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NEW ARRIVALS 0409/0410                 2004/11/1

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[BLUEGRASS NEW RECORDINGS]
[BLUEGRASS REISSUES AND DISCOVERIES]
[FOLK & OLDTIME NEW RECORDINGS]
[FOLK & OLDTIME REISSUES AND DISCOVERIES]
[COUNTRY NEW RECORDINGS]
[COUNTRY REISSUES AND DISCOVERIES]

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[BLUEGRASS NEW RECORDINGS]
●RICKY SKAGGS & KENTUCKY THUNDER『Brand New Strings』SKFR-1006 CD \2,573
Sally Jo/Sis Draper/I Corinthians/Enjoy the Ride/Lonesome and Dry as a Bone/Brand New Strings/Spread a Little Love Around/Appalachian Joy/If I Had It All Again to Do/Love Does It Every Time/Why Did I Wait So Long?/My Father's Son/Monroe Dancin 全13曲
 ビル・モンロー亡きあと、トラディショナル・ブルーグラスの本流継承を旗印に、『Bluegrass Rules!』(ROU-0801\2,573)から『Live at the Charleston Music Hall』(SKFR-1004\2,573)まで5枚のアルバムで、そのパワーとエネルギー全開の超重量級ブルーグラスを演じつづけてきたリッキー・スキャッグス&ケンタッキー・サンダ―、そのクラシック・ブルーグラスをいまに再現する作品群には圧倒されつづけてきたが、ただひとつ、先人のカヴァーにとどまって新しいリッキーならではのブルーグラスが聴かれなかったところに不満が残ってきた。が、それも遂にこのアルバムで見事に解消してくれたのだ。クラシック・ブルーグラスの香りを失うことなく、コンテンポラリー・フィール横溢の完璧なスタイルに昇華したウルトラ・ハイパワー・ブルーグラス、コディ・キルビー(g)、アンディ・レフトウィッチ(m)、凄まじいとしかいいようのない若者ふたりに、ジム・ミルズ(bj)、以下、ケンタッキー・サンダ―の悶絶テクに裏付けられた強烈な演奏と、リッキーのソウル、スピリットに溢れたヴォーカルにただ脱帽するのみ。ジョニー・ハイランドのエレキ・ギターもまじえて全員のパワー炸裂の、"Country Boy"を髣髴させるタイトル・トラックや、カントリー・スター時代のヒット曲"My Father's Son"のセルフ・カヴァー、モンローへの想いが結実した3曲のインストなど、聴きどころ満載。
●RANDY KOHRS『I'm Torn』LDR-005 CD \2,888
I'm Torn/Take Me Back/It Looked Good On Paper(Duet with Dolly Parton)/I See How Your Are/Handmade Nails and Homemade Love/Hurry Back Jesus/Fifty Good Years/Passion's Price/Over Your By Now/That's What I've Learned(From Lovin' You)/Mountain Song 全11曲
 ジェリー・ダグラス、ロブ・アイクスに続くモダン・デイ・ドブロの旗手、ランディ・コーアズ4枚目のソロ・アルバムにして、はじめてのブルーグラス・アルバムの登場。過去3作は彼のソングライター、ヴォーカリストとしての側面にスポットを当てていたが、ここでは、ジョッシュ・ウィリアムズ(m)、コディ・キルビー(g)、スコット・ヴェスタル(bj)、ティム・クロウチ(bs)など、コンテンポラリー・ブルーグラス・シーンにその名をはせるスーパーピッカーたちをバックに、緻密なアレンジを施した卓抜なアンサンブルにホットなエネルギーを感じさせる、旬のミュージシャンならではの勢いのあるブルーグラス・ゴスペル作品に仕立て上げている。『Halos & Horns Tour』で行を共にしたドリー・パートンとのデュエットをはじめ、ドン・リグスビーやカール・ジャクソンというコーラス名人を配したハーモニーも秀逸。ランディのブルーグラスに懸ける想いがひしひしと伝わってくる見事なアルバムに仕上がっている。
●PAUL WILLIAMS & THE VICTORY TRIO『The Alpha Video』REB-9004D DVD61分 \4,148
Living on the Hallelluyjah Side/Stay by the Brook/My Life's an Open Book/Whispering Hope/Surely I Will, Lord/There's Been a Few Times/Be Looking for Me/Seek Ye Out the Old Paths/Holy Ghost Excitement in My Soul/Suppertime/I'm Glad God Saves Old Sinners/Lord I'm Coming Home/Go Rest High on That Mountain/The Journey/Heaven's Jubilee/When We March Through 全16曲
 次々と新曲をまじえながら精力的にゴスペル・アルバムを発表しつづけている大ヴェテラン、ポール・ウィリアムズのはじめての映像作品。レギュラー・バンド、ヴィクトリー・トリオとの2004年1月、テネシー州モリスタウンのアルファ・バプティスト・チャーチでのコンサートを収録したもの。ポールの定評あるオリジナル曲を核に、ゴスペルといえばこの人、アルバート・ブラムリー作品やゴスペル、ヒムのクラシックにヴィンス・ギルの名曲などをおりまぜて、静けさと美しさを湛えた格調高いコンサートを展開している。ポールの衰えを知らぬクリアーで力強いテナー・ヴォイスが冴えるハイ・リードのトリオ・コーラスを中心に、ジェフリー・オ―アとのデュエットやカルテットと、ゴスペル・ハーモニーのパターンを駆使して丁寧に唄いこんでいる。ヴィクトリー・トリオの演奏も、ビックリするようなハイテクなどは全く見られないが、シュアーなアンサンブルでしっとりと聴かせる。ゴスペル・バンドにとっては日常的な演奏の場である教会でのコンサート、派手さはないが手馴れた進行で落ち着いた雰囲気がよく伝わってくる。
●MELVIN GOINS『I Wouldn't Miss It』REB-1797 CD \2,583
Beautiful River of Life/God Holds It All in His Hnds/I'm Ready to Go/He Took Your Place/Light on the Mountain/I Wouldn't Miss It Would You/Voice of My Savior/To My Mansion in the Sky/Shouting on the Hills of Glory/Memories of Mother/The Shut-in's Prayer/Let Me Walk, Lord, By Your Side/I'm Using My Bible for a Roadmap 全13曲
