』を開催します。緑いっぱいの山の中で、思いっきりジャム三昧しませんか……!?

今年の春フェスは、三田アスレチックさんのご厚意で男女別大部屋を無料開放です。またバンドなどの練習やパーティーなどにも最適なバンガローを1棟¥4,000-の特別料金で提供してくれます。宿泊の方は寝袋や毛布、また今回、食堂の用意がないので飲食物や観覧用の椅子などはご持参ください。

【第31回宝塚ブルーグラス春フェス】

●日時:5月28日午後3時~翌29日お昼頃

●場所:三田アスレチック(079-569-0024)

〒669-1411 兵庫県三田市波豆川 281

●出演:現地にて午後6時から、自由書き込み式のステージプログラム受付をはじめます。

●参加費:¥2,500-(高校生以上)

東日本は、まだまだ大変なときが続いています。でもこんなときにも、音楽を通じてより良い明日に向かう英気を養うことも大切でしょう。皆さん、今年も全国各地のフェス、楽しみましょう!!

◆創刊28年目のブルーグラス専門誌、ムーンシャイナー最新5月号(¥515-)は、今月末から来日予定のバリンジャー・ファミリーバンドをカバーストーリーに「ブルーグラス・ファミリーについて」ほか、スタンレー・サウンド後編「歴代リードボーカリスト列伝」、2011年版ブルーグラスとは何か②「カントリーミュージックを考える①」、東日本大震災義援ETSUコンサート・リポート、本間正敏のIBMA-WOBリポート⑥マイケル・クリーヴランド&フレームキーパー、アメリカ歴史「南北戦争」、アール・スクラッグス・バンジョー製造年の新説、レジェンド「東 理夫」、天野恵司さん追悼……ほか、日米ブルーグラスの話題満載。

月刊ムーンシャイナー定期購読は1年間(12冊)

¥6,000- 半年間(6冊)¥3,300-。単冊は¥525-ですが、ぜひとも年契をお願いします。購読開始希望月をお知らせください、早速お送りします!!

 今月の新入荷注目作品
RCSI-1031 HARTFORD/RICE/CLEMENTS CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ジョン・ハートフォード/トニー・ライス/バッサー・クレメンツの共演!! こんな録音があったのだっ。ブルーグラス発掘/編集新入荷参照

RCSI-1032 TERRY BAUCOM『In a Groove』CD¥2,363-(本体¥2,250-)

これはすばらしいブルーリッジ・ブルーグラスの胆と選曲! あのマーティン/ウィリアムズの"Stepping Stones"からアドコックの"Sentence"やバック・オウエンズ……!! ブルーグラス新入荷参照

NONE-79649 CHRIS THILE & MICHAEL DAVIS『I'm Gonna Sleep With One Eye Open』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

はっきり言って「衝撃」です。クリス・シーリの超ブラザーデュオ集。ブルーグラス新入荷参照

ROU-0665 ALISON KRAUSS & UNION STATION『Paper Airplane』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

アリソン・クラウスとユニオン・ステーション、バンドとして7年ぶり最新作。この完成度凄い。ポップチャート第3位だぜ! ブルーグラス新入荷参照

ROU-0659 MICHAEL CLEVELAND & FLAMEKEEPER『Fired Up』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

これぞブルーグラス!!というスピリットでまっしぐらにドライブするマイケル・クリーブランド&フレームキーパーの最新第4作。

SH-4062 SARAH JAROSZ『Follow Me Down』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

誰が言ったか「女ティム・オブライエン」、溢れるばかりの才能に恵まれた19歳、凄いサラ・ジャーローズの最新第2作。ブルーグラス新入荷参照

RCSI-1033 IVAN ROSENBERG & BILLY CARDINE『』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

メチャ格調高いバンジョー・ツインではじまる美しいドブロ中心の作品。インスト新入荷参照

NONE-527214 EMMYLOU HARRIS『Hard Bargain』CD+DVD¥3,308-(本体¥3,150-)

エミルー・ハリス最新作。カントリー/ポップ新入荷参照

BCD-16094 V.A.『The Bristol Sessions, 1927-1928: The Big Bang of Country Music』CD5枚+120頁本¥20,213(本体¥19,250-)

白人系南部音楽が商業音楽として花開く第一歩となり、「(広義の)カントリー音楽のビッグバン」と呼ばれるブリストル・セッションの全容。カントリー発掘新入荷参照

 ブルーグラス新入荷
RCSI-1032 TERRY BAUCOM『In a Groove』CD¥2,363-(本体¥2,250-)

Do You Wrong Kind of Girl/Good Time Mountain Man/Open Up Your Heart/I Wish You Knew 他全12曲

1980年代以降のバンジョー・ビートを創ったといわれるテリー・バウカムが豪華ゲストを網羅してバラエティに富んだブルーリッジ系ブルーグラスの真髄を聴かせる。1/3を占めるカバーの選曲が秀逸だ。基本バンドはテリーのほか、アダム・ステッフィ(m)、ジェイソン・カーター(f)、ワイアット・ライス(g)、バリー・ベイルズ(bs)というIBMAアワード受賞者ずらりの超一線級。そしてボーカル陣には、あのジミー・マーティンの1962年発売『Country Music Time』に収められたポール・ウィリアムズ本人による"Steppin' Stones"をはじめ、話題のクリス・ステイプルトン(スティールドライバーズ)やジェイミー・デイリー(デイリー&ビンセント)をはじめ、ギブソン・ブラザーズ、ジョン・コーワン、ラッセル・ムーア、ロー・ボウマン、ルー・リード、ドン・リグズビー、そしてドイル・ローソン&クイックシルバーのオリジナル・メンバー4人による録音など、お楽しみがいっぱい!! アダム・ステッフィが歌うエディ・アドコックの"Sentence"や、適任!!ギブソンズによるバック・オウエンズの"Open Up Your Heart"、ジョン・コーワンとラッセル・ムーアの"I Wish You New"なんて想像できます? インストは1曲だけだが、ブルーグラス系ブルーグラスの基本でもある明るいノリを生み出したテリー・バウカムらしい、オールスターキャストのボーカル作品だ。それにしても陰影漂うべきアパラチアから、どうしてこんな明るい系ブルーグラスが生まれたのか……? ひょっとして彼らのサウンドは、1970年代に入って、やっとのことで拓け始めた米国最後進地帯アパラチアの希望だったのかもしれない。あまりにも貧しく苦しい1960年代までとは違うんだぞ!!って……。とにかく、聴き応え十分、さすが、ブルーグラスDJとして辣腕をふるう奥方=シンディとともに二人三脚で創り上げた楽しさいっぱいのブルーグラスだ。

SH-4062 SARAH JAROSZ『Follow Me Down』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Run Away/Annabelle Lee/Ring Them Bells/My Muse/Floating in the Balance/Gypsy/Peace 他全11曲

ものすごい19歳、サラ・ジャローズの最新第2作は2009年のデビュー作『Song Up in Her Head』(SH-049 ¥2,573-)から2年、米国最古の由緒ある音楽学校、ニューイングランド・コンサーバトリーに通いながらキャリアを積んできたサラ、すごい成長ぶりだ。そのボーカル、マンドリンにはますます磨きがかかり、バックアップにはショーン・コルビン、ダレル・スコット、ジェリー・ダグラス、ベラ・フレック、ビクター・クラウス、ステュアート・ダンカン、そしてパンチ・ブラザーズまでが名を連ねることからも、彼女の音楽に対する、みんなの期待度が分かろうというもの。ツアーをともにする天才フィドル少年アレックス・ハーグリーブスやチェロのネサニエル・スミスもきっちりと参加(グリスマンの息子サムは参加していないが)。ディラン"Ring Them Bells"とレディオヘッドの"The Tourist"の2曲以外は9曲の瑞々しいオリジナル。前作同様、自分の視線からのメッセージをストレートに表現する新世代のアコースティック音楽だ。
もうひとり19歳、シエラ・ハルの先月紹介した最新作『Daybreak』(ROU-0658 ¥2,573-)で聴かれる素直なブルーグラス!?とは見事な対照を成す陰影に富んだアコースティック作品だ。ともにブルーグラスから生まれた天才少女ふたり、女性アーティストとして好対照ながら、それぞれに確実な階段を登っていく様子を追いつづけるのも楽しみだ。

NONE-79649 CHRIS THILE & MICHAEL DAVIS『I'm Gonna Sleep With One Eye Open』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Rabbit in the Log/Cry Cry Darling/Tennessee Blues/20-20 Vision/My Little Girl in Tennessee/Rain and Snow/Weeping Willow/Billy in the Lowground/Roll in My Sweet Babys Arms 他全16曲

パンチ・ブラザーズを率いてとんでもない未知の世界に分け入っているクリス・シーリが180度、方向転換して1930年代から1950年代、アパラチアに表われたブルーグラスのキモを引っつかみに、マイケル・デイヴズ(g)という稀有な才能とともに、これ以上にないという「生」な音と感情で体当たりするマンドリンとギターのブラザーデュオ集!! フラット&スクラッグス名曲(当時、放送禁止となった曰くつき曲)をタイトルに、モンローからジミー・マーティン、デル・マッカーリー、ピーター・ローワンほかのスタンダードがずらり、かつて経験したことのない鳥肌が立つものすごいスリルと感動が味わえる。きっと1930年代にモンロー・ブラザーズに接した人たちも、テクニックや表現手法こそ違え、同じような鳥肌を感じたのだろうと思える凄い演奏だ。2、3年前にトニー・トリシュカ・バンドで叫んでいたマイケルを見たときから、ただ者ではない性根がびんびんと伝わってきたその期待通り、……それにしてもクリスと組むとは!! しかも録音はジャック・ホワイトのスタジオでライブ録り。ふたりのこの強烈なアパラチア直伝のブルーグラス魂の叫びを聴き、チマチマとした感情なんかで音楽すんじゃねぇ!という気分になって、東日本大震災を乗り切ろう!! そんな元気と勇気がもらえる凄いブラザーデュオ作品だ。マンドリン1本がバンジョーの代わりにもなるって、知ってました? ただし、あまりの熱さのため、火傷にご注意を……!?

30年前の1980年に発表されたリッキー・スキャッグス&トニー・ライス『Skaggs & Rice: the Essential Old-Time Country Duet Recordings』(SH-3711 ¥2,573-)が引き合いに出されそうだが、この30年、ブルーグラスがいかに精神的に揺るぎないものになったか、聴き比べたときに、その証明となるのかもしれない。今月10~12日の3日間、ニューヨーク、ローワー・イーストサイドのロックウッド・ミュージックホールでのCDリリース・ライブはすべてソールドアウトだ。

ROU-0659 MICHAEL CLEVELAND & FLAMEKEEPER『Fired Up』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Dixie Special/Big Wide Strum/I'm Your/I'm Gonna Ride Taht Steamboat/Goin' Up Dry Branch/I've Got the Railroad Blues/Slowly 他全14曲

2007年から4年連続IBMA最優秀インストバンドに輝く彼ら、これでもか!のストレートブルーグラス・ボーカル作品。超スピードの1曲目からブギウギ調の2曲目、3曲目にはフォービート・シャッフル・カントリー調オリジナル、そしてフラット&スクラッグス名盤『Hear the Whistle Blow』に収められた4曲目、そしてバディ・スパイカーが1966年にジミー・マーティンと録音した隠れた名演インストの5曲目……ほか、メンバーのオリジナルを軸にデルモア・ソングやウェッブ・ピアースらの名曲アレンジ等々、それぞれにライナーで紹介される曲に関するストーリーが活き活きとしてくるほどにドライブ一杯!! ちょうどムーンシャイナー誌の5月号で元ジューンアップル編集長の本間正敏氏が思いっきり持ち上げているマイケル・クリーブランドとフレームキーパー。本間氏が連載リポートの最初に書いていたようにマイケル、とにかく相手かまわずどこでもジャム、そんな山ほどのジャムから学んだアグレッシブなアーリー・ブルーグラスの魂をまっつぐ表現する。バンジョーには現在はシエラ・ハル経由でドイル・ローソンのクイックシルバーに移った10代のスクラッグス/レノ流ジェシー・ベイカー(ソロ『Yes, Sir!』は必聴!)、マンドリンがジェシー・ブロック(2009年IBMA最優秀マンドリン!)、マーシャル・ウィルボーン(2009~10年IBMA最優秀ベース奏者)、そしてバンジョーが弾けなくなってギターに転向したトム・アダムズのすばらしいボーカルと作曲/選曲でこれ以上ないホットなドライブがかかった、さすが、すばらしい演奏の連続。「ブルーグラスらしさ!」という同じゴールに向かってバンドがまっしぐらなのが快感だ。

ROU-0662 LARRY SPARKS『Almost Home』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Blue Mountain Melody/Momma's Apron Strings/There's More That Holds the Picture/Send Me the Pillow You Dream On/Sombody Touched Me 他全12曲

1964年、16歳でスタンレー・ブラザーズのリード・ギタリストとなり、1966年のカーター・スタンレーという偉大なシンガーの死によってそのあとを継いでラルフ・スタンレー&クリンチ・マウンテン・ボーイズを支えたのは今から45年前のことだ。そののちラリー・スパークスは自身のバンド、ロンサム・ランブラーズを率いて一筋に自分の歌を歌いつづけてきた。そのギターと同様、バンドは激しくドライブし、決して美しく収めようとするのではなく、むき出しの感情をぶつけてきた。その「生」のブルーグラスは、多くの人にデル・マッカーリーと並ぶ第一世代からの正統ブルーグラスの継承者として、現在ブルーグラスの「宝」と呼ばれる。息子のラリー・D.スパークスのベースにタイラー・マリンズ(bj)、カール・バーグレン(m)というメンバーに、ロン・スチュワートのフィドルとドン・リグスビーまたはジェフ・ブラウンのテナーボーカル。その身のこなしやギターの扱いまでもがカーターそっくりという人もいるラリー、女性の涙を誘うストーリーの新曲を軸にハンク・ロックリンの名曲ほか、田舎の歌(カントリーソング)の王道を聴かせてくれる。

