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NEW ARRIVALS & BACK IN STOCK 0505   2005/05/027 プリントアウトしてお読みいただけます
[BLUEGRASS NEW RECORDINGS]
●PETE GOBLE『When I'm Knee Deep in Bluegrass』FHP-7349 CD \2,888
It's Amazing What Sunshine Can Do/Born to Be a Drifter/Call of the Whippoorwill/Highlander's Farewell/It's Too Late Now/Janie's Really Gone/When I'm Knee Deep in Bluegrass/Lesson in Love/Lovin' Ain't Been Easy on My Mind/Roses Remind Me of You/Thank God for the Highways/Too Close to the Flame/What About Tomorrow/The Whole World Must Be Known 全14曲
 60年代から現在に至るまで、幾多の名曲を送り出してきた最高のブルーグラス・ソングライターとして知らぬ者のないピート・ゴーブルの最新録音。ソングライターとしてのキャリアに比べて、シンガーとしての彼は僅かにかつて80年代末、ビル・エマーソンと組んでウェブコ・レコードから発表した『Tennesse 1949』と『Dixie in My Eye』、2枚のアルバムがあるだけという、いわば、隠れた名ヴォーカリストともいうべき存在であった。久々となる今作では、デイヴ・タルボット、ドン・リグスビー、グレン・ダンカン、テリー・エルドレッジという強力メンツを従えて、ビル・ハレルにも似た独特の節回しのメロウなヴォーカル、テリ―のテナー、ドンのバリトンとのトリオ・コーラスをたっぷりと聴かせてくれる。もちろん、全曲自作オリジナル、ピートの作品に通底する郷愁の想い、故郷に残したいとしい人(母そして恋人)への思慕の念を、メランコリックな雰囲気を湛えた穏やかなメロディーにのせたストーリー・ソング、ピートならではのタッチが安らぎと落ち着きを感じさせてくれる。ウェブコ・セッションからはラリー・スパークスの"Tennesse 1949"、ホット・ライズの91年IBMAソング・オヴ・ジ・イヤー受賞曲"Colleen Malone"、ビル・ハレルの"Blue Virginia Blues"などいくつものヒット曲が生まれたが、今作からも、ドイル・ローソン&クイックシルヴァーがいちはやくカヴァーしたブルーグラス讃歌のタイトル曲など、スタンダードとなっていく曲が生まれるだろう。
●ALISON BROWN『Stolen Moments』COMP-4400 CD \2,573
The Sound of Summer Running/The Magnificent Seven/Homeward Bound/The Pirate Queen/Carrowkeel/Angel/McIntyre Heads South/One Morning in May/(I'm Naked and I'm)Going to Glasgow/Prayer Wheel/Musette for a Palindrome 全11曲
 アリソン・ブラウン久々の新作は、多彩なゲストを迎えて精緻なアレンジが光るオリジナル・インストを核に、ヴォーカル・ナンバーにも工夫を凝らした繊細なサウンドが印象的な作品。うまい!としかいいようのないスチュアート・ダンカンのフィドルを軸としたオープニング・トラック、スチュアートとサム・ブッシュ、アリソンの静かなバトルが印象的なニュー・グラス・テイストの"The Magnificent Seven"やケルト調のメドレー、ポール・サイモンの"Homeward Bound"ではインディゴ・ガールズ、ジミ・ヘンドリックスの"Angel"ではべス・ニールセン・チャップマン、おなじみ"One Morning in May"ではアンドレア・ゾンと、それぞれに美しくも繊細なヴォーカルをフィーチュアして見事に仕上げている。エディ・リーダー(元フェアグラウンド・アトラクション)の"Prayer Wheel"では、メアリー・チェイピン・カーペンター、アンドレア、サリー・ヴァン・ミーター、アリソン以下全員が変名のユニットでコーラス(サム他のバックも仮装で)するというお遊びも。ジョン・R・バー(p)、ジョン・ドイル(g)、ゲイリー・ウェスト(bs)、ケニー・マローン(ds)からなるリズム・セクションのサポートも完璧。ブルーグラスをベースにパースペクティヴなひろがりを演出するアレンジが、アリソンのデリカシーに満ちたバンジョーを見事に浮き彫りにしている。
