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[トニー・トリシュカ & ビル・エバンス特集]
70年代にニューヨークのプログレッシブ・ブルーグラス・バンド「カントリー・クッキング」で活動、革新的なバンジョー・スタイルで登場、最近はアール・スクラッグスの未発表音源からインスパイアされた『Earl Jam』なる作品を発表したトニー・トリシュカと、バージニアを本拠とした「クラウド・バレー」で注目を集め、様々なバンジョー・スタイルの研究家としても知られるビル・エバンスの作品を集めてみました。
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*トニー・トリシュカ |
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●ROU-9143 TONY TRISCHKA『Great Big World』CD(\2,450-)\2,695-税込
Say Goodbye (For KM)/Do Re Mi/The Danny Thomas/Promontory Point/Single String Medley/Belated Wedding Hoedown- Angelina Baker/Ocracoke Lullabye/Great Big World- Purple Trees Of Colorado/JOY/I Wonder Where You Are Tonight/Lost/Wild Bill Hickock/Swag Bag Rag. 全13曲
革新的なバンジョー・プレイヤーとして又、指導者として多くの尊敬を集めるトニー・トリシュカの2014年リリースの第17作目となるブルーグラス・アルバム。かつてのラウンダー初期の作品に見られる実験的なアプローチは影を潜め、バランス感覚を持ったエンターテイメント性の高い仕上がり。基本バンドには、クリス・シーリとの衝撃的デュオ作で知られるマイケル・デイビス(g)、モンローマンドリンのマイク・コンプトン(m)、14歳でジム&ジェシーでデビューし現在デドリー・ジェントルメン/デビッド・グリスマン・クインテットの凄感性マイク・バーネット(f)、スキップ・デイビス(bs)。そしてゲスト陣にはアンディ・スタットマン、ラス・バレンバーグ、ノーム・ピケルニー、クリス・エルドリッジからスティーブ・マーティン、女性ボーカリストにイーファ・オドノバン、アビゲイル・ウォッシュバーン、ジャズ/ブルース歌手キャスリーン・ラッセル、そしてボブ・ディランやレボン・ヘルムのギタリスト、ラリー・キャンベル(g)やオールマンブラザーズのオテイル・バーブリッジ(bs)に息子ショーン(drums)とのコンボまで……、ウッディ・ガスリー“Do Re Mi”、フォスター“Angelina Baker”のマイケルとイーファのデュオ、“Wild Bill Hickock”を歌うフォーク界の重鎮ランブリン・ジャック・エリオット(語りで俳優ジョン・グッドマン登場!)、モンローの海賊テープで初めて聴いたという“I Wonder Where You Are Tonight”は基本バンドの正しいブルーグラス(つまり、個性のカタマリごっこ)などなど、ホンマ聴きどころ満載!!
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●HORN-3009 TONY TRISCHKA 『Shall We Hope』CD(\2,450-)\2,695-税込
Clouds Of War (Prelude)/This Favored Land/Paddle Wheel (Interlude)/On The Mississippi (Gambler'S Song)他全18曲
バンジョーのイノベーター、トニー・トリシュカの最新作は南北戦争の激戦地、ゲティスバーグの戦いを題材に、戦争と死の厳しい現実と自由の意味に取り組む登場人物によるドラマ仕立ての作品。
シンガーでフィドラーのフィービー・ハントが物語のマイケル・デーブス、ガイ・デイビス、、ジョン・リスゴー、モーラ・オコンネル、キャサリン・ラッセルなどのアーティストがそれぞれの役を演じる。ミュージカル仕立ての意欲作。 |
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●SCR-24 BIG DOG with TONY TRISCHKA『Live at Birchmere』CD(\2,450-)\2,695-税込
New York Chimes/Always On a Mountain/Oh Darling/Can't You Hear Me Callin'/Little Maggie/oo8/Love and Wealth/790-BABS 他全14曲
トニー・トリシュカ(bj)がデビッド・グリア(g)と共に、ソングライターのハーリー・アレン(m=レッドの息子)とデビー・ニムス(bs)夫妻、そしてアリソン・クラウスの幼なじみアンドレア・ゾン(f) と作った実験ユニットの貴重な1990年ライブ作品。完成されたブルーグラス・バンドの魅力とは違った出た所勝負のスリルも、インプロバイズが命であるブルーグラス音楽の神髄を良く著してくれる。 (渡辺三郎) |
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●ROU-0294 TONY TRISCHKA『World Turning』 CD(\2,450-)\2,695-税込
Alfa Ya Ya/Keemo Kimo/Circus Jig/Boatman's Dance/Dan Tucker/Get Along John/Reuben/Benko's Rag/Greenwood/If Animals Could Talk/Sun Prairie他全15曲
トニー・トリシュカ1993年リリースのバンジョー集。フリートウッド・マックのタイトル曲を冠したこの本作はトニーのこれまでの「バンジョーの旅」の総集編とも言える壮大な企画物である。バンジョーの歴史を見事になぞりながら現在の最もプログレッシブな彼の音楽まで、素晴らしい構成と音楽、何よりもトニーのバンジョー・スピリットが堪らなく嬉しい大傑作である。同時に世界中のバンジョー奏者に対する問題作でもあろう。ミンストレル、クラシック、オールドタイム、ブルーグラス、ドーグ、そしてプログレまで、どこを切り取っても素晴らしい物ばかりだ。ゲストにはバン・ダイク・パークス、リチャード・グリーン、グリスマン一門、REMのビル・ベリーとピーター・バック、アリソン・クラウス一家とダドリー・コンネル、トニーが現在コンビを組んでいる元ホースフライズのリッチー・スターンズ、フィドル・フィーバーのマット・グレイザーとイバン・ストーバー、その他、とにかく、メチャ凄い作品だ。(渡辺三郎) |
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●DTRD00152 TONY TRISCHKA『Earl Jam』CD(\2,750-)\3,025-税込
トニー・トリシュカ、新興ダウンザロードからの最新作は1980年代から90年代にかけてアール・スクラッグスの家でアールとジョン・ハートフォードがジャムっている非常に貴重なプライベート録音に触発されて創られた作品。
サム・ブッシュ、ダドリー・コネル、マイケル・デイヴス、シエラ・フェレル、ギブソン・ブラザーズ、ヴィンス・ギル、デル・マコーリー、ブルース・モルスキー、ビリー・ストリングス、モリー・タトルをゲストに迎えて録音されたアルバムが完成した。
トニー・トリシュカがアール・スクラッグスを今日のブルーグラスとオールドタイムの一流スターと共演!