ムーンシャイナー4月号でカーター・スタンレー、最新5月号ではカーター後、ラリーからはじまり、ロイ・リー・センターズやキース・ウィットリーに引き継がれていく「ハッピーな歌を哀しく、哀しい曲をより悲しく歌う」クリンチ・マウンテン・ボーカルの流れを紹介している。みなさんのお好みや感想も聞かせてください……。

ROU-0665 ALISON KRAUSS & UNION STATION『Paper Airplane』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Paper Airplane/Dust Bowl Children/Lie Awake/Lay My Burden Down/Dimming of the Day/On the Outside Looking In/My Opening Farewell 他全11曲

モンローやフラット&スクラッグス、スタンレーやレノ&スマイリー、そんなブルーグラス第一世代を支えたファンたちの誰が想像しただろう? この今年40歳になる女性と仲間たちがブルーグラス・アンサンブルだけで創ったアルバムがビルボード総合チャートの第3位になることを……!! 世界のポップ/ロック音楽をリードするアメリカのレコード市場で、ブルーグラス・バンドのアルバムがこれほど高い評価を受けることなんて、1970年代でさえ想像できなかったことだろう。それはブルーグラスが、一地方から生まれた本物の田舎音楽という出自を持つものの、その特殊な楽器編成による極めてマニアックな過程を経て、ジャズやクラシックなどの芸術音楽の世界でも通用する技術と洗練さを手に入れたアーティストの努力と、同時に世界中の聴衆の耳があらゆる意味で肥え、より幅広い音楽性を受容するようになったというふたつのタイミングを得たことで、21世紀に達成した夢の実現なのだ。ブルーグラス・バンド、ユニオン・ステーションとして7年ぶりの作品。天使のようなフォノジェニックなアリソンのボーカルにロン・ブロックのギターとジェリー・ダグラスのドブロが創るアコースティック乗る彼女の歌曲にはアパラチアの陰影がくっきりと歌い込まれているとロサンゼルス・タイムズ紙は指摘、若きブルーグラス/オールドタイム女性シンガー、クルックド・スティルのイーファ・オドノバンの曲"Lay My Burden Down"やアリソンが良く取り上げるロバート・キャッスルマンのタイトル曲などに、「イリノイ出身のアリソンだけれど、彼女の音楽には、アパラチアの厳しい生活、日々厳しさをます浮世のわずらわしさから逃れたいと唯一望むブルーグラスの精神的基盤を体現するメッセージが込められている」という。また、バリバリのストレート・ブルーグラスを聴かせるダン・ティミンスキはピーター・ローワン“Dustbowl Children”とティム・オブライエン“On the Outside Looking In.”を取り上げて彼らの功績に恩返し(印税は凄いぞ!?)、そしてLAタイムズ紙は、「近年のカントリーシンガーの多くが、決して近寄ることのない人生の陰/暗部、そこに潜んでいる奥深い感情をクラウスとバンドメンバーは踏み込んでいく」と解説している。AKUSの創るサウンドから、そこにメンバーが埋め込んだブルーグラスの魂を感じたい。

 ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
RCSI-1031 HARTFORD/RICE/CLEMENTS CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Bound To Ride/If I Should Wander Back Tonight/My Baby's Gone/Sweet Sunny South/We Can't Be Darlings Anymore/Love Please Come Home 他全13曲

想像してみてください……、ブルーグラス界最大のヒット曲"Gentle On My Mind"を書いた故ジョン・ハートフォードが、ギター奏法とバイオリン奏法を根底から揺るがした革命児ふたり、トニー・ライスと故バッサー・クレメンツ、このブルーグラス偉人3人が1988~90年にかけて秘密裏!?にカンバーランド河の岩盤をくり貫いたジョンの地下室スタジオ入りして遺した録音!! ブルーグラス界が生んだ偉大な3人が、フラット&スクラッグスとベニー・マーティンを核にルービンズやトラッド名曲など、彼らのアイドルたちの曲をカバーする強烈なスタジオ録音の発掘である。3人相互の尊敬をベースにしたジャムについてトニー・ライス曰く、「(自分たちの)ルーツに戻る音楽への愛情を共有した瞬間は、メチャ楽しかった!! 石の壁に囲まれた部屋の音は最高で、何も考えるまでもなく、われわれは『みんなが知ってる曲からやろうぜ』ってはじめたんだ」。バックアップは故ロイ・ハスキーJr(bs)、プロデュサーでもあるマーク・ハワード(m)のふたり。こののち発声困難で声を失うトニーのボーカルソロはレスター・フラットの"If I Should Wander Back Tonight"の1曲のみだが、フラット&スクラッグス名曲"We Can't Be Darlings Anymore"や"Love Please Come Home"ではトニーのリードとジョンのテナーというお楽しみ。そのほか……例えば、超スピード"Long Journey Home"でのフィドルに、スーパーなメロディのつかみ方とリズムへの乗り方、そして"Heavenly Sunlight"でのバッサーのテナーに聴かれる、歌心など、バッサー特有の音感が集約されている。また全編に聴かれるトニーの第一世代に通じるトラッドグラス・ギタリストとしてのリズムや、リードギターのバックにサポートのリズムをオーバーダブしていないために良く聴こえるベースvsギターのリズムなどブルーグラス・ギタリストとしての矜持。そしてセッションの核である偉大なジョンは、照れることなくアール・スクラッグスへの敬意を表しつつ、自身の世界を気持ち良さそうに表出する。あくまでも私蔵だったはずのアンファーマルな2トラック録音だからこそ聴き取れるさまざまな「生」の感覚や「音」がビビッドに楽しめるお宝アルバムである。

 B.O.M.特選コーナー
 ■カーター・スタンレーからはじまるクリンチ・マウンテン・ボーカル列伝
最新ムーンシャイナー誌4月号と5月号の連載で、1947年のスタンレー・ブラザーズ初録音以来、スタンレーサウンドの核であったボーカル、「ハッピーな歌を哀しく、哀しい歌をより悲しく」歌うというアパラチアの風土を背負ったスタンレーのロンサム特集を組んだ。ビル・モンローのハイロンサムとは一線を画すスタンレーサウンドのさまざまを、在庫中のCDで紹介しよう。中にはカントリーもありますし、すでに廃盤の超稀少作品もあるのでご注意、売り切れゴメン!!
GT7-2180 STANLEY BROTHERS『King Years 1961-1965』CD4枚組¥4,750-(本体¥4,500-)

かつて縦長の化粧箱入りボックスセットとして発売されたスタンレー・ブラザーズのキング録音全曲集の後半がプラスチックケース4枚組廉価版として再発売。ロカビリー旋風でバンド存亡の危機にあった50年代後半から、60年代初頭のフォークブームで、その生のままのマウンテン・ミュージックとして都会のインテリから高い評価を受けはじめたものの、アルコールが原因で1966年にはカーター・スタンレーが他界する。ジェイムズ・ブラウンなども擁してR&Bなどでも成功しいたキング社のシド・ネイサンの助言で、ギターリード(クロスピッキン!!)をフィーチャーしたホンキートンク受けなども狙いつつ、カーターファミリーやトラッド曲などでアパラチア伝承も堅持する綱渡りがすばらしい、そんな軌跡がCD4枚に収められた全111曲。

ROU-0662 LARRY SPARKS『Almost Home』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

カーター亡き後、19歳にしてクリンチ・マウンテン・ボーイズのリードボーカルを担ったラリー・スパークス、今年発売の最新作である。詳細は今月のブルーグラス新入荷参照。

RCA-78247 KEITH WHITLEY『16 Biggest Hits: Original Recording Remastered』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

スタンレーのボーカリストとしてもっとも成功したキース・ウィットリー(1955-1989)のカントリーヒット16曲集。ニュー・グラス・リバイバルのプロデューサー、ガース・ファンディスとともに、細心の注意を払って創られた1980~90年代にかけてのメインストリーム・カントリー秀作である。カーター・スタンレーとレフティ・フリッツェルをアイドルにしたというキースの奥深いボーカルを、当時トップクラスのソングライター群の名曲とアコースティックをうまく取り入れたナッシュビル・サウンドでコーティング、こののちにアリソン・クラウスほかがカバー、映画『ノッティングヒルの恋人』にも使われた"When You Say Nothing at All"をはじめ、5曲のナンバーワンを含む1984年から91年にかけてヒットしたメジャーカントリー16曲集。

ROU-0657 CHARLIE SIZEMORE『Heartache Looking for a Home』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Down in the Quarter/No Lawyers in Heaven/Walking the Floor Over Me/Going to Georgia 他全14曲

1978年、17歳でクリンチ・マウンテン・ボーイズのリード・ボーカルを故キース・ウィットリーから引き継ぎ9年半、ラルフ・スタンレーの片腕として活躍したチャーリー・サイズモア。その後、大学に入り弁護士資格を取得、現在は弁護士として活躍すると同時にチャーリー・サイズモア・バンドを率いて2008年の秀作『Good News』につづく最新作。スタンレー・サウンドを支えてきたそのボーカルはさすが、強力な説得力で語りかけてくる。ポール・クラフト作オズボーンのヒットで知られるタイトル曲、あの女優"Ashley Judd"などポール作が5曲のほか、トム・T.ホール、アラン・ジャクソンなどとトラッド曲など、「詩」にこだわるというチャーリー。ラリー・スパークスに10年間在籍したジョッシュ・マクマーレイのJ.D.クロウ流バンジョー、コンティネンタル・ディバイドなどで活躍したダニー・バーンズ(m)、マット・ディスペイン(d)、アリソン・クラウス育ての親ジョン・ペネル(bs)のバンドメンバーにロン・スチュワートのフィドルが全編、そしてラルフ・スタンレーが1曲でゲスト。つねに現代と向き合うカーター・スタンレーの伝統=スタンレー・サウンドの継承者だ。

FRC-639 RALPH STANLEY『Christmas Time』CD¥2,888-(本体¥2,750-)

1993年に発表されたラルフのクリスマス企画物。若くして絶大な信頼を得たアーニー・サッカーをリード・ボーカルに、カーリー・レイ・クラインとアート・スタンパーのフィドル、ジャック・クックのベース、ジュニア・ブランケンシップのリードギター。廃盤、売り切れゴメン!

FRC-643 RALPH STANLEY『Saturday Night』CD¥2,888-(本体¥2,750-)

1992年に発表された上記と同じクリンチ・マウンテン・ボーイズ。ただし各曲ごとに豪華ゲストはビル・モンロー、ジミー・マーティン、チャーリー・ウォーラー、ドワイト・ヨーカム、エミルー・ハリス、ジョージ・ジョーンズほか。これも廃盤、売り切れゴメン!

PC-1167 ERNIE THACKER『The Hangman』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

16歳でラルフ・スタンレーのクリンチ・マウンテン・ボーイズのマンドリニストとなり、18歳でラルフのリードシンガーとなったして高い評価を得たアーニー・サッカーの最新作。息子にキース、娘にウィットリーと名付けたというアーニー、カーターからキースへと引き継がれた国道23号線上の感性を表出する深いボーカルと、自身のバンド、その名もルート23に無名ながらベテランのディック・ローチ(bj)と故ガーランドの遺児ブランドン・シュッピング(m)、そしてゲストのジョン・リグスビー(f)のフレットのすみずみを心得たミュージシャンを配して、歌心満点のトラッド・ブルーグラスを聴かせてくれる。ルービン~ジム&ジェシー名曲のほか、ドワイト・ヨーカムやクリス・クリストファーソンらの作品とオリジナルをバランスよく配した秀作である。生死をさまよう2003年の交通事故から生還したアーニー・サッカー、ラルフ・スタンレーが息子ラルフ二世にバトンタッチさせたすばらしいシンガーである。

REB-1765 RALPH STANLEY『While the Ages Roll On』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

2000年発表作品。リードボーカルに息子ラルフ二世を配し、バンジョーには自身のクローンともいえるスティーブ・スパークマン、リードギターにジェイムズ・アラン・シェルトン、フィドルにジェイムズ・プライス、マンドリンにジョン・リグスビー、そしてジャック・クック(bs)という21世紀布陣! これで『オー・ブラザー!』の大ブレークを迎え、ラルフは名実ともに米国の人間国宝となる。

CCCD-0151 RALPH STANLEY II & JOHN RIGSBY『Clinch Mountain Echoes: Songs in the Stanley Tradition』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

何故か日本人「親の七光り」とか言って親子アーティストの息子には厳しい目を向けがちなのは、「愚妻」とか「愚息」と言わざるを得ない社会体質のせいだろうか?はたまた階級社会を否定した戦後民主主義と呼ばれるものの産物なのだろうか? その点、アメリカはおおらかです。有名人の子供がおいしいチャンスを持つのは当然というお国柄、ラルフ二世も小生意気な子供時代からそのデカイ態度は堂々としたもんだった。その彼、長ずるに連れすばらしいシンガーとなっていくですよ、ほんま!! まずはラルフ二世とマルチプレイヤー、ジョン・リグスビー(ドンの従兄弟)が1996年に発表した二世の第一歩!!

