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Today's topic No. 001 2016/6/17 |
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● East Virginia Blues/For Lovin Me/She's Gone, Gone, Gone/Home Sweet Home Revisited/You Can Have Her/You Can Share My Blanket/I'm Walkin'/Railroad Lady/You Are What I Am/Ten Degrees and Getting Colder/God's Own Singer/Ramblin' Boy/Cryin' Holy Unto The Lord全13曲 今年後半一番の話題作!!J.D.クロウ&ニュー・サウスのボーカル&ギタリストを15年間勤め上げたリッキー・ワッソンが長年、J.D.の元で学んだことを形として表したJ.D.クロウ・トリビュート作品。10代の頃からジミー・マーチンの下でソリッドなサニー・マウンテン・ボーイズのサウンドを徹底的に学び、独立後はレッド・アレンやドイル・ローソン、ラリー&トニー・ライス兄弟等とケンタッキー・マウンテン・ボーイズからニューサウスへ、カントリーやシンガーソング・ライターのレパートリーを積極的に取り入れて70年代以降のブルーグラスのトレンドをセット、キース・ホィットリーという不世出のカントリー歌手を輩出したことでも知られる。 ブルーグラスの歴史の中でJ.D.が果した功績を今一度、検証して、名うてのミュージシャンと共に後世の手本となるような演奏を残しているという点で、J.D.やドイル・ローソン、トニー・ライス等が第一世代のブルーグラスを演じたブルーグラス・アルバム・バンドと同じ様な役割をしていると云えるだろう。 ワッソン(g)在籍時にニューサウスで一緒だったこともあるロン・スチュアート(bj,f)、ハロルド・ニクソン(bs)、彼らとはボックスカーズのバンド仲間でも有るアダム・ステフィ(m)を基本バンドにゲスト・シンガーを招いて、ニューサウスの代表曲を演じる。 ニューサウスのライブ・イン・ジャパンの1曲目の印象が強烈な"East Virginia Blues"ではダン・ティミンスキーのハイ・リードとリックのバリトンとローテナー、アダム・ステフィのマンドリンも特筆すべき。 カナダのシンガーソングライター、ゴードン・ライトフットの"For Lovin Me"やフライング・バリットの"God's Own Singer"、トム・パクストン"Ramblin' Boy"のフォーク、シンガーへソングライター系のレパートリーではリックのバリトン・ボイスのリードが冴える。 ロン・スチュアートのミディアム・テンポにおけるバンジョー・のお手本のようなプレイも聞き物。メジャーカントリー歌手、モー・ピットニーのリードとダン・ティミンスキーのテナーによるレフテイ・フリーゼルの"She's Gone, Gone ,Gone" ("Railroad Lady"と並んでキース・ホィットリー、ジミー・グッドロウを伴った二度目の来日公演のハイライトの一つだった)ではカントリー・ヒットのブルーグラス・アレンジのひとつの典型。 ロドニー・クロウエルの"Home Sweet Home Revisited"では同時代にブルーグラスを南部の田舎音楽というイメージからより洗練されたスタイルに昇華させたもう一方のヒーロー、セルダム・シーン同様に幅広いリスナーにアピールする洒脱なサウンド、 この曲の収録されたニューサウスの通称『Old Home Place』からは"I'm Walkin'""You Are What I Am""Ten Degrees and Getting Colder""Cryin' Holy Unto The Lord"の全5曲を取上げている点でも、如何にエポック・メイキングな作品だったかが伺える。 ジミー・マーチンのソリッドグラスを更に推し進めたという印象の"You Can Have Her"。 75年の初来日以来、カントリー・ガゼット、セルダム・シーン、ニューグラス・リバイバルと共に日本のブルーグラッサーたちに大きな影響を与えたニューサウスのサウンドがリック・ワッソンと、その仲間たちによって再構築されて次の世代に引継がれていくことだろう。 |