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Today's topic No. 024
  2016/10/06

「WoodSong CoffeeHouse」シリーズとは?

 アメリカ旅行をしたとしても、本当のアメリカ生活の中まではとても簡単には行けるものではない。音楽も同様、それが地元に密着したものであればあるほど、旅行者、ましてや顔つきの違う外国人にとっては敷居の高いものだ。

 日本人を含め、世界中からブルーグラスファンの集まるナッシュビルのステーションインにしても、実は日本からの観光客が気軽に行けるような敷居でないことは知っておくべきだろう。ブルーグラスツアーの参加者はとても貴重な体験をしているのだ。そんなローカルのライブ現場を垣間見ることのできる貴重な映像DVD-R集がシリーズ発売だ。

 ケンタッキー州レキシントンを本拠にするラジオ番組『WoodSongs Old-Time Radio Hour』(番組名で検索、「tunein.com」にて番組アーカイブが聴ける)。本レターでもJ.D.クロウをゲストにしたアルバム『WoodSongs』(1995)を紹介したフォークシンガーのマイケル・ジョンソンがホストとなり、さまざまなグラスルーツ系アーティストをゲストに、1998年に20席の会場ではじまった非営利ボランティアで運営されるライブショウ。

 2013年には150席から300席を経て540席の会場に移り、KET(ケンタッキー教育TV)で放映され、全米、カナダ、イギリスなど500局以上、そして米海軍ので放映されている人気番組。

 ちなみにマイケル、初期アルバム紹介に恩義を感じてか、なぜか日本には親切にしてくれる。

 そんな「ウッドソングズ」のアウトリーチプログラムとしてリスナーに呼びかけ、その結果として生まれた全米各地90ヶ所に及ぶボランティアらによって運営されるローカルライブシリーズ「ウッドソング コーヒーハウス」。本作はその一つ、ケンタッキー州フローレンスでのライブを収めたもの。

 ただし、そのプロダクションはメジャーメディア作品のように「カッコ良く」作り込まれたものでないことはご承知いただきたい。

 日常に開かれるジャンルを超えたサロンコンサートで、普通の音楽ファンを楽しませるローカルミュージシャンたち、製作レベル同様にトップバンドのように洗練されたのではないが、これが日常的にアメリカの人々が楽しんでいるショウである。

 


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HMBP-SHIFL Karl Shiflet DVD-R2枚組(本体\3,700-)\3,996-

 これは本シリーズ中の大推薦! アメリカで何度も観てわたし自身、大ファンになってしまったカール・シフレットとビッグカントリーショウのライブ2セット、2012年4月21日のライブをほぼ完全に収めた秀作(やっぱプロダクションは良くないが)だ。

 トラッドグラスのお好きな方は、波長が合えばハマります.....!!! 大げさなアクションのコミックバンドでもあるけれど、ブルーグラスの生き活きとした本質がこれほど直接に目にする機会はない! ワクワクする1950年代のアメリカ音楽のエッセンスを味わえるすばらしいDVD-R映像2枚組。

 次から次へとブルーグラスとカントリー名曲カバーでフラット&スクラッグスとビル・モンロー、そしてレノ&スマイリーのアーリーブルーグラス時代のライブショウを合わせたようなサウンドで笑かせてくれる優れものだ。

 目先の面白さに心奪われず、この動きのタイミングと間(マ)が生むアーリーブルーグラス時代のブルーグラスビートのある種の真実!を感じるべし。

 メンバー全員が曲を重ねるごとにもの凄い火を吹き始める様子も手に取るように楽しめる。ワナビー「レスター・フラット」のカール・シフレット(gt)を軸に、スクラッグスとドン・レノ、そしてホンキートンクの真髄を知るバックアップも聴き逃せないクリス・ヒル(bj)、モンロースタイルに徹するC.J.ルーワンドウスキ(md)、ポール・ウォーレンの切り込みとダンシングフィドラー、マック・メゲーヘのスウィングを合わせ持つホットなビリー・ハート・ジュニア(fd)、ダニー・ビュロウのスクラッチボード(鎧のようなウォシュボード)、そして息子のクリス・シフレット(bs)。 

 ちなみにメンバーのうち、尋常な才能ではない音を次から次へと聴かせつつ、アーリーブルーグラス時代のアメリカンを演じるクリス・ヒル、味のあるバンジョーはもちろん、そのすばらしいテナーボーカルでトム・フェラーと2014年、「フェラー&ヒル」を結成、すでにゴスペル集を含むアルバム3枚を発表、高い評価を受けている。

 また、どんどんホットになるフィドラー、ビリー・ハートは昨年、パタクサントからデビューソロ『Fiddlin' Billy Hurt』を発表しているので、ぜひ、その本性も聴いていただきたい。

 演奏の合間に、スティーブン・ホーレンのメディスンショウパロディの超馬鹿話、お決まりのチョッと下品なのと残酷な話題……。

 また、なぜか巻末にシフレットがカバーていたボブ・ウィルス"Take Me Back To Tulsa"とボビー・ヘルムス"Fraurein"(トミー・ジャクソンのフィドル!)、またブルーリッジ系ブルーグラスのロスト&ファウンドが一曲の合計3曲が加えられている……という編集!?

    ☆☆ビー・オー・エム・サービス(御注文は:TEL 0797-87-0561:FAX 0797-86-5184:E-MAIL order@bomserv.comにて承ります。☆☆