REB-1750 RALPH STANLEY II『Listen To My Hammer Ring』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

1999年発表、ラルフ二世20歳のソロ・デビュー作。カーター・スタンレー時代の名曲がズラリと並ぶ中、カントリー名曲"Blue Eyes Crying in the Rain"などに挑戦。キース・ウィットリーの若かった頃をイメージしているのだろうか……、父ラルフとともに初々しいスタンレーサウンドがいい。

REB-1760 RALPH STANLEY II『Pretty Girls City Lights』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

2000年発表。1年でこんなにカッコがつくのか!と驚くほど、堂々としたすばらしいキース・ウィットリーぶり!! リッキー・スキャッグスがキースと歌うために創った"All I Ever Loved Was You"から"Angels Are Singin'"とつづく3曲目から4曲目なんて、すばらしい出来だ。父ラルフとクリンチの面々ががっちりとサポート、ラッセル・ムーアもゲスト。

REB-1805 RALPH STANLEY II『Carry On』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

そして2004年作品、ここまで来るともう立派、タイトル通りスタンレーサウンドを継承。その完璧なボーカル・コントロールはカーター・スタンレーからキース・ウィットリーへと移り変わってはいるものの、"Single Girl"、"Mountain Dew"、"Devil's Little Angel"など、あらゆる情感を歌いこむまでに成長している。ティム・クラウチのすばらしいフィドル、かつてのクリンチ、ジュニア・ブランケンシップを呼び寄せたり、ジョッシュ・ウィリアムズやケニー・スミスなども迎えてラルフ二世の音を創りはじめている。

RCSI-1027 NATHAN STANLEY『My Kind of Country』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

そして現在のクリンチ・マウンテン・ボーイズのギター/リードボーカルはラルフとジミ・スタンレー夫妻の娘、トーニャの息子でラルフの孫18歳、ネイサン・スタンレー。その彼が若さにまかせて創ったストレート・カントリー有名曲集。ハンク・ウィリアムズ、ジョニー・キャッシュ、バック・オウエンズらのカントリー名曲とスタンレー系ブルーグラス名曲の双方を全編カントリー・サウンドで聴かせる楽しい作品。ラルフはもちろん、ビンス・ギル、リトル・ジミー・ディッケンズ、パティ・ラブレス、ジョン・アンダーソン、マーティ・ステュアート、コニー・スミス、ジーン・ワトソン、リッキー・スキャッグス、リッキー・スキャッグスほかのゲストたちと、「自分のカントリー」を歌う。

■ヘイゼル・ディケンズ他界
 女性がブルーグラスをするという、さまざまな意味での障害を乗り越えた真のパイオニア、ヘイゼル・ディッケンズが4月22日に他界した。1985年、宝塚フェスのゲストとして初来日、彼女の居間の壁には来日したときの北海道池田町でのコンサートのポスターが亡くなるまで飾られていたという。ムーンシャイナー誌6月号での追悼特集に先立って、ヘイゼルの在庫作品を紹介しておこう。
ROU-0200 HAZEL DICKENS『By the Sweat of My Brow』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ヘイゼルがソロとして発表した1983年の第2作。のちにリン・モリスがカバー、1996年のIBMA最優秀ソングに選ばれた"Mama's Hand"ほか、オリジナルが半数の6曲を占め、ミュージシャンとして絶頂期にあったヘイゼルを偲ぶことができる名作である。バックにはジョンソン・マウンテン・ボーイズのほか、ジェリー・ダグラス(d)、ロイ・ハスキーJr(bs)、ブレイン・スプラウス(f)、ジョー・ドラムライト(bj)ら。1985年の来日のときも、このアルバムからの曲が中心だったように記憶している。

SF-40065 HAZEL & ALICE『Pioneering Women of Bluegrass』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ヘイゼルとアリスというふたりの女性デュオがブルーグラスに挑戦することに、ビル・モンローは喜びサポートを惜しまなかったことはここに収められている"The One I Love Is Gone"を聴けばいい。この名曲はモンローが彼女たちに提供したものだ。それは彼女たちの保護者でもあったラルフ・リンズラーやマイク・シーガーらの説得にもよるところが大きいという。そんな濃いモンロー精神を体現しようと集まったチャビー・ワイズ(f)、デビッド・グリスマン(m)、ラマー・グリア(bj)らと残した26曲。どれもこれもアパラチアの深い悲しみをモンロー音楽の手法を通して表現された大秀作である。

■バリンジャー・ファミリー来日とファミリー・ミュージック
 ムーンシャイナー5月号では、5月末に来日するバリンジャー・ファミリーの特集と同時に、ルーツ音楽をベースにするブルーグラスの家庭事情を垣間見る特集を組んでいる。来日するバリンジャー・ファミリーとマット・フリナーの作品のほか、ホームメイド・ミュージックと呼ぶに相応しい作品をいくつか紹介しよう。
RCSI-1023 BALLINGER FAMILY BAND CD-R¥2,573-(本体¥2,450-)

Wildflowers/Wave the Ocean/Speed of the Sound of Lonliness/Love Song/Canned Music/Scotch and Soda/Spanish Pipe Dream(Blow Up Your TV) 他全9曲

クリスとデール妻夫と息子イーサンのバリンジャー・ファミリーが創った暖かいファミリー・ミュージック。録音当時23歳、スーパーピッカーのイーサン(m,g)が、両親の音楽を見事にアレンジ、トラッド2曲にキングストン・トリオやエルトン・ジョン、トム・ペティやジョン・プライン、ダン・ヒックスらの名曲を優しくアコースティックに包んだホームメードCD。ジミー・マッティングリー(f)、マット・フリナー(bj)、マイク・ウィッチャー(d)、ランディ・コーアズ(lap steel)ら、スーパーピッカーたちを随所に配し、母クリスの暖かいボーカルと父デールのちょっとヒップなハスキーボイス、そしてイーサンのマンドリンとギターを軸にしたインスト2曲が、ホッコリとした家族の様子を伝えてくれる。

EB-0801 ETHAN BALLINGER『Wish Upon a Falling Star』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Sticks and Stones Will Break My Bones But Tanks Will Never Hurt Me/Waving/Goodbye 他全16曲

新世代のスーパーピッカーとしてナッシュビルを本拠にミッシー・レインズ&ニューヒップやアリソン・ブラウン・カルテットをはじめ、さまざまなバンドに参加して活躍するイーサン・バリンジャーの2008年デビューインスト作品。大学卒業記念でもあるのだろう、イーサンの広い世界観をマンドリンとギターを中心に、タブラやカホーンなどパーカッション以外ほとんどの楽器を多重録音でこなした力作。ミッシー(bs)が2曲、マット・フリナーがマンドリンとバンジョーで各1曲にゲスト。

CPM-009 SUSI GOTT & CHRISTIAN SEGURET『Carolina』CD¥2,573-(本体¥2,450-)(歌詞付き)

元エディ・アドコック・バンドのスージ・ゴット(f)と、フランス出身のクリスチャン・セグェ(m)の1999年作品。二人が講師を務めた東テネシー州立大学周辺や、スジーの故郷ノース・カロライナの風景をオリジナル曲に込め、ジェフ・ホワイト(g)、チャーリー・クッシュマン(bj)、マイク・バブ(bs)によるナッシュビルと、フランス・パリのブルーグラッサー達による二つのセッションで、クリスチャンのメチャ美しいマンドリン(1927年製ギブソンF-5)とボーカル、スージの飾り気のないフィドル&ボーカルが楽しめる。ブルー・リッジの懐で二人の幼い子どもを育てる様子が伝わるホノボノとする作品。

RC-118 三津谷組『Y'all come back an' see us, y'hear! まいど、おおきに!』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

日本でもファミリーバンド、結構あったんですよ。これは2000年作、70年代にはロッコー・マウンテン・ボーイズとして活躍した三津谷まさよしとチーコ夫妻のファミリーバンドによる大阪ミナミ産オールドタイム/ブルーグラス全12曲集、楽しいよ……、こんなブルーグラス・ライフも、ありなのよ!!

FBG-001D V.A.『Families of Bluegrass: An American Tradition』DVD¥2,573-(本体¥2,450-、64分)

1993年にインディーTV番組のために収録された家族とブルーグラスをテーマに、ケンタッキー州オウエンズボロのオハイオ河の岸辺で収録された特別番組。ロニー・レノの司会(さすがに本場田舎系英語は聞き取りにくいぞ!!)で、デル・マッカーリー、ラルフ・スタンレー、オズボーン・ブラザーズ、ザ・ホワイツ、アリサ&ラモナ・ジョーンズ、レノ・ブラザーズ、コックス・ファミリーらが家族に伝わっていくブルーグラスを演じ語るライブ映像全17曲。地方制作のケーブル・テレビ番組のDVD化でチャプターもない製品だが、ブルーグラスが21世紀のあたらしい時代に向かおうとする直前、第一世代ブルーグラスとのつながりをテーマに、バラエティに富んだブルーグラスの形を楽しめる映像作品である。

SKFR-2021 CHERRYHOLMES『Ⅳ; Common Threds』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

そして現在ファミリーバンドの究極バンド、だが「今月解散!!」と衝撃的な発表をしたチェリーホームズ、最後の最新作。今年のグラミーにノミネートされた本作唯一のインスト"Tattoo of a Smudge"で驚くまでもない、バンド結成10年でこんなにものすごい作品を創る、現在の米国ブルーグラス界のすごさが凝縮したような作品。子供をひとり亡くしたことで窮地に追い込まれた家族を立て直すためにブルーグラスをはじめたシロート集団、チェリーホームズ一家、マッチョな父ジェリー(bs)、張り切り母さんサンディ(m)、そして溢れかえる才能に恵まれた4人の子どもたち。長女シアはバンドの看板であるリード・ボーカルと超ソリッドなバンジョー、長男B.J.の超絶フィドル、次男スキップのハイテク・ギター/マンドリン、次女モリー・ケイトの見事な左利きフィドル……、それらどれもが機能的に組み合わさり10年間、家族だけでここまで完成されたサウンドが創れるものかと、驚きを通り越してあきれ返る。自費制作3枚につづくリッキー・スキャッグス・レーベルからの4枚目、前作『Ⅲ: Don't Believe』(SKFR-2020 ¥2,573-)あたりから水を得たように、ものすごい完成度に達したチェリーホームズ。ブルーグラス楽器とそのノウハウだけで、ここまで豊かな表現力を創り上げる家族の絆、それをつなぐブルーグラスのすごさに改めて思いを致す。IBMAアワード最高賞エンターテイナーまでもを獲得した奇跡のファミリーバンド、チェリーホームズの完結作!!

■ビル・モンロー生誕100年、センテニアル!!
1911年9月13日、ケンタッキー州ロジーンに生を享けたウィリアム・スミス・モンロー、「ブルーグラスの父」、今年はその生誕100年だ。ビル・モンローの音楽を伝える、さまざまなお奨め作品を、1年にわたって紹介している。
MVDV-4577 & BOOK-27 BILL MONROE『Father of Bluegrass Music』DVD +BOOKセット特価 ¥3,675-(本体¥3,500-)

 今年生誕100年を迎えるビル・モンロー(1911-1996)がすべてを語る必携名作DVD。 故ジョン・ハートフォードとのモンロー農場でのインタビューを軸に、レスター・フラット、エミルー・ハリス、ポール・マッカートニー、オズボーン・ブラザーズ、ドリー・パートン、リッキー・スキャッグス、マーティ・ステュアート、そしてデル・マッカーリー/ビル・キース/チャビー・ワイズのブルー・グラス・ボーイズ・リユニオンなどの超貴重な演奏、ジェリー・ガルシアやロイ・エイカフのインタビューなど、日本語/英語併記の完全対訳本とともに、20世紀の偉大なアメリカ音楽家の生涯を再訪しましょう。感動です!! 必見必携のDVD&対訳本セット!!!
B000442402 BILL MONROE『Definitive Collection』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

Blue Moon of Kentucky/Jimmy Brown the Newsboy/I Saw the Light/Footprints in the Snow/Scotland/Walls of Time/Kentucky Waltz/Uncle Pen 他全22曲

 1954年夏、エルビス・プレスリーがデビュー盤に取り上げたことで急遽録音した"Blue Moon of Kentucky"を1曲目に、1981年にガンが発覚したときに録音された"My Last Days on Earth"まで、主に1950年代のいわゆる「ハイロンサム」を強く押し出したもっともモンローらしい、言い換えればもっとも厳しいビル・モンローの音楽が堪能できる、現在発売中の正式録音モノの中ではイチ押しの作品。

SF-40063 BILL MONROE『Live 1956-1969; Off the Record Vol.1』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

 ビル・モンローの、不遇時代からフォークリバイバルとともに若者たちからブルーグラスの父と尊敬されはじめる頃、もっとも尖っていた1960年代の凄まじい75分ライブ全27曲集。ピーター・ローワン、デル・マッカーリー、ビル・キース、ローランド・ホワイト、ヘイゼル・ディッケンズや超貴重な兄、チャーリー・モンローとの歴史的モンロー・ブラザーズ・リユニオンほか。この抑え難い衝動、そのエネルギーと内に秘めた寂寥感、ブルーグラスのある本質である。この熱とエネルギーこそ民衆音楽の魂だ。ビル・モンロー音楽を芸術の域に認めさせた最大の功労者、故ラルフ・リンズラーが制作編集した入魂の「生(ライブ)」のビルモン!!