●RALPH STANLEY『Shine on』REB-1810 CD \2,573
King of All Kings/The Roses Will bloom/The Old Church Yard/This Little Light of Mine/My Main Trial Is Yet to Come/Sing Songs about Jesus/Palms of Victory/On a High, High Mountain/The Lowest Valley/Swing Low, Sweet Chariot/I'll Fly Away/Shine on/Why Should We Start and Fear to Die/Let Your Light Shine out 全14曲
 ドクター・ラルフ・スタンレーの最新作は、再び古巣レベルからドリー・パートンの98年作品をタイトルにしたゴスペル・アルバム。ストレートなブルーグラス・スタイルが、カーターとラルフのデュエットを思い起こさせてくれるオープニングからの2曲、得意のアカペラでのソロとカルテット、典型的なラルフ・スタイルのマウンテン・ソウルなど、年輪を重ねた余裕と貫禄に満ちた、唯一無二の存在感に満ちあふれたヴォーカルにただただ圧倒される。スティーヴ・スパークマンの、御大そのままのバンジョー、ジョン・リグスビーのフィドルとマンドリン、ジェイムズ・アラン・シェルトンのリード・ギター、ジャック・クックのベース、クリンチ.マウンテン・ボーイズの面々の安定感溢れる演奏もいつもながらのクオリティの高さを示している。いちだんと上手さを増した息子ラルフIIに加えて、孫のネイサン少年が2曲にマンドリンで参加している。エンジニアリング、ジャケット・デザイン、ブックレット、すべてにレベル・レコードのスタンダードを大きく超えた、上級のプロダクションが光る。
●BLUE MOON RISING『On the Rise』LDR-007 CD \2,888
Martin Box/Papaw Taught Me/Next Big Thing/Crime I'm Guilty of/Cold Kentucky Night/He Arose/I Keep Callin'/Sling Blade/The Old Time Preacher Man/Modern Day Outlaw/Far Away From Home/Holy Manna/Big Wheels Turnin' 全13曲
ブルーグラスの本場イースト・テネシーから登場し、一昨年、昨年とIBMAでもごく一部ではあるが注目されたブルー・ムーン・ライジングの最新第3作。スタンレー流マウンテン・ソウル(ラリー・スパークスにも似たものか)を、本家のあの直截さをうんと口当たりのいいところにまで按配してじっくりと聴かせる曲を配しながら、70年代後半以降主流となった、ニュー・サウスを原点にクイックシルヴァーによって確立されたソリッド・ブルーグラスに、郷愁を誘うメロディー・ラインのオーソドックスなナンバーを交えて、弱冠18歳、新加入のジャスティン・ジェンキンズのクリスプ・バンジョーを軸に、リーダー、キース・ギャレットのマンドリンとゲスト参加、ロン・スチュワート(f)、ランディ・コーアズ(d)をフィーチュアしたタイトなアンサンブル、キースとクリス・ウェスト(g)、ふたりが交互にリードをとりながら、ランドール・マッセンギルとのトリオ・コーラスでしっかりと聴かせている。メンバーの作品を中心としたオリジナル曲で構成された意欲作、前作を大きく超えたスケールを感じさせる作品に仕上げている。
●DARRELL WEBB『Behind the Scenes』LDR-006 CD \2,888
I Beg You Little Darling Not to Cry/Your Selfish Heart/Thank You Father for My Dad/Close the Door Lightly/Behind the Scenes/Get on the Path/Twin Mountain Lovers/The Lonesome Fugitive/Mother's Hand/Cold(featuring Dolly Parton)/Imagine That/Lover's Lane 全12曲