 50年代ロンサム・パイン・フィドラ―ズに始まって、ラルフ・スタンレー&クリンチ・マウンテン・ボーイズ、弟レイとのゴインズ・ブラザーズ、そして現在のウィンディ・マウンテンと、半世紀にわたってトラッド・ブルーグラスひとすじに唄いつづけてきた大ヴェテラン、メルヴィン・ゴインズの最新ゴスペル・アルバム。レノ・スタイルをよくするビリー・ローズ(bj)以下、中堅どころの手堅いプレイヤーを集めたウィンディ・マウンテンに、マイケル・クリ―ヴランドのホット・フィドルが加わってのゴリゴリ・トラッド・サウンド。前作でも軸となっていたトム・T・ホール作品をあたまに、フラット&スクラッグスやスタンレーズ、ジミー・マーティンにレノ&スマイリーと、ファースト・ジェネレーションのいわば僚友たちの作品を、ソウルフルなヴォーカルで真摯に聴かせてくれる。そして、ソウルフルなブルーグラスを唄わせたらこれ以上の存在はないという、ラリー・スパークスとデイヴ・ェヴァンス、さらにはポール・ウィリアムズをゲストに迎えての熱唱編。さすがの年輪が滲み出た見事なゴスペル集だ。
●THE DISMEMBERED TENNESSEANS『Live At The Laurel』DT-001 CD \2,888
Fire on the Mountain/Little Cabin home on the Hill/Who Will Watch the Homeplace/I'm Riding on That Midnight Train/Flannery's Dream/Summer of My Dreams/Bluegrass Breakdown/Blue Night/Heart of the Heartland/I Ain't Broke/Another Night/Black Mountain Aire/Roanoke/Roll in My Sweet Baby's Arms/Orange Blossom Special 全15曲
 先に紹介した99年作品『Theft Proof』(DT-500199\2,888)そして2003年のDVD作品『The Dismembered Tennesseans』(DT-DVD\4,725)で、1945年結成という現役最古参バンドのブルーグラスへの愛情に満ち満ちた、はやりすたりなどとは無縁のなんのケレンもハッタリもない、シンプル&ストレートなブルーグラスが鮮烈な印象を与えてくれた、その究極のアマチュア・ブルーグラス・バンド、ディスメンバード・テネシアンズの2001年3月、テネシー州ノックスヴィルのクラブ、ザ・ローレルでのライヴ。先の2作品同様、オリジナル・メンバーとしてずっと一緒に演奏してきた、フレッチャ―・ブライトのオールドタイムの色濃いフィドルとドク・カリスのよく整理されたバンジョーを中心に、かっちりとまとまった正統ブルーグラス・スタイルと、ローリー・ルイスの名曲"Who Will Watch the Homeplace"が素晴らしいローラ・ウォーカー(bs)のエモ―ショナルなヴォーカル、ボビー・マーティン(g)、ドン・カッセル(m)の朴訥なリード・ヴォーカルといういつもどおりの折り目正しいパフォーマンスが楽しめる。そしてこれまたいつもながらの、モンローやフラット&スクラッグス、スタンレーズなど先人へのリスペクトが暖かい。
●MELONIE CANNON『Melonie Cannon』SKFR-2011 CD \2,363
Nothing To Lose/Tennessee Roads/I Feel You Every Where/What Took You So Long?/Westbound Trains/Sweeter Than Sugarcane/Whiskey Lullabye/Separate Ways/I'll Be Back/Nobody Hops A Train Anymore 全10曲
 リッキー・スキャッグスがデモ・テープを聴いて惚れ込んだという新人、メロニー・キャノンのデビュー作。新人とはいっても、ナッシュヴィルの大物プロデューサー、バディ・キャノンを父にもち、ハイスクール時代からカントリー・スターのレコーディングにハーモニー・シンガーとして参加してきたというから経験は十分、父の威光もあってか、マトレイサ・バーグ&ジム・フォトグロ、ビル・アンダーソン&ジョン・ランドール、ハーリー・アレン&レスリー・サッチャーといった強力ソングライター陣が作品を提供している。勢いを感じさせるコンポラ・サウンドやクラシック・ブルーグラスへのリスペクトが鮮烈な曲も捨てがたいが、ジェリー・ダグラス、ロブ・アイクスなどのドブロと、ダン・ティミンスキ、シャド・コッブなどのマンドリンがリードする抜群のアンサンブルにのせたメロニ―の情感をおさえた落ち着いたヴォーカルが、しっとりとした味わいのアコースティック・カントリー風味のブルーグラス・スタイルにぴったりとはまっている。ロニー・ボウマンがプロデュース、スチュアート・ダンカン以下のナッシュヴィル勢と、ワイアット・ライス、エルマー・バーチェットなどブルー・リッジ人脈がサポートしている。
●DOLLY PARTON『Live & Well』SH-3998D DVD102分 \2,888
●DOLLY PARTON『Live & Well』SH-3998 2CD \2,888

Orange Blossom Special/Train, Train/The Grass Is Blue/Mountain Angel/Shine/Little Sparrow/Rocky Top/My Tennessee Mountain Home/Coat Of Many Colors/Smokey Mountain Memories/Applejack/Marry Me/Halos And Horns/I'm Gone/Dagger Through The Heart/If/After The Gold Rush/9 To 5/Jolene/A Cappella Medley:Islands In The Stream-Here You Come Again-Why'd You Come In Here Lookin' Like That-Two Doors Down/We Irish/Stairway To Heaven/I Will Always Love You 全23曲
 カントリーの枠を遥かに超えるアメリカン・ミュージック・アイコン、ドリー・パートンがその圧倒的な存在感を示したライヴが、DVDと2枚組CDで同時発売(内容は同じ)。『The Grass Is Blue』(SH-3900\2,573)に始まるブルーグラス3部作の完結編『Halos And Horns』(SH-3946\2,573)のプロモーションのために、10数年ぶりに全米をツアーしたドリー、そのツアーから2002年12月の、ドリー自身の名を冠したアミューズメント・テーマ・パーク、ドリウッドでの白熱のライヴ。ゲイリー・デイヴィス(bj,g)をリーダーとするバンドは、ブレント・トゥルイット(m)、ジミー・マッティングリー(f)、ランディ・コーアズ(d)などが加わったブルーニクスのアコースティック/ブルーグラス・セット。ブルーグラス3部作からの自作曲やレッド・ツェッペリン"Stairway To Heaven"、ブレッド"If"、ニ―ル・ヤング"After The Gold Rush"など話題のカヴァー曲、そしてイースト・テネシーでの厳しかった生活を真摯に唄った"My Tennessee Mountain Home"や"Coat Of Many Colors"などドリーのシグネチャ―・ソングに、世界的ポップ・ヒットとなった"I Will Always Love You"まで全23曲をフィーチュアした怒涛の1時間42分。スターのオーラ、観客を魅了してやまない素晴らしいパーソナリティ、マイナス・イメージをも逆手にとったキャラクター、そしてなによりも、シンガーとしてまたソングライターとして長年にわたってトップの座に君臨しつづける、その才能の凄さが全編に漲っている。アメリカン・エンターテインメントのひとつの極致といってもいいだろう、見事なショウである。なお、ドリーはこの10月から話題のバンド、ザ・グラスカルズ(テリー・エルドレッジg、デイヴ・タルボットbj、ジミー・マッティングリーf他の新バンド)とのツアーを予定しており、新作も同じくザ・グラスカルズと制作中である。