ブルーグラスお勧め作品
(すでに新入荷で紹介済みの作品です)
■話題のブルーグラス最近作
今、最も旬なブルーグラス・アルバムたち…
RUR-1072 BOBBY OSBORNE 『Memories』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Mountain Fever/Rocky Top/Pain in My Heart/Ruby/Memories/Man from Rosine/Memories of Yeasterday/Up This Hill and Down/Bobby Van Waltz 他全14曲

 ボビー・オズボーン今年80歳、ブルーグラス第一世代の偉大なマンドリン奏者/シンガーの最新作は、ラッセル・ムーアやパティ・ラブレス、デビッド・グリスマンやロニー・マッカーリー、サミー・シーラーやオウディ・ブレイロック、そしてなんと!!三味線の国本武春らをゲストに迎え、充実のオズボーン節炸裂、60周年記念作品である。1949年にロンサム・パイン・フィドラーズで発表した自作の"Pain in My Heart"ほか、出世曲"Rubeeeeee"、そしてテネシー州歌にもなった"Rocky Top"をはじめ、ボビーの美しくかつダイナミックなカントリーバラッド等々。いまやボビーのサウンドクリエーターでもあるグレン・ダンカンが縦横無尽のフィドル、曲調によってはスティール・ギターやドラムスも加えた大胆なアレンジで新バンド、ロッキー・トップ・エクスプレスを引っ張っていく。グリスマンを迎えてマンドリン奏法のパイオニアとしてのすばらしいインスト2曲とともに、第一世代にある種共通の音楽に対する抑えがたい衝動が堪能できる秀作である。

ちなみに、弟ソニーの引退を受けてあたらしく結成したロッキー・トップ・エクスプレスの作品として、2009年の前作『Bluegrass & Beyond』(ROU-0603 ¥2,573-)と2007年の前々作『Bluegrass Melodies』(ROU-0582 ¥2,573-)も、強力にお勧め。ボビーのすばらしいインパクトに涙する作品群である。

MH-1295 BALSAM RANGE『Trains I Missed』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

The Other Side/Callin' Caroline/East Virginia Blues/Gonna Be Movin'/Memory of You 他全12曲

リッキー・スキャッグスのお気に入りバンジョー奏者として知る人には知られたマーク・プルエットほか、ノース・カロライナ産の強烈なローカル・ミュージシャンたちの凄いテク、凄いこと!! そしてバンド・サウンドを強く意識したアグレッシブなアレンジと、アルバム発表ごとにブルーグラス・アンリミテッド誌の全米チャートの上位に常連するバルサム・レンジの最新作。ブルーグラス楽器、リズム、メロディなどの特長をデフォルメ/美味しいところを強調して、ニューグラスとカントリーロックなどの経験に裏打ちされた節で快調な現代ブルーリッジ系ブルーグラスを聴かせる。プルエット以外の全員が歌えるという強味もすばらしい。ムーンシャイナー最新5月号ブルーグラス・アルバムとソング・チャートでともに第3位快走中!!

REB-1839 JOE MULLINS & RADIO RAMBLERS『Hymns from the Hills』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

He Loves Me/Fallen Leaves/Rock of Ages Keep My Soul/Jesus Loves Me/I'll Never Go Back/That Little Old Country Church House/Sweet Hour of Prayer 他全14曲

故ポール・マリンズの遺志を継いで息子ジョー・マリンズ(bj)がトラッドグラスの王道を極めて丁寧に、かつ極めて高度に演じる新バンド、レディオ・ランブラーズの第2弾はゴスペル作。知る人ぞ知る!!ジョー・マリンズの凄いスクラッギストぶり(バックアップで如実なビッグバンジョー!!)とその突き抜けるようなテナー・ボイス、メチャ趣味のいい歌うフィドルのイバン・マグレガー、申し分ないリードボーカルのアダム・マッキントッシュ(g)、バリトンのマイク・テリー(m)、ティム・キッド(bs)というすばらしいバンド・サウンドで、ラルフ・スタンレー、ドイル・ローソン、ラリー・スパークス、ロンダ・ビンセント、ポール・ウィリアムズら、錚々たるシンガーを迎える。この重量級ゲストを迎えてもビクともしないすばらしいバンド・サウンド、自費制作で出したデビュー作『Rambler's Call』(REB-1833 ¥2,573-)もレベル・レコードから正式に発売し直されている。ブルーグラス・アンサンブル(楽器とハーモニー)がいかに大切か、つくづく分かるすばらしいバンドなのです!!

ROU-0658 SIERRA HULL『Daybreak』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Easy Come Easy Go/Don't Pick Me Up/Bombshell/Best Buy/I've Always Be Waiting for You/What Do You Say?/Tell Me Tomorrow/Chasin Skies 他全12曲

天才マンドリン奏者シエラ・ハルの最新第3作。来日ツアーしたのはもう3年前、ちょうど全米デビュー作『Secret』(ROU-0601 ¥2,573-)を発表した16歳のときだった。あれから3年、19歳になったシエラはブルーグラスからは初めてとなるボストンのバークリー音楽院の学長特選奨学金を得て今年5月には2年間の留学を終え、フルタイムでのミュージシャン活動に入るという。相変わらずの可憐な少女といった容姿とは似ても似つかぬ超ハイテク・マンドリンにはますます磨きがかかり、ボーカルには安定感が増しタイトル曲"Daybreak"ではしっとりと聴かせ、さらに12曲中7曲のオリジナルと、大きく成長したところを見せる。2年間の東部での大学生活から得た知識よりも、シエラが根っから持っている素直なブルーグラス感覚がストレートに出た、さわやか作品となっている。バリー・ベイルズのプロデュースで、ロン・ブロック(g)やロン・スチュワート(bj)、ブライアン・サットン(g)、ステュアート・ダンカン(f)らもサポートしているが、来日したクリスチャン・ウォード(f)やコリー・ウォーカー(bj)、ジェイコブ・イーラー(bs)、そしてクレイ・ヘス(g)らのハイウェイ111のメンバーも活躍するさわやかブルーグラスだ。

MH-1309 THE BOXCARS CD¥2,573-(本体¥2,450-)

December 13th/Old Henry Hill/Log Cabin in the Lane/Never Played the Opry/I Could Change My Mind/Take Me on the Midnight Train 他全13曲

昨秋のWOBでもっとも大きな話題だった新バンド、ザ・ボックスカーズのデビュー作。アダム・ステッフィ(m)とロン・スチュワート(bj,f)という現在のブルーグラス・アンサンブルを代表する2枚看板に、知る人ぞ知る大ベテランでクイックシルバーからアリソン・クラウスのユニオン・ステーション、そしてジ・アイザックスのメンバーだったジョン・ボウマン(f,bj)、注目を浴びるブルー・ムーン・ライジングの創設メンバーだったキース・ギャレット(g)、そしてJ.D.クロウ&ニューサウスにいたハロルド・ニクソン(bs)の5人組。1990年代から現在まで、ブルーグラスのメインストリームを常にサイドマンとして影から支えてきたアダム、ロン、ジョンというベテランが、決してわれ先に(これ見よがし)ではないバンドサウンドを求めて結成したのであろうボックスカーズ。2曲の超スタンダートと新曲、キースという稀代のストーリーテラー/リードボーカリストを発掘して(アダムとジョンが2曲ずつ、そしてロンまでが1曲でリード・ボーカルを担当)、お手本のようなロンのスクラッグス→クロウ経由バンジョーとアダムのブッシュ→マーシャル経由マンドリンに見られる丁寧な音作りで現在ブルーグラス王道を聴かせる。ムーンシャイナー最新5月号ブルーグラス・アルバム・チャートで第1位快走中!!

ROU-0660 STEVE MARTIN & STEEP CANYON RANGERS『Red Bird Alert』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Yellow-Backed Fly/Best Love/Northern Island/Atheists Don't Have No Songs/King Tut. 他全13曲

超セレブ、スティーブ・マーティンのラウンダー最新第2弾。これはもう、セレブのお遊びの域を超えた……ポール・マッカートニーとディキシー・チックスという超セレブのゲストを迎えてはいるが、すばらしいアルバムになっている。前作『The Crow』(ROU-0647 ¥2,573-)ではアール・スクラッグスやベラ・フレック、ティム・オブライエンやビンス・ギルをはじめ、ブルーグラス有名人を動員してグラミー賞最優秀ブルーグラス・アルバムも獲得してしまったが、本作ではツアーを共にするバンド、スティープ・キャニオン・レンジャーズをフィーチャー、しかも全曲書下ろしの秀作曲揃い。見事なクロウハンマーとスリーフィンガーのバンジョー使い分けが見事なのは、プロデューサーのトニー・トリシュカならでは。なにか一芸に、彼の場合は世界的コメディアンだが、秀でた人物というのは自分のやっていることの意味がクリアに観えるものなのだろう。ライナーノーツに書かれたものや、ここで歌われる歌詞の意味がもっと分かれば、さらにいいだろうが、分からなくても十分に楽しませてもらえるエンターテイメント作品。最後に2曲(かつての大ヒット「ツタンカーメン王」と「無神論者に音楽無用!?」)のライブがあるが、これまた凄い!!

REB-1838 BIG COUNTRY BLUEGRASS『The Boys In Hats & Ties』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Black Mountain Special/Prodigal/Lonely Old Man/Foggy Old London/Wreck on the Highway 他全15曲

トミー・セルズを中心に、デリケートなビッグ・バンジョーを聴かせるリンウッド・ランスフォードほか通常5人組、バリバリの正統派ブルーリッジ系ブルーグラス。タイトル曲(トム・T.ホールと2~3月に来日したドン・リグスビー作曲)ではアーリー・ブルーグラス時代に小粋な「帽子とネクタイ」でアパラチア地方を席巻した第一世代ブルーグラスに敬意を表し、なんとムーンシャイナー誌最新4月号のブルーグラス・ソングチャート第1位!! アルバムも4位という旬のバンド。……やっぱブルーグラス、アメリカでもこういうバタ臭いアパラチア物が受けるんだ!? カレン・ギャリーンやロイ・マクミランら、ブルーリッジ系の重鎮らの作品を並べた選曲も秀逸。近年のブルーグラス、中途半端じゃないバリバリのローカル、ホンモノを感じさせるアパラチアン・ソウルが受けるのだ。ムーンシャイナー3月号のブルーグラス・ソング・チャートでタイトル曲が1位、アルバムで第3位獲得!!

COMP-4543 PETER ROWAN BLUEGRASS BAND『Legacy』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

今年のグラミー賞ブルーグラス部門にノミネートされたピーター・ローワン最新作。20世紀のブルーグラス・ソングをモンローの魂を受け継いで世界に広め高めた最大の功労者。アリソン・ブラウンのプロデュースのもと、バーン・ウィリアムズ・バンドで知られるメロディ感覚鋭いキース・リトル(bj)、1960年代初期からニューヨーク・ブルーグラスで活躍したジョディ・ステッカー(m)、そしてポール・ナイト(bs)という、スーパーピッカーたちのアンサンブルより、信頼する友人たちとの私的なブルーグラスがとてもよく似合う4人組。深い意味を持つピーター・ローワン世界、心に刺さるブルーグラスを聴かせてくれる。ところで、……凄いピーターを昨秋のIBMAで観たぞ!! ピーター68歳、まだ最前線にいるぞ。リポートはムーンシャイナー誌11月号!!

MRM-006 JAMES REAMS『One Foot in the Honky Tonk』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Cotnbread, Molasses & Sassafras Tea/Almost Hear the Blues/Goin' Home/Florida Blues 他全15曲

ニューヨークのブルックリンを本拠に活躍するジェイムズ・リームズとバーンスーマーズの最新作。ジェイムズは10代でケンタッキーから北部に移住、自身の出自を強く意識した、北部ミュージシャンに多いホンキートンク志向を持ってニューヨークでブルーグラスとオールドタイム啓蒙のさまざまな活動をしている。決してスーパーではないし滋味深くもないけれど、ローカルな仲間たちと自分たちが大好きな「古き良きブルーグラス」を追求、ニューヨークのど真ん中でド田舎の酒場歌に酔う4人組に、NYブルーグラス仲間のケニー・コセック(f)とバリー・ミターホフ(m)がお手伝い。

SWM-2008 McCROMICK BROTHERS『Somewhere in Time』CD¥2,573-(本体¥2,450-)(歌詞付)

Don't Call Me, I'll Call You/East Bound and Down/Haskel's Stomp/I Still Miss Someone/Salty Dog Blues/Nashville Grass Breakdown 他全18曲

ブルーグラス第一世代のマコーミック・ブラザーズ、2009年に発表されたこの最新作は半世紀50年以上も経った、いまや孫たちに囲まれたおじいちゃんらのブルーグラスとはとても、とても、とても思えないハツラツとした若々しさとエネルギーに満ちた大秀作である。1954年にヒッコリー・レコードからデビューした彼ら、有名にはならなかったけれど、そのオーセンティックでありながら進取の粋なサウンドは高い評価を得た。そうそう、バンジョーのハスケルは1970年代、レスター・フラットのナッシュビル・グラスですばらしいバンジョーを弾いていたことでも知られる。そのよく乾いた小気味よいバンジョー・トーンは近年聴くことの少なくなった1950~60年代の、あのウキウキとする当時のバンジョーらしいバンジョー、そして年齢を感じさせない驚くべき安定感とスピード感のあるが堪能できる。そしてリード・ボーカル、ジェラルドの伸びのあるテナーボイスと実にブルーグラスらしい選曲(中には『トランザム7000』や『じゃじゃ馬億万長者』のテーマなどのお楽しみ付き!)にハスケルのすばらしいテナー、3人兄弟のもうひとりウィリアムはステディなベースで貢献。そして、あのマイケル・クリーブランドが全編、フィドルとマンドリンで耳をそばだててくれる(アーリー・ブルーグラスの雰囲気は壊さない)。50年代の香りのするブルーグラスらしいブルーグラス、お勧めの大秀作である。