 94年、弱冠20歳にしてロンサム・リヴァ―・バンドでデビュー、その後ドン・リグスビーとの交換トレードでJ.D.クロウ&ニュー・サウスに移り、現在はそこからスピン・オフしたワイルドファイアの要としてマンドリンとリード&テナー・ヴォーカルで活躍、モダン・デイ・ソリッド・ブルーグラスの本流を極めてきたダレル・ウェッブのソロ・アルバム。このところのロンサム・デイ・レコードのソリッド路線の大黒柱として、バンジョー、フィドル、ギター、ベースとマルチ・プレイヤーぶりはもとより、プロデュース、エンジニアリングにも腕を振るうロン・スチュワートを核に、フィル・レッドベター(d)、リチャード・ベネット(g)、ハロルド・ニクソン(bs)、ドワイト・マッコール(tv)など、お互いの呼吸まで知り尽くしたニュー・サウス〜ワイルドファイア組にマイケル・クリ―ヴランド(f)も加えて、キツーいブルーグラスから現代感覚のバラードまで、ダレルのブルーグラス・ソウルを見事に演出している。コンポラ・ソリッド勢がそろってトラッドへと原点回帰をみせている昨今の状況を如実に映し出した、爽快かつ強烈なブルーグラス満載。ドリー・パートンが1曲、自作曲で存在感たっぷりに特別出演。
●JEFF PARKER『Two Roads to Travel』LDR-004 CD \2,888
Two Roads to Travel/Higher Ground Awaiting/Meet You in Heaven Someday/Church by the Side of the Road/The Last Move for Me/When Day Is Done/Our Savior's Blessed Blood/Going up/I Won't Forget the Day/When the Roll Is Called up Yonder/I Steal Away and Pray/Still Driving Nails in the Hands of the Savior/Anywhere Is Home/Jesus Found Me 全14曲
サミー・シーラーがロンサム・リヴァ―・バンド再建に当たって、ブランドン・リックマン(g)とともにヴォーカルの要としてリクルートしたジェフ・パーカー(m)のソロ・アルバム。新生LRBの第1作『Window of Time』(DS-4006\2750)ではやくもそのマウンテン・ソウルを感じさせるクラシック・テイストがLRBの新たな方向性を示唆してみせた、そんな実績をふまえてのソロ・プロジェクトは、ロン・スチュワート(bj,f)、ティム・スタッフォード(g)、ランディ・コーアズ(d)、ハロルド・ニクソン(bs)にジェフ自身のマンドリンという基本セットで、ジェフの個性を生かしたストレート・フォワードなクラシック風味のブルーグラスに、ジミ―・マーティン直系のモダン・デイ・ソリッド・ブルーグラスの典型的な躍動感がなんとも心地よいサウンドに仕上がっている。スティーヴ・ガリーやラッセル・ムーアという当代最高のソウルフルなシンガーを迎えてのトリオ・コーラスも鮮やかに、ゴスペル・アルバムということで敬遠してしまうには惜しいアルバム。
●OLD SCHOOL FREIGHT TRAIN『RUN』ACD-61 CD \2,573
Run/Lookee Here/Drama Queen/Superstition/Tango Chutney/Broken Pieces/Mr. Parshif's Jig/Louisiana 1927/Trick Dog/Henry Brown/Euridice/Dance 全12曲
 ヴァージニア州シャーロッツヴィルから登場した衝撃の新バンド、オールド・スクール・フレイト・トレインのナショナル・デビュー。数年前のIBMAウィーク、ミッドナイト・ジャムで業界人の注目を一身に集めたOSFT、リッキー・スキャっグスも目をつけてはいたがレーベル・カラーとの兼ね合いもあってか、結局デヴィッド・グリスマンのアコースティック・ディスクからのデビューとなったもの。ブルーグラスの枠組を大きく広げたストレングス・イン・ナンバーズを出発点に、オルタナティヴ・ロックやラテン、ボサノヴァ、ケルト音楽などの要素をとりこんで、信じがたいまでに完成されたアコースティック・アンサンブルと、メンバー各人の超絶的なセンスを隅々にまで発揮した実にハイ・クオリティなインプロヴィゼーション。イノヴェイティヴでアグレッシヴでセンシティヴ。スティーヴィー・ワンダーの"Superstition"とランディ・ニューマンの"Louisiana 1927"、2曲のカヴァー以外はすべてメンバーのオリジナル、自由な発想と卓越したテクニックが見事に調和した、新世代のプログレッシヴ・サウンドだ。
●THE BLINKY MOON BOYS『Moonlite Theatre』HHH-1372 CD \2,888
I've Lived a Lot/I Only Exist/Kitten and the Cat/Next Sunday Darling Is My Birthday/Sweetest Love/Bud's Tune/Shut Up in the Mines at Coal Creek/Build Me a Cabin/Girl Behind the Bar/I'll Just Go Away/What a Way to Go/Go to Work on Monday/Don't Go out Tonight/What About You/Trust Each Other/Sugar in the Gourd 全16曲