●JANIE FRICKE『The Bluegrass Sessions』DM-41375 CD \2,888
You Don't Know Love/Goodbye Broken Heart/Do Me With Love/Faithless Love/He's A Heartache/Please Help Me, I'm Falling(In Love With You)/She's Single Again/I'll Need Someone To Hold Me(When I Cry)/Down To My Last Broken Heart/Tell Me A Lie/It Ain't Easy Bein' Easy/Don't Worry 'Bout My Baby/Ring Of Fire 全13曲
 ヴェテラン・カントリー・シンガー、ジェイニー・フリッキーがはじめてチャレンジしたブルーグラス・アルバム。インディアナ出身、70年代半ばにナッシュヴィルに移り、最初はスターのためのデモ・セッションやバック・アップ・シンガーとして実力をたくわえ、ソングライターとして頭角をあらわすと共に、77年エピックからソロ・デビュー、80年代前半にはナンバー・ワン・ヒットを連発しスターの座を確かなものとしている。今回のブルーグラス・セッション、話題のジョニー・ハイランド(g)やリュ―ク・ブラ(f)、アンディ・レフトウィッチ(f)といった若手を軸に、デイヴ・タルボット(bj)、ランディ・コーアズ(d)、ジミー・マッティングリー(f)など旬のミュージシャンが繰り出す軽妙なコンテンポラリー・サウンドをバックに、ナッシュヴィルでも指折りの歌唱力の確かさで鮮やかに仕上げている。このところ若い女性シンガーの登場が目立っているカントリー・タッチのブルーグラス、ヴェテランが格の違いをみせつけた1枚である。インタヴュー収録のDVDがオマケについている。
●LYNN ANDERSON『The Bluegrass Sessions』DM-41376 CD \2,888
What A Man My Man Is/Rocky Top/How Can I Unlove You/Rose Garden/Paradise/That's A No No/Under The Boardwalk/Ride, Ride, Ride/If I Kiss You/Top Of The World/Big Girls Don't Cry/The Worst Is Yet To Come/Cry 全13曲
 上記ジェイニー・フリッキーと同じく、ビル・ヴォ―ンディックが仕掛けたヴェテラン女性カントリー・スターのブルーグラス・セッション第2弾。67年チャート・レコードから"Ride, Ride, Ride"でデビュー、いくつものスマッシュ・ヒットののち70年にコロムビアに移籍、71年の"Rose Garden"がポップ・ヒットとなり名実ともにトップ・スターの仲間入り、日本でも大ヒットを記録した。ここでは、そうした自身のヒット曲、"That's A No No""Big Girls Don't Cry"などのブルーグラス・ヴァージョンに、オズボーンズの"Rocky Top"やカーペンターズの"Top Of The World"など大有名曲を、上記ジェイニー・フリッキー盤と同じメンバーで、実に生き生きとしたヴォーカルで軽快に仕上げている。とりわけ、ジョニー・ハイランドのリード・ギターが大活躍、噂どおりの実力をたっぷりと披露、圧倒的な迫力を示している。インタヴューDVDのオマケ付き。
[BLUEGRASS REISSUES AND DISCOVERIES]
●BILL MONROE & THE BLUE GRASS BOYS『Live At Mechanics Hall』ACD-59 CD \2,573
Watermelon Hangin' On That Vine/Band Intros/Panhandle Country/Dark Hollow/On And On/Devil's Dream/Love's Gonna Live Here/Dreaming Of A Little Cabin/Muleskinner Blues/Footprints In The Snow/Blue Moon Of Kentucky/Rawhide/John Henry/I Saw The Light/Waiting For Bea/What Would You Give In Exchange/Uncle Pen/Blue Ridge Mountain Blues/Y' All Come 全17曲
 ビル・モンローの遺産発掘、今回は若きデヴィッド・グリスマンが録音していた63年11月16日、マサチューセッツ州ウォーセスターのメカニックス・ホールでのライヴ。リード・ヴォーカルにデル・マカーリー、バンジョーにはビル・"ブラッド"・キースというふたりの若者を据え、ヴェテラン、ジョー・スチュワートとベッシ―・リー・モールディンが脇を固めるという布陣。52歳という、まさに油の乗りきった年代に入ったモンローの放つエネルギーと攻撃的なサウンド、ハイ・ロンサム・サウンドと呼ばれることになるワン・アンド・オンリーのブルーグラスにただただ圧倒されてしまう。東部のフォーク・ミュージック・シーンへの進出はフラット&スクラッグスやスタンレーズの後塵を拝した感なきにしもあらずだが、ビル・キースというバンジョー・イノヴェイタ―を得て、彼ら以上のインパクトをバンジョーに魅せられていた都会のインテリたちに与え、ホンモノのモンロー・ミュージックを植え付けたであろうことは想像に難くない。マサチューセッツという地に敬意を表してか、ビー・リリーとのモンロー・ブラザーズ・スタイル"What Would You Give In Exchange"も胸を打つ。
●KENNY BAKER & BOBBY HICKS『Darkness on the Delta』CO-2733 CD \2,573
Roanoke/Darkness On The Delta/McHattie's Waltz/Louisville Breakdown/Faded Love/Tallahassee/Westphalia Waltz/Farewell Blues/Chuck-A-Luck/Silver Bells/Panhandle Country 全11曲
 ケニー・ベイカーがボビー・ヒックスと組んで80年に発表した名盤のCD化。ビル・モンローのもとで54年、"Wheel Hoss"と"Roanoke"という、チャーリー・クラインとのツイン・フィドルをフィーチュアした傑作を残したヒックスと、そのツイン・フィドル、トリプル・フィドルのノウハウを継承してブルーグラス・フィドルの規範を完成させたベイカー、ふたりのフィドル名人が、アレン・シェルトン(bj)、バック・ホワイト、ラリー・スレッジ(m)、ベニ―・ウィリアムズ(g)、ロイ・ハスキーJr(bs)をバックに繰り広げる、モンローのフィドル美学を発展させたツイン・フィドルの真髄。
[FOLK & OLDTIME NEW RECORDINGS]
●CHRIS THILE『Deceiver』SH-3976 CD \2,573