■初心者歓迎コーナー
各ジャンルのハズレなし、秀作とされるCDアルバムを、新旧取り混ぜて毎月紹介します。これらを聴き込んでいけば、あなたもこれらアパラチア系音楽のすばらしさに、きっとのめり込みます!
●ブルーグラス入門
COL-77627 LESTER FLATT & EARL SCRUGGS『Foggy Mountain Jamboree』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

1957年10月7日に発売された、おそらくブルーグラス史上もっとも重要なアルバムとされている作品のCD化。アール・スクラッグスの"Earl's Breakdown"や"Flint Hill Speial"など超有名バンジョー・インスト6曲とレスター・フラットの"Blue Ridge Cabin Home"や「新聞売りのジミー少年」など歌物6曲のオリジナル盤の12曲にオマケが3曲、"Dear Old Dixie"、"On My Mind"、"Pray for the Boys"(ほんとうはオマケなんかいらないけど!!)を加えた全15曲。マンドリンの影が薄いものの、1950~60年代に「これが典型的なブルーグラス」として多くの人に認知された大名盤である。ちなみに本作のバックアップも含めた完全コピー・バンジョーTAB譜(TIM-3 Book¥1,050-)がある。

SH-2209 V.A.『True Life Blues; the Songs of Bill Monroe』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

1996年9月、ビル・モンローが病の床にあるときにこのアルバムが完成、当時最高のブルーグラス・アーティストが参加したこの作品のテープが早速届けられ、そのすばらしい出来映えに、彼はとても喜んだと伝えられる。その翌年2月、このビル・モンロー曲集はグラミー賞を獲得、世界に放映されたグラミー授賞式の生中継でビル・モンロー追悼演奏が放映された。本作には、モンローの遺志(ブルーグラス)をあたらしい形で伝える最高のミュージシャンたちが、おそらく病床のモンローに聴いてもらうことも意識して創ったであろう(と思いたいほど)すばらしいビル・モンロー超名曲集である。バッサー・クレメンツ、ボビー・ヒックス、デル・マッカーリー、ピーター・ローワン、ローランド・ホワイトらの元ブルー・グラス・ボーイズのほか、サム・ブッシュ、デビッド・グリスマン、ティム・オブライエン、クリス・シーリ、デビッド・グリア、ハーブ・ピーダセンほか、そして最後の故ジョン・ハートフォード"Little Cabin Home on the Hill"には、ただ「涙」する……。超名盤!!

●オールドタイム入門
SH-3952 TIM O'BRIEN, DIRK POWELL, JOHN HERRMANN『Songs from the Mountain』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

最高のミュージシャンによるオールドタイム入門としてさまざまな典型パターンを一望するベストセラー大傑作。フィドル・チューン、バラッドからフォスター、そしてサザン・ホワイト・ゴスペル"Angel Band"まで、アパラチアと南北戦争を描いた大ヒット大河小説&映画『コールド・マウンテン』(ニコール・キッドマン、ジュード・ロウ主演)の物語に沿って組み上げられた「これがオールドタイム音楽だ!!」の決定版!!

●アパラチアン・フォーク入門
SKFR-1009 RICKY SKAGGS『Solo; Songs My Dad Loved』CD¥2,573-(本体¥2,450-)(歌詞付)

1970年の高校生時代にデビュー後、1970年代のブルーグラスに大きな足跡を残し、1980年代にあたらしいカントリー回帰を標榜してカントリー界のスーパースターとなったリッキー・スキャッグス、1997年にブルーグラス界に戻ってきた彼が子供の頃に父から学んだ曲をシンプルに演じる2009年作。「父の好きだった(古い田舎の)音楽」を、文字通りソロ(全楽器/ボーカルをひとりで)で丁寧に演じる。今年のグラミー賞トラッドフォーク部門にノミネートされた秀作。

■ブルーグラス・マスターズ
そのキャリアで地位の確立した巨匠たち。
SH-3926 JOHN DUFFEY『Always in Style』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ビル・モンローが亡くなったショックから覚めやらぬ1996年12月10日、62才の若さでジョン・ダッフィが急逝した。個人的だが、自分たちブルーグラス45のアルバムをプロデュースしてくれたり、その後もさまざまな局面で多くの思い出を残してくれた。あれから15年だ。1957年のチャーリー・ウォーラーらとのカントリー・ジェントルメン結成は、サム・ブッシュをして「ニューグラスの父」と言わしめる偉大なブルーグラッサーだ。ジョンの名前が冠された唯一のセルダム・シーン時代のコンピレーション。

JJ-14424 JIM & JESSE『The Old Country Church』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ジム&ジェシー、1964年のブルーグラス・ゴスペル名盤のCD化。60年代の学生ブルーグラスがこぞって取り上げたタイトル曲ほか、"Kneel at the Cross"、"Rock of Ages"、"Lord, I'm Comimg Home""Swing Low, Sweet Chariot"、"Are You Washed in the Blood?"など、全12曲聴きなじみのゴスペル名曲ばかり。兄弟ともに30代の全盛期、名手アレン・シェルトン(2009年11月末に他界、ムーンシャイナー誌2010年2~3月号追悼特集参照)の端正なバンジョーとともに、ジェシーのバリトンと透き通るようなジム(2002年に他界)のテナーが清楚なブルーグラス・ゴスペルを聴かせる。前回紹介したチャック・ベリー曲集『Berry Pickin' in the Country』(JJ-18422 ¥2.573-)と同様、オールド・ファンには懐かしいJ&Jのマスト・アイテム!!

SH-2203 OSBORNE BROTHERS『Once More Vol. 1 & 2』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Cuckoo Bird/Each Season Changes You/Listening to the Rain/Kentucky/One Tear/Making Plan 他全24曲

1960年代に学生たちの心をつかんだオズボーン・ブラザーズの有名曲ばかりの極上ハーモニーとアンサンブルを1986年と1987年、ポール・ブルースター(現ケンタッキー・サンダー)のギターとハーモニーを得て2枚のLPで再演した大秀作をCD1枚にまとめた2on1。上記の彼らのヒット曲に加え、"Blue Moon of Kentucky"やボビーのオリジナルでトラッドグラス・スタンダード"Pain in My Heart"などもすばらしい。ソニーのバンジョーが唄ってるよ!!

インスト新入荷
RCSI-1033 IVAN ROSENBERG & BILLY CARDINE『The Donkeys』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Banjo a Trios Minu Uno/No Ash Will Burn/Far in the Wind/Don't Look Rough and Rocky 他全10曲

スリーフィンガーとクロウハンマー・バンジョーのメチャ格調高い東洋マウンテン的な美しいインストではじまる、ともにドブロ奏者でもあるアイバン・ローゼンバーグ(左チャンネル)とビル・カーダイン(右チャンネル)の2007年の大秀作品が再プレスだ。クロウハンマー・バンジョー奏者としても知られるアイバンと新世代のドブロを代表するビルのふたりが、インド系のスライドギターとしても知られるチャトランギ(Chaturangui)なども含む、弦をスライドするいう奏法のさまざまな可能性を聴かせてくれる。ビルのバンド、ビスケット・バーナーズ(ここのオデッサ・ジョーゲンソンは現在ベアフットで人気の女性シンガー/フィドラー)のギタリスト、ダン・ブレッツが趣味の良い音を聴かせてくれ、同バンドのメアリー・ルーシー"No Ash Will Burn"やシャノン・ウィットワース"Don't Look Rough and Rocky"が素敵にスモーキーな女性ボーカルを聴かせてくれる。限りない可能性を持つスライドギター、ドブロのあたらしい世界を覗いてください。

E1-2133 BELA FLECK & FLECKTONES『Rocket Science』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Gravity Lane/Prickly Pear/Joyful Spring/Life In Eleven/Falling Forward/Storm Warning 他全12曲

ベラ・フレック&フレックトーンズとして13枚目(ベスト集除く)の最新作は、なんと1990年のデビュー当時のメンバー、ハワード・リービー(piano/harmonica)が戻り、ロイ「フューチャーマン」ウートン(drums/drumitor)とビクター・ウートン(bs)兄弟との4人組となったオリジナル・フレックトーンズでの録音である。ブルーグラスとジャズのフュージョンという途方もないアイデアが生み出したまったく新しいアンサンブルとしてバンドとして4個のグラミーを獲得(ベラ個人は12個獲得、またグラミー史上もっとも広範な分野でノミネートされたアーティストとされる)、アメリカ音楽界に確固たる地位を築いている。もうやるべきことをやり尽くしたというベラ52歳、まだまだ若いぞ!

ROU-9100 OST『Get Low』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Lay My Burden Down/No Haircut/Farewell Blues/Monkey Bay/Whiskey Before Breakfast/East Virginia Blues/Angelina Baker/My Blue Heaven 他全16曲

ロバート・デュバルを主演に、シシー・スペイセク、ビル・マーレイなど、すばらしい役者を配した映画『Get Low』(日本公開未定)のオリジナル・サウンドトラック。1930年代、東テネシーのローン・カウンティでの実話を基にした物語で、1曲目にアリソン・クラウス"Lay My Burden Down"(クルックド・スティルのイーファ・オドノバン作=AKUS『Paper Airplane』にも収録)、スティールドライバーズ、ジェリー・ダグラスとステュアート・ダンカンのオリジナルやダグラス/マイヤー/バレンバーグなどのブルーグラス系、そのほかは"Farewell Blues"、"My Blue Heaven"など、1930年代録音のティンパン・アレー系スタンダードやジャズ(4曲)とオーケストラ・スコア(2曲)などを散りばめ、それ以外はブルーグラス大会という珍しいメジャー映画のサントラ盤。きっと映画を見たらその雰囲気に浸れるんだろう音楽。

インストお勧め作品
(楽器奏法や教則、またCDに関してはミュージシャン歴豊富なスタッフがアドバイス、また楽器につきましては、本体やパーツなど、各種取り扱っています。お気軽にお問い合わせください)
■今月のピックアップ、この1枚!!
WC-2009 JOHNNY WARREN & CHARLIE CUSHMAN『A Trivute to Fiddlin' Paul Warren』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

フラット&スクラッグスの黄金期を支えたフィドラー、ポール・ウォーレンの息子ジョニー・ウォーレンと、スクラッギストとして知られるチャーリー・クッシュマンが、ポールとアールが愛したテネシー・フィドルの数々を聴かせるインスト作品。器用なテクニシャンじゃなかったポールだが、アーサー・スミスに代表されるテネシー・スタイルのフィドル奏者として、その鋭い切り込みと突っ込むリズムでフラット&スクラッグスを活気づけ、アールのバンジョー美学を完成に導いた功績は大きい。そんなポールそのまま、プロゴルファーとしてのキャリアを重ねながら父親のスタイルと1956年以来父が使いつづけた古いステイナー(シュタイナー)・バイオリンを受け継いだジョニーが、アールの息遣いまでもを再現するチャーリー、ジョッシュ・グレイブスの甥であるティム・グレイブス(g)、マーティ・ステュアート、カーリー・セクラー(m)らのF&S縁者をバックに、ポールのレパートリーを中心に、御大アール・スクラッグスを迎えた1曲を含む、ポールとF&Sへ、心のこもったトリビュート作品。あのフラット&スクラッグスの10巻DVDシリーズ全巻を通じて、フィドル&バンジョーがいかに重要であり、インスピレーションを喚起させるものであるか、お分かりいただけただろうか? モンローも同様のことを言うが、あのフィドルの呼吸が肝なんだ!!

