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Today's topic No. 370
  2020/04/08


  米国ブルーグラス界のボーカル至宝、ラリー・スパー クス、2007年リリース作品。
 
 





●MCM-0004 LARRY SPARKS『The Last Suit You Wear』(本体\2,450-)\2,695-(歌詞付)

The Old Coal Mine/Casualty Of War/For Your Love/Lazarus And The Rich Man/I'm Country And Nothing More/Pretty Girls/The Last Suit You Wear/Goodbye Little Darlin'/Follow The Star/Larro/Hand In Hand/Those Blue Eyes Don't Sparkle Anymore)全12曲

 米国ブルーグラス界のボーカル至宝、ラリー・スパー クス、2007年リリース作品は、同じくブルーグラス至宝と並び称せられるデル・マッカーリーのレーベルから初の外部アーティストとしてのアルバム。

 J.D.クロウやデルをゲストに、ジャック・キンケード(m)、ジョッシュ・マクマー レイ(bj)、息子ラリー・D.スパークス(bs)のロンサム・ランブラーズ、そしてステュアート・ダンカン(f)とロン・スチュワート(バンジョーとフィドルの双方)が大活躍して、それまでの作品とはひと味違う、きちんと創り込まれた作品になっている。

 …ラリーやデルが至宝と尊敬される理由は、ピーター・ローワンやティム・オブライ エンとは違う、ふたりの持っている体臭のようなものだと思う。

 それはブルーグラスだけで純粋培養された、 しかも決して周囲の状況に動かされない頑固さを持つヒトだけに漂う信念、…というより本作の曲にある "I'm Country and Nothing More"の通り、正真正銘の「田舎」者=自然や風土に同化したかっこいい単純 (シンプル)さ、から生まれる「トゥルー・ソング」の力ではないだろうか。

 "Banks of the Ohio"や"Little Girl Of Mine in Tennessee"(得意の超早で)を思わせる新曲などのこれぞブルーグラス!や、イラク兵士 の母子悲劇を歌う曲などのコンテンポラリーながら田舎の情感をことさらに歌い込むバラッドなど、ラリー の独壇場である。

 ラリーの声に、そしてあのリード・ギターに、まさしくブルーグラスの誇りが詰まっている。 彼もまた、スタンレー経由であるものの、フラット&スクラッグスっ子であることを隠さない。

 亡くなった人に着せるスーツにポケットは要らないと歌ったタイトル曲はハーガス・ピッグ・ロビンスの優雅なピアノをフィーチャーして切々と歌われる。
 
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