 テネシー、ヴァージニア、ジョージアと、普段は遠く離れて暮らす5人が機会あるごとに集まって演奏するという遠距離バンド、ブリンキー・ムーン・ボーイズのデビュー作。ジム・リーヴスの美しいバラードをハード・ドライヴィング・ブルーグラスに衣替えしたスタンダードにはじまって、スタンレー・ブラザーズの最初期から晩年まで、その名曲群から選び抜いたいくつものカヴァーが、正統ブルーグラスの醍醐味を伝えてくれる。ハス&ダルトン・ギターのルシアー、ジェフ・ハス(g)とダリン・ローレンス(m)のクラシックな雰囲気を湛えたデュエットに、クリス・バートンのバリトンを加えたトリオ・コーラス、リン・ダガーのスクラッグス/クロウ系列のクリスプ・バンジョーと、ドイル・ローソン&クイックシルヴァーにいたこともあるトム・ブラントレーの切れ味を感じさせるフィドル。スタンレー・ブラザーズ・ソングを軸に、らしさ、マウンテン・ソウルをはしばしに匂わせながらストレート&ソリッドなスタイルに昇華してしっかりと聴かせてくれる。メンバーそれぞれ、メインストリーム・ブルーグラス・シーンではほとんど無名といってよい5人(プラス1)の、ブルーグラスへの愛情を強く感じさせる1枚。
[BLUEGRASS REISSUES AND DISCOVERIES]
●CARL STORY『Lonesome Hearted Blues』BCD-16689 CD \3,255
Love and Wealth/My Lord Keeps a Record/Lonesome Hearted Blues/Someone to Lean on/Action Speaks Louder Than Words/Step It Up and Go/Have You Come to Say Goodbye/It's a Lonesome Road/A Million Years in Glory/The Other Shore/I Love the Hymns They Sang at Mother's Grave/Love Me Like You Used to Do/What a Line/You've Been Tom Cattin' Around/One Little Word/Don't You Hear Jerusalem Mourn/Reunion in Heaven/It Won't Be Long 全18曲
 "The Father of Bluegrass Gospel"、カール・ストーリーが1953年から55年の間、コロムビアに残した全18曲が復刻された。30年代から活動していたカール・ストーリーが、第2次大戦後ランブリング・マウンテ二アーズを再建、40年代末からのマーキュリー録音でゴスペルからメインストリーム・カントリー・スタイルまでを手がけたのち、コロムビアに移って録音したもの。レッド・レクター(m)を軸に、ジェリー・リヴァース(f)、レイ・アトキンズ(d)などをフィーチュアした、バンジョーレスのアーリー・ブルーグラス・スタイルの端正なサウンドが新鮮に聴ける。マーキュリー時代と同じく、ゴスペルだけだなくカーター・ファミリーやルーヴィン・ブラザーズ、ムーン・マリカンのヒルビリー名曲やピードモント・ブルーズの傑作などもとりあげており、なかでも異色は、時代の先端をいくロカビリー色をとりこんだ55年録音の"You've Been Tom Cattin' Around"。もちろん、フラット&スクラッグス盤以降スタンダードとなっていくゴスペル名曲はさすがの出来映えだ。なお、55年セッションではチェット・アトキンズ(g)とデイル・ポッター(f)のヴィクター・コンビが参加している。
[COUNTRY NEW RECORDINGS]
●TOBY KEITH『Honky Tonk University』B000430002 CD \2,573
Honkytonk U/As Good As I Once Was/She Ain't Hooked on Me No More(with Merle Hggard)/Big Blue Note/Just the Guy to Do It/She Left Me/Knock Yourself Out/You Ain't Leavin'(Thank God Are Ya)/I Got It Bad/Your Smile/Where You Gonna Go/You Caught Me at a Bad Time 全12曲