■ギター
SF-40157 MIKE SEEGER『Early Southern Guitar Sounds』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Wildwood Flower/Spanish Fandango/Guitar Rag/Fishin' Blues/Johnny Doyle/John Henry他全28曲

1930年代にマーティン社がドレッドノート・スタイルのギターを発表、多くの南部ミュージシャンに行き渡るまで、南部にはさまざまな種類のギターが存在し、また奏法自体もパーラー奏法の流れを汲むラグ、マウンテン・モダルやブルース、ハワイアン・ブームの影響から生まれたスライド奏法など、さまざまな奏法が生まれた。それら初期のギター写真と南部ギタリストのスタイルを35頁に及ぶライナーノーツ、そしてインストを中心にボーカルのリズムも含めて再現するマイク・シーガー遺書のような2007年作。あまりにも有名なマザー・メイベルのカーター・スクラッチを1曲目に74分、1850年から1930年までの奏法全28曲、オリジナルに忠実に紹介したマイクの本領発揮!!ギター必携の秀作である。ムーンシャイナー2008年8月号(¥525-)にこのライナーノーツを翻訳掲載しています。

SH-4040 BRYAN SUTTON & Friends『Almost Live』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ムーンシャイナー誌2009年8月号のカバーストーリーに登場、現在ブルーグラス・フラットピッキンの最高峰と言われるブライアン・サットン、4枚目2009年作は、リッキー・スキャッグスのケンタッキー・サンダーでデビューした1995年以来、ブルーグラスの最先端で積んできたキャリアの総集編的作品。トップクラスのゲストピッカーたちとのオールドタイムやジプシージャズも含んだバトルを経て、クリス・シーリとの目くるめくデュオ"Gonna Lay Down My Old Guitar"で終わる、自身のオリジナルをメインにしたギター弾きまくり快作。

■バンジョー
(ムーンシャイナー連載のチチ松村「バンジョー祭り」、世界のバンジョー音楽をお見逃しなく!!)
CMC-001 CHARLIE CUSHMAN『Five String Time』CD¥2,888-(本体¥2,750-)

Dance All Nite/Foggy Mountain BRD/Dear Old Dixie/Tenn. Cut-up BRD/Cumberland Gap/Sally Goodin/Flint Hill Special/Shuckin' the Corn 他全13曲

ナッシュビルのクロート筋に圧倒的な評価を受けるチャーリー・クッシュマンの唯一のバンジョー・アルバムがCD化された(1990年のカセット発売にボーナス)。その歯切れのよいトーンとタイミングは安定したインパクトを生む右手!!……その重要性をチャーリーはアール・スクラッグス後期のタッチから学んだに違いないとわたしは思っている。フィドルにはポール・ウォーレンの息子ジョニー、ギターにロイ・エイカフ・バンドのチャーリー・コリンズ、マンドリンにはボビー・クラーク、ベースにビリテリのテリー・スミス。1曲目からフィドル&バンジョーの重要性を再確認させてくれるほか、超有名スタンダードの数々と、あのゴールデン・トーンとタイミングがブルーグラス・バンジョー・フォロワーの琴線を激しく揺さぶってしまう。1937年のRB-75、1934年のRB-3とグラナダ、この3種のバンジョーを弾き分けているのだが、楽器より右手、そしてアールとドン・レノに対する尊敬の心がシンプルなブルーグラス・バンジョー名作にしている。

CCM-2064 FLATT & SCRUGGS『Foggy Mountain Banjo』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

もう何度目になるか?1961年発売のフラット&スクラッグスによるブルーグラス・バンジョー・アルバム永遠のベストセラーが再々再CD化である。アール・スクラッグスの天才的スリーフィンガー奏法と、いまだ最高のブルーグラス・アンサンブルと称えられるフラット&スクラッグスの絶頂期=レスターのギターリズムがクールな名盤である。……が、同時に「ブルーグラス・ドブロの父」アンクル・ジョッシュのもっとも有名なブレイクが堪能できる優れモノ!! ブルーグラス・ドブロを志す者も必ず通るべき関門である。……と同時に、ブルーグラス・ベースのスタンダードを提示した作品でもあり、この"Little Darling Pal of Mine"で聴かれるスラッピング・ベース・ソロは、ベース奏者必弾である!

■マンドリン
EB-0801 ETHAN BALLINGER『Wish Upon a Falling Star』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Sticks and Stones Will Break My Bones But Tanks Will Never Hurt Me/Waving/Goodbye 他全16曲

5月末に来日、新世代のスーパーピッカーとしてナッシュビルを本拠にミッシー・レインズ&ニューヒップやアリソン・ブラウン・カルテットをはじめ、さまざまなバンドに参加して活躍するイーサン・バリンジャーの2008年デビューインスト集。大学卒業記念でもあるのだろう、イーサンの大きな世界観をマンドリンとギターを中心に、タブラやカホーンなどパーカッション以外ほとんどの楽器を多重録音でこなした力作。ミッシー(bs)が2曲、マット・フリナーがマンドリンとバンジョーで各1曲にゲスト。

COMP-4351 MATT FLINNER QUARTET『Walking on the Moon』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Men from Boise/Caravan/Exfoliator/Ice Queen/Stufflebeam/Walk the Plank/Humdinger/33 他全11曲

イーサンとともに5月末に来日、今回の来日ステージではバンジョーがメインだが、本業はトーンとタイミングが絶妙なマンドリンのマット・フリナー、この2003年作品は自身のカルテットで、スティングのタイトル曲やスタンダードの「キャラバン」のカバー他、自身のオリジナルなどを、エレキとエレベにドラムスを加えた抑制の効いたファンク・ビートに乗って、見事にアコースティック・マンドリンが冴える。…そうそう、マーシャル系トーン美学にブッシュの不良性を加えて、出てきた音は上品なファンク・ジャズといった趣きの秀作である。

■フィドル
SH-3962 RANDY HOWARD『Rest My Case』』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

1999年6月、38歳の若さで逝った天才フィドラー、ランディ・ハワードが遺したフィドル名盤。発表はランディ他界後の2001年。死期を知っていた仲間たち、サム・ブッシュ、ブライアン・サットン、ロン・ブロック、デニス・クラウチらとの1曲目"New Camptown Races"を聴けばもうお分かり!! ほかにゲストはデビッド・グリスマン、ジェリー・ダグラス、ボーカルにはドン・リグズビーやカール・ジャクソンほか、トラッドグラスからジプシースウィング、ドーグなど、フィドル作品にはとどまらない聴きやすさも魅力。ステュアート・ダンカンらの超絶ブルーグラス・テクニックやテキサス、スウィングなどを習得した上に独自のダブルストップ美学が印象深いすばらしいフィドラーだった。フィドルファン必聴!

COMP-4334 FIDDLERS 4 CD¥2,573-(本体¥2,450-)

永遠のフィドル小僧、ダロル・アンガーが、オールドタイムのブルース・モルスキー、ケイジャンのマイケル・ドゥーシェ、そして当時クルックドスティルのラシャッド・イグルストンのチェロというトップ・アーティストで編成したカルテット。それぞれのフィドル・スタイルが持つリズム・グルーヴを描きながら、4曲のボーカルを配し、ダロルのバーサタイルなアレンジか楽しめるアメリカン・フィドル、2003年グラミーノミネート秀作である。

■ドブロ
SH-4041 ANDY HALL『Sound of the Slide Guitar』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

2008年IBMA最優秀インスト・アルバム受賞作品。デビッド・グリア(g)、ロブ・アイクス(d)、ティム・スタッフォード(g)、ジェシ・コッブ(m)との各デュオ4曲、自身のバンド、ストリングダスターズとの5曲(内1曲はボーカル)、そしてノーム・ピケルニー(bj)を加えた1曲、ノーマン・ブレイクのメドレーをソロで演じる1曲の計11曲。ムーンシャイナー誌2009年5月号の表紙を飾った新進ドブロ奏者アンディ・ホール、バークリー音楽院に入ってからブルーグラスをはじめたという経歴の持ち主だ。

オールドタイム&フォーク新入荷
DTR-001 BRAD LEFTWICH & HOGWIRE STRINGBAND『Rascal Fair』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Rabbit in the Lowground/Sally Johnson/Shout Lula/Let Me Fall/Sun's Gonna Shine 他全16曲

現在オールドタイム・フィドルの第一人者、ブラッド・レフトウィッチが率いるホッグワイアー・ストリングバンドのデビュー作。ブラッドのフィドルとボーカル、ブラッドのパートナーというリンダ・ヒギンボサムのバンジョー・ウクレレ、元パンクロッカーだったというジョエル・レンシュのギター、リズム&シューズというクロッグダンス・チームにいたマリエル・アベルのベース。唯一のオリジナルでタイトル曲にもなっているマリエルの作品以外はさまざまなオールドタイマーから学んだ伝承曲。ブラッドのフィドル・チューン(5曲)を軸に、ドック・ボッグス、エド・ヘイリー、トミー・ジャレル、カ-ター・ファミリー/フラット&スクラッグスほか、さまざまなソースから学んだ伝承曲(歌11曲)を、虚飾を廃しひたすらオールドタイム・リズム・グルーヴに身をゆだねる。ビル・モンロー・フェスで知られるビーンブロッサム近くの学生街ブルーミントンを本拠に活躍する、正統派オールドタイム・ストリングバンドである。

SF-40202 OLA BELLE REED『Rising Sun Melodies』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

デル・マッカーリーやティム・オブライエンで知られる"High On a Mountain"や"I've Endured"などの作者でありバンジョー奏者/シンガー、オラ・ベル・リード(1916-2002)。ノースカロライナの寒村から多くの移住者と同様、音楽とともに北部に移住。メリーランド州ライジングサンのニューリバー・ランチやペンシルベニア州ウエストグローヴのサンセット・パークなどで北部の若者たちに本物のアパラチア音楽を伝えた女傑である。既発売のフォークウェイズLP2枚のスタジオ録音から11曲、そしてオラ・ベルの人となりが良く伝わる1972年と76年のスミソニアン・フォークライフ・フェスからの未発表ライブ8曲の全19曲。ヘイゼル・ディッケンズと同様、本物の厳しいアパラチアの生活を背負ったボーカルが胸を打つ。ちなみに、レボン・ヘルムの娘、エイミー・ヘルムのバンド名は彼女から取った「オラベル」だった。

BCD-16094 V.A.『The Bristol Sessions, 1927-1928: The Big Bang of Country Music』CD5枚+120頁本¥20,213(本体¥19,250-)

「(広義の)カントリー音楽発祥の地」と称するテネシー州の東端、バージニア州との州境がメーンストリートというブリストルの街で1927年と1928年に収録された歴史的な録音セッションの全容を納めた究極のLPサイズのボックスセットである。収められているのは、ラルフ・ピアの宣伝で集まったアパラチア南部に音楽/文化とともに閉じ込められていた人たちが残した全124曲CD5枚、収録時間6時間45分、120頁のハードカバー冊子。カーター・ファミリーやジミー・ロジャーズがこのセッションで発掘されたのは有名だが、そのほかにもアーネスト・ストーンマンやブラインド・アルフレッド・リード、シーラー・ファミリー(あのサミーの親戚)など、多くのミュージシャンが参加した。ここに遺された音楽は、現在は「オールドタイム」と呼ぶことの多いアパラチアの貴重な米国白人系ルーツ音楽の原初的な録音で、ここから現在のジャズ/クラシック・レベルで評価されるようになたブルーグラスや、ビートルズをしのぐアルバム売り上げを達成したアメリカの国民的な大衆音楽となったカントリー、そして黒人系南部音楽との融合から生まれたロカビリーやロックなどを生み出すことになる。20世紀アメリカ音楽のホームベースとも呼べる録音群だ。椅子に深く腰掛けて、すばらしい冊子を読みながら20世紀初頭のアパラチアをしみじみと感じたいものだ。

余談ながら、この歴史的セッションが行われたすぐ隣の劇場で4月7日、ETSU(東テネシー州立大学)の学生たちと話題の新バンド、ボックスカーズが東日本大震災のチャリティーコンサートを開催、義援金を東北大学ブルーグラス・サークルに預けます。そんな時代になったんですよ!! リポートはムーンシャイナー誌5月号にて。

オールドタイム&フォークお勧め作品
■オールドタイム
5SP-08003 ALICE GERRARD & MIKE SEEGER『Bowling Green』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

St.Louis Blues/Sugar Baby/Dear Companion/In My Dear Old Southern Home/Coal Miner's Blues/Victory Rag/Sunny Side of Life/Flatwoods 他全26曲

オールドタイムが現在も健在である最大の功労者であるマイク・シーガーが、同志でもあるアリス・ジェラードと遺した1980年のLPアルバム全14曲と、1970年の日本ツアーで遺したライブ7曲、そして1979年のトミー・ジャレルとのトリオが2曲ほかの全26曲、アリスとマイクのふたりが創り上げた録音をまとめた唯一のアルバムとして2008年に発表されたもの。2009年8月、75歳で他界したマイク・シーガーが、おそらく自身の足跡の中でも、ニュー・ロスト・シティ・ランブラーズとならび重要なパートナーだったアリス・ジェラードとの貴重な記録を形に遺したかったのか……? 日本ツアーのライブ(函館から2曲と東京5曲)では、司会の麻田浩の紹介も聞ける。ムーンシャイナー誌2009年9月号から12月号までマイク・シーガー追悼特集(12月号では麻田浩さんの「1970年11月15日~12月15日」日本ツアーの思い出あり)があります。われわれは40年前、とんでもなくすばらしいアパラチアを見たんだ!!