The Wrong Idea/On Ice/Locking Doors/Waltz For Dewayne Pomeroy/Empire Falls/I'm Nowhere And You're Everything/Jessamyn's Reel/The Believer/This Is All Real/Ready For Anything 全10曲
 クリス・シーリーの最新ソロ・アルバムは、ヴォーカリストそしてソングライターとしてのクリスを前面に押したてた、シンガー/ソングライター作品。ゲイリー・パチョーザとの共同プロデュース、全曲自作オリジナル、すべてのヴォーカル、楽器をひとりでこなし、アートワークまで手がけるという、文字通りのワンマン・アルバム。そしてその中身はというと、実に渋い、ブリティッシュ・ロックのあれやこれやを思い起こさせるような、静かなエネルギーに満ちた作品に仕上がっている。グレン・フィリップスとのミューチュアル・アドマイアレーション・ソサエティでの音楽などをとおして開拓したクリスの新境地、ブルーグラスという出発点からは遥かな地平に到達したクリス・シーリーというひとりのミュージシャンの「いま」が、インスト2曲を含む全10曲に表現されている。
●V.A.『Beautiful Dreamer:The Songs of Stephen Foster』ARP-591594 CD \2,888
Beautiful Dreamer(Raul Malo)/Slumber Up Darling(Yo-Yo Ma/Edgar Meyer/Alison Krauss)/Don't Bet On the Shanghai(BR5-49)/Nelly Was A Lady(Alvin Youngblood Hart)/No One To Love(Judith Edelman)/Camptown Races(The Duhks)/My Old Kentucky Home, Goodnight(John Prine)/Autumn Waltz(Henry Kaiser)/In the Eye Abides the Heart(Beth Nielsen Chapman)/Old Folks At Home(Swanee River)(David Ball)/Oh! Susanna(Michelle Shocked/Pete Anderson)/Willie We Have Missed You(Grey DeLisle)/Hard Times Come Again No More(Mavis Staples)/Gentle Annie(Ollabelle)/Jeanie With The Light Brown Hair(Roger McGuinn)/Ah, May The Red Rose Live Always(Suzy Bogguss)/Holiday Schottisch(Will Barrow)/Comrades Fill No Glass For Me(Ron Sexsmith) 全18曲
 アメリカを象徴するソングライター、スティーヴン・フォスターの作品集としては、以前にウェストコーストのブルーグラス/ルーツ・ミュージック系のミュージシャンを動員した『Swanee:Music of Stephen Foster』(GM-206\2,888)があったが、それ以来となるフォスター・アルバムの登場。今回は、新旧のシンガー/ソングライターを軸に、いろんなスタイルのカントリー・シンガーをまじえてのトリビュート。『Appalachian Journey』(COL-66782\2783)からのアリソン・クラウスをフィーチュアしたヨー・ヨー・マ/エドガ―・マイヤー"Slumber Up Darling"だけは再録だが、他はすべてこのアルバムのための新録音。ジャック・クレメントのドブロとパット・マクラフリンのマンドリンという珍しい組み合わせをバックにしたジョン・プラインや、ミッシェル・ショックドとピート・アンダーソンという鮮烈なコンビなど、顔ぶれの妙も楽しめ、グレイ・ドライルやエイミー・ヘルム(ザ・バンドのレヴォン・ヘルムの娘)を中心とした新進ルーツ・フォーク・バンド、オラベルなどの新しいサウンドも印象に残る。有名曲もそうでない曲も、それぞれに個性豊かに唄った参加メンバーに拍手。
●VASSAR CLEMENTS『Livin' With The Blues』ACD-58 CD \2,573
Cypress Grove/Dirty Drawers/Honey Babe Blues/Mambo Boogie/Phonograph Blues/Green Onions/Rube's Blues/Dead Cats On The Line/That's My Thing/Keep Your Lamp Trimmed & Burning/I Ain't Gonna Play No Second Fiddle/Mama I'm All Out & Down/Fiddlin' & Faddlin'/Cool Drink of Water/Don't Stand Behind A Mule 全15曲
 ビル・モンローのブルー・グラス・ボーイズなど、ブルーグラスを振り出しに、72年のニッティ・グリッティ・ダート・バンドとの共演をきっかけに大ブレイク、ロックからジャズまで、ジャンルの壁を飛び越えた活躍は周知のとおりである。そのヴァッサー、今作では彼の音楽の根底にあるブルースを、デイヴ・マシューズ、マリア・マルダー、エルヴィン・ビショップ、ロイ・ロジャーズボブ・ブロズマンといった個性派ブルーズマンとの共演で、全く衰えをみせないワン・アンド・オンリーの奔放なスタイルを演じきっている。ブルーグラス・フィドラ―としての名声に甘んじることなく、常に進取の気性をもって異種格闘技戦に挑みつづけ、オール・アメリカン・ミュージックのエッセンスを自分のものとしてきたヴァッサーならではの1枚、ひとすじにフィドルを弾きつづけてきたヴァッサーが76歳にしてなお新たな可能性に挑んだ野心作。
●IRENE KELLEY『Thunderbird』IK-1563 CD \2,888
Highway/If I Had Any Strength At All/Cold All The Time/Somebody Let The Water In/Thunderbird/My Sun And Moon/Big Girl Now/Burn Down The House/Might Unbreak My Heart/Comin' Back From The Moon/I Pray 全11曲
 ナッシュヴィル・アンダーグラウンドで唄いつづけているシンガー/ソングライター、アイリーン・ケリーのセカンド・アルバム。ペンシルヴァニア出身、ロレッタ・リンやトリーシャ・イヤーウッド、ドリー・パートンなど、ブルーグラスではクレア・リンチ、オズボーンズ、ホワイツなどの影響を受け、ナッシュヴィルに移ってからトリ―シャやアラン・ジャクソンなどトップ・スターのレコーディングでハーモニー・ヴォーカルに起用されてきた。ここでは、セッション・リーダー、スコット・ニューバートのギター、ドブロ、ラップ・スティールに、スチュアート・ダンカン(f,m)やブレント・トゥルイット(m)を多用したアコースティック風味の軽いカントリー・サウンドをバックに、ブルーグラスのスパイスを効かせたフォーク・カントリーといった趣きが、1曲目"Highway"を共作したクレア・リンチやジョン・ランドールのハーモニーと相俟って、実に爽やかな印象を残している。デビュー作ではダレル・スコットなどのサポートも受けており、ソングライターとしても注目されるひとりになりそう。
●JANETTE & JOE CARTER『Last of Their Kind』DUAT-1186 CD \2,573