ナッシュヴィルを代表するスターのひとりとなったトビー・キースの、コンテンポラリー・サウンドにのせたトップ・テン・ヒット"Honkytonk U"をフィーチュアした最新作。マール・ハガードと共演した正統バラード"She Ain't Hooked on Me No More"など、ストレートなスタイルに現代感覚を目いっぱい盛りこんだあたりはさすがトップ・スターならではのもの。ジョニー・ハイランド、ブレント・メイソン、ポール・フランクリン以下、お馴染みの顔ぶれの手馴れたサポートも余裕たっぷりといったところか。当然のごとく、カントリー・チャート初登場1位、トップ200でも2位を記録。
●DIERKS BENTLEY『Modern Day Drifter』CAP-66475 CD \2,783
Lot of Leavin' Left to Do/Come a Little Closer/Cab of My Truck/Settle for a Slowdown/Domestic, Light and Cold/Good Things Happen/Down on Easy Street/So So Long/Modern Day Drifter/Good Man Like Me(with The Del McCoury Band)/Gonna Get There Someday 全11曲
 気鋭の正統派カントリー・シンガー、ダークス・ベントリーのセカンド・アルバム。目下シングル・チャート上昇中、ブライアン・サットンのバンジョーを効果的に生かしたストレート・カントリー・サウンドの"Lot of Leavin' Left to Do"をフィーチュアした新作は、キース・ウィットリー/ランディ・トラヴィス路線の正統派のヴォーカルと、スティールとフィドル(オーブリー・ヘイニ―)が織り成すオーソドックスなカントリー・スタイルを基調とした折り目正しいサウンドに、ビートの効いたコンテンポラリーな感覚をもうまく採り入れて、見事に期待に応えている。ステーション・インに入り浸っていたブルーグラス・フリークだったという彼らしく、デビュー作『Dierks Bentley』(CAP-39814\2,783)と同じく、ヒーローと仰ぐデル・マカーリー・バンドを迎えて、デルの当たりナンバー"Good Man Like Me"を鮮やかなコンテンポラリー・ブルーグラスに仕上げている。アリソン・クラウスもハーモニー・ヴォーカルで参加。カントリー・チャート初登場1位、トップ200でも6位にランクされている。
●PRETTY MISS NORMA JEAN『Lonliest Star in Texas』HOTR-111 CD \2,888
Let's Go All the Way/Loneliest Star in Texas/Anita You're Dreaming/Honky Tonk Hardwood Floor/In the Middle of a Heartache/Before the Last Teardrop Dries/Crying Over You/Making Plans/Ashes of Love(With Wanda Jackson)/My Heart Skips a Beat/Please Come Back With My Heart/Good Morning/Introduction to Pretty Miss Norma Jean/Pretty Miss Norma Jean/Go Cat Go 全14曲
 60年代の人気TVショウ、ポーター・ワゴナー・ショウの看板娘というとドリー・パートンが有名だが、そのドリーの前にポーターとコンビを組んで活躍した"プリティ・ミス"・ノーマ・ジーンの実に久しぶりの新作。コニー・スミスと共にRCAカントリー黄金期を代表する女性シンガーとして知られるオクラホマ出身の彼女、溌剌とした健康的なカントリー・ガールのイメージ、伸びやかなヴォーカルはいまも健在、ジャスティン・トレヴィノ以下、テキサス・ホンキー・トンク・シーンのヴェテランが織り成すサウンドにのせた実にオーソドックスなカントリー・スタイル、これまた久々のバック・トレントのエレキ・バンジョーが大きくフィーチュアされて、懐かしいポーター・ワゴナー・ショウの思い出を誘う、ゴールデン・エイジの正統カントリーがよみがえる1枚。ノーマ自身のヒット曲のリメイクに、ジョニー・ホートン、バック・オウエンズのヒット曲やカントリー・スタンダードなど。親友ワンダ・ジャクソンが唄うノーマ・ジーン物語がほほえましい。
●AMBER DIGBY『Music from the Honky Honks』YR-0007 CD \2,888
Heart I'm Ashamed of You/Comboy Lovin Night/If You See My Baby/Close up the Honky Tonks/Here I am Again/It's So Easy to Forgive Him/Somebody Somewhere/Three Years/The One You Slip Around With/Back Into My Arms Again/You're Still on My MInd/Foolin'/The Threshold/Just Get up and Close the Door 全14曲