カントリー/ポップ新入荷
NONE-527214 EMMYLOU HARRIS『Hard Bargain』CD+DVD¥3,308-(本体¥3,150-)

The Road/Home Sweet Home/Goodnight Old World/New Orleans/Six White Cadillacs/Nobody 他全13曲

エミルー・ハリス、3年ぶり最新作、インタビューと収録6曲のビデオ映像のDVD付き。エミルーのメンターだったグラム・パーソンズへの思いを書いた1曲目"TheRoad"、昨年他界したケイト・マクギャリグルに捧げた"Darlin' Kate"ほか、11曲のオリジナルと2曲のカバー。プロデューサーのジェイ・ジョイスと創り上げたオルタナ・ポップ/ロックな作品だが、エミルーのすばらしさ、深さは不滅だ。

カントリー発掘、編集モノ新入荷
COL-782710 ROSANNE CASH『Essential Rosanne Cash』2枚組CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Can I Still Believe In You/Blue Moon with Heartache/Tennessee Flat Top Box/The Real Me/500 Miles/Sea of Heartbreak/Sweet Memories 他全36曲

ジョニー・キャッシュの娘として、義母ジューン・カーターからの大きな感化を受け、カーター・ファミリー伝統も継承するロザンヌ・キャッシュのキャリアを一望するCD2枚組全36曲。1978年にドイツのみで発売されたLPからコロムビア時代(1979-1995)とキャピトル/EMI時代(1996-2009)を網羅、ナンバーワンヒットした全11曲のほか、ブルース・スプリングスティーンとのコラボ、そして今年グラミーノミネートされたクリス・シーリとのコラボを含む9曲のベスト集。「小さいとき、娘が歌う"500 Miles"にハーモニーをつけようと最初の音を探す父とわたしの声を聴いたときから、これらの曲はわたしの家族のポートレートであり、わたし自身の進行中のストーリーなの……」とライナー。

CURB-79234 THE JUDDS『I Will Stand by You: The Essential Collection』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

1980年代、大ヒットしたナオミとワイノナのジャド母娘、ドン・ポッターのすばらしいアレンジでアコースティック・カントリーというあたらしいスタンダードをセットしたスーパーグループの最新ベストヒット12曲(内10曲がナンバーワン)に2曲の新録音をプラスした全14曲集。母ナオミの健康問題でコンビを解消したものの、娘ワイノナの圧倒的な歌唱力とハーモニー、そしてヘイゼル&アリスを聴いて歌うことを志したという母ナオミのセンスが、いつまでも語り継がれる名演を生んだのだろう。ケンタッキー、アパラチアの哀しさを背負ったすばらしい20世紀後半のブラザーデュオ(母娘だが)秀作である。

カントリーお勧め作品
RCSI-1027 NATHAN STANLEY『My Kind of Country』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Love's Gonna Live Here Again/All I Ever Loved Was You/Folsom Prison Blues/I'm So Lonesome I Could Cry/Think of What You've Done/Angel Band/Once a Day/You Win Again/White Dove/Act Naturally 他全21曲

ラルフとジミ・スタンレー夫妻の娘、トーニャの息子でラルフの孫にあたる18歳、ネイサン・スタンレーのストレート・カントリー有名曲集。ハンク・ウィリアムズ、ジョニー・キャッシュ、バック・オウエンズらのカントリー名曲とスタンレー系ブルーグラス名曲の双方を全編カントリー・サウンドで聴かせる楽しい作品。多くのスタンレー・ボーカリストがそうであるように、故カーター・スタンレーからキース・ウィットリーに至る影響を強く受けたアパラチアの影を含んだボーカルで、ラルフはもちろん、ビンス・ギル、リトル・ジミー・ディッケンズ、パティ・ラブレス、ジョン・アンダーソン、マーティ・ステュアート、コニー・スミス、ジーン・ワトソン、リッキー・スキャッグスほかのゲストたちと、「自分のカントリー」を歌う。東ケンタッキーからバージニアにかけて縦断する国道23号線、「カントリー・ミュージック・ハイウェイ」と呼ばれるアパラチアの濃い音楽伝統を背負ったネイサンのすがすがしいカントリー作品である。

NW-6188 BUDDY MILLER『Majestic Silver Strings』CD+DVD¥2,888-(本体¥2,750-)

サム・ブッシュらのナッシュ・ランブラーズののち、エミルー・ハリスのギタリストとして頭角をあらわし、いまやカントリー/アメリカーナ・ギタリストのトップランナーとして極めて高い評価を持つバディ・ミラーの最新作。ビル・フレーゼル、マーク・リボット、グレッグ・リースとバディの4人の超個性的ギタリストがユニット「マジェスティック・シルバー・ストリングス」として、カントリー・クラシック曲を独自の解釈で演じるオルタナ・カントリー大秀作である。

MCAD-11070 LORETTA LYNN『Honky Tonk Girl』CD3枚組+50頁冊子¥5,513-(本体¥5,250-)

1994年に編集/発表され、現在なお高い評価を受ける「これがロレッタ・リン(1932-)」の究極ボックスセットCD3枚組+写真多数の50頁冊子全70曲(同時に発表されたビル・モンロー究極ボックスセットはすでに廃盤)。いまだに日本でもTV放映されるシシー・スペイセク/トミー・リー・ジョーンズ主演アカデミー受賞映画『歌えロレッタ愛のため(原題:"Coal Miner's Daughter")』(DVDは現在廃盤、1980)でも紹介されたあのデビューシングル"I'm A Honky Tonk Girl"/"Whispering Sea"(1960年)も収められ、そののちの"Blue Kentucky Girl"、"You Ain't Woman Enough"、"Don't Come Home a Drinkin'"、"Fist City"(1968)、"Woman of the World"、そして"Coal Miner's Daughter"(1970)など、東ケンタッキーの奥深いアパラチア伝統と生活を全身に背負った凄いシンガー/ソングライターである。13歳で結婚、24歳で夫から贈られたギターを弾きはじめ、60年代には「ホンキートンク・ガール」として親しまれ、60年代後半からはカントリー界にはなかった赤裸々な女性の視点での曲作りをはじめ数々のヒットを生み("The Pill"という曲もある)、カントリーの保守性を批判し転換する歌詞を世に問い、70年代には「アメリカの母」とまで称され、1973年にはニューズウィーク誌初のカントリー・アーティストとして表紙を飾った米国女性アイコンでもある。

■ジャスミン・レコード

1982年、イギリスのロンドンで設立された古典大衆音楽(ジャズやボーカル物)を得意とするレーベルで1985年以来、クラシック・カントリーにも力を入れている。それぞれ20曲以上、各アーティストの代表曲を中心に収めている廉価盤である。現在の在庫作品を列記しておこう。

●JASMD-3503 GEORGE MORGAN『George Candy Kisses Are The Best Of All』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

●JASMD-3504 FERLIN HUSKY『Feelin' Better All Over』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

●JASMD-3505 RAY PRICE『In A Honky Tonk Mood』CD¥2,079(本体¥1,980-)

●JASMD-3509 HANK THOMPSON『In The Mood For Hank』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

●JASMD-3512 JOHNNY BOND『The Heart And Soul Of The West』¥CD¥2,079-(本体¥1,980-)

●JASMD-3513 JIM REEVES『I Lived A Lot In My Time』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

●JASMD-3517 PEE WEE KING『 Western Swing Get Together』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

●JASMD-3522 HANK SNOW『Blues For My Blue Eyes』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

●JASMD-3523 RED FOLEY『Stay A Little Longer』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

●JASMD-3525 ERNEST TUBB『There's A Little Bit Of Everything In Texas』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

●JASMD-3530 ARTHUR"GUITAR BOOGIE" SMITH『Have A Little Fun』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

●JASMD-3531 HANK SNOW 『Down At The Rainbow's End 』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

●JASMD-3541 JOHNNY BOND『 I Like My Chicken Fryin' Size 』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

●JASMD-3568 WEBB PIERCE 『It's Been So Long』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

●JASMD-3569 LEFTY FRIZZELL『The Texas Tornado』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

●JASMD-3571 CARL SMITH『Time Changes Everything - Mr Country』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

映像ものお勧め作品
CW-TTJ1D THE TIME JUMPERS『Jumpin' Time』DVD¥3.308-(本体¥3,150-)(2時間)

ナッシュビルのステーション・インで毎週月曜日に繰り広げられる懐かしいカントリーウェスタンからカウボーイ&ヒルビリー・ジャズの大セッション、タイム・ジャンパーズの超ハッピーライブ映像。ナッシュビルの超一流セッションマンが、ただ楽しみのために集まって」創る音楽には、たっぷりと愛情がこもっている。ケニー・シアーズ、オウブリー・ヘイニー、ジョー・スピービーのトリプル・フィドルを軸に、キャロライン・マーティンとドーン・シアーズの女性ボーカルとハーモニー、とにかく楽し正味2時間28曲のスウィング・タイム。毎週、彼らのポケットには数千円…、それでも彼らがライブをつづける理由は見れば、聴けば分かる。ゆったりと座って、ハッピーなエンタメをお楽しみ!!

VSR-9095 V.A.『Daniel Carwile, Hanneke Cassel, Casey Driessen, Brittany Haas, Natalie Hass, Alex Hargreaves, Tatiana Hargreaves, and Gabe Witcher; The Violin Shop Fiddle Masters Concert Series Vol.Ⅲ』DVD¥3,990-(本体¥3,800-、75分)

テキサス・フィドル・チャンピオン、ダニエルの目くるめくバリエーションからゲイブ(パンチ・ブラザーズ)のブルーグラス、16歳アレックスのジャズ・アドリブと妹タティアナのオールドタイムでハーグリーブス兄妹の天才ぶり、アイリッシュやケーシーのロックフュージョン等々、ナッシュビル・フィドラー御用達のバイオリン・ショップに集まる、現在最先端フィドラーたちのすごいライブ・シリーズ第3作。(シリーズのほか2作も在庫あり)

SHA-602D MARTY ROBBINS & ERNEST TUBB DVD¥3,308-(本体¥3,150-)(60分)

1954~1956年、"Singin' the Blues"ほかのマーティ・ロビンズ12曲と、"Walking the Floor Over You"ほかのアーネスト・タブ14曲の合計26曲、カントリー音楽が最もカントリーらしかったといわれる時代、現在ではクラシック・カントリーと称される最高の一瞬が収められた貴重な35mmフィルム『Country Classics』からの作品。かつてVHSでは紹介したがDVD化されている。シリーズとしてほかに、『Webb Pierce & Chet Atkins』(SHA-601D DVD¥3,308-)、『Jim Reeves & Ray Price』(SHA-603D DVD¥3,308-)がある。

SHA-619D FLATT & SCRUGGS『Best of Flatt & Scruggs TV Show Vol.9』DVD(白黒約1時間)¥3,308-(本体 ¥3,150-)

Pike County Breakdown/Foggy Mountain Top/Daisy Mae/I'll Go Stepping Too/Sally Ann/Heaven/God Loves His Children/Foggy Mountain Rock 他全23曲

すでに第7巻から完全なショウとしてのフィルムではなく、さまざまなショウからの寄せ集めとなる本作第9巻はしかし、初出の"Pike County Breakdown"やレスターがモンロー加入以前から歌っていた素晴らしい"Daisy Mae"など。もちろんいつも通り目を見張るアールのお遊びアドリブ、そしてレスターのえも言えぬボーカルとギターのすごさ、そして究極のフォギー・アンサンブル……、半世紀前の貴重な文化遺産、どこをとってもあたらしい発見で飽きないブルーグラス界永遠の宝である。フラット&スクラッグスお宝映像シリーズ全10巻の在庫があります。内容に関してはお問い合わせください。

RCSI-1028D RIDERS IN THE SKY『Live in Concert: 30 Years "The Cowboy Way"』DVD-R¥2,888-(本体¥2,750-、カラー1時間10分)

Back in the Saddle Again/Cool Water/Rawhide/Clarinet Polka/Toy Story Medley/Honeysuckle Rose/Orange Blossom Special/Cattle Call 他全20曲

1977年11月、当時絶滅の危機にあった「カウボーイ・ソング」を歌うエンターテイメント・グループというアイデアで結成されたライダーズ・イン・ザ・スカイ。その後30年間、全米CBSネットのテレビ番組や、トイ・ストーリーの"Woody's Roundup"、そして2度のグラミー受賞など、数々の高い評価を受ける彼ら、レンジャー・ダグ(g)のほか、原子物理博士号を持つフィドラー、ウッディ・ポール(ポール・クリスマン)と、ベーシストのトゥー・スリム(フレッド・ラボア)、そして1989年から加わったジョーイ・ミスクリンのアコーディオンの4人組。スウィングギーなリズムやヨーデル、トリオやカルテット・ハーモニー等々をバランスよく聴かせる彼ら、30年間メンバー交代なしのチームワークは伊達じゃない。それぞれにキャリアを持ったインテリらしく、そのコメディ・ルティーンも実に洒落ている。通算5449回目というこの日のコンサートも全編、品のいいエンターテイメントでノスタルジックで美しいウエスタン音楽を楽しませてくれる秀作。

SH-4023D SAM BUSH『On the Road』DVD¥2,888-(本体¥2,750-)(5.1dolby surround、2時間6分)

サム・ブッシュ初のDVD作品は2006年8月30日、シェラ・ネバダ醸造所でのライブ。NGRのデビュー作からの"Whisper My Name"から、最近のヒット「ルイビルまで8マイル」、2006年作品『Laps in Seven』(SH-4013 ¥2,573-)からの"Ridin' That Bluegrass Train"、ブルーグラス・スタンダードの"Bringing That Georgia Mail"など、いつも元気なサム・パワー全開。2009年最近作CD『Circles Around Me』(SH-4055 ¥2,573-)はブルーグラスを回顧した秀作。

SHA-610D PETE SEEGER『Judy Collins and Elizabeth Cotten』DVD¥3,308-(本体¥3,150-)

全米の若者たちにアメリカの伝統音楽の存在を知らせた1960年代フォーク・リバイバルの最中、ピート・シーガーのホストでテレビ放映された1時間番組『レインボウ・クエスト』シリーズ、今回ゲストに迎えるのはジュディ・コリンズ、そして2部では"Freight Train"の作者として知られるエリザベス・コットンと、プエルトリコのデュオ、ロザ・バレンティンとラファエル・マルチネス。

MVDV-4577 & BOOK-27 BILL MONROE『Father of Bluegrass Music』DVD +BOOKセット特価 ¥3,675-(本体¥3,500-)

今年生誕100年を迎えるビル・モンロー(1911-1996)がすべてを語る必携名作DVD。 故ジョン・ハートフォードとのモンロー農場でのインタビューを軸に、レスター・フラット、エミルー・ハリス、ポール・マッカートニー、オズボーン・ブラザーズ、ドリー・パートン、リッキー・スキャッグス、マーティ・ステュアート、そしてデル・マッカーリー/ビル・キース/チャビー・ワイズのブルー・グラス・ボーイズ・リユニオンなどの超貴重な演奏、ジェリー・ガルシアやロイ・エイカフのインタビューなど、日本語/英語併記の完全対訳本とともに、20世紀の偉大なアメリカ音楽家の生涯を再訪しましょう。感動です!! 必見必携のDVD&対訳本セット!!!
教則ものお勧め
下記のほか、教則に関しては演奏レベル/ニーズに応じて、ご相談ください。
HL-311484 V.A.『Big Book of Bluegrass Songs』Book¥3,990-(本体¥3,800-)

224頁、22cmX30cmのブルーグラス・ソングブック(歌詞集)。有名ブルーグラス・ソング(インストを含む)を網羅した曲目は全72曲、ピアノ、ボーカルの譜面とギターコードという一般向けの体裁を持つ。なぜか"Foggy Mountain Breakdown"など、キーが"C"で不思議なコード展開となっているというのも興味深い。いずれにせよ、「ブルーグラス」が一般的な音楽として世に出る喜ぶべき兆しというべきだろうか、いい曲が一杯あるんだもんね……!