A Few More Years/Stern Old Bachelor/Close of a Day/Through the Eyes of an Eagle/The Poor Orphan Child/If Only I Were a Child Again/Little Darling Pal of Mine/Pole It Reba/Kitty Waltz/Morning Sunlight/Right at Home/Living with Memories 全12曲
 A.P.とサラ・カーターの娘ジャネット81歳と息子ジョー77歳、ヴァージニア州ヒルトンズのカーター・フォールドを舞台に、いまも生きつづけるカーター・ファミリー・トラディションを継承するふたりの新録音が聴けるという、これを喜びといわずしてなんとする。メイベルの孫ジョン・カーター・キャッシュがプロデュース、ラリー・パーキンス(g,bj)とローラ・ウェーバー・キャッシュ(g)、デニス・クロウチ(bs)らカーター・トラディションを敬愛するサード・ジェネレーションをバックに、ジャネットのオートハープとジョーのギター、そしてなにものにも替えがたい、人生そのものといってもいいふたりのヴォーカルのパワー(決して物理的なものではない)に圧倒されるのみである。自らのルーツを淡々と、しかし真摯に唄うふたり、伝承のカーター・ファミリー・ソングと、その伝統にのっとったふたりのオリジナルに、すべてを超越した「ホンモノ」の音楽が息づいている。
●THE LONESOME SISTERS『The Lonesome Sisters』THM-0401 CD \2,888
Could You Love Me One More Time/Over The Sea/Elkhorn Ridge/I Have No Mother Now/If That's The Way You Feel/Pretty Saro/Precious Memories/Let YOur Light Shine On Me/Omie Wise/Old Flames/Western Dream/Bright Morning Stars 全12曲
●THE LONESOME SISTERS『The Lonesome Sisters with Riley Baugus』THM-0404 CD \2,888
God's Golden Key/Oh Sleeper/Going Home Shoes/Forgiveness/Go Home Little Girl/Rain and Snow/They All Pale/Token Reminder/Wild Bill Jones/Oh Sing to Me of Heav'n/What Can I Do/Highlander's Farewell 全12曲
 今年のマール・フェス恒例のソングライター・コンテスト、カントリー部門で"Forgiveness"(セカンド・アルバムに収録)が見事受賞、一躍注目を集める存在となったシンガー/ソングライター、サラ・ホウカー(ヴェテラン・オールドタイマー、ギニー・ホウカーの姪)と、70年代からブルーグラス、カントリー、オールドタイムを唄いつづけてきたヴェテラン女性シンガー、デブラ・クリフォードのふたりが新たに結成したデュオ、ロンサム・シスターズ、2作同時のリリース。スタンレー・ブラザーズやヘイゼル・ディッケンズそしてロレッタ・リンと、それぞれにディープなソウル・ヴォーカリストに影響を受けたというサラを軸としたトラッド色豊かなハーモニーで、スタンレーズからブルーズマン、ブラインド・ウィリー・ジョンソンまで、自作曲にアカペラのゴスペルや無伴奏のアパラチアン・バラッドと、多彩なレパートリーを、静謐感いっぱいのギター、マンドリン、バンジョー、フィドルなどからなる素朴なサウンド、ロンサム・フィーリングが横溢するデブラのハイ・ハーモニーが印象的な、抑制されたエモーションで唄い綴っている。カーター・ファミリーからギリアン・ウェルチまで、女性トラッド・シンガーの系譜につらなる有望な新顔の登場である。第2作では、映画『コールド・マウンテン』や『Great High Mountain Tour』でこれまた注目、気鋭のオールドタイマー、ポールキャット・クリークのライリー・ボーガス(bj,f,g)をゲストに迎えている。
[FOLK & OLDTIME REISSUES AND DISCOVERIES]
●THE RED CLAY RAMBLERS『Meeting In The Air:Songs Of The Carter Family』SAP-2326 CD \2,888
Anchored in Love/While the Band Is Playing Dixie/A Stern Old Bachelor/The Winding Stream/The Schoolhouse on the Hill/The Wayworn Traveler/Meeting in the Air/I Ain't Gonna Work Tomorrow/One Little Word/Dixie Darling/Lula Walls/Are You Tired of Me, My Darling?/Give Me the Roses/When the Roses Bloom in Dixieland 全14曲
 70年代からその道で名をはせてきたオールドタイム・ミュージックの名門レッド・クレイ・ランブラーズ、そのオリジナル・メンバー、ジム・ワトソン、故トミー・トンプソン、マイク・クレイヴァ−の3人が80年、フライング・フィッシュ・レコードから発表した名盤の復刻。その内容はというと、ジョン・カーター・キャッシュ制作の『The Unbroken Circle』(DUAT-1162\2,573)の発売や、TVドキュメンタリーのオンエアなどここへきて俄然再注目のカーター・ファミリーへのトリビュート。3人の個性的なヴォーカルを巧みにブレンドした卓抜なハーモニーと、それぞれの楽器の能力を発揮したアンサンブルで、カーター・ファミリーの名曲に新たな生命を吹き込んで、4半世紀を経た今も新鮮な音楽として、聴き手の心を捉えてはなさない。名作ぞろいのカーター・ファミリー・トリビュートのなかでも、上位にランクされるであろう名盤だ。
●ROY ACUFF『The Essential Roy Acuff』COL-90906 CD \2,363
Great Speckled Bird/The Precious Jewel/Wreck On The Highway/Night Train To Memphis/Fireball Mail/Low And Lonely/Pins And Needles(In My Heart)/Wait For The Light To Shine/Wabash Cannonball/Freight Train Blues/Blue Eyes Crying In The Rain/Tenessee Waltz/This World Can't Stand Long/I Saw The Light 全14曲
「キング・オヴ・カントリー・ミュージック」ロイ・エイカフのもっとも初期、スターの座を確立したコロムビア時代の名曲を選りすぐった新編集ベスト・アルバム。1938年にグランド・オール・オープリのステージで唄った"Great Speckled Bird"を筆頭に、バッシュフル・ブラザー・オズワルドのドブロを主役に、ヒルビリー音楽のスタンダードとなった名曲の数々。オープリのスターとして君臨した絶頂期、30年代末から40年代のベスト・トラック集。
[COUNTRY NEW RECORDINGS]
●ALAN JACKSON『What I Do』ARI-63103 CD \2,783
