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●BMR-0001 BLUE MOON RISING『Blue Side of the Moon』CD(本体\2,450-) \2,646-
イーストテネシーを本拠地に全米規模でツアーをはじめたブルームーン・ライジングの最新第6作目。セルダムシーンのデビュー作『ACT 1』で知られるポール・クラフトの“Raised By the Railroad Line”をカバーしていることでも知れるように、セルダムシーンのDCサウンド的モダンさを感じさせてくれるバランスのいいブルーグラスだ。
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●PR-1503 NEWTOWN『Time Machine』CD(本体\2,450-)\2,646-
All I Was to You/Dublin Blues/Rounder/ll My Tears/Thin Red Line/The Widows Ghost/Goodbye Mary Jane/Floating Bridge/Elmer T/A Train Robbery.
J.D.クロウのニューサウスが育ったケンタッキー州レキシントンに生まれた、透明感のある美しくデリケートな女性ボーカル、ケティ・ペン・ウィリアムズ(f)を軸に、とても趣味のいいサウンドを創るニュータウンの最新第2作。夫のジュニア・ウィリアムズのバンジョー(うまい!)にボーカル、これまたともにケティのボーカルとフィドルと同様にバランスの取れた素晴らしいもの。ギターとボーカルのC.J.ケインのすばらしいオリジナル6曲(とてもいい!!須田ギターのユーザー)を提供、マンドリンのクリント・ハードも素晴らしい。ベースにはカナダからテリー・ポイリアー。“Handsome Molly”を下敷きにしたようなガイ・クラーク作の“Dubblin' Blues”は秀逸だ。ほかにレボン・ヘルムの“A Train Robbery”(ポール・ケナリー作)などもカバー。すばらしい女性と男性ボーカルに、今では当然のようなスーパーピッキンが素晴らしい若い新バンドだ。
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●ROU-9168 STEEP CANYON RANGERS『Tell the Ones I Love』CD(本体\2,450-)\2,646-
2013年、前作『Nobody Knows You』(ROU-0648 \2,573-)がグラミーを受賞、また今年のIBMAアワードショウのホストを務め、またスティーブ・マーティンとエディ・ブリッケル――アルバム『Love Has Come For You』(ROU-9150 \2,573-)は2013年米ブルーグラス界最大のヒット作のひとつ――とともにIBMAワイドオープンブルーグラスのトリを務めた、現在もっとも知られるブルーグラスバンドとなったスティープ・キャニオン・レインジャーズ最新作。ウッドストックにある故リボン・ヘルムのスタジオでボブ・ディランをサポートしてきたラリー・キャンベルが制作、これまでマーケットよりも北部インテリ系ブルーグラス市場を志向する素晴らしいオリジナル作品集。昨秋発表と同時にビルボード・ブルーグラスチャート第1位となっている。今もっとも注目される若手ブルーグラスバンドの秀作である。
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●MFR-130219 VOLUME FIVE『Run』CD(本体\2,450-)\2,646-
ミシシッピを本拠にするというボリュームファイブの最新第3作。メチャクチャにクリスプでエッジ立ちまくりの、呆れるほど今風ソリッドグラスである。とにかくその……全員のスーパーピッキンぶりたるや……ほかのどの若手バンドも同様だが、とくに彼ら、どいつもこいつも!?、メジャーバンドでも即戦力だ。詳細紹介しようと思ったが、各人の情報不足にて、この新入荷紹介だけにとどめておこう。リーダーはフレキシブルなグレン・ハレル(f)のほか、ソリッドなリズムをキープ、歯切れいいジェシー・ダニエル(m)、音キレと指離れの気持ちいいパットン・ウェイジス(bj)、クリス・ウィリアムソン(bs)、ジェフ・パーティン(g,d)。バンドメンバーによるオリジナル5曲と、ダラス・フレージャー“Son of Hickory Holler’s Tramp”やエド・ブルース“See the Big Man Cry”などカントリー中ヒットのほか、最後の4曲にはジョン・プライン“Paradise”を新鮮なアレンジで聴かせ、アール・スクラッグスのレビュー時代のインスト“Silver Eagle”、カーター・スタンレー“Little Willie”はよりアパラチア風味を効かせ、12曲目の最後に持ってきたのはカントリージェントルメンの代表曲“Fox on the Run”! とても楽しめる「21世紀のソリッドグラス」だ。
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●MFR-130423 SPINNEY BROTHERS『No Borders』CD(本体\2,450-)\2,646-
Louisville Woman Play/On That Glorious Day/Grandpa’s Way of Life Play/I Wish That I Could Have Met Carter/On That Road Leadin' Home/I'm Not Over You/I Want My Dog Back/Big Marshall/Mama's Roses/The Moon Saw Me Crying/Gotta Go Down/Darlin' Think of What You've Done/He Never Went Away/Whiskey Daniels. 全14曲
全米ブルーグラス・チャート(毎月ムーンシャイナー掲載)でトップの常連になっているスピニー・ブラザーズ今夏の最新作。1960年代、日本の学生バンドもよく取り上げたケンタッキートラベラーズの"The Moon Saw Me Crying"や、カーター・スタンレーのブルーグラススタンダード"Think of What You've Done"などのカバーほか、現在のブルーグラスソングライターたちのストレートなブルーグラス曲を取り上げ、丁寧なトラッドグラスサウンドを聴かせる。アラン(g)とリック(bj)のスピニー兄弟にゲリー・ダリンプル(m)、ダリル・ヘッブ(bs)というメンバーに、トラッドグラスサウンドに合わせてアグレッシブながらもストレートなブルーグラスフィドルに抑えたロニー・スチュワートとドブロにロブ・アイクス(d)、そして1曲のみだがスピニー兄弟が崇拝するスタンレー・ブラザーズ直系のラルフ・スタンレーUがボーカルで参加。ブルーリッジ系に聴かれるソリッドグラスやナッシュビル系のビッグサウンドとはまったく違うストレート(古風!?)なブルーグラスサウンドがとてもいい。ロン・スチュワートのフィドルがブルーリッジ系のときとはまったく違ったフレージングになるのも聴きものである。こんなにすばらしいブルーグラスバンドがカナダのノバスコーシア(ニュースコットランド)の出身なんです。
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●MRR-1013 SNYDER FAMILY『Stages』CD(本体\2,450-)\2,646-
2010年夏、驚きをもって紹介した中学生の兄ゼブと小学生の妹サマンサのギター/マンドリンとフィドル/ボーカルに父バド(bs)のトリオ、スナイダー・ファミリーの最新第2作。7曲がインスト、6曲の歌物で12歳と16歳になった兄妹のスーパーピッキンを堪能する。オリジナルのほか、J.J.ケールのカバーや最後には2曲続けてのフォスター、"I am a Pilgrim"ではフラットピックでトラビス・ピッキンに挑戦など。12歳にして主張とリズムがしっかりしたサマンサと、群を抜いたゼブ・スナイダーのフラットピッキン・ギターをお楽しみください!!