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●HL-699063 『The Tony Trischka Collection』BOOK 96頁(\3,900-)\4,290-税込
Blown Down Wall/China Grove/Crossville Breakdown/Heartlands/Hill Country/Kentucky Bullfight/A Robot Plane Flies over Arkansas他全59曲
79年にピーター・ローワンと共に初来日して斬新なスタイルで注目を集めたバンジョーの巨匠、トニー・トリシュカのバンジョーのオリジナル59曲を収めたタブ集。本人と生徒の一人であるベラ・フレックのコメント付。ストレートなブルーグラス曲の"Hill Country"やリリカルな"Roberto's Dream"等々、トニーのユニークなスタイルに迫ってみるのも一興。 |
*ビル・エバンス |
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●ROU-0295 BILL EVANS『Native & Fine』CD(\2,450-)\2,695-税込
Fling Ding/Choking the Strings/Liza Jane/Clarinet Polka/Scotland Yard 他全12曲
かつてクラウド・バレイで大きな話題となったテクニシャン、ビル・エバンスの1995年リリースのソロ・バンジョー作品。
当時はドライ・ブランチ・ファイアー・スクアッドに在籍し、同時にIBMAの本拠地ケンタッキー州オウエンズボロのIBMM=ブルーグラス・ミュージアムの研究職員でもある学者だ(文化人類学で日本を研究対象にしていた)。
かつてのハイテク・ピッキンからトラッドに根ざした精神的に充実した素晴らしいバンジョーを聴かせる。
もちろん、しっかりとしたテクニックに裏打ちされた素晴らしいオリジナルも堪能できる。
マイク・コンプトン(m)のプロデュースでデビッド・グリア(g)、ジェイソン・カーターorステュアート・ダンカン(f)、ミッシー・レインズ(bs)をメインにしたバックアップは常ながら完璧だ。
また、ロン・トーマソンやスザンヌ・トーマスらと共に録音の3曲はディープでトラッドな素晴らしい雰囲気を加えている。
ビル・モンローの生家をモチーフにデザインされたジャケット等も抜群の雰囲気。とってもいいアルバムだ。 |
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●NF-9069 BILL EVANS『In Good Company』CD(\2,450-)\2,695-税込
The Distance Between Two Points/(Bill Evans with The Infamous Stringdusters)Walk To The Water/Some Other Creek/(Bill Evans with Tim O'Brien)Follow The Drinking Gourd/Big Chief Sonny/Dakota/(Bill Evans with Joy Kills Sorrow)On and On/(Bill Evans with David Grier & Mike Marshall)Mother Nature's Son/You've Got To Hide Your Love Away/Lucy In The Sky With Diamonds/A Hard Day's Night/They Say You're Never Lonely In Louisville全12曲
バンジョー奏者であり教育者でもあるビル・エバンズの2012年の作品。デビッド・グリア(g)、マイク・マーシャル(m)、トッド・フィリップス(bs)、ダロル・アンガー(f)にトリスタン(cello)とタシナ(f)・クラーリッジ弟姉のセットでのオリジナルインストを軸に、インファマス・ストリングダスターズに若手マンドリン奏者ドミニク・レスリーを加えたセット、ティム・オブライエンとローリー・ルイスとのボーカルセット、そしてボストンの若手ジョイ・キルズ・サローの女性ボーカルをフィーチャーした若手シンガーソングライター、サラ・シスカインド曲(アリソン・クラウスが2曲取り上げている)などの歌モノをサンドイッチ。
お楽しみは、基本セットでのビートルズ曲集、"Mother Nature's Son"、"You've Got
to Hide Your Love Away"、"Lucy in the Sky with Diamonds"、そして見事なハードドライビング・ブルーグラスに仕上がった"A
Hard Day's Night"の4連発など、バラエティたっぷりに楽しませる大秀作。 |
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●NF-90612 BILL EVANS『Things Are Simple』CD(\2,750-)\3,025-税込
Things Are Simple/Road to Ruidoso/Black Range Waltz/Sierra Blanca/True He's Gone/Along Came Sonny/Gertie & Jake/Nesser/Midnight in Rosine/Chinquapin Hunting全10曲
2022年にスティーブ・マーティン・バンジョー賞を受賞したビル・エヴァンス、2023年リリースのブルーグラス・バンジョー・アルバム。
ジョン・ライシュマン(m)、ジム・ヌナリー(g)、チャド・マニング(f)、シャロン・ギルクリスト(f)等、ビルがお気に入りのミュージシャンたちを集めて3年がかりで録音。
妻のバビとのデュエット・ボーカルによるタイトル曲は美しいストリング・クァルテットをフィーチャー。ビル・エヴァンスのオリジナル・インストが6曲、ジョン・ライシュマンの"Nesser"、オールドタイムの人気曲"Chinquapin
Hunting"他。
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