DVDSUTGT21 BRYAN SUTTON『Secrets for Successful Flatpicking』DVD¥5,040-(本体¥4,800-)(115分タブ+楽譜)

Daley's Reel/Texas Gales/Wild Bill Jones/Beaumont Rag.

ムーンシャイナー誌8月号のカバーストーリー、現在、もっとも売れっ子のブルーグラス・セッション・ギタリスト、ブライアン・サットンによる「フラットピッキン丸秘コツとツボ」と言った趣旨の非常に美味しい中級者向けフラットピッキン虎の巻。よりエキサイティングなインプロバイズを求めて上を目指すフラットピッカー必見! 曲数の少なさからも、中身の濃さを読み取れるでしょ!?

楽器、その他…
WADE F-5 MASTER MODEL MANDOLIN #2002& #2005  各¥472,500-(本体¥450,000-)

 Co-Mandoというマンドリン専門サイトで、Tony Willamson(ロアーの研究家、プレイヤー、ディーラーとして有名)が推薦するTop10製作家に選出された上田 洋一(Yoichi Ueda)によるWADE MANDOLIN、F-5マスターの初期モデルが2台、委託で売りに出ました。ロイド・ロアを強く意識したスペックでトーンとバランスを向上させるために初期のギブソン社で採用されたヴァージトーンを装着、イングルマン・スブルース・トップ、カーリー・メイプル・サイド&バックエボニー指板。スプリット・バーニッシュ仕上げ。ビンテージ・ギブソンを髣髴させる外観と音色、弾き易さ、是非一度、試奏して確かめてください。
V-BGL Bluegrass,Lite(1.5mm) ¥630-(本体¥600-)

V-BG Bluegrass,Normal(2.75mm) ¥630-(本体¥600-)

手に吸い付くように馴染むのが特徴のV-PICKSに待望のブルーグラス専用モデルが登場しました。シェイプは円形に近いラウンド・トライアングル、旧グリスマン・ピックに近い形状。エッジはV-PICKSの特徴であるナイフ・エッジ、丸みのあるウッディなアタック音をより得やすくするためにあえてエッジを丸くしています。V-PICKSの基本性能はそのままに、ギターのベースランやマンドリンのソロプレイ/カッティングがより弾きやすくなった、「ブルーグラス専用ピック」に仕上がっています。ブルーグラスにはもちろん、通常のピックだとアタックが強すぎると感じるプレイヤーにもぜひお試しいただきたいピックです。厚みは明るくクリスピーなサウンドを生み出しますLite(1.5mm)とファットなサウンドを生み出すNormal(2.75mm)の二種類。

輸入雑誌
(以下の4誌は英語版で、共にバックナンバーも豊富に取り揃えています。気になるアーティスト等の特集等についてはお問い合せ下さい。…調べる&知るの面白さをいかがですか)
■フラットピッキン・ギター誌
隔月刊の掲載全タブ譜対応CD付きフラットピッキン・ギター誌。ブルーグラスからスウィング/ジャズまで。一冊でさまざまな奏法が学べる。
FGM-15.3 最新「2011年3~4月号」CD付きBook¥2,625-(本体¥2,500-)

フィドル・チューン特集号第2弾! アプローチとして"Old Joe Clark"をローポジ、ハイポジ、ダブルストップ、クロスピッキン、ブース、トニー・ライス、シンコペ等々、さまざまな手法で弾いてみるところから同曲を完全攻略のほか、"Alabama Jubilee"、"Angeline the Baker"、"Big Sandy River""Catle in the Cane""Devil's Dream""Farewell Blues""Fisher's Hornpipe""Liberty""Reuben""Sally Goodin""St. Anne's Reel"ほか全18曲、おなか一杯の92頁!!

■バンジョー・ニューズレター誌
世界唯一のバンジョー専門月刊誌。毎号タブ譜満載(ウェブサイトから「MP3」で音源入手可!!)、バックナンバーもお問い合せ下さい。探しておられるタブ譜の曲名や演奏スタイル、またお気に入り奏者の特集も探します。収蔵曲のCDやDVDなども在庫していますので、お問い合わせください。
BNL-11/04 最新2011年4月号 ¥525-

ギブソン・ブラザーズのエリック・ギブソンをカバーストーリーに、最新アルバム『Help My Brother』(COMP-4549 ¥2,573-)より"Walking West to Memphis"のタブ譜ほか、アール・スクラッグスはフラット&スクラッグスDVDシリーズ第10巻(SHA-620D ¥3,308-)より"North Carolina Breakdown"、バックアップは"Blue Ridge Cabin Home"(J.D.クロウのブルーグラス・アルバム・バンドでのリードコピー付)、トム・アダムズ"I'll Fly Away"、フレッド・ゲイガーのジャズはジャンゴ・ラインハルトの"Dounce Ambiance"ほか、オールドタイム・クロウハンマーはフレイト・ホッパーズのフランク・リー特集、そしてバンジョーに関するさまざまな話題満載44頁。

BNL-11/03 最新2011年3月号 ¥525-

ロジャー・スプラングのカバーストーリーにタブ譜は"Greensleeves"のほか、ア-ル・スクラッグスはフラット&スクラッグスDVDシリーズ第10巻(SHA-620D ¥3,308-)より"Little Maggie"、トム・アダムズはマイケル・クリーブランド最新作『Fired Up』(ROU-0659 ¥2,573-)よりジェシー・ベイカーの弾くホンキートンク調の"Slowly"、バックアップはCチューニングでの"Farewell Blues"、初心者は三連譜の練習などスリーフィンガーのほか、さまざまなクロウハンマーとバンジョーに関する話題満載の44頁。

■ブルーグラス・アンリミテッド誌
米国の最大のブルーグラス月刊専門誌。お探しの記事などバックナンバーもお問い合わせください。
BU-11/05 最新2011年5月号 ¥840-

クリス・ヒルマン&ハーブ・ピーダセンのカバーストーリー、ティム・ホワイトのコンサート・シリーズ「ソング・オブ・ザ・マウンテン」のリポート、タット・テイラー、あたらしい団体ブルーグラス・レガシー、語り部ウェイン・アーブセンのフィドル話などの特集ほか、広告も楽しめる米国ブルーグラス情報満載の90頁。

■オールドタイム・ヘラルド誌
内容の濃いオールドタイム音楽専門誌。アメリカン・トラッド音楽研究に必読の良書!!バックナンバーが揃っています。お問い合わせください。
OTH-1209 最新2011年2月/3月号 ¥1,260-

全米のフィドラーズ・コンベンションやフェス、各種ミュージック・キャンプなど2011年フェスティバル・ガイドのほか、東テネシーの初期カントリー・シーンを物語るブルースター・ブラザーズ(リッキー・スキャッグス&ケンタッキーサンダーのポール・ブルースターの父ウィリーとレイ)、1950年代にオザーク・オープリでのボードビル・ショウや活躍したショウ・フィドラー、リロイ・ハスラグの特集ほか、伝承音楽の情報満載の52頁

月刊『ムーンシャイナー』
1983年11月の創刊以来、毎月発行を続ける日本唯一のブルーグラス月刊専門誌、28年目です。

■定期購読:1年¥6,000-半年¥3,300-

お申込はお葉書やお電話、ファックスやメールでご希望の購読開始月をお知らせ下さい。バックナンバーも含めて、いつからでもご自由です。

■ムーンシャイナー・ファイル:¥840-

ムーンシャイナーの一年分12冊を傷をつけずにファイルできるコクヨ製ロゴ入り特製フォルダー。

■バックナンバー:各¥525-。

下記以外にも、アーティストや知りたい事をお知らせ下さい。掲載号を探してお送りします。

MS-2807 最新2011年5月号(通巻331号)¥525-

今月来日するバリンジャー・ファミリーバンドをカバーストーリーに「ブルーグラス・ファミリーについて」ほか、スタンレー・サウンド後編「歴代リードボーカリスト列伝」、2011年版ブルーグラスとは何か②「カントリーミュージックを考える①」、東日本大震災義援ETSUコンサート・リポート、本間正敏のIBMA-WOBリポート⑥マイケル・クリーヴランド&フレームキーパー、アメリカ歴史「南北戦争」、アール・スクラッグス・バンジョー製造年の新説、レジェンド「東 理夫」、天野恵司さん追悼……ほか、最新米国ブルーグラス・チャート、チチ松村のバンジョー祭り、成田勝浩のロンサム・エアポートなど連載コラムとニュース、レコードレビューなど、日米ブルーグラスの話題満載。

MS-2806 2011年4月号(通巻330号)¥525-

スタンレー・ブラザーズのカバーストーリーで「スタンレー・サウンド前編=カーター・スタンレー」、真保 孝のラルフ・スタンレー初来日から40年、ディラン/エリオット/ガスリー「フォークとは何か?」、宮崎勝之インタビュー、本間正敏のIBMA-WOBリポート⑤、丹沢ブルーグラス米国道中最終回、亀田浩史のウィンターグラス2011、アメリカ歴史「南北戦争の歌②」、東日本大震災について……ほか、日米ブルーグラス情報満載の44頁。

MS-2805 2011年3月号(通巻329号)¥525-

88歳の米寿を迎えたドック・ワトソン特集、5月に来日予定のスーパーピッカー、マット・フリナーのカバーストーリーほか、最適なブルーグラス・ギターの条件後編、2010年ブルーグラス総括、本間正敏のIBMA2010「WOBリポート④」、丹沢ブルーグラス「ビーンブロッサム・フェス」、アメリカ歴史概論XII「南北戦争の歌」、大分ブルーグラス・ナイト、奈良ブルーグラス・ナイトほか、日米ブルーグラスの話題満載です。

MS-2804 2011年2月号(通巻328号)¥525-

女性シンガー・クロウハンマー奏者アビゲイル・ウォッシュバーンのカバーストーリーほか、サム・ブッシュの「IBMA基調講演、ビル・モンローを語る後編」、グラミー賞の実態、ブルーグラス・ギターの条件前編、ラグパパス・ジャグバンド、本間正敏のIBMA2010「WOBリポート③」、丹沢ブルーグラス「ビーンブロッサム訪問」、アメリカ歴史概論XI「南北戦争」ほか。

MS-2803 2011年1月号(通巻327号)¥525-

サム・ブッシュのカバーストーリー「IBMA基調講演、ビル・モンローを語る前編」ほか、新春ブルーグラス大学生サーベイ第一章、宮崎勝之&古橋一晃『Woody Talkin'』、バンジョー・プロジェクトを救え!!、本間正敏のIBMA2010「WOBリポート②」、丹沢ブルーグラス「IBMM訪問」、アメリカ歴史概論Ⅹ「南北戦争」ほか、日米ブルーグラスの話題満載です。

MS-2802 2010年12月号(通巻326号)¥525-

パンチ・ブラザーズのカバーストーリー「パンチ・フェスライブ体験記」ほか、ブラザー・デュオのお勧め、本間正敏のIBMA2010「WOBリポート①」、ドブロ・キャンプ「リゾサミット2010」、丹沢ブルーグラス「ビル・モンロー生家訪問」、アリソン・ブラウンvs津軽三味線などの特集記事、ブルーグラス歴史概論Ⅸ「Wildwood Flower」、日本ブルーグラス年表「1973年」ほか、日米ブルーグラス情報満載。

MS-2801 2010年11月号(通巻325号)¥525-

第21回IBMAアワード大特集。ライマン公会堂で行なわれたアワード・ショウの全貌を、現在の米国ブルーグラス事情とともに紹介するほか、日本ブルーグラス・レジェンド「島田耕」、学生バンドで滋賀フェス・バンド・コンテストの優勝バンド「カルブレイス」、第30回を迎える「ビッグマウンテンオープリ」、「弦楽器メンテナンス入門」などの特集とブルーグラス歴史概論Ⅷ「Wildwood Flowerほか」、日本ブルーグラス年表「1973年」など連載。

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3). 通常ご注文から1週間以内にはお届けします。ただ、レター掲載時には充分な在庫を心掛けていますが品切れになった場合、再入荷を期して発送が遅れる場合もありますのでご了承ください。

4). 基本送料は下記の通りです。

CD/DVD 全国均一、1枚¥180-、2枚¥210-、3枚以上、もしくは¥8,000-以上お買い上げの場合、送料全国無料!! (ただし、特定地域、特定商品などについては、別途加算の場合があります。お問い合せ下さい)

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