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●RUR-1108 AMERICAN DRIVE CD(本体\2,450-)\2,646-
J.D.クロウが2012年一杯でツアーサーキットからの引退を発表、残されたニューサウスに若手バンジョーのジャスティン・ジェンキンズを加えた新バンド、アメリカン・ドライブのデビュー作。14年間、J.D.の右腕としてニューサウスを支えたリッキー・ワッソン(g)の深いバリトン・ボイスとシュアなリードギターは、トニー・ライスを思わせる落ち着きを聴かせる。チャーリー・ウォーラー&カントリージェントルメンに参加後1996年からニューサウスに参加したドワイト・マッコール(m)のスカッとしたテナーボイスに、マット・デスペイン(d)とカイル・パーキンス(bs)がニューサウス・サウンドを継承。ピート・ゴーブルやビル・キャッスルらの新曲のほか、1959年にモンローにとっては珍しいチャートヒットなったポール・クレイトン作の"Gotta Travel On"やドン・ウィリアムズの1977年ヒット"Some Broken Hearts Never Mend"のカバーなど、トニー・ライス/リッキー・スキャッグス在籍時以来のハッピーミディアムなサウンドが快調だ。
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●DSI-0001 DANIEL BONER『The Gospel Way: Recorded Live』CD(本体\2,000-) \2,160-
Let Tomorrow Be/Take Up Thy Cross/I Wish I'd Done It Sooner/Presence Of The Lord/The Unclouded Day/I Am A Pilgrim /Down By The Riverside/Take Your Shoes Off Moses/What A Friend We Have In Jesus/Angel At My Doorstep/One Captain/Jesus Will Help You/There I Go/I'll Fly Away/Medley: Will The Circle Be Unbroken, I Saw The Light /The Gospel Way. 全16曲
ダニエル・ボナ―、ETSU(東テネシー州立大学)のブルーグラスプログラムを率いる学部長は、13年前の2001年、ETSUブルーグラス現役バンド(ジョッシュ・ゴーフォース、J.P.マティス、井上太郎、ロビン・クリーベンジャー)が初来日したときのギタリストだからまだ30歳とちょっと。本作は2007年に録音/発表、来日を機に再プレスした物。ダニエルのギターとボーカルに同窓生だったベッキー・ビューラー(f)のふたりが書いたオリジナルゴスペルと有名スタンダードゴスペルの数々を、ETSUで教鞭を取るウィル・パーソンズ(bj)、ジェイソン・クロウフォード(m)、ダニエル・ソルヤー(g, tenor v)、デビッド・バブ(bs)の基本バンドで、ファースト・バプティスト教会で録音した素晴らしいコンサートのライブ。ベッキーのフィドルは当然ながら、ウィルのバンジョーの素晴らしいこと(ちなみにパーソンズマンドリンの製作家で、彼の娘とうちの娘はルームメイトだった……閑話休題)。
教会ということもあるだろうが、メチャノリのいい観客を相手に、米国ブルーグラスコミュニティの層の厚さ――南部アパラチアのど真ん中、東テネシーということもあるのだろうけど――とにかくダニエルも含めて、全米的には無名な彼らの演じるブルーグラスの素晴らしいこと。現代風フラットピッキンの中にもきっちりとビル・ネピアやジョージ・シャフラーらのテイストを加えるダンのギター、“What a Friend We Have in Jesus”などでの非常に美しいメロディの表現方法。J.P.マティスをゲストに迎えてのフィドル&バンジョーでの確かなブルーグラス・フィドラーとしての腕前。同窓だったベッキー・ブーラーを迎えてのマンドリン/ギターでのデュオ。……マルチプレイヤーとしての才能は天賦のものだし、ボーカルの強かさもたいしたもの。とても最初の日本旅行のとき宝塚フェスで神戸大学生を相手に思いっ切り羽目を外していたおバカなダンとは別人だ。お勧めのブルーグラスライブ作品だ。
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