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Today's topic No. 023
  2016/9/21

 1970年代の「もっともセンセーショナルなライブレコーディング!」のひとつ。

若いけれど歌心溢れるキース・ウィットリー(gt)、ブルーグラスバンジョーに1970年代以降のグルーヴを初めて与えたジミー・アーノルド(bj)、そしてカントリージェントルメンとセカンドジェネレーションでマンドリン職人という立場を確立したジミー・グドロー(md)、そして2014年8月9日に72歳で亡くなったビル・ロウリングス(bs)、同年7月20日に55歳の若さで亡くなったわが友ロニー・フリーランドの録音、レッド・クレイ・レコードが1978年製作した1973年のニュー・トラディション唯一の公式録音ライブです。

 この4人が創る、ブルーグラスバンドとしてのグルーヴと、何よりもあまりに凄いキース・ウィットリーのボーカル(その後、伝説的なカントリーシンガーとなる)によって組みあげられるアンサンブルを堪能下さい。

 


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RC-105 THE NEW TRADITION『Live: Keith Whitley, Jimmy Gaudreau, Jimmy Arnold, Bill Rawlings』CD(本体\2,000-)\2,160-(レッド・クレイ・レコーズ アーカイブ シリーズ)

Love Please Come Home/Ballad of Forty Dollars/Mr. Bojangles/Nine pound hammer/Old Dogs, Children and Watermelon Wine/Sally Gaudreau//Last Thing on my Mind/I Know What It Means to be Lonesome/Paradise/John Hardy/All the Good Times Has Past and Gone/O.B.S.

 本作は1988年、“When You Say Nothing at All”など3曲つづけてナンバーワンヒットを飛ばしカントリーシンガーの頂点に立ったものの翌1989年、34歳の若さでアルコールによって命を奪われたキース・ウィットリーが1973年、それまでのリッキー・スキャッグスとともに過ごしたスタンレー・ブラザーズの庇護のもとを離れて、初めて自分の音楽を歌いはじめたときをビビッドに捉えた故ロニー・フリーランドの録音である。

 ちなみに本作とは関係ないが、“When You Say Nothing at All”はのちにアリソン・クラウスがカバーし、1995年に初のトップ10ヒットを記録、また1999年にはアイルランドのローナン・キーティングがジュリア・ロバーツ主演の映画『ノッティングヒルの恋人』のサントラとして録音、エンディングテーマとして使用されヒットしている。

 さらにバンジョーを8ビートノリで初めて弾き切った天才楽器奏者ジミー・アーノルド(本作のオレンジブロッサムスペシャルほかのエゲツナイ上手さを聴くべし!! 彼もアルコールやドラッグなどのために1992年、40歳のクリスマスの日に亡くなった)。しかし彼の遺したバンジョーアルバム(現在は編集された)『Riding with Ol' Mosby』(REB-7513 \2,139-)を聴けば分かる、ブルーグラスバンジョーを志す者必聴作品である。

 そして北部ロードアイランドから職人ジミー・グドローのマンドリンとキレのいいテナーに、ジミーと高校時代からブルーグラスした故ビル・ロウリングス(bs)が加わった本作。ちなみにグドローは1969年、カントリージェントルメンの日本ツアー(未遂)のためにジョン・ダッフィの代わりに急遽メンバーとなりこの世界にやって来たという……。

 本作は、リラックスしたように見えて、そのキースとふたりのジミーが丁々発止、しかもキースの歌を見事にサポート、のちのJ.D.クロウ&ニューサウス時代やカントリーで成功したときよりも、深みや上手さは及ばないだろうが、その真摯さが胸を打つ。選曲も見事だ……トム・T.ホールの“Old Dogs, Children and Watermelon Wine”は涙なくしては聴けないぞ……!

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