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Today's topic No. 675

  202410/24


 祝2024年IBMA年間最優秀バンジョー受賞、・・・・・・・・・・・・

 




MCM-0018 ROB McCOURY『The 5 String Flame Thrower』CD(\2,750-)\3,025-税込

Kansas City Railroad Blues/Blackjack/I've Lost You/Banjo Riff/Sugar Creek/Lime House Blues/Northwest Passage/Charlotte Breakdown/Jericho/Caracas/Foggy Mountain Chimes/John Henry/Siempre/We Could/Feuding Banjos.

 

 世界最高のブルーグラスアンサンブルのひとつ、デル・マッカーリー・バンド(DMB)のロブ・マッカーリー、初ソロアルバムの発表!! バックアップはDMB(デルとロニー親子にジェイソン・カーターとアラン・バートラム)、そしてJ.D.クロウと、なーんとなんと!ソニー・オズボーンが引退以来の初登場。

 そして2曲のボーカルには父デルとボビー・オズボーン。決して我を出さず、自分なりに感じるメロディをやや硬質なバンジョーに載せて歌うロブ。

 全15曲、スクラッグス3曲、リノ4曲、オズボーン(未発表の“Jericho”含む3曲)、クロウ1曲の大名曲カバーのほかは、1曲目のトラッド"Kansas City Railroad Blues"、ウォルター・ヘンズレーの"Sugar Creek"、ラリー・パーキンス"Narthwest Passage"、そして父デル・マッカーリーの"Caracas"という徹底ぶりで、クリエイター志向よりも大好きなバンジョーチューンに固執する「バンジョー小僧」の面目躍如。

 実際、あの体とゴツイ顔(失礼!)ながら、すごく謙虚で繊細な神経を持っていると感じるロブ、「録音した全曲をアルバムに入れました」という確信犯である(通常は多めに録音してできのいいモノをアルバムに選ぶ)。

 最後の曲に、兄ロニーのテナーバンジョーとの“Dueling Banjos”というのも気が利いたエンタメ。

 IBMA最優秀フィドル奏者を昨年を含めて合計6回目の獲得をしたジェイソン・カーター。来日した頃のヤンチャは影をひそめた紳士に変身!? ベニー・マーティンを髣髴させるその弓圧で弦を這うようにブルージィ―/ロンサムに歌う快感はスバ抜けてひつこい!!……のが大好きだ。

 “Foggy Mountain Chimes”ではベニーの完コピを聴かせてくれる。

 ロニー・マッカリーのマンドリンも絶好調、そして現代ブルーグラスリズムの基本でもある父デルとアラン・バートラム(bs)の創るドライブは完璧だ。

 そのほか、ゲストではブルーグラスパーカッションの第一人者!?ケニー・マローンが3曲、ペダルスティールギターのティム・サージェントが3曲、なにより、アールが書いた歌モノ"I've Lost You"でのボビー・オズボーンのホンモノさには恐れ入るし、"Siempre"でのマンドリンにはたまげる。

 そしてなんとボビーが歌う“We Could”ではソニー・オズボーンが久々に弾くバンジョーがイントロで聴かれるそのトーンのやわらかいこと……。ロブの謙虚な律儀さが、引退している頑固者のソニーを引っ張り出したのだろう、か? ロブのバンジョーとデル・マッカーリー・バンドの素晴らしさが堪能できるストレートなバンジョーインスト集である。 (渡辺三郎)
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