Too Much Of A Good Thing/Rainy Day In June/USA Today/If Love Was A River/If French Fries Were Fat Free/You Don't Have To Paint Me A Picture/There Ya Go/The Talkin' Song Repair Blues/Strong Enough/Monday Morning Church/Burnin' The Honky Tonks Down/To Do What I Do 全12曲
大ヒットの話題曲"Where Were You(When The World Stopped Turning)"をフィーチュアした前作『Drive』(ARI-67039\2,783)以来、2年半ぶりとなるアラン・ジャクソンの新作。メジャー・カントリー・シーンのトップに君臨するスターの貫禄十分に、正統カントリー・ヴォーカルをたっぷりと堪能させてくれる。ブレント・メイソン、ポール・フランクリン、ロイド・グリーンなど毎度おなじみスタジオ・エースに、スチュアート・ダンカンのマンドリン(もちろん、フィドルも)を主役にしたアコースティック・スタイルなども楽しめる。パティ・ラヴレスがハーモニー・ヴォーカルで参加。目下シングル・チャート上昇中の"Too Much Of A Good Thing"など全12曲。カントリー・チャートはもちろん、トップ200でも初登場1位を記録している。
●JEDD HUGHES『Transcontinental』B000190302 CD \2,573
I'm Your Man/I'll Keep Movin'/Snake In The Grass/Time To Say Goodnight(Sweet Dreams Baby)/I Don't Have A Clue/Soldier For The Lonely/High Lonesome/All Mixed Up/The Only Girl In Town/Damn! You Feel Good/Luxury Liner 全11曲
 オーストラリア出身のシンガー/ギタリスト、ジェド・ヒューズのデビュー作。ハイスクール時代、リッキー・スキャッグスの"Country Boy"でブルーグラス・テイストのカントリーに出会い、あのグリーンカーズでホットな話題を提供しているマンドリン・プレイヤー、キム・ワーナーとの交友からブルーグラスにはまっていく。その後テキサスのサウス・プレインズ・カレッジのブルーグラス・プログラムに学び、プロへの道を選んだ。ナッシュヴィルに移ってすぐ、パティ・ラヴレスのツアー・バンドのリード・ギタリスト/ハーモニー・シンガーに迎えられ、パティの最近作『On Your Way Home』(COL-86620\2,783)でのリード・ギター・ワーク、そしてライヴでその実力を認められてのメジャーからのソロ・デビューとなった。自身のギターとダン・ダグモアのスティールがリードするルーツ・カントリーのエッセンスを取りこんだ正統派のサウンドと、コンテンポラリーなロック・フィールを融合させたカントリー・スタイルが印象的。パティ・ラヴレス、アリソン・クラウス、ダン・ティミンスキなど、豪華なハーモニー・ヴォーカルにも注目。
●ELIZABETH COOK『This Side of the Moon』HC-2536 CD \2,888
Cupid/Funny Side Of Love/Before I Go That Far/Here's To You/This Side Of The Moon/Kiss Me Again/Ruthless/Alone Down Here/Hard-Hearted/Heather, Are You With Me Tonight?/All We Need Is Love/Where The Blue Begins/Somebody's Gotta Do It 全13曲
 フロリダ出身、いまナッシュヴィル・アンダーグラウンドでいちばんホットな女性シンガー、エリザベス・クックの最新第3作。クラシック・テイストの正統カントリー・バラードで聴かせる、ロレッタ・リンやタミ―・ワイネットに連なるメインストリーム・カントリーの本流を継承するスケールの大きなヴォーカル、ランディ・スクラッグスとの共作曲などでの小粋なスウィング・タッチからドワイト・ヨーカム風味のロカビリー・スタイル、そしてコンテンポラリー・ソングまで、情感豊かに唄いあげている。そして、全編に溢れるカントリー・ミュージックへの愛情、クラシック・カントリーへのリスペクトが、爽やかな後味を残してくれる。ケニー・ヴォーン(g)、ダン・ダグモア(steel)以下のサポートも、ツボを心得た秀逸なもの。メジャーのワーナーからリリースした前作『Hey Y'All』(WB-48289\2,573)は残念ながら不発に終わったが、インディーに戻っての今作で見事に本領発揮、ソングライターとしても抜群のセンスをみせ、期待にたがわぬ大器ぶりを存分に示している。
●TIM McGRAW『Live Like You Were Dying』CURB-78858 CD \2,888
How Bad Do You Want It/My Old Friend/Can't Tell Me Nothin'/Old Town New/Live Like You Were Dying/Drugs Or Jesus/Back When/Something's Broken/Open Season On My Heart/Everybody Hates Me/Walk Like A Man/Blank Sheet Of Paper/Just Be Your Tear/Do You Want Fries With That/Kill Myself/We Carry On 全16曲
 アラン・ジャクソンと当代ナンバー・ワンの座を分け合うティム・マグロウの最新作。シングル・チャート独走中のタイトル・トラックや"My Old Friend""Back When"などのヒット曲をフィーチュア、カントリー・アルバム・チャートでジャクソンの『What I Do』と抜きつ抜かれつの大接戦を展開している。レギュラー・バンド、ダンスホール・ドクターズが演ずるコンテンポラリー感覚に溢れた正統派のサウンドは、マンドリン、ドブロなどアコースティック楽器も多用した近頃はやりのもの。自作曲を中心に、ブルース・ロビソンやロドニー・クロウェルなどのプログレッシヴ・カントリーもとりこんで、時代の先端を行くところも示している。
●JOHNNY HILAND『Johnny Hiland』FN-2390 CD \2,573
G Wiz/In Your Face/Going Home/Truth Hurts/Swinging The Strings/Until We Meet Again/Gatton To It/Song For Helen/Celtic Country/Run With It/Opus D'Funk/Orange Blossom Special 全12曲
 セッション・プレイヤーそしてライヴ・アクトとして、ナッシュヴィルで話題をさらっている若手ギタリスト、ジョニー・ハイランドのソロ・デビュー作。カントリー・ギターの基本を完璧に押さえた、ジミー・ブライアント以来の伝統的な早弾きとモダン・カントリー必須のチキン・ピッキンをベースに、ロック、ジャズ、ブルースなどさまざまな要素を採りいれた、問答無用の超絶テクニックで、まず、業界人に圧倒的なインパクトを与えたまだ20代の若者。ここでも、そのウルトラ・ハイテクを駆使したオリジナルから、ラストの悶絶"Orange Blossom Special"まで、タダモノではないスーパー・ギタリストぶりを十二分に発揮している。