 テキサス・ホンキー・トンクの王道を行く新人アンバー・ディグビーのデビュー・アルバム。父デニスは72年からしばらくオズボーン・ブラザーズ・バンドに在籍したのち、ロレッタ・リンのツアー・バンドで20年以上エレキ・ベースを弾いていた人物、母も3年ほどコニー・スミスのバック・コーラスでオープリのステージに立っていたという。必然的に(?)そのふたりの影響を大きく受けており、とりわけコニー・スミスのデビュー当時を髣髴させるピュア―なカントリー・スタイルが、23歳の若々しい声とぴったり合った、爽やかな印象を与えてくれる。コニーのデビュー・アルバムからのカヴァー"Heart I'm Ashamed of You""The Threshold"を軸に、ジョージ・ジョーンズやバック・オウエンズ、ジャン・ハワードなどのヒット曲を、ディッキー・オーヴァーベイ(スティール)、ボビー・フローレス(f)他テキサス・ホンキー・トンクのヴェテランの手馴れたサポートで、溌剌と唄っている。
●AARON WATSON『Live at the Texas Hall of Fame』AW-002 CD \2,888
Intro/The Right Place/Songs About Saturday Night/Next to Heaven/What She Don't Know/Heaven help the Heart/Silver Wings/Some Never Will/The Notel Motel/If You're Not in Love-Foggy Mountain Breakdown/Honky Tonkin' Around Texas/Shut up and Dance/Diesel Drivin' Daddy/Reckless/Off the Record/Thanks a Lot/I Don't Want You to Go When All Aggies Move to Austin/The Honky Tonk Kid/Something With a Swing to It 全18曲
テキサス・ホンキー・トンク期待の星アーロン・ワトソンの新作は、本年2月11日テキサス州ブライアンでの熱狂ライヴ。ツアー・バンド、オーファンズ・オヴ・ザ・ブラゾス・バンドのエネルギー満載のサウンドをバックに、ビートの効いたのりのいいナンバーを、息つくひまもないくらい矢継ぎ早に繰り出して観客を一気にヒート・アップさせ、中盤からは正統派のバラードやテキサスならではのウェスタン・スウィング・テイストのホンキー・トンク・ソング、マール・ハガードやアーネス・タブへのオマージュなどを巧みに織り交ぜるチェンジ・オヴ・ペースに余裕をみせながら、地元のホンキー・トンク回りで鍛えあげたライヴ・バンドの実力を遺憾なく発揮している。アンコールとして唄われるラスト2曲がやはり彼の本領、テキサス・カントリーのメインストリーム、テキサス・ダンス・ホール・カントリーの真骨頂がここに凝縮されているといっていいだろう。
●CURTIS POTTER『Chicago Dancin' Girls』HOTR-112 CD \2,888
Chicago Dancin' Girls/If You Look a Little Less/She's Leaving and I'm Almost Gone/Blue Eyes Weren't Meant to Cry/A Better Way to Love(with Ray Pennington)/The Only One I Hold Against Her/Texas Had to Be Created/Am I Blue/I'm Not Supposed to Care/Best Worst Thing/Twin Fiddles Turn Me on/Waltz I Can Never Forget 全12曲
 ここへきて精力的に新作発表を続けているテキサス・ホンキー・トンクのヴェテラン、カーティス・ポッターのニュー・リリース。今作は、テキサス・カントリー・シーンを代表するギタリスト/ソングライターとして鳴らしてきたデイヴ・カービー作の"Chicago Dancin' Girls"をアルバム・タイトルに、昨年亡くなった彼へのトリビュートの意味合いを込めた作品としてまとめている。デイヴのリード・ギターとバディ・エモンズのスティーリン・サウンド、ハンク・シンガーとロブ・ハジャコスのスウィンギーなフィドルの息の合ったサポートにのせた、レイ・プライス・スタイルのカントリー・シャッフルにウェスタン・スウィング・テイスト、正統カントリー・バラードなどホンキー・トンクの王道を行くカーティスの貫禄十分なヴォーカルが、いまのナッシュヴル産のカントリーからは失われてしまったゴールデン・エイジの香りを見事に伝えてくれる。
