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Today's topic No. 653

  2024/06/25


  トニー・トリシュカ、新興ダウンザロードからの最新作は1980年代から90年代にかけてアール・スクラッグスの家でアールとジョン・ハートフォードがジャムっている非常に貴重なプライベート録音に触発されて創られた作品。サム・ブッシュ、ダドリー・コネル、マイケル・デイヴス、シエラ・フェレル、ギブソン・ブラザーズ、ヴィンス・ギル、デル・マコーリー、ブルース・モルスキー、ビリー・ストリングス、モリー・タトルをゲストに迎えて録音されたアルバムが完成した。トニー・トリシュカがアール・スクラッグスを今日のブルーグラスとオールドタイムの一流スターと共演!
 
 



●DTRD00152 TONY TRISCHKA『Earl Jam』CD(\2,750-)\3,025-税込

Brown's Ferry Blues/San Antonio Rose/Chinese Breakdown/My Horses Ain't Hungry/Roll on Buddy/Freight Train Blues/Casey Jones/Dooley/Cripple Creek/Amazing Grace/Lady Madonna/Bury Me Beneath the Willow/Shout Little Lulu/Little Liza Jane/Amazing Grace - Postlude全15曲


 2020年に200曲以上のジョン・ハートフォードとアール・スクラッグスのプライベート・ジャムの音源を発見、これらのアールのプレイを一音一音書き起こした中から15曲を選んで、豪華なゲストを迎えてスクラッグスへのトリビュートの思いを込めた本作『Earl Jam』を創り上げた。

 ベラ・フレック(bj)をプロデュースに迎えてビリー・ストリングス(v,g)をフィーチャーした"Brown's Ferry Blues"ではスクラッグスと見紛うばかりのトーンとタイミングによるトリシュカとノン・スクラッグス・スタイルのベラのバンジョー・バトルに加えてマイケル・クリーブランド(f)、サム・ブッシュ(m)、マーク・シャッツ(bs)の好プレイも聞き物。

 話題の歌姫、シエラ・フェレル(v)を迎えたSan Antonio Rose"ではダロル・アンガー(f)とケイシー・ドリーセン(f)のツイン・フイドルとフィービー・ハント(v)とリンジー・ルー(v)のハーモニーが秀逸。"Chinese Breakdown"ではドミニク・レスリー(m)、ステュアート・ダンカン(f)、マイケル・デイブス(g)、マイク・バブ(bs)が参加、トリシュカはアールの"Foggy Mountain Special"で聞かれるアプローチで演じている。

 ブルース・モルスキー(f,v)とのデュオで聞かせる"My Horses Ain't Hungry"。デル・マッカリー・バンドを迎えた"Roll on Buddy"は若き日のデルが1964年にモンローと録音した曲。

 ロイ・エイカフの"Freight Train Blues"はダドリー・コンネル(v)、マイケル・クリーブランド(f)。ジェイコブ・ジョリフ(m)のぶっ飛んだプレイに加えて、ニューヨーク在住のマルチ・ミュージシャン、ジャレッド・エンゲル(bs)のベース・ソロもフィーチャー。

 鉄道技師を唄った"Casey Jones"ではマイケル・デイブス(g,v)ドミニク・レスリー(m) & フィービー・ハント(f)夫妻他。

 ディラーズのミッチ・ジェイン & ロドニー・ディラード作の"Dooley"ではモリー・タトル(g,v)、ディーン・ウェッブを髣髴させるサム・ブッシュ(m)、ブロンウィン・キース・ハインズ(f,v)、ショーン・トリシュカ(v)他。

 スクラッグスのバラエティ溢れるプレイに触発された"Cripple Creek"ではダドリー・コンネル(v)も聞ける。

 メロディの忠実に良く唄うバンジョー・ソロが素晴らしい"Amazing Grace"ではシェラ・フェレルとマクラリー・シスターズの重厚なハーモニーをフィーチャー。

 ギブソン・ブラザーズを迎えたビートルズの"Lady Madonna"のバンジョーの間奏ではアールに準じたプレイが聞かれるが、マイケル・クリーブランド(f)、ジェイコブ・ジョリフ(m)とのエンディングの凄まじいバトルではトリシュカお得意のフレーズが炸裂。

 ビンス・ギル(g,v)を迎えたカーター・ファミリーの"Bury Me Beneath the Willow"はマイケル・クリーブランドのスローなフィドル・ソロから転調してアップテンポに展開、マイケルとブリタニー・ハース(f)のツイン・フィドルも聞ける。

 トリシュカのソロ・バンジョーによる"Shout Little Lulu"、アールが若い頃にスクエア・ダンスのバックをソロで演じた経験もあるという。

 "Little Liza Jane"はアルバム・タイトルに相応しくトニーとブリタニー・ハース(f)、ブライアン・サットン(g)、マイク・バブ(bs)にデル・マッカリーがボーカルで加わるジャム・という趣。

 ラストはシェラ・フェレルとマクラリー・シスターズのアカペラによる"Amazing Grace"で幕を閉じる。全15曲、今年で生誕100年を迎えたアール・スクラッグスに対するトニー・トリシュカと仲間達による素晴らしいトリビュート作品。
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