●NITTY GRITTY DIRT BAND『Welcome to Woody Creek』DUAT-1176 CD \2,573
Walkin' In The Sunshine/Forever Don't Last/Jealous Moon/It's Morning/Get Back/She/Safe Back Home/Party On The Mountain/Any Love But Our Love/It's A New Day/Old Time's Sake/Midnight At Woody Creek 全12曲
 30年という時間をかけて『Will the Circle Be Unbroken』トリロジ―を完成させたニッティ・グリッティ・ダート・バンドの新作は、オリジナル・メンバーだったジョン・マッキューエンが復帰してから最初のアルバム。30年以上の時間のなかで、さまざまに変遷してきたたダート・バンドが、ここでは『Will the Circle 〜』のスピリットを再確認するかのように、初心に帰ってロック、フォーク、カントリー、ブルーグラスと、アメリカン・ミュージックを包括した、ダート・バンド・スタイルのカントリー・ロック・アルバムに仕上げている。バンドの故郷ともいうべきコロラドに戻ってのレコーディングも、そうした意志のあらわれといえよう。風格あるヴォーカル、自信と確信に満ちたアンサンブル、最高のオリジナル曲、すべてにウェスト・コーストの香りを感じさせながら、35年の歴史を重ねてきたダート・バンドのオリジナリティあふれる音楽を満喫させてくれる。
●COWBOY JACK CLEMENT『Guess Things Happen That Way』DUAT-1187 CD \2,573
No Expectations/Guess Things Happen That Way(with Johnny Cash)/There Ain't A Tune/It'll Be Me/S-E-R-I-O-U-S-L-Y/Dreaming My Dreams With You/Every Place I've Ever Been/Trapped In An Old Country Song/Ballad Of A Teenage Queen(with Johnny Cash)/Drinking Carrot Juice/Leavin' Is The Lovin' Thing/Off To See The World 全12曲
 伝説のサン・レコードで、ジェリー・リー・ルイスやカール・パーキンズのロカビリー誕生の仕掛け人となり、ジョニー・キャッシュをスターダムに押し上げる立役者となった偉大なプロデューサー/サウンド・クリエイター/ソングライター、カウボーイ・ジャック・クレメント、ナッシュヴィルに移ってからは、自らのスタジオ、カウボーイ・アームズ・ホテル&レコーディング・スパを舞台に、数限りないセッションで名曲を送り出してきた。そのカウボーイ・ジャックが25年ぶりに発表した2枚目のソロ・アルバムは、ここ何年もの時間をかけて、その膨大なナッシュヴィル人脈、ロニー・マカーリーやティム・オブライエンなどブルーグラス人をも網羅する人脈を動員して制作されたあったかいアルバム。キャッシュの決定的出世作となった"Guess Things Happen That Way"そして"Ballad Of A Teenage Queen"(いずれもクレメント作)では、キャッシュ自身も参加している。カントリーという枠にとらわれることなく、新旧の自作中心にローリング・ストーンズ・ナンバーまでを自由闊達に唄い綴った、悠々たるヴォーカルが胸を打つ。
[COUNTRY REISSUES AND DISCOVERIES]
●GEORGE STRAIT『50 Number Ones』B000045902 2CD \3,675
I Hate Everything/Fool Hearted Memory/A Fire I Can't Put Out/You Look So Good In Love/Right Or Wrong/Let's Fall To PIeces Together/Does Fort Worth Ever Cross Your Mind?/The Chair/Nobody In His Right Mind Would've Left Her/It Ain't Cool To Be Crazy About You/Ocean Front Property/All My Ex's Live In Texas/Am I Blue/Famous Last Words Of A Fool/Baby Blue/If You Ain't Lovin'(You Ain't Livin')/Baby's Gotten Good At Goodbye/What's Going On In Your World/Ace In The Hole/Love Without End, Amen/I've Come To Expect It From You/If I Know Me/You Know Me Better Than That/The Chill Of An Early Fall/So Much Like My Dad/I Cross My Heart/Heartland/Easy Come, Easy Go/I'd Like To Have That One Back/The Man In Love With You/The Big One/You Can't Make A Heart Love Sombody/Lead On/Check Yes Or No/I Know She Still Loves Me/Blue Clear Sky/Carried Away/I Can Still Make Cheyenne/One Night At A Time/Carrying Your Love With Me/Today My World Slipped Away/Round About Way/I Just Want To Dance With You/True/We Really Shouldn't Be Doing This/Write This Down/The Best Day/Go On/Run/Living And Living Well/She'll Leave You With A Smile 全51曲
 現代カントリー・シーンの大立者ジョージ・ストレイト、82年に記録した初めてのナンバー・ワン・ヒット"Fool Hearted Memory"を皮切りに、02年の"She'll Leave You With A Smile"まで、21年にわたって毎年少なくとも1曲はナンバー・ワン・シングルをリリースするという前人未到の離れ業をやってのけ、遂にコンウェイ・トゥイッティを抜いてソロ・シンガーとしては史上最多、50曲のナンバー・ワンを記録した。ここに、その全50曲を収録した、文字通りのベスト・アルバムが登場したわけである。おまけに、冒頭に収められた新曲"I Hate Everything"が今月、51曲目のナンバー・ワン・ヒットとなるという、なんともいいようのないタイミングのよさ。カウボーイ・ハットとブーツ、フィドル&スティール、ホンキー・トンク・バラードにカントリー・シャッフルそしてウェスタン・スウィング、当時のナッシュヴィルでは時代遅れとみなされていたものを、再び「クール」なものとして蘇らせた最大の功労者、彼がいたからこそアラン・ジャクソンやティム・マグロウのいまがある、といっても過言ではない。この51曲でジョージ・ストレイトのすべて、そしてこの20年余のカントリー・ミュージック・シーンが推し量れようという、強力オススメ盤。カントリー・アルバム・チャートは当然、ポップ200でも初登場1位!!