●LYNN ANDERSON『Live from the Rose Garden』CLP-1492 CD+DVD \2,888
Listen to a Country Song/How Can I Unlove You/What a Man My Man Is/Under the Boardwalk/Faithless Love/Foggy Mountain Breakdown/Even Cowgirls Get the Blues/Someday Soon/Ride Ride Ride/That's a No No/Top of the World/Cry/Rose Garden/Paradise/The Worst Is Yet to Come/Rocky Top 全16曲
 噂のジョニー・ハイランドが凄かった『The Bluegrass Sessions』(DM-41376\2,888)で健在ぶりを示したカントリー・ガール、リン・アンダーソンの最新ライヴ。67年のデビュー・ヒット"Ride Ride Ride"や、ポップ・ヒットともなった71年の代表作"Rose Garden"を含むヒット曲の数々をストレートなカントリー・サウンドにのせて、のびのびと唄っている。全16曲を音声だけのヴァージョン、映像ヴァージョン、ふたとおりに楽しめるという、CDとDVDがセットになった徳用盤、わが国でもいまだに根強いファンをもつリン・アンダーソンの最新映像だ。
●BUDDY JEWELL『Times Like These』COL-92873 CD \2,783
Me Lovin' You/If She Were Any Other Woman/Back to You/So Gone/You Ain't Doin' It Right/Addicted to the Rain/I'd Run/Dyess, Arkansas/Glad I'm Gone/Times Like These/Run Away Home 全11曲
 全米ネットの公開オーディション番組『Nashville Star』、2003年第1回の優勝者として40代にして遅咲きのメジャー・デビューを果たし、プラチナム・セールスを記録したアーカンソー出身の苦労人バディ・ジュウェルのセカンド・アルバム。ジョージ・ジョーンズなどに連なる正統派との期待に応えたデビュー作『Buddy Jewell』(COL-90131\2,783)同様、ブレント・メイソン、ポール・フランクリン、ロイド・グリーン以下のストレート・カントリーに、スチュアート・ダンカン、ブライアン・サットンらのアコースティックな味わいも加味して、2作目の余裕をも感じさせるスケールの大きなヴォーカリストぶりを発揮している。"Dyess, Arkansas"など、ソングライターとしても積み重ねたキャリアを感じさせる、内容の濃い作品に仕上げている。
[COUNTRY REISSUES AND DISCOVERIES]
●MERLE TRAVIS & JOE MAPHIS『Country Music's Two Guitar Greats』SC-9011 CD \2,363
Corinne Corinna/Big Midnight Special/Bayou Baby/Don't Let Your Deal Go Down/Guitar Rag/Blast Off/When It's Time for the Whippoorwill to Sing/West Coast Blues/Mainstreet Breakdown/Picture on the Wall/Kentucky Waltz/Gonna Lay Down My Old Guitar 全12曲
 ウェスト・コーストのアーリー・カントリー・シーンを代表するふたりのギター・ジャイアント、トラヴィス・スタイルとして知られるフィンガー・ピッキンのマール・トラヴィスと、"flying fingers"とも形容される早弾きの達人ジョー・メイフィスが初めて一緒にレコーディングした64年のキャピトル・アルバムのCD化。42年に知り合って以来、キャピトル・スタジオや"タウン・ホール・パーティ"などさまざまなシチュエーションで共演してきたふたりの、息の合ったリラックスしたなかにそれぞれの名人芸、得意技をちりばめた、余裕綽々のギター・ピッキンが満載。カーター・ファミリー、ビル・モンローからチェット・アトキンズまで、得意のトラッド曲のアレンジなど。
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