●BROOKS & DUNN『The Greatest Hits Collection II』ARI-63271 CD \2,783
That's What It's All About(previously unreleased)/How Long Gone/Ain't Nothing But Love/The Long Goodbye/My Heart Is Lost To You/I Can't Get Over You/Red Dirt Road/Husbands And Wives/That's What She Get's For Loving Me/You Can't Take The Honky Tonk Out Of The Girl/It's Getting Better All The Time(previously unreleased)/Only In America/A Man This Lonely/Independent Trucker(previously unreleased)/I'll Never Forgive My Heart/If You See Him-If You See Her(with Reba McEntire)/South Of Santa Fe 全17曲
 カントリー・デュオの最高峰、キックス・ブルックスとロニー・ダンのコンビ、ブルックス&ダンのグレイテスト・ヒッツ第2集。98年のリーバ・マッキンタイアとのデュエット・ヒット"If You See Him-If You See Her"から03年の"Red Dirt Road"までの、ナンバー・ワン多数を含む14曲と、最新録音の3曲。
●ALABAMA『Ultimate Alabama:20 #1 Hits』RCA-64196 CD \2,783
Born In Country/Jukebox In My Mind/Reckless/Feels So Right/Love In The First Degree/Mountain Music/Song Of The South/Tennessee River/Take Me Down/Lady Down On Love/She And I/Down Home/Why Lady Why/I'm In A Hurry(And Don't Know Why)/Roll O(Eighteen Wheeler)/You've Got The Touch/There's No Way/Forty Hour Week(For A Livin')/If You're Gonna Play In Texas(You Gotta Have A Fiddle In The Band)/Southern Star 全20曲
 80年、RCAから最初のナンバー・ワン・ヒット"Tennessee River"を放ってから、87年までクリスマス・シングルをのぞく連続21曲のナンバー・ワンを記録するなど、驚異的な人気で現在に至るまでトップ・グループの名をほしいままにしてきたアラバマ、03年に惜しまれつつツアーからの引退を宣言した彼らの、多くのナンバー・ワン・ヒットから20曲を厳選した、文字通り究極のベスト・アルバム。
●MERLE HAGGARD『The Essential Merle Haggard:The Epic Years』COL-90568 CD\2,363
Big City/Are The Good Times Really Over(I Wish A Buck Was Still Silver)/Someday When Good Things Are Good/Yesterdays Wine(with George Jones)/Twinkle, Twinkle Lucky Star/Let's Chase Each Other Around The Room/I Always Get Lucky With You/That's The Way Love Goes/Going Where The Lonely Go/A Place To Fall Apart(with Janie Fricke)/I Had A Beautiful Time/My Favorite Memory/Pancho And Lefty(with Willie Nelson)/The Okie From Muskogee's Comin' Home1 全14曲
 カントリー・レジェンド、マール・ハガードの80年代、エピック・レコード時代の新編集ベスト・アルバム。キャピトル(76年まで)そしてMCAに続いて81年から89年まで籍を置いたエピックでは、自らプロデュースに当たるとともに、ジョージ・ジョーンズとの"Yesterdays Wine"、ジェイニー・フリッキーとの"A Place To Fall Apart"そして極めつき、ウィリー・ネルソンとの"Pancho And Lefty"など、デュエット・ソングに新境地を拓く(しかも、そのすべてがナンバー・ワンを記録している)など、ヴェテラン健在を強く印象づけた時期だった。ここに収められた14曲は、エピックでの最初のナンバー・ワンとなった"My Favorite Memory"と第2弾"Big City"をはじめ、そのほとんどが1位となった大ヒット曲ばかり、カントリー・ミュージックの歴史に大きな足跡を残しつづける巨人マール・ハガードの輝かしい記録である。
●V.A.『This is Americana』AMA-1588 CD \840
That's What I Get(BR549)/Wishbones(Slaid Cleaves)/I'm So Ashamed(Willie Nelson & Ray Price)/Ain't Looking Closely(Tift Merritt)/Gold Watch & Chain(Nitty Gritty Dirt Band with Kris Kristofferson)/Every Time You Say Goodbye(Alison Krauss + Union Station)/Life in the Country(Danny Barnes)/All the Right Reasons(Jayhawks)/Stupid(Anne McCue)/Wait a Minute(Notorious Cherry Bombs)/September When It Comes(Rosanne Cash & Johnny Cash)/If I Die(Fairfax)/Doesn't Have to Be This Way(Jay Farrar)/Wild Geese Cry(Ralph Stanley)/Trashcan Tomcat(Jim Lauderdale)/Telephone(Shelby Lynne)/Broke Down and Lonesome(King Wilkie)/Bible Song(Lori McKenna)/Little Red Rivi Airhead(Junior Brown)/Ventura(Lucinda Williams)/Amen(Arthur Godfrey) 全21曲
 「アメリカ的なるもの」を包括するものとして認められるようになってきたアメリカーナ音楽、カントリー、フォーク、ブルーグラス、ロック、シンガー/ソングライター等々、あらゆるジャンルの要素をとりこんだアメリカーナ音楽の超廉価サンプラー。アメリカーナ・ミュージック・アソシエーションが編集、第一線、注目の若手から大ヴェテランまでを網羅した、「アメリカーナとはなんぞや」という疑問に答える格好